まえがき
この追補は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,工業標準原案を具
して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正
したもので,これによって,JIS K 5633:2002は改正され,一部が置き換えられた。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
日本産業規格 JIS
K 5633:2010
エッチングプライマー
(追補1)
Etching primer
(Amendment 1)
JIS K 5633:2002を,次のように改正する。
2.(引用規格)のJIS K 5622 鉛丹さび止めペイント,JIS K 5624 塩基性クロム酸鉛さび止めペイント及
びJIS K 5627ジンククロメートさび止めペイントを,削除する。
2.(引用規格)にJIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬),JIS K 8116 塩化アンモニウム(試薬),JIS K
8180 塩酸(試薬),JIS K 8252 ペルオキソ二硫酸アンモニウム(試薬),JIS K 8550 硝酸銀(試薬)及
びJIS K 8951 硫酸(試薬)を,追加する。
7.14(溶剤不溶物)の“溶剤不溶物の試験は,JIS K 5622の附属書1(規定)による。ただし,溶剤の組成
は,表3による。”を,“溶剤不溶物の試験は,附属書1(規定)(溶剤不溶物の定量)による。ただし,溶
剤の組成は,表3による。”に置き換える。
7.15.1(酸化亜鉛の定量)の“溶剤不溶物中の酸化亜鉛の定量は,JIS K 5627の附属書1による。ただし,
塗料中にジンククロメート顔料が含まれていても,その亜鉛分は減じないものとする。”を,“溶剤不溶物
中の酸化亜鉛の定量は,附属書2(規定)(溶剤不溶物中の酸化亜鉛の定量)による。ただし,塗料中にジ
ンククロメート顔料が含まれていても,その亜鉛分は減じないものとする。”に置き換える。
7.15.2(無水クロム酸の定量)の“溶剤不溶物中の無水クロム酸の定量試験は,JIS K 5624の附属書(規定)
による。”を,“溶剤不溶物中の無水クロム酸の定量は,附属書3(規定)(溶剤不溶物中の無水クロム酸の
定量)による。”に置き換える。
7.17(りん酸の定量)の“りん酸の定量は,この規格の附属書による。”を,“りん酸の定量は,附属書4
(規定)(りん酸の定量)による。”に置き換える。
附属書(規定)(りん酸の定量)を,附属書4(規定)(りん酸の定量)に置き換える。
附属書1(規定)(溶剤不溶物の定量),附属書2(規定)(溶剤不溶物中の酸化亜鉛の定量)及び附属書3
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K 5633:2010
(規定)(溶剤不溶物中の無水クロム酸の定量)を,附属書4(規定)の前に追加する。
3
K 5633:2010
附属書1(規定) 溶剤不溶物の定量
1. 要旨 試料に溶剤を加えて溶剤可溶物を溶かし,遠心分離して得た固形物を溶剤不溶物として,これ
を試料中の質量分率として求める。
2. 装置及び器具 装置及び器具は,次による。
a) 遠心分離機は,3 000 min−1〜15 000 min−1の性能をもつもの。
b) 沈殿管は,ガラス製又はステンレス鋼製で底が丸く,容量が約50 mlのもの。
3. 操作 操作は,次による。
a) あらかじめ質量を量った沈殿管に試料10 gを正確に量り取る。
b) 製品規格に規定する溶剤を,約20 ml加えて,ガラス棒でよく混合する。ガラス棒に付着した固形物
は,希釈用溶剤で沈殿管の中に洗い落とし(1),液量が沈殿管の約4/5になるまで溶剤を加える。
注(1) ガラス棒に固形物が付着する場合には,ガラス棒と沈殿管とは,常に一緒にして質量を量る。
c) 沈殿管は,溶剤の蒸発を防ぐためにふたをした後,遠心分離機にかけ,3 000 min−1〜4 000 min−1で20
分〜30分間運転して分離する。ただし,カーボンブラック,クロム酸塩,有機顔料など分離しにくい
顔料を含む場合は,8 000 min−1〜15 000 min−1で30分間遠心分離機にかけ分離する。
d) さらに,溶剤を毎回30 mlずつ用いて,b)及びc)によって,混合・沈殿・流出の操作を3回繰り返す。
e) 沈殿管の底を熱水の中に浸した後,木片に綿布を5〜6枚重ねた上に底を数回軽く打ち当て,この操作
を繰り返して沈殿物を内壁から離す。
f)
沈殿管を温度105±2 ℃の乾燥器中で2時間乾燥し,デシケータ中で放冷した後,その質量を量って
沈殿物の質量を求める。ただし,酸化銅(I)を含む場合は,溶剤不溶物を,温度55±2 ℃の乾燥器
中で30分間乾燥し,デシケータ中で24時間放置して沈殿物の質量を求める。
g) 次に,得られた沈殿物を,めのう製乳鉢でよくすりつぶして均一にした後,はかり瓶に移し,温度105
±2 ℃の乾燥器中で約30分間乾燥した後,溶剤不溶物の分析に用いる。
4. 計算 試料中の溶剤不溶物は,次の式によって算出する。
100
1
2×
=m
m
A
ここに,
A: 溶剤不溶物(%)
m2: 沈殿物の質量(g)
m1: 試料の質量(g)
4
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附属書2(規定) 溶剤不溶物中の酸化亜鉛の定量
1. 要旨 溶剤不溶物に塩化アンモニウム溶液を加えて酸化亜鉛を溶かし,キシレノールオレンジ溶液を
指示薬としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム溶液で亜鉛をキレート滴定し,対応する酸化亜鉛の量
を溶剤不溶物中の質量分率として求める。
2. 試薬 試薬は,次による。
a) エタノール(99.5)は,JIS K 8101に規定するもの。
b) 塩化アンモニウム溶液(10 w/v %)は,JIS K 8116に規定する塩化アンモニウムを用いて調製する。
c) 酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH値5)は,JIS K 5601-1-1の3.3.3[緩衝液の調製 酢酸−酢酸ナト
リウム緩衝液(pH値5)]に規定するもの。
d) キシレノールオレンジ溶液(0.1 w/v %)は,JIS K 5601-1-1の3.3.2 b)[キシレノールオレンジ溶液(0.1
w/v %)]に規定するもの。
e) 0.01 mol/lエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム溶液は,JIS K 5601-1-1の3.3.1.3(0.01 mol/lエチレン
ジアミン四酢酸二ナトリウム溶液)に規定するもの。
3. 操作 操作は,次による。
a) 試料は,7.14で得た溶剤不溶物を用いる。コニカルビーカ300 mlに酸化亜鉛として約0.2 gを含むよ
うに試料を正確に量り取る。
b) 少量のエタノール(99.5)で潤した後,塩化アンモニウム溶液(10 w/v %)100 mlを加え,時計皿で覆
って振り動かしながら約5分間煮沸して溶かす。
c) 内容物をコニカルビーカ500 mlに,ろ紙(定量分析用5種C)を用いてろ過し,時計皿,コニカルビ
ーカ,ろ紙及びろ紙上の残留物を熱水で十分に洗い,放冷した後,ろ液と洗液を全量フラスコ250 ml
に移し入れ,水を標線まで加える。
d) コニカルビーカ300 mlに,全量フラスコの中から正確に25 mlを分取し,水70 mlと酢酸−酢酸ナト
リウム緩衝液(pH値5)5 mlとを加える。
e) 指示薬としてキシレノールオレンジ溶液(0.1 w/v %)0.3 mlを加えて,0.01 mol/lエチレンジアミン四
酢酸二ナトリウム溶液で滴定し,液の色が赤紫からだいだい色を経て黄色に変わったときを終点とす
る。
4. 計算 溶剤不溶物中の酸化亜鉛は,次の式によって算出する。
100
250
25
9
813
000
.0
×
×
×
×
=
m
F
V
A
ここに,
A: 溶剤不溶物中の酸化亜鉛(%)
V: 滴定に要した0.01 mol/lエチレンジアミン四酢酸二ナ
トリウム溶液の量(ml)
F: 0.01 mol/lエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム溶液
のファクタ
0.000 813 9: 0.01 mol/lエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム溶液1
mlに相当する酸化亜鉛の質量(g)
5
K 5633:2010
m: 試料の質量(g)
250
25: 試料溶液の分取比
6
K 5633:2010
附属書3(規定) 溶剤不溶物中の無水クロム酸の定量
1. 要旨 無水クロム酸の定量には,よう素滴定法と酸化還元滴定法とがある。
溶剤不溶物に含まれるクロム酸塩顔料中のクロム酸を定量して,無水クロム酸として求め,溶剤不溶物
中の質量分率として表す。
溶剤不溶物にクロム酸塩顔料,又はこれと白顔料及び体質顔料を含む場合には,よう素滴定法で求め,
白顔料及び体質顔料の有無にかかわらずクロム酸塩顔料と他の顔料とを含む場合には,酸化還元滴定法に
よって求める。
2. よう素滴定法
2.1 要旨 溶剤不溶物中のクロム酸塩顔料を塩酸で溶かし,よう化カリウムを加え,遊離するよう素をチ
オ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,対応する無水クロム酸の量を溶剤不溶物中の質量分率として求める。
2.2 試薬 試薬は,次による。
a) エタノール(99.5)は,JIS K 8101に規定するもの。
b) 塩酸(1+5)は,JIS K 8180に規定する塩酸を用いて調製する。
c) よう化カリウムは,JIS K 8913に規定するもの。
d) 0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液は,JIS K 5601-1-1の3.3.1.13 a)(調製)によって調製し,3.3.1.13 b)
(標定)によって標定し,3.3.1.13 c)(計算)によって計算を行い,ファクタを算出する。
e) でんぷん溶液は,JIS K 5601-1-1の3.3.2 e)(でんぷん溶液)に規定するもの。
2.3 操作 操作は,次による。
a) 試料は,7.14で得た溶剤不溶物を用いる。共通すり合わせ三角フラスコ300 mlに無水クロム酸として
約0.08 gを含むように試料を正確に量り取る。
b) 少量のエタノール(99.5)で潤した後,塩酸(1+5)50 mlを加え,時計皿で覆い約5分間穏やかに加
熱してクロム酸塩を溶かす。このとき白い不溶物があっても差し支えない。
c) 水100 mlとよう化カリウム10 gとを加えて溶かした後,0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,
溶液の赤みがうすくなったとき,指示薬としてでんぷん溶液0.5 mlを加え,更に滴定を続け,青が緑
に変わったときを終点とする。
2.4 計算 溶剤不溶物中の無水クロム酸は,次の式によって算出する。
100
334
003
.0
1
1
1
1
×
×
×
=
m
F
V
A
ここに,
A1: 溶剤不溶物中の無水クロム酸(%)
V1: 滴定に要した0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液の量
(ml)
F1: 0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクタ
0.003 334: 0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液1 mlに相当する無水ク
ロム酸の質量(g)
m1: 試料の質量(g)
3. 酸化還元滴定法
3.1 要旨 溶剤不溶物に硫酸を加えてクロム酸塩顔料を溶かし,硝酸銀(I)溶液とペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム溶液とを加え,酸化生成したクロム酸イオンを硫酸アンモニウム鉄(II)溶液で還元した後,
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K 5633:2010
過剰分を過マンガン酸カリウム溶液で滴定し,対応する無水クロム酸の量を溶剤不溶物中の質量分率とし
て求める。
3.2 試薬 試薬は,次による。
a) エタノール(99.5)は,JIS K 8101に規定するもの。
b) 硫酸(1+5)は,JIS K 8951に規定する硫酸を用いて調製する。
c) 0.02 mol/l過マンガン酸カリウム溶液は,JIS K 5601-1-1の3.3.1.5[0.02 mol/l(0.1 N)過マンガン酸カ
リウム溶液]に規定するもの。
d) 硝酸銀(I)溶液(2.5 w/v %)は,JIS K 8550に規定する硝酸銀(I)1 gを,水に溶かして40 mlとす
る。
e) ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液(20 w/v%)は,JIS K 8252 に規定するペルオキソ二硫酸アンモニ
ウム4 gを,水に溶かして20 mlとする。この溶液は使用の都度調製する。
f)
0.1 mol/l硫酸アンモニウム鉄(II)溶液は,JIS K 5601-1-1の3.3.1.17[0.1 mol/l(0.1 N)硫酸アンモニ
ウム鉄(II)溶液]に規定するもの。
g) 塩酸(1+5)は,JIS K 8180に規定する塩酸を用いて調製する。
3.3 操作 操作は,次による。
a) 試料は,7.14で得た溶剤不溶物を用いる。コニカルビーカ500 mlに無水クロム酸として約0.05 gを含
むように試料を正確に量り取る。
b) 少量のエタノール(99.5)で潤した後,硫酸(1+5)50 mlを加え,時計皿で覆い,約30分間水浴上
で加熱して溶かす。
c) 少量の水を用いて時計皿,コニカルビーカの内壁を洗う。不溶物があるときは,コニカルビーカ500 ml
にろ紙(定量分析用5種B)を用いてろ過し,コニカルビーカ,ろ紙及びろ紙上の残留物を水で十分
に洗う。
d) 水を加えて250 mlとした後,内容物を温度75 ℃〜80 ℃に保ちながら0.02 mol/l過マンガン酸カリウ
ム溶液2 mlを加え,その温度で硝酸銀(I)溶液(2.5 w/v %)10 mlとペルオキソ二硫酸アンモニウム
溶液(20 w/v %)20 mlとを加える。
e) 過マンガン酸イオンの色が現れないときは,更に,ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液(20 w/v %)を
追加する。
f)
沸騰石を入れて,時計皿で覆い,10分〜15分間煮沸して過剰のペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液(20
w/v %)を分解する。
g) 煮沸中に過マンガン酸イオンの色が消えたときには,更に,ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液(20
w/v %)を追加して煮沸を繰り返す。
h) 塩酸(1+5)5 mlを加えて5分〜10分間煮沸し,過マンガン酸を分解する。このときの溶液の色は黄
色になる。
i)
溶液は,コニカルビーカ500 mlにろ紙(定量分析用5種B)を用いてろ過し,時計皿,コニカルビー
カ,ろ紙及びろ紙上の残留物を水で洗い,更に水を加えて300 mlとする。
j)
内容物を室温まで放冷した後,0.1 mol/l硫酸アンモニウム鉄(II)溶液を正確に30 ml加える。溶液の
色は黄色からうすい青に変わる。色が変わらないときには,更に,0.1 mol/l硫酸アンモニウム鉄(II)
溶液を正確に10 ml追加する。
k) 過剰の0.1 mol/l硫酸アンモニウム鉄(II)溶液を0.02 mol/l過マンガン酸カリウム溶液で滴定し,うす
い紅色が約30秒間持続するときを終点とする。
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l)
別にb)以下と同様に空試験を行う。
3.4 計算 溶剤不溶物中の無水クロム酸は,次の式によって算出する。
100
334
003
.0
)
(
2
2
3
2
2
×
×
×
−
=
m
F
V
V
A
ここに,
A2: 溶剤不溶物中の無水クロム酸(%)
V2: 空試験に要した0.02 mol/l過マンガン酸カリウム溶液の
量(ml)
V3: 滴定に要した0.02 mol/l過マンガン酸カリウム溶液の量
(ml)
F2: 0.02 mol/l過マンガン酸カリウム溶液のファクタ
0.003 334: 0.02 mol/l過マンガン酸カリウム溶液1 mlに相当する無
水クロム酸の質量(g)
m2: 試料の質量(g)
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K 5633:2010
附属書4(規定) りん酸の定量
序文 この附属書は,溶剤不溶物中のりん酸の測定方法について規定する。
1. 要旨 チモールブルーを指示薬として,水酸化ナトリウム溶液で中和滴定し,対応するりん酸の量を
試料中の質量分率として求める。
2. 試薬 試薬は,次による。
2.1 チモールブルー溶液(0.1 w/v %) JIS K 8643に規定するチモールブルー0.1 gを量り取り,JIS K 8102
に規定するエタノール(95)50 mlに溶かし,水を加えて100 mlとし,褐色瓶に入れて保存する。
2.2 0.1 mol/l水酸化ナトリウム溶液(4.000 g NaOH/l)
a) 調製は,ポリエチレン瓶100 mlに二酸化炭素を含まない水30 mlを量り取る。JIS K 8576に規定する
水酸化ナトリウム35 gを量り取り,ポリエチレン瓶を冷却しながら徐々に加えて溶かした後,密栓し
て4〜5日放置する。この上澄み液5 mlを量り取り,二酸化炭素を含まない水を加えて1 000 mlとし,
ソーダ石灰管を取り付けて保存する。
b) 標定はJIS K 8587に規定するアミド硫酸を,過塩素酸マグネシウムを入れたデシケータの中で48時
間乾燥する。コニカルビーカ200 mlにアミド硫酸0.24 g〜0.29 gを正確に量り取り,水25 mlを加え
て溶かす。JIS K 8842に規定するブロモチモールブルー溶液(0.1 w/v %)2滴を加えて,0.1 mol/l水酸
化ナトリウム溶液で滴定し,液の色が,青みがかった緑になったときを終点とする。標定は,使用の
都度行う。
c) ファクタは,次の式によって算出する。
100
710
009
.0
A
V
m
F
×
×
=
ここに,
F: 0.1 mol/l水酸化ナトリウム溶液のファクタ
m: アミド硫酸の質量(g)
A: アミド硫酸の含量(%)
0.009 710: 0.1 mol/l水酸化ナトリウム溶液1 molに相当するアミド
硫酸の質量(g)
V: 滴定に要した0.1 mol/l水酸化ナトリウム溶液の量(ml)
2.3 塩化ナトリウム JIS K 8150に規定するもの。
3. 装置 電位差滴定装置は,JIS K 0113に規定するもの。
4. 操作 操作は,次による。
a) 試料は,7.14で得た溶剤不溶物を用いる。コニカルビーカ100 mlに,りん酸(H3PO4)として約0.15 g
を含むように試料を正確に量り取り,二酸化炭素を含まない水20 mlを加える。
b) 塩化ナトリウム約1 gを加えて溶かす。
c) 指示薬としてチモールブルー溶液(0.1 w/v %)数滴を加え,0.1 mol/l水酸化ナトリウム溶液で滴定し,
液の色が黄色から緑を経て青みを帯びたときを終点とする(1)。
注(1) 終点の見にくい場合は,JIS K 0113に規定する電位差滴定法による。
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5. 計算 りん酸は,次の式によって算出する。
100
900
004
.0
×
×
×
=
F
m
V
A
ここに,
A: りん酸(H3PO4として)(%)
V: 滴定に要した0.1 mol/l水酸化ナトリウム溶液の量(ml)
F: 0.1 mol/l水酸化ナトリウム溶液のファクタ
0.004 900: 0.1 mol/l水酸化ナトリウム溶液1 mlに相当するりん酸の
質量(g)
m: 試料の質量(g)