K 5669:2008
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 種類及びホルムアルデヒド放散等級区分 ··············································································· 2
4.1 種類 ···························································································································· 2
4.2 ホルムアルデヒド放散等級区分 ························································································ 2
5 品質······························································································································· 2
6 見本品···························································································································· 2
7 試験方法························································································································· 3
7.1 サンプリング ················································································································ 3
7.2 試験用試料の検分及び調整 ······························································································ 3
7.3 試験の一般条件 ············································································································· 3
7.4 容器の中の状態 ············································································································· 3
7.5 塗装作業性 ··················································································································· 3
7.6 硬化乾燥性 ··················································································································· 3
7.7 研磨容易性 ··················································································································· 4
7.8 上塗り適合性 ················································································································ 4
7.9 耐水性 ························································································································· 5
7.10 耐アルカリ性 ··············································································································· 5
7.11 加熱残分 ····················································································································· 6
7.12 付着性 ························································································································ 6
7.13 低温安定性 ·················································································································· 6
8 検査······························································································································· 7
9 表示······························································································································· 7
附属書A(参考)試験手順 ····································································································· 8
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本塗料
工業会(JPMA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと
の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これに
よって,JIS K 5669:2003は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
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日本工業規格 JIS
K 5669:2008
合成樹脂エマルションパテ
Synthetic resin emulsion putty
1
適用範囲
この規格は,合板,繊維強化セメント板,せっこうボード,モルタル,コンクリートなどの表面を合成
樹脂エマルションペイントなどで仕上げる場合の,下地ごしらえに用いる合成樹脂エマルションパテ(以
下,パテという。)について規定する。ただし,パテには,ユリア樹脂,メラミン樹脂,ユリア・メラミン
共縮合樹脂,フェノール樹脂,レゾルシノール樹脂及びホルムアルデヒド系防腐剤のいずれをも含まない
ものとする。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 5430 繊維強化セメント板
JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS H 3100 銅及び銅合金の板並びに条
JIS K 2235 石油ワックス
JIS K 5500 塗料用語
JIS K 5600-1-1 塗料一般試験方法−第1部:通則−第1節:試験一般(条件及び方法)
JIS K 5600-1-2 塗料一般試験方法−第1部:通則−第2節:サンプリング
JIS K 5600-1-3 塗料一般試験方法−第1部:通則−第3節:試験用試料の検分及び調整
JIS K 5600-1-6 塗料一般試験方法−第1部:通則−第6節:養生並びに試験の温度及び湿度
JIS K 5600-1-8 塗料一般試験方法−第1部:通則−第8節:見本品
JIS K 5600-4-3 塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第3節:色の目視比較
JIS K 5600-5-7 塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第7節:付着性(プルオフ法)
JIS K 5600-6-1 塗料一般試験方法−第6部:塗膜の化学的性質−第1節:耐液体性(一般的方法)
JIS K 5601-1-2 塗料成分試験方法−第1部:通則−第2節:加熱残分
JIS K 5663 合成樹脂エマルションペイント及びシーラー
JIS K 8575 水酸化カルシウム(試薬)
JIS R 1302 化学分析用磁器蒸発ざら
JIS R 6252 研磨紙
JIS Z 8401 数値の丸め方
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用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 5500による。
4
種類及びホルムアルデヒド放散等級区分
4.1
種類
種類は,用いる場所の条件及び用いるときの膜厚によって,表1による。
表1−種類
種類
内容
耐水形薄付け用
耐水性が要求される場所に用い,1回の塗付け膜厚が最大0.5 mmになるように作ったもの。
耐水形厚付け用
耐水性が要求される場所に用い,1回の塗付け膜厚が最大1.5 mmになるように作ったもの。
一般形薄付け用
耐水性が要求されない場所に用い,1回の塗付け膜厚が最大0.5 mmになるように作ったもの。
一般形厚付け用
耐水性が要求されない場所に用い,1回の塗付け膜厚が最大1.5 mmになるように作ったもの。
4.2
ホルムアルデヒド放散等級区分
パテのホルムアルデヒド放散等級区分は,F☆☆☆☆とする。
注記1 ホルムアルデヒド放散等級区分は,建築基準法による。
注記2 F☆☆☆☆は,7.5 b) による塗装から7日後におけるJIS K 5601-4-1の3.(デシケータ法)に
よる放散量が,0.12 mg/L以下であることを示す。
5
品質
品質は,箇条7によって試験したとき,表2に適合しなければならない。
注記 表2に示す項目の試験に必要な試験板の材質,寸法及び枚数並びに試験日数は,附属書Aに示
す。また,この試験には,試料が約1 kg必要である。
表2−品質
項目
種類
箇条
番号
耐水形薄付け用
耐水形厚付け用
一般形薄付け用
一般形厚付け用
容器の中の状態
塊がなくて一様になる。
7.4
塗装作業性
支障がない。
7.5
硬化乾燥性
5 時間以内に硬
化乾燥する。
24 時間以内に硬化
乾燥する。
5 時間以内に硬
化乾燥する。
24 時間以内に硬化
乾燥する。
7.6
研磨容易性
容易である。
7.7
上塗り適合性
支障がない。
−a)
支障がない。
−a)
7.8
耐水性
異常がない。
−a)
7.9
耐アルカリ性
異常がない。
−a)
7.10
加熱残分 %
60 以上
7.11
付着性 N/cm2
49 以上
−a)
25 以上
−a)
7.12
低温安定性
変質しない。
7.13
注a) ダッシュ(−)は,試験を適用しないことを示す。
6
見本品
見本品は,JIS K 5600-1-8の4.1.2 a)(見本品の区分)によって,表3とする。
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表3−見本品
試験項目
観察項目
見本品の区分
形態
設定方式
品質水準
研磨容易性
研ぐ操作,目詰まり,
からみ,研いだ面の平
滑性
塗料見本
社内見本品
限度見本品
7
試験方法
7.1
サンプリング
サンプリングは,JIS K 5600-1-2による。
7.2
試験用試料の検分及び調整
試験用試料の検分及び調整は,JIS K 5600-1-3による。
7.3
試験の一般条件
試験の一般条件は,次による。
a) 養生及び試験を行う場所は,JIS K 5600-1-6の4.1(標準条件)に規定する標準条件[温度23±2 ℃,
相対湿度(50±5)%]で,直射日光を受けず,養生及び試験に影響を与えるガス,蒸気,ほこりなど
がなく,通風が少ない室内とする。
b) 観察のときの光源は,JIS K 5600-4-3の5.2(自然昼光照明)の拡散昼光による。また,JIS K 5600-4-3
の5.3(色観察ブースの人工照明)に規定する色観察ブースを用いてもよい。
c) 試験板は,表面調整を行ったJIS A 5430に規定するフレキシブル板とする。試験板の表面調整は,周
辺をやすりで削って平らにし,次に角を丸め,全面を流水で洗ってから互いに重なり合わないように
立て掛けて,JIS K 5600-1-1の3.1.1(一般状態)の一般状態で7日間以上乾燥する。乾燥した試験板
は,乾いたガーゼで表面をふく。
7.4
容器の中の状態
容器の中の状態の試験は,JIS K 5600-1-1の4.1.2 b)(ペースト状塗料の場合)による。
7.5
塗装作業性
塗装作業性の試験は,次による。
a) 塗装器具及び試験板
1) 塗装器具 塗装器具は,刃先の幅が約120 mmの鋼製へらとする。
2) 試験板 試験板は,大きさ500 mm×200 mm×6 mmのフレキシブル板を用いる。
b) 操作 試験板の平滑な片面を上向きにして水平に置き,塗付け厚さが,薄付け用は約0.5 mm,厚付け
用は約1.5 mmになるようにへら付けを行い,塗装作業に支障がないかを調べる。同じ操作によって
研磨容易性(7.7)の試験に用いる見本品を同時に作製しておく。見本品は,箇条6による。
c) 判定 へら付けの作業が容易で,平らな塗膜が得られたとき,“支障がない。”とする。
7.6
硬化乾燥性
硬化乾燥性の試験は,JIS K 5600-1-1の4.3(乾燥時間)による。
a) 試験片 試験片は,7.5の試験に適合したものを用いる。
b) 操作 JIS K 5600-1-1の4.3.4 a)(常温乾燥)によって,試料を薄付け用では,へら付けをしてから5
時間,厚付け用では,へら付けをしてから24時間7.3 a) に示す場所で乾燥した後,乾燥の程度を調
べる。
c) 判定 JIS K 5600-1-1の4.3.5 c)(硬化乾燥)によって,塗面に指紋によるへこみが付かず,塗膜の動
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きが感じられず,また,塗面を指先でこすったとき,すり跡が付かなければ,薄付け用の場合は“5
時間以内に硬化乾燥する。”とし,厚付け用の場合は“24時間以内に硬化乾燥する。”とする。
7.7
研磨容易性
研磨容易性の試験は,次による。
a) 器具及び材料
1) 研磨具 研磨具は,図1に示すものとする。
硬質ゴムの寸法 約70 mm×60 mm×75 mm
図1−研磨具
2) 研磨紙 研磨紙は,JIS R 6252に規定する研磨紙を用い,薄付け用の研磨にはP240,厚付け用の研
磨にはP180とする。
b) 試験片 試験片は,7.6の試験に適合したものを用いる。見本品は,7.5 b)で作製した見本品を適用す
る。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試験片の長辺を台の縦方向に置いて指で保持し,研磨具を用いて研ぐ。この操作は,JIS K 5600-1-1
の3.1.1(一般状態)に規定する一般状態で実施してもよい。
注記 長辺を水平面に対して約30 度の傾斜がある台に置いて作業をすると,研磨作業をしやすい。
2) 研磨具を塗面に押し付けて前後に動かして,試験片の面積の約3/4 以上を研ぐ。
3) 研ぐ動作を約10 回繰り返す。
4) 見本品についても同じ操作を行う。
d) 判定 見本品と比べて研ぐ操作が困難でなく,研磨紙への目詰まり及びからみが大きくなく,かつ,
研いだ面が見本品と同等以上に平らなとき,研磨が,“容易である。”とする。
7.8
上塗り適合性
上塗り適合性の試験は,次による。
a) 試験片 試験は耐水形薄付け用及び一般形薄付け用の製品に用いる。試験片は,7.7の試験に適合した
試験片を用いる。
b) 上塗用塗料 上塗用塗料の種類は,次による。
1) 耐水形薄付け用の試験には,JIS K 5663に規定する1種を用いる。
2) 一般形薄付け用の試験には,JIS K 5663に規定する2種を用いる。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試験片の塗面に,b) に規定する上塗用塗料を,製造業者が指定する条件で塗り,上塗り作業に支障
がないかを調べる。
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2) 塗装は,はけ塗りで1 回とし,塗付け量は,100 cm2当たり1.5 mL〜2.0 mLとする。
3) 乾燥は,JIS K 5600-1-1の3.1.1(一般状態)に規定する一般状態で,2 時間乾燥する。乾燥後,目
視によって観察する。
d) 判定 はけ塗り作業に支障がなく,上塗りに用いた塗料の塗面に,はじき,穴,膨れ及び粘着がない
とき,上塗りに,“支障がない。”とする。
7.9
耐水性
耐水性の試験は,次による。
a) 試験板 試験板は,寸法150 mm×70 mm×4 mmのフレキシブル板3枚とする。
b) 試験片の作製 試験片の作製は,次による。試験片は,3枚作製する。
1) 試験板の平滑な面に,JIS K 5663の附属書に規定する合成樹脂エマルションシーラーを100 cm2当
たり1.2±0.2 mLの割合で塗り付けた後,7.3 a)に示す場所で3時間乾燥する。
2) シーラーを塗り付けた試験板を水平にして,試験板の長辺の両端に沿って長さ140 mm以上の2 本
のスペーサを60 mm以上の間隔を開けて置く。試験板上の2 本のスペーサの間に適量の試料を載
せ,鋼製へらで試料をスペーサに沿ってしごき,薄付け用は約0.5 mm,厚付け用は約1.5 mmの塗
付け厚になるように平滑に塗る。このとき,試料の塗付け部分が長辺140 mm,短辺60 mmより大
きな長方形になるようにする。スペーサは,JIS G 4305に規定するステンレス鋼SUS304又はJIS H
3100に規定する黄銅C2801Pを用い,厚さは,薄付け用の場合は0.5±0.05 mm,厚付け用の場合は
1.5±0.05 mmとする。
3) 塗り付け後,スペーサを外し,7.3 a) に示す場所で7日間乾燥して,試験片の小口と塗膜の周辺5 mm
幅を,JIS K 2235に規定する融点55 ℃〜65 ℃の融解したパラフィンで塗り包む。
c) 試験方法 試験方法は,JIS K 5600-6-1の7.4[手順A(単一の液相を使用)]による。ただし,浸せ
き液及び操作は,次による。
1) 容器に,約150 mmの深さまで脱イオン水を入れて,温度23±1 ℃に保つ。
2) 脱イオン水の中に試験片の長辺を垂直に糸でつるし,約120 mmの深さまで浸し,24 時間浸せきす
る。
d) 判定 試験片3 枚のうち2 枚以上について,試験片を取り出した直後,塗膜が指先に付かず,かつ,
試験片を取り出した直後の観察及び2 時間後の目視による観察で,膨れ,割れ及びはがれがないとき,
“異常がない。”とする。
7.10 耐アルカリ性
耐アルカリ性の試験は,次による。
a) 試験板 試験板は,7.9 a)による。
b) 試験片の作製 試験片の作製は,7.9 b)による。
c) 試験方法 試験方法は,JIS K 5600-6-1の7.4[手順A(単一の液相を使用)]による。ただし,試験
液及び操作は,次による。
1) 試験液は,JIS K 8575に規定する水酸化カルシウムを用いた水酸化カルシウム飽和水溶液とする。
2) 容器に,約150 mmの深さまで水酸化カルシウム飽和水溶液を入れ,温度23±1 ℃に保つ。試験液
の中に試験片の長辺を垂直に糸でつるし,約120 mmの深さまで浸す。24 時間後引き上げ,流水で
表面を軽く洗い流す。
d) 判定 試験片3 枚のうち2 枚以上について,試験片を取り出した直後,塗膜が指先に付かず,かつ,
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取り出して2 時間後の目視による観察で,膨れ,割れ及びはがれがないとき,“異常がない。”とする。
7.11 加熱残分
加熱残分の試験は,JIS K 5601-1-2による。ただし,試験器具及び試験条件は,次による。
a) 試験器具 平底皿は,JIS R 1302に規定する磁器蒸発皿で,平底形の直径60 mmのものとする。
b) 試験条件 試験条件は,加熱温度105±2 ℃,加熱時間1 時間とする。
7.12 付着性
付着性の試験は,耐水形薄付け用及び一般形薄付け用の製品に用いる。試験は次による。
a) 試験板 試験板は,寸法約70 mm×約70 mm×6 mmのフレキシブル板6 枚とする。
なお,板厚6 mmの大きめの板に塗装した後,一辺約70 mm角に切断して用いてもよい。
b) 試験片の作製 試験片の作製は,次による。
1) 試験板の平滑な面に,JIS K 5663の附属書に規定する合成樹脂エマルションシーラーを100 cm2当
たり1.2±0.2 mLの割合で塗り付けた後,7.3 a)に示す場所で3時間乾燥する。
2) 試料を,約0.5 mm,塗付け厚さになるようにへら付けを行い,5 時間,7.3 a)に示す場所で乾燥する。
乾燥後JIS R 6252に規定する研磨紙P240を用いて軽く空研ぎを行い,表面を平滑にし,研磨後清
浄にする。
3) 清浄にした表面に,上塗り塗料を塗り付ける。耐水形薄付け用の試験片には,JIS K 5663に規定す
る1種を用い,一般形薄付け用の試験片には,JIS K 5663に規定する2種を用いる。塗装は,はけ
塗りで1 回とし,塗付け量は,100 cm2当たり1.5 mL〜2.0 mLとする。
4) JIS K 5600-1-1の3.1.1(一般状態)に規定する一般状態で,7日間乾燥する。大きめの板の切断は,
乾燥後行う。
c) 試験方法 試験方法は,JIS K 5600-5-7の7.3.2[片面だけの試験に対する方法(堅固な素地だけに適
する)]による。ただし,付着性測定用アセンブリは,次による。
1) 付着性測定用アセンブリは,一辺が40 mmの付着性測定用鋼製ジグとする。
2) 試験片の塗装面の中央に,鋼製ジグを接着剤を用いて接着し,接着剤の強度が十分となる時間まで,
約1 kgのおもりを載せて静置する。周りにはみ出した接着剤は,取り除く。
3) 鋼製ジグの四辺に沿って試験板に達する切りきずを付け,引張試験機によって付着強度を測定する。
引っ張る方向は,塗面に対し垂直とする。また,外側リングは用いなくてもよい。6 枚すべてを試
験し,その結果を記録する。
注記 接着剤には,二液無溶剤形エポキシ接着剤,パーオキサイド触媒形ポリエステル接着剤などが
ある。
d) 試験結果の表し方
試験片6 枚の破壊強さP (N/cm2)を次の式によって算出し,その平均値をJIS Z 8401によって整数に丸
める。
a
F
P
×
=100
ここに,
P: 破壊強さ(N/cm2)
F: 破壊力(N)
a: 鋼製ジグの面積(mm2)
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7.13 低温安定性
低温安定性の試験は,次による。
a) 試験板 試験板は,寸法500 mm×200 mm×6 mmのフレキシブル板とする。
b) 装置及び器具 装置及び器具は,次による。
1) 低温恒温器は,−5±1 ℃に保持できるものとする。
2) 容器は,ふたのある容量約500 mL,直径約90 mmのものとする。
3) 塗装器具は,7.5 a) 1)に規定する鋼製へらを用いる。
c) 試験方法 試料を容器に約0.5 kgとり,ふたをして−5±1 ℃に保った低温恒温器に4 時間入れ,取
り出して7.3 a) に示す場所で2 時間置いた後,7.5によって塗装作業性を調べる。
d) 判定 判定は,へら付け塗装作業に支障がないとき,“変質しない。”とする。
8
検査
検査は,箇条7によって試験し,表2に適合しなければならない。形式検査は,表2の全項目とし,受
渡検査の項目は,受渡当事者間の協定とする。
9
表示
パテの容器には,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。
a) この規格の番号及び名称
b) 種類
c) 正味質量又は正味容量
d) 製造業者名又はその略号
e) 製造年月又はその略号
f)
製造番号又はロット番号
g) ホルムアルデヒド放散等級分類記号(F☆☆☆☆)
参考文献 JIS K 5601-4-1 塗料成分試験方法−第4部:塗膜からの放散成分分析−第1節:ホルムアルデ
ヒド
附属書A
(参考)
試験手順
序文
この附属書は,合成樹脂エマルションパテの試験手順を参考として記載したものであって,規定の一部ではない。
表A.1−合成樹脂エマルションパテの試験手順
箇条番号
項目
試験板
試験日数
材質
寸法
mm
枚数
枚
1日目
2日目
3日目
4日目〜7日目
8日目以降
7.4
容器の中の状態
−
−
−
7.5
塗装作業性
フレキシブル板
500×200×6
試料
1
見本品
1
(7.7用)
7.6
硬化乾燥性
薄付け用
−
−
1
5
厚付け用
24
7.7
研磨容易性
薄付け用
−
−
試料
1
(見本品
1)
厚付け用
7.8
上塗り適合性
−
−
1
2
7.9
耐水性
フレキシブル板
150×70×4又は
150×70×3
3
3
168
24
2
7.10
耐アルカリ性
フレキシブル板
150×70×4又は
150×70×3
3
3
168
24
2
7.11
加熱残分
−
−
−
1
7.12
付着性
薄付け用
フレキシブル板
70×70×6
6
3
5
168
厚付け用
3
24
168
7.13
低温安定性
フレキシブル板
500×200×6
1
4
2
3
K
5
6
6
9
:
2
0
0
8
見
本
品
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.1−合成樹脂エマルションパテの試験手順(続き)
注記1 記号の説明 ×:サンプリング, ○:塗付け, ◎:判定, −:放置,
:加熱,
:試験片の共用, △:その他の操作,
:低温
注記2 試験日数欄の数字は,時間(h)を示す。
3
K
5
6
6
9
:
2
0
0
8