サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語,定義及び略語 ·········································································································· 2 

3.1 用語及び定義 ················································································································ 2 

3.2 略語 ···························································································································· 2 

4 試験の概要 ······················································································································ 2 

4.1 試験方法 ······················································································································ 2 

4.2 ウィグル損失のメカニズム ······························································································ 3 

5 試験方法A ······················································································································ 3 

5.1 試験装置 ······················································································································ 3 

5.2 Txインタフェースの試験手順 ·························································································· 4 

5.3 Rxインタフェース及び光レセプタクルの試験手順 ······························································· 5 

6 試験方法B ······················································································································ 6 

6.1 試験装置 ······················································································································ 6 

6.2 Txインタフェースの試験手順 ·························································································· 7 

6.3 Rxインタフェース及び光レセプタクルの試験手順 ······························································· 8 

7 試験結果························································································································· 9 

附属書A(規定)負荷仕様 ···································································································· 10 

附属書B(規定)試験条件概要 ······························································································ 11 

附属書C(規定)試験用光接続コード仕様 ··············································································· 12 

附属書D(規定)フロート量 ································································································· 15 

附属書E(参考)試験方法Aにおける光コネクタ形による負荷差 ················································· 16 

参考文献 ···························································································································· 17 

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出

があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 5954の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 5954-1 第1部:総則 

JIS C 5954-2 第2部:ATM-PON用光トランシーバ 

JIS C 5954-3 第3部:単心直列伝送リンク用光送・受信モジュール 

JIS C 5954-4 第4部:GPON用光トランシーバ 

JIS C 5954-5 第5部:光トランシーバの光レセプタクル部の機械的外乱(ウィグル)による光出力変

動 

  

日本産業規格          JIS 

C 5954-5:2019 

(IEC 62150-3:2015) 

光伝送用能動部品−試験及び測定方法− 

第5部:光トランシーバの光レセプタクル部の 

機械的外乱(ウィグル)による光出力変動 

Fiber optic active components and devices-Test and measurement 

procedures-Part 5: Optical power variation induced by mechanical 

disturbance in optical receptacles and transceiver interfaces 

序文 

この規格は,2015年に第2版として発行されたIEC 62150-3を基に,技術的内容及び構成を変更するこ

となく作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

光レセプタクル付き光トランシーバには,光ファイバコネクタとかん合している状態で光接続コードに

側面から力を加えられたとき,光接続コードによる応力に敏感なものがあり,結果として通過する光出力

に変動が生じることが知られている。この規格の目的は,そのような光接続(光接続コード及び光レセプ

タクル)においても仕様を満足しながら機能し続けることを保証するために,応力試験方法を規定するこ

とである。 

この規格は,光トランシーバの光レセプタクル部に機械的な外乱(ウィグル)を加えることによって,

光トランシーバの光出力の変動に対する感度に対し,光トランシーバとして認定するための試験の要求事

項及び手順について規定する。 

この規格は,光レセプタクル付き光伝送用能動部品に適用する。 

この規格は,2.5 mm又は1.25 mmフェルールのいずれかをもつ,シングルモード用コネクタとともに用

いられる光トランシーバの試験に関して説明する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 62150-3:2015,Fibre optic active components and devices−Test and measurement procedures− 

Part 3: Optical power variation induced by mechanical disturbance in optical receptacles and 

transceiver interfaces(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

background image

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

  

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 5964(規格群) 光ファイバコネクタかん合標準 

注記 対応国際規格:IEC 61754 (all parts),Fibre optic interconnecting devices and passive components

−Fibre optic connector interfaces 

IEC 61753 (all parts),Fibre optic interconnecting devices and passive components−Performance standard 

IEC 61753-021-6,Fibre optic interconnecting devices and passive components performance standard−Part 

021-6: Grade B/2 single-mode fibre optic connectors for category O−Uncontrolled environment 

用語,定義及び略語 

3.1 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1.1 

ウィグル(wiggle) 

光トランシーバの光レセプタクル部が光接続コードとかん合している場合に,光トランシーバの光出力

の変動の一因となる機械的な外乱。 

3.1.2 

ウィグル損失(wiggle loss) 

光トランシーバの光レセプタクル部が光接続コードとかん合している場合に,光出力が変動する量(コ

ネクタ部に負荷がかからない状態で,かつ,回転していない状態で測定した場合と比較する。)。 

3.2 

略語 

DUT 被試験品(device under test) 

LOS 

入力信号断(設定した受信信号のしきい値レベルを下回った状態)(loss of signal) 

Rx 

光トランシーバの受信部(receiver) 

Tx 

光トランシーバの送信部(transmitter) 

試験の概要 

4.1 

試験方法 

ウィグル損失の発生の仕組みは,事例A及び事例Bの2種類に分類できるため,この規格では,表1

にそれぞれの試験方法を規定する。試験方法A及び試験方法Bは,それぞれウィグル事例A及びウィグ

ル事例Bにおける光トランシーバの機械的耐久性を試験する場合に適用する。 

表1−2種類の試験方法 

試験方法 

適用条件 

試験に必要なものの例 

ウィグル事例A:光ファイバコネクタかん合標準(JIS C 5964
規格群)に適合した特別な試験用光接続コードと接続して行う
光トランシーバの試験 

試験手順,試験装置,試験用光接続コ
ード及び試験用負荷手段 

ウィグル事例B:光ファイバコネクタかん合標準(JIS C 5964
規格群)及び性能標準(IEC 61753規格群)のいずれにも適合
した標準の光接続コードと接続して行う光トランシーバの試
験 

試験手順,試験装置,試験用光接続コ
ード及び試験用負荷手段 

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

4.2 

ウィグル損失のメカニズム 

4.2.1 

ウィグル損失試験方法の理論的根拠 

光レセプタクル付き光トランシーバには,光ファイバコネクタとかん合している状態で光接続コードに

側面から力を加えられたとき,光接続コードによる応力に敏感なものがある。コネクタ構造に依存するが,

応力を加えた場合に二つの異なる作用点が光レセプタクル部にはあり,2種類のウィグル損失を引き起こ

す。 

試験方法Aの目的は,市場で流通している光ファイバコネクタ標準に適合した様々な光接続コードを使

用した場合に,光トランシーバの光レセプタクル部の設計がウィグルに対して十分な堅ろう(牢)性をも

っていることを保証するのを手助けすることにある。試験方法Bの目的は,仕様が分かっている光トラン

シーバを動作中及び取付け時に,光接続コードに側面から負荷が加えられた場合に対して,光トランシー

バの光レセプタクル部の設計が光トランシーバの性能を維持するのに十分な堅ろう(牢)性をもっている

ことを保証することである。 

光トランシーバの機械的な堅ろう(牢)性を保証するために,試験方法A及び試験方法Bの両方,又は

試験方法A若しくは試験方法Bのいずれかを適切に選ばなければならない。 

4.2.2 

事例A:フェルールの作用点 

コネクタハウジング及びフェルールの“フロート量”(附属書D参照)が不十分な場合,外部から光接

続コードの側面に力を加えると,フェルールの曲げモーメントによって光レセプタクル部のスリーブが変

形することがある。これによって,光トランシーバの送信光出力に変動が生じる。この場合,光トランシ

ーバの機械的な堅ろう(牢)性は,スリーブの設計,光レセプタクル部の設計及び光モジュールの設計に

依存する。光ファイバコネクタかん合標準ではフロート量を規定していないために,フェルールのフロー

ト量が不十分な光接続コードがある。 

4.2.3 

事例B:プラグ・ハウジングの作用点 

フェルールのフロート量が十分な場合,光接続コードに外力を加えると,プラグの曲げモーメントによ

って光レセプタクルのハウジングが変形する。これによって,光トランシーバの送信光出力に変動が生じ

る。この場合,光トランシーバの機械的な耐久性は,光レセプタクルのハウジング設計に依存する。附属

書Cの試験方法Bに規定している光接続コードの性能標準は,十分なフェルールのフロート量を保証する

ことができる。 

試験方法A 

5.1 

試験装置 

5.1.1 

概要 

試験装置の例を,図1に示す。構成要素の詳細は,次の細分箇条で説明する。試験する波長は,光トラ

ンシーバの仕様書記載の波長と一致する。試験データは室温で測定する(試験条件概要は,附属書B参照)。 

試験装置の取付け部の正確な詳細は,DUT(被試験品)の形に依存する。例えば,光トランシーバを評

価している試験用ボードをウィグル試験装置に固定して使用することが可能である。この場合,360 °左

右対称に回転できるように,回転機構の軸の中心に固定する。 

5.1.2 

試験用光接続コード 

事例Aのウィグル損失の発生の仕組みを模擬試験するために,試験方法Aでは,特別に設計したウィグ

ル試験用光接続コードを用いる。ウィグル試験用光接続コードの詳細な仕様は,附属書Cに規定する。 

図1において,ウィグル試験用光接続コードを試験する光トランシーバに接続する。DUTの接続部分に

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

  

ウィグル試験用光接続コードの端部から応力を加えるために,ウィグル試験用光接続コードにおもりを取

り付ける。ウィグル試験用光接続コードの他端を,送信光出力の変動量を記録するために,光パワーメー

タに接続する。 

5.1.3 

光パワーメータ 

光パワーメータは,DUTの光出力の変動の測定に使用する。はじめに無負荷の状態で測定した光出力を

基準値として,光出力の最大偏差が記録できるように設定する。試験方法Aの場合,次の測定方法を推奨

する。回転機構(例えば,ステッピングモータ)及び光パワーメータのいずれも,制御及びデータ取得の

ためにコンピュータに接続する。理想的には,制御ソフトウェアは,ステッピングモータの回転方向,速

度及び増量を操作できるようにする。360 °連続回転している間,計測器は2.5 °回転当たり最低1回はデ

ータを取得できることが望ましい。1回のデータ測定時間は,測定器の反応時間である100 ms以下に設定

する。 

5.1.4 

試験用負荷 

試験用負荷手段又はおもりは,ウィグル試験用光接続コードの端部に取り付けることが望ましい。試験

用負荷は,附属書Aに規定する。コネクタ種別による負荷の差の根拠については,附属書Eを参照。 

5.2 

Txインタフェースの試験手順 

5.2.1 

試験手順 

試験は,図1に示すような適切な試験装置で行う。図1は,1.25 mmフェルールコネクタを用いた例で

ある。この例では,Txポート又は光源に接続しているコネクタ部を使用する。ウィグル試験用光接続コー

ドは,試験装置が回転している間でも,DUTのコネクタの入口部分に応力が加わるようにおもりを取り付

けてある。試験は,次のとおり実施する。 

5.2.2 

構成 

図1に示すように,DUTの光モジュールを試験装置に固定する。Txポートと光パワーメータとをウィ

グル試験用光接続コードで接続する。DUTとして一つ以上のコネクタがある場合(例えば,Txポート及

びRxポート),一つずつコネクタを分析するのがよい。そのため,どの時点でも光トランシーバに接続し

ているウィグル試験用光接続コードは,一つであることが望ましい。 

5.2.3 

初期測定 

DUTを試験装置に固定した後,試験装置に負荷を加えないで,かつ,無回転の状態で,光出力値を測定

し記録する。全ての測定値がこの光出力値を基準とするように,この測定値で光パワーメータの目盛をリ

セット(又は再設定)することが望ましい。 

5.2.4 

おもりの装着及び回転 

図1に示すように,ウィグル試験用光接続コードに適切なおもりを取り付ける。 

おもりが取り付けられたDUT及び試験装置は,時計回りと反時計回りとに回転できなければならない。

おもりを取り付けた後又は中断した後,及びそれぞれの方向への回転前後には,測定開始まで10秒の設定

時間を見込む。 

回転速度は,毎分4回転以下で,時計回り及び反時計回りに360 °回転している間,光パワーメータの

出力値を記録する。 

5.2.5 

ウィグル損失 

ウィグル損失は,5.2.3の初期測定を含む5.2.4で測定した光出力変動の最大値と定義する。 

background image

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

注記 負荷の位置の詳細は,附属書Cを参照。 

図1−Txインタフェースに関する試験方法Aの機器構成 

5.3 

Rxインタフェース及び光レセプタクルの試験手順 

5.3.1 

試験手順 

Rxインタフェース又は光レセプタクルの場合(例えば,Rxコネクタ試験又はDUTが光源をもっていな

い場合),図2に記載する試験装置にDUTを固定する。次に規定する試験方法のいずれかを適用する。図

2は,1.25 mmフェルールコネクタの例である。 

5.3.2 

LOSの検知による方法 

手順は,次のとおりである。 

a) 光レセプタクルに光を入れて,LOS(入力信号断)を検知するしきい値になるように光出力を調整す

る。 

b) 入力光出力を1.5 dB増加させる。 

c) 表A.1で規定している適切な負荷を加える。時計回りと反時計回りとに0 °から360 °まで試験装置

を連続動作で回転させる。 

d) LOSを検知した場合,DUTは,不合格とする。LOSを検知しない場合,DUTは,合格とする。 

5.3.3 

光トランシーバ受信部の光パワーモニタによる方法 

デジタル診断モニタリング(Digital Diagnostic Monitoring)がある光トランシーバ又は光レセプタクルに

は,受光量を監視する機能が実装してある。ウィグルに対するコネクタの強度は,デジタル診断モニタリ

ングの光出力変動によって決定する。手順を,次に示す。 

a) 受信部の光モニタが最も精度のよいところになるように,受光量を設定する。 

b) 表A.1で規定している適切な負荷を加える。受光量をデジタル診断モニタリングで監視しながら時計

回りと反時計回りとに0 °から360 °まで試験装置を連続的に回転させる。 

c) 受光量の最大変化値をdB単位で記録する。すなわち,ウィグル損失は,手順a)から手順b)までに測

定した光出力変動の最大値と定義する。 

background image

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

  

注記 負荷の位置の詳細は,附属書Cを参照。 

図2−Rxインタフェース及び光レセプタクルに関する試験方法Aの機器構成 

試験方法B 

6.1 

試験装置 

6.1.1 

概要 

試験装置の例を,図3に示す。構成要素の詳細は,次の細分箇条で説明する。試験する波長は,光トラ

ンシーバの仕様書記載の波長と一致する。試験データは,室温で測定する(試験条件概要は,附属書B参

照)。 

6.1.2 

試験装置及び回転機構 

試験装置の取付け部の正確な詳細は,DUTの形に依存する。例えば,光トランシーバを評価している試

験用ボードをウィグル試験装置に固定して使用することが可能である。この場合,回転機構の軸の中心に

固定して,0 °から360 °まで軸対称で回転できるようにする。試験方法Bにおいては,試験装置が回転

軸に対して90 °ごと(0 °,90 °,180 °及び270 °)に測定が可能ならば,試験装置に回転機構は必ず

しも必要ない。 

6.1.3 

試験用光接続コード 

試験方法Bでは,事例Bのウィグル損失機構を模擬試験するために,光ファイバコネクタのかん合標準

(JIS C 5964規格群参照)及び性能標準(IEC 61753規格群参照)のいずれも満足する標準の光接続コー

ドを使用する。 

図3において,前述の光接続コードをDUTである光トランシーバに接続する。DUTのコネクタ接続部

分に応力を加えるために,光接続コードにおもりを取り付ける。光接続コードの他端は,送信光出力変動

量を記録するために光パワーメータに接続する。 

6.1.4 

光パワーメータ 

光パワーメータは,DUTの光出力変動を測定するのに使用する。はじめに負荷を加えないで測定した光

出力を基準値にして,光出力の最大偏差が記録できるように設定する。 

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

6.1.5 

試験用負荷 

光接続コードの端部に試験用負荷手段又はおもりを取り付けなければならない。試験用負荷は,附属書

Aで定義する。 

6.2 

Txインタフェースの試験手順 

6.2.1 

試験手順 

試験は,図3に示すように,DUTを適切に固定した試験装置を用いて行う。図3は,1.25 mmフェルー

ルコネクタを用いた例である。この例では,DUTの送信部又は光源に接続しているコネクタ部を使用する。

標準の光接続コードには,試験装置が回転している間でも,DUTのコネクタの入口部分に応力が加わるよ

うにおもりを取り付けてある。試験装置が回転軸に対して90 °ごと(0 °,90 °,180 °及び270 °)に

測定が可能ならば,試験装置が連続して回転する機構は,必ずしも必要ない。試験は,次のとおり実施す

る。 

6.2.2 

構成 

図3に示すように,DUTを試験装置に取り付ける。DUTの送信部と光パワーメータとを標準の光接続

コードで接続する。DUTに一つ以上のコネクタがある場合(例えば,光トランシーバのTxポート及びRx

ポート),一つずつコネクタを分析するのがよい。そのため,どの時点でも光トランシーバに接続している

標準の光接続コードは,一つとするのが望ましい。 

6.2.3 

初期測定 

DUTを試験装置に固定した後,試験装置に負荷を加えないで,かつ,無回転の状態で,出力光量を測定

し記録する。全ての測定値がこの光出力値を基準とするように,この測定値で光パワーメータの目盛をリ

セット(又は再設定)することが望ましい。 

6.2.4 

負荷印加 

図3に示す標準の光接続コードに,表A.2で規定している適切な負荷を加える。 

6.2.5 

測定 

試験装置の角度を90 °ごと(0 °,90 °,180 °及び270 °)に位置を変えた後,光パワーメータの出

力値を記録する。 

6.2.6 

ウィグル損失 

ウィグル損失は,6.2.3〜6.2.5で測定した光出力変動の最大値と定義する。 

background image

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

  

図3−Txインタフェースに関する試験方法Bの機器構成 

6.3 

Rxインタフェース及び光レセプタクルの試験手順 

6.3.1 

試験手順 

Rxインタフェース又は光レセプタクルの場合(例えば,Rxコネクタ試験又はDUTが光源をもっていな

い場合),図4に示す試験装置にDUTを固定する。次に規定する試験方法のいずれかを適用する。図4は,

1.25 mmフェルールコネクタの例である。 

6.3.2 

LOSの検知による方法 

手順は,次のとおりである。 

a) 光レセプタクルに光を入れて,LOSを検知するしきい値になるように光出力を調整する。 

b) 入力光出力を1.5 dB増加させる。 

c) 表A.2で規定している適切な負荷を加える。試験装置の角度を0 °,90 °,180 °及び270 °に回転

させる。 

d) LOSを検知した場合,DUTは,不合格とする。LOSを検知しない場合,DUTは,合格とする。 

6.3.3 

光トランシーバ受信部の光パワーモニタによる方法 

デジタル診断モニタリングがある光トランシーバ又は光レセプタクルには,受光量を監視する機能が実

装してある。ウィグルに対するコネクタの強度は,デジタル診断モニタリングの光出力変動によって決定

する。手順を,次に示す。 

a) 受信部の光モニタが最も精度のよいところになるように,受光量を設定する。 

b) 表A.2で規定している適切な負荷を加える。受光量をデジタル診断モニタリングで監視しながら試験

装置の角度を0 °,90 °,180 °及び270 °に回転させる。 

c) 受光量の最大変化値をdB単位で記録する。ウィグル損失は,手順a)から手順b)までに測定した光出

力変動の最大値と定義する。 

background image

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

図4−Rxインタフェース及び光レセプタクルに関する試験方法Bの機器構成 

試験結果 

試験結果には,次の項目を記載しなければならない。 

a) 使用した試験方法(試験方法A及び/又は試験方法B) 

b) 試験用負荷の値 

c) ウィグル損失値 

d) 合否判定の結果 

e) 受光部の光出力変動量 

f) 

サンプル数 

g) 光接続コードの数 

background image

10 

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

  

附属書A 

(規定) 
負荷仕様 

負荷の仕様については,表A.1及び表A.2を参照。 

A.1 試験方法Aの負荷 

表A.1−試験方法A:1.25 mmフェルール及び2.5 mmフェルールの光コネクタコードをもつ光モジュール

に使用する負荷 

光コネクタ形 

負荷 

(N) 

角度 

(°) 

LC 

1.5 

0〜360 

SC 

0.5 

0〜360 

A.2 試験方法Bの負荷 

表A.2−試験方法B:1.25 mmフェルール及び2.5 mmフェルールの光コネクタコードをもつ光モジュール

に使用する負荷 

光コネクタ形 

負荷 

(N) 

角度 

(°) 

LC 

4.5 

0,90,180及び270 

SC 

4.5 

0,90,180及び270 

background image

11 

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

附属書B 

(規定) 

試験条件概要 

試験条件の概要については,表B.1及び表B.2を参照。 

表B.1−試験方法Aの試験条件概要 

光コネ
クタ形 

ポート(Tx

又はRx) 

測定パラ

メータ 

試験光接続

コード 

負荷 

(N) 

試料

数 

試験用光接続

コードの数 

許容不

良数 

合否規準 

LC 
(シン
グルモ
ード) 

Tx 

Txの光出
力 

図C.1参照 1.5 

11 

最大ウィグル損失 
<1.5 dB 

Rx 

LOS光変
動量又は
ビットエ
ラー 

無LOS信号 
又は受光パワー変
動量 
<1.5 dB 

SC 
(シン
グルモ
ード) 

Tx 

Txの光出
力 

図C.2参照 0.5 

11 

最大ウィグル損失 
<1.5 dB 

Rx 

LOS光変
動量又は
ビットエ
ラー 

無LOS信号 
又は受光パワー変
動量 
<1.5 dB 

表B.2−試験方法Bの試験条件概要 

光コネ
クタ形 

ポート(Tx

又はRx) 

測定パラ

メータ 

試験光接続

コード 

負荷 

(N) 

試料

数 

試験用光接続

コードの数 

許容不

良数 

合否規準 

LC 
(シン
グルモ
ード) 

Tx 

Txの光出
力 

図C.1参照 4.5 

11 

最大ウィグル損失 
<1.5 dB 

Rx 

LOS光変
動量又は
ビットエ
ラー 

無LOS信号 
又は受光パワー変
動量 
<1.5 dB 

SC 
(シン
グルモ
ード) 

Tx 

Txの光出
力 

図C.2参照 4.5 

11 

最大ウィグル損失 
<1.5 dB 

Rx 

LOS光変
動量又は
ビットエ
ラー 

無LOS信号 
又は受光パワー変
動量 
<1.5 dB 

background image

12 

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

  

附属書C 
(規定) 

試験用光接続コード仕様 

試験用光接続コードの仕様については,図C.1,図C.2,及び表C.1〜表C.4を参照。 

表C.1−ウィグル試験用光接続コード(LCコネクタ) 

試験方法 

ウィグル試験用光接続コード仕様 

A(ウィグル試験用光接続コード) 

詳細仕様は,図C.1及び表C.2による。 

B(標準光接続コード) 

IEC 61753-021-6による。 

図C.1−ウィグル試験用光接続コード(LCコネクタ) 

background image

13 

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

表C.2−ウィグル試験用光接続コードの寸法 

記号 

寸法 

最小 

最大 

1.49 mm 

1.51 mm 

1.89 mm 

1.91 mm 

26.85 mm 

27.05 mm 

10.3 mm 

10.5 mm 

12.97 mm 

13.17 mm 

2.35 mm 

2.45 mm 

7.03 mm 

7.23 mm 

7.46 mm 

7.54 mm 

7.76 mm 

7.84 mm 

21.9 mm 

22.1 mm 

0.5 mm 

0.7 mm 

0.2 mm 

0.4 mm 

1.75 mm 

1.85 mm 

2.46 mm 

2.54 mm 

25° 

35° 

2.46 mm 

2.54 mm 

0.06 mm 

0.14 mm 

注記 この表で規定している寸法以外のコネクタ寸法は,JIS C 5964-20に適合する。 

表C.3−ウィグル試験用光接続コード(SCコネクタ) 

試験方法 

ウィグル試験用光接続コード仕様 

A(ウィグル試験用光接続コード) 

詳細仕様は,図C.2及び表C.4による。 

B(標準光接続コード) 

IEC 61753-021-6による。 

図C.2−ウィグル試験用光接続コード(SC形光コネクタ) 

background image

14 

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

  

表C.4−ウィグル試験用光接続コードの寸法 

記号 

寸法 

(mm) 

最小 

最大 

1.49 

1.51 

2.8 

3.0 

32.5 

33.5 

0.5 

0.7 

0.4 

0.8 

1.75 

1.85 

注記 この表で規定している寸法以外のコネクタ寸法は,JIS C 5964-4に適合する。 

background image

15 

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

附属書D 
(規定) 

フロート量 

ウィグル損失を抑制するためには,コネクタハウジング内でフェルールが相対的に正しい位置関係を維

持し続ける必要がある。図D.1に示すように,光接続コードが曲がり,コネクタの外側ハウジングが変形

した場合においても同様である。この観点から,フェルールには,フロート量と呼ぶ空間的な“あそび”

のメカニズムが必要である。このフロート量の正確な寸法は,コネクタ及びハウジングのいずれもが,設

計,組立及び材料に依存するため,この規格においては規定しない。 

しかしながら,このフロート量が十分でない場合,ハウジングが変形したときにフェルールがハウジン

グと接触してウィグル損失を生じさせる。したがって,この試験方法で要求する性能を満たすために,ハ

ウジング及び/又はコネクタの詳細な設計によって,十分なフロート量を保証しなければならない。 

図D.1−フロート量 

background image

16 

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

  

附属書E 

(参考) 

試験方法Aにおける光コネクタ形による負荷差 

試験方法Aにおいて,光コネクタの形式の違いによって,それぞれの負荷を表A.1で規定している。こ

の違いの理由は,図C.1及び図C.2で規定している2種類の試験用光接続コードによっては,有効な負荷

トルクが異なることに起因する。 

SCコネクタ用の試験用光接続コードの場合,割りスリーブは,試験用フェルールに数トルクを加えるの

に十分な剛性をもっているので,安定な測定が可能である。一方,1.25 mm割りスリーブは2.5 mm割りス

リーブと比較して剛性が低いために,試験用フェルールに数トルクを加えるには,剛性が不十分である。

1.25 mm割りスリーブを試験に使用した場合には,測定結果は,大変不安定となる。LCコネクタでウィグ

ル試験を安定させるためには,外側円筒パイプの内壁にある突起[図E.1 a)のR部分]が,トルクを緩め

るのに必要である。この突起があることによって,負荷の力点と支点との有効なトルクの腕の長さは,図

E.1 a)のS1の寸法となる。一方,SCコネクタ試験用ファイバコードの場合,外側円筒パイプの内壁には突

起がないため,有効なトルクの腕の長さは,図E.1 b)のS2の寸法と一致する。S2は,S1よりも3倍長く,

このことが,LCコネクタとSCコネクタとで負荷が異なる理由である。 

a) 試験用光接続コード(LC形) 

b) 試験用光接続コード(SC形) 

図E.1−タイプの違いによるトルク有効長 

17 

C 5954-5:2019 (IEC 62150-3:2015) 

参考文献 

JIS C 61300(規格群) 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順 

注記 原国際規格では,IEC 61300 (all parts),Fibre optic interconnecting devices and passive components

−Basic test and measurement proceduresを記載している。 

JIS C 5964-4 光ファイバコネクタかん合標準−第4部:SC形光ファイバコネクタ類(F04形) 

注記 原国際規格では,IEC 61754-4,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Fibre 

optic connector interfaces−Part 4: Type SC connector familyを記載している。 

JIS C 5964-20 光ファイバコネクタかん合標準−第20部:LC形光ファイバコネクタ類 

注記 原国際規格では,IEC 61754-20,Fibre optic interconnecting devices and passive components−

Fibre optic connector interfaces−Part 20: Type LC connector familyを記載している。 

IEEE 802.3,Carrier sense multiple access with collision detection (CSMA/CD) access method and physical 

layer specifications 

LC Product Lucent Technologies,640-252-056 Issue 1 September 05, Specification 

Telcordia GR-253,Synchronous Optical Network (SONET) Transport Systems 

Telcordia GR-326,Generic Requirements for Single-mode Optical Connectors and Jumper Assemblies 

Telcordia GR-1435,Generic Requirements for Multi Fiber Optical Connectors