K5601-2-4 : 1999 (ISO 6744 : 1984)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
なお,この規格の制定後3か年を経た2002年4月をもって,この規格に対応するJIS K 5407(塗料成分
試験方法)は,廃止されこの規格に置き換わる予定であるので,なるべくこの規格によるとよい。
JIS K 5601は,次に示す部編成となっている。
JIS K 5601-1-1〜1-2 通則
JIS K 5601-2-1〜2-4 溶剤可溶物中の成分分析
JIS K 5601-3-1 溶剤不溶物中の成分分析
JIS K 5601-2は塗料成分試験方法−溶剤可溶物中の成分分析に関する試験方法として,次の各節によっ
て構成する。
JIS K 5601-2-1 第2部−第1節:酸価(滴定法)
JIS K 5601-2-2 第2部−第2節:軟化点(環球法)
JIS K 5601-2-3 第2部−第3節:沸点範囲
JIS K 5601-2-4 第2部−第4節:アルキド樹脂
JIS K 5601-2-2,2-4には,それぞれ次に示す附属書がある。
JIS K 5601-2-2 附属書A(規定) 温度計
JIS K 5601-2-4 附属書A(規定) 無水フタル酸含有量の定量
附属書B(規定) 不けん化物含有量の定量
附属書C(規定) 脂肪酸含有量の定量
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K5601-2-4 : 1999
(ISO 6744 : 1984)
塗料成分試験方法−
第2部:溶剤可溶物中の成分分析−
第4節:アルキド樹脂
Testing methods for paint components−
Part 2 : Component analysis in solvent soluble matter−
Section 4 : Alkyd resin
序文 この規格は,1984年に第1版として発行されたISO 6744, Binders for paints and varnishes−Alkyd resins
−General methods of testを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規
格である。
なお,この規格で下線(点線)を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,塗料及びその類似品に使用されるアルキド樹脂の一般試験方法について規定
する。また,塗料,ワニスのバインダー用の溶液及び同様な調製品にも適用可能である。
個々のアルキド樹脂に適用される試験方法は,関係者間の取決め事項による。
附属書Aの方法は,多塩基酸としてオルソフタル酸を含むものだけに適用できる。附属書A,B及びC
に規定した方法は,変性アルキド樹脂 (3.2) 及び安息香酸を含む樹脂には適用できない。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格を構成する
ものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発行年(又は発効年)を付記していない引用規格
は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS K 5600-2-1 塗料一般試験方法−第2部:塗料の性状・安定性−第1節:色数(ガードナー法)
備考 ISO 4630 : 1981, Binders for paints and varnishes−Estimation of colour of clear liquids by the
Gardner colour scaleが,この規格と一致している。
JIS K 5600-2-2 塗料一般試験方法−第2部:塗料の性状・安定性−第2節:粘度
備考 ISO 2431 : 1993, Paints and varnishes−Determination of flow time by use of flow cupsが,この規
格と一致している。
JIS K 5601-1-2 塗料成分試験方法−第1部:通則−第2節:加熱残分
備考 ISO 3251 : 1993, Paints and varnishes−Determination of non-volatile matter of paints, varnishes and
binders for paints and varnishesが,この規格と一致している。
2
K5601-2-4 : 1999 (ISO 6744 : 1984)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 5601-2-1 塗料成分試験方法−第2部:溶剤可溶物中の成分分析−第1節:酸価
備考 ISO 3682 : 1983, Binders for paints and varnishes−Determination of acid value−Titrimetric method
が,この規格と一致している。
ISO 842 : 1984 Raw materials for paints and varnishes−Sampling
ISO 1523 : 1983 Paints, varnishes, petroleum and related products−Determination of flashpoint−Closed cup
equilibrium method
ISO 3104 : 1994 Petroleum products−Transparent and opaque liquids−Determination of kinematic viscosity
and calculation of dynamic viscosity
ISO 3219 : 1993 Plastics−Polymers/resins in the liquid state or as emulsions or dispersions−Determination
of viscosity using a rotational viscometer with defined shear rate
ISO 3679 : 1983 Paints, varnishes, petroleum and related products−Determination of flashpoint−Rapid
equilibrium method
ISO 3681 : 1983 Binders for paints and varnishes−Determination of saponification value−Titrimetric
method
ISO 4629 : 1978 Binders for paints and varnishes−Determination of hydroxyl value−Titrimetric method
ISO 6271 : 1981 Clear liquids−Estimation of colour by the platinum-cobalt scale
3. 定義
3.1
アルキド樹脂 多塩基酸及び脂肪酸(又は油脂)と多価アルコールとの縮重合によって生成する合
成樹脂。
3.2
変性アルキド樹脂 (modified alkyd resin) 特徴ある性質を得るため,例えば,ロジン酸,ビニルト
ルエン,スチレン,イソシアネート,ポリアミド,アクリル,エポキシ,又はシリコーン化合物などで変
性したアルキド樹脂。
備考 トール油脂肪酸を基に,4%未満のロジン酸を含むアルキド樹脂は,アルキド樹脂とみなし,変
性アルキド樹脂とはしない。
4. 分類 アルキド樹脂は,次の種別に分類する。
a) 脂肪酸又は油脂の含有量による分類:
短油アルキド樹脂:約40%未満*
中油アルキド樹脂:40%〜約60%*
長油アルキド樹脂:60%以上*
*
不揮発分中のトリグリセライドの計算した量
備考 油脂含有量は加熱残分中のトリグリセライド分率として算定する。
b) 二塩基酸の含有量による分類(附属書A参照)
c) 変性成分による分類(3.2参照)
5. 試料採取方法 ISO 842に従って,試験対象製品の代表試料を採取する。
6. 試験方法 試験方法は,次の表のとおりとする。
3
K5601-2-4 : 1999 (ISO 6744 : 1984)
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表 特性項目及び試験方法
特性項目
試験方法
色
ISO 6271(白金−コバルトスケール)
JIS K 5600-2-1(ガードナー色数)
流出時間(1)
JIS K 5600-2-2(フローカップ)
粘性
ISO 3219若しくはISO 3104又は他の類似の方法
加熱残分(1)
JIS K 5601-1-2
引火点(1)
ISO 1523,ISO 3679
酸価
JIS K 5601-2-1(2)
水酸基価
ISO 4629(2)
無水フタル酸含有量 附属書A(3)
不けん化物
附属書B(3)
脂肪酸含有量
附属書C(3)(4)
注(1) アルキド樹脂溶液だけ。
(2) 酸価及び水酸基価は,溶液の加熱残分を基準に計算する。
(3) これらの方法は,安息香酸及びo-フタル酸以外の多塩基酸を含有
し(又は),ロジン酸,ビニルトルエン,スチレン,イソシアネー
ト,アクリル,エポキシ,又はシリコーン化合物などで変性した
アルキド樹脂には適用できない。これらの除外される変性アルキ
ド樹脂の一般試験方法は,今後の国際規格の課題であろう。
(4) トール油脂肪酸では,脂肪酸とともにロジン酸が含まれる。この
ロジン酸を脂肪酸として計算するかどうかは,当事者間の合意に
よる。
7. 試験報告 試験報告には,少なくとも次の事項を含んでいなければならない。
a) 試験した製品の種類及びその明細
b) この規格の適用
c) 試験結果及び適用した試験方法
d) 協定又はその他によって,規定した試験手順を変更した場合,その内容
e) 試験年月日
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K5601-2-4 : 1999 (ISO 6744 : 1984)
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附属書A(規定) 無水フタル酸含有量の定量
A.1 原理 水酸化カリウム溶液による試料のけん化。フタル酸カリウム沈殿物をろ過し,乾燥,ひょう量。
不けん化物及び脂肪酸定量のため保存。
A.2 試薬 分析には,分析試薬級の薬品及びJIS K 0557に規定するA2又はA3の水による。
A.2.1 トルエン
A.2.2 混合溶剤 トルエン1容と純エタノール1容の組成。代わりに,ジエチルエーテル1容,純エタノ
ール1容のものを用いてもよい。
A.2.3 水酸化カリウム 約28g/L純エタノール溶液で透明で沈殿物のないもの。
A.3 器具 通常の実験用器具
A.3.1 三角フラスコ 容量250mL,すり合せジョイント付き
A.3.2 還流コンデンサー 三角フラスコ (A.3.1) に合うすり合せジョイント,及び乾燥管 (A.3.3) の付いた
もの。
A.3.3 乾燥管 無水塩化カルシウムを詰め,還流コンデンサー (A.3.2) に合うもの。
A.3.4 加熱板 マグネチックスターラ付き
A.3.5 焼結グラスフィルターるつぼ ろ過板の直径30mm,孔径15〜40mm
A.3.6 デシケーター 乾燥剤として濃硫酸を入れる。
A.3.7 はかり瓶
A.3.8 乾燥器 約140℃を保持できるもの。
A.4 手順 試験は2回行う。
A.4.1 試料分取 脂肪酸(附属書C参照)の含有量が2gを超えない量 (m0) の樹脂又は樹脂溶液を,三角
フラスコ (A.3.1) に1mgのけたまで量り採る。
備考 樹脂採取量は,通常3〜5gである。
A.4.2 定量 試料 (A.4.1) を10mLのトルエン (A.2.1) に溶解する。水酸化カリウム溶液 (A.2.3) 100mLを
加え,三角フラスコ (A.3.1) に還流コンデンサー (A.3.2) を付け,コンデンサーに乾燥管を取り付ける。
フラスコ内容物を煮沸し,かき混ぜながら沸点で還流し2時間保つ。
室温まで放冷した後,コンデンサーを少量の溶剤で洗浄し,溶液を,質量既知の焼結グラスフィルター
るつぼ (A.3.5) でろ過する。ろ液は,附属書Bの不けん化物の定量用に保存する。フタル酸カリウムの沈
殿をできるだけ迅速に混合溶剤 (A.2.2) で数回洗浄する。沈殿は,最終洗浄後までは,常に溶剤で潤うよ
うにする。その後,溶剤を蒸発させるために,沈殿を100℃に保った乾燥炉に1〜2分置くとよい。沈殿は,
デシケーター (A.3.6) の中で真空乾燥し,測定した質量の差が0.1%以下の恒量となるまで続ける。沈殿物
は1mgのけたまではかる (m1)。沈殿は吸湿性のため,るつぼと沈殿は,乾燥後直ちにはかり瓶 (A.3.7) に
入れる。はかり瓶のふたをして,1mgのけたまではかる。沈殿は約140℃の乾燥器で乾燥し,測定した質
量の差が0.1%以下の恒量となるまで続ける。残留物は1mgのけたまではかる (m2)。
備考 通常,けん化は,2時間で完了する。けん化の完了は,けん化時間の延長,高濃度の水酸化カ
5
K5601-2-4 : 1999 (ISO 6744 : 1984)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
リウム溶液又は溶媒として高沸点アルコールを用い,よりか(苛)酷な条件でけん化価を測定
することで調べることができる(ISO 3681参照)。
A.5 結果の表し方 無水フタル酸含有量は,次の式によって算出する。
0
1
4.
51
m
m
Cp
×
=
·········································································· (1)
及び
0
2
1.
61
m
m
Cp
×
=
·········································································· (2)
ここに,
Cp: 無水フタル酸含有量(質量%)
m0: 試料の質量 (g) [本体表の注(2)参照]
m1: 室温で真空乾燥後の沈殿物(フタル酸カリウムモノエタノ
ール)の質量 (g)
m2: 140℃で乾燥後の沈殿物(エタノールを含まないフタル酸カ
リウム)の質量 (g)
51.4: フタル酸カリウムモノエタノールを無水フタル酸の質量に
換算する係数
61.1: 無水フタル酸カリウムを無水フタル酸の質量に換算する係
数
備考1. 両式で算出した結果の差が絶対値で2%を超える場合,この附属書に規定した方法は,対象ア
ルキド樹脂には適当でない[本体表の注(3)参照]。
2. 無水フタル酸含有量は,樹脂分,又は樹脂溶液については溶液の不揮発分を基に算出する。
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K5601-2-4 : 1999 (ISO 6744 : 1984)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B(規定) 不けん化物含有量の定量
B.1 試薬 分析には,分析試薬級の薬品及びJIS K 0557に規定するA2又はA3の水による。
B.1.1 ジエチルエーテル ハイドロキノン結晶1粒を加えた過酸化物を含まないもの(B.3.1に規定したジ
エチルエーテル法に用いる。)。
B.1.2 揮発油 沸点範囲30〜50℃のもの(B.3.2に規定する揮発油法に用いる。)。
備考 “石油エーテル30/50℃”として知られている。
B.1.3 水酸化カリウム 56g/L水溶液
B.1.4 アセトン
B.1.5 エタノール95% (V/V)
B.2 器具 通常の実験用器具
B.2.1 分液漏斗 容量250mL
B.2.2 蒸留装置 ロータリーエバポレータ又は水浴
B.2.3 乾燥器 約105℃を保持できるもの。
B.3 手順 試験は2回行う。
備考 ジエチルエーテル法 (B.3.1) を用いるとき,分離困難な乳化が起こることがある。このときに
は,乳化を防ぐため,エタノール,飽和塩化ナトリウム溶液,又は希鉱酸を加えてもよい。ま
た,ジエチルエーテル法に代え,揮発油法 (B.3.2) を用いることも役に立つかもしれない。
B.3.1 ジエチルエーテル法 A.4で得られたろ液から溶媒を真空蒸留するか,又は蒸発させる。残留物をエ
タノール (B.1.5) 25mLと水50mLで溶解し,分液漏斗 (B.2.1) に移す。容器を50mLのジエチルエーテル
(B.1.1) で洗い,洗液はすべて分液漏斗に入れる。
分液漏斗に栓をして振り,層を分離させる。下部の水の層を別々に第二の分液漏斗に流し出し,残りの
層は最初の分液漏斗に残しておく。水の層を更に2回,ジエチルエーテル50mLで抽出を続ける。エーテ
ル抽出液は,すべてを第一の分液漏斗に集め,水の層は附属書Cの脂肪酸定量のために保存する。
集めたエーテル抽出液を25mLずつの水で洗い液のpHが中性になるまで洗浄する。洗液は上記の水溶
液に加える。エーテルを不活性ガス下で蒸留装置又はロータリーエバポレータを使うか,安全に注意して
水浴を用いるか,いずれかの適切な装置 (B.2.2) を用いて蒸発させる。必要ならば,アセトン (B.1.4) を
加え上記と同様に蒸発させて水分を除く。
残留物は,乾燥器 (B.2.3) に入れ,約105℃で測定した質量の差が0.1%以下の恒量となるまで乾燥する。
残留物は1mgのけたまではかる (m3)。
B.3.2 揮発油法 A.4で得られたろ液から溶媒を真空蒸留又は蒸発させる。残留物を約100mLの水で分液
漏斗に移し,揮発油 (B.1.2) 50mLを加える。容器を揮発油50mLで洗い,洗液をすべて分液漏斗に集める。
分液漏斗に栓をして振り,層を分離させる。下部の水の層を別々の分液漏斗に流し出し,残りの層は始
めの分液漏斗に残しておく。水の層を更に2回,揮発油50mLで抽出を続ける。揮発油抽出液はすべてを
第一の分液漏斗に集め,水の層は附属書Cの脂肪酸定量のために保存する。
集めた揮発油抽出液にエタノール (B.1.5) 15mL,水15mL,水酸化カリウム溶液 (B.1.3) 0.5mLの混合液
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K5601-2-4 : 1999 (ISO 6744 : 1984)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
を入れて振り,放置し分離後,下層の水相を排出する。揮発油抽出液を25mLずつの水で,洗液のpHが
中性になるまで洗浄する。洗浄水液は,すべて上記の水溶液に加える。揮発油を適切な装置 (B.2.2) で蒸
発させ,残留物はアセトン (B.1.4) を加え上記と同様,蒸発によって水分を除く。
残留物は,乾燥器 (B.2.3) に入れ,約105℃で測定した質量の差が0.1%以下の恒量になるまで乾燥する。
残留物は1mgのけたまではかる (m3)。
B.4 結果の表し方 不けん化物含有量は,次の式によって算出する。
100
0
3×
=m
m
U
············································································ (3)
ここに, m0: 試料の質量 (g)(B.4.1)
m3: 残留物の質量 (g)
U: 不けん化物含有量(質量%)
備考 不けん化物含有量は,樹脂分,又は樹脂溶液については溶液の不揮発分を基に算出する。
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K5601-2-4 : 1999 (ISO 6744 : 1984)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C(規定) 脂肪酸含有量の定量
C.1 試薬 分析には,分析試薬級の薬品及びJIS K 0557に規定するA2又はA3の水による。
C.1.1 ジエチルエーテル ハイドロキノン結晶1粒を加えた過酸化物を含まないもの。
C.1.2 アセトン
C.1.3 塩酸 HCL約73g/L
C.1.4 硝酸銀 約10g/L溶液
C.2 器具 通常の実験用器具
C.2.1 分液漏斗 容量250mL
C.2.2 蒸留装置 ロータリーエバポレータ又は水浴
C.2.3 乾燥器 約60℃を保持できるもの。
C.3 手順 試験は,2回行う。
不けん化物の定量をジエチルエーテル法で行った場合,B.3.1で得られた水溶液を分液漏斗 (C.2.1) に移
す。不けん化物の定量を揮発油法で行った場合,不けん化物の分離後に得られた水−アルコール溶液をア
ルカリ性洗液とともに,アルコールが完全になくなるまで蒸発させ,水を用いて分液漏斗 (C.2.1) に移す。
溶液を塩酸 (C.1.3) で酸性にし,ジエチルエーテル (C.1.1) 50mLずつで3回抽出する。
エーテル抽出物は,硝酸銀溶液 (C.1.4) で塩素イオンが検出されなくなるまで水で洗浄する。次にエー
テルを不活性ガス下で蒸留装置又はロータリーエバポレータを使うか,安全に注意して水浴を用いるか,
いずれかの適切な装置 (C.2.2) を用いて蒸発させる。必要ならば,アセトン (C.1.2) を加え上記と同様に
蒸発させて水分を除く。
残留物は,約60℃の乾燥器 (C.2.3) に入れ,測定した質量の差が0.1%以下の恒量となるまで乾燥する。
残留物は1mgのけたまではかる (m4)。
C.4 結果の表し方 脂肪酸含有量は,次の式によって算出する。
100
0
4×
=m
m
F
············································································ (4)
ここに,
F: 脂肪酸含有量(質量%)
m0: 試料の質量 (g) (1.4.1)
m4: 残留物の質量 (g)
備考 脂肪酸含有量は,樹脂分,又は樹脂溶液について,溶液の不揮発分を基に算出する。
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K5601-2-4 : 1999 (ISO 6744 : 1984)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
塗料分野の国際整合化調査研究委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
増 子 昇
千葉工業大学
(委員)
西 出 徹 雄
通商産業省基礎産業局
大 嶋 清 治
工業技術院標準部
鴨志田 直 史
工業技術院標準部
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
本 橋 健 司
建設省建築研究所
坪 田 実
職業能力開発大学校
武 井 昇
職業能力開発大学校
鈴 木 雅 洋
東京都立産業技術研究所
吉 田 豊 彦
社団法人色材協会
高 橋 孝 治
社団法人日本塗装工業会
青 木 茂
サンコウ電子研究所
福 島 稔
社団法人日本鋼橋塗装専門会
近 藤 照 夫
清水建設株式会社
(主査)
岩 井 弘
財団法人日本検査協会
堀 江 建 治
関西ペイント株式会社
山 田 俊 幸
神東塗料株式会社
中 東 昭 憲
神東塗料株式会社
住 田 光 正
大日本塗料株式会社
上 寺 孝 明
中国塗料株式会社
松 井 繁 武
株式会社トウぺ
更 谷 浩
日本特殊塗料株式会社
曽 我 元 昭
日本ペイント株式会社
大 澤 晃
日本油脂株式会社
高 橋 真
ロックペイント株式会社
長 尾 進
専門技術者
鈴 木 幹 夫
専門技術者
松 平 忠 志
松平技術士事務所
伊 藤 義 人
専門技術者
小 島 務
財団法人日本検査協会
常 田 和 義
大日本塗料株式会社
筒 井 晃 一
日本ペイント株式会社
(事務局)
内 田 幹 雄
社団法人日本塗料工業会
山 崎 不二雄
社団法人日本塗料工業会
文責 大澤 晃