C 5932-2:2019
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 試験の状態 ······················································································································ 2
4.1 標準状態 ······················································································································ 2
4.2 基準状態 ······················································································································ 2
4.3 判定状態 ······················································································································ 2
4.4 試験場所の状態 ············································································································· 2
5 外観及び構造 ··················································································································· 2
6 共通装置························································································································· 2
6.1 一般事項 ······················································································································ 2
6.2 光源(S) ····················································································································· 2
6.3 光パワーメータ(D) ····································································································· 3
6.4 偏光回転器 ··················································································································· 3
6.5 光ブランチングデバイス ································································································· 3
7 光学特性試験 ··················································································································· 3
7.1 挿入損失 ······················································································································ 3
7.2 アイソレーション ·········································································································· 6
7.3 反射減衰量 ··················································································································· 8
7.4 偏光依存性損失 ············································································································· 8
7.5 偏波モード分散 ············································································································· 8
7.6 最大入力光パワー ·········································································································· 9
8 耐環境性及び耐久性試験 ··································································································· 10
9 試験報告書 ····················································································································· 10
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS C 5933:2012は廃止され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 5932の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 5932 光アイソレータ通則
JIS C 5932-2 第2部:試験方法
JIS C 5932-3 第3部:シングルモード光ファイバピッグテール形光アイソレータ
日本工業規格 JIS
C 5932-2:2019
光アイソレータ−第2部:試験方法
Optical isolators-Part 2: Test methods
序文
この規格は,2012年に改正されたJIS C 5933を基に,光通信技術の進歩に伴う必要な光学特性の試験に
ついて規定を追加し,JIS C 5932-2として制定した。
なお,対応国際規格は現時点では制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,光ファイバを用いた光伝送に用いる光アイソレータ(以下,光アイソレータという。)の試
験方法について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 5860 空間ビーム光用受動部品通則
JIS C 5877-1 偏光子−第1部:通則
JIS C 5900 光伝送用受動部品通則
JIS C 5932 光アイソレータ通則
JIS C 60068-1 環境試験方法−電気・電子−第1部:通則及び指針
JIS C 61300-1 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第1部:通則
JIS C 61300-2-14:2011 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-14
部:光パワー損傷のしきい値試験
JIS C 61300-3-1 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-1部:外観
検査及び機械的検査
JIS C 61300-3-2 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-2部:シン
グルモード光デバイスの光損失の偏光依存性
JIS C 61300-3-6 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-6部:反射
減衰量測定
JIS C 61300-3-32 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-32部:光
受動部品の偏波モード分散測定
JIS Z 8120 光学用語
2
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3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 5860の箇条3(用語及び定義),JIS C 5877-1の箇条3(用
語及び定義),JIS C 5900の箇条3(用語及び定義),JIS C 5932の箇条3(用語及び定義)及びJIS Z 8120
の4.(用語及び定義)によるほか,次による。
3.1
偏光回転器(polarization rotator)
入射直線偏光に対し,出射直線偏光の偏光方向を任意の方向に回転できる光学素子。
4
試験の状態
4.1
標準状態
試験及び測定は,特に規定がない場合,JIS C 61300-1の箇条4(標準的環境条件)に規定する試験及び
測定の標準的環境条件で行う。ただし,この標準状態での測定値による判定に疑義を生じた場合,又は特
に要求がある場合は,4.3による。また,試験の状態(温度及び気圧)が標準状態と差があるとき,試験結
果又は測定値の換算方法を個別に規定した場合の基準状態は,4.2による。さらに,標準状態で測定するこ
とが困難で,判定に疑義を生じない場合は,標準状態以外の状態で試験及び測定を行ってもよい。
4.2
基準状態
基準状態は,JIS C 60068-1の4.1(標準基準大気条件)による。ただし,温度だけをもって基準状態と
してもよい。
4.3
判定状態
判定状態は,JIS C 60068-1の4.2(判定のための測定及び試験に用いる標準大気条件)に規定する条件
のうち,温度20 ℃±2 ℃,相対湿度60 %〜70 %,及び気圧86 kPa〜106 kPaとする。
4.4
試験場所の状態
試験場所は,ごみ,ほこりなどがないよう,十分清潔に保つ。
5
外観及び構造
外観及び構造の試験方法は,JIS C 61300-3-1による。
6
共通装置
6.1
一般事項
共通装置は,別途規定がない場合,次及び6.2〜6.4による。
各試験機器及び装置間の接続点は,マッチングオイルなどによって無反射の状態とする。スプライス(融
着接続),斜め研磨光コネクタなどを用いる方法で,無反射になるようにしてもよい。
6.2
光源(S) 光源は,別途規定がない場合,出力が安定している次のレーザを用いる。
a) 出力光の偏光消光比が十分であるもの。光源の出力光の偏光消光比は,別途規定がない場合,20 dB
以上とする。偏光消光比が不十分である場合は,偏光子を用いて十分な偏光消光比を確保する。
b) スペクトル半値全幅は,測定に影響を与えないような十分小さいもの。
c) 出力光パワーは,供試光アイソレータの最大入力光パワーを超えないもの。
d) 供試光アイソレータに空間ビーム光を入射させる場合,光アイソレータの入射端面の有効径に対して
十分小さいビーム径の平行ビームを出射するもの。
光源は,測定の間,中心波長,スペクトル半値全幅,出力光パワー,ビーム径(空間ビーム光を用いる
3
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場合)及びビーム広がり角(空間ビーム光を用いる場合)が安定しているものを用いる。
6.3
光パワーメータ(D) 光パワーメータは,別途規定がない場合,測定範囲での直線性誤差が±0.05
dB以内のものを用い,それ以外の場合は,精度を試験報告書に記載する。光パワーメータは,測定に必要
な感度及びダイナミックレンジをもつものを用いる。
受光素子は,受光面全体にわたり偏光依存性がなく,感度分布が一様で,有効受光径が受光面での入射
光分布に対して十分大きいものを用いる。
空間ビーム光を光パワーメータに入射する場合で,受光素子の受光面全体にわたる感度分布の一様性に
疑義を生じるとき,受光素子への入射位置が一定となるような機構を設けなければならない。
6.4
偏光回転器 偏光回転器は,出射光の偏光方向を連続的に180°以上回転できるものを用いる。試験
では,光源の出射光を偏光回転器に通して供試光アイソレータに入射する。また,偏光回転器の出射光の
偏光消光比は,別途規定がない場合,20 dB以上とする。偏光消光比が不十分である場合は,偏光子を用
いて十分な偏光消光比を確保する。
6.5
光ブランチングデバイス 試験では,光源の出力光を光ブランチングデバイスで分岐し,入力光パ
ワーをモニタする。使用する光ブランチングデバイスの分岐比は,試験に用いる光パワー及び波長に対し
て安定しており,偏光依存性をもたないようにする。光ブランチングデバイスは,その性能が試験中は安
定していなければならない。供試光アイソレータに高パワーを入力し,低パワーをモニタに用いるため,
光ブランチングデバイスの分岐比は1:99が望ましい。
7
光学特性試験
7.1
挿入損失
7.1.1
装置
この試験の方法1に用いる装置は,JIS C 61300-3-2による。また,方法2及び方法3では,次の装置を
用いる。
a) 光源
b) 光パワーメータ
c) 偏光回転器
7.1.2
準備
測定結果に疑義が生じないように,必要がある場合は,供試光アイソレータを測定温度に2時間以上放
置する。また,測定の前後を通じて供試光アイソレータに過度の通風,日光,その他の熱源からの直接の
熱放射など,測定に影響を及ぼすような要因が入らないようにする。
光の入出射部は,ごみ,ほこりなどがないよう,十分清潔に保つ。
7.1.3
試験
光アイソレータの挿入損失は,次に示す方法1,方法2又は方法3のいずれかによって測定する。方法1
は,入出力端子の接続形態が光ファイバピッグテール,プラグ及び/又はレセプタクルの光アイソレータ
の挿入損失を測定する方法である。方法2及び方法3は,空間ビーム光で入出射する光アイソレータの挿
入損失を測定する方法である。
注記 挿入損失の測定系の機構的な構成において,方法1及び方法2では光アイソレータに入射する
光の偏光状態を変化させる機構を含むのに対し,方法3では光軸を中心に光アイソレータを回
転させる機構を含む。
空間ビーム光を供試光アイソレータに入射する場合,次のように調整する。
4
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− 特に指定がない場合,入射ビーム光が供試光アイソレータ端面から光源に直接反射しない範囲で,で
きる限り端面に垂直に近い角度で入射するように調整する。
− 供試光アイソレータに入射する光の偏光面の回転又は供試光アイソレータの回転に伴って光軸がずれ
る場合,有効受光径内に受光ビームが存在するように,その都度光パワーメータの受光部の位置を調
整する。
− 供試光アイソレータに入射する空間ビーム光の方向に指定がある場合,入射ビームを指定の方向に調
整する。
挿入損失は,個別規格に規定する使用波長範囲の最短波長,最長波長及び中心波長の三つの波長におい
て測定する。
a) 方法1 方法1による光アイソレータの挿入損失の測定は,次による。
1) 供試品の入出力端子の接続形態は,図1のいずれかである。ここで,供試品として光アイソレータ
を順方向に配置する。
2) JIS C 61300-3-2によって測定を行う。
3) 挿入損失は,次のとおり算出する。
− 偏光依存形光アイソレータで入力偏光状態に指定がない場合,偏光状態を変化させて得た透過率
の最大値Tmaxから,式(1)で挿入損失afを求める。
af=−10 log10 Tmax ······································································ (1)
ここに,
af: 挿入損失(dB)
Tmax: 偏光状態を変化させて得た透過率の最大値
− 偏光依存形光アイソレータで入力偏光状態に指定がある場合,指定の偏光状態で入力させて得た
透過率Tから,式(2)で挿入損失afを求める。
af=−10 log10 T·········································································· (2)
ここに,
af: 挿入損失(dB)
T: 指定の偏光状態で入力させて得た透過率
− 偏光無依存形光アイソレータの場合,偏光状態を変化させて得た透過率の最小値Tminから,式(3)
で挿入損失afを求める。
af=−10 log10 Tmin······································································· (3)
ここに,
af: 挿入損失(dB)
Tmin: 偏光状態を変化させて得た透過率の最小値
5
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a) レセプタクル−レセプタクル
b) レセプタクル−プラグ
c) レセプタクル−光ファイバピッグテール
d) プラグ−レセプタクル
e) プラグ−プラグ
f) プラグ−光ファイバピッグテール
g) 光ファイバピッグテール−レセプタクル
h) 光ファイバピッグテール−プラグ
i) 光ファイバピッグテール−光ファイバピッグテール
図1−供試品の接続形態
b) 方法2 方法2による光アイソレータの挿入損失の測定は,次による。
1) 図2のように測定系を構成し,偏光回転器によって入射側の偏光方向を180°にわたって回転させ,
各角度での入射する光パワーP1を測定する。ここで,偏光依存形光アイソレータで入射偏光角度に
指定がある場合,指定の偏光角度になるように偏光回転器を調整して入射光パワーP1を測定する。
2) 図2の構成に供試品として光アイソレータを順方向に挿入して図3の構成とし,P1を測定した各角
度での出射する光パワーP2を測定する。偏光依存形光アイソレータで入射偏光角度に指定がある場
合,指定の偏光角度での出射光パワーP2を測定する。
3) 各角度での挿入損失afを,式(4)で求める。
1
2
10
f
log
10
P
P
a
−
=
········································································· (4)
ここに,
af: 挿入損失(dB)
P1: 入射する光パワー(W)
P2: 出射する光パワー(W)
供試品
供試品
供試品
供試品
供試品
供試品
供試品
供試品
供試品
6
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4) 挿入損失は,次のとおり算出する。
− 偏光依存形光アイソレータで特に指定のない場合,各角度での挿入損失の最小値とする。
− 偏光依存形光アイソレータで入射偏光角度に指定がある場合,指定の偏光角度で入射させて得た
挿入損失の値とする。
− 偏光無依存形光アイソレータの場合,各角度での挿入損失の最大値とする。
偏光回転器
S
D
光源
光パワーメータ
図2−入射する光パワーの測定
偏光回転器
S
D
光源
光パワーメータ
供試品
図3−出射する光パワーの測定
c) 方法3 方法3による光アイソレータの挿入損失の測定は,次による。
1) 光アイソレータに入射する光の偏光面を固定して測定する。まず,図2のように測定系を構成し,
入射する光パワーP1'を測定する。
2) 図2の構成に供試品として光アイソレータを順方向に挿入して図3の構成とし,光軸を中心に光ア
イソレータを回転させ,出射する最大の光パワーP2'を測定する。
3) 挿入損失afを,式(5)で求める。
'
P
'
P
a
1
2
10
f
log
10
−
=
········································································ (5)
ここに,
af: 挿入損失(dB)
P1': 入射する光パワー(W)
P2': 出射する光パワー(W)
7.2
アイソレーション
7.2.1
装置
この試験の方法4に用いる装置は,JIS C 61300-3-2による。また,方法5及び方法6に用いる装置は,
箇条6の条件を満たす次のものを用いる。
a) 光源
b) 光パワーメータ
c) 偏光回転器
7.2.2
準備
7.1.2による。
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7.2.3
試験
光アイソレータのアイソレーションは,次に示す方法4,方法5又は方法6のいずれかによって測定す
る。方法4は,入出力端子の接続形態が,光ファイバピッグテール,プラグ及び/又はレセプタクルの光
アイソレータのアイソレーションを測定する方法である。方法5及び方法6は,空間ビーム光で入出射す
る光アイソレータのアイソレーションを測定する方法である。
注記 アイソレーションの測定系の機構的な構成において,方法4及び方法5では光アイソレータに
入射する光の偏光状態を変化させる機構を含むのに対し,方法6では光軸を中心に光アイソレ
ータを回転させる機構を含む。
空間ビーム光を供試光アイソレータに入射する場合,次のように調整する。
− 特に指定がない場合,入射ビーム光が供試光アイソレータ端面から光源に直接反射しない範囲で,端
面にできる限り垂直に近い角度で入射するように調整する。
− 供試光アイソレータに入射する光の偏光面の回転又は供試光アイソレータの回転に伴って光軸がずれ
る場合,有効受光径内に受光ビームが存在するように,その都度光パワーメータの受光部の位置を調
整する。
− 供試光アイソレータに入射する空間ビーム光の方向に指定がある場合,7.1.3の挿入損失測定系におけ
る透過ビームがアイソレーション測定系における入射ビームとなるように光源を配置する。また,挿
入損失測定系における入射ビームの位置に光パワーメータ受光部を配置する。アイソレーションの測
定においては,挿入損失測定系の入射ビーム断面内を逆方向に通過する光だけを光パワーメータで受
光するように,受光部の位置及び受光範囲に注意する。特に,順方向伝搬光に対して逆方向伝搬光の
光路を変位させることでアイソレーションを得る空間ビーム光用光アイソレータの場合,光パワーメ
ータ受光部の位置を挿入損失測定系における入射ビーム位置に一致させ,かつ,光パワーメータの受
光範囲をそのビーム径と同等になるように調整する。
アイソレーションは,個別規格に規定する使用波長範囲の最短波長,最長波長及び中心波長の三つの波
長において測定する。
a) 方法4 方法4による光アイソレータのアイソレーションの測定は,次による。
1) 供試品の入出力端子の接続形態は,図1のいずれかである。ここで,供試品として光アイソレータ
を逆方向に配置する。
2) JIS C 61300-3-2によって測定を行う。
3) アイソレーションabは,偏光依存形光アイソレータ及び偏光無依存形光アイソレータ共に,偏光状
態を変化させて得た透過率の最大値Tmaxから,式(6)で求める。
ab=−10 log10 Tmax ······································································ (6)
ここに,
ab: アイソレーション(dB)
Tmax: 偏光状態を変化させて得た透過率の最大値
b) 方法5 方法5は,次による。
1) 図2のように測定系を構成し,偏光回転器によって入射側の偏光方向を180°にわたって回転させ,
各角度での入射する光パワーP3を測定する。ただし,挿入損失の試験に引き続きアイソレーション
の試験を行う場合,方法2で測定した各角度での入射する光パワーP1の値をP3の値としてもよい。
2) 図2の構成に,供試品として光アイソレータを逆方向に挿入して図4の構成とし,P3を測定した各
角度での出射する光パワーP4を測定する。
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3) 各角度での直線偏光に対するアイソレーションabを,式(7)で求める。
3
4
10
b
log
10
P
P
a
−
=
········································································· (7)
ここに,
ab: アイソレーション(dB)
P3: 入射する光パワー(W)
P4: 出射する光パワー(W)
4) アイソレーションは,偏光依存形光アイソレータ及び偏光無依存形光アイソレータ共に,各角度で
のアイソレーション値の最小値とする。
偏光回転器
S
D
光源
光パワーメータ
供試品
図4−出射する光パワーの測定
c) 方法6 方法6は,次による。
1) この方法では,光アイソレータに入射する光の偏光面を固定して測定する。まず,図2のように測
定系を構成し,入射する光パワーP3'を測定する。
2) 図2の構成に供試品として光アイソレータを逆方向に挿入して図4の構成とし,光軸を中心に光ア
イソレータを回転させ,出射する最大の光パワーP4'を測定する。
3) 直線偏光に対するアイソレーションabを,式(8)で求める。
'
P
'
P
a
3
4
10
b
log
10
−
=
········································································ (8)
ここに,
ab: アイソレーション(dB)
P3': 入射する光パワー(W)
P4': 出射する光パワー(W)
7.3
反射減衰量
入出力端子の接続形態が図1に示す光ファイバピッグテール,プラグ及び/又はレセプタクルの光アイ
ソレータに関する反射減衰量の測定に用いる装置及び測定方法は,JIS C 61300-3-6による。反射減衰量は,
個別規格に規定する使用波長範囲の最短波長,最長波長及び中心波長の三つの波長において測定する。
7.4
偏光依存性損失
入出力端子の接続形態が図1に示す光ファイバピッグテール,プラグ及び/又はレセプタクルの偏光無
依存形光アイソレータに関する偏光依存性損失の測定に用いる装置及び測定方法は,JIS C 61300-3-2によ
る。偏光依存性損失は,個別規格に規定する使用波長範囲の最短波長,最長波長及び中心波長の三つの波
長において測定する。
7.5
偏波モード分散
入出力端子の接続形態が図1に示す光ファイバピッグテール,プラグ及び/又はレセプタクルの偏光無
依存形光アイソレータに関する偏波モード分散の測定に用いる装置及び測定方法は,JIS C 61300-3-32に
よる。偏波モード分散は,個別規格に規定する使用波長範囲の中心波長において測定する。
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7.6
最大入力光パワー
入出力端子の接続形態が図1に示す光ファイバピッグテール,プラグ及び/又はレセプタクルの偏光無
依存形光アイソレータに関する最大入力光パワーの測定に用いる装置は,JIS C 61300-2-14:2011の箇条5
(装置)に,測定方法はJIS C 61300-2-14:2011の6.5(試験3)による。
順方向に光を入力して,挿入損失及び反射減衰量について最大入力光パワー1を測定する。次に,逆方
向に光を入力して,アイソレーションについて最大入力光パワー2を測定する。順方向及び逆方向に光を
入力する場合の測定系の例を,それぞれ図5及び図6に示す。ここで,S1及びS2は光源,D1,D2及び
D3は光パワーメータ,BDは波長選択性のない光ブランチングデバイス,Tは光終端器を表す。
順方向及び逆方向に同時に光を入力して最大入力光パワーを測定する場合は,まず,挿入損失,アイソ
レーション及び反射減衰量を,それぞれ7.1,7.2及び7.3に規定する測定方法で測定する。次に,順方向
及び逆方向に,それぞれ最大入力光パワー1及び最大入力光パワー2を個別規格に規定する時間にわたって
同時に入力する。その後,挿入損失,アイソレーション及び反射減衰量を,それぞれ7.1,7.2及び7.3に
規定する測定方法で測定する。順方向及び逆方向に同時に光を入力する場合の測定系の例を図7に示す。
ここで,BD1及びBD2は波長選択性のない光ブランチングデバイス,T1及びT2は光終端器を表す。
最大入力光パワーは,個別規格に規定する公称波長において測定する。
S1
D3
BD
D2
D1
P3
P1
P2
供試品
図5−順方向に光を入力して挿入損失及び反射減衰量を測定する場合の接続例(接続1)
S1
BD
D2
D1
P1
P2
供試品
T
図6−逆方向に光を入力してアイソレーションを測定する場合の接続例(接続2)
S1
T1
BD1
S2
D1
P1
供試品
D1
T2
P1
BD2
図7−順方向及び逆方向に最大入力光パワーを入力する場合の接続例(接続3)
10
C 5932-2:2019
8
耐環境性及び耐久性試験
耐環境性及び耐久性に関する次の事項は,性能項目ごとに個別規格に規定する。
a) 試験条件
b) 合格判定数又は検査水準
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試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載しなければならない。
a) 規格番号
b) 供試品を識別する詳細
c) 試験環境条件
d) 光学特性試験に用いた方法
e) 光学特性試験に用いた光源
光学特性試験に用いた光源の詳細について,次の項目を記載する。
− 光源の種類
− 中心波長
− スペクトル半値全幅
− ビーム径(空間ビーム出力光を光源として用いる場合)
− ビーム広がり角(空間ビーム出力光を光源として用いる場合)
f)
光パワーメータの精度(測定範囲での直線性誤差が±0.05 dBより大きい場合)
g) 使用波長範囲の最短波長,最長波長及び中心波長における次の光学特性試験結果
− 挿入損失
− アイソレーション
− 反射減衰量(入出力端子の接続形態が光ファイバピッグテール,プラグ及びレセプタクルの光アイ
ソレータの場合)
− 偏光依存性損失(入出力端子の接続形態が光ファイバピッグテール,プラグ及びレセプタクルの偏
光無依存形光アイソレータの場合)
− 偏波モード分散(入出力端子の接続形態が光ファイバピッグテール,プラグ及びレセプタクルの偏
光無依存形光アイソレータの場合)
− 最大入力光パワー(入出力端子の接続形態が光ファイバピッグテール,プラグ及びレセプタクルの
偏光無依存形光アイソレータの場合)
h) 試験年月日
i)
試験を実施した組織名