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K 5651 : 2002  

(1) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本塗料

工業会 (JPMA) /財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによってJIS K 5651 : 1992は,改正され,この規格に置き換えられる。 

また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標

準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。 

日本産業規格          JIS 

K 5651 : 2002 

アミノアルキド樹脂塗料 

Aminoalkyd resin paint 

1. 適用範囲 この規格は,主に金属製品の塗装に用いられるアミノアルキド樹脂塗料について規定する。 

備考 この規格で規定するアミノアルキド樹脂塗料は,アルキル化アミノ樹脂とアルキド樹脂とを塗

膜形成要素とし,塗り付けた後加熱して両樹脂の共縮合体を主成分とする塗膜を形成する塗料

で,大別してクリヤとエナメルとがある。 

a) クリヤは,アルキル化アミノ樹脂,アルキド樹脂,溶剤を主な原料とした透明な液状塗料で

ある。 

b) エナメルは,クリヤと顔料を練り合わせた不透明な液状塗料である。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,こめ規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯 

JIS G 3303 ぶりき及びぶりき原板 

JIS K 5500 塗料用語 

JIS K 5572 フタル酸樹脂エナメル 

JIS K 5582 塩化ビニル樹脂エナメル 

JIS K 5600-1-1 塗料一般試験方法−第1部:通則−第1節:試験一般(条件及び方法) 

JIS K 5600-1-2 塗料一般試験方法−第1部:通則−第2節:サンプリング 

JIS K 5600-1-3 塗料一般試験方法−第1部:通則−第3節:試験用試料の検分及び調整 

JIS K 5600-1-4 塗料一般試験方法−第1部:通則−第4節:試験用標準試験板 

JIS K 5600-1-6 塗料一般試験方法−第1部:通則−第6節:養生並びに試験の温度及び湿度 

JIS K 5600-1-7 塗料一般試験方法−第1部:通則−第7節:膜厚 

JIS K 5600-1-8 塗料一般試験方法−第1部:通則−第8節:見本品 

JIS K 5600-2-1 塗料一般試験方法−第2部:塗料の性状・安定性−第1節:色数(ガードナー法) 

JIS K 5600-2-2 塗料一般試験方法−第2部:塗料の性状・安定性−第2節:粘度 

JIS K 5600-2-7 塗料一般試験方法−第2部:塗料の性状・安定性−第7節:貯蔵安定性 

JIS K 5600-4-3 塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第3節:色の目視比較 

JIS K 5600-4-7 塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第7節:鏡面光沢度 

JIS K 5600-5-1 塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第1節:耐屈曲性(円筒形マンドレ

ル法) 

JIS K 5600-5-3 塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第3節:耐おもり落下性 

JIS K 5600-5-4 塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法) 

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K 5651 : 2002  

JIS K 5600-5-6 塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法) 

JIS K 5600-6-1 塗料一般試験方法−第6部:塗膜の化学的性質−第1節:耐液体性(一般的方法) 

JIS K 5600-6-2 塗料一般試験方法−第6部:塗膜の化学的性質−第2節:耐液体性(水浸せき法) 

JIS K 5600-7-1 塗料一般試験方法−第7部:塗膜の長期耐久性−第1節:耐中性塩水噴霧性 

JIS K 5600-7-2 塗料一般試験方法−第7部:塗膜の長期耐久性−第2節:耐湿性(連続結露法) 

JIS K 5600-7-6 塗料一般試験方法−第7部:塗膜の長期耐久性−第6節:屋外暴露耐候性 

JIS K 5600-7-7 塗料一般試験方法−第7部:塗膜の長期耐久性−第7節:促進耐候性(キセノンラン

プ法) 

JIS K 5600-8-6 塗料一般試験方法−第8部:塗膜劣化の評価−第6節:白亜化の等級 

JIS K 5601-1-1 塗料成分試験方法−第1部:通則−第1節:試験一般(条件及び方法) 

JIS K 5601-1-2 塗料成分試験方法−第1部:通則−第2節:加熱残分 

JIS K 5628 鉛丹ジンククロメートさび止めペイント 

JIS K 8594 石油ベンジン(試薬) 

JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 8680 トルエン(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS R 3202 フロート板ガラス及び磨き板ガラス 

JIS R 6253 耐水研磨紙 

JIS S 6026 クレヨン及びパス 

日本農林規格 しょうゆ 

3. 定養 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 5500による。 

4. 種類 種類は,表1とする。 

表1 種類 

種類 

用途 

クリヤ 

1種 

アミノアルキド樹脂エナメル1種の仕上塗りに用いる。 

2種 

アミノアルキド樹脂エナメル2種の仕上塗りに用いる。 

エナメル 

1種 

耐候性を重視する焼付塗装の上塗りに用いる。 

2種1号 

低温焼付塗装を必要とする場合の上塗りに用いる。 

2種2号 

一般焼付塗装の上塗りに用いる。 

3種 

耐食性を重視する焼付塗装の上塗りに用いる。 

5. 品質 品質は,7.によって試験したとき,表2とする。 

表2 品質 

項目 

種類 

クリヤ 

エナメル 

1種 

2種 

1種 

2種1号 

2種2号 

3種 

容器の中での状態 

− 

− 

かき混ぜたとき,堅い塊がなくて一様になるものとする。 

透明性 

透明であるものとする。 

− 

− 

− 

− 

色数(ガードナー) 

11以下 

− 

− 

− 

− 

塗装作業性 

塗装作業に支障がないものとする。 

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K 5651 : 2002  

項目 

種類 

クリヤ 

エナメル 

1種 

2種 

1種 

2種1号 

2種2号 

3種 

加熱乾燥性 

140±10℃ 

130±10℃ 

140±10℃ 

110±10℃ 

130±10℃ 

140±10℃ 

25±5分 

塗膜の外観及び色 

塗膜の外観が正常であるものとする。 

耐光性(水銀ランプ式) 

− 

− 

− 

変色の程度が大きくないものと

する。 

− 

鏡面光沢度(1)(60度) 

− 

− 

90以上 

重ね塗り適合性 

重ね塗りに支障がないものとする。 

にじみ(2) 

− 

− 

にじみがないものとする(白は,試験を省く)。ただし,色の指定

によってにじみがあるものの場合には,見本品と比べてにじみが

大きくないものとする。 

付着性(クロスカット法) 

1以下(5%以下) 

耐衝撃性 

(デュポン式) 

鏡面光沢度 

70以上 

40cmの高さから落とした500gのおもりの衝撃による変形で,割れ及びはがれができないものとす

る。 

鏡面光沢度 

70未満30以上 

− 

− 

30cmの高さから落とした500gのおもりの衝撃による変形で,割

れ及びはがれができないものとする。 

鏡面光沢度 

30未満 

− 

− 

20cmの高さから落とした500gのおもりの衝撃による変形で,割

れ及びはがれができないものとする。 

鉛筆引っかき値(試験器法) 

HB以上 

F以上 

HB以上 

F以上 

HB以上 

耐屈曲性 

鏡面光沢度 

70以上 

直径3mmの折り曲げに耐えるものとする。 

鏡面光沢度 

70未満30以上 

直径4mmの折り曲げに耐えるものとする。 

鏡面光沢度 

30未満 

直径6mmの折り曲げに耐えるものとする。 

耐過熱焼付性 

直径10mmの折り曲げに耐えるものとする。 

耐水性 

− 

24時間浸した

とき,異常がな

いものとする。 

48時間浸した

とき,異常がな

いものとする。 

24時間浸した

とき,異常がな

いものとする。 

24時間浸した

とき,異常がな

いものとする。 

72時間浸した

とき,異常がな

いものとする。 

耐アルカリ性 

白及びクリヤ 

炭酸ナトリウム溶液に規定時間浸したとき,異常がないものとする。 

120時間 

96時間 

144時間 

72時間 

96時間 

144時間 

その他の色 

− 

− 

炭酸ナトリウム溶液に規定時間浸したとき,異常がないものとす

る。 

72時間 

24時間 

48時間 

72時間 

耐酸性 

硫酸溶液に規定時間浸したとき,異常がないものとする。 

24時間 

72時間 

耐湿性(回転式) 

72時間試験したとき,異常がな

いものとする。 

72時間試験し

たとき,異常が

ないものとす

る。 

24時間試験したとき,異常がな

いものとする。 

96時間試験し

たとき,異常が

ないものとす

る。 

耐汚染性(原状比較法) 

− 

色及びつやの

変化が大きく

なく,膨れが認

められないも

のとする。 

− 

色及びつやの変化が大きくなく,膨れが認められ

ないものとする。 

耐揮発油性 

試験用揮発油1号に24時間浸し

たとき,異常がないものとする。 

試験用揮発油2号に24時間浸したとき,異常がないものとする。 

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K 5651 : 2002  

項目 

種類 

クリヤ 

エナメル 

1種 

2種 

1種 

2種1号 

2種2号 

3種 

耐塩水噴霧性 

48時間試験したとき,異常がな

いものとする。 

72時間試験し

たとき,異常が

ないものとす

る。 

48時間試験し

たとき,異常が

ないものとす

る。 

72時間試験し

たとき,異常が

ないものとす

る。 

96時間試験し

たとき,異常が

ないものとす

る。 

白 

A法 

− 

60以上 

B法 

− 

45以上 

淡彩 

A法 

− 

55以上 

B法 

− 

40以上 

銀色・その他の色

透明 

A法 

50以上 

47以上 

B法 

30以上 

32以上 

加温貯蔵安定性 

50℃で72時間貯蔵しても,安定であるものとする。 

促進耐候性 

(キセノンランプ法) 

720時間照射

で,さび,膨れ

及びはがれの

等級が0であ

り,見本品と比

べてつやの変

化とワニス皮

膜の失透及び

着色の程度が

大きくないも

のとする。 

360時間照射

で,さび,膨れ

及びはがれの

等級が0であ

り,見本品と比

べてつやの変

化とワニス皮

膜の失透及び

着色の程度が

大きくないも

のとする。 

720時間照射

で,さび,膨れ

及びはがれの

等級が0であ

り,見本品と比

べて色の変化

の程度が大き

くなく,白亜化

の等級は3以下

とする。また,

360時間照射し

たときの光沢

保持率は80%

以上とする。 

360時間照射で,さび,膨れ及び

はがれの等級が0であり,見本

品と比べて色の変化の程度が大

きくなく,光沢保持率は70%以

上とする。 

360時間照射

で,さび,膨れ

及びはがれの

等級が0であ

り,見本品と比

べて色の変化

の程度が大き

くなく,白亜化

の等級は3以下

とする。 

耐候性 

24か月の試験

で,膨れ,はが

れ及びさびを

認めず,見本品

と比べてつや

の変化及び明

らかに認めら

れた場合のワ

ニス皮膜の失

透及び着色の

程度が大きく

ないものとす

る。 

− 

24か月の試験

で,膨れ,割れ,

はがれ及びさ

びを認めず,見

本品と比べて

色とつやの変

化の程度が大

きくなく,白亜

化の等級は3以

下とする。 

− 

− 

12か月の試験

で,膨れ,割れ,

はがれ及びさ

びを認めず,見

本品と比べて

色とつやの変

化の程度が大

きくなく,白亜

化の等級は3以

下とする。 

注(1) 鏡面光沢度が90未満で,特定の値の範囲を当事者間で協定した場合には,その値を適用することができる。ただ

し,この場合,その範囲を9.の規定に従って表示する。 

(2) 色の指定によって,にじみがあることを受渡当事者間で協定した場合には,これによることができる。ただし,

この場合,にじみがあることを9.の規定に従って表示する。 

6. 見本品 見本品は,JIS K 5600-18(見本品)に規定する区分によって,表3とする。 

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K 5651 : 2002  

表3 見本品 

種類 

試験項目 

観察項目 

見本品の区分 

形態 

設定方式 

品質水準 

クリヤ 

塗膜の外観 

つや及び透明 

塗料見本 

又は 

塗膜見本 

協定見本品 

又は 

社内見本品 

中心見本品 

促進耐候性 

つやの変化 

失透及び着色の程度 

塗料見本 

限度見本品 

耐候性 

エナメル 

塗膜の外観 

色及びつや 

塗料見本 

又は 

塗膜見本 

中心見本品 

にじみ 

にじみ 

塗料見本 

限度見本品 

促進耐候性 

色の変化 

屋外暴露耐候性 

色とつやの変化 

7. 試験方法 

7.1 

サンプリング サンプリングは,JIS K 5600-1-2による。 

7.2 

試験用試料の検分及び調整 試験用試料の検分及び調整は,JIS K 5600-1-3による。 

7.3 

試験の一般条件 試験の一般条件は,JIS K 5600-1-1,JIS K 5600-1-6及びJIS K 5601-1-1によるほ

か,次による。 

7.3.1 

試験の場所 

a) 養生及び試験を行う場所は,特に規定する以外は,JIS K 5600-1-6の4.1(標準条件)で,直射日光を

受けず,養生及び試験にガス・蒸気・ほこりなどによる影響がなく,通風の少ない室内とする。 

b) 拡散昼光は,JIS K 56004-3の5.2(自然昼光照明)による。ただし,5.3(色観察ブースの人工照明)

に規定するブースを用いても差し支えない。 

7.3.2 

試験片の作製 

7.3.2.1 

試験板 試験板は,JIS K 5600-1-4によるほか,次による。 

a) 鋼板は,溶剤洗浄によって調整したJIS G 3141に規定するSPCC-SBの鋼板(150×70×0.8mm及び300

×150×1mm)とする。 

b) りん酸亜鉛化成皮膜処理鋼板は,JIS G 3141に規定するSPCC-SBの鋼板(150×70×0.8mm及び300

×150×1mm)を用い,その製品の製造業者が指定する方法でりん酸亜鉛化成皮膜処理を施し,デシ

ケータに入れて,24時間乾燥後に用いる。 

c) ぶりき板は,溶剤洗浄によって調整したJIS G 3303に規定する電気めっきぶりきのSPTE5.6/5.6 T.2 

(150×70×0.3mm) とする。 

d) ガラス板は,溶剤洗浄によって調整したJIS R 3202に規定するフロート板ガラス及び磨き板ガラス

(300×150×3mm及び200×150×5mm)とする。 

7.3.2.2 

試料の薄め方 試料の薄め方は,その製品に指定された薄め液を用い,JIS K 5600-2-2の3.(フ

ローカップ法)に規定する (5mm) カップによって,流下時間が24±2秒になるように,薄め液の量を調

節する。 

K 5651 : 2002  

7.3.2.3 

試料の塗り方・塗旗の厚さ 塗り方は吹付け塗りとし,試料を7.3.2.2によって薄めた後,試験片

の片面にスプレーガンで吹付ける。JIS K 5600-1-7によって測定して,焼付けた塗膜の厚さが20〜30μmに

なるように1回塗る。 

7.3.2.4 

乾燥方法 試験板に試料を塗った後,塗面を上向きに,板を水平にして,一般状態で20分間放

置し,その製品に規定された焼付温度(3)に保った恒温器(4)の中に,塗面を上向きに,板を水平にしておき,

その製品に規定された焼付時間(5)の最長時間を過ぎたときに取り出し,更に一般状態で1時間おいて試験

片とする。 

注(3) 表2の加熱乾燥性で規定する温度の範囲内で,その製品に規定する温度とする。 

(4) 恒温器は,JIS K 5600-1-1の3.2.2のb)に規定する恒温器による。同じ恒温器の中で,試験板を

同時に2枚以上乾燥するときは,同平面に置き,上下に並べないようにする。 

(5) 表2の加熱乾燥性で規定した温度の範囲内で,その製品に規定された時間とする。 

7.4 

容器の中での状態 容器の中での状態の試験は,JIS K 5600-1-1の4.1.2のa)(液状塗料の場合)に

よる。 

7.5 

透明性 透明性の試験は,試料と見本品とをそれぞれ約15×150mmの無色透明な内径肉厚の等しい

試験管に約100mmの深さまで入れ,これらを接して並べ,拡散昼光のもとで側面から透かして見る。見

本品と比べて透明性が劣らず,浮遊物,沈殿及び液相の分離を認めないときは,“透明である。”とする。 

7.6 

色数(ガードナー) 色数の試験は,JIS K 5600-2-1による。 

7.7 

塗装作業性 塗装作業性の試験は,JIS K 5600-1-1の4.2の1回塗りの場合による。ただし,試験板

は,試料がクリヤの場合7.3.2.1d)に規定するガラス板 (300×150×3mm) とし,また,試料がエナメルの

場合7.3.2.1a)に規定する鋼板 (300×150×1mm) とする。塗り方は吹付け塗りとする。 

7.8 

加熱乾燥性 加熱乾燥性の試験は,JIS K 5600-1-1の4.3.4のc)による。ただし,試験片は,7.3.2に

よって作製する。試験板は,7.3.2.1a)に規定する鋼板 (150×70×0.8mm) とする。 

7.9 

塗膜の外観及び色 塗膜の外観の試験は,JIS K 5600-1-1の4.4によるほか,次による。 

7.9.1 

試験片 7.7の試験を終わった試験片を7.8によって乾燥し,保持したものを試験片とする。 

7.9.2 

判定 

a) クリヤの場合は,膨れ,割れ,はがれ,しわ,つやむら,はじき及びつぶを認めず,見本品と比べて,

つや及び透明の程度の差異が少ない(6)ときは,“塗膜の外観が正常である。”とする。 

b) エナメルの場合は,膨れ,割れ,はがれ,しわ,色むら,つやむら,はじき及びつぶを認めず,見本

品と比べて,色・つやの差異が少ない(6)ときは,“塗膜の外観が正常である。”とする。 

注(6) “差異が少ない”とは,受渡当事者間の協定,又は製造業者の定める範囲に入ることをいう。 

7.10 耐光性 耐光性の試験は,JIS K 5572の附属書によるほか,次による。 

7.10.1 試験片の作製 試験片は,7.3.2によって作製する。試験板は,7.3.2.1のc)のぶりき板とする。 

7.10.2 操作 装置に試験片を装着し,連続100時間照射した後,試験片を取り外し,一般状態で30分間

放置後,照射面と原状試験片の塗面の色の変化を,JIS K 5600-4-3によって調べる。 

7.10.3 判定 原状試験片と試験片の色の差が目視法で大きくない(7)ときは,“変色の程度が大きくない。”

とする。 

注(7) “色の差が目視法で大きくない”とは,受渡当事者間の協定,又は製造業者の定める範囲に入

ることをいう。 

7.11 鏡面光沢度 鏡面光沢度の試験は,JIS K 5600-4-17による。ただし,試験片は7.3.2によって作製す

る。試験板は,7.3.2.1のd)ガラス板 (200×150×5mm) とする。測定角度は,60度とする。 

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7.12 重ね塗り適合性 

7.12.1 試験板 試験板は,7.3.2.1のa)に規定する鋼板 (300×150×1mm) とする。 

7.12.2 試験片の作製 試験片及び原状試験片の作製は,次による。 

a) 試料を試験板の片面に7.3.2.3によって塗装した後,7.3.2.4によって乾燥したものを試験片とする。 

b) 7.12.3のb)で重ね塗りするときに,同時に別の試験板1枚の片面にも同じ塗料を同様の方法で塗装し

た後,乾燥したものを原状試験片とする。 

7.12.3 操作 操作は,次による。 

a) 試験片の塗面は,JIS R 6253に規定する耐水研磨紙P320番を用いて,塗膜の厚さが15〜25μmになる

ように水研ぎし,更に100±5℃で5分間乾燥し,一般状態で30分間養生する。 

b) 次に,同一の塗料を7.12.2のa)と同じ方法で塗り重ねて,塗り作業に支障がないかどうかを調べる。 

c) 更に,製品規格に指定する方法で乾燥した後,拡散昼光の下ではじき,割れ,穴,膨れ及びはがれを

調べる。 

d) 続いて,原状試験片と比べてつや,粘着及びしわの差異を調べる。ただし,試験片の周囲の幅10mm

は観察の対象から除くものとする。 

7.12.4 評価 塗り作業に支障がなく及び塗り重ねた塗面に,はじき,割れ,穴,膨れ及びはがれを認めず,

原状試験片に比べて,つやの差異,粘着及びしわの程度が大きくないときは,“重ね塗りに支障がない。”

とする。ただし,試料の製品規格で観察項目が指定されているときは,その項目を観察の対象とする。 

7.13 にじみ 

7.13.1 試験片の作製 試験板は,7.3.2.1a)に規定する鋼板 (150×70×0.8mm) とし,片面の約半分に,

7.3.2.3によって試料を塗装したものを試験片とする。 

7.13.2 操作 操作は,次による。 

a) 上塗りに用いる塗料は,試料と同じ種類のアミノアルキド樹脂エナメル白とし,上塗りするまでの養

生時間は,一般状態で3時間とする。 

b) 試料と上塗りに用いる塗料の薄め方,塗り方,塗膜の厚さ及び乾燥方法は,7.3.2.2,7.3.2.3及び7.3.2.4

による。 

c) 試験片の塗膜の部分と塗られていない素地の部分の上に,a)のエナメル白を規定の条件で塗装した後

乾燥する。 

d) 次に,試験片を拡散昼光の下で,試料の塗膜の成分の一部が溶けて,白の塗膜ににじみ出て変色した

かどうかを,白の塗膜だけの部分と比較して調べる。 

7.13.3 評価 試験片の白塗料を塗り重ねた部分に,にじみによる変色が認められないときは,“にじみが

ない。”とする。 

7.14 付着性 付着性の試験は,JIS K 5600-5-6による。 

a) 試験板は,7.3.2.1b)に規定するりん酸亜鉛化成皮膜処理鋼板 (150×70×0.8mm) とする。 

b) この試験板の片面に7.3.2.3によって塗り,7.3.2.4によって乾燥したものを試験片とする。 

c) 試験片の枚数は1枚とし,切りきずの間隔は1mm,升目の数は100とする。 

d) 判定は,JIS K 5600-5-6の8.(結果の表し方)による。 

7.15 耐衝撃性 耐衝撃性の試験は,JIS K 5600-5-3の6.(デュポン式)によるほか,次による。 

7.15.1 試験片の作製 試験片は,7.3.2によって作製する。試験板は,7.3.2.1a)に規定する鋼板 (150×70

×0.8mm) とする。 

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K 5651 : 2002  

7.15.2 操作 その塗膜の鏡面光沢度が70以上の場合は40cm,鏡面光沢度が70未満30以上の場合は30cm,

鏡面光沢度30未満の場合は20cmの高さから撃ち台の上に落とす。 

7.15.3 判定 試験片2枚について,衝撃的変形による塗膜の割れ・はがれを認めないときは,鏡面光沢度

が70以上の場合,“40cmの高さから落とした500gのおもりの衝撃による変形で,割れ・はがれができな

い。”とし,鏡面光沢が70未満30以上の場合,“30cmの高さから落とした500gのおもりの衝撃による変

形で,割れ・はがれができない。”とし,鏡面光沢が30未満の場合,“20cmの高さから落とした500gのお

もりの衝撃による変形で,割れ・はがれができない。”とする。 

7.16 鉛筆引っかき値 鉛筆引っかき値の試験は,JIS K 5600-5-4によるほか,次による。 

a) 試験片は,7.3.2によって作製する。試験板は,7.3.2.1a)に規定する鋼板 (150×70×0.8mm) とする。 

b) 判定は,JIS K 5600-5-4の9.6による。 

7.17 耐屈曲性 耐屈曲性の試験は,JIS K 5600-5-1によるほか,次による。 

7.17.1 試験片の作製 試験板は,7.3.2.1c)を用い,塗り方は7.3.2.3によって行い,乾燥は7.3.2.4による。 

7.17.2 タイプ1の試験装置を用い,屈曲試験器の心棒の直径は鏡面光沢度が70以上の場合3mmとし,鏡

面光沢が70未満30以上の場合4mmとし,鏡面光沢が30未満の場合6mmとする。 

7.17.3 判定 判定は,試験片3枚について,塗膜に割れ・はがれを認めないときは,鏡面光沢度が70以

上の場合“直径3mmの折り曲げに耐える。”とし,鏡面光沢が70未満,30以上の場合“直径4mmの折り

曲げに耐える。”とし,鏡面光沢が30未満の場合“直径6mmの折り曲げに耐える。”とする。 

7.18 耐過熱焼付性 耐過熱焼付性の試験は,次による。 

7.18.1 試験片の作製 試験板は,7.3.2.1c)を用い,加熱温度はその製品に規定する焼付温度(3)+10℃,加

熱時間はその製品に規定する焼付時間(5)の3倍とし,その他については7.3.2.4によって乾燥したものを試

験片とする。また,7.8の加熱乾燥性で作製した試験片を原状試験片とする。 

7.18.2 判定 判定は,耐屈曲性の試験を行い,直径10mmの折り曲げに耐えるときは,“直径10mmの折

り曲げに耐える。”とする。 

7.19 耐水性 耐水性の試験は,JIS K 5600-6-2によるほか,次による。 

7.19.1 試験片の作製 試験板は,7.3.2.1b)に規定するりん酸亜鉛化成皮膜処理鋼板 (150×70×0.8mm) を

用い,塗り方は7.3.2.3によって行い,乾燥は7.3.2.4による。試験片3枚のうち1枚を原状試験片とし,残

りの2枚の周辺約5mmと裏面とを,JIS K 5582に規定する塩化ビニル樹脂エナメル2種白で2回塗り包

み,2時間以上放置したものを試験片とする。 

7.19.2 浸せき条件 浸せき温度40±1℃,浸せき時間は表4に示す時間とする。 

7.19.3 観察の対象範囲 液界面部分を含む塗膜表面とする。 

7.19.4 判定 試験片を取り出した直後の観察で,試験片2枚の塗膜に膨れ,割れ,はがれ及び穴を認めず,

更に浸せき液の着色やにごりがなく,2時間放置の後,原状試験片と比べて,つやの変化や変色の程度が

大きくないときは,“異常がない。”とする。 

表4 耐水性の浸せき時間 

項目 

種類 

クリヤ 

エナメル 

2種 

1種 

2種1号 

2種2号 

3種 

浸せき時間 

24時間 

48時間 

24時間 

72時間 

7.20 耐アルカリ性 耐アルカリ性の試験は,JIS K 5600-6-1の7.[方法1(浸せき法)]によるほか,次

による。 

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7.20.1 試験片の作製 試験片は,7.19と同じ方法によって3枚作製する。 

7.20.2 アルカリ溶液の種類,濃度及び液温 40±1℃に保った,50g/L炭酸ナトリウム水溶液とする。 

備考 炭酸ナトリウムは,JIS K 8625に規定するもの。 

7.20.3 浸せき時間 表5に示す時間とする。 

表5 耐アルカリ性の浸せき時間 

項目 

種類 

クリヤ 

エナメル 

1種 

2種 

1種 

2種1号 

2種2号 

3種 

白 

120時間 

96時間 

144時間 

72時間 

96時間 

144時間 

その他の色 

72時間 

24時間 

48時間 

72時間 

7.20.4 判定 試験片を取り出した直後の観察で,試験片2枚の塗膜に膨れ,はがれ及び穴を認めず,更に

浸せき液の着色やにごりがなく,2時間放置の後,原状試験片と比べて,つやの変化や変色の程度が大き

くないときは,“炭酸ナトリウム溶液に規定時間浸したとき,異常がない。”とする。 

7.21 耐酸性 耐酸性の試験は,JIS K 5600-6-1の7.によるほか,次による。 

7.21.1 試験片の作製 試験片は,7.19と同じ方法によって3枚作製する。 

7.21.2 酸溶液の種類,濃度及び液温 50gの硫酸と蒸留水を混合して1Lとし,液温は23±2℃に保つ。 

備考 硫酸は,JIS K 8951に規定する硫酸とする。 

7.21.3 浸せき時間 表6に示す時間とする。 

7.21.4 観察の対象範囲 液界面部分を含む塗膜表面とする。 

7.21.5 判定 試験片を取り出した直後の観察で,試験片2枚の塗膜に膨れ・はがれを認めず,更に浸せき

液の着色やにごりがなく,2時間放置の後,原状試験片と比べて,つやの変化や変色の程度が大きくない

ときは,“硫酸溶液に規定時間浸したとき,異常がない。”とする。 

表6 耐酸性の浸せき時間 

項目 

種類 

クリヤ 

エナメル 

1種 

2種 

1種 

2種1号 

2種2号 

3種 

浸せき時間 

24時間 

24時間 

72時間 

7.22 耐湿性 耐湿性の試験は,JIS K 5600-7-2の5.(回転式)によるほか,次による。 

7.22.1 試験片の作製 試験片は,7.19と同じ方法によって3枚作製し,そのうち2枚の塗膜に切りきずを

つけずに,湿潤箱の中につるす。残りの1枚は,原状試験片として保存する。 

7.22.2 試験時間 表7に示す時間とする。 

7.22.3 判定 試験片を取り出し,直後の観察で試験片2枚の塗膜に,しわ,膨れ,割れ,さび及びはがれ

を認めず,更に2時間放置した後の観察で,2枚の塗膜にくもり,白化及び変色がないときは,“異常がな

い。”とする。 

表7 耐湿性の試験時間 

項目 

種類 

クリヤ 

エナメル 

1種 

2種 

1種 

2種1号 

2種2号 

3種 

試験時間 

72時間 

72時間 

24時間 

96時間 

7.23 耐汚染性 耐汚染性の試験は,次による。 

7.23.1 試験片の作製 試験板は,7.3.2.1c)を用い,塗り方は7.3.2.3によって行い,乾燥は7.3.2.4による。 

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10 

K 5651 : 2002  

7.23.2 汚染材料 汚染材料は,次による。 

a) 食用色素は,赤色102号0.01%水溶液とする。 

b) しょうゆは,日本農林規格(しょうゆ)に規定するこいくちしょうゆの特級とする。 

c) クレヨンは,JIS S 6026に規定するクレヨンのあかとする。 

7.23.3 汚染の静置時間 標準条件で24時間とする。 

7.23.4 観察 観察は,原状比較法とし,表8によって評価する。 

表8 汚染性の評価 

評価区分 

汚染の状態 

変化なし 

色及びつやの変化及び膨れが認められない。 

軽微な変化 色及びつやの変化が大きくなく,膨れが認められない。 
著しい変化 色及びつやの変化が大きい。又は色及びつやの変化が大き

くなくても膨れが認められる。 

7.23.5 判定 判定は,原状比較法によって行い,3種類の汚染材料のすべてについて,変化なし又は軽微

な変化と評価するとき,判定は,“色・つやの変化が大きくなく,膨れが認められない。”とする。 

7.24 耐揮発油性 耐揮発油性の試験は,JIS K 5600-6-1の7.によるほか,次による。 

7.24.1 試験片の作製 試験片は,7.19と同じ方法によって3枚作製する。 

7.24.2 試験液 クリヤの試験では試験用揮発油1号(8),エナメルの試験では試験用揮発油2号(9)とする。 

注(8) JIS K 8594 石油ベンジン(試薬)。 

(9) JIS K 8594 石油ベンジン(試薬)とJIS K 8680 トルエン(試薬)の容量比が9 : 1のもの。 

7.24.3 浸せき条件 JIS K 5600-6-1の7.4手順Aによって,浸せき温度は23±1℃,浸せき時間は24時間

とする。 

7.24.4 判定 試験片2枚の塗膜にしわ,膨れ,割れ及びはがれを認めず,原状試験片と比べて,つやの変

化,変色及び軟化の程度が著しくなく,浸せき液の着色及びにごりの程度が大きくないとき,判定は,ク

リヤの場合,“試験用揮発油1号に24時間浸したとき,異常がない。”,また,エナメルの場合,“試験用揮

発油2号に24時間浸したとき,異常がない。”とする。 

7.25 耐塩水噴霧性 耐塩水噴霧性の試験は,JIS K 5600-7-1によるほか,次による。 

7.25.1 試験片の作製 試験片は,7.19と同じ方法によって3枚作製し,1枚を原状試験片とする。残りの

2枚の塗膜に,JIS K 5600-5-6に規定する単一刃切込み工具の刃先で,塗膜の上から試験片の素地に達する

ように交差する2本の対角線を引く(ただし,きずを付ける対角線の範囲は,その末端が試験片のどの端

からも20mm離れた位置までとする。)。 

7.25.2 操作 試験片2枚を,塩水噴霧試験器に入れる。試験時間は,表9に示す時間とする。規定の時間

経過した後,塗膜を目視によって原状試験片と比べて観察する。 

7.25.3 判定 試験片2枚について,塗膜上のさび及び塗膜の膨れ・はがれを認めないときは,“異常がな

い。”とする。 

表9 耐塩水噴霧性の試験時間 

項目 

種類 

クリヤ 

エナメル 

1種 

2種 

1種 

2種1号 

2種2号 

3種 

試験時間 

48時間 

72時間 

48時間 

72時間 

96時間 

7.26 加熱残分 加熱残分の試験は,JIS K 5601-1-2による。ただし,試験条件は,125±2℃,1時間とし,

表2A法では試料を薄めないでそのまま用い,B法では7.3.2.2によって薄めた試料を用いる。 

11 

K 5651 : 2002  

7.27 加温貯蔵安定性 加温貯蔵安定性の試験は,JIS K 5600-2-7の7.によるほか,次による。 

a) 温度は50±2℃で,貯蔵時間は72時間とする。 

b) 加温貯蔵72時間後に,試料を取り出して一般状態で24時間静置後,“容器の中での状態”,“塗装作業

性”及び“塗膜の外観”を調べる。 

c) 判定は,貯蔵前に比べて著しい差異を認めず,塗装粘度に薄めるために用いた薄め液の量が貯蔵前の

2倍を超えないときは,“50℃で72時間貯蔵しても,安定である。”とする。 

7.28 促進耐候性 促進耐候性の試験は,JIS K 5600-7-7によるほか,次による。 

7.28.1 試験板及び試験片の枚数 試験板は,7.3.2.1b)に規定するりん酸亜鉛化成皮膜処理鋼板 (150×70

×0.8mm) とし,試料及び見本品について表10に示す枚数の試験片を作製する。 

7.28.2 試験片の作製 

7.28.2.1 クリヤの場合 

a) アミノアルキド樹脂エナメル塗りは,次による。 

1) 塗装に用いるアミノアルキド樹脂エナメルは,この規格に定める1種に適合するもので,その製品

の製造業者が指定するアミノアルキド樹脂エナメルの白を用いる。 

2) アミノアルキド樹脂エナメルの塗り方は,アミノアルキド樹脂エナメル1種白の製造業者が,その

製品について指定する薄め液を用い,試料の塗り方は7.3.2.3によって行い,乾燥方法は7.3.2.4によ

る。 

3) 研磨は,2)で塗って焼き付けた後,一般状態で10〜15分間放置する。次に,JIS R 6253に規定する

耐水研磨紙P320番を用いて,塗膜の厚さが15〜25μmになるように水研ぎし,100±2℃で5分間乾

燥する。 

b) 仕上塗りは,アミノアルキド樹脂エナメル1種白を塗り終わった試験板の表面に,試料又は見本品に

ついて,塗り方は7.3.2.3によって行い,乾燥方法は7.3.2.4によって仕上げたものを試験片とする。 

7.28.2.2 エナメルの場合 試料又は見本品を,塗料の薄め方は7.3.2.2によって,塗り方は7.3.2.3によっ

て行い,7.3.2.4によって乾燥し,一般状態に10〜15分間放置した後にJIS R 6253に規定する耐水研磨紙

P320番を用いて,塗膜の厚さが15〜20μmになるように水研ぎをする。次に,100±2℃で5分間乾燥し,

上塗り1回目を終了する。1回目を塗り終わった塗膜の上に,更に,7.3.2.2,7.3.2.3及び7.3.2.4の方法で

上塗り2回目を塗り重ね,焼き付けたものを試験片とする。 

7.28.3 試験条件 方法1の湿潤サイクルAによる。ただし,乾燥期間中の相対湿度は (50±5) %とする。

照射時間は表10とする。 

7.28.4 評価項目・方法 

a) クリヤの場合は,さび,膨れ,はがれ及びつやの変化及びワニス皮膜の失透・着色の程度とする。 

b) エナメルの場合は,さび,膨れ,はがれ及び色の変化の程度,白亜化の等級及び光沢保持率とする。

白亜化の等級は,JIS K 5600-8-6によって評価する。光沢保持率は,試験片を水で洗い(10),JIS K 

5600-4-7によって測定する。 

注(10) 水に浸してから十分に柔らかくしたビスコーススポンジなどで試験片の全面をこする。こする

ときは常に水を流しかけて付着物などで試験片にきずがつかないようにし,付着物を除く。洗

い終わった後,試験片は室内の清浄な場所に立てて乾かす。 

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12 

K 5651 : 2002  

表10 促進耐候性の照射時間及び試験片の数 

項目 

種類 

クリヤ 

エナメル 

1種 

2種 

1種 

2種1号 

2種2号 

3種 

照射時間 

720時間 

360時間 

720時間 

360時間 

試験片の枚数 

5(11) 

注(11) エナメルの1種だけ試験片を2枚多く必要とするのは,光沢保持率を照射時間の途中で

測定するためで,この2枚は,光沢保持率を測定するための専用試験片となる。 

7.29 屋外暴露耐候性 屋外暴露耐候性の試験は,JIS K 5600-7-6によるほか,次による。 

7.29.1 試験板 試験板は,7.3.2.1b)に規定するりん酸亜鉛化成皮膜処理鋼板 (300×150×1mm) とする。

試験片の枚数は,試料と見本品とについて耐候試験片はそれぞれ3枚ずつとし,原状試験片はそれぞれ1

枚ずつとする。ただし,耐候試験片ごとの試験成績にばらつきが少ないことが分かっているときは,耐候

試験片は1枚としても差し支えない。 

7.29.2 試験片の作製 

7.29.2.1 クリヤの場合 

a) 下塗りは,次による。 

1) 下塗りに用いる塗料は,試験しようとする製品で規定された下塗り塗料を用いる。 

2) 下塗り塗料の塗り方は,下塗り塗料の製造業者がその塗料について指定した薄め液を用い,粘度を

調節する。塗り方は吹付け塗りとし,JIS K 5600-1-1の3.3.6(塗り方)及び3.3.7(吹付け塗り)に

よって,試験板の両面に1回塗った後,塗料の製造業者が指定した,焼付けの温度と時間とで焼き

付けて得る表面塗膜の厚さが20〜30μmになるようにする。 

b) 研磨は,下塗り塗料を塗って焼き付けた後,一般状態で10〜15分間放置してJIS R 6253に規定する

耐水研磨紙100±5℃で5分間乾燥する。 

c) アミノアルキド樹脂エナメル塗りは,次による。 

1) 塗装に用いるアミノアルキド樹脂エナメルは,この規格に定める1種に適合するもので,試験しよ

うとする製品の製造業者が指定するアミノアルキド樹脂エナメルの白を用いる。 

2) アミノアルキド樹脂エナメルの塗り方は,アミノアルキド樹脂エナメル1種白の製造業者が,その

製品について規定する薄め液を用い,塗り方は7.3.2.3によって行い,7.3.2.4によって乾燥する。 

3) 研磨は,2)で塗って焼き付けた後,一般状態で10〜15分間放置する。次に,JIS R 6253に規定する

耐水研磨紙P320番を用いて,塗り重ねた表面塗膜の厚さが35〜45μmになるように水研ぎし,100

±5℃で5分間乾燥する。 

d) 仕上塗りは,3)の行程で研磨・乾燥の終わった試験板の表面に試料又は見本品を塗るには7.3.2.3によ

って行い,乾燥を7.3.2.4によって仕上げたものを試験片とする。 

7.29.2.2 エナメルの場合 

a) 下塗りは,7.29.2.1a)と同様にして行う。 

b) 中塗りは,次による。 

1) 中塗りに用いる塗料は,試験しようとする製品で規定された中塗り塗料を用いる。 

2) 中塗り塗料の塗り方は,中塗り塗料の製造業者がこの製品について規定する薄め液を用い,薄めた

後,7.3.2.3によって行い,乾燥は7.3.2.4による。このとき,下塗りと中塗りとを塗り重ねた表面塗

膜の厚さが40〜50μmになるようにする。焼付けの温度と時間は,中塗り塗料の製造業者の規定に

よる。 

13 

K 5651 : 2002  

3) 研磨は,中塗りの塗料を塗って焼付けた後,一般状態で10〜15分間放置する。次に,JIS R 6253

に規定する耐水研磨紙P320番を用いて,塗り重ねた表面塗膜の厚さが35〜45μmになるように水研

ぎし,100±5℃で5分間乾燥する。 

c) 上塗りは,中塗りの3)の工程を終わった試験板の表面に,試料又は塗料見本を7.3.2.2,7.3.2.3及び

7.3.2.4によって塗装,焼付けた後,10〜15分間放置してJIS R 6253に規定する耐水研磨紙P320番を

用いて,塗り重ねた表面塗膜の厚さが50〜60μmになるように水研ぎをする。次に,100±5℃で5分

間乾燥し,上塗り1回目を終了する。1回目の塗り終わった塗膜の上に,更に7.3.2.3及び7.3.2.4の方

法で上塗り2回目を塗り重ね,焼付けたものを試験片とする。 

7.29.3 試験片の処理方法 試験片の処理方法は,次による。試験片の周辺と裏面とは,JIS K 5628に規定

する鉛丹ジンククロメートさび止めペイント2種を24時間ごとに2回以上塗って,試験に影響がないよう

に塗り包んでおく。 

7.29.4 耐候性の試験期間と観察項目 耐候性の期間と観察項目は,次による。 

a) 試験の期間は,1種では24か月,3種では12か月とする。 

b) 試験開始の時期は,毎年4月又は10月とする。 

c) 観察の時期は,各種とも観察の時期は,試験開始後,6か月ごととする。 

d) 観察の項目は,色とつやの変化・白亜化の等級,膨れ,割れ,はがれ及びさびとする。ただし,白亜

化の等級は,試験片を洗う前に観察して判断する。ただし,クリヤ1種の場合はワニス皮膜の失透・

着色の程度も観察の対象とする。 

7.29.5 判定 判定は,表2に示す耐候性による。 

8. 検査 検査は,7.によって試験し,表2に適合しなければならない。ただし,耐候性は,過去に生産

された製品について,JIS K 5600-7-6の附属書1によって品質の長期管理が行われ,その耐候性試験の成

績が適切であるときは,現在の製品が適合するものとする。 

9. 表示 アミノアルキド樹脂塗料の容器には,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければなら

ない。 

a) 規格の名称 

b) 種類 

c) 正味質量又は正味容量 

d) 製造業者名又はその略号 

e) 製造年月又はその略号 

f) 

製造番号又はロット番号 

g) 受渡当事者間の協定によって,表2の注(1),注(2)によるときは,鏡面光沢度の範囲と,にじみがある

ことを表示する。 

参考1. アミノアルキド樹脂塗料の取扱いなどについては,この規格に規定するほか,法令で規定さ

れており,また,公団・団体などからも規則,注意事項などが定められている。 

2. この規格の品質の規定に示した項目の試験に必要な試験板の材質,寸法及び枚数並びに試験

日数は,参考表1のとおりである。また,この試験には,試料が約300ml必要である。 

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1

4

K

 5

6

5

1

 : 

2

0

0

2

  

参考表1 アミノアルキド樹脂塗料 

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1

5

K

 5

6

5

1

 : 

2

0

0

2

  

16 

K 5651 : 2002 

原案作成委員会組織 構成表 

氏名 

本委員会 

分科会 

所属 

(委員長) 

増 子   

○ 

千葉工業大学 

(委員) 

西 出 徹 雄 

○ 

経済産業省製造産業局 

本 橋 健 司 

○ 

独立行政法人建築研究所 

寺 岡 憲 吾 

○ 

防衛庁装備局 

橋 本   進 

○ 

財団法人日本規格協会 

冨 樫   晃 

○ 

社団法人日本自動車部品工業会 

近 藤 照 夫 

○ 

清水建設株式会社 

田 中   誠 

○ 

財団法人鉄道総合技術研究所 

本 村   均 

○ 

日本道路公団 

帆 刈   均 

○ 

都市基盤整備公団 

高 橋 孝 治 

○ 

社団法人日本塗装工業会 

小 俣 一 夫 

○ 

日本建築仕上材工業会 

福 島   稔 

○ 

日本鋼橋塗装専門会 

池 田 順 一 

○ 

財団法人日本ウエザリングテストセンター 

橋 本 定 明 

○ 

財団法人日本塗料検査協会 

吉 田 豊 彦 

○ 

社団法人色材協会 

斉 藤 吉 治 

○ 

○ 

カシュー株式会社 

清 水 福 士 

○ 

○ 

カナヱ塗料株式会社 

下 山 忠 美 

○ 

○ 

川上塗料株式会社 

武 田 廉太郎 

○ 

○ 

関西ペイント株式会社 

徳 永 行 文 

○ 

○ 

神東塗料株式会社 

岩 見   勉 

○ 

○ 

大日本塗料株式会社 

吉 田 留 夫 

○ 

○ 

中国塗料株式会社 

増 田 道 広 

○ 

○ 

株式会社トウペ 

曽 我 元 昭 

○ 

○ 

日本ペイント株式会社 

常 盤   寛 

○ 

○ 

ロックペイント株式会社 

(オブザーバー) 穐 山 貞 治 

○ 

経済産業省産業技術環境局 

(委員) 

松 平 忠 志 

○ 

松平技術士事務所 

伊 藤 義 人 

○ 

専門技術者 

長 尾   進 

○ 

専門技術者 

山 崎 不二雄 

○ 

専門技術者 

安 達 良 光 

○ 

関西ペイント株式会社 

門 田   進 

○ 

日本ペイント株式会社 

(事務局) 

豊 田 常 彦 

○ 

○ 

社団法人日本塗料工業会 

(文責 常盤 寛) 

17 

K 5651 : 2002 

日本工業標準調査会 標準部会 化学製品技術専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

宮 入 裕 夫 

東京医科歯科大学生体材料工学研究所 

大 久 泰 照 

昭和シェル石油株式会社中央研究所 

奥 泉 仁 一 

財団法人バイオインダストリー協会 

奥 山 通 夫 

社団法人日本ゴム協会 

笠 野 英 秋 

拓殖大学工学部機械システム工学科 

加 茂   徹 

独立行政法人産業技術総合研究所 

木 原 幸 弘 

社団法人日本化学工業協会 

桐 村 勝 也 

社団法人日本塗料工業会 

高 野 忠 夫 

財団法人化学技術戦略推進機構 

高 橋 信 弘 

東京農工大学農学部 

西 川 輝 彦 

石油連盟技術環境部 

西 本 右 子 

神奈川大学理学部 

古 川 哲 夫 

財団法人日本消費者協会 

槇     宏 

日本プラスチック工業連盟