K 5601-2-1 : 1999 (ISO 3682 : 1993)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
なお,この規格の制定後3か年を経た2002年4月をもって,この規格に対応するJIS K 5407(塗料成分
試験方法)は,廃止され,この規格に置き換わる予定であるので,なるべくこの規格によるとよい。
JIS K 5601は,次に示す部編成となっている。
JIS K 5601-1-1〜1-2 通則
JIS K 5601-2-1〜2-4 溶剤可溶物中の成分分析
JIS K 5601-3-1 溶剤不溶物中の成分分析
JIS K 5601-2は,塗料成分試験方法−溶剤可溶物中の成分分析法に関する試験方法として,次の各節に
よって構成する。
JIS K 5601-2-1 第2部−第1節:酸価(滴定法)
JIS K 5601-2-2 第2部−第2節:軟化点(環球法)
JIS K 5601-2-3 第2部−第3節:沸点範囲
JIS K 5601-2-4 第2部−第4節:アルキド樹脂
JIS K 5601-2-2,2-4には,それぞれ次に示す附属書がある。
JIS K 5601-2-2 附属書A(規定) 温度計
JIS K 5601-2-4 附属書A(規定) 無水フタル酸含有量の定量
附属書B(規定) 不けん化物含有量の定量
附属書C(規定) 脂肪酸含有量の定量
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 5601-2-1 : 1999
(ISO 3682 : 1993)
塗料成分試験方法−
第2部:溶剤可溶物中の成分分析−
第1節:酸価(滴定法)
Testing methods for paint components−
Part 2 : Component analysis in solvent soluble matter−
Section 1 : Acid value (titrimetric method)
序文 この規格は,1983年に第2版として発行されたISO 3682, Binders for paints and varnishes−
Determination of acid value−Titrimetric methodを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく
作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,滴定法による塗料及びワニスの酸価測定方法を規定する。フェノール樹脂に
は適用できない。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの
規格を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付記して
いない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 5601-1-2 塗料成分試験方法−第1部:通則−第2節:加熱残分
備考 ISO 3251 : 1993 Paints and varnishes−Determination of non-volatile matter of paints, varnishes
and binders for paints and varnishesが,この規格と一致している。
ISO 842 : Raw materials for paints and varnishes−Sampling
3. 定義 この規格では,次の定義を適用する。
酸価 製品の不揮発物1g中の遊離酸を中和するのに要する,水酸化カリウム (KOH) のmg数
備考 ある種のポリエステル樹脂のように,バインダー中に遊離の酸無水物が存在するときは,アル
コール性水酸化カリウム溶液は酸無水物と部分的に反応する。しかし,遊離の酸無水物は少量
なので,このことは通常は,あまり重要ではない。
4. 試料採取方法 ISO 842に従って,試験対象品の代表試料を採取する。
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K 5601-2-1 : 1999 (ISO 3682 : 1993)
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5. 試薬 試験にはすべて,認定されている分析用級試薬を使用する。
5.1
混合溶剤 別の取決め又は規定のないときは,トルエン2容と,エタノール[95% (v/v) 以上]1)1
容の組成とする。この混合溶剤は,使用前に水酸化カリウム溶液 (5.2) で中和する。
5.2
水酸化カリウム溶液 濃度:0.1mol/l容量分析用滴定液
溶媒:95% (v/v) エタノール1),又はメタノール
炭酸物を含まないものとし,フタル酸水素カリウム溶液で標定する。
この溶液は,使用日に濃度を確認する。
注(1) 変性アルコール又は品質の異なるアルコールを使うときは,試験に適合するかどうかをチェッ
クする。
5.3
フェノールフタレイン指示薬 エタノール [95% (v/v)],メタノール,又は2-プロパノール溶液の
10g/l溶液。
備考 他の適した指示薬を使用してもよい。例えば,ブロムチモールブルーの,エタノール [95% (v/v)],
メタノール,又は2-プロパノールのそれぞれの10g/l溶液。
6. 装置 通常の実験用器具
6.1
三角フラスコ 容量250ml
6.2
ビューレット 容量50ml
6.3
電位差滴定装置 ガラス電極と対照電極附属
6.4
マグネチックスターラー
7. 操作
7.1
試料採取 試料採取量は予想される酸価による(適切な量の目安は表を参照)。その量は水酸化カリ
ウム溶液 (5.2) の滴定量が10〜30mlの範囲に入るものとする。
試料を三角フラスコ (6.1) に1mgのけたまではかり取る。
表
予想される酸価
mg KOH/g
試料採取量
g
10まで
10
10以上 25まで
5
25以上 50まで
2.5
50以上 150まで
1
150以上
0.5
7.2
測定 測定は2回行う。試料 (7.1) を混合溶剤 (5.1) 50mlで溶解する。必要があれば温めるが,滴
定前には室温まで冷却する。
注意 溶液を加温するときは,換気の良好な場所で行い,加熱し過ぎないようにする。
フェノールフタレイン指示薬液 (5.3) を2,3滴加え,水酸化カリウム溶液 (5.2) で赤色が10秒間持続
するまで,手早く滴定する(備考1.参照)。
滴定中に沈殿を生じて終点の判定に支障があるときは,備考2.の溶剤を追加する。適する混合溶剤が分
かっているときは,それを用いて滴定をやり直す。
最後に用いた混合溶剤は空試験 (7.3) を行って試験報告 (9.) に種類と量を記録する。
備考1. ある種のポリエステル樹脂の例のように,フェノールフタレインでは色の変化が不明りょう
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なものがある。このような場合は,他の指示薬,例えば,ブロモチモールブルー(5.3の備考
参照)を使用してもよい。疑問のあるとき,特に溶液が着色しているときは,電位差滴定に
よって適切な応答時間のガラス電極を用い,pH7まで滴定するのがよい。
2. 混合溶剤の種類及び量は,滴定中に沈殿が生じるかどうかに依存する。混合溶剤量は150ml
に増すか,又はアセトン25mlを加えてもよい。この溶剤の添加は滴定中の沈殿を防ぐため
のもので,初期に樹脂を溶かす目的ではない。
7.3
空試験 定量と並行して,試料を入れないで同じ方法によって空試験をする。
備考 理論的には,混合溶剤 (5.1) の中和が正しく実施されていれば,空試験の結果はゼロである。
8. 結果の表し方
8.1
計算 酸価Aは,次の式によって算出する。
100
)
(
1.
56
0
1
×
×
×
−
=
NV
m
c
V
V
A
ここに,
A: 酸価 (mg KOH/g)
V0: 空試験の水酸化カリウム溶液量 (ml)
V1: 本試験の水酸化カリウム溶液量 (ml)
c: 使用した水酸化カリウム (5.2) 溶液の真のモル濃度
(KOHmol/l)
m: 試料の質量 (g)
NV: 加熱残分(質量%),JIS K 5601-1-2によって測定
2回の試験結果の算術平均値を算出し,小数点以下1けたに丸めて報告する。
8.2
精度
8.2.1
繰返し精度 (r) 標準化した試験方法を用いて,同一試験室内の同一オペレータによって短時間間
隔で得られた同一試料についての2個の試験結果の差の絶対値は,95%の確率で3%以内に入ることが期待
される。
8.2.2
再現精度 (R) 異なった試験室の異なったオペレータによって,標準化された試験方法を用いて
得られた,同一試料について,別々に得られた二つの試験結果の平均値間の差の絶対値は,95%の確率で
5%以内であることが期待される。
9. 試験報告 試験報告には,少なくとも次の事項を含んでいなければならない。
a) 試験した製品の種別及びその明細
b) この規格の適用
c) 加熱残分1g当たりのKOHmg (KOHmg/g) で表した酸価
d) 混合溶媒の種類と容量(7.2参照)
e) JIS K 5601-1-2による加熱残分測定の,温度及び加熱時間
f)
受渡当事者間の協定の有無にかかわらず,規定している操作と異なる事項
g) 試験年月日
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塗料分野の国際整合化調査研究委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
増 子 昇
千葉工業大学
(委員)
西 出 徹 雄
通商産業省基礎産業局
大 嶋 清 治
工業技術院標準部
鴨志田 直 史
工業技術院標準部
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
本 橋 健 司
建設省建築研究所
坪 田 実
職業能力開発大学校
武 井 昇
職業能力開発大学校
鈴 木 雅 洋
東京都立産業技術研究所
吉 田 豊 彦
社団法人色材協会
高 橋 孝 治
社団法人日本塗装工業会
青 木 茂
サンコウ電子研究所
福 島 稔
社団法人日本鋼橋塗装専門会
近 藤 照 夫
清水建設株式会社
(主査)
岩 井 弘
財団法人日本検査協会
堀 江 建 治
関西ペイント株式会社
山 田 俊 幸
神東塗料株式会社
中 東 昭 憲
神東塗料株式会社
住 田 光 正
大日本塗料株式会社
上 寺 孝 明
中国塗料株式会社
松 井 繁 武
株式会社トウペ
更 谷 浩
日本特殊塗料株式会社
曽 我 元 昭
日本ペイント株式会社
大 澤 晃
日本油脂株式会社
高 橋 真
ロックペイント株式会社
長 尾 進
専門技術者
鈴 木 幹 夫
専門技術者
松 平 忠 志
松平技術士事務所
伊 藤 義 人
専門技術者
小 島 務
財団法人日本検査協会
常 田 和 義
大日本塗料株式会社
筒 井 晃 一
日本ペイント株式会社
(事務局)
内 田 幹 雄
社団法人日本塗料工業会
山 崎 不二雄
社団法人日本塗料工業会
文責 鈴木幹夫