C 5932-3:2018
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 3
4 定格······························································································································· 3
5 光学特性························································································································· 4
6 耐環境性及び耐久性 ·········································································································· 5
7 試料······························································································································· 7
8 試験報告書 ······················································································································ 7
9 表示······························································································································· 8
10 包装 ····························································································································· 8
11 安全 ····························································································································· 8
附属書JA(参考)最大入力光パワー測定における接続 ································································ 9
附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 10
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(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS C 5936-3:2011は廃止され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 5932の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 5932 光アイソレータ通則
JIS C 5932-3 光アイソレータ−第3部:シングルモード光ファイバピッグテール形光アイソレータ
日本工業規格 JIS
C 5932-3:2018
光アイソレータ−第3部:シングルモード
光ファイバピッグテール形光アイソレータ
Optical isolators-
Part 3: Non-connectorized single-mode fiber optic isolators
序文
この規格は,2012年に第1版として発行されたIEC 61753-061-2を基とし,この規格の通則(JIS C 5932)
において,“個別規格の規定による。”としていた光アイソレータの“光学特性”,及び“耐環境性及び耐久
性”に関して,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。また,附属書JAは対応国際規格にはない事項であ
る。
1
適用範囲
この規格は,屋内環境条件で光ファイバを用いた光伝送に使用する偏光無依存形光アイソレータの定格,
光アイソレータが最低限満足する光学特性,耐環境性及び耐久性,表示,包装,並びに安全について規定
する。この規格で規定する要求事項は,シングルモード光ファイバピッグテール形光アイソレータに適用
する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61753-061-2:2012,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Performance
standard−Part 061-2: Non-connectorized single-mode fibre optic pigtailed isolators for category C
−Controlled environments(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 5900 光伝送用受動部品通則
JIS C 5932 光アイソレータ通則
JIS C 6835 石英系シングルモード光ファイバ素線
注記 対応国際規格:IEC 60793-2-50:2008,Optical fibres−Part 2-50: Product specifications−Sectional
specification for class B single-mode fibres
JIS C 61300-2-1 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-1部:正弦
2
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波振動試験
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-1,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 2-1: Tests−Vibration (sinusoidal)
JIS C 61300-2-4 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-4部:光フ
ァイバクランプ強度試験(軸方向引張り)
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-4,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 2-4: Tests−Fibre/cable retention
JIS C 61300-2-9 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-9部:衝撃
試験
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-9,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 2-9: Tests−Shock
JIS C 61300-2-14 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-14部:光
パワー損傷のしきい値試験
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-14,Fibre optic interconnecting devices and passive components−
Basic test and measurement procedures−Part 2-14: Tests−High optical power
JIS C 61300-2-17 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-17部:低
温試験
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-17,Fibre optic interconnecting devices and passive components−
Basic test and measurement procedures−Part 2-17: Tests−Cold
JIS C 61300-2-18 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-18部:高
温試験
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-18,Fibre optic interconnecting devices and passive components−
Basic test and measurement procedures−Part 2-18: Tests−Dry heat−High temperature endurance
JIS C 61300-2-19 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-19部:高
温高湿試験(定常状態)
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-19,Fibre optic interconnecting devices and passive components−
Basic test and measurement procedures−Part 2-19: Tests−Damp heat (steady state)
JIS C 61300-2-22 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-22部:温
度サイクル試験
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-22,Fibre optic interconnecting devices and passive components−
Basic test and measurement procedures−Part 2-22: Tests−Change of temperature
JIS C 61300-2-44 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-44部:光
ファイバクランプ強度試験−繰返し曲げ
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-44,Fibre optic interconnecting devices and passive components−
Basic test and measurement procedures−Part 2-44: Tests−Flexing of the strain relief of fibre optic
devices
JIS C 61300-3-2 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-2部:シン
グルモード光デバイスの光損失の偏光依存性
注記 対応国際規格:IEC 61300-3-2,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 3-2: Examination and measurements−Polarization
3
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dependent loss in a single-mode fibre optic device
JIS C 61300-3-3 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-3部:挿入
損失及び反射減衰量変化のモニタ方法
JIS C 61300-3-6 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-6部:反射
減衰量測定
JIS C 61300-3-28 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-28部:過
渡損失測定
注記 対応国際規格:IEC 61300-3-28,Fibre optic interconnecting devices and passive components−
Basic test and measurement procedures−Part 3-28: Examinations and measurements−Transient loss
JIS C 61300-3-32 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-32部:光
受動部品の偏波モード分散測定
注記 対応国際規格:IEC 61300-3-32,Fibre optic interconnecting devices and passive components−
Basic test and measurement procedures−Part 3-32: Examinations and measurements−Polarization
mode dispersion measurement for passive optical components
IEC 61300-2-42,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and measurement
procedures−Part 2-42: Tests−Static side load for strain relief
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 5900及びJIS C 5932による。
4
定格
シングルモード光ファイバピッグテール形光アイソレータの定格を,表1に示す。
表1−シングルモード光ファイバピッグテール形光アイソレータの定格
項目
記号
条件
定格値
単位
使用温度範囲
Ta
−
0〜60 a)
℃
保存温度範囲
Tstg
−
−40〜85
℃
使用波長範囲b)
λband
−
Oバンド:1 260〜1 360
Eバンド:1 360〜1 460
Sバンド:1 460〜1 530
Cバンド:1 530〜1 565
Lバンド:1 565〜1 625
Uバンド:1 625〜1 675
nm
最大入力光パワー c)
Pmax
試験波長:公称波長
300
mW
注a) 使用温度範囲における湿度範囲は,図1の一定水蒸気量曲線を含む閉曲線の範囲内とする。
b) この使用波長範囲は,ITU-T Recommendation G-series sup.39による。この内容は,要求事項で
はなく,推奨値である。実際の使用波長範囲は,製造業者が指定する。
c) 使用波長範囲がCバンド及びLバンドの場合に適用する。それ以外の使用波長範囲の場合は,
受渡当事者間の協定による。
4
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注a) 温度30 ℃〜60 ℃の一定水蒸気量曲線は,温度30 ℃及び相対湿度85 %の条件下と同じ水蒸気量をもつ温度及
び相対湿度を示す。
図1−温度及び湿度を考慮した環境条件
5
光学特性
シングルモード光ファイバピッグテール形光アイソレータの光学特性の試験方法,試験条件及び要求性
能を,表2に示す。シングルモード光ファイバピッグテール形光アイソレータは,全ての偏光状態,並び
に表1の定格値で規定する使用温度範囲及び使用波長範囲の入射光に対する光学特性試験結果の最小値及
び最大値が,各項目の要求性能を満足する。
表2−シングルモード光ファイバピッグテール形光アイソレータの光学特性
項目
試験方法
試験条件
要求性能
最小値
最大値
挿入損失
挿入損失及び
反射減衰量の
偏光依存性測
定
(JIS C
61300-3-2)
供試品の光ファイバ長は,2 m以上とする。
透過率の最小値から挿入損失を求める。測
定の不確かさa) は,0.1 dB以下とする。
少なくとも使用波長範囲の最短波長,中央
波長及び最長波長の三つの波長,並びに使
用温度範囲の最低温度,中央温度及び最高
温度の三つの温度で測定する。
−
0.7 dB(一段形光ア
イソレータ)
0.8 dB(二段形光ア
イソレータ)
アイソレ
ーション
挿入損失及び
反射減衰量の
偏光依存性測
定
(JIS C
61300-3-2)
供試品の光ファイバ長は,2 m以上とする。
透過率の最小値からアイソレーションを
求める。測定の不確かさa) は,一段形光ア
イソレータの場合0.3 dB以下,二段形光ア
イソレータの場合0.5 dB以下とする。
20 dB(一段形光ア
イソレータ)
40 dB(二段形光ア
イソレータ)
−
5
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表2−シングルモード光ファイバピッグテール形光アイソレータの光学特性(続き)
項目
試験方法
試験条件
要求性能
最小値
最大値
反射減衰
量(RL)
反射減衰量
(JIS C
61300-3-6)
供試品の光ファイバ長は,2 m以上とする。
測定の不確かさa) は,1 dB以下とする。
測定に影響を及ぼさないように,測定に関
係のない反対側の端子には,反射を生じさ
せないための反射終端処理を施す。
少なくとも使用波長範囲の最短波長,中央
波長及び最長波長の三つの波長,並びに使
用温度範囲の最低温度,中央温度及び最高
温度の三つの温度で測定する。
55 dB
−
偏光依存
性損失
(PDL)
光損失の偏光
依存性
(JIS C
61300-3-2)
供試品の光ファイバ長は,2 m以上とする。
測定の不確かさa) は,0.02 dB以下とする。
少なくとも使用波長範囲の最短波長,中央
波長及び最長波長の三つの波長,並びに使
用温度範囲の最低温度,中央温度及び最高
温度の三つの温度で測定する。
−
0.1 dB(一段形光ア
イソレータ)
0.15 dB(二段形光ア
イソレータ)
偏波モー
ド分散
(PMD)
偏波モード分
散測定
(JIS C
61300-3-32)
供試品の光ファイバ長は,2 m以上とする。
測定の不確かさa) は,0.05 ps以下とする。
使用波長範囲の中央波長において,常温で
測定する。
−
0.2 ps(一段形光ア
イソレータ)
0.1 ps(二段形光ア
イソレータ)
最大入力
光パワー
(非同時
入射)
最大入力光パ
ワー
(JIS C
61300-2-14)
試験波長:公称波長
光パワー保持時間:各光パワーレベルで30
min
温度:30 ℃±2 ℃
相対湿度:(85±2)%
光パワーを供試品に,まず順方向に入射し
て挿入損失及び反射減衰量を測定し,次に
逆方向に入射してアイソレーションを測
定するb)。
受渡当事者間の協定によって,他の波長に
おける試験を実施してもよい。
最大入力光パワー:300 mW
試験中及び試験前後の挿入損失は,この表
に示す最大値以下とし,かつ,試験前後及
び試験中のアイソレーション及び反射減
衰量は,この表に示す最小値以上とする。
さらに,試験中及び試験後の挿入損失の変
化は初期値の±0.3 dB以内とする。
最大入力
光パワー
(順方向
逆方向同
時入射)
最大入力光パ
ワー
(JIS C
61300-2-14)
試験波長:公称波長
光パワー保持時間:30 min
温度:30 ℃±2 ℃
相対湿度:(85±2)%
順方向逆方向同時に,最大入力光パワーを
供試品に入射し,JIS C 61300-3-2を用いて
挿入損失及びアイソレーションを測定し,
JIS C 61300-3-6を用いて反射減衰量を測定
するb)。
受渡当事者間の協定によって,他の波長に
おける試験を実施してもよい。
最大入力光パワー:300 mW
試験後の挿入損失は,この表に示す最大値
以下とし,かつ,試験後のアイソレーショ
ン及び反射減衰量は,この表に示す最小値
以上とする。さらに,試験前後の挿入損失
の変化は初期値の±0.3 dB以内とする。
注a) 測定の不確かさUは,一定の信頼の水準(例えば,95 %)において測定結果が分布すると期待される区間,
(−U,+U)を与える量である。
b) 試験中の接続方法については,附属書JAを参照。
6
耐環境性及び耐久性
屋内環境条件で使用するための耐環境性及び耐久性の試験方法,試験条件及び要求性能を,表3に示す。
6
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試験中の挿入損失及びアイソレーションの測定は,JIS C 61300-3-3による。
注記 この規格では,“供試品の端子から2 m以上の光ファイバも試験環境に暴露する。”との対応国
際規格の規定を適用しない。
表3−シングルモード光ファイバピッグテール形光アイソレータの耐環境性及び耐久性
項目
試験方法
試験条件
要求性能
耐寒性
低温試験
(JIS C
61300-2-17)
温度:0 ℃±2 ℃
暴露時間:96 h
挿入損失,アイソレーション及び反射減衰
量は,試験前後に表1の条件で測定する。
試験前後の挿入損失は,表2に示す最大値
以下とし,かつ,試験前後のアイソレーシ
ョン及び反射減衰量は,表2に示す最小値
以上とする。さらに,試験後の挿入損失の
初期値からの変化は±0.3 dB以内とする。
耐熱性
高温試験
(JIS C
61300-2-18)
温度:60 ℃±2 ℃
暴露時間:96 h
挿入損失,アイソレーション及び反射減衰
量は,試験前後に表1の条件で測定する。
試験前後の挿入損失は,表2に示す最大値
以下とし,かつ,試験前後のアイソレーシ
ョン及び反射減衰量は,表2に示す最小値
以上とする。さらに,試験後の挿入損失の
初期値からの変化は±0.3 dB以内とする。
耐湿性
(定常状
態)
高温高湿試験
(JIS C
61300-2-19)
温度:30 ℃±2 ℃
相対湿度:(85±2)%
暴露時間:96 h
挿入損失及びアイソレーションは,試験中
及び試験前後に表1に示す条件で測定す
る。反射減衰量は,試験前後に表1に示す
条件で測定する。試験中の測定間隔は10
min以内とする。
試験中及び試験前後の挿入損失は,表2
に示す最大値以下とし,かつ,試験前後の
アイソレーション及び反射減衰量は,表2
に示す最小値以上とする。さらに,試験中
及び試験後の挿入損失の初期値からの変
化は±0.3 dB以内とする。試験中のアイソ
レーションは表2に示す最小値以上とす
る。
温度サイ
クル
温度サイクル
試験
(JIS C
61300-2-22)
高温:60 ℃±2 ℃
低温:0 ℃±2 ℃
放置時間:1 h以上
温度変化率:1 ℃/min
サイクル数:5
挿入損失及びアイソレーションは,試験中
及び試験前後に表1に示す条件で測定す
る。反射減衰量は,試験前後に表1に示す
条件で測定する。試験中の測定間隔は10
min以内とする。
試験中及び試験前後の挿入損失は,表2
に示す最大値以下とし,かつ,試験前後の
アイソレーション及び反射減衰量は,表2
に示す最小値以上とする。さらに,試験中
及び試験後の挿入損失の初期値からの変
化は±0.3 dB以内とする。試験中のアイソ
レーションは表2に示す最小値以上とす
る。
耐振性
正弦波振動試
験
(JIS C
61300-2-1)
振動範囲:10 Hz〜55 Hz
振動軸:直交3軸
掃引サイクル数:15/軸
変化率:1オクターブ/min
振動振幅:0.75 mm
挿入損失及びアイソレーションは,試験中
及び試験前後に表1に示す条件で測定す
る。試験中の挿入損失及びアイソレーショ
ンの変化は,JIS C 61300-3-28に従い測定
する。反射減衰量は,試験前後に表1に示
す条件で測定する。試験中の測定間隔は10
min以内とする。
試験中及び試験前後の挿入損失は,表2
に示す最大値以下とし,かつ,試験前後の
アイソレーション及び反射減衰量は,表2
に示す最小値以上とする。さらに,試験中
及び試験後の挿入損失の初期値からの変
化は±0.3 dB以内とする。試験中のアイソ
レーションは表2に示す最小値以上とす
る。
7
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表3−シングルモード光ファイバピッグテール形光アイソレータの耐環境性及び耐久性(続き)
項目
試験方法
試験条件
要求性能
耐衝撃性
耐衝撃性
(JIS C
61300-2-9)
ピーク加速度:5 000 m/s2
パルス作用時間:1 ms,正弦半波
軸数:3軸各2方向
衝撃回数:2衝撃/軸
総数:12
挿入損失,アイソレーション及び反射減衰
量は,試験前後に表1の条件で測定する。
試験前後の挿入損失は,表2に示す最大値
以下とし,かつ,試験前後のアイソレーシ
ョン及び反射減衰量は,表2に示す最小値
以上とする。さらに,試験後の挿入損失の
初期値からの変化は±0.3 dB以内とする。
光ファイ
バクラン
プ強度
(繰返し
曲げ)
光ファイバク
ランプ強度試
験−繰返し曲
げ
(JIS C
61300-2-44)
荷重力:光ファイバコードに対して2 N
曲げ角度:±90°
サイクル数:30
挿入損失,アイソレーション及び反射減衰
量は,試験前後に表1の条件で測定する。
試験前後の挿入損失は,表2に示す最大値
以下とし,かつ,試験前後のアイソレーシ
ョン及び反射減衰量は,表2に示す最小値
以上とする。さらに,試験後の挿入損失の
初期値からの変化は±0.3 dB以内とする。
光ファイ
バクラン
プ強度
(軸方向
引張り)
光ファイバク
ランプ強度
(軸方向引張
り)
(JIS C
61300-2-4)
引張力:光ファイバコードに対して5 N/s
の変化率で10 N±1 N
光ファイバ心線に対して0.5 N/sの変化率
で5 N±0.5 N
光ファイバ素線に対して0.5 N/sの変化率
で2 N±0.2 N
引張力を加える位置:供試品の端から0.3 m
引張力持続時間:10 Nの場合120 s,5 N及
び2 Nの場合60 s
取付方法:供試品は,荷重が光ファイバコ
ード,光ファイバ心線,又は光ファイバ素
線の軸方向だけにかかるよう,強固に固定
する。
挿入損失,アイソレーション及び反射減衰
量は,試験前後に表1の条件で測定する。
試験前後の挿入損失は,表2に示す最大値
以下とし,かつ,試験前後のアイソレーシ
ョン及び反射減衰量は,表2に示す最小値
以上とする。さらに,試験後の挿入損失の
初期値からの変化は±0.3 dB以内とする。
光ファイ
バクラン
プ強度
(横方向
引張り)
光ファイバク
ランプ強度試
験−横方向引
張り
(IEC
61300-2-42)
荷重力及び保持時間:光ファイバコードに
対して1 Nで1 h
光ファイバ心線に対して0.2 Nで5 min
荷重方向:互いに直交する2方向
挿入損失,アイソレーション及び反射減衰
量は,試験前後に表1の条件で測定する。
試験前後の挿入損失は,表2に示す最大値
以下とし,かつ,試験前後のアイソレーシ
ョン及び反射減衰量は,表2に示す最小値
以上とする。さらに,試験後の挿入損失の
初期値からの変化は±0.3 dB以内とする。
7
試料
試料の入出力端子は,JIS C 6835のSSMA形,SSMA·U形,SSMF·A形若しくはSSMF·B形シングルモ
ード光ファイバ素線又はそれらを用いた光ファイバ心線若しくは光ファイバコードとする。
注記 表2での光ファイバの記載は,光ファイバ素線,光ファイバ心線又は光ファイバコードの意味
である。
8
試験報告書
製造業者又は販売業者は,試験を実施し合格した証拠として使用者又は購入業者が受入検査に利用する
8
C 5932-3:2018
ことができるように,試験報告書及びそれを裏付けるデータを使用者又は購入業者に提供する。
試験報告書には,光学特性は試験条件及び性能値を,耐環境性及び耐久性は試験条件,試料数及び合格
判定数を記載する。
9
表示
シングルモード光ファイバピッグテール形光アイソレータには,次の項目を表示する。ただし,個々の
シングルモード光ファイバピッグテール形光アイソレータに表示することが困難な場合は,包装に表示し
てもよい。
a) 形名(製造業者の指定による。)
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造年月若しくは製造ロット番号又はそれらの略号
d) 順方向を示す矢印又は入出力端子番号の識別を示す表記
10
包装
包装は,輸送中及び保管中に,振動,衝撃などによる製品の破損又は品質の低下のおそれがないように
行う。また,短期間に劣化するおそれがある材料を含む場合には,安全管理及び保管環境条件に関する注
意及び要求事項とともに,有効期限を包装に表示する。
11
安全
光伝送システム又は光伝送装置に用いる場合,出力端子からの人体へ影響を及ぼす光の放射があり得る。
そのため,製造業者は,システム設計者及び使用者に対して,安全性に関する十分な情報及び確実な使用
方法を明示しなければならない。
9
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附属書JA
(参考)
最大入力光パワー測定における接続
図JA.1,図JA.2及び図JA.3は,最大入力光パワー測定における接続を示す。図JA.1,図JA.2及び図
JA.3で,DUTは供試光アイソレータ,S1及びS2は光源,D1,D2及びD3は光パワーメータ,BD,BD1
及びBD2は波長選択性のない光ブランチングデバイス,T,T1及びT2は光終端器を表す。また,P1,P2
及びP3は,それぞれ光パワーメータD1,D2及びD3で測定する光パワーを表す。接続3については,必
要に応じて,図JA.3に示すS1及びS2に高パワーの光が入射されないような手段を講じる。
図JA.1−順方向に光を入射して挿入損失及び反射減衰量を測定する場合の接続(接続1)
図JA.2−逆方向に光を入射してアイソレーションを測定する場合の接続(接続2)
図JA.3−順方向及び逆方向に最大入力光パワーを入射する場合の接続(接続3)
参考文献 IEC 61753-1,Fibre optic interconnecting devices and passive components performance standard−Part
1: General and guidance for performance standards
ITU-T Recommendation G-series sup.39:2003,Optical system design and engineering considerations
JIS C 5933 光アイソレータ試験方法
10
C 5932-3:2018
附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 5932-3:2018 光アイソレータ−第3部:シングルモード光ファイバピッグ
テール形光アイソレータ
IEC 61753-061-2:2012,Fibre optic interconnecting devices and passive components−
Performance standard−Part 061-2: Non-connectorized single-mode fibre optic pigtailed
isolators for category C−Controlled environments
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 箇条4の定格などの
規定について追加
する。
1
試験,試験報告書及び性
能要求
変更
定格,表示,包装及び安全を追加し
た。
JISの個別規格は製品規格であり,
製品規格に必須の規定事項とし
て,定格,表示,包装及び安全を
追加した。対応国際規格は製品規
格ではないため,改訂提案はしな
い。
3 用語及び
定義
用語及び定義を規
定する。
−
−
追加
用語及び定義に関する内容を規定
した。
対応国際規格の見直し時に提案を
行う。
4 定格
使用波長範囲など
の定格値を規定す
る。
−
−
追加
対応国際規格の箇条3のうち,波長
帯名称に関する部分を残し,JIS標
準の温湿度範囲に関する規定を追
加した。
製品規格に必須の規定事項である
ため独立した箇条とした。対応国
際規格は製品規格ではないため,
改訂提案はしない。
試験波長は“公称波長”とし,C
バンド及びLバンドについてだけ
適用するとした。
5 光学特性 サンプル数は規定
しない。
5.1
サンプル数
削除
サンプル数について削除した。
IEC 61753-1との整合性を考慮し,
サンプル数は規定しない。
2
C
5
9
3
2
-3
:
2
0
1
8
11
C 5932-3:2018
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 光学特性 光学特性の試験方
法,試験条件及び要
求性能を規定する。
5
JISとほぼ同じ。
変更
対応国際規格のTable 2を表2(光
学特性)及び表3(耐環境性及び耐
久性)の二つの表に分割し,そのう
ちの表2を記載した。技術的差異は
ない。
挿入損失及びアイソレーションの
試験方法の引用規格を変更した。
最大入力光パワーの試験条件,及び
要求性能を変更した。
試験条件中の不確かさの表記を変
更した。
対応国際規格では,any polarization
という条件を課しているのにもか
かわらず,偏光依存性の規定がな
いIEC 61300-3-7で測定するよう
に規定していたため,より適切な
JIS C 61300-3-2を試験方法の引用
規格とした。
挿入損失が試験中も規定を満たす
ことを要求事項とした。
また,不確かさには±の符号をつ
けないこととした。
いずれも,対応国際規格の見直し
時に提案を行う。
6 耐環境性
及び耐久性
耐環境性及び耐久
性に対する試験方
法,試験条件及び要
求性能を規定する。
5
JISとほぼ同じ。
変更
対応国際規格のTable 2を表2(光
学特性)及び表3(耐環境性及び耐
久性)の二つの表に分割し,そのう
ちの表3を記載した。技術的差異は
ない。
耐寒性,耐湿性(定常状態)及び温
度サイクルの試験条件を変更した。
耐湿性(定常状態),温度サイクル
試験及び耐振性において,測定サン
プリング間隔を規定した。
耐寒性,耐湿性(定常状態)及び
温度サイクルの環境試験条件につ
いては,我が国の環境条件に合わ
せ,それ以外の試験条件は対応国
際規格に従った。
いずれも,対応国際規格の見直し
時に提案を行う。
7 試料
試料に関する内容
を規定する。
3
JISとほぼ同じ。
変更
箇条番号及び題名の変更,波長帯名
称の箇条4への移動,並びに注記の
追加を行った。技術的差異はない。
−
8 試験報告
書
試験報告書を規定
する。
4
JISとほぼ同じ。
変更
箇条番号の変更を行った。また,試
験報告書に記載する項目について
追記した。
−
2
C
5
9
3
2
-3
:
2
0
1
8
12
C 5932-3:2018
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
9 表示
表示項目を規定す
る。
−
−
追加
製品規格に必須の規定事項を追加
した。
対応国際規格は製品規格ではない
ため,改訂提案はしない。
10 包装
包装及び保管上の
注意に関する内容
を規定する。
−
−
追加
製品規格に必須の規定事項を追加
した。
対応国際規格は製品規格ではない
ため,改訂提案はしない。
11 安全
安全に関する内容
を規定する。
−
−
追加
製品規格に必須の規定事項を追加
した。
対応国際規格は製品規格ではない
ため,改訂提案はしない。
−
−
附属書A
(規定)
サンプル数
削除
対応国際規格の附属書Aに記載さ
れた“サンプル数”を削除した。
IEC 61753-1との整合性を考慮し,
サンプル数は規定しない。
附属書JA
(参考)
最大入力光パワー
測定における接続
−
−
追加
最大入力光パワー測定における接
続について記載した。
対応国際規格の見直し時に提案を
行う。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 61753-061-2:2012,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
C
5
9
3
2
-3
:
2
0
1
8