C 5954-3:2013
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 標準環境条件 ··················································································································· 7
5 図記号···························································································································· 7
6 測定装置························································································································· 8
7 測定方法························································································································ 10
7.1 一般事項 ····················································································································· 10
7.2 電源電流及び消費電力 ··································································································· 10
7.3 送信光出力パワー ········································································································· 11
7.4 光出力波形 ·················································································································· 12
7.5 伝搬遅延時間 ··············································································································· 13
7.6 中心波長及びスペクトル幅 ····························································································· 15
7.7 最小受信光入力パワー及び最大受信光入力パワー ································································ 16
7.8 ストレスド受信感度 ······································································································ 16
7.9 許容伝送速度 ··············································································································· 20
7.10 相対強度雑音(RIN及びRIN̲OMA) ·············································································· 21
7.11 送信部光反射及び受信部光反射 ······················································································ 23
7.12 最大光反射損失耐力 ····································································································· 25
7.13 送信器・分散ペナルティ ······························································································· 26
7.14 受信部電気3 dB高域遮断周波数 ····················································································· 27
7.15 ジッタ伝達関数 ··········································································································· 28
7.16 クロックジッタ ··········································································································· 30
7.17 データ・クロック時間差 ······························································································· 31
7.18 受信部アラーム機能 ····································································································· 32
7.19 送信部シャットダウン機能 ···························································································· 34
7.20 電気入出力インタフェース ···························································································· 35
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS C 6112:1996及びJIS C 6113:1997は廃止され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 5954の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 5954-1 第1部:総則
JIS C 5954-2 第2部:ATM-PON用光トランシーバ
JIS C 5954-3 第3部:単心直列伝送リンク用光送・受信モジュール
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日本工業規格 JIS
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光伝送用能動部品−試験及び測定方法−第3部:
単心直列伝送リンク用光送・受信モジュール
Fiber optic active components and devices-
Test and measurement procedures-
Part 3: Optical transmitting and/or receiving modules for single fiber serial
transmission link
1
適用範囲
10 Mbit/s〜12.5 Gbit/sの直列(シリアル)なデジタル信号を,単心の光ファイバ(単心形)を介して,
単一波長で伝送し,2R(波形再生及び波形整形)又は3R(波形再生,波形整形及び同期信号再生)機能
をもち,デジタル変調方式として二値振幅変調[ASK(Amplitude Shift Keying),IM(Intensity Modulation)
又はOOK(On-Off Keying)ともいう。]方式の単心直列伝送リンク用光送受信モジュールの試験及び測定
方法について規定する。
注記1 ここでいう単心直列伝送リンク用光送・受信モジュールとは,発光素子と電子回路及び光フ
ァイバとの接続部からなる送信部,並びに受光素子と電子回路及び光ファイバとの接続部か
らなる受信部によって構成するもので,構造上,次の3種類の総称である。
a) 送信部(Tx)を1個のモジュールとして構成する光送信モジュール
b) 受信部(Rx)を1個のモジュールとして構成する光受信モジュール
c) 送信部と受信部とを1個のモジュールとして構成する光送受信モジュール(光トランシ
ーバ)
注記2 ここでいう単心形とは,伝送元の送信部から伝送先の受信部へ単心の光ファイバで伝送する
物理的形体として定義する。したがって,送・受信モジュールの場合は,物理的には光ファ
イバは2心が実装されるが,伝送する方向が異なるため,単心形とみなす。これに対して,
複心形は,伝送元の送信部から伝送先の受信部へ2心以上の光ファイバによって,光信号を
伝送する物理的形体であり,並列伝送方式の一つである。この形体のモジュールは,複心並
列伝送リンク用光送・受信モジュールである。
他の並列伝送方式には,単心の光ファイバに,複数の波長を多重して伝送する形体があり,
これを単心形の波長多重形とする。この形体のモジュールは,単心波長多重並列伝送リンク
用光送・受信モジュールである。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
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は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 0617(規格群) 電気用図記号
JIS C 1102-1 直動式指示電気計器−第1部:定義及び共通する要求事項
JIS C 61280-1-3 光ファイバ通信サブシステム試験方法−中心波長及びスペクトル幅測定
JIS C 61280-2-1 光ファイバ通信サブシステム試験方法−受信感度及びオーバロード測定
JIS C 61280-2-2 光ファイバ通信サブシステム試験方法−光アイパターン,光波形及び消光比測定
JIS C 61300-3-6:2011 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-6部:
反射減衰量測定
JIS Z 8704:1993 温度測定方法−電気的方法
JIS Z 8710:1993 温度測定方法通則
IEC 60874-1:2011,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Connectors for optical fibres
and cables−Part 1: Generic specification
IEC 61280-1-1:1998,Fibre optic communication subsystem basic test procedures−Part 1-1: Test procedures
for general communication subsystems−Transmitter output optical power measurement for single-mode
optical fibre cable
IEC 61280-1-4:2009,Fibre optic communication subsystem test procedures−Part 1-4: General communication
subsystems−Light source encircled flux measurement method
IEC 61280-2-3:2009,Fibre optic communication subsystem test procedures−Part 2-3: Digital systems−Jitter
and wander measurements
IEC 62614:2010,Fibre optics−Launch condition requirements for measuring multimode attenuation
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
絶対最大定格(absolute maximum rating)
瞬時でも超過してはならない限界値。いずれの規格値も超えない。
3.2
動作温度,Top(operating temperature)
電源電圧及び入力信号を加えたとき,動作が保証できる周囲温度[Top(a)]。ケース温度[Top(c)]で規定
する場合もある。
3.3
ケース温度,Tc(case temperature)
ケース上の規定の部分の温度。
3.4
電源電圧(supply voltage)
被測定送・受信モジュールを動作させるために電源端子に供給する電圧。
3.5
電源電流(supply current)
電源端子に電源電圧を引加したときに端子間に流れる電流値。
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3.6
入力信号電圧,VIL,VIH(data input voltage)
信号入力端子に入力する信号の電圧。論理“0”のときVIL,論理“1”のときVIHと表記する。
3.7
入力信号電流,IIH,IIL(data input current)
信号入力端子に入力する信号の電流。論理“0”のときIIL,論理“1”のときIIHと表記する。
3.8
出力信号電圧,VOL,VOH(data output voltage)
信号出力端子から出力する信号の電圧。論理“0”のときVOL,論理“1”のときVOHと表記する。
3.9
出力信号電流,IOH,IOL(data output current)
信号出力端子から出力する信号の電流。論理“0”のときIOL,論理“1”のときIOHと表記する。
3.10
電気入力インタフェース(electrical input interface)
送・受信部の入力信号を電圧値及び電流値で表した電気的接続。
3.11
電気出力インタフェース(electrical output interface)
送・受信部の出力信号を電圧値及び電流値で表した電気的接続。
3.12
伝送速度(transmission bit rate)
伝送する信号の単位時間当たりの情報量(ビット数)。単位は,通常ビット/秒(bit/s)で表す。
3.13
伝送距離(transmission distance)
規定のマーク率の信号を,規定の符号誤り率以下で伝送できる最大の距離。
3.14
送信光出力パワー,Pave(average output optical power)
送信部の光出力ポートから取り出される光出力パワーの平均値。単位は,デービーエム(dBm)で表す。
なお,送信部がオフ状態での光出力パワーをPoffと表記する。
送信光出力パワーは,式(1)によって表す。
P
P
10
ave
log
10
=
·········································································· (1)
ここに,
P: 送信光出力パワー(mW)
Pave: 送信光出力パワー(dBm)
3.15
光反射損失,x(optical return loss)
送信部の光出力ポートから取り出される光出力パワーと,送信部に接続された系から反射などによって
戻る,戻り光のパワーとの比率。単位は,デシベル(dB)で表す。
光反射損失は,式(2)によって表す。
P
P
x
r
10
log
10
−
=
·········································································· (2)
ここに,
P: 送信光出力パワー(mW)
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Pr: 戻り光のパワー(mW)
x: 光反射損失(dB)
3.16
消光比,ER(extinction ratio)
送信部でのハイレベルの平均光出力パワーと,ローレベルの平均光出力パワーとの比。単位は,通常デ
シベル(dB)で表す。
3.17
ピーク発光波長,λp(peak emission wavelength)
発光ダイオードを発光素子とする送信部で,光出力パワーが最大となる波長。
3.18
ピーク発振波長,λp(peak emission wavelength)
半導体レーザを発光素子とする送信部で,レーザ発振パワーが最強となる波長。
3.19
中心波長,λ0(center wavelength)
発光スペクトルにおけるピーク波長の長波長側及び短波長側において,最も近接する半値波長の平均値。
3.20
スペクトル幅,Δλw(spectral radiation bandwidth)
発光ダイオードを発光素子とする送信部の場合,ピーク発光波長における光出力パワーに対し,規定の
割合の光出力パワーとなるスペクトル広がり幅(全幅)。また,半導体レーザを発光素子とする送信部の場
合,ピーク発振波長における光出力パワーに対し,規定の割合の光出力パワーとなる発振スペクトル広が
り幅(全幅)。
なお,光出力パワーのピークに対し,50 %になるスペクトル広がり幅(全幅)は特にスペクトル半値幅
(Δλfwhm)という。スペクトル半値幅はFWHM(半値全幅)ともいう。
JIS C 61280-1-3に規定するN-dBダウン法,又はRMS法の測定方法のうち,いずれかによって求める。
3.21
アイパターン(eye pattern)
規定の伝送速度のランダムパターンを入力信号としたときの送信部の光出力波形。アイダイアグラム
(eye diagram)ともいう。
3.22
許容伝送速度(bit rate tolerance)
同期信号再生機能をもつ受信モジュールの場合,規定のクロックジッタ及び受信光入力パワーを維持で
きる伝送速度範囲。
3.23
最大受信光入力パワー,Pimax(maximum received optical power)
規定の動作条件で,受信部の光入力ポートから規定の符号誤り率で受信できる光入力パワーの平均値の
最大値。単位は,デービーエム(dBm)で表す。平均値でなくピーク値をとる場合は,それを明記する。
3.24
最小受信光入力パワー,Pimin(minimum received optical power)
規定の動作条件で,受信部の光入力ポートから規定の符号誤り率で受信できる光入力パワーの平均値の
最小値。単位は,デービーエム(dBm)で表す。平均値でなくピーク値をとる場合は,それを明記する。
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最小受信感度(minimum reseiver sensitivity)と同意である。
3.25
波形再生(reshaping)
受信部の入力信号から,ひずみ及び雑音を取り除いて送信部の出力信号に復元すること。
3.26
波形整形(regenerating)
波形再生した信号から,線形又は非線形回路によって元の送信部の入力信号を作り出すこと。
3.27
同期信号再生(retiming)
波形整形した信号から同期信号の周波数成分を抽出し,その抽出した同期信号で波形整形した信号を時
間軸上で再生すること。
3.28
パルス幅,tw(pulse width)
パルスの持続時間。特に規定がない場合,前縁(立ち上がり)での半値点から後縁(立ち下がり)での
半値点までの時間。
3.29
パルス幅ひずみ,Δtw(distortion of pulse width)
送信部の光出力又は受信部の電気出力のパルス幅と,その基準となる波形のパルス幅との差。
3.30
パルス幅ジッタ,Δtj(random jitter)
ゆらぎがない理想的なパルス幅区間における,信号の変換点からのランダムパターン若しくは信号の符
号パターンによる位相,又は変換点の時間のゆらぎ。パルス幅ジッタの成分の中で,マーク率の変動に起
因する比較的低周波のゆらぎを,ワンダ(Wander)とよぶ。ワンダの測定方法は,IEC 61280-2-3による。
単位は,秒(s)又はUI(Unit Interval)で表す。UIは1ビットの時間長で,ジッタはUIに対する割合で
表す。例えば,25 %の場合,0.25 UIと表す。
3.31
ジッタ伝達関数(jitter transfer function)
規定の周波数軸上における,同期信号再生機能のジッタ量の入出力伝達特性。
3.32
クロックジッタ,ΔtCLK(clock jitter)
同期信号再生機能をもつ受信モジュールで,時間軸上でのクロック信号のゆらぎ。クロックジッタは,
クロックのパルス振幅の50 %値の基準時間からのばらつきの標準偏差で規定する。
3.33
データ・クロック時間差,ΔtCD(time difference between data and clock pulse)
受信部の電気出力パルスの前縁(立ち上がり)での半値点と出力クロックパルスの前縁(立ち上がり)
での半地点との時間差(図20参照)。
3.34
NRZ符号(non return to zero)
データが“1”のとき,そのビット区間全てが“ハイレベル”,かつ,データが“0”のとき,ビット区間
全てが“ローレベル”の信号列。
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3.35
RZ符号(return to zero)
データが“1”のとき,そのビット区間で“ハイレベル”から“ローレベル”に変化し,データが“0”
のとき,ビット区間全てが“ローレベル”の信号列。
3.36
CMI符号(coded mark inversion)
データが“0”のとき,そのビット区間で“ローレベル”から“ハイレベル”に変化し,データが“1”
のとき,ビット区間全てが“ローレベル”及び“ハイレベル”を交互に送出する信号列。
3.37
上昇時間,tr(rise time)
特に規定がない場合,送信部の光出力パルス又は受信部の電気出力パルスが,パルス振幅の10 %から
90 %まで増加するのに要する時間。一般的には,光波形の本質的ノイズのため,10 %及び90 %のレベルを
十分な精度で分析することは難しいため,20 %から80 %までの上昇時間の測定値が選択される。10 %から
90 %までの上昇時間が必要な場合は,20 %から80 %までの測定値に補正係数(4次ベッセルトムソンフィ
ルタ使用時,1.25倍)を適用する。上昇時間は,慣用的には,“立ち上がり時間”ともいう。
3.38
下降時間,tf(fall time)
特に規定がない場合,送信部の光出力パルス又は受信部の電気出力パルスが,パルス振幅の90 %から
10 %まで減少するのに要する時間。上昇時間の規定と同様に,光波形測定では80 %から20 %までの下降
時間を選択する。下降時間は,慣用的には,“立ち下がり時間”ともいう。
3.39
伝搬遅延時間,td(transmission delay time)
信号の半値点間の時間の差で表した,入力信号に対する出力信号の遅れ時間。
3.40
マーク率,U(mark density)
二値信号列で論理値“1”が発生又は出現する確率。
3.41
ビット誤り率,BER(bit error rate)
受信パルス(被測定パルス)の誤りビット数を,単位時間当たりの送信パルス(基準パルス)ビット数
で除した値。
3.42
SLM-LD(single longitudinal mode-laser diode)
単一縦モード半導体レーザ。
3.43
MLM-LD(multi longitudinal mode-laser diode)
多縦モード半導体レーザ。
3.44
エンサークルドフラックス,EF(encircled flux)
マルチモード光ファイバ出射端の光パワーを,コアの中心からの径方向距離の関数として測定した累積
パワーの全光パワーに対する比。
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3.45
光変調振幅,OMA(optical modulation amplitude)
デジタル信号の“1”レベルの光パワーから“0”レベルの光パワーを減じた値。
3.46
平均光パワー基準の相対強度雑音,RIN(relative intensity noise)
規定の周波数帯域幅内での1 Hz当たりの光強度変動の二乗平均値の,平均光パワーの二乗に対する比。
対数表示する場合は,10を底とする。
3.47
光変調振幅基準の相対強度雑音,RIN̲OMA(relative intensity noise OMA)
く(矩)形波信号によって変調したレーザ光の1 Hz当たりに正規化した光強度変動の二乗平均値(光電
気変換した電気信号雑音パワー)の,光変調振幅に対する比。対数表示する場合は,10を底とする。
3.48
分散ペナルティ
光ファイバの波長の伝搬速度差に起因する信号波形のひずみによって生じるビット誤り率の劣化(ペナ
ルティ)の量。
3.49
PRBS[pseudorandom binary(bit)sequence]
擬似ランダムビットシーケンス。擬似的にランダムに発生させたビットパターン。PRBS(2n-1)は,0
以外のnビットのランダムパターンである。
3.50
ストレスド アイ ジッタ(stressed eye jitter)
雑音が重畳されたアイパターンの時間軸方向のずれ(ジッタ)。
3.51
バーティカル アイ クロージャ ペナルティ,VECP(vertical eye closure penalty)
アイパターンの振幅方向のアイの開きが閉じることによって生じるビット誤り率の劣化(ペナルティ)
の量。
4
標準環境条件
特に規定がない場合,測定及び試験時の標準環境条件は,表1による。特別な環境条件が必要な場合に
は,個別性能規格で規定する。
なお,温度及び湿度の変動は,一連の測定中では最小限に維持する。
表1−測定及び試験時の標準環境条件
温度
℃
相対湿度
%
気圧
kPa
18〜28
25〜75
86〜106
注記 この表は,JIS C 5954-1:2008光伝送用能動部品−試験及び測定方法−第1
部:総則に基づいている。
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図記号
図記号は,JIS C 0617(規格群)による。
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測定装置
測定装置は,次による。
a) 測定用電源 直流電源は,電圧変動が±0.5 %又は10 mV以下のいずれか大きい方を超えないものと
し,交流電源は,高調波含有率5 %以下のものとする。ただし,商用電源の場合,高調波含有率は,
10 %以下とする。
なお,特に交流出力を測定する試験では,直流電源のリプル含有率,交流電源の高調波含有率及び
交流の流れる直流電源回路の交流インピーダンスは,測定に影響を与えない小さい値とする。また,
サージの侵入は,十分な防護措置をとらなければならない。
b) 計器及び測定器 特に規定がない場合,計器(メータ)はJIS C 1102-1に規定する0.5級以上のもの
とし,測定器はこれと同等以上の確度をもつものとする。これらのインピーダンスは,測定系への影
響を無視できる値とする。
c) 光パワーメータ 測定に使用する光パワーメータは,測定条件に該当する波長及び光パワー範囲内で
校正し,分解能は0.1 dB以下とする。
d) デジタルオシロスコープ 光及び/又は電気アイパターンを表示するオシロスコープは,測定システ
ムの帯域幅を制限しないように,低域フィルタの帯域幅より広い帯域幅を備えるものとする。また,
オシロスコープは,光及び/又は電気アイパターンに同期した局所クロック信号,又は光信号から再
生した同期信号に同期できるものとする。
e) 電気スペクトラムアナライザ(スペクトル分析器) 電気スペクトラムアナライザは,規定の周波数
帯域で,十分なダイナミックレンジをもつものとする。
f)
光スペクトラムアナライザ 光スペクトラムアナライザは,光スペクトルを分散分光分析法によって
測定できるものとする。波長分解能は,測定する50 nmの範囲において,MLM-LDに対しては0.2 nm,
SLM-LDに対しては0.1 nmよりも高いものとする。
g) 可変光減衰器 可変光減衰器は,0.25 dB以下のステップで可変できるものとし,減衰量は,システム
の利得より5〜10 dB大きいものとする。送信部への反射戻り光は,十分低いものとする。
h) 光/電気(O/E)変換器 光/電気変換器は,電気的な増幅器を後段に接続した高速フォトダイオー
ドで,かつ,光学波形を十分忠実に再生できるものとする。
i)
電気/光(E/O)変換器 電気/光変換器は,電気入力信号を光学波形に変換できるものとする。測
定する目的に応じた波長特性の光源[発光ダイオード(LED),半導体レーザ(LD)など]を選択す
る。カプラ,スプリッタなどの光受動部品の損失測定又は校正に用いる場合は,光パワーの安定度が
十分高い性能をもっていなければならない。動的な試験を行う場合は,応答速度及び線形性が使用範
囲で十分保たれていなければならない。必要に応じて,直接変調形の光源,安定化光源と変調器との
組合せなどを選択する。
j)
基準送信部 基準送信部は,デジタル電気信号を光強度変調信号に変換する装置であり,電気/光変
換器及び駆動回路によって構成する。測定時に,供試(被試験)送信部及び/又は供試(被試験)受
信部を組み合わせて用いる。基準送信部は,光トランシーバの光電気特性を試験及び測定する場合,
必要に応じて,直接変調形の光源,安定化光源と変調器との組合せなどを選択する。基準送信部は,
上昇時間及び下降時間が十分速く(20 %から80 %までの上昇時間又は80 %から20 %までの下降時間
が,0.15 UI以下。),ジッタが0.2 UIpk-pk以下で,かつ,相対強度雑音(RIN)が規格値に比べ十分低い
ものを用いる。
k) 基準受信部 基準受信部は,デジタル変調された光信号をデジタル電気信号に復調する装置であり,
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
光/電気変換器,リミッタアンプ及びクロック再生回路によって構成する。測定系においては,供試
(被試験)送信部及び/又は供試(被試験)受信部を組み合わせて用いる。基準受信部は,光トラン
シーバの光電気特性の試験及び測定する場合,個別性能規格値に比べて十分広い周波数帯域幅,低い
しきい値オフセット,低いヒステリシス,低いベースラインワンダ及び低いジッタ特性のものを用い
る。
l)
パルスパターン発生器 パルスパターン発生器は,送信部の電気的なシステム入力インタフェースに
要求される信号フォーマット(RZ符号,NRZ符号,CMI符号,パルス波形,振幅など)と一致した
PRBS信号及びプログラム可能なワードパターンを発生できるものとする。
m) ビット誤り率試験装置(BER試験装置) ビット誤り率試験装置は,様々な信号フォーマット(RZ
符号,NRZ符号,CMI符号,プログラム可能なワードパターン,PRBS信号など)を備えたシステム
のBER性能を評価できるものとする。
n) ローパスフィルタ 測定の再現性を保証するため,オシロスコープの前の電気信号経路には,特に規
定がない場合,次の特性をもつローパスフィルタを挿入する。
1) 特性インピーダンス 50 Ω
2) −3 dB帯域幅BN
0.75/T Hz(ここに,Tはデータ信号のビット間隔時間である。)
3) フィルタ・タイプ
第4次ベッセル・トムソン
注記 ローパスフィルタの選択のガイダンスは,JIS C 61280-2-2及びITU-T Recommendation G.957
を参照するとよい。
o) トランスバーサルフィルタ トランスバーサルフィルタは,入力信号を分岐して適切な係数を乗じた
後,加算することでフィルタ特性を決定できる汎用的なフィルタとする。符号誤り発生の改善を図る
等化器として,マルチパスの影響で生じたビット相互間の干渉を抑圧する。干渉補償する前後の信号
のレベル差を比較することによって,隣接ビットからの干渉成分を抽出し,その逆成分の信号を加え
ることによって,干渉を自動的に抑圧する。マルチモード光ファイバ伝送の復調信号にこのフィルタ
を適用することで,受信感度を向上させる。
p) 正弦波発生器 正弦波発生器は,被試験システムの通過帯域内で周波数を発生させ,3桁以上の振幅
分解能をもち,1 mV〜1 Vで安定した正弦波を生成できる装置とする。一般的な周波数合成器(シン
セサイザ)の場合,この要件を満たす。
q) ジッタ発生器 ジッタ発生器は,規定の周波数及びジッタ振幅を発生できるものとする。
r) ジッタ受信器 ジッタ受信器は,位相検知器及び規定のジッタ帯域測定幅の周波数フィルタを備えた
ものとする。
s)
光ファイバコード 光ファイバコードは,適切なコネクタ付きシングルモード又はマルチモード光フ
ァイバコードとする。
t)
光スプリッタ 光スプリッタ(カプラ)は,適切な光コネクタを装備し,一つの入力ポート及び二つ
の出力ポートを備えたものとする。出力ポートの分岐比率は,特に指定がない場合,50:50とする。
必要に応じて10:90を用いる。使用に当たっては,正確な分岐比を測定し,校正するのがよい。
u) 温度計 温度計は,JIS Z 8704及びJIS Z 8710による。温度計は,測定時の環境温度,又は供試送信
部若しくは供試受信部のケース温度を測定する場合に用いる。
v) 恒温槽又は温度環境制御装置 恒温槽又は温度環境制御装置は,供試送信部及び供試受信部が収納で
き,かつ,その性能仕様で規定する温度範囲内で安定的に温度制御ができるものとする。
w) 制御用コンピュータ及びインタフェース 制御用コンピュータ及びインタフェースは,供試送信部及
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び供試受信部の動作のためのデジタル制御機能,供試送信部及び供試受信部の内部温度,動作状況な
どの内部状態を読み出す機能をもつものとする。
x) 測定用回路基板(コンプライアンスボード) 測定用回路基板(コンプライアンスボード)は,十分
な高周波特性(特性インピーダンス,反射,伝送損失など)をもつものとする。
7
測定方法
7.1
一般事項
測定に当たっては,個別性能規格に規定する動作温度条件を満たすため,必要に応じて,供試送信部及
び供試受信部を入れることができる恒温槽又は温度環境制御装置を用いる。
なお,供試送信部及び供試受信部の駆動条件は,絶対最大定格で規定された値を超えないように注意す
る。
7.2
電源電流及び消費電力
7.2.1
目的
個別性能規格に規定する状態で,供試送信部及び供試受信部の電源電流を測定し,消費電力を算出する。
7.2.2
電源電流の測定回路
電源電流の測定回路を,図1に示す。
パルスパターン
発生器
供試送信部
光パワーメータ
供試受信部
恒温槽又は温度環境制御装置
A
A
A
E
E
E:直流電源
:直流電流計
A
可変光減衰器
測定用光ファイバコード
パルスパターン
発生器
供試送信部
光パワーメータ
供試受信部
恒温槽又は温度環境制御装置
A
A
A
E
E
E:直流電源
:直流電流計
A
可変光減衰器
測定用光ファイバコード
パルスパターン
発生器
供試送信部
光パワーメータ
供試受信部
恒温槽又は温度環境制御装置
A
A
A
E
E
E:直流電源
:直流電流計
A
可変光減衰器
パルスパターン
発生器
供試送信部
光パワーメータ
供試受信部
恒温槽又は温度環境制御装置
A
AA
AA
E
E
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
可変光減衰器
測定用光ファイバコード
図1−電源電流の測定回路
7.2.3
電源電流及び消費電力の測定方法
電源電流及び消費電力の測定方法は,次による。
a) 供試送信部及び供試受信部を規定の条件で駆動し,個別性能規格に規定する動作温度になるように,
恒温槽又は温度環境制御装置の温度を設定する。
b) 供試送信部の信号入力端子に,パルスパターン発生器から個別性能規格に規定する入力電気信号を加
える。
c) 図1の破線の経路で,供試受信部の光入力ポートでの光パワーが個別性能規格に規定する最小受信光
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入力パワーから最大受信光入力パワーまで変化するよう,可変光減衰器を調節する。
d) 供試送信部及び供試受信部の電源端子に流入する電流を,直流電流計によって測定する。
e) 電源端子が複数個ある場合は,それぞれ測定する。
f)
電源電圧と電源電流との積によって,消費電力を求める。
7.2.4
個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 動作温度
b) 供試送信部及び供試受信部の駆動条件
c) 供試送信部への入力信号(伝送速度,波形及びPRBS信号の生成多項式)
d) 測定用光ファイバコードの仕様
e) 供試受信部への最大受信光入力パワー及び最小受信光入力パワー
7.3
送信光出力パワー
7.3.1
目的
個別性能規格に規定する状態で,送信部の光ファイバ出力の光パワーを測定する。
7.3.2
送信光出力の測定回路
送信光出力の測定回路を,図2に示す。
シングルモード送信部の場合は,IEC 61280-1-1による。
マルチモード送信部の場合は,マルチモード光ファイバ出射端のエンサークルドフラックス(EF)が規
定の状態であることを確認する。エンサークルドフラックスの測定方法は,IEC 61280-1-4による。また,
エンサークルドフラックスの規定値は,IEC 62614による。
A
E
光パワーメータ
供試送信部
パルスパターン
発生器
入力電気信号
測定用光ファイバコード
2〜10 m a)
直径80 mmループa)
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽又は温度環境制御装置
A
E
AA
E
光パワーメータ
供試送信部
パルスパターン
発生器
入力電気信号
測定用光ファイバコード
2〜10 m a)
直径80 mmループa)
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽又は温度環境制御装置
注a) ここでは,光ファイバコード2〜10 mの長さで,途中に,
直径80 mmのループを作ることを示している。
図2−送信光出力の測定回路
7.3.3
送信光出力の測定方法
送信光出力の測定方法は,次による。
a) 供試送信部を,規定の条件で駆動する。
b) 供試送信部の信号入力端子に,パルスパターン発生器から規定の入力電気信号を加える。
c) 測定用光ファイバコードを介して得られる光出力パワーを,光パワーメータを用いて測定する。光パ
ワーメータの受光部は,光ファイバコード端から放射される全光量を十分受ける構造とする。また,
測定系からの反射光を,十分低く抑えるよう注意する。光ファイバコネクタ端面は十分に清掃する。
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光ファイバのクラッドを伝搬する高次モードの光を除去し,コアを伝搬する有効な光だけを測定する
ため,図2では一例として,光ファイバコード2〜10 mの長さで,途中に,直径80 mmのループを作
っている。
d) 供試送信部及び光パワーメータの状態が安定するまで,30分間又は規定の時間待つ。
e) 光ファイバコードのコネクタを供試送信部から外し,コネクタ端面を清掃した後に再度測定を行う。
f)
光出力パワーを5回測定し,測定値が安定している場合,平均した値を送信部の光出力パワーPaveと
する。ただし,10回の測定で5回の安定値が得られない場合は,光ファイバコードを交換する。
7.3.4
個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 動作温度
b) 供試送信部の駆動条件(電源電圧)
c) 供試送信部の入力信号(伝送速度,波形及びPRBS信号の生成多項式)
d) 測定用光ファイバコードの仕様及びランダム接続試験のロスの最大値(IEC 60874-1のmethod 7によ
る。)
7.4
光出力波形
7.4.1
目的
供試送信部及び基準送信部(以下,単に“送信部”という。)から出力する光信号の光アイパターン及び
光波形のパラメータ[上昇時間,下降時間,光変調振幅(OMA),パルス幅ひずみ,ジッタ及び消光比]
を測定する。
7.4.2
光アイパターン,光波形及び消光比の測定回路
光アイパターン,光波形及び消光比の測定回路を,図3に示す。
AE
可変光減衰器
又はアイソ
レータ
光/電気
(O/E)変換器
供試送信部
測定用光ファイバ
コード
パルスパターン
発生器
AE
同期信号
波形観測装置
(デジタルオシロ
スコープ)
時間領域光検波部
A
E:直流電源
:直流電流計
A
光パワーメータ
ローパスフィルタ
恒温槽
AE
可変光減衰器
又はアイソ
レータ
光/電気
(O/E)変換器
供試送信部
測定用光ファイバ
コード
パルスパターン
発生器
AE
同期信号
波形観測装置
(デジタルオシロ
スコープ)
時間領域光検波部
A
E:直流電源
:直流電流計
A
光パワーメータ
ローパスフィルタ
恒温槽
AE
AE
可変光減衰器
又はアイソ
レータ
光/電気
(O/E)変換器
供試送信部
測定用光ファイバ
コード
パルスパターン
発生器
AE
AE
同期信号
波形観測装置
(デジタルオシロ
スコープ)
時間領域光検波部
AA
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
光パワーメータ
ローパスフィルタ
恒温槽
図3−光アイパターン,光波形及び消光比の測定回路
7.4.3
光アイパターン,光波形及び消光比の測定方法
光アイパターン,光波形及び消光比の測定方法は,JIS C 61280-2-2の箇条5(手順)による。
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7.4.4
個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 試験手順
b) 合否の判断基準
c) 必要な場合,他の光出力波形に関する要求事項
d) 動作温度
e) 時間領域光検波部の光/電気変換器の伝搬遅延時間,上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス
幅ジッタ,最大受信光入力及び最小受信光入力(パルス幅ジッタは,供試送信部のパルス幅ジッタに
比べて,十分小さくする。)
f)
基準送信部の伝搬遅延時間,上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ,ピーク発振波
長及び送信光出力(パルス幅ジッタは,供試受信部のパルス幅ジッタに比べて,十分小さくする。)
g) 供試送信部の駆動条件(電源電圧)
h) 供試送信部の入力信号(伝送速度,波形及びPRBS信号の生成多項式)
i)
測定用光ファイバコードの仕様
j)
時間領域光検波部の光/電気変換器の最大受信光入力パワー及び最小受信光入力パワー
7.5
伝搬遅延時間
7.5.1
目的
個別性能規格に規定する状態で,供試送信部及び供試受信部の伝搬遅延時間を測定する。
7.5.2
伝搬遅延時間の測定回路
伝搬遅延時間の測定回路を,図4に示す。
A
E
A
E
光パワーメータ
基準Rx
又は
供試受信部
A
供試送信部
又は
基準送信部
波形観測装置
(デジタルオシロス
コープ)
パルスパターン
発生器
出力電気信号
参照入力電気信号
入力電気信号
可変光減衰器
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽
恒温槽
測定用光
ファイバ
コード
A
E
A
E
光パワーメータ
基準Rx
又は
供試受信部
A
供試送信部
又は
基準送信部
波形観測装置
(デジタルオシロス
コープ)
パルスパターン
発生器
出力電気信号
参照入力電気信号
入力電気信号
可変光減衰器
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽
恒温槽
測定用光
ファイバ
コード
A
E
AA
E
A
E
AA
E
光パワーメータ
基準Rx
又は
供試受信部
A
供試送信部
又は
基準送信部
波形観測装置
(デジタルオシロス
コープ)
パルスパターン
発生器
出力電気信号
参照入力電気信号
入力電気信号
可変光減衰器
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽
恒温槽
測定用光
ファイバ
コード
注記 破線は,7.5.3 c)での接続状態を示す。
図4−伝搬遅延時間の測定回路
7.5.3
伝搬遅延時間の測定方法及び計算方法
伝搬遅延時間の測定方法及び計算方法は,次による。
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a) 送信部,及び供試受信部又は基準受信部(以下,単に“受信部”という。)を,規定の条件で駆動する。
b) 送信部の信号入力端子に,パルスパターン発生器から規定のNRZ符号(マーク率50 %)の入力電気
信号を加える。
c) 送信部の光出力信号を,測定用光ファイバコード及び可変光減衰器を介して,受信部に入力する。
d) 図4の破線の経路で,可変光減衰器を,規定の光パワーが受信部に入力するように,調整する。
e) デジタルオシロスコープなどの波形観測装置を用いて,パルスパターン発生器からの参照入力電気信
号の波形と,受信部からの出力電気信号の波形との,振幅の50 %値の時間差tPLHを測定する(図5参
照)。測定用光ファイバコード,可変光減衰器などの光学的な遅延及び測定系の信号線の遅延は,あら
かじめ校正しておく。出力電気信号にパルス幅ジッタがある場合は,波形の振幅の50 %値の代わりに,
ジッタの最大値で測定する。
f)
伝搬遅延時間tdは,式(3),式(4)又は式(5)によって求める。
送信部・受信部の総合試験の場合
)
,
max(
PHL
PLH
d
t
t
t=
······································································ (3)
送信部の個別試験の場合
dr
PHL
PLH
d
)
,
max(
t
t
t
t
−
=
································································· (4)
受信部の個別試験の場合
ds
PHL
PLH
d
)
,
max(
t
t
t
t
−
=
································································· (5)
ここに,
max(tPLH, tPHL): tPLH及びtPHLのうち大きい方の値,等しい場合
はその値
tPLH: 入力電気信号及び出力電気信号のそれぞれの
立ち上がりの振幅の50 %値の時間差
tPHL: 入力電気信号及び出力電気信号のそれぞれの
立ち下がりの振幅の50 %値の時間差
tdr: 基準受信部の伝搬遅延時間
tds: 基準送信部の伝搬遅延時間
g) 総合試験及び供試受信部の個別試験の場合には,可変光減衰器を,供試受信部の受信光入力が最小光
入力から最大光入力までの範囲に調整し,tdを繰り返し測定する。測定の最大値を伝搬遅延時間とす
る。供試送信部の個別試験の場合には供試受信部に代えて基準受信部を,供試受信部の個別試験の場
合には供試送信部に代えて基準送信部を用いる。
入
力
電
気
信
号
出
力
電
気
信
号
論理”1”レベル
論理”0”レベル
振幅の50 %値
論理”1”レベル
論理”0”レベル
振幅の50 %値
tPLH
tPHL
入
力
電
気
信
号
出
力
電
気
信
号
論理”1”レベル
論理”0”レベル
振幅の50 %値
論理”1”レベル
論理”0”レベル
振幅の50 %値
tPLH
tPHL
図5−伝搬遅延時間
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7.5.4
個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 動作温度
b) 基準受信部の伝搬遅延時間,上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ,最大受信光入
力パワー及び最小受信光入力パワー(パルス幅ジッタは,供試送信部のパルス幅ジッタに比べて,十
分小さくする。)
c) 基準送信部の伝搬遅延時間,上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ,ピーク発振波
長及び送信光出力(パルス幅ジッタは,供試受信部のパルス幅ジッタに比べて,十分小さくする。)
d) 送信部及び受信部の駆動条件(電源電圧)
e) 送信部の入力信号(伝送速度,波形及びPRBS信号の生成多項式)
f)
測定用光ファイバコードの仕様
g) 供試受信部の最大受信光入力パワー及び最小受信光入力パワー
7.6
中心波長及びスペクトル幅
7.6.1
目的
発光ダイオード(LED),SLM-LD,MLM-LDなどの光源,及び光ファイバ通信で使用する送信部の光ス
ペクトルを測定し,中心波長,ピーク発光波長又はピーク発振波長,及びスペクトル幅並びに変調時のス
ペクトル幅(チャープ)を測定する。
7.6.2
中心波長及びスペクトル幅の測定回路
中心波長及びスペクトル幅の測定回路を,図6に示す。
A
E
光スペクトラムア
ナライザ
供試送信部
パルスパターン
発生器
入力電気信号
測定用光ファイバコード
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽
A
E
AA
E
光スペクトラムア
ナライザ
供試送信部
パルスパターン
発生器
入力電気信号
測定用光ファイバコード
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽
図6−中心波長及びスペクトル幅の測定回路
7.6.3
中心波長及びスペクトル幅の測定方法
中心波長及びスペクトル幅の測定方法は,JIS C 61280-1-3による。
7.6.4
個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 動作温度
b) 供試送信部の駆動条件(電源電圧)
c) 供試送信部の入力信号(伝送速度,波形及びPRBS信号の生成多項式)
d) 測定用光ファイバコードの仕様
e) 中心波長及びスペクトル幅の測定に使用する方法(N-dBダウン法又はRMS法)
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7.7
最小受信光入力パワー及び最大受信光入力パワー
7.7.1
目的
受信部のコネクタ入力における,個別性能規格に規定するビット誤り率を満足する最小受信光入力パワ
ーPimin及び最大受信光入力パワーPimaxを測定する。測定時には,端末装置の製造業者が指定した最小及び
最大受信光入力パワーにおいて,保証したビット誤り率が得られることを確認する。
7.7.2
最小受信光入力パワー及び最大受信光入力パワーの測定回路
最小受信光入力パワー及び最大受信光入力パワーの測定回路を,図7に示す。
A
E
A
E
光パワーメータ
供試受信部
基準送信部
可変光減衰器
測定用光ファイバコード
A
出力データ
信号
クロック信号
ビット誤り
率試験装置
パルスパター
ン発生器
E:直流電源
:直流電流計
A
光スプリッタ
恒温槽
A
E
AA
E
A
E
AA
E
光パワーメータ
供試受信部
基準送信部
可変光減衰器
測定用光ファイバコード
A
出力データ
信号
クロック信号
ビット誤り
率試験装置
パルスパター
ン発生器
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
光スプリッタ
恒温槽
図7−最小受信光入力パワー及び最大受信光入力パワーの測定回路
7.7.3
最小受信光入力パワー及び最大受信光入力パワーの測定方法
最小受信光入力パワー及び最大受信光入力パワーの測定方法は,JIS C 61280-2-1による。
7.7.4
個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する項目は,次による。
a) 動作温度
b) 基準送信部の伝搬遅延時間,上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ,ピーク発振波
長及び送信光出力
c) 供試受信部の駆動条件(電源電圧)
d) 基準送信部の入力信号(伝送速度,波形及びPRBS信号の生成多項式)
e) 測定用光ファイバコードの仕様
7.8
ストレスド受信感度
7.8.1
目的
供試受信部の光コネクタ入力における,雑音(ストレス)付加光信号入力に対する最悪条件下での光変
調振幅(OMA)表示のストレスド受信感度を測定する。
注記 この測定は,IEEE 802.3:2008の58.7.11 Stressed receiver conformance testに基づいている。
7.8.2
ストレスド受信感度の測定回路
光変調振幅ストレスド受信感度の測定回路を,図8に示す。
正弦波発生器1によってクロック源を変調し,ジッタを含むクロック信号をパルスパターン発生器に入
力する。パルスパターン発生器の出力信号は,ローパスフィルタ(4次ベッセルトムソンフィルタ)を通
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した後に正弦波発生器2の出力(正弦波干渉信号)を重畳する。これによって,時間軸のジッタ雑音(ス
トレスド アイ ジッタ)と振幅方向の雑音とが重畳され,実際の伝送時に発生する符号間干渉ペナルティ
の発生を模擬した信号を得る。
A
E
供試受信部
ビット誤り率
試験装置
電気/光
(E/O)
変換器
可変光減衰器
A
E:直流電源
:直流電流計
A
基準受信部
波形観測装置
(デジタルオシロス
コープ)
ローパスフィルタ
(4次ベッセルトムソ
ンフィルタ)
+
正弦波
発生器2
A
E
クロック源
ビット誤り率
試験装置
正弦波
発生器1
パルスパターン
発生器
出力データ信号
ストレスコンディショニング部
正弦波ジッタ重畳クロック
校正用クロック源
FM入力
恒温槽
測定用光ファイバコード
クロック
再生
出力クロック信号
出力データ信号
A
E
供試受信部
ビット誤り率
試験装置
電気/光
(E/O)
変換器
可変光減衰器
A
E:直流電源
:直流電流計
A
基準受信部
波形観測装置
(デジタルオシロス
コープ)
ローパスフィルタ
(4次ベッセルトムソ
ンフィルタ)
+
正弦波
発生器2
A
E
クロック源
ビット誤り率
試験装置
正弦波
発生器1
パルスパターン
発生器
出力データ信号
ストレスコンディショニング部
正弦波ジッタ重畳クロック
校正用クロック源
FM入力
恒温槽
測定用光ファイバコード
クロック
再生
出力クロック信号
出力データ信号
A
E
AA
E
供試受信部
ビット誤り率
試験装置
電気/光
(E/O)
変換器
可変光減衰器
AA
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
基準受信部
基準受信部
波形観測装置
(デジタルオシロス
コープ)
ローパスフィルタ
(4次ベッセルトムソ
ンフィルタ)
+
正弦波
発生器2
A
E
AA
E
クロック源
ビット誤り率
試験装置
正弦波
発生器1
パルスパターン
発生器
出力データ信号
ストレスコンディショニング部
正弦波ジッタ重畳クロック
校正用クロック源
FM入力
恒温槽
測定用光ファイバコード
クロック
再生
出力クロック信号
出力データ信号
図8−ストレスド受信感度の測定回路
7.8.3
ストレスド受信感度の測定方法
7.8.3.1
入力テスト光信号の校正
入力テスト光信号の校正は,次による。
a) 図8の破線の経路で,電気/光変換器の出力を,光ファイバコードによって基準受信部へ入力する。
b) 正弦波発生器1,及び正弦波発生器2を停止した状態で,パルスパターン発生器で方形波を発生し,
基準受信部で光信号の光変調振幅ANを測定する。その場合,電気/光変換器の動作条件を調整し,消
光比を規定の値に設定する。
0
1
N
P
P
A
−
=
············································································ (6)
ここに,
P1: 論理“1”レベルの光パワー
P0: 論理“0”レベルの光パワー
c) パルスパターン発生器で校正用テストパターン信号を発生させる。校正用テストパターン信号は,10
段以上のPRBS信号を用いる。
d) c) の電気信号を電気/光変換器に入力し,光信号を発生させ,図8の破線の経路で,基準受信部に入
力し,図9に示すようなアイパターンを測定する。
e) アイの開口振幅A0を求める。
f)
バーティカル アイ クロージャ ペナルティ(VECP)は,式(7)によって求める。
18
C 5954-3:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
=
0
N
10
log
10
A
A
VECP
································································· (7)
ここに,
VECP: バーティカル アイ クロージャ ペナルティ
(dB)
AN: 光変調振幅
A0: アイの開口振幅
g) このとき,ローパスフィルタによるVECPは,3分の2以上であることを確認する。
h) 正弦波発生器1及び正弦波発生器2を動作させ,クロック源から正弦波クロックジッタを付加したク
ロック信号をパルスパターン発生器に入力する。
i)
このときのジッタJ及びVECPの値が個別性能規格に規定する値になるように,正弦波発生器1(正
弦波ジッタ)及び正弦波発生器2(正弦波干渉信号)の周波数及び振幅を調整する。
ここで,正弦波ジッタは,供試受信部の個別性能規格に規定する周波数範囲[表2に規定するクロ
ック再生回路のジッタコーナー周波数(f2)以上の領域]となるように設定する。また,正弦波干渉
信号の周波数は,信号速度Bに対して,B/100〜B/5で設定する。このとき,正弦波干渉信号周波数と,
正弦波ジッタ,データ伝送周波数及びデータパターンの繰返し周波数とが,倍音の関係にならないよ
うに注意する。
J
ジッタ・ヒストグラム
バーティカルアイクロージャ
(VEC)・ヒストグラム
光変調振幅の近似値AN
(ヒストグラムの平均値の差)
光変調振幅(OMA)
)
)
)
注記 この図は,IEEEの許可を得て転載している。
IEEE 802.3:2008 Carrier sense multiple access with Collision Detection (CSMA/CD) Access
Method and Physical Layer Specifications. Copyright 2008 IEEE. All rights reserved
注a) 光変調振幅OMAの定義は,適用する個別性能規格(例えば,100BASE-X,1000BASE-X,
10GBASE-R/Wなど)によって異なるため,個別の性能規定に従うのがよい。
b) 10GBASE-R/WでのANの例。
図9−ストレスドアイジッタJ及びバーティカル アイ クロージャ ペナルティ(VECP)
19
C 5954-3:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−正弦波ジッタ
周波数範囲
正弦波ジッタ(UI pk to pk)
f<f2/100
設定不可
f2/100≦f≦f2
0.05×f2 / f+S−0.05
f2<f<10 LB
SJ1≦S≦SJ2
LB:受信部のループ帯域
S:ストレスド アイの校正時に使用する正弦波ジッタの振幅
SJ1,SJ2:受信部の個別性能規格に規定する正弦波ジッタの下限値及び上限値(単位:UI)
f2:ジッタコーナー周波数
注記 この表は,IEEEの許可を得て転載している。
IEEE 802.3:2008 Carrier sense multiple access with Collision Detection (CSMA/CD) Access
Method and Physical Layer Specifications. Copyright 2008 IEEE. All rights reserved
7.8.3.2
ストレスド受信感度の測定方法
ストレスド受信感度の測定方法は,次による。
a) 7.8.3.1の手順で,入力テスト光信号を生成する。
b) 図8の実線の経路で,光信号を,可変光減衰器を介して供試受信部に入力する。
c) 可変光減衰器を,規定の光変調振幅になるように,調整する。
d) 規定のPRBS信号をパルスパターン発生器で生成し,ビット誤り率試験装置を用いてビット誤り率を
測定する。このときの受信感度を,ストレス受信感度とする。
7.8.3.3
ストレスド受信感度の試験方法
ストレスド受信感度の試験方法は,次による。
a) 図8の測定回路において,実線の経路で供試受信部を接続する。
b) ビット誤り率を測定しながら,正弦波発生器1(正弦波ジッタ)の周波数及び振幅を,表2に規定す
る範囲で変化させる。このとき,全ての周波数及び振幅において,ビット誤り率が供試受信部の性能
保証受信感度を満足していることを確認する。
7.8.4
個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 動作温度
b) 受信部の駆動条件(電源電圧)
f 2/100
SJ2
f 2
3倍幅
SJ1
印加正弦波ジッタの
ピーク-ピーク振幅
(UI)対数スケール
10LB
ジッタ周波数
20
C 5954-3:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 電気/光変換器の入力信号(伝送速度,波形,及びPRBS信号の生成多項式)
d) 消光比
e) ストレス アイ ジッタ(J)
f)
バーティカル アイ クロージャ ペナルティ(VECP)
g) 測定用光ファイバコードの仕様
7.9
許容伝送速度
7.9.1
目的
個別性能規格に規定する状態で,同期信号再生機能をもつ受信部の許容伝送速度を測定する。
7.9.2
許容伝送速度の測定回路
許容伝送速度の測定回路を,図10に示す。
A
E
A
E
光パワーメータ
供試受信部
基準送信部
可変光減衰器
測定用光ファイバコード
A
出力データ
信号
出力クロック
信号
ビット誤り
率試験装置
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽
正弦波発生器
パルスパターン
発生器
A
E
A
E
光パワーメータ
供試受信部
基準送信部
可変光減衰器
測定用光ファイバコード
A
出力データ
信号
出力クロック
信号
ビット誤り
率試験装置
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽
正弦波発生器
パルスパターン
発生器
A
E
AA
E
A
E
AA
E
光パワーメータ
供試受信部
基準送信部
可変光減衰器
測定用光ファイバコード
A
出力データ
信号
出力クロック
信号
ビット誤り
率試験装置
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽
正弦波発生器
パルスパターン
発生器
図10−許容伝送速度の測定回路
7.9.3
許容伝送速度の測定方法
許容伝送速度の測定方法は,次による。
a) 基準送信部及び供試受信部を,規定の条件で駆動する。
b) 基準送信部の信号入力端子に,パルスパターン発生器から規定のPRBS信号(マーク率50 %)を加え
る。正弦波発生器の出力は,基準伝送速度(周波数)f0とする。
c) 図8の破線の経路で,可変光減衰器を,規定の光パワーが供試受信部に入力できるように,調整する。
d) 供試受信部の規定の光受信パワー範囲で,誤りが発生しないことを確認する。
e) 正弦波発生器の出力を,基準伝送速度(周波数)を中心に変化させ,規定の誤り率となる許容伝送速
度(周波数)の偏差±Δf0を測定する。
f)
許容伝送速度f1は,式(8)によって求める。
0
0
1
f
f
f
∆
±
=
················································································ (8)
ここで,光パワーメータの受光部は,光ファイバ端から放出される全光量を十分受ける構造とする。
また,測定系からの反射を,十分低く抑えるように注意する。
21
C 5954-3:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.9.4
個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 動作温度
b) 基準送信部の上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ,ピーク発光波長及び送信光出
力
c) 供試受信部の駆動条件(電源電圧)
d) 基準送信部への入力信号(波形及びPRBS信号の生成多項式)
e) 測定用光ファイバコードの仕様
7.10 相対強度雑音(RIN及びRIN̲OMA)
7.10.1 目的
個別性能規格に規定する状態で,送信部の平均光パワー基準の相対強度雑音(RIN)及び光変調振幅基
準の相対強度雑音(RIN̲OMA)を測定する。
7.10.2 相対強度雑音の測定回路
相対強度雑音の測定回路を,図11に示す。マルチモード光ファイバコードの場合は,反射戻り光の光フ
ァイバ中でのエンサークルドフラックスによる影響が大きいので,最大雑音の測定のためには,必要に応
じて偏波コントローラを動的に動かし(マルチモード光ファイバコードを機械的に曲げ伸ばして,振動さ
せる。)ながら,測定を行う。
注記 この測定は,IEC 62150-4に基づいている。
AE
可変光減衰器
光/電気
(O/E)変換器
供試送信部
測定用光ファイバ
コード
パルスパターン
発生器
AE
同期信号
波形観測装置
(デジタルオシロ
スコープ)
偏波
コント
ローラ
全反射器
時間領域光検波部
反射戻り光制御部
光スプリッタ
A
E:直流電源
:直流電流計
A
ローパスフィルタ
恒温槽
AE
AE
可変光減衰器
光/電気
(O/E)変換器
供試送信部
測定用光ファイバ
コード
パルスパターン
発生器
AE
AE
同期信号
波形観測装置
(デジタルオシロ
スコープ)
偏波
コント
ローラ
全反射器
時間領域光検波部
反射戻り光制御部
光スプリッタ
AA
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
ローパスフィルタ
恒温槽
図11−相対強度雑音の測定回路
7.10.3 平均光パワー基準の相対強度雑音の測定方法
7.10.3.1 平均光パワー基準の相対強度雑音(RIN)
平均光パワー基準の相対強度雑音の測定方法は,次による。
a) 反射戻り光制御部を用いる場合は,次の手順によって光反射損失の校正を行う。
1) JIS C 61300-3-6に規定する反射減衰量測定装置を図11の供試送信部に置き換えて反射戻り光制御
部に接続する。
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C 5954-3:2013
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2) 可変光減衰器の設定を変えながら反射減衰量を測定し記録する。
3) 反射減衰量を光反射損失として,測定記録を反射戻り光制御部の校正表とする。
b) 伝送レートに適したローパスフィルタ(帯域幅BN)を,選択する。
注記 ローパスフィルタの選択は,箇条6 n)のベッセルトムソンフィルタ,又はJIS C 61280-2-2の
規定及びITU-T Recommendation G.957のガイダンスを参照するとよい。
c) 時間領域光検波部の光入力ポートに光信号を入れない場合の,光/電気変換器の暗電流を測定する。
次の測定においては,測定した光電流値から,暗電流の値を減じる。時間領域光検波部が暗電流値を
光電流から自動的に減じる機能をもつ場合は,この処理を行わない。
d) 供試送信部の信号入力端子に,パルスパターン発生器から,十分長周期なく(矩)形波を加える。く
(矩)形波の周期は,伝送レートの5ビット分以上の“0”レベルと5ビット分以上の“1”レベルと
に設定する。
e) 時間領域光検波部の信号トリガー及び振幅を調整し,図12に示す光信号波形を得る。
f)
反射戻り光制御部を用いる場合,反射戻り光制御部の供試送信部の出力側の光反射損失が個別性能規
格で規定する光反射損失x(dB)になるように可変光減衰器を調節する。
g) 反射戻り光制御部を用いる場合,偏波コントローラを用いて,波形観測装置の光信号波形の“1”レベ
ルの雑音が最大になるように調整する。
h) 光信号波形の“1”レベルの平方二乗平均(rms)雑音の値ΔP1を測定する。測定する範囲(測定窓)
は,図12に示すように,波形の中央部の20 %とする。
i)
光信号波形の“1”レベルの平均光パワーP1を測定する。
j)
平均光パワー基準の相対強度雑音は,式(9)によって求める。
なお,光反射損失x(dB)を設定して測定したとき,RINxのように光反射損失xを明記する場合が
ある。
∆
=
N
2
1
2
1
10
log
10
B
P
P
RIN
······························································· (9)
ここに,
RIN: 平均光パワー基準の相対強度雑音(dB/Hz)
ΔP1: “1”レベル光パワー変動の平方二乗平均雑音(mW)
BN: 測定雑音等価帯域(ローパスフィルタの帯域幅)(Hz)
P1: “1”レベルの平均光パワー(mW)
7.10.3.2 光変調振幅基準の相対強度雑音(RIN̲OMA)
光変調振幅基準の相対強度雑音の測定方法は,次による。
a) 7.10.3.1のa)〜i)の手順に従い,ΔP1及びP1を測定する。
b) 光信号波形の“0”レベルにおける雑音の平方二乗平均(rms)雑音の値ΔP0を測定する。測定する範
囲(測定窓)は,図12に示すように,波形の中央部の20 %とする。
c) 光信号波形の“0”レベルの平均光パワーP0を測定する。
d) 光変調振幅PMODは,式(10)によって求める。
0
1
MOD
P
P
P
−
=
·········································································· (10)
e) 雑音の二乗平均パワー<ΔPN2>は,式(11)によって求める。
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C 5954-3:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2
0
1
2N
2
∆
+
∆
>=
∆
<
P
P
P
································································(11)
f)
光変調振幅基準の相対強度雑音は,式(12)及び式(13)によって求める。
なお,光反射損失x(dB)を設定して測定したとき,RINxOMAのように光反射損失xを明記する場
合がある。
N
MOD
2N
2
̲
B
P
P
OMA
RIN
>
∆
<
=
····························································· (12)
OMA
RIN
OMA
RIN
̲
log
10
̲
10
dB=
················································· (13)
ここに,
RIN̲OMA: 光変調振幅基準の相対強度雑音(Hz−1)
RIN̲OMAdB: 光変調振幅基準の相対強度雑音(dB/Hz)
<ΔPN2>: 雑音の二乗平均パワー(mW2)
PMOD2: 光変調振幅(mW)
BN: 測定雑音等価帯域(ローパスフィルタの帯域幅)
(Hz)
“1”レベルの
平均光パワーP1
“0”レベルの
平均光パワーP0
時間
パワー
“0”レベルの中央
ΔP1
ΔP0
“1”レベルの中央
100 %
20 %
100 %
20 %
“1”レベルの
平均光パワーP1
“0”レベルの
平均光パワーP0
時間
パワー
“0”レベルの中央
ΔP1
ΔP0
“1”レベルの中央
100 %
20 %
100 %
20 %
図12−RIN及びRIN̲OMAの測定波形
7.10.4 個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 伝送速度
b) ローパスフィルタの帯域幅(BN)
c) 光反射損失(必要な場合)
d) 測定用光ファイバコードの仕様
7.11 送信部光反射及び受信部光反射
7.11.1 目的
供試送信部又は供試受信部に入力した光の反射パワーを,測定し,反射を求める。
注記 この測定は,JIS C 6115-2の6.10[光反射減衰量(ORL)]を参照するとよい。
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C 5954-3:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.11.2 光反射の測定回路
供試送信部又は供試受信部の光反射パワーの測定回路を,図13に示す。
供試送信部
又は
供試受信部
完全反射終端測定用光ファイバコード1
又は
無反射終端測定用光ファイバコード2
基準光源
光パワーメータ
P1反射パワー
測定用光ファイバコード
供試送信部
又は
供試受信部
ピグテイル形モ
ジュールの測定
の場合
方向性結合器
(カプラ)
レセプタクル形
モジュールの
測定の場合
校正時の接続
供試送信部
又は
供試受信部
完全反射終端測定用光ファイバコード1
又は
無反射終端測定用光ファイバコード2
基準光源
光パワーメータ
P1反射パワー
測定用光ファイバコード
供試送信部
又は
供試受信部
ピグテイル形モ
ジュールの測定
の場合
方向性結合器
(カプラ)
レセプタクル形
モジュールの
測定の場合
校正時の接続
図13−光反射の測定回路
7.11.3 光反射の測定方法
供試送信部又は供試受信部に入力した光の反射パワーの測定方法は,次による。
a) 図13の破線の回路構成において,完全反射終端した基準光ファイバコード1を用いて,反射パワー
P0を測定する。
b) 次に,無反射終端した基準光ファイバコード2を用いて,反射パワー
′
0Pを測定する。
c) 供試送信部又は供試受信部がレセプタクル形の場合,図13の実線の回路構成において,測定用光ファ
イバコードを接続し,反射パワーP1を測定する。
d) 供試送信部又は供試受信部がピグテイル形の場合,図13の一点鎖線の回路構成において,測定用光フ
ァイバコードを接続し,反射パワーP1を測定する。
e) 反射Rは,式(14)によって求める。
′
−
′
−
=
0
0
0
1
10
log
10
P
P
P
P
R
··································································· (14)
注記 反射(Reflectance)は負の値で表し,光反射減衰量(Optical Return Loss: ORL)は正の値で表
して,区別する。
7.11.4 個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 周囲温度
b) 基準光源のピーク波長及びスペクトル幅
c) 方向性結合器(カプラ)
d) 測定用光ファイバコードの仕様
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7.12 最大光反射損失耐力
7.12.1 目的
送信部に反射戻り光を戻した状態において,受信部で規定のビット誤り率になる最大戻り光の,送信光
パワーに対する割合を測定する。また,送信部に規定する最大戻り光を戻した状態において,基準受信部
が規定のビット誤り率以下であることを確認する。
7.12.2 光反射損失耐力の測定回路
光反射損失耐力の測定回路を,図14に示す。
AE
基準受信部
供試送信部
パルスパターン
発生器
クロック
再生
反射戻り光制御部
出力クロック
信号
出力データ
信号
ビット誤り率
試験装置
可変光減衰器1
偏波コ
ント
ローラ
全反射器
光スプリッタ
A
E:直流電源
:直流電流計
A
A
可変光減衰器2
A
E
恒温槽
測定用光ファイ
バコード
AE
AE
基準受信部
供試送信部
パルスパターン
発生器
クロック
再生
反射戻り光制御部
出力クロック
信号
出力データ
信号
ビット誤り率
試験装置
可変光減衰器1
偏波コ
ント
ローラ
全反射器
光スプリッタ
AA
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
AA
可変光減衰器2
A
E
AA
E
恒温槽
測定用光ファイ
バコード
図14−光反射損失耐力の測定回路
7.12.3 光反射損失耐力の測定方法
光反射損失耐力の測定方法は,次による。
a) 反射戻り光制御部の光反射損失の校正を,7.10.3.1 a)に規定する方法で行う。
b) パルスパターン発生器から規定の段数のPRBS信号を供試送信部の信号入力端子に加え,供試送信部
からの光信号を反射戻り光制御部及び可変光減衰器2を介して,基準受信部へ入力する。可変光減衰
器2の減衰量は,基準受信部の最小受信感度に設定する。
c) 可変光減衰器1の減衰量を最大にし,基準受信部のビット誤り率を測定する。このとき,偏波コント
ローラを,ビット誤り率が最大になるように調整する。
d) 可変光減衰器1の減衰量を減少させ,供試送信部への反射戻り光量を増加しながら,c)と同じく基準
受信部のビット誤り率を測定し,ビット誤り率が規定の値になる光反射損失を測定する。この光反射
損失を,供試送信部の最大光反射損失耐力とする。単位はデシベル(dB)で表す。
7.12.4 光反射損失耐力の試験方法
光反射損失耐力の試験方法は,次による。
a) 7.12.3のa)〜c)の手順に従い,ビット誤り率の測定を行う。
b) 光反射損失が供試送信部の規定の最大光反射損失耐力の値になるように,可変光減衰器1の減衰量を
設定する。
c) 基準受信部のビット誤り率が,最小受信感度の規定値以下であることを確認する。
7.12.5 個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
26
C 5954-3:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 動作温度
b) 供試送信部の入力信号(伝送速度,波形及びPRBS信号の生成多項式)
c) 測定用光ファイバコードの仕様
7.13 送信器・分散ペナルティ
7.13.1 目的
個別性能規格に規定する状態で,送信部及び光ファイバコードによる分散ペナルティを測定する。
7.13.2 送信器・分散ペナルティの測定回路
送信器・分散ペナルティの測定回路を,図15に示す。測定用光ファイバコードは,供試送信部の個別性
能規格に基づき,光ファイバコードの種類を選択する。また,長さは,伝送距離に相当する規定の波長分
散値及び伝送損失が得られるように決定する。
注記 この測定は,IEEE 802.3:2008の52.9.10 Transmitter and dispersion penalty measurementに基づい
ている。
AE
基準受信部
供試送信部
測定用光
ファイバ
コード
パルスパターン
発生器
クロック
再生
時間領域光検波部
反射戻り光制御部
出力クロック信号
出力データ信号
ビット誤り率
試験装置
可変光減衰器1
偏波コ
ント
ローラ
全反射器
光スプリッタ
A
E:直流電源
:直流電流計
A
AE
光/電気(O/E)
変換器
波形観測装置
(デジタルオシロス
コープ)
A
可変光
減衰器2
基準送信部
AE
A
E
恒温槽
トランスバーサルフィルタ
測定用光
ファイバ
コード
AE
基準受信部
供試送信部
測定用光
ファイバ
コード
パルスパターン
発生器
クロック
再生
時間領域光検波部
反射戻り光制御部
出力クロック信号
出力データ信号
ビット誤り率
試験装置
可変光減衰器1
偏波コ
ント
ローラ
全反射器
光スプリッタ
A
E:直流電源
:直流電流計
A
AE
光/電気(O/E)
変換器
波形観測装置
(デジタルオシロス
コープ)
A
可変光
減衰器2
基準送信部
AE
A
E
恒温槽
トランスバーサルフィルタ
測定用光
ファイバ
コード
AE
AE
基準受信部
供試送信部
測定用光
ファイバ
コード
パルスパターン
発生器
クロック
再生
時間領域光検波部
反射戻り光制御部
出力クロック信号
出力データ信号
ビット誤り率
試験装置
可変光減衰器1
偏波コ
ント
ローラ
全反射器
光スプリッタ
AA
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
AE
AE
光/電気(O/E)
変換器
波形観測装置
(デジタルオシロス
コープ)
AA
可変光
減衰器2
基準送信部
AE
基準送信部
AE
AE
A
E
AA
E
恒温槽
トランスバーサルフィルタ
測定用光
ファイバ
コード
図15−送信器・分散ペナルティの測定回路
7.13.3 送信器・分散ペナルティの測定方法
送信器・分散ペナルティの測定方法は,次による。
a) 図15の破線の経路で,パルスパターン発生器,基準送信部,可変光減衰器2及び基準受信部を接続す
る。このとき,基準受信部の出力データ信号は,実線の経路でビット誤り率試験装置へ入力する。
b) パルスパターン発生器からの規定の数段のPRBS信号を基準送信部の信号入力端子に加え,可変光減
衰器2を,基準受信部のビット誤り率が個別性能規格に規定するBERの値になるように,調整する。
c) このときの基準受信部への入力光信号の光変調振幅OMAを,破線の経路のように光/電気変換器,
デジタルオシロスコープなどの波形観測装置によって測定し,受信感度Sとする。
d) 実線の経路で,供試送信部の光出力ポートを反射戻り光制御部及び測定用光ファイバコードを介して,
可変光減衰器2に接続する。また,必要な場合(特にマルチモード光ファイバ伝送の場合),基準受信
部の出力データ信号は,破線の経路で,適切なトランスバーサルフィルタを介してビット誤り率試験
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C 5954-3:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
装置に入力する。
e) 反射戻り光制御部の可変光減衰器1を,その光反射損失が個別性能規格の規定値になるように,調整
する。
f)
可変光減衰器2を,基準受信部のビット誤り率が個別性能規格に規定するBERの値になるように,調
整する。
g) 破線の経路のように接続し,基準受信部への入力光信号の光変調振幅P̲DUT(光変調振幅表示)をデ
ジタルオシロスコープなどの波形観測装置によって測定し,記録する。
h) P̲DUTが基準受信部の受信感度Sよりも大きい場合,送信器・分散ペナルティTDPは,式(15)によっ
て求める。
S
DUT
P
TDP
−
=
̲
··································································· (15)
i)
P̲DUTが基準受信部の感度S以下の場合は,TDPは,“0”とする。
7.13.4 個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 動作温度
b) 送信部の入力信号(伝送速度,波形及びPRBS信号の生成多項式)
c) 個別性能規格に規定する性能保証BER値
d) 基準送信部の特性(立ち上がり時間,立ち下がり時間,ジッタ及び相対強度雑音)
e) 反射戻り光制御部での光の光反射損失
f)
基準光源のピーク波長及びスペクトル幅
g) 光スプリッタの仕様
h) 測定用光ファイバコードの仕様(種類,波長分散及び光ファイバ損失)
i)
トランスバーサルフィルタの種類
7.14 受信部電気3 dB高域遮断周波数
7.14.1 目的
供試受信部の電気信号の3 dB高域遮断周波数を,測定する。
注記 この測定は,IEEE 802.3:2008の52.9.11 Measurement of the receiver 3 dB electrical upper cutoff
frequencyに基づいている。
7.14.2 受信部電気3 dB高域遮断周波数の測定回路
受信部電気3 dB高域遮断周波数の測定回路を,図16に示す。
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正弦波
発生器
パルスパターン
発生器
電気/光
(E/O)
変換器
AE
供試受信部
出力データ信号
ビット誤り率
試験装置
電気/光
(E/O)
変換器
可変光減衰器
A
光カプラ
E:直流電源
:直流電流計
A
AE
光/電気(O/E)
変換器
波形観測装置
(デジタルオシロ
スコープ)
恒温槽
測定用光ファ
イバコード
正弦波
発生器
パルスパターン
発生器
電気/光
(E/O)
変換器
AE
供試受信部
出力データ信号
ビット誤り率
試験装置
電気/光
(E/O)
変換器
可変光減衰器
A
光カプラ
E:直流電源
:直流電流計
A
AE
光/電気(O/E)
変換器
波形観測装置
(デジタルオシロ
スコープ)
恒温槽
測定用光ファ
イバコード
正弦波
発生器
パルスパターン
発生器
電気/光
(E/O)
変換器
AE
AE
供試受信部
出力データ信号
ビット誤り率
試験装置
電気/光
(E/O)
変換器
可変光減衰器
AA
光カプラ
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
AE
光/電気(O/E)
変換器
波形観測装置
(デジタルオシロ
スコープ)
AE
AE
光/電気(O/E)
変換器
波形観測装置
(デジタルオシロ
スコープ)
恒温槽
測定用光ファ
イバコード
図16−受信部電気3 dB高域遮断周波数の測定回路
7.14.3 受信部電気3 dB高域遮断周波数の測定方法
受信部電気3 dB高域遮断周波数の測定方法は,次による。
a) 正弦波発生器及び電気/光変換器の周波数応答特性の校正を行う。
b) 正弦波発振器を止めた状態(雑音信号を入れない状態)で,パルスパターン発生器を駆動し,可変光
減衰器を,供試受信部への入力光信号の光変調振幅OMAが,ほぼ光変調振幅ストレス受信感度のレ
ベルになるように,調整する。光変調振幅の測定は,図16の破線のように接続し,デジタルオシロス
コープなどの波形観測装置によって行う。
c) 破線の接続を実線の接続に戻し,正弦波発振器を駆動する。
d) 供試受信部のBERの値が個別性能規格に規定する一定値(例えば1×10−8)になるように,正弦波の
変調振幅を調整し,その値を記録する。変調周波数を変えて,複数点の測定を行う。
e) 測定した変調振幅に電気的に3 dB増加した点を,受信部電気3 dB高域遮断周波数とする。
7.14.4 個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 周囲温度
b) 基準光源のピーク波長及びスペクトル幅
c) 光カプラの仕様
d) 測定で設定する供試受信部のBERの値
e) 測定用光ファイバコードの仕様
7.15 ジッタ伝達関数
7.15.1 目的
同期信号再生機能をもつ受信部のジッタ伝達関数を,測定する。
7.15.2 ジッタ伝達関数の測定回路
ジッタ伝達関数の測定回路を,図17に示す。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ジッタ発生器
発振器
(シンセサイザ)
ジッタ受信器
可変光減衰器
A
A
E
光パワーメータ
供試受信部
出力クロック
信号
基準送信部
測定用光ファイバコード
パルスパター
ン発生器
A
E
トラッキング発振出力
E:直流電源
:直流電流計
A
電気スペクトラ
ムアナライザ
恒温槽
ジッタ発生器
発振器
(シンセサイザ)
ジッタ受信器
可変光減衰器
A
A
E
光パワーメータ
供試受信部
出力クロック
信号
基準送信部
測定用光ファイバコード
パルスパター
ン発生器
A
E
トラッキング発振出力
E:直流電源
:直流電流計
A
電気スペクトラ
ムアナライザ
恒温槽
ジッタ発生器
発振器
(シンセサイザ)
ジッタ受信器
可変光減衰器
A
A
E
AA
E
光パワーメータ
供試受信部
出力クロック
信号
基準送信部
測定用光ファイバコード
パルスパター
ン発生器
A
E
A
E
トラッキング発振出力
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
電気スペクトラ
ムアナライザ
恒温槽
図17−ジッタ伝達関数の測定回路
7.15.3 ジッタ伝達関数の測定方法
ジッタ伝達関数の測定方法は,次による。
a) 図17の一点鎖線で示すように接続する。
b) パルスパターン発生器を,基準の伝送速度で動作させる。
c) 電気スペクトラムアナライザのトラッキング発振出力を,規定のジッタ出力がジッタ発生器から得ら
れるように,調整する。このとき,ジッタ発生器が線形動作をするように注意する。
d) 電気スペクトラムアナライザの帯域幅をできるだけ小さくし,規定の周波数範囲でスイープして,利
得0 dBのレファレンスレベルARefを,測定系の校正用に記録する。
e) ジッタ受信器の入力のスイッチを供試受信部側に接続し,基準送信部及び供試受信部を駆動させる。
f)
発振器の周波数を規定の周波数範囲でスイープし,指定の振幅Ain及び周波数fJの正弦波ジッタAin(fJ)
をデータに印加する。
g) 周波数fJでのジッタ受信器出力のジッタ振幅Aout(fJ)を測定する。
h) 供試受信部のジッタ伝達関数XT(fJ)は,式(16)によって求める。
()
()
[
]
()
J
in
Ref
J
out
J
T
f
A
A
f
A
f
X
−
=
····························································· (16)
ここに,
XT(fJ): 平均光パワー基準の相対強度雑音(dB)
Aout(fJ): 周波数fJでのジッタ受信器出力のジッタ振幅雑音
ARef: 利得0 dBのレファレンスレベル
Ain(fJ): 指定の振幅Ain及び周波数fJの正弦波ジッタ
7.15.4 個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 動作温度
b) 基準送信部の上昇時間,下降時間,パルス幅ジッタ,ピーク発光波長及び送信光出力パワー
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 受信部の駆動条件(電源電圧)
d) 送信部の入力信号(伝送速度,波形及びPRBS信号の生成多項式)
e) 測定用光ファイバコードの仕様
7.16 クロックジッタ
7.16.1 目的
規定する状態で,同期信号再生機能をもつ受信部のクロックジッタを測定する。
7.16.2 クロックジッタの測定回路
クロックジッタの測定回路を,図18に示す。
A
E
可変光減衰器
A
光パワーメータ
供試受信部
基準送信部
測定用光ファイバコード
パルスパターン
発生器
A
E
参照クロック信号
波形観測装置
(デジタルオシロス
コープ)
出力クロック信号
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽
A
E
A
E
可変光減衰器
A
光パワーメータ
供試受信部
基準送信部
測定用光ファイバコード
パルスパターン
発生器
A
E
A
E
参照クロック信号
波形観測装置
(デジタルオシロス
コープ)
出力クロック信号
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽
図18−クロックジッタの測定回路
7.16.3 クロックジッタの測定方法
クロックジッタの測定方法は,次による。
a) 基準送信部及び供試受信部を,規定の条件で駆動する。
b) 基準送信部の信号入力端子に,パルスパターン発生器から規定のPRBS信号(マーク率50 %)を加え
る。
c) 基準送信部の光出力信号を,測定用光ファイバコード及び可変光減衰器を介して,供試受信部に入力
する。可変光減衰器を,規定の光出力パワーが供試受信部に入力するように,調整する。
d) 供試受信部の出力クロック信号を,デジタルオシロスコープなどの波形観測装置を用いて,時間ばら
つきの標準偏差σを求める。
e) 供試受信部の光入力ポートの光パワーは,規定の最小受信光入力パワーから最大受信光入力パワーま
での範囲で標準偏差の測定を行い,その最大値をクロックジッタとする。
7.16.4 個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 動作温度
b) 基準送信部の伝搬遅延時間,上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ,ピーク発光波
長及び送信光出力(パルス幅ジッタは,供試受信部のパルス幅ジッタに比べて,十分小さくする。)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 基準送信部及び供試受信部の駆動条件(電源電圧)
d) 基準送信部の入力信号(伝送速度,波形及びPRBS信号の生成多項式)
e) 測定用光ファイバコードの仕様
f)
供試受信部の最大光入力パワー及び最小光入力パワー
7.17 データ・クロック時間差
7.17.1 目的
同期信号再生機能をもつ受信部のデータ・クロック時間差を,測定する。
7.17.2 データ・クロック時間差の測定回路
データ・クロック時間差の測定回路を,図19に示す。
A
E
可変光減衰器
A
光パワーメータ
供試受信部
基準送信部
測定用光ファイバコード
パルスパターン
発生器
A
E
出力データ
信号
出力クロック
信号
波形観測装置
(デジタルオシロス
コープ)
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽
A
E
A
E
可変光減衰器
A
光パワーメータ
供試受信部
基準送信部
測定用光ファイバコード
パルスパターン
発生器
A
E
A
E
出力データ
信号
出力クロック
信号
波形観測装置
(デジタルオシロス
コープ)
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽
図19−データ・クロック時間差の測定回路
7.17.3 データ・クロック時間差の測定方法
データ・クロック時間差の測定方法は,次による。
a) 基準送信部及び供試受信部を,規定の条件で駆動する。
b) 基準送信部の信号入力端子に,パルスパターン発生器から規定のPRBS信号(マーク率50 %)を加え
る。
c) 基準送信部の光出力信号を,測定用光ファイバ及び可変光減衰器を介して,供試受信部に入力する。
可変光減衰器を,規定の光パワーが供試受信部に入力するように,調整する。
d) デジタルオシロスコープなどの波形観測装置で,受信部出力のデータ信号及びクロック信号を観測し
て,それぞれのパルスの上昇部のパルス振幅の50 %値の時間差ΔtCDを測定する(図20参照)。
e) 測定は,供試受信部の光入力ポートでの光パワーが規定の最小光入力パワーから最大光入力パワーま
での範囲で行い,時間差ΔtCDの最小値及び最大値を測定する。
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出力データ信号
出力クロック信号
ΔtCD
50 %レベル
50 %レベル
出力データ信号
出力クロック信号
ΔtCD
50 %レベル
50 %レベル
出力データ信号
出力クロック信号
ΔtCD
50 %レベル
50 %レベル
図20−データ・クロック時間差
7.17.4 個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 動作温度
b) 基準送信部の伝搬遅延時間,上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ及び送信光出力
パワー(パルス幅ジッタは,供試受信部のパルス幅ジッタに比べて,十分小さくする。)
c) 基準送信部及び供試受信部の駆動条件(電源電圧)
d) 基準送信部の入力信号(伝送速度,波形及びPRBS信号の生成多項式)
e) 測定用光ファイバコードの仕様
f)
供試受信部の最大光入力パワー及び最大光入力パワー
7.18 受信部アラーム機能
7.18.1 目的
規定する状態で,供試受信部の信号検知機能を試験する。
注記 受信部は,光入力パワーの状態をモニタする受信部アラーム機能を備えており,負論理の場合
は,光入力パワーが規定するしきい値(信号検知アサートレベルPassert)未満になったとき,ア
ラーム出力電圧が高レベルから低レベルに変わり,アラーム発出状態を示す。また,光入力パ
ワーが規定するしきい値(信号検知デアサートレベルPde-assert)以上になったとき,アラーム出
力電圧が低レベルから高レベルに変わり,アラーム解除状態を示す。安定な動作のため,しき
い値にはヒステリシス特性をもたせており,PassertとPde-assertとの差をヒステリシスとして規定
している。
なお,この機能は,信号検知(Signal detect : SD)又は信号喪失(Loss of signal : LOS)と呼ぶ
ことがある。
出力信号の論理(正又は負)と実動作との関係については,十分注意する。
7.18.2 受信部アラーム機能の測定回路
受信部アラーム機能の測定回路を,図21に示す。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
E
VSDH又はVSDL
基準送信部
供試受信部
ポートA
測定用光ファイバコード
パルスパターン
発生器
可変光減衰器
光スプリッタ
ポートB
A
アラーム
データ
クロック
光パワーメータ
E:直流電源
:直流電流計
A
E
A
A
EE
VSDH又はVSDL
基準送信部
供試受信部
ポートA
測定用光ファイバコード
パルスパターン
発生器
可変光減衰器
光スプリッタ
ポートB
AA
アラーム
データ
クロック
光パワーメータ
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
E
A
A
図21−受信部アラーム機能の測定回路
7.18.3 受信部アラーム機能の測定方法
7.18.3.1 光スプリッタの校正
光スプリッタの校正は,次による。
a) 試験及び測定の前に,光スプリッタは,次に規定する方法で校正する。
b) 基準送信部を規定の動作条件で動作させ,信号入力端子にPRBS信号を加える。
c) 基準送信部の光出力ポートを,測定用光ファイバコード及び可変光減衰器を介して,光スプリッタの
入力ポートに接続する。
d) 光スプリッタの出力ポートAを,測定用光ファイバコードを介して光パワーメータの入力ポートに接
続する。
e) 可変光減衰器を,ポートAの光出力が,おおよそ受信部の光入力パワーのアラーム発生しきい値の光
パワーレベル(信号検知アサートレベルPassert)となるように調節し,その値(PA)を記録する。
f)
光スプリッタの出力ポートBを,測定用光ファイバコードを介して,光パワーメータの入力ポートに
接続し,ポートBの光出力(PB)を記録する。
g) PB/PAを計算し,その値を入力光強度(PB)と光パワーメータの表示(PA)との校正係数として,使
用する。
7.18.3.2 各種信号の測定方法
試験に必要な各種信号の測定方法は,次による。
a) 供試受信部を通常の動作条件で駆動し,アラーム出力電圧が供試受信部の個別性能規格又は個別性能
規格に規定するVSDLの最小値から最大値までの範囲内であること(光入力がない状態を示している)
を確認する(図22参照)。
b) 基準送信部の信号入力端子に,パルスパターン発生器からの規定のPRBS信号(マーク率50 %)を加
える。
c) PBがPassertよりも十分小さくなるように可変光減衰器を調整し,そのPBの値をPILとして記録する。
d) PBをPILよりも大きくなるように可変光減衰器を調整し,アラーム出力電圧を記録する。アラーム出
力電圧が,供試受信部の個別性能規格に規定するVSDLからVSDHに変わる光入力パワーをPde-assertとし
て記録する。
e) PBの値が供試受信機の最大受信入力パワーPimaxとなるように可変光減衰器を調整し,アラーム出力電
圧を記録する。アラーム出力電圧が,供試受信部の個別性能規格に規定する又は仕様書に記載する
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
VSDHの最小値から最大値までの範囲内であることを確認する。
f) PBをSOからPILとなるように可変光減衰器を調整し,アラーム出力電圧を記録する。アラーム出力電
圧が,供試受信部の個別性能規格に規定するVSDHからVSDLに変わる光入力パワーをPassertとして記録
する。
g) アラーム出力電圧が,PIL以下で,かつ,VSDLの最小値から最大値までの範囲内であることを確認する。
この結果として,PBとアラーム出力電圧との関係を表すヒステリシス曲線が得られる(図22参照)。こ
のヒステリシス曲線が,供試受信部のアラーム機能が動作する範囲である。
P i max
Pde-assert
VSDL
VSDH
受信部光入力パワー(PB)
PIL
最大
最小
最大
最小
ア
ラ
ー
ム
出
力
電
圧
Passert
P i max
Pde-assert
VSDL
VSDH
受信部光入力パワー(PB)
PIL
最大
最小
最大
最小
ア
ラ
ー
ム
出
力
電
圧
Passert
図22−受信部光入力パワーとアラーム出力電圧との関係
7.18.4 個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 基準送信部への入力信号(伝送速度,波形及びPRBS信号の生成多項式)
b) 動作温度
c) 測定用光ファイバコードの仕様
d) アラーム信号の論理(正論理又は負論理)
7.19 送信部シャットダウン機能
7.19.1 目的
供試送信部のシャットダウン機能を,試験し,送信部がオフ状態での光出力パワーPoffを測定する。
注記 送信部のシャットダウン機能は,送信部の光出力を停止する機能であり,シャットダウン端子
への印加電圧(シャットダウン電圧,Vdis)を,高レベルから低レベルに変えることで実現でき
る。送信部シャットダウンはLaser disable又はTx(Transmitter又はTransmit)disableと呼ぶこ
ともある。
なお,入力信号の論理(正又は負)とシャットダウン動作との関係については,十分注意す
る。
7.19.2 送信部シャットダウン機能の試験及び測定回路
送信部シャットダウン機能の試験及び測定回路を,図23に示す。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
E
供試送信部
測定用光ファイバコード
VdisH又はVdisL
パルスパターン
発生器
データ
クロック
シャットダウン
光パワーメータ
A
E:直流電源
:直流電流計
A
E
供試送信部
測定用光ファイバコード
VdisH又はVdisL
パルスパターン
発生器
データ
クロック
シャットダウン
光パワーメータ
AA
E:直流電源
:直流電流計
A
E:直流電源
:直流電流計
A
図23−送信部シャットダウン機能の試験及び測定回路
7.19.3 送信部シャットダウン機能の試験及び測定方法
送信部シャットダウン機能の試験方法は,次による。
a) 供試送信部を通常の動作条件で動作させ,シャットダウン端子に高レベル電圧VdisHを印加する。
b) 供試送信部の信号入力端子に,パルスパターン発生器からの規定のPRBS信号(マーク率50 %)を加
え,光出力パワーがPaveの規定値の範囲内にあることを確認する。
c) シャットダウン電圧を高レベル電圧VdisHから低レベル電圧VdisLに変化させ,供試送信部をオフ状態に
し,光出力パワーを測定する。送信部の光出力パワーが,個別性能規格に規定するオフ状態での光出
力パワーPoff以下であることを確認する。
d) シャットダウン電圧を低レベル電圧VdisLから高レベル電圧VdisHに戻し,供試送信部の平均出力がPave
の規定値の範囲内にあることを確認する。
注記 光パワーメータによる光出力パワーの測定方法は,7.3.3を参照する。
7.19.4 個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 送信部の入力信号(伝送速度,波形及びPRBS信号の生成多項式)
b) 動作温度
c) 測定用光ファイバコードの仕様
7.20 電気入出力インタフェース
7.20.1 目的
規定する状態で,送信部の電気入力インタフェース及び受信部の電気出力インタフェースを試験する。
7.20.2 レベルの高低
送信部の電気入力インタフェースの試験は,高レベル入力電圧(VIH),低レベル入力電圧(VIL),高レ
ベル入力電流(IIH)及び低レベル入力電流(IIL)を,測定することによって行う。また,受信部の電気出
力インタフェースの試験は,高レベル出力電圧(VOH)及び低レベル出力電圧(VOL)を測定することによ
って行う。
正論理送信部及び正論理受信部のレベル関係を,図24に示す。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a)正論理送信部
入力電圧
VIL
VIH
POL
POH
送信光出力
b)正論理受信部
受信光入力
PIL
PIH
VOL
VOH
出力電圧
a)正論理送信部
入力電圧
VIL
VIH
POL
POH
送信光出力
b)正論理受信部
受信光入力
PIL
PIH
VOL
VOH
出力電圧
図24−レベル関係
7.20.3 送信部の電気入力インタフェース及び受信部の電気出力インタフェースの測定回路
送信部の電気入力インタフェースの測定回路及び受信部の電気出力インタフェースの測定回路を,それ
ぞれ図25及び図26に示す。
A
E
光パワーメータ
供試送信部
測定用光ファイバコード
VIi
VIH又はVIL
IIH又はIIL
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽
図25−送信部の電気入力インタフェースの測定回路
A
E
A
E
光パワーメータ
供試受信部
基準送信部
可変光減衰器
測定用光ファイバコード
A
VOH又はVOL
IOH又はIOL
PIH又はPIL
E:直流電源
:直流電流計
A
恒温槽
注記 破線は,7.20.4.2 b)の接続状態を示している。
図26−受信部の電気出力インタフェースの測定回路
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.20.4 送信部の電気入力インタフェース及び受信部の電気出力インタフェースの測定方法
7.20.4.1 送信部の電気入力インタフェース
送信部の電気入力インタフェースの測定方法は,次による。
a) 入力電圧(VIH又はVIL)の測定
1) 供試送信部を,規定の条件で駆動する。
2) 一つの供試送信部の入力端子に,送信光出力が規定の高レベル(POH)又は規定の低レベル(POL)
になるように,それぞれ高レベル入力電圧(VIH)又は低レベル入力電圧(VIL)を印加して,その他
の全ての入力端子に,それぞれ規定の電圧(VI i)を印加する。
なお,インタフェースの条件によっては,必要な端子を適切な終端抵抗で終端する。
3) 供試送信部の光出力が規定のレベルであるときの入力電圧(VIH又はVIL)を測定する。
4) この測定を,それぞれの入力端子に対して順次行う。
b) 入力電流(IIH又はIIL)の測定
1) 供試送信部を,規定の条件で駆動する。
2) 一つの供試送信部の入力端子に,送信光出力が規定の高レベル(POH)又は規定の低レベル(POL)
になるように,それぞれ高レベル入力電圧(VIH)又は低レベル入力電圧(VIL)を印加して,その他
の全ての入力端子に,それぞれ規定の電圧(VI i)を印加する。
なお,インタフェースの条件によっては,必要な端子を適切な終端抵抗で終端する。
3) そのときの入力端子から流入又は流出する入力電流(IIH又はIIL)を測定する。
4) この測定を,それぞれの入力端子に対して順次行う。
この測定方法は,正論理の場合について規定している。負論理の場合は,高レベル入力電圧(VIH)を低
レベル入力電圧(VIL)に,低レベル入力電圧(VIL)を高レベル入力電圧(VIH)に,高レベル入力電流(IIH)
を低レベル入力電流(IIL)に,及び低レベル入力電流(IIL)を高レベル入力電流(IIH)に,それぞれ読み
替えて,同様の手順で測定を行う。
7.20.4.2 受信部の電気出力インタフェース
受信部の電気入力インタフェースの測定方法は,次による。
出力電圧(VOH又はVOL)の測定は,次による。
a) 供試受信部を規定の条件で駆動する。
b) 可変光減衰器を調節して,光入力端子に出力電圧が高レベル又は低レベルになるように,規定の受信
光入力(PIH又はPIL)を入力する。
c) 出力端子から規定の出力電流(IOH又はIOL)を流出させる(出力形式によっては,流入させる)。ただ
し,インタフェース条件によっては,必要な端子を適切な終端抵抗で終端する。
d) そのときの出力電圧(VOH又はVOL)を,デジタルオシロスコープなどの波形観測装置を用いて測定す
る。
e) 受信部の信号出力が,差動出力の場合は,P(正相)からN(負相)の出力電圧を減算し,差動出力
電圧とする。オシロスコープのチャンネル間の演算機能を使用してもよい。
この測定方法は,正論理の場合について規定している。負論理の場合は,高レベル出力電圧(VOH)を
低レベル出力電圧(VOL)に,低レベル出力電圧(VOL)を高レベル出力電圧(VOH)に,高レベル出力電
流(IOH)を低レベル出力電流(IOL)に,及び低レベル出力電流(IOL)を高レベル出力電流(IOH)に,そ
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
れぞれ読み替えて,同様の手順で測定を行う。
7.20.5 個別性能規格に規定する事項
個別性能規格に規定する事項は,次による。
a) 送信部の電気入力インタフェース
1) 動作温度
2) 供試送信部の駆動条件(電源電圧)
3) 供試送信部の送信光出力
4) 供試送信部の電気入力レベル
5) 測定用光ファイバコードの仕様
6) 供試送信部の空端子の取扱い
b) 受信部の電気入出力インタフェース
1) 動作温度
2) 基準送信部の送信光出力
3) 供試受信部の駆動条件(電源電圧)
4) 供試受信部の受信光入力及び波形
5) 供試受信部の電気出力電流
6) 測定用光ファイバコードの仕様
7) 供試受信部の空端子の取扱い
参考文献 JIS C 5954-1:2008 光伝送用能動部品−試験及び測定方法−第1部:総則
JIS C 6115-2 pin-FETモジュール測定方法
IEC 62150-4:2009,Fibre optic active components and devices−Test and measurement procedures−
Part 4: Relative intensity noise using a time-domain optical detection system
ITU-T Recommendation G.957,SERIES G: TRANSMISSION SYSTEMS AND MEDIA, DIGITAL
SYSTEMS AND NETWORKS Digital transmission systems−Digital sections and digital line
system−Digital line systems, Optical interfaces for equipments and systems relating to the
synchronous digital hierarchy
IEEE 802.3:2008,IEEE Standard for information technology−Specific requirements−Part 3: Carrier
sense multiple access with Collision Detection (CSMA/CD) Access Method and Physical Layer
Specifications