K 5511:2003
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本塗料
工業会 (JPMA) /財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これ
によってJIS K 5511 : 2002は,改正され,この規格に置き換えられる。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
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(2)
目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 種類 ······························································································································ 2
5. 品質 ······························································································································ 2
5.1 品質 ···························································································································· 2
5.2 ホルムアルデヒド放散等級······························································································· 2
6. 見本品 ··························································································································· 3
7. 試験方法 ························································································································ 3
7.1 サンプリング ················································································································ 3
7.2 試験用試料の検分及び調整······························································································· 3
7.3 試験の一般条件 ············································································································· 3
7.4 容器の中での状態 ·········································································································· 4
7.5 分散度 ························································································································· 4
7.6 塗装作業性 ··················································································································· 4
7.7 乾燥時間 ······················································································································ 4
7.8 塗膜の外観 ··················································································································· 4
7.9 隠ぺい力 ······················································································································ 4
7.10 促進黄色度 ·················································································································· 4
7.11 拡散反射率(視感反射率) ····························································································· 5
7.12 鏡面光沢度 ·················································································································· 5
7.13 にじみ ························································································································ 5
7.14 白亜化抵抗性 ··············································································································· 6
7.15 加熱残分 ····················································································································· 6
7.16 溶剤不溶物 ·················································································································· 6
7.17 溶剤不溶物中の白顔料値 ································································································ 6
7.18 耐光性 ························································································································ 6
7.19 塗膜からのホルムアルデヒド放散等級 ·············································································· 6
8. 検査 ······························································································································ 6
9. 表示 ······························································································································ 6
日本産業規格 JIS
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油性調合ペイント
Ready mixed paints
1. 適用範囲 この規格は,建築物の鉄部及び木部,鉄鋼構造物などの塗装に用いる油性調合ペイントに
ついて規定する。
参考 油性調合ペイントは,着色顔料・体質顔料などを主にボイル油で練り合わせて作った液体・自
然乾燥性の塗料である。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯
JIS K 5500 塗料用語
JIS K 5572 フタル酸樹脂エナメル
JIS K 5600-1-1 塗料一般試験方法−第1部:通則−第1節:試験一般(条件及び方法)
JIS K 5600-1-2 塗料一般試験方法−第1部:通則−第2節:サンプリング
JIS K 5600-1-3 塗料一般試験方法−第1部:通則−第3節:試験用試料の検分及び調整
JIS K 5600-1-4 塗料一般試験方法−第1部−通則−第4節:試験用標準試験板
JIS K 5600-1-5 塗料一般試験方法−第1部:通則−第5節:試験板の塗装(はけ塗り)
JIS K 5600-1-6 塗料一般試験方法−第1部:通則−第6節:養生並びに試験の温度及び湿度
JIS K 5600-1-8 塗料一般試験方法−第1部:通則−第8節:見本品
JIS K 5600-2-5 塗料一般試験方法−第2部:塗料の性状・安定性−第5節:分散度
JIS K 5600-3-2 塗料一般試験方法−第3部:塗膜の形成機能−第2節:表面乾燥性(バロチニ法)
JIS K 5600-4-1 塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第1節:隠ぺい力(淡彩色塗料用)
JIS K 5600-4-3 塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第3節:色の目視比較
JIS K 5600-4-5 塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第5節:測色(測定)
JIS K 5600-4-7 塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第7節:鏡面光沢度
JIS K 5600-7-7 塗料一般試験方法−第7部:塗膜の長期耐久性−第7節:促進耐候性 (キセノンラ
ンプ法)
JIS K 5600-8-6 塗料一般試験方法−第8部:塗膜劣化の評価−第6節:白亜化の等級
JIS K 5601-1-1 塗料成分試験方法−第1部:通則−第1節:試験一般(条件及び方法)
JIS K 5601-1-2 塗料成分試験方法−第1部:通則−第2節:加熱残分
JIS K 5601-4-1 塗料成分試験方法−第4部:塗膜からの放散成分分析−第1節:ホルムアルデヒド
JIS K 5622 鉛丹さび止めペイント
JIS K 5627 ジンククロメートさび止めペイント
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JIS K 5960 家庭用屋内壁塗料
JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬)
JIS R 3202 フロート板ガラス及び磨き板ガラス
JIS R 6253 耐水研磨紙
JIS Z 8721 色の表示方法−三属性による表示
JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 5500による。
4. 種類 種類は,次とする。
a) 油性調合白ペイント
b) 油性調合淡彩(1)ペイント
c) 油性調合色ペイント
注(1) 淡彩とは,白エナメルを主成分として作った塗料の塗膜に現れる灰色・桃色・クリーム色・う
すい緑・水色などのようなうすい色で,JIS Z 8721による明度Vが6以上9未満のものをいう。
5. 品質
5.1
品質 品質は,7.によって試験を行い,表1を満足しなければならない。
表 1 品質
項目
種類
油性調合白ペイント
油性調合淡彩ペイント
油性調合色ペイント
容器の中での状態
かき混ぜたとき,堅い塊がなくて一様になるものとする。
分散度
μm
50以下
塗装作業性
はけ塗りで塗装作業に支障があってはならない。
乾燥時間(表面乾燥性)
20時間以内
塗膜の外観
塗膜の外観が正常であるものとする。
隠ぺい力
見本品に比べて隠ぺい力が小さくないものとす
る。
−
促進黄色度
0.15以下
−
拡散反射率(視感反射率)%
75以上
−
鏡面光沢度(60度)
60以上
にじみ
−
見本品に比べてにじみが大きくないものとする。
白亜化抵抗性
白亜化の等級が3以下
−
加熱残分
%
93以上
92以上
90以上
溶剤不溶物
%
63〜70
60〜70
55〜70
溶剤不溶物中の白顔料値
酸化亜鉛 (ZnO) %+
二酸化チタン (TiO2) %×3
65以上
52以上
−
耐光性
−
見本品に比べて小さくないものとする。
5.2
ホルムアルデヒド放散等級 ホルムアルデヒド放散等級は,7.19によって試験し,表2のとおりと
する。
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表 2 ホルムアルデヒド放散等級
ホルムアルデヒ
ド放散等級分類
記号
F☆☆☆☆
F☆☆☆
F☆☆
−(2)
放散量
0.12mg/L以下
0.35mg/L以下
1.8mg/L以下
1.8mg/Lを超え
注(2) 表2中のハイフン(−)は,ホルムアルデヒド放散等級を規定しないことを示す。また,7.19
の試験を行わないものは,これと同じとみなす。
6. 見本品 見本品は,JIS K 5600-1-8の区分によって,表3とする。
表 3 見本品
試験項目
観察項目
見本品の区分
形態
設定方式
品質水準
塗膜の外観
色・つや
塗料見本
社内見本品
中心見本品
色むら・つやむら・はけ目・
流れ・しわ
限度見本品
隠ぺい力
白地の上と黒地の上の塗膜
の明るさ
にじみ
にじみによる変色
耐光性
色の変化
7. 試験方法
参考 この規格の品質の規定に示した項目の試験に必要な試験板の材質,寸法及び枚数並びに試験日
数は,参考表1による。また,この試験には,試料が約500ml必要である。
7.1
サンプリング サンプリングは,JIS K 5600-1-2による。
7.2
試験用試料の検分及び調整 試験用試料の検分及び調整は,JIS K 5600-1-3による。
7.3
試験の一般条件 試験の一般条件は,JIS K 5600-1-1,JIS K 5600-1-6及びJIS K 5601-1-1によるほ
か,次とする。
7.3.1
試験の場所
a) 養生及び試験を行う場所は,特に規定する以外はJIS K 5600-1-6の4.1(標準条件)で,直射日光を受
けず,養生及び試験にガス・蒸気・ほこりなどによる影響がなく,通風の少ない室内とする。
b) 拡散昼光は,JIS K 5600-4-3の5.2(自然昼光照明)による。ただし,5.3(色観察ブースの人工照明)
に規定するブースを用いても差し支えない。
7.3.2
試験片の作製
7.3.2.1
試験板 試験板は,JIS K 5600-1-4による。
備考 ほかに規定がない場合は,研磨によって調整した鋼板を用いる。鋼板は,JIS G 3141に規定す
るSPCC-SBの鋼板を用い,耐水研磨紙は,JIS R 6253のP280を用いる。大きさは,150×70
×0.8mmとする。
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7.3.2.2
試料の塗り方 試料の塗り方は,ほかに規定がない場合は,はけ塗りとし,JIS K 5600-1-5の附
属書Aによって1回ごとの塗付け量は100cm2当たり0.60±0.06mlとする。必要があれば,製品に規定す
るシンナを用いて10%(質量比)以下で薄めてもよい。
7.3.2.3
乾燥方法 乾燥方法は,ほかに規定がない場合は,自然乾燥の場合とする。
なお,塗り終わってからの試験片の保持は,JIS K 5600-1-1の表1による。
7.3.2.4
試験片の周辺塗り包み 試験片の周辺塗り包みは,ほかに規定がない場合は,ガラス板以外のと
きは,試験板の両面に試料を塗り,塗面が乾いた後,試料を用いて試験片の周辺を塗り包む。
なお,液に浸して試験する試験片のほか,塗膜の長期耐久性を試験する試験片の場合も同様に処理する。
7.4
容器の中での状態 容器の中での状態の試験は,JIS K 5600-1-1の4.1.2a)(液状塗料の湯合)による。
7.5
分散度 分散度の試験は,JIS K 5600-2-5による。
7.6
塗装作業性 塗装作業性の試験は,JIS K 5600-1-1の4.2.3a)(1回塗りの場合)による。ただし,試
験板は,ぶりき板 (500×200×0.3mm) とし,判定は,はけ塗り作業時に特に困難を感じないとき,表1
の塗装作業性の規格に適合するものとする。
7.7
乾燥時間 乾燥時間の試験は,JIS K 5600-3-2による。ただし,試験板は,溶剤洗浄によって調整し
たガラス板 (200×100×2mm) を用い,すき間100μmのフィルムアプリケータ塗りとし,乾燥時間は20
時間以内とする。
備考 フィルムアプリケータの例は,JIS K 5960の附属書2(アプリケータ塗装)に示す。
7.8
塗膜の外観 塗膜の外観の試験は,JIS K 5600-1-1の4.4による。ただし,判定は,塗ってから48
時間おいて,試験片の塗膜の色つやが,見本品に比べて差異が少なく,色むら,つやむら,はけ目,流れ
及びしわの程度が見本品に比べて大きくないときは,“塗膜の外観が正常である。”とする。
7.9
隠ぺい力 隠ぺい力の試験は,次による。
7.9.1
試験板 ガラス板 (200×100×2mm) を用いる。
備考 ガラス板は,溶剤洗浄によって調整したJIS R 3202に規定するフロート板ガラス及び磨き板ガ
ラスとする。
7.9.2
隠ぺい率試験紙 JIS K 5600-4-1の4.1.2に規定するもの。
7.9.3
見本品 見本品は,製品規格に規定する塗料見本とする。
7.9.4
試験片の作製 試料と見本品を別々の試験板の片面に,100μmのフィルムアプリケータを用いて塗
り付け,水平に置いて48時間乾燥させたものを試験片とする。この場合,試験片はそれぞれ1枚とする。
7.9.5
操作 操作は,次による。
a) 試料と見本品の試験片の塗面を下向きにして,隠ぺい力試験紙の上に重ね,並べて置く。この場合,
試験片の長辺が隠ぺい率試験紙の白地と黒地の境に直角に,境が試験片の中央にくるように置く。
b) 拡散昼光の下で隠ぺい率試験紙の白地と黒地の上の塗膜を,塗膜に対して垂直方向から目視によって
塗膜の明るさを比べる。
7.9.6
判定 試料と見本品の試験片の,白地の上と黒地の上の塗膜の明るさの差が見本品と比べて大きい
方を,“隠ぺい力が小さい。”とする。
7.10 促進黄色度 促進黄色度の試験は,次による。
7.10.1 装置及び器具
a) 分光光度計,簡易型分光光度計又は三刺激値色彩計は,JIS K 5600-4-5に規定するもの。
b) デシケータ(3)は,直径300mm以上のもの。
c) 硫酸カリウムは,JIS K 8962に規定するもの。
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注(3) デシケータは,外面全部を黒く塗って光線の入るのを防ぎ,硫酸カリウム飽和溶液を500ml以
上入れ,液面は中段よりも下にあるようにする。
7.10.2 試験片の作製 試料をガラス板 (200×150×2mm) の片面に100μmのフィルムアプリケータを用
いて塗り付け,水平に置いて72時間乾燥させたものを試験片とする。
7.10.3 操作 操作は,次による。
a) 硫酸カリウム飽和溶液を入れたデシケータ中段から上に,塗面を上向きにして試験片を置き,温度35
±1℃で48時間保持した後,試験片を取り出して1時間放置後,直ちに測色する。
b) 分光光度計を用いる場合には,JIS K 5600-4-5の9.1に規定する方法によって塗膜の色の三刺激値を求
める。簡易分光光度計又は三刺激値色彩計を用いる場合には,JIS K 5600-4-5の9.2によって塗膜の色
の三刺激値を求める。
7.10.4 計算 促進黄色度は,次の式によって算出し,小数点以下2けたに丸める。
Y
Z
X
D
06
.1
28
.1
−
=
ここに,
D: 促進黄色度
X,Y,Z: 色の三刺激値
7.11 拡散反射率(視感反射率) 拡散反射率の測定は,次による。
7.11.1 装置及び材料
a) 反射率測定装置は,JIS Z 8722に規定するもの。
b) 隠ぺい率試験紙は,JIS K 5600-4-1の4.1.2の方法Bに規定するもの。
7.11.2 試験片の作製 隠ぺい率試験紙を平らに固定し(4),その上にガラス板 (200×150×2mm) を置き,
100μmのフィルムアプリケータを用いて試料を塗り付け,水平に置いて乾燥する。これを繰り返して隠ぺ
い率試験紙の白地と黒地との差異が認められなくなるまで塗り重ね,水平に置いて48時間乾燥したものを
試験片とする。
注(4) 平らに固定するには,両面粘着テープを用いて平らな板に張り付けるか,又は吸引盤を用いる。
吸引盤は,塗る操作のときだけに用い,塗り終わった後,吸引盤から試験紙を外して塗面を上
向きにして平らに置くものとする。
7.11.3 操作 試験片の3か所についてY値を測定する。測定結果は,JIS Z 8722の6.によって記録する。
7.11.4 計算 計算は,3か所の平均値を整数に丸め,拡散反射率(視感反射率)とする。
7.12 鏡面光沢度 鏡面光沢度の試験は,JIS K 5600-4-7による。ただし,試験板は,溶剤洗浄によって調
整したガラス板 (200×150×2mm) を用い,試料をすき間100μmのフィルムアプリケータで塗り,塗面を
上向きに板を水平にして48時間乾燥した後に,測定角度を60度として測定する。
7.13 にじみ にじみの試験は,次による。
7.13.1 試験板 ガラス板 (200×100×2mm) を用いる。
7.13.2 試験片の作製 試料を,試験板1枚の片面の半分に7.3.2.2に規定する方法で塗装し乾燥した後,
72時間保持したものを試験片とする。
7.13.3 操作 操作は,次による。
a) 試験片の塗膜の部分と塗られていない素地の部分の上に,この規格で定める油性調合ペイントの白を
7.3.2.2に規定する方法で塗り,乾燥し72時間保持する。
b) 試験片を拡散昼光の下で,試料の塗膜の成分が溶けて白塗料の塗膜ににじみ出て変色したかどうかを,
白塗料の塗膜だけの部分と比較して調べる。
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7.13.4 判定 判定は,見本品と比べてにじみの差異が少ないとき,“見本品に比べてにじみが大きくな
い。”とする。
7.14 白亜化抵抗性 白亜化抵抗性の試験は,次による。
7.14.1 試験板 鋼板 (150×70×0.8mm) を用いる。
7.14.2 試験片の作製 試験板の片面に,7.3.2.2で規定する方法で48時間間隔で2回塗り,7日間保持す
る。
7.14.3 操作 促進耐候性試験機の操作条件は,JIS K 5600-7-7の6.(装置)の表1(方法1)によって,
9.(手順)の表3のサイクルAによる。ただし,乾燥期間中の相対湿度は50±5%とする。100時間の照射
を経過した後,取り出して室内に1時間放置後の塗膜を評価する。
7.14.4 判定 判定は,JIS K 5600-8-6の図1に示す白亜化の等級による。
7.15 加熱残分 加熱残分の試験は,JIS K 5601-1-2による。ただし,試験条件は,加熱温度105±2℃,
加熱時間1時間とする。
7.16 溶剤不溶物 溶剤不溶物の試験は,JIS K 5622の附属書1による。ただし,この試験に用いる溶剤
の組成は,トルエンとアセトンを1 : 1(容量比)で混合する。
7.17 溶剤不溶物中の白顔料値 溶剤不溶物中の白顔料値の試験は,次による。
7.17.1 溶剤不溶物中の酸化亜鉛の定量 溶剤不溶物中の酸化亜鉛の定量は,JIS K 5627の附属書1による。
7.17.2 溶剤不溶物中の二酸化チタンの定量 溶剤不溶物中の二酸化チタンの定量は,JIS K 5627の附属書
3の酸化還元滴定法による。
7.17.3 計算 溶剤不溶物中の白顔料値は,次の式によって計算する。
3
×
+
=
C
B
A
ここに, A: 溶剤不溶物中の白顔料値
B: 溶剤不溶物中の酸化亜鉛 (ZnO) (%)
C: 溶剤不溶物中の二酸化チタン (TiO2) (%)
3: 二酸化チタンの着色力を酸化亜鉛の着色力の3倍とみなした値。
7.18 耐光性 耐光性の試験は,JIS K 5572の附属書(耐光性:水銀ランプ式)によるほか,次による。
7.18.1 試験板 試験板は,ガラス板 (100×50×2mm) を用いる。
7.18.2 試験片の作製 試料を7.3.2.2に規定する方法で塗って乾燥し,72時間保持する。試験片は2枚作
製し,1枚を原状試験片とする。
7.18.3 操作 装置に試験片を装着し,40時間照射した後,試験片を取り外し一般状態で30分放置後,試
料と見本品とのそれぞれの照射面と原状試験片との色の差異を調べる。
7.18.4 判定 試料と見本品とのそれぞれの照射試験片と原状試験片との間で,塗面の色の差が少ないとき
は表1の耐光性の規定に適合するものとする。
7.19 塗膜からのホルムアルデヒド放散等級 塗膜からのホルムアルデヒドの放散等級は,JIS K 5601-4-1
の3.(デシケータ法)による。
なお,所定養生時間は,7日間とする。
8. 検査 検査は,7.によって試験し,表1及び表2に適合しなければならない。
9. 表示 油性調合ペイントの容器には,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。
a) 名称
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b) 種類
c) 正味質量又は正味容量
d) 製造業者名又はその略号
e) 製造年月又はその略号
f)
製造番号又はロット番号
g) ホルムアルデヒド放散等級分類記号(5)
注(5) 表2のF☆☆☆☆〜F☆☆に該当するものに適用する。
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参考表 1 油性調合ペイント
材質
寸法(mm)
枚数
1
2
3
4
5
6
7
8
9
7.4
容器の中での状態
−
−
−
◎
7.5
分散度
−
−
−
× ◎
7.6
塗装作業性
ぶりき板
500×200×0.3
試料・見本品
計2
○ ◎
7.7
乾燥時間
ガラス板
200×100×2
1
○ 20
◎
7.8
塗膜の外観
−
−
−
48 ◎
7.9
隠ぺい力
ガラス板
200×100×2
試料・見本品
計2
○
48
△ ◎
7.10
促進黄色度
ガラス板
200×150×2
1
○
72
△
48 △ 1 ◎
7.11
拡散反射率
ガラス板
200×150×2
1
○
72
△ ◎
7.12
鏡面光沢度
ガラス板
200×150×2
1
○
72
△ ◎
7.13
にじみ
ガラス板
200×100×2
試料・見本品
計2
○
72
△ ◎
7.14
白亜化抵抗性
鋼板
150×70×0.8
1
○
48 ○
168
△ 100 △ 1 ◎
7.15
加熱残分
−
−
−
× △ 1 △ ◎
7.16
溶剤不溶物
−
−
−
× △ ◎
7.17
溶剤不溶物中の
白顔料値
−
−
−
△ △ ◎
7.18
耐光性
鋼板
100×50×2
試料2・見本品2
計4
○
72
△
20×5=100
△ ◎
ホルムアルデヒドガラス板又
150×150
2×2
7日
24時間
放散量
はアルミ板
○
○
◎
備考1. 記号の説明 ×: 試料の採取, ○: 塗り付け, ◎: 判定, −: 放置, : 加熱, : 試験版の共用, △: その他の操作
2. 試験日数の数字は時間を示し,その単位はhである。
試 験 日 数 (日)
7.19
項目番号
項目
試験板
(60度)
40
△ ◎
サンプリング,
試験片の共用,
2
K
5
5
11
:
2
0
0
3
2
K
5
5
11
:
2
0
0
3