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K 5670:2003  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本塗料工業会(JPMA)/財団法人

日本規格協会(JSA)から団体規格(JPMS-24)を元に作成した工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべ

きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

K 5670:2003  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 品質 ······························································································································ 2 

5. 見本品 ··························································································································· 2 

6. 試験方法 ························································································································ 2 

6.1 サンプリング ················································································································ 2 

6.2 試験用試料の検分及び調整······························································································· 2 

6.3 試験の一般条件 ············································································································· 2 

6.4 試験片の作製 ················································································································ 2 

6.5 容器の中での状態 ·········································································································· 3 

6.6 塗装作業性 ··················································································································· 3 

6.7 塗膜の外観 ··················································································································· 3 

6.8 乾燥時間 ······················································································································ 3 

6.9 隠ぺい率 ······················································································································ 3 

6.10 耐水性 ························································································································ 3 

6.11 耐アルカリ性 ··············································································································· 4 

6.12 促進耐候性 ·················································································································· 4 

7. 検査 ······························································································································ 4 

8. 表示 ······························································································································ 4 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 5670:2003 

アクリル樹脂系非水分散形塗料 

Non Aqueous Dispersion Acrylic Paint 

1. 適用範囲 この規格は,主として建築物のコンクリート面やセメント・モルタル面,プレキャストコ

ンクリート,押出し成形板などの塗装に使用するアクリル樹脂系非水分散形ワニスを用いた塗料(以下,

塗料という。)について規定する。 

備考 塗料には,ホルムアルデヒド系防腐剤,ユリア系樹脂,フェノール系樹脂及びメラミン系樹脂

のいずれをも含まないものとする。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 5430 繊維強化セメント板 

JIS K 2235 石油ワックス 

JIS K 5500 塗料用語 

JIS K 5600-1-1 塗料一般試験方法−第1部:通則−第1節:試験一般(条件及び方法) 

JIS K 5600-1-2 塗料一般試験方法−第1部:通則−第2節:サンプリング 

JIS K 5600-1-3 塗料一般試験方法−第1部:通則−第3節:試験用試料の検分及び調整 

JIS K 5600-1-4 塗料一般試験方法−第1部:通則−第4節:試験用標準試験板 

JIS K 5600-1-6 塗料一般試験方法−第1部:通則−第6節:養生並びに試験の温度及び湿度 

JIS K 5600-1-8 塗料一般試験方法−第1部:通則−第8節:見本品 

JIS K 5600-3-1 塗料一般試験方法−第3部:塗膜の形成機能−第1節:塗り面積(はけ塗り) 

JIS K 5600-4-1 塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第1節:隠ぺい力(淡彩色塗料用) 

JIS K 5600-4-3 塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第3節:色の目視比較 

JIS K 5600-6-1 塗料一般試験方法−第6部:塗膜の化学的性質−第1節:耐液体性(一般的方法) 

JIS K 5600-7-7 塗料一般試験方法−第7部:塗膜の長期耐久性−第7節:促進耐候性 (キセノンラ

ンプ法) 

JIS K 5600-8-6 塗料一般試験方法−第8部:塗膜劣化の評価−第6節:白亜化の等級 

JIS K 5960 家庭用屋内壁塗料 

JIS K 8575 水酸化カルシウム(試薬) 

JIS R 3202 フロート板ガラス及び磨き板ガラス 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8721 色の表示方法−三属性による表示 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 5500による。 

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4. 品質 品質は,6.によって試験を行い,表1を満足しなければならない。 

表 1 品質 

項目 

品質 

容器の中での状態 

かき混ぜたとき,堅い塊がなくて一様になるものとする。 

塗装作業性 

はけ塗り及びローラブラシ塗りに支障があってはならない。 

塗膜の外観 

塗膜の外観が正常であるものとする。 

乾燥時間(半硬化乾燥) 

5時間以内とする。 

隠ぺい率      % 
[白及び淡彩(1)] 

90以上 

耐水性 

水に浸しても異常がないものとする。 

耐アルカリ性 

アルカリに浸しても異常がないものとする。 

促進耐候性 

塗膜に,割れ・はがれ・膨れがなく,色の変化の程度が見本品に比べ
て大きくなく,白亜化の等級が1以下とする。 

注(1) 淡彩とは,白エナメルを主成分として作った塗料の塗膜に現れる灰色・桃色・クリーム色・うす

い緑色・水色などのようなうすい色で,JIS Z 8721による明度Vが6以上9未満のものをいう。 

5. 見本品 見本品は,JIS K 5600-1-8に規定する区分によって,表2とする。 

表 2 見本品 

試験項目 

観察項目 

見本品の区分 

見本品の有効期限 

形態 

設定方式 

品質水準 

塗膜の外観 色・つや・むら・しわ・

へこみ・はじき 

塗膜見本 

又は 

塗料見本 

協定見本品 

又は 

社内見本品 

中心見本品 

又は 

限度見本品 

原則1年 

促進耐候性 色の変化 

塗料見本 

社内見本品 

限度見本品 

6. 試験方法  

参考 この規格の品質の規定に示した項目の試験に必要な試験板の材質,寸法及び枚数並びに試験日

数は,参考表1による。また,この試験には試料が約500ml必要である。 

6.1 

サンプリング サンプリングは,JIS K 5600-1-2による。 

6.2 

試験用試料の検分及び調整 試験用試料の検分及び調整は,JIS K 5600-1-3による。 

6.3 

試験の一般条件 試験の一般条件は,JIS K 5600-1-1及びJIS K 5600-1-6によるほか,次による。 

6.3.1 

試験の場所  

a) 養生及び試験を行う場所は,ほかに規定がない場合は,JIS K 5600-1-6の4.1(標準条件)で,直射日

光を受けず,養生及び試験にガス・蒸気・ほこりなどによる影響がなく,通風の少ない室内とする。 

b) 拡散昼光は,JIS K 5600-4-3の5.2(自然昼光照明)による。ただし,5.3(色観察ブースの人工照明)

に規定するブースを用いても差し支えない。 

6.4 

試験片の作製  

6.4.1 

試験板 試験板は,JIS K 5600-1-4による。 

備考 ほかに規定がない場合は,表面調整を行った繊維強化セメント板(2)とする。大きさは,150×70

×3mmとする。 

注(2) 

繊維強化セメント板は,JIS A 5430に規定するフレキシブル板とする。試験板は,周辺

をやすりで削って平らにし,次に角を丸め,全体を流水で洗ってから互いに重なり合わ

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ないように立て掛けて,7日間以上乾燥する。乾燥した試験板は,乾いたガーゼで表面

をふき,試験に用いる。このとき,モルタル水分計で測定した含水率の指標が10%以

下であることを確認する。 

6.4.2 

試料の塗り方 試料の塗り方は,ほかに規定がない場合は,JIS K 5600-3-1のはけ塗り又はJIS K 

5960の附属書1のローラブラシ塗りによる。塗付け量は,100cm2について1.0±0.1mlとする。必要があ

れば,その製品の製造業者が指定するシンナーを用いて,試料の10%(質量)以下で薄めてもよい。ただ

し,混合した試料は,毎回よくかき混ぜた後直ちに塗る。 

6.4.3 

乾燥方法 乾燥方法は,ほかに規定がない場合は,JIS K 5600-1-1の3.3.8 a)(自然乾燥の場合)と

し,塗り終わってからの試験片の保持は,JIS K 5600-1-1の表1による。 

6.5 

容器の中での状態 容器の中での状態の試験は,JIS K 5600-1-1の4.1.2 a)(液状塗料の場合)によ

る。 

6.6 

塗装作業性 塗装作業性の試験は,JIS K 5600-1-1の4.2.3 a)(1回塗りの場合)による。ただし,試

験板は6.4.1によって調整したフレキシブル板(500×200×3mm)とし,6.4.2によって,試験板の片面に

はけ塗り及びローラブラシ塗りする。評価は,いずれの塗り方においても特に困難を感じないとき,“はけ

塗り及びローラブラシ塗りに支障がない。”とする。 

6.7 

塗膜の外観 塗膜の外観の試験は,JIS K 5600-1-1の4.4によるほか,次による。 

6.7.1 

試験片の作製 6.6の方法によって評価の終わった試験片を,24時間水平に置いたものを試験片と

する。 

6.7.2 

判定 判定は,目視によって観察し,割れ・はがれ・膨れを認めず,見本品に比べて,色・つやの

差異が少なく,むら・しわ・へこみ・はじきの程度が大きくないとき,“塗膜の外観が正常である。”とす

る。 

6.8 

乾燥時間 乾燥時間の試験は,6.4.3によるほか,次による。 

6.8.1 

試験片の作製 溶剤洗浄によって調整したガラス板(200×100×2mm)の片面に,すき間100μm

のフィルムアプリケータを用いてシンナーを加えない試料を塗ったものを試験片とする。フィルムアプリ

ケータの形状は,JIS K 5960の附属書2(アプリケータ塗装)による。 

備考 ガラス板は,JIS R 3202に規定するフロート板ガラス及び磨き板ガラスとする。 

6.8.2 

操作 乾燥は,JIS K 5600-1-1の4.3.4 a)(常温乾燥)とし,5時間後に乾燥状態の試験を行う。 

6.8.3 

判定 判定は,JIS K 5600-1-1の4.3.5 b)(半硬化乾燥)によって行い,塗膜が半硬化乾燥している

とき,乾燥時間は“5時間以内”とする。 

6.9 

隠ぺい率 隠ぺい率の試験は,JIS K 5600-4-1の方法B(隠ぺい率試験紙)によるほか,次による。 

6.9.1 

試験片の作製 隠ぺい率試験紙を平らなガラス板の上に水平に固定し,6.8の方法によって塗り付

け,48時間水平に置いたものを試験片とする。試験片は1枚作製する。 

6.9.2 

操作 試験片の白地と黒地の上の塗膜の各4か所について,三刺激値Yを測定し,それぞれの平均

値YW(白地上)とYB(黒地上)を求める。 

6.9.3 

計算 平均値YWとYBから試験片の隠ぺい率を求める。YB/YWを百分率で計算し,JIS Z 8401によ

って整数2けたに丸める。 

6.10 耐水性 耐水性の試験は,JIS K 5600-6-1の7.[方法1(浸せき法)]によるほか,次による。 

6.10.1 試験片の作製 試験板は,フレキシブル板(150×75×3mm)とし,6.4の方法で塗り付けたものを

試験片とする。試験片は2枚とする。塗装後5日間標準状態で乾燥し,次に試験板の裏面及び周辺を融解

したパラフィン(3)又はそれに代わる物で被覆したものを試験片とする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注(3) JIS K 2235に規定するパラフィンワックスで融点55〜65℃のものとする。 

6.10.2 操作 操作は手順Aとし,容器の中に約150mmの深さまで脱イオン水を入れて,試験片を糸でつ

るして約120mmの深さまで浸す。浸せき温度は23±1℃,浸せき時間は96時間とする。 

6.10.3 判定 判定は,試験片2枚について,試験片を取り出した直後と2時間後の目視による観察で,試

験片の塗膜にしわ・膨れ・割れ及びはがれを認めず,2時間後の観察で,浸した部分と浸さない部分との

間に色及びつやの差異が大きくないときは,“水に浸したとき異常がない。”とする。 

6.11 耐アルカリ性 耐アルカリ性の試験は,JIS K 5600-6-1の7.によるほか,次による。 

6.11.1 試験片の作製 試験片は,6.10.1の方法で作製する。 

6.11.2 試験液 試験液は,JIS K 8575に規定する水酸化カルシウムを用いて調整した飽和溶液を用いる。 

6.11.3 操作 操作は手順Aとし,容器の中に約150mmの深さまで水酸化カルシウム飽和溶液を入れて,

試験片を糸でつるして約120mmの深さまで浸す。浸せき温度は23±1℃,浸せき時間は72時間とする。 

6.11.4 判定 判定は,試験片2枚について,試験片を取り出した直後と2時間後の目視による観察で,試

験片の塗膜にしわ・膨れ・割れ及びはがれを認めず,2時間後の観察で,浸した部分と浸さない部分との

間に色及びつやの差異が大きくないときは,“アルカリに浸したとき異常がない。”とする。 

6.12 促進耐候性 促進耐候性の試験は,JIS K 5600-7-7によるほか,次による。 

6.12.1 試験片の作製 試験板は4枚用意し,試験片は,試料と見本品とをそれぞれ2枚ずつ作製する。は

じめに試料の製造業者が指定する下塗塗料を仕様に従って試験板の両面に塗り付け,規定時間乾燥させた

後,6.4の方法によって,試料及び見本品を塗装する。塗装後,標準状態で7日間乾燥したものの周囲及び

裏面を試料と同一の塗料で2〜3回塗り包み,7日間自然乾燥したものを試験片とする。試験片は,試料・

見本品とも2枚ずつとし,試験はそれぞれ2枚のうち1枚を行い,残りの1枚は原状試験片とする。 

6.12.2 操作 促進耐候試験機の試験条件は,JIS K 5600-7-7の表1(方法1)及び表3のサイクルAによ

る。ただし,乾燥期間中の相対湿度は(50±5)%とする。照射250時間を経過した後,取り出して室内に

1時間放置後,評価する。 

6.12.3 評価 評価は,割れ・はがれ・膨れの有無を,それぞれ試料と見本品との促進耐候試験片を直接比

較して調べる。色の変化の程度は,促進耐候試験片と原状試験片とをJIS K 5600-4-3により目視によって

比較し,促進耐候試験によって生じた色の変化を調べる。次に見本品について同様に比べ,さらに,試料

と見本品との変化の大小を比べる。白亜化の等級は,JIS K 5600-8-6によって評価する。 

6.12.4 判定 判定は,表1の促進耐候性による。 

7. 検査 検査は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。 

8. 表示 アクリル樹脂系非水分散形塗料の容器には,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなけれ

ばならない。 

a) 名称 

b) 正味質量又は正味容量 

c) 製造業者名又はその略号 

d) 製造年月又はその略号 

e) 製造番号又はロット番号 

f) 

ホルムアルデヒド放散等級分類記号(F☆☆☆☆) 

参考 F☆☆☆☆は,塗装から7日後におけるJIS K 5601-4-1の3.(デシケータ法)による放散量が

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

0.12mg/L以下であることを示す。 

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参考表 1 アクリル樹脂系非水分散形塗料 

材質 

寸法(㎜) 

枚数(枚) 

5
 

10 11 〜 14 15 16 〜 24 25 以上 

6.5 容器の中での状態 

− 

− 

− 

6.6 塗装作業性 

フレキシブル板 500 × 200 × 3 

6.7 塗膜の外観 

フレキシブル板 500 × 200 × 3 試料 

見本品 

6.8 乾燥時間 

ガラス板 

200 × 100 × 2 

6.9 隠ぺい率 

隠ぺい率試験紙 

170 × 144 

6.10 耐水性 

フレキシブル板 150 × 75 × 3 

6.11 耐アルカリ性 

フレキシブル板 150 × 75 × 3 

6.12 促進耐候性 

フレキシブル板 150 × 70 × 3 試料 

見本品 

   備考 1.  記号の説明      :サンプリング,  :   塗り付け,      :   判定,        :   放置,      

  :   試験片の共用,     :   その他の操作 

    2.  試験日数欄の数字は,時間(h)を示す。 

項目 
番号 

項  目 

試 験 日 数 (日)

試 験 板 

48 

168 

250 

168 

計   2 

計   4 

120 

96 

120 

72 

2

K

 5

6

7

0

2

0

0

3

  

2

K

 5

6

7

0

2

0

0

3

  

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