K 5981:2006
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本パウダーコー
ティング協同組合(JAPCA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 5981:1992は改正され,この規格に置き換えられる。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
K 5981:2006
(2)
目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 種類 ······························································································································ 2
3.1 素地による種類 ············································································································· 2
3.2 塗装前処理による種類 ···································································································· 2
3.3 粉体塗料による種類 ······································································································· 2
4. 品質 ······························································································································ 3
5. 試験方法 ························································································································ 4
5.1 試験の一般条件 ············································································································· 4
5.2 外観 ···························································································································· 4
5.3 塗膜の厚さ ··················································································································· 4
5.4 耐食性 ························································································································· 5
5.5 促進耐候性試験 ············································································································· 5
5.6 耐湿性 ························································································································· 6
5.7 引っかき硬度 ················································································································ 6
5.8 付着性 ························································································································· 6
5.9 耐アルカリ性 ················································································································ 6
5.10 耐酸性 ························································································································ 7
5.11 耐おもり落下性 ············································································································ 7
6. 表示 ······························································································································ 7
日本産業規格 JIS
K 5981:2006
合成樹脂粉体塗膜
Thermoplastic and thermosetting powder coated films
1. 適用範囲 この規格は,鉄鋼,亜鉛めっき,アルミニウムなどの金属素地(以下,素地という。)に,
脱脂,研磨,ブラスト,化成皮膜処理,有機皮膜処理などの塗装前処理(以下,塗装前処理という。)を施
し,熱硬化性及び熱可塑性合成樹脂粉体塗料(以下,粉体塗料という。)を塗装し,加熱形成させた粉体塗
装製品(以下,製品という。)の塗膜(以下,塗膜という。)の種類,品質,試験方法などについて規定す
る。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7502 マイクロメータ
JIS B 7753 サンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機
JIS C 2338 電気絶縁用ポリエステル粘着テープ
JIS K 5600-1-1 塗料一般試験方法―第1部:通則―第1節:試験一般(条件及び方法)
JIS K 5600-1-4 塗料一般試験方法―第1部:通則―第4節:試験用標準試験板
JIS K 5600-1-6 塗料一般試験方法―第1部:通則―第6節:養生並びに試験の温度及び湿度
JIS K 5600-1-7 塗料一般試験方法―第1部:通則―第7節:膜厚
JIS K 5600-4-3 塗料一般試験方法―第4部:塗膜の視覚特性―第3節:色の目視比較
JIS K 5600-4-6 塗料一般試験方法―第4部:塗膜の視覚特性―第6節:測色(色差の計算)
JIS K 5600-4-7 塗料一般試験方法―第4部:塗膜の視覚特性―第7節:鏡面光沢度
JIS K 5600-5-3 塗料一般試験方法―第5部:塗膜の機械的性質―第3節:耐おもり落下性
JIS K 5600-5-4 塗料一般試験方法―第5部:塗膜の機械的性質―第4節:引っかき硬度(鉛筆法)
JIS K 5600-5-6 塗料一般試験方法―第5部:塗膜の機械的性質―第6節:付着性(クロスカット法)
JIS K 5600-6-1 塗料一般試験方法―第6部:塗膜の化学的性質―第1節:耐液体性(一般的方法)
JIS K 5600-7-1 塗料一般試験方法―第7部:塗膜の長期耐久性―第1節:耐中性塩水噴霧性
JIS K 5600-7-2 塗料一般試験方法―第7部:塗膜の長期耐久性―第2節:耐湿性(連続結露法)
JIS K 5600-7-7 塗料一般試験方法―第7部:塗膜の長期耐久性―第7節:促進耐候性(キセノンラン
プ法)
JIS K 5600-7-9 塗料一般試験方法―第7部:塗膜の長期耐久性―第9節:サイクル腐食試験法ー塩水
噴霧/乾燥/湿潤
JIS K 5600-8-2 塗料一般試験方法―第8部:塗膜劣化の評価―第2節:膨れの等級
JIS K 5601-1-1 塗料成分試験方法―第1部:通則―第1節:試験一般(条件及び方法)
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JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS Z 1522 セロハン粘着テープ
JIS Z 8722 色の測定方法―反射及び透過物体色
3. 種類
3.1
素地による種類 素地による種類は,表1による。
表 1 素地による種類
種類の区分
鉄鋼
鋳鉄
亜鉛めっき
アルミニウム
アルミダイカスト
ステンレス鋼
その他
3.2
塗装前処理による種類 塗装前処理による種類は,表2による。
表 2 塗装前処理による種類
種類の区分
脱脂
研磨
ブラスト
りん酸亜鉛化成皮膜
りん酸鉄化成皮膜
クロメート化成皮膜
その他の化成皮膜
有機被膜
その他
3.3
粉体塗料による種類 粉体塗料による種類は,熱硬化性粉体塗料及び熱可塑性粉体塗料に区分し,
更にそれぞれ含有する主な合成樹脂の種類によって,表3による。
表 3 粉体塗料による種類
種類の区分
小区分
熱硬化性粉体塗料
エポキシ樹脂系
エポキシポリエステル樹脂系
ポリエステル樹脂系
アクリル樹脂系
その他
熱可塑性粉体塗料
ポリオレフィン樹脂系
ポリ塩化ビニル樹脂系
ポリアミド樹脂系
ポリエステル樹脂系
その他
3
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4. 品質 品質は,5.によって試験したとき,次に適合しなければならない。ただし,品質項目は,受渡
当事者間の協定によって選択することができる。
a) 外観 塗膜の外観は,はがれ,膨れ,割れなどの異常があってはならない。
b) 塗膜の厚さ 塗膜の厚さは,受渡当事者間で協定した値とする。
c) 耐食性 耐食性は,表4による。
表 4 耐食性
水準
S1
S2
S3
S4
S5
試験時間 h
48
120
240
500
1 000
はがれ幅mm
3以下
d) 促進耐候性 促進耐候性は,表5による。
表 5 促進耐候性
水準
W1
W2
W3
W4
W5
試験時間 h
120
240
500
1 000
2 000
光沢保持率 %
70以上
色差 △E(1)
4以下
外観
はがれ,膨れ,割れなどの異常があってはならない。
注(1) 特殊な色調のものについては,受渡当事者間の協定による。詳細は,5.5 b) 3) 色差を参照。
e) 耐湿性 耐湿性は,表6による。
表 6 耐湿性
水準
R1
R2
R3
R4
R5
試験時間 h
48
72
150
240
500
碁盤目試験評価点
分類2より,はく離が多くてはならない。
膨れ評価点
大きさ2より小さく,かつ,密度2よりまばらでなければならない。
外観
しわ,さび,はがれ,白化などの異常があってはならない。
f)
引っかき硬度 引っかき硬度は,表7による。
表 7 引っかき硬度
水準
H1
H2
H3
H4
H5
H6
鉛筆引っかき値(2)
6B以下
5B-4B
3B-2B
B-HB
F-2H
3H以上
注(2) 引っかき硬度は,手かき法で実施してもよい。
g) 付着性 付着性は,表8による。
表 8 付着性
水準
A1
A2
A3
A4
A5
A6
碁盤目試験評価点
5
4
3
2
1
0
h) 耐アルカリ性 耐アルカリ性は,表9による。
表 9 耐アルカリ性
水準
N1
N2
N3
N4
試験時間 h
48
120
240
500
膨れ評価点
大きさ2より小さく,かつ,密度2よりまばらでなければならない。
外観
割れ,はがれ,軟化などの異常があってはならない。
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i)
耐酸性 耐酸性は,表10による。
表 10 耐酸性
水準
M1
M2
M3
M4
試験時間 h
48
120
240
500
膨れ評価点
大きさ2より小さく,かつ,密度2よりまばらでなければならない。
外観
割れ,はがれ,軟化などの異常があってはならない。
j)
耐おもり落下性 耐おもり落下性は,表11による。
表 11 耐おもり落下性
水準
G1
G2
G3
熱硬化性粉体塗料
デュポン式
落下高さcm
30
50
50
おもりの質量 g
500
500
1 000
外観
素地に達する割れ,はがれがあってはならない。
水準
F1
F2
F3
熱可塑性粉体塗料
落球式
落下高さcm
40
80
120
外観
素地に達する割れ,はがれがあってはならない。
5. 試験方法
5.1
試験の一般条件 試験の一般条件は,JIS K 5600-1-1,JIS K 5600-1-6及びJIS K 5601-1-1による。
a) 試験片の作製 試験片は,JIS K 5600-1-4によるほか,次による。
1) 製品から試料を取ることができる場合,試料は,通常,製品の平面部位から取り,150×70 mmの
試験片を作る。
2) 製品から直接試料を取ることができない場合,その製品と同一の材質及び厚さの金属板を基板とし
て,同一条件で塗装前処理を行い,同一条件で塗装及び加熱乾燥して試験片(150×70 mm)とする。
ただし,同一の材質及び厚さ,同一条件での塗装前処理,同一条件での塗装及び加熱乾燥が困難
と受渡当事者間で定めた場合は,受渡当事者間の協定によって試験片の作製条件を決めることがで
きる。
b) 試験場所の条件 試験を行う場所は,特に規定する以外は,JIS K 5600-1-6の4.1(標準条件)で,直
射日光を受けず,試験にガス,蒸気,ほこりなどによる影響がなく,通風の少ない室内とする。試験
片は,試験場所に1時間以上置いてから試験を行う。
5.2
外観 塗膜の外観の試験は,JIS K 5600-1-1の4.4によるほか,次による。
a) 操作 外観の試験は,塗膜を拡散昼光(3)の下で目視によって観察する。
注(3) 拡散昼光は,JIS-K 5600-4-3の5.2(自然昼光照明)による。ただし,拡散昼光を用いることが
できない場合は,5.3(色観察ブースの人工照明)に規定するブースを用いてもよい。
b) 外観の決定 ピンホール,膨れ,割れ,はがれ,しわ,色むら,つやむら,はじき,つぶなどがなく,
見本品と比べて,色・つやの差異が少ないときは,“塗膜の外観が正常である。”とする。
5.3
塗膜の厚さ 塗膜の厚さの測定は,JIS K 5600-1-7による。
a) 操作 操作は,次による。
1) 測定器は,JIS B 7502に規定する外側マイクロメータとする。
備考 素材の種類・形状から最適のものを受渡当事者間の合意で決めることができる。
素材の種類によって,次のような測定器がある。
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鉄鋼・鋳鉄・亜鉛めっき:外側マイクロメータ,電磁微厚計,
アルミニウム・アルミダイカスト:外側マイクロメータ,渦電流式微厚計,
ステンレス鋼:外側マイクロメータ,渦電流式微厚計,電磁微厚計
2) 測定は,その測定器に決められた方法による。測定器の調整には,同一素材で測定する膜厚に近似
の基準板を選定する。
3) 測定する箇所は,最低2か所とする。ただし,その測定位置は,受渡当事者間で決めることができ
る。
b) 塗膜厚さの決定 それぞれの試験片の測定値の平均値を,塗膜の厚さとする。
5.4
耐食性 耐食性試験は,JIS K 5600-7-1によるほか,次による。
a) 操作 操作は,次による。
1) 耐中性塩水噴霧性試験片は2枚とし,周辺及び裏面は,ポリエステル粘着テープ(4),又はこれに代
わるもの(5)で包む。
注(4) ポリエステル粘着テープとしては,JIS C 2338の種類A1種が相当する。
(5) 注(4)のポリエステル粘着テープと同等以上のシーリング性能をもつシール材。
2) 試験が終わったとき,試験片を取り出して水洗し,室内に2時間放置する。
3) JIS Z 1522に規定するセロハン粘着テープ(テープ幅18 mm)をカット線の上に長辺に沿ってはり
付ける。指先でこすって圧着し,テープの端を持って手元に向かって急速に引っ張りテープをはが
す。
b) 耐食性の決定 評価は,試験片2枚のカット線の周りの片側はがれ幅について行い,それぞれの最大
値をはがれ幅とする。試験片2枚共に4. c)の規定を満足している場合,その水準に該当する(6)。
注(6) 塗膜が堅い,厚いなどの理由によって,さび又は膨れによる塗膜の浮きが目視で明らかに認め
られる場合で,テープによるはがしを行ってもはがれないときには,カット線の片側のさび又
は膨れの発生の最大幅として評価する。
備考 耐食性試験は,JIS K 5600-7-9によってもよい。
5.5
促進耐候性試験 促進耐候性試験は,JIS B 7753に規定するサンシャインカーボンアーク灯式耐候
性試験機を用いて,次によって行う。
a) 操作 操作は,次による。
1) 耐候性試験片は2枚,原状試験片は1枚とし,周辺及び裏面は,ポリエステル粘着テープ(4),又は
これに代わるもの(5)で包む。
2) ブラックパネル温度計の示度は,63±3 ℃とする。
3) 噴霧の時間は,120分間照射中に18分間とする。
4) 照射中の乾燥期間中の相対湿度は,(50±5) %RHとする。
b) 促進耐候性の決定 評価は,次による。
1) 2枚の試験片の光沢保持率,色差及び外観について試験を行い,試験片2枚共に4. d)の規定を満足
している場合,その水準に該当する。
2) 光沢保持率は,JIS K 5600-4-7によって照射前及び照射後の光沢を測定し,次の式によって求める。
100
1
2×
=G
G
G
ここに,
G: 光沢保持率
G1: 試験前の60°鏡面光沢度
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G2: 試験後の60°鏡面光沢度
また,素材の影響による方向性があるときは,同じ場所について互いに直角の方向から測定し,
それぞれの値を平均して,その場所の鏡面光沢度とする。
3) 色差は,測色色差計を用いて測定し,次のハンターの色差式による色差を求める。
[
]2/1
2
2
2
)
(
)
(
)
(
b
a
L
EH
∆
∆
∆
∆
+
+
=
ここに,
H
E
∆
: ハンターの色差式による色差
L
∆,a
∆,b
∆: ハンターの色差式における明度指数及び色座標の差
L,a及びbの値は,標準の光Cを用い,JIS Z 8722に規定する三刺激値
Z
Y
X ,
,
から次の式に
よって計算する。
2/1
10Y
L=
2/1
/)
2.
10
(5.
17
Y
Y
X
a
−
=
2/1
/)
847
.0
(0.7
Y
Z
Y
b
−
=
ここに,
L: ハンターの明度指数
a,b: L a b表色系の色座標
X,Y,Z: 三刺激値
なお,色差の測定は,受渡当事者間の合意で,JIS K 5600-4-6によってもよい。
4) 外観は,塗膜を拡散昼光(3)の下で,目視によって観察する。
なお,促進耐候性試験は,受渡当事者間の合意で,JIS K 5600-7-7によってもよい。
5.6
耐湿性 耐湿性の試験は,JIS K 5600-7-2の5.によるほか,次による。
a) 操作 耐湿性試験片は2枚,原状試験片は1枚とし,周辺及び裏面は,ポリエステル粘着テープ(4)又
はそれに代わるもの(5)で包む。
b) 耐湿性の決定 2枚の試験片の付着性,膨れ及び外観について評価を行い,試験片2枚共に4. e)の規
定を満している場合,その水準に該当する。
耐湿性試験後の付着性は,4. g)と同様にして碁盤目評価点を求める。
付着性試験は耐湿性試験が終わってから室内に2時間放置後行う。膨れの評価は,JIS K 5600-8-2
による。
外観は,塗膜を拡散昼光(3)の下で,目視によって観察をする。
5.7
引っかき硬度 引っかき硬度の試験は,JIS K 5600-5-4による。
判定は,JIS K 5600-5-4の9.6による。
5.8
付着性 付着性の試験は,JIS K 5600-5-6による。
判定は,JIS K 5600-5-6の8.による。
5.9
耐アルカリ性 耐アルカリ性の試験は,JIS K 5600-6-1の7.(方法1)によるほか,次による。
a) 操作 操作は,次による。
1) 耐アルカリ性試験片は2枚,原状試験片は1枚とし,その周辺及び裏面は,ポリエステル粘着テー
プ(4)又はこれに代わるもの(5)で,アルカリ溶液に侵されないもので包む。
アルカリ溶液は,JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムをイオン交換水で5 質量/容量%に調
製したものを用いる。浸せき温度は,23±2 ℃とする。
2) 試験片を取り出して流水で静かに洗い,水を振り切った後,室内に2時間放置する。
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b) 耐アルカリ性の決定 2枚の試験片の膨れ及び外観について評価を行い,試験片2枚共に4.h)の規定
を満足している場合,その水準に該当する。
膨れ評価点は,JIS K 5600-8-2による。
外観は,塗膜を拡散昼光(3)の下で,目視によって観察する。
なお,試験片の周辺10 mm以内は,評価の対象としない。
5.10 耐酸性 耐酸性の試験は,JIS K 5600-6-1の7.(方法1)によるほか,次による。
a) 操作 操作は,次による。
1) 耐酸性試験片は2枚,原状試験片は1枚とし,その周辺及び裏面は,ポリエステル粘着テープ(4)又
はこれに代わるもの(5)で,酸溶液に侵されないもので包む。酸溶液は,JIS K 8951に規定する硫酸
をイオン交換水で5 質量/容量%に調製したものを用いる。
浸せき温度は,23±2 ℃とする。
2) 試験片を取り出して流水で静かに洗い,水を振り切った後,室内に2時間放置する。
b) 耐酸性の決定 2枚の試験片の膨れ及び外観について評価を行い,試験片2枚共に4. i)の規定を満足
している場合,その水準に該当する。
膨れ評価点は,JIS K 5600-8-2による。
外観は,塗膜を拡散昼光(3)の下で目視によって観察する。
なお,試験片の周辺10 mm以内は,評価の対象としない。
5.11 耐おもり落下性 耐おもり落下性の試験は,JIS K 5600-5-3によるほか,次による。
a) 操作 操作は,次による。
1) 熱硬化性粉体塗膜の試験は,JIS K 5600-5-3の6.による。
2) 熱可塑性粉体塗膜の試験は,JIS K 5600-5-3の5.による。
b) 耐おもり落下性の決定 2枚の試験片の外観について評価を行い,試験片2枚共に4. j)の規定を満足
している場合,その水準に該当する。外観は,目視による。
6. 表示 送り状,荷札などに次の事項を表示しなければならない。
a) 粉体塗料の種類(小区分を含む。)
b) 塗装前処理の種類