C 5920-4:2019
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 3
4 定格······························································································································· 3
5 光学特性························································································································· 4
6 耐環境性及び耐久性 ·········································································································· 5
7 試料······························································································································· 7
8 試験報告書 ······················································································································ 7
9 表示······························································································································· 8
10 包装 ····························································································································· 8
11 安全 ····························································································································· 8
附属書A(規定)基準コネクタ ······························································································· 9
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 10
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(2)
まえがき
この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出
があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
注記 工業標準化法に基づき行われた申出,日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法
等の一部を改正する法律附則第9条により,産業標準化法第12条第1項の申出,日本産業標準
調査会の審議等の手続を経たものとみなされる。
JIS C 5920の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 5920-1 第1部:通則
JIS C 5920-3 第3部:シングルモード光ファイバピッグテール形電気制御式可変光減衰器
JIS C 5920-4 第4部:シングルモード光ファイバプラグレセプタクル形固定光減衰器
日本産業規格 JIS
C 5920-4:2019
光伝送用パワー制御受動部品−
第4部:シングルモード光ファイバプラグレセプタ
クル形固定光減衰器
Fiber optic passive power control devices-
Part 4: Single-mode fiber, plug-receptacle style, fixed optical attenuator
序文
この規格は,2013年に第2版として発行されたIEC 61753-051-3を基とし,この規格の通則(JIS C 5920-1)
において,“個別仕様書で定める。”としていた固定光減衰器の“光学特性”,並びに“耐環境性及び耐久性”
に関して,我が国の市場及び技術状況を反映するため,技術的内容を変更して作成した日本産業規格であ
る。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,屋内空調環境条件で光ファイバ伝送システムに用いるシングルモード光ファイバプラグレ
セプタクル形固定光減衰器の定格,満足する光学特性並びに耐環境性及び耐久性について規定する。
なお,この規格においては,片端がレセプタクル,他端がプラグの構造をもつ固定光減衰器を対象とし
ている。対応国際規格では名称がプラグ形となっているが,構造を明確にするためにプラグレセプタクル
形と呼称した。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61753-051-3:2013,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Performance
standard−Part 051-3: Single-mode fibre, plug style fixed attenuators for category U−
Uncontrolled environment(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 5900 光伝送用受動部品通則
JIS C 5920-1 光伝送用パワー制御受動部品−第1部:通則
2
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JIS C 5962 光ファイバコネクタ通則
JIS C 5964規格群 光ファイバコネクタかん合標準
注記 対応国際規格:IEC 61754 (all parts),Fibre optic connector interfaces
JIS C 5965規格群 光ファイバコネクタ光学互換標準
注記 対応国際規格:IEC 61755 (all parts),Fibre optic connector optical interfaces
JIS C 6820 光ファイバ通則
JIS C 61300-1 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第1部:通則
JIS C 61300-2-1 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-1部:正弦
波振動試験
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-1,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 2-1: Tests−Vibration (sinusoidal)
JIS C 61300-2-2 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-2部:繰返
しかん合試験
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-2,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 2-2: Tests−Mating durability
JIS C 61300-2-6 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-6部:かん
合部締結強度試験(軸方向引張り)
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-6,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 2-6: Tests−Tensile strength of coupling mechanism
JIS C 61300-2-9 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-9部:衝撃
試験
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-9,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 2-9: Tests−Shock
JIS C 61300-2-12 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-12部:落
下衝撃試験
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-12,Fibre optic interconnecting devices and passive components−
Basic test and measurement procedures−Part 2-12: Tests−Impact
JIS C 61300-2-17 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-17部:低
温試験
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-17,Fibre optic interconnecting devices and passive components−
Basic test and measurement procedures−Part 2-17: Tests−Cold
JIS C 61300-2-18 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-18部:高
温試験
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-18,Fibre optic interconnecting devices and passive components−
Basic test and measurement procedures−Part 2-18: Tests−Dry heat−High temperature endurance
JIS C 61300-2-19 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-19部:高
温高湿試験(定常状態)
JIS C 61300-2-22 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-22部:温
度サイクル試験
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-22,Fibre optic interconnecting devices and passive components−
3
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Basic test and measurement procedures−Part 2-22: Tests−Change of temperature
JIS C 61300-3-2 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-2部:シン
グルモード光デバイスの光損失の偏光依存性
注記 対応国際規格:IEC 61300-3-2,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 3-2: Examination and measurements−Polarization
dependent loss in a single-mode fibre optic device
JIS C 61300-3-3 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-3部:挿入
損失及び反射減衰量変化のモニタ方法
注記 対応国際規格:IEC 61300-3-3,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 3-3: Examinations and measurements−Active monitoring of
changes in attenuation and return loss
JIS C 61300-3-4 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-4部:損失
測定
注記 対応国際規格:IEC 61300-3-4,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 3-4: Examinations and measurements−Attenuation
JIS C 61300-3-6 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-6部:反射
減衰量測定
注記 対応国際規格:IEC 61300-3-6,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 3-6: Examinations and measurements−Return loss
JIS C 61300-3-28 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第3-28部:過
渡損失測定
注記 対応国際規格:IEC 61300-3-28,Fibre optic interconnecting devices and passive components−
Basic test and measurement procedures−Part 3-28: Examinations and measurements−Transient loss
IEC 61300-2-14:2012,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and
measurement procedures−Part 2-14: Tests−High optical power
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 5900の箇条3(用語及び定義),JIS C 5920-1の箇条3(用
語及び定義),JIS C 5962の箇条3(用語及び定義)及びJIS C 61300-1の箇条3(用語及び定義)による。
4
定格
シングルモード光ファイバプラグレセプタクル形固定光減衰器の定格は,表1による。
4
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表1−シングルモード光ファイバプラグレセプタクル形固定光減衰器の定格
項目
記号
条件
定格値
単位
使用温度範囲
Ta
−
0〜60 a)
℃
保存温度範囲
Tstg
−
−40〜85
℃
使用波長範囲b)
λband
−
Oバンド:1 260〜1 360
Eバンド:1 360〜1 460
Sバンド:1 460〜1 530
Cバンド:1 530〜1 565
Lバンド:1 565〜1 625
Uバンド:1 625〜1 675
nm
最大入力光パワーc)
Pmax
試験波長:公称波長
100
mW
注a) 使用温度範囲における湿度範囲は,図1の一定水蒸気量曲線を含む閉曲線の範囲内とする。
b) この使用波長範囲はITU-T Recommendation G-series sup.39に記載している。この内容は,
要求事項ではなく,推奨値である。実際の使用波長範囲は,製造業者が指定する。
c) Cバンド及びLバンドに適用する。それ以外は,受渡当事者間の協定による。
注a) 温度30 ℃〜60 ℃の一定水蒸気量曲線は,温度30 ℃かつ相対湿度85 %の
条件下と同じ水蒸気量をもつ温度及び相対湿度を示す。
図1−温度及び湿度を考慮した環境条件
5
光学特性
シングルモード光ファイバプラグレセプタクル形固定光減衰器の光学特性に関する試験方法,試験条件
及び要求性能は,表2による。特に規定のない限り,光源及びその他の測定器と供試品とを接続する光フ
ァイバには,JIS C 6820に規定する分類記号SMAの1 310 nmゼロ分散形の1次及び2次被覆のある心線,
並びにケブラー補強付きのコードを用いる。接続に使用する基準コネクタは,附属書Aによる。また,基
本モードだけが,供試品の入力端子及び出力端子から光パワーメータの入力端子までに伝搬するように,
可能な限り測定用光ファイバコード長は2 m以上とする。
特に規定のない限り,測定はJIS C 61300-1に規定する標準的環境条件下で行う。
特に規定のない限り,測定波長は製品の公称波長とする。使用波長範囲が表1に記載の複数の波長帯域
(波長バンド)の場合は,受渡当事者間で規定する。
5
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光学特性試験を行う場合,光コネクタの接続の前に,供試品及び基準コネクタの端面を清掃する。
注記 光コネクタプラグの清掃方法は,IEC TR 62627-01に記載されている。
表2−シングルモード光ファイバプラグレセプタクル形固定光減衰器の光学特性
項目
試験方法
試験条件
要求性能
減衰量
損失測定
(JIS C 61300-3-4
の置換法)
供試品の向きを変えて2回(双方向に対し
て)測定する。
光源は,測定時間又は少なくとも1 hの間,
光パワーの変動が±0.05 dB以内とする。
測定の不確かさa) は,0.1 dB以下とする
公称値が5 dB以下の場合,公称値と
の差は1.0 dB以下とする。
公称値が5 dBを超える場合,公称値
との差は1.0 dB以下又は公称値の
15 %dB以下とする。
反射減衰
量
反射減衰量測定
(JIS C 61300-3-6
の試験1:OCWR
測定法)
供試品の向きを変えて2回(双方向に対し
て)測定する。
測定の不確かさa) は,0.5 dB以下とする。
等級4 b):26 dB以上35 dB未満
等級3 b):35 dB以上45 dB未満
等級2 b):45 dB以上60 dB未満
等級1 b):60 dB以上
ただし,斜めPC(physical contact)
端面の場合は,次の要求性能を満足
する。
等級1 b)(非かん合のとき):55 dB
以上
偏光依存
性損失
(PDL)
光損失の偏光依存
性
(JIS C 61300-3-2
の全偏光状態法)
減衰量にかかわらず,測定の不確かさa)
は,0.05 dB以下とする。
0.3 dB以下
ただし,斜めPC端面の場合は,受
渡当事者間で規定する。
最大入力
光パワー
High optical power
(IEC 61300-2-14:
2012)
試験中は,減衰量をモニタする。
入力光パワー:100 mW
試験時間:30 min
環境温度:30 ℃±2 ℃
環境相対湿度:85 %±2 %
試験前及び試験後の減衰量がこの表
の要求性能を満足する。
試験開始時を基準c) とした試験中
の減衰量の変化は,次の条件を満た
す。
減衰量1 dB以下:0.3 dB以下
減衰量1 dB超2 dB以下:0.5 dB以
下
減衰量2 dB超10 dB以下:1 dB以下
減衰量10 dB超:2 dB以下
試験前及び試験後の反射減衰量は,
この表の要求性能を満足する。
注a) 測定の不確かさUは,一定の信頼の水準(例えば95 %)において測定結果が分布すると期待される区間(−
U,+U)を与える量である。
b) 反射減衰量の等級は,JIS C 5965-1を参照。
c) 高光パワーを入力すると減衰量が変化することがIEC/TR 62627-03-03:2013で報告されている。試験直前に供
試品を接続するときの接続損失ばらつきと区別するため,試験前ではなく試験開始時点の減衰量を基準とす
る。
6
耐環境性及び耐久性
屋内環境条件で使用するための耐環境性及び耐久性の試験方法,試験条件及び要求性能は,表3による。
特に規定のない限り,光源及びその他の測定器と供試品とを接続する光ファイバには,JIS C 6820に規定
する分類記号SMAの1 310 nmゼロ分散形の1次及び2次被覆のある心線,並びにケブラー補強付きのコ
ードを用いる。接続に使用する基準コネクタは,附属書Aによる。また,基本モードだけが,供試品の入
6
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力端子及び出力端子から光パワーメータの入力端子までに伝搬するように,可能な限り測定用光ファイバ
コード長は2 m以上とする。
特に規定のない限り,測定はJIS C 61300-1に規定する標準的環境条件下で行う。
特に規定のない限り,測定波長は製品の公称波長とする。使用波長範囲が表1に記載の複数の波長帯域
(波長バンド)の場合は,受渡当事者間で規定する。
光学特性試験を行う場合,光コネクタの接続の前に,供試品及び基準コネクタの端面を清掃する。
注記 光コネクタプラグの清掃方法は,IEC TR 62627-01に記載されている。
表3−シングルモード光ファイバプラグレセプタクル形固定光減衰器の耐環境性及び耐久性
項目
試験方法
試験条件
要求性能
耐振性
正弦波振動試
験
(JIS C
61300-2-1)
振動周波数範囲:10 Hz〜55 Hz
振動振幅:0.75 mm
振動軸:直交3軸
掃引速度:1 oct/min
掃引サイクル数:15回(10 Hzから55 Hz
に上げ10 Hzに戻して1サイクルとす
る。)
試験中は,供試品に試験光を入射した状
態を維持する。試験中の過渡損失はJIS
C 61300-3-28に従って測定する。
試験中の減衰量の変化は0.5 dB以下を満
足する。
試験前及び試験後の減衰量及び反射減衰
量は,表2の要求性能を満足する。
締結強度
かん合部締結
強度試験(軸
方向引張り)
(JIS C
61300-2-6)
引張力:40 N±1 N
印加速度:2 N/s
保持時間:60 s
試験中は,供試品に試験光を入射した状
態を維持する。
試験中の減衰量の変化は0.5 dB以下を満
足する。
試験前及び試験後の減衰量及び反射減衰
量は,表2の要求性能を満足する。
かん合耐
久性
繰返しかん合
試験
(JIS C
61300-2-2)
脱着回数:200回(脱・着を合わせて1
回と数える。)
プラグ側及びレセプタクル側の両者に対
して試験を行う。
途中,JIS C 61300-2-2の測定条件Bに記
載の脱着回数において,清掃を行った後
に減衰量の測定を行う。
試験中の減衰量の変化は0.5 dB以下を満
足する。
試験前及び試験後の減衰量及び反射減衰
量は,表2の要求性能を満足する。
耐落下衝
撃性
落下衝撃試験
(JIS C
61300-2-12の
方法A−光コ
ード付き落下
法)
落下回数:5回
落下高さ:1.5 m
試験中,光を入射しない。
試験中,供試品のレセプタクル側に測定
用光ファイバコードを接続し,方法Aを
実施する。その場合,プラグ側はかん合
せず,ダストカバーを付ける。
試験前及び試験後の減衰量及び反射減衰
量は,表2の要求性能を満足する。
耐寒性
低温試験
(JIS C
61300-2-17)
JIS C 61300-3-3に規定する方法及び次の
条件に従い,減衰量を測定する。
試験温度:0 ℃±2 ℃
暴露時間:96 h
測定間隔:1 h以下
試験前後の減衰量の変化は,次の要求性能
を満足する。
0.5 dB以下(公称減衰量:5 dB以下の場合)
10 %dB以下(公称減衰量:5 dB超の場合)
試験前及び試験後の減衰量及び反射減衰
量は,表2の要求性能を満足する。
7
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表3−シングルモード光ファイバプラグレセプタクル形固定光減衰器の耐環境性及び耐久性(続き)
項目
試験方法
試験条件
要求性能
耐熱性
高温試験
(JIS C
61300-2-18)
JIS C 61300-3-3に規定する方法及び次の
条件に従い,減衰量を測定する。
試験温度:60 ℃±2 ℃
暴露時間:96 h
測定間隔:1 h以下
試験前後の減衰量の変化は,次の要求性能
を満足する。
0.5 dB以下(公称減衰量:5 dB以下の場合)
10 %dB以下(公称減衰量:5 dB超の場合)
試験前及び試験後の減衰量及び反射減衰
量は,表2の要求性能を満足する。
耐湿性(定
常状態)
高温高湿試験
(JIS C
61300-2-19)
JIS C 61300-3-3に規定する方法及び次の
条件に従い,減衰量の変動を測定する。
温度:30 ℃±2 ℃
相対湿度:85 %±2 %
暴露時間:96 h
試験中の測定間隔は10 min以内とする。
試験中は,供試品に試験光を入射した状
態を維持する。
試験前後及び試験中の減衰量の変化は,次
の要求性能を満足する。
0.5 dB以下(公称減衰量:5 dB以下の場合)
10 %dB以下(公称減衰量:5 dB超の場合)
試験前及び試験後の減衰量及び反射減衰
量は,表2の要求性能を満足する。
温度サイ
クル
温度サイクル
試験
(JIS C
61300-2-22)
JIS C 61300-3-3に規定する方法及び次の
条件に従い,減衰量及び反射減衰量を測
定する。
高温:60 ℃±2 ℃
低温:0 ℃±2 ℃
高温/低温保持時間:1 h
温度変化率:1 ℃/min
サイクル数:5
測定間隔:15 min以下
試験中は,供試品に試験光を入射した状
態を維持する。
試験前後及び試験中の減衰量の変化は,次
の要求性能を満足する。
0.5 dB以下(公称減衰量:5 dB以下の場合)
10 %dB以下(公称減衰量:5 dB超の場合)
を満足する。
試験前及び試験後の減衰量及び反射減衰
量は,表2の要求性能を満足する。
耐衝撃性
衝撃試験
(JIS C
61300-2-9)
パルス波形:正弦半波
加速度:980 m/s2
持続時間:5 ms
衝撃回数:3軸において,1軸当たり2
方向,1方向当たり2回の計12回
試験中は,供試品への光の入射は行わな
い。
試験前及び試験後の減衰量及び反射減衰
量は,表2の要求性能を満足する。
7
試料
プラグ及びレセプタクルのかん合部の寸法,並びにプラグ及びレセプタクルの端面寸法は,それぞれJIS
C 5964規格群及びJIS C 5965規格群に適合する。また,その他の寸法は製造業者が発行した該当する図面
に適合する。
なお,プラグレセプタクル形固定光減衰器に代表される非弾性構造の接続部をもつ部品では注意する必
要がある。SC形プラグレセプタクル形固定光減衰器での試験結果が報告されている。詳細は,IEC/TR
62627-02:2010の箇条6を参照。
8
試験報告書
製造業者又は販売業者は,試験を実施し合格した証拠として使用者又は購入業者が受入検査に利用する
ことができるように,試験報告書及びそれを裏付けるデータを使用者又は購入業者に提供する。
8
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試験報告書には,光学特性に対しては試験条件及び性能値を,耐環境性及び耐久性は試験条件,試料数
及び合格判定数を記載する。
9
表示
シングルモード光ファイバプラグレセプタクル形固定光減衰器には,次の事項を表示する。ただし,個々
の製品に表示することが困難な場合は,包装に表示してもよい。
a) 形名(製造業者の指定による。)
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造年月若しくは製造ロット番号又はそれらの略号
d) 公称減衰量又はその略号
10
包装
包装は,輸送中及び保管中に,振動,衝撃などによる製品の破損又は品質の低下のおそれがないように
行う。また,短期間に劣化するおそれがある材料を含む場合には,安全管理及び保管環境条件に関する注
意及び要求事項とともに,有効期限を包装に表示する。
11
安全
光伝送システム又は光伝送装置に用いる場合,出力端子から人体へ影響を及ぼす光の放射があり得る。
そのため,製造業者は,システム設計者及び使用者に対して,安全性に関する十分な情報及び確実な使用
方法を明示しなければならない。
9
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附属書A
(規定)
基準コネクタ
試験で使用する測定用光ファイバコードの光ファイバコネクタプラグ及び光アダプタには,次で規定す
る基準コネクタ(基準プラグ及び基準アダプタ)を用いる。
JIS C 5962の附属書JD シングルモード光ファイバ及び石英系マルチモード光ファイバに適用する基
準コネクタ
参考文献 IEC TR 62627-01,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Part 01: Fibre optic
connector cleaning methods
IEC/TR 62627-02:2010,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Part 02: Report
of round robin test results on SC plug style fixed attenuators
IEC/TR 62627-03-03:2013,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Part 03-03:
Reliability−Report on high-power reliability for metal-doped optical fibre plug-style optical
attenuators
ITU-T Recommendation G-series supplement 39,Optical system design and engineering
considerations
ISO/IEC Guide 98-3:2008,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of
uncertainty in measurement (GUM:1995)
IEC 61753-1,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Performance standard−
Part 1: General and guidance
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 5920-4:2019 光伝送用パワー制御受動部品−第4部:シングルモード光フ
ァイバプラグレセプタクル形固定光減衰器
IEC 61753-051-3:2013,Fibre optic interconnecting devices and passive components−
Performance standard−Part 051-3: Single-mode fibre, plug style fixed attenuators for
category U−Uncontrolled environment
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 シングルモード光ファ
イバプラグレセプタク
ル形固定光減衰器の定
格,光学特性並びに耐
環境性及び耐久性につ
いて規定する。
1
プラグ形固定減衰器の
試験条件,性能標準を
規定する。
変更
JISはプラグレセプタクル形,IEC
規格はプラグ形である。
JISは屋内環境であり,IEC規格は
屋外環境である。
JISは製品の特性を,IEC規格は性
能標準を規定する。
形状を正確に表現するため入力及
び出力両方の構造を示す名称とし
た。技術的差異はない。
需要の大きい屋内環境製品を規定
した。規格の目的が異なるため,
いずれもIECへの改訂提案はしな
い。
2 引用規格
3 用語及び
定義
用語及び定義を規定す
る。
−
−
追加
用語及び定義に関する内容を規定
した。
利用者の理解を助けるため必要な
用語を追加した。IEC規格では規
格体系が異なるので,IECへの改
訂提案はしない。
4 定格
使用波長範囲などの定
格値を規定する。
−
−
追加
波長帯名称,JIS標準の温湿度範囲,
最大入力光パワーに関する規定を
追加した。
製品規格に必須の規定事項である
ため,独立した箇条を追加した。
IEC規格は製品規格ではないた
め,IECへの改訂提案はしない。
5 光学特性
−
5.1
サンプル数を規定す
る。
削除
サンプル数に関する記載を削除し
た。
IEC 61753-1との整合性を考慮し,
サンプル数は規定しない。
コネクタの清掃を規定
する。
−
−
追加
試験前のコネクタの清掃を追加し
た。
微小減衰量変化を評価するために
清掃は必須であり,IEC規格の見
直しの際に修正を提案する。
4
C
5
9
2
0
-4
:
2
0
1
9
11
C 5920-4:2019
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 光学特性
(続き)
各種試験における測定
波長を規定する。
5.3
JISとほぼ同じ。
変更
IEC規格では光源波長を1 310 nm,
1 550 nm及び1 625 nmとしている
が,JISでは製品の公称波長を各種
試験における測定波長とした。
JISでは実際の使用時の波長に合
わせた。IEC規格の見直しの際に
修正を提案する。
表2
5.3
Table 1
変更
IEC規格のTable 1を表2及び表3
の二つに分割した。
文書体系の違いであり,対応は不
要。
表2で減衰量を規定す
る。
5.3
Table 1
No.1で減衰量を規定す
る。
変更
IEC規格では,公称値5 dB以下の
ときの誤差を0.75 dB以下,公称値
5 dB超のときの誤差を15 %dB以下
としているが,JISでは公称値5 dB
以下のときの誤差を1 dB以下,公
称値5 dB超のときの誤差を1 dB以
下又は15 %dB以下とした。
JISでは流通している製品の実情
に合わせた。IEC規格の見直しの
際に修正を提案する。
表2で反射減衰量を規
定する。
5.3
Table 1
No.2で反射減衰量を規
定する。
変更
反射減衰量の等級の名称とその規
定値が異なる。
JISでは流通している製品の実情
に合わせJIS C 5965-1に従った。
IECへの改訂提案はしない。
表2で偏光依存性損失
を規定する。
5.3
Table 1
No.3で偏光依存性損失
を規定する。
追加
斜めPC端面の場合の規定を追加し
た。
JISでは流通している製品の実情
に合わせた。IEC規格の見直しの
際にJISと同様の修正を提案す
る。
−
5.3
Table 1
No.4で偏光モード分散
を規定する。
削除
IEC規格では,0.2 ps以下としてい
るが,JISでは規定しない。
JISでは流通している製品の実情
に合わせた。IEC規格の見直しの
際に修正を提案する。
表2で最大入力光パワ
ーを規定する。
5.3
Table 1
No.5で最大入力光パワ
ーを規定する。
変更
IEC規格では,温度25 ℃で入力光
パワーを徐々に上げ最大100 mW
とし,減衰量及び反射減衰量が規定
を満たすこととしているが,JISで
は温度30 ℃,相対湿度85 %の環境
で入力光パワーを定格値の100 mW
に固定して,試験中の減衰量の変動
も含めて基準を満たすこととした。
光を吸収し製品温度が上昇して減
衰量が変化するため,試験中の評
価も必要である。IEC規格の見直
しの際にJISと同様の修正を提案
する。
4
C
5
9
2
0
-4
:
2
0
1
9
12
C 5920-4:2019
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 耐環境性
及び耐久性
コネクタの清掃を規定
する。
−
−
追加
試験前のコネクタの清掃を追加し
た。
微小減衰量変化を評価するために
清掃は必須であり,IEC規格の見
直しの際に修正を提案する。
各種試験における測定
波長を規定する。
5.3
JISとほぼ同じ
変更
IEC規格では光源波長を1 310 nm,
1 550 nm及び1 625 nmとしている
が,JISでは製品の公称波長を各種
試験における測定波長とした。
JISでは実際の使用時の波長に合
わせた。IEC規格の見直しの際に
修正を提案する。
表3
5.3
Table 1
変更
IEC規格のTable 1を表2及び表3
の二つに分割した。
文書体系の違いであり,IECへの
改訂提案はしない。
表3で締結強度を規定
する。
5.3
Table 1
No.7で締結強度を規定
する。
変更
IEC規格では,引張保持時間を120
sとしているが,JISでは60 sとし
た。
JISは屋内環境を前提としている
ため,IECへの改訂提案はしない。
表3でかん合耐久性を
規定する。
5.3
Table 1
No.8でかん合耐久性を
規定する。
変更
IEC規格では,脱着回数を500回と
し試験途中の清掃時期も記載して
いるが,JISでは200回とし清掃時
期は引用規格JIS C 61300-2-2の測
定条件Bを参照した。
脱着回数はIEC 61753-1で200回
と規定されているので,対応国際
規格の見直しの際に修正を提案す
る。
表3で耐落下衝撃性を
規定する。
5.3
Table 1
No.9で耐落下衝撃性を
規定する。
変更
供試品と試験に使われる光ファイ
バコードとの接続方法の説明を追
加
差異はないが試験実施方法の説明
が不足しているため,対応国際規
格の見直しの際に修正を提案す
る。
表3で耐寒性を規定す
る。
5.3
Table 1
No.10で耐寒性を規定
する。
変更
IEC規格では,低温試験における温
度を−25 ℃としているが,JISでは
0 ℃とした。
JISは屋内環境の光受動部品の規
格に合わせた。対応は不要。
表3で耐熱性を規定す
る。
5.3
Table 1
No.11で耐熱性を規定
する。
変更
IEC規格では,高温試験における温
度を70 ℃としているが,JISでは
60 ℃とした。
JISは屋内環境の光受動部品の規
格に合わせた。IECへの改訂提案
はしない。
表3で耐湿性(定常状
態)を規定する。
5.3
Table 1
No.12で耐湿性(周期的
条件)を規定する。
変更
IEC規格はIEC 61300-2-46に従っ
ているが,JISはJIS C 61300-2-19
に準じた。
JISは屋内環境の光受動部品の規
格に合わせた。IECへの改訂提案
はしない。
4
C
5
9
2
0
-4
:
2
0
1
9
13
C 5920-4:2019
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 耐環境性
及び耐久性
(続き)
表3で温度サイクルを
規定する。
5.3
Table 1
No.13で温度サイクル
を規定する。
変更
IEC規格は,上限下限温度を−
25 ℃及び70 ℃,サイクル数を12
としているが,JISでは上限下限温
度を0 ℃及び60 ℃,サイクル数を
5とした。
JISは屋内環境の光受動部品の規
格に合わせた。IECへの改訂提案
はしない。
−
5.3
Table 1
No.14で耐粉じん(塵)
性を規定する。
削除
−
JISは屋内環境を想定しているた
め規定しない。IECへの改訂提案
はしない。
−
5.3
Table 1
No.15で耐塩水性を規
定する。
削除
−
JISは屋内環境を想定しているた
め規定しない。IECへの改訂提案
はしない。
なお,対応国際規格中で塩水試験
としてIEC 61300-2-2を引用して
いるが正しくはIEC 61300-2-26で
ある。正誤表を発行するよう提案
する。
表3で耐衝撃性を規定
する。
5.3
Table 1
No.16で耐衝撃性を規
定する。
変更
IEC規格は,加速度を500 G,持続
時間を1 msとしているが,JISでは
加速度を980 m/s2,持続時間を5 ms
とした。
JISでは国内市場で最も要望の多
い値を採用した。IECへの改訂提
案はしない。
7 試料
試料に関する内容を規
定する。
5.1,5.2 サンプル数を除き,JIS
とほぼ同じ。
変更
箇条番号の変更及び題名の変更,サ
ンプル数に関する記載を削除した。
−
8 試験報告
書
試験報告書を規定す
る。
4
JISとほぼ同じ。
変更
箇条番号の変更を行った。また,試
験報告書に記載する項目について
追記した。
−
9 表示
表示項目を規定する。
−
−
追加
製品規格に必須の規定事項を追加
した。
IEC規格は製品規格ではないた
め,IECへの改訂提案はしない。
10 包装
包装及び保管上の注意
に関する内容を規定す
る。
−
−
追加
製品規格に必須の規定事項を追加
した。
IEC規格は製品規格ではないた
め,IECへの改訂提案はしない。
4
C
5
9
2
0
-4
:
2
0
1
9
14
C 5920-4:2019
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
11 安全
安全に関する内容を規
定する。
−
−
追加
製品規格に必須の規定事項を追加
した。
IEC規格は製品規格ではないた
め,IECへの改訂提案はしない。
附属書A
基準コネクタを規定す
る。
Annex A JISとほぼ同じ。
変更
IEC規格は,フェルール径などの7
項目を規定しているが,JISでは7
項目以外の諸条件も規定するため,
JIS C 5962の附属書JDに従うよう
明記した。
7項目では不十分なため,IEC規
格の見直しの際にJISと同様の修
正を提案する。
−
−
Annex B サンプル数を規定す
る。
削除
JISではサンプル数を規定しないた
め,表を削除した。
IEC 61753-1との整合性を考慮し,
サンプル数は規定しない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 61753-051-3:2013,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
4
C
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2
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-4
:
2
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1
9