C 5947:2005
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日
本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 62007-2 : 1999,Semiconductor
optoelectronic devices for fibre optic system applications−Part 2 : Measuring methodsを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS C 5947には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
C 5947:2005
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 測定の状態 ····················································································································· 1
4.1 標準状態 ······················································································································ 1
4.2 基準状態 ······················································································································ 2
4.3 判定状態 ······················································································································ 2
5. 測定用機器,装置及び記号 ································································································ 2
5.1 測定用電源 ··················································································································· 2
5.2 計器及び測定器 ············································································································· 2
5.3 光パワーメータ ············································································································· 2
5.4 光スペクトラムアナライザ ······························································································ 2
5.5 図記号 ························································································································· 2
6. 測定方法 ························································································································ 2
6.1 順電流 ························································································································· 2
6.2 順電圧 ························································································································· 3
6.3 逆電圧 ························································································································· 3
6.4 光ファイバ端出力 ·········································································································· 4
6.5 しきい値電流 ················································································································ 4
6.6 スロープ効率 ················································································································ 6
6.7 縦モード間隔及び縦モード数 ··························································································· 6
6.8 ピーク発振波長 ············································································································· 7
6.9 中心波長,スペクトル幅及びスペクトル半値幅 ···································································· 8
6.10 相対強度雑音 ·············································································································· 10
6.11 トラッキングエラー ····································································································· 10
6.12 キンクフリー光出力 ····································································································· 11
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 14
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日本工業規格 JIS
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光ファイバ増幅器用
半導体レーザモジュール測定方法
Measuring methods of laser diode modules for optical fiber amplifier
序文 この規格は,1999年に第1版として発行されたIEC 62007-2,Semiconductor optoelectronic devices for
fibre optic system applications−Part 2 : Measuring methodsを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工
業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧
表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,光源として使用する光ファイバ増幅器用半導体レーザモジュール(以下,半
導体レーザモジュールという。)の測定方法について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 62007-2 : 1999,Semiconductor optoelectronic devices for fibre optic system applications−Part 2 :
Measuring methods (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 0617(すべての部) 電気用図記号
JIS C 1102-1 直動式指示電気計器 第1部:定義及び共通する要求事項
備考 IEC 60051-1 : 1984[Amendment1 (1994) 及びAmendment 2 (1995) を含む。]Direct acting
indicating analogue electrical measuring instruments and their accessories−Part 1 : Definitions and
general requirements common to all partsが,この規格と一致している。
JIS C 5946 光ファイバ増幅器用半導体レーザモジュール通則
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 5946による。
4. 測定の状態
4.1
標準状態 測定は,規定がない限り,温度15〜35 ℃,相対湿度25〜85 %,気圧860〜1 060 hPaの
もとで行う。ただし,この標準状態での測定値の判定に疑義が生じた場合,又は特に要求された場合は,
4.3による。また,基準状態への換算を必要とする場合には,4.2による。
なお,標準状態で測定することが困難の場合には,判定に疑義が生じない限り,標準状態以外の状態で
2
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測定を行ってもよい。
4.2
基準状態 基準状態は,温度25 ℃,相対湿度45 %,気圧860〜1 060 hPaとする。ただし,温度だ
けをもって基準状態としてもよい。
4.3
判定状態 判定状態は,温度25±2 ℃,相対湿度45〜55 %,気圧860〜1 060 hPaとする。
5. 測定用機器,装置及び記号
5.1
測定用電源 直流電源はリプル含有率3 %以下,交流電源は高調波含有率5 %以下のものとする。た
だし,商用周波数の場合は,高調波含有率10 %以下とする。
なお,特に交流出力を測定する試験では,直流電源のリプル含有率,交流電源の高調波含有率及び交流
の流れる直流電源回路の交流インピーダンスは,測定に影響を与えないように小さい値とする。また,サ
ージの侵入に対する十分な防護措置が施されていなければならない。
5.2
計器及び測定器 規定がない限り,計器はJIS C 1102に規定する0.5級のもの,測定器はこれと同
等以上の精度をもつものとし,これらの入力インピーダンスは測定系への影響を無視できる値とする。
備考 標準品として0.5級以上の計器又はこれに相当するような精度をもつ測定器がない場合は,5.2
の規定は適用しない。
5.3
光パワーメータ 測定に使用する光パワーメータは,該当する波長で校正し,かつ,測定する光入
力レベル範囲内で直線性が十分に確保されているものとする。また,被測定半導体レーザモジュールの出
力が,光パワーメータの測定レベル範囲の上限を超える可能性がある場合は,適切な光減衰器を使用して
測定する。
5.4
光スペクトラムアナライザ 測定に使用する光スペクトラムアナライザは,該当する波長で,十分
なダイナミックレンジ(十分に低い迷光)と,横(波長)軸,縦(レベル)軸の確度 ,及び発振スペクト
ルを分離するのに十分な分解能をもつものとする。また,被測定半導体レーザモジュールの出力が,光ス
ペクトラムアナライザの測定レベル範囲の上限を超える可能性がある場合は,適切な光減衰器を使用して
測定する。
5.5
図記号 この規格で用いる図記号は,JIS C 0617による。
6. 測定方法
6.1
順電流 (If)
6.1.1
目的 規定された状態での,半導体レーザモジュールの順電流を測定することを目的とする。
6.1.2
測定回路 半導体レーザモジュールの順電流の測定は,図1によって次の方法で行う。
6.1.3
測定方法 半導体レーザモジュールに規定の光ファイバ端出力Pfを発生させ,そのときの順電流
Ifを測定する。
6.1.4
測定上の注意 半導体レーザモジュールにおいて相当程度の電力消費があり,それに伴う接合部温
度上昇が測定値に大きな影響を与える場合には,次のいずれかの方法によって行い,その方法を明記する。
a)) 直流を用い,温度安定に達した後測定する。ただし,温度安定に達しない場合は,規定の電圧を印加
し始めた後,定められた時間に測定する。
b)) パルスを用いるか,又は接合部温度上昇が無視できるような短い時間で測定する。
パルスを用いるときは,パルス幅及びデューティサイクルを明記する。
6.1.5
個別仕様書に規定すべき項目
a)) 動作温度Top
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b)) 光ファイバ端出力Pf
図 1 順電流及び順電圧測定
6.2
順電圧 (Vf)
6.2.1
目的 規定された状態での,半導体レーザモジュールの順電圧を測定することを目的とする。
6.2.2
測定回路 半導体レーザモジュールの順電圧の測定は,図1によって次の方法で行う。
6.2.3
測定方法 半導体レーザモジュールのレーザ素子端子間に規定の順電流Ifを流し,そのときの順電
圧Vfを測定する。
6.2.4
測定上の注意 半導体レーザモジュールにおいて相当程度の電力消費があり,それに伴う接合部温
度上昇が測定値に大きな影響を与える場合には,次のいずれかの方法によって行い,その方法を明記する。
a)) 直流を用い,温度安定に達した後,測定する。ただし,温度安定に達しない場合は,規定の電流を流
し始めた後,定められた時間に測定する。
b)) パルスを用いるか又は接合部温度上昇が無視できるような短い時間で測定する。
パルスを用いるときは,パルス幅及びデューティサイクルを明記する。
6.2.5
個別仕様書に規定すべき項目
a)) 動作温度Top又はTop (sub)
b)) 順電流If又は光ファイバ端出力Pf
6.3
逆電圧 (Vr)
6.3.1
目的 規定された状態での,半導体レーザモジュールの逆電圧を測定することを目的とする。
6.3.2
測定回路 半導体レーザモジュールの逆電圧の測定は,図2によって6.3.3の方法で行う。
6.3.3
測定方法 半導体レーザモジュールのレーザ素子端子間に規定の逆電流Irを流し,そのときの逆電
圧Vrを測定する。
6.3.4
測定上の注意 半導体レーザモジュールにおいて相当程度の電力消費があり,それに伴う接合部温
度上昇が測定値に大きな影響を与える場合には,次のいずれかの方法によって行い,その方法を明記する。
a)) 直流を用い,温度安定に達した後,測定する。ただし,温度安定に達しない場合は,規定の電流を流
し始めた後,定められた時間に測定する。
b)) パルスを用いるか又は接合部温度上昇が無視できるような短い時間で測定する。パルスを用いるとき
は,パルス幅及びデューティサイクルを明記する。
6.3.5
個別仕様書に規定すべき項目
a)) 動作温度Top
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b)) 逆電流Ir
図 2 逆電圧測定
6.4
光ファイバ端出力 (Pf)
6.4.1
目的 規定された状態での,半導体レーザモジュールの光ファイバ端出力を測定することを目的と
する。
6.4.2
測定回路 半導体レーザモジュールの光ファイバ端出力の測定は,図3によって6.4.3の方法で行
う。
6.4.3
測定方法 半導体レーザモジュールに規定の順電流Ifを流し,光出力Pfを測定する。
6.4.4
測定上の注意 光パワーメータの受光面は,光ファイバ端から放射される全光量を十分に受けられ
る大きさでなければならない。また,光パワーメータの受光部から半導体レーザモジュールへの戻り光量
を十分に小さく抑えるようにしなければならない。
光出力が光パワーメータの最大光入力レベルを超える場合は,適切な光減衰器を用いて光パワーメータ
への入力レベルを適正な範囲に設定する。この際,使用する波長における光減衰器の減衰量をあらかじめ
校正しておき,光パワーメータの測定値を補正する。
6.4.5
個別仕様書に規定すべき項目
a)) 動作温度Top
b)) 順電流If
図 3 半導体レーザモジュールの光出力測定
6.5
しきい値電流 (Ith)
6.5.1 目的 規定された状態での,半導体レーザモジュールのしきい値電流を測定することを目的とする。
6.5.2
測定回路 半導体レーザモジュールのしきい値電流の測定は,図3によって6.5.3の方法で行う。
5
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6.5.3
測定方法 半導体レーザモジュールに流す順方向電流Ifを変化させながら,Ifと光ファイバ端出力
PfをX−Yレコーダ,オシロスコープなどで記録し,次の方法1から方法3のうちいずれかを用いて,し
きい値電流を算出する。
方法1 If−Pf曲線の記録から図4に示すように特性上の2本の直線部を延長してその交点の電流を求め,
しきい値電流Ithとする。
図 4 If−Pf曲線(方法1)
方法2 しきい値近傍でIf−Pf特性の変化が緩やかで方法1の適用が困難な場合は,図5に示すように
レーザ発振出力に相当する部分の直線を延長し,X軸との交点の電流を求め,しきい値電流Ith
とする。
図 5 If−Pf曲線(方法2)
方法3 If−Pf曲線の2次微分を求め,図6に示すように2次微分のピークに相当する電流で最小のも
のを,しきい値電流Ithとする。
6
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図 6 If−Pf曲線(方法3)
6.5.4
測定上の注意 測定に当たっては,測定系からの戻り光量を十分に小さく抑えるように注意しなけ
ればならない。また,順方向電流をディジタル的に変化させて測定を行う場合は,十分な精度及び再現性
が得られるよう考慮せねばならない。
6.5.5
個別仕様書に規定すべき項目
a)) 動作温度Top
b)) しきい値電流の算出に用いた方法
6.6
スロープ効率 (ηd)
6.6.1 目的 規定された状態での,半導体レーザモジュールのスロープ効率を測定することを目的とする。
6.6.2
測定回路 半導体レーザモジュールのスロープ効率の測定は,図3によって6.6.3の方法で行う。
6.6.3
測定方法 半導体レーザモジュールに流す順方向電流Ifを変化させながら,IfとPfをX−Yレコー
ダ,オシロスコープなどで記録し,式(1)によって算出する。
6.6.4
測定上の注意 測定に当たっては,測定系からの戻り光量を十分に小さく抑えるように注意しなけ
ればならない。また,If−Pf曲線が十分にリニアである領域で測定する。
th
f
th
f
d
I
I
P
P
−
−
=
η
············································································ (1)
ここに,ηd : スロープ効率 (W/A)
I th: しきい値電流 (A)
I f : 規定の順電流(又は規定の光出力を得る順電流)(A)
Pth: Ithを流したときの光出力 (W)
Pf : Ifを流したときの光ファイバ端出力(又は規定の光ファイバ端出
力)(W)
備考 “しきい値電流”の代わりに,“しきい値電流よりも高く,かつ,動作電流よりも十分に低い電
流”及び“Ithを流したときの光出力”の代わりに,“しきい値電流よりも高く,かつ,動作電流
よりも十分に低い電流での光出力”としてもよい。
6.6.5
個別仕様書に規定すべき項目
a)) 動作温度Top
6.7
縦モード間隔及び縦モード数
6.7.1
目的 規定された状態での,半導体レーザモジュールの縦モード間隔,縦モード数を測定すること
を目的とする。
6.7.2
測定回路 半導体レーザモジュールの縦モード間隔,縦モード数の測定は,図7によって6.7.3の
方法で行う。
7
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6.7.3
測定方法 半導体レーザモジュールのレーザ素子端子間に規定の順電流If又は規定の光出力を得
る順電流Ifを流し,光スペクトラムアナライザを用い得られたスペクトル(図8参照)から,モードの波
長間隔(縦モード間隔)を求める。また,ピークに対し規定の値のレベルよりも大きいピークの数(縦モ
ード数)を数える。
6.7.4
個別仕様書に規定すべき項目
a)) 動作温度Top
b)) 順電流If又は光ファイバ端出力Pf
図 7 光スペクトラムアナライザによる光スペクトラムの測定
図 8 縦モード間隔及び縦モード数の測定
6.8
ピーク発振波長 (λP)
6.8.1
目的 規定された状態での,半導体レーザモジュールのピーク発振波長を測定することを目的とす
る。
6.8.2
測定回路 半導体レーザモジュールのピーク発振波長の測定は,図7によって6.8.3の方法で行う。
6.8.3
測定方法 半導体レーザモジュールのレーザ素子端子間に規定の順電流If又は規定の光出力を得
る順電流Ifを流し,光スペクトラムアナライザを用いスペクトルを測定し,図9のようにスペクトルがピ
ークの波長を測定する。
6.8.4
個別仕様書に規定すべき項目
a)) 動作温度Top
b)) 順電流If又は光ファイバ端出力Pf
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図 9 ピーク発振波長の測定
6.9
中心波長 (λC),スペクトル幅 (ΔλW) 及びスペクトル半値幅 (Δλ)
6.9.1
目的 規定された状態での,半導体レーザモジュールの中心波長,スペクトル幅及びスペクトル半
値幅を測定することを目的とする。
6.9.2
測定回路 半導体レーザモジュールの中心波長,スペクトル幅及びスペクトル半値幅の測定は,図
7によって6.9.3の方法で行う。
6.9.3
測定方法 半導体レーザモジュールを規定の光出力の状態で駆動し,光スペクトラムアナライザを
用い中心波長λC,スペクトル幅ΔλW及びスペクトル半値幅Δλを測定する。包絡線法,N−dB法及びRMS
法による測定は,図10,図11及び図12に示される方法による。
RMS法による中心波長,スペクトル幅及びスペクトル半値幅は,式(2)及び式(3)によって算出する。
∑
∑
×
=
n
n
n
A
Aλ
λ0
········································································ (2)
(
)
∑
∑
−
×
×
=
n
n
n
A
A
K
2
c
w
λ
λ
λ
·························································· (3)
なお,Kは定数で目的に応じて選択 (1,2,2.35,3) し明示する(2.35を選択した場合はスペクトル形
状をガウス分布とみなしたときのスペクトル半値幅に相当する。)。
6.9.4
測定上の注意 測定では,測定系,光ファイバ端面などからの戻り光量を十分に小さく抑える。
6.9.5
個別仕様書に規定すべき項目
a)) 動作温度Top
b)) 順電流If又は光ファイバ端出力Pf
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図 10 スペクトル幅,スペクトル半値幅及び中心発振波長の測定(包絡線法による。)
図 11 スペクトル幅,スペクトル半値幅及び中心発振波長の測定(N−dB法による。)
図 12 スペクトル幅及び中心発振波長の測定(RMS法による。)
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6.10 相対強度雑音 (RIN)
6.10.1 目的 規定された状態での,半導体レーザの相対強度雑音を測定することを目的とする。
6.10.2 測定回路 半導体レーザの相対強度雑音の測定は,図13によって6.10.3の方法で行う。
6.10.3 測定方法 半導体レーザに規定の順電流If,又は規定の光出力を得る順電流Ifを流し,規定のノイ
ズ中心周波数fn,ノイズ帯域Δfnでの電力Ntを測定器(パワーメータなど)で測定するとともに,このと
き受光素子に流れる直流逆電流Irを同時に測定する。
次に,測定系の雑音を算出するために,半導体レーザをランダムな雑音を発生すると考えられる十分に
広いスペクトル半値幅をもつ非干渉性光源(例えば,平面発光形ダイオードなど)に置き換え,測定した
受光素子の逆電流Irと同じ値が得られるように光源の出力を調整する。この状態で測定器によって電力Nd
を測定し,式(4)に従い相対強度雑音RINを計算し,これを半導体レーザの雑音とする。
(
)
(
)
2
r
n
L
d
t
I
f
G
R
N
N
RIN
−
=
∆
································································ (4)
ここに,RL:負荷抵抗
G :増幅器の利得
Δfn:フィルタの帯域幅
6.10.4 測定上の注意 増幅器には,必要な帯域で十分に平たんな周波数特性をもつものを使用する。また,
測定系の雑音は,可能な限り低雑音とし,測定系から半導体レーザへの戻り光量を極力小さくする。
なお,測定系の雑音又は反射光などが測定結果に影響する場合があるので,必要に応じ測定条件又は測
定回路を明示することが望ましい。
6.10.5 個別仕様書に規定すべき項目
a)) 動作温度Top
b)) 順電流If又は光ファイバ端出力Pf
図 13 相対強度雑音 (RIN) の測定
6.11 トラッキングエラー (Er)
6.11.1 目的 規定された状態での,半導体レーザモジュールのトラッキングエラーを測定することを目的
とする。
6.11.2 測定回路 半導体レーザモジュールのトラッキングエラーの測定は,図14によって6.11.3の方法
で行う。
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6.11.3 測定方法 図14に示すように半導体レーザモジュールの光モニタ端子から半導体レーザモジュー
ルの光出力のモニタ信号を得て,かつ,その信号によって順電流Ifに負帰還をかけてAPC(Automatic Power
Control;自動出力制御)動作を行う。この状態で,動作温度Topを規定された範囲内で変化させ,トラッ
キングエラーEr1,Er2及びErをそれぞれ式(5),式(6)及び 式(7)によって算出する。
(
)
(
)
100
REF
min
REF
r1
×
−
=
P
P
P
E
% ·························································· (5)
(
)
(
)
100
REF
REF
max
r2
×
−
=
P
P
P
E
% ························································· (6)
ここに,Pmax :規定された動作温度範囲内における光ファイバ端出力の最大値
Pmin :規定された温動作度範囲内における光ファイバ端出力の最小値
P(REF):基準の動作温度(通常は25 ℃)における光ファイバ端出力
(
)
|
log
10
|
REF
f
r
=
P
P
MAX
E
·························································· (7)
ここに,P(REF): 基準の動作温度(通常は25 ℃)における光ファイバ端出力
Pf : 規定された温動作度範囲内の特定の温度での光ファイバ端出力
6.11.4 測定上の注意 ケース温度を変化させる間に光パワーメータの感度が変化しないように注意する。
温度槽を用いるときは,光パワーメータを温度槽の外に置くことが望ましい。また,式(5)又は式(6)のいず
れの方法によって測定したかを明記することが望ましい。
6.11.5 個別仕様書に規定すべき項目
a)) 動作温度Top
b)) 順電流If又は光ファイバ端出力Pf
図 14 トラッキングエラーの測定
6.12 キンクフリー光出力 (Pk)
6.12.1 目的 規定された状態での,半導体レーザモジュールの キンクフリー光出力を測定することを目
的とする。
6.12.2 測定回路 半導体レーザモジュールのキンクフリー光出力の測定は,図3及び,図15又は図16
によって6.12.3の方法で行う。
12
C 5947:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.12.3 測定方法 半導体レーザモジュールに流す順電流Ifを変化させながら,光ファイバ端出力Pfを測
定することによって順電流−光出力曲線(If−Pf曲線)を作成する。次に,If−Pf曲線の一次微分曲線(dPf
/dIf曲線)を作成する。しきい値電流よりも高い順電流において,dPf/dIfの値がしきい値における値を
基準にして規定の値以上の偏差を生じる最小の順電流値における光ファイバ端出力をキンクフリー光出力
とする。
6.12.4 測定上の注意 測定に当たっては,測定系からの戻り光量を十分に小さく抑えるように注意しなけ
ればならない。また,順方向電流をディジタル的に変化させて測定を行う場合は,十分な精度及び再現性
が得られるよう考慮しなければならない。
6.12.5 個別仕様書に規定すべき項目
a)) 動作温度Top
図 15 キンクフリー光出力の測定(If−Pf曲線に不連続点がない場合)
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C 5947:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図16 キンクフリー光出力の測定(If−Pf曲線に不連続点がある場合)
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C 5947:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS C 5947 : 2005 光ファイバ増幅器用半導体レーザモジュール測定方法
IEC 62007-2 : 1999,Semiconductor optoelectronic devices for fibre optic system
applications−Part 2 : Measuring methods
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際規
格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごとの評価 技術的差異の内容
2003年現在,伝送用光能動部品のIEC
国際規格がTC47(半導体デバイス)
からTC86(光ファイバシステム)へ
の体系移行の最中にある。これに伴い
規格体系がTC47の部品ごとの規格体
系からTC86の応用システムごとの規
格体系への再編が進められている。
JISでは管轄がTC47のときから部品
ごとに分けて順次,審議してきた経緯
により,審議済みの規格は,部品ごと
の規格としてきている。
なお,IECでは複数の部品が一つの規
格となっており,引き続き審議検討予
定である。いままでJISで審議を行っ
てきた個々の部品を除き,今後新規に
検討を開始するJISについては,TC86
の規格体系に合わせて整合を図って
いく予定である。
1
4
C
5
9
4
7
:
2
0
0
5
1
4
C
5
9
4
7
:
2
0
0
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際規
格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごとの評価 技術的差異の内容
1.適用範囲 光ファイバ増幅器用半
導体レーザモジュール
の測定方法について規
定している。
IEC 62007-2 1
IEC 62007-2は光ファ
イバ増幅器用レーザ
モジュール以外の製
品である,レーザモジ
ュールやLEDや
PIN-FETモジュール
などの光半導体モジ
ュール全般に広く適
用する測定方法とし
てまとめてある。
MOD/削除
IEC規格では複数
の光能動部品に対
する規定となって
いるため,光ファ
イバ増幅器用レー
ザモジュール以外
の製品を適用範囲
から削除した。
削除した製品は別のJISとして制定
済み又は制定予定である。
制定済み:
JIS C 5941(光伝送用半導体レーザ測
定方法),JIS C 5945(光伝送用半導
体レーザモジュール測定方法),JIS C
5951(光伝送用発光ダイオード測定方
法)及びJIS C 5991(光伝送用フォト
ダイオード測定方法)
制定予定:
pin-FETモジュール・光変調器モジュ
ール・デュプレクサモジュール
2.引用規格 JIS C 0617
JIS C 1102-1
JIS C 5946
IEC 62007-2 2
IEC規格には引用規
格はないと記述され
ている。
MOD/追加
IEC規格では,図
記号や計器につい
ては触れていない
が,JISでは補充
を行っている。
通常,一般的に広く使用されている規
格であり,商取引上必要。IECへ提案
を図る。
3.定義
この規格で用いる用語
の定義が記載されてい
る規格 (JIS C 5946) を
規定。
−
−
−
(IEC規格には規定
なし)
MOD/追加
用語の定義が“光
ファイバ増幅器用
レーザモジュール
通則JIS C 5946”
に記載してあるこ
とを追加。
IEC規格では引用すべき規格番号が
抜けている。IECへ提案を図る。
4.測定の状
態
測定状態(標準状態,基
準状態,判定状態)につ
いて規定している。
−
−
−
MOD/追加
測定状態を追加。 この規格の対照であるレーザモジュ
ールで通常広く行われているため追
加する。(IEC 60749 Chapte 1, Section
4の項を変更して設定)。IECへ提案
を図る。
1
5
C
5
9
4
7
:
2
0
0
5
1
5
C
5
9
4
7
:
2
0
0
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際規
格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごとの評価 技術的差異の内容
5.測定用機
器,装置及
び記号
測定に使用する電源や
その他の測定器及び参
照している記号につい
ての注意事項について
記載している。
−
−
−
MOD/追加
測定用機器の精
度,装置及び図記
号の参照規格を追
加。
この規格の対照であるレーザモジュ
ールで一般的に配慮されているため
追加する。(IEC 60749 Chapte 7,
Section 1.2.1の項を変更して設定)。
IECへ提案を図る。
6.測定方法 6.1 順電流
6.2 順電圧
6.3 逆電圧
6.4 光ファイバ端出力
6.5 しきい値電流
6.6 スロープ効率
6.7 縦モード間隔及び
縦モード数
6.8 ピーク発振波長
6.9 中心波長/スペク
トル幅/スペクトル半
値幅
6.10 相対強度雑音
6.11 トラッキングエラ
ー
6.12 キンクフリー光出
力
IEC 62007-2 3.1
−
−
3.1
3.4
3.16
−
−
3.13
3.10
3.9
−
順電流/光ファイバ
端出力
−
−
順電流/光ファイバ
端出力
しきい値電流
スロープ効率
−
−
中心波長/スペクト
ル半値幅
スペクトル幅
相対強度雑音
トラッキングエラー
−
IDT
MOD/追加
MOD/追加
IDT
IDT
IDT
MOD/追加
MOD/追加
IDT
IDT
IDT
IDT
MOD/追加
−
順電圧を追加
逆電圧を追加
−
−
−
縦モード間隔を追
加
ピーク発振波長を
追加
−
−
−
−
キンクフリー光出
力を追加。
−
国内外で広く一般的に使用されてお
り,商習慣上必要。IECへ提案する。
−
−
−
国内外で広く一般的に使用されてお
り,商習慣上必要。IECへ提案する。
−
−
−
−
国内外で広く一般的に使用されてお
り,商習慣上必要。IECへ提案する。
1
6
C
5
9
4
7
:
2
0
0
5
1
6
C
5
9
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7
:
2
0
0
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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C 5947:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際規
格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごとの評価 技術的差異の内容
−
3.2
3.3
3.5
3.6
3.7
3.8
3.11
3.12
3.14
3.15
3.17
3.18
3.19
4.1
4.2
4.3
4.4
4.5
4.6
4.7
4.8
4.9
4.10
4.11
IEC規格では,光ファ
イバ増幅器用レーザ
モジュール以外の製
品である,一般のレー
ザモジュールやLED,
pin-FETモジュールな
どの光能動部品に適
用する測定方法も規
定されている。
MOD/削除
光ファイバ増幅器
用レーザモジュー
ル以外の記載内容
を削除。
削除した部分は別のJISとして制定
済み又は制定予定である。
制定済み:
JIS C 5941(光伝送用半導体レーザ測
定方法),JIS C 5945(光伝送用半導
体レーザモジュール測定方法),JIS C
5951(光伝送用発光ダイオード測定方
法),JIS C 5991(光伝送用フォトダ
イオード測定方法)
制定予定:
pin-FETモジュール・光変調器モジュ
ール・デュプレクサモジュール
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
1
7
C
5
9
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7
:
2
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0
5
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C
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 国際規格と一致している。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
― NEQ…………… 技術的内容及び構成において,国際規格と同等でない。
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C
5
9
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7
:
2
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0
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C
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。