K 5101-6-2:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本無機薬品協会(JICIA)/財団法人日本規
格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会
の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS K 5101の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 5101-1-1 第1部:分散性評価のための分散方法−第1節:通則
JIS K 5101-1-2 第1部:分散性評価のための分散方法−第2節:ペイントコンディショナ形振とう機
JIS K 5101-1-3 第1部:分散性評価のための分散方法−第3節:高速インペラミル
JIS K 5101-1-4 第1部:分散性評価のための分散方法−第4節:ビーズミル
JIS K 5101-1-5 第1部:分散性評価のための分散方法−第5節:フーバーマラー
JIS K 5101-1-6 第1部:分散性評価のための分散方法−第6節:3本ロールミル
JIS K 5101-2-1 第2部:色の比較−第1節:目視法
JIS K 5101-2-2 第2部:色の比較−第2節:測色計法
JIS K 5101-3-1 第3部:着色力−第1節:有色顔料の相対着色力及び淡色の測定(目視比較法)
JIS K 5101-3-2 第3部:着色力−第2節:白色顔料の相対着色力(目視比較法)
JIS K 5101-3-3 第3部:着色力−第3節:有色顔料の相対着色力及び白色顔料の相対散乱能の測定
(光度計法)
JIS K 5101-3-4 第3部:着色力−第4節:着色剤の相対着色力及び残留色差の測定(重み付きK/S値
法)
JIS K 5101-4 第4部:隠ぺい力−隠ぺい率試験紙法
JIS K 5101-5-1 第5部:分散性の評価方法−第1節:有色顔料の着色力の変化による評価
JIS K 5101-5-2 第5部:分散性の評価方法−第2節:分散度の変化による評価
JIS K 5101-5-3 第5部:分散性の評価方法−第3節:光沢の変化による評価
JIS K 5101-6-1 第6部:流動性−第1節:スプレッドメータ法
JIS K 5101-6-2 第6部:流動性−第2節:回転粘度計法
JIS K 5101-7 第7部:耐ブリード性
JIS K 5101-8 第8部:耐薬品性
JIS K 5101-9 第9部:耐光性
JIS K 5101-10 第10部:焼付塗装用バインダーによる熱安定性
JIS K 5101-11-1 第11部:密度−第1節:ピクノメータ法
JIS K 5101-11-2 第11部:密度−第2節:遠心脱気法
JIS K 5101-12-1 第12部:見掛け密度又は見掛け比容−第1節:静置法
JIS K 5101-12-2 第12部:見掛け密度又は見掛け比容−第2節:タンプ法
K 5101-6-2:2004
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JIS K 5101-13-1 第13部:吸油量−第1節:精製あまに油法
JIS K 5101-13-2 第13部:吸油量−第2節:煮あまに油法
JIS K 5101-14-1 第14部:ふるい残分−第1節:湿式法(手動法)
JIS K 5101-14-2 第14部:ふるい残分−第2節:湿式法(メカニカルフラッシング法)
JIS K 5101-15-1 第15部:加熱減量−第1節:105 ℃揮発性物質
JIS K 5101-15-2 第15部:加熱減量−第2節:強熱残分
JIS K 5101-16-1 第16部:水溶分−第1節:煮沸抽出法
JIS K 5101-16-2 第16部:水溶分−第2節:常温抽出法
JIS K 5101-17-1 第17部:pH値−第1節:煮沸抽出法
JIS K 5101-17-2 第17部:pH値−第2節:常温抽出法
JIS K 5101-18 第18部:電気抵抗率
K 5101-6-2:2004
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目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 装置及び器具 ·················································································································· 1
3.1 回転粘度計 ··················································································································· 1
3.2 容器 ···························································································································· 4
3.3 温度計 ························································································································· 4
4. 試験顔料及び受渡当事者間で協定した比較顔料の分散体 ························································· 4
5. 手順 ······························································································································ 4
6. 計算 ······························································································································ 5
6.1 粘度 ···························································································································· 5
6.2 TI値···························································································································· 5
7. 結果の表し方 ·················································································································· 5
8. 試験報告書 ····················································································································· 5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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日本工業規格 JIS
K 5101-6-2:2004
顔料試験方法−第6部:流動性−
第2節:回転粘度計法
Test methods for pigments−Part 6:Fluidity−
Section 2:Rotational viscometer method
1. 適用範囲 この規格は,ペイントコンディショナ形振とう機,高速インペラミル又はビーズミルで得
られた試験顔料及び受渡当事者間で協定した比較顔料の分散体について,回転粘度計を用いて粘度を測定
する方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 5101-1-2 顔料試験方法−第1部:分散性評価のための分散方法−第2節:ペイントコンディシ
ョナ形振とう機
JIS K 5101-1-3 顔料試験方法−第1部:分散性評価のための分散方法−第3節:高速インペラミル
JIS K 5101-1-4 顔料試験方法−第1部:分散性評価のための分散方法−第4節:ビーズミル
JIS K 7117-1 プラスチック−液状,乳濁状又は分散状の樹脂−ブルックフィールド形回転粘度計によ
る見掛け粘度の測定方法
JIS Z 8809 粘度計校正用標準液
3. 装置及び器具
3.1
回転粘度計 電動機によってスピンドル(別名ローター)を試料中で一定回転数で回転させ,その
粘性抵抗によるトルクをスプリングバランスによって測定するブルックフィールド形単一円筒回転粘度計
で,JIS K 7117-1の附属書1及び附属書Bに記載・規定するSB形又はA形。一例を図1に示す。スピン
ドル及びガードの形状・寸法を図2及び図3に,スピンドル番号及び回転数と換算乗数との関係を表1及
び表2に示す。
参考 例としてB形粘度計,ブルックフィールド粘度計,ビスメトロン粘度計などがある。
2
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図 1 回転粘度計の一例
単位 mm
図 2 SB形粘度計のスピンドル及びガードの形状・寸法
3
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表 1 SB形粘度計のスピンドル番号及び回転数と換算乗数との関係
単位 mPa・s
スピンドル
回転数(min-1)
スピンドル番号
SB1号
SB2号
SB3号
SB4号
60
30
12
6
3
1.5
0.6
0.3
1
2
5
10
20
40
100
200
5
10
25
50
100
200
500
1 000
20
40
100
200
400
800
2 000
4 000
100
200
500
1 000
2 000
4 000
10 000
20 000
単位 mm
図 3 粘度計A形のスピンドル及びガードの形状・寸法
4
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表 2 粘度計A形のスピンドル番号及び回転数と換算乗数との関係
単位 mPa・s
スピンドル
回転数(min-1)
スピンドル番号
No.1号
No.2号
No.3号
No.4号
No.5号
No.6号
No.7号
100
50
20
10
5
4
2.5
2
1.0
0.5
1
2
5
10
20
25
40
50
100
200
4
8
20
40
80
100
160
200
400
800
10
20
50
100
200
250
400
500
1 000
2 000
20
40
100
200
400
500
800
1 000
2 000
4 000
40
80
200
400
800
1 000
1 600
2 000
4 000
8 000
100
200
500
1 000
2 000
2 500
4 000
5 000
10 000
20 000
400
800
2 000
4 000
8 000
10 000
16 000
20 000
40 000
80 000
3.2
容器 直径90 mm〜92 mm,高さ115 mm〜160 mmのビーカー500 ml又はこれと同じ形状・寸法の
もの(1)。
注(1) これと異なる容器を用いる場合には,JIS Z 8809による粘度計校正用標準液で校正する。補正
係数の知られている容器,例えば,トールビーカー300 mlなどについては,補正係数を乗じて
換算乗数を補正して試験してもよい。
3.3
温度計 0.1 ℃のけたまで温度を測定できるもの。
4. 試験顔料及び受渡当事者間で協定した比較顔料の分散体 JIS K5101-1-2,JIS K5101-1-3又はJIS
K5101-1-4によって調製したもの。
5. 手順 手順は,次による。
a) 試験顔料の分散体を容器に取り(2),規定する温度に調節する。
注(2) 必要に応じ分散体調製から粘度測定までの保存方法,測定前のかき混ぜの有無及びかき混ぜの
方法については,顔料の規格で規定する。
b) スピンドル(3)が容器の中央にくるように,スピンドルに気泡が付着しないように注意しながら浸液マ
ークまで浸し約2分間保った後,液温を確認する。
注(3) スピンドルは,目盛盤上指針が20 %〜95 %の範囲に入るように番号を選定する。
二つの非ニュートン性分散体の流動性を比較する場合は,いずれか一方の回転数がこの範囲
を外れることがあっても,一つのスピンドルで測定する。
c) 回転数を設定する。
d) クランプレバーで指針を押さえて電源スイッチを入れ,スピンドルを回転しクランプレバーを外す。
目盛板上で指針が安定したとき,指示値を読み取る(4)。
注(4) 指示値が安定しないで徐々に変化するときは,チキソトロピー性であることが多い。このよう
な場合,指示値の読取り条件を測定値に付記する。
e) TI値(5)を求める場合は,同じ操作によって回転数比1:10の二種の回転数で測定する。測定は,低い
回転数から行う。
注(5) TI値は,Thixotropy Indexの略語で,非ニュートン性物質に対し二種の異なる回転数における見
掛け粘度の比で表す。回転数の組合せの例を次に示す。
5
K 5101-6-2:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
例 6 r/minと60 min,5 r/minと50 r/min
TI値を測定するとき,低い回転数での指針が,注(3)の範囲を外れても一つのスピンドルで測定
する。
f)
受渡当事者間で協定した比較顔料の分散体について, a)〜e) の手順を行う。
備考 分散体の調製方法及び温度については,顔料の規格に規定する。
6. 計算
6.1
粘度 粘度は次の式によって算出し,有効数字3けたに丸める。
θ
η
×
=K
ここに, η:
粘度 (mPa・s)
K:
換算乗数
θ:
粘度計指示値
参考 粘度は,非ニュートン性を示す場合,求められる粘度は見掛け粘度である。
6.2
TI値 TI値は,次の式によって算出し,有効数字3けたに丸める。
2
1/η
η
=
TI
ここに, TI:
TI値
1
η: 低い回転数における見掛け粘度 (mPa・s)
2
η: 高い回転数における見掛け粘度 (mPa・s)
7. 結果の表し方 試験顔料の流動性は,粘度又は粘度及びTI値を受渡当事者間で協定した比較顔料の測
定値と併記して記録する。
8. 試験報告書 試験報告書には,少なくとも次の事項を記載する。
a) 試験した顔料の種類及びその明細
b) この規格の引用
c) 顔料分散体に使用したバインダーの種類
d) 顔料分散時の顔料とバインダーの量及び分散時間
e) 測定の温度
f)
粘度計の形式
g) 用いたスピンドルの番号
h) 回転数
i)
この規格で規定する試験手順との相違点
j)
試験年月日