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C 5877-2:2012  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 試験の状態 ······················································································································ 2 

4.1 標準状態 ······················································································································ 2 

4.2 基準状態 ······················································································································ 2 

4.3 判定状態 ······················································································································ 2 

4.4 試験場所の状態 ············································································································· 2 

5 外観及び構造 ··················································································································· 2 

6 光学的性能試験 ················································································································ 2 

6.1 試験機器及び装置 ·········································································································· 2 

6.2 準備 ···························································································································· 3 

6.3 透過率 ························································································································· 3 

6.4 消光比 ························································································································· 5 

6.5 波面収差 ······················································································································ 6 

7 機械的性能試験 ··············································································································· 11 

7.1 試験機器及び装置 ········································································································· 11 

7.2 試験方法 ····················································································································· 11 

7.3 個別規格に規定する事項 ································································································ 11 

8 試験報告書 ····················································································································· 11 

C 5877-2:2012 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)

及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 5877の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 5877-1 偏光子通則 

JIS C 5877-2 偏光子試験方法 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

C 5877-2:2012 

偏光子試験方法 

Test methods of polarizer 

適用範囲 

この規格は,光学部品として用いる偏光子の試験方法について規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 5860 空間ビーム光用受動部品通則 

JIS C 5877-1 偏光子通則 

JIS C 5900 光伝送用受動部品通則 

JIS C 5901 光伝送用受動部品試験方法 

JIS C 60068-1 環境試験方法−電気・電子−通則 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 5860の3.(定義),JIS C 5877-1の箇条3(用語及び定義),

JIS C 5900の3.(定義)及びJIS C 5901の3.(定義)によるほか,次による。 

3.1 

標準光源(standard optical source) 

使用波長範囲において,波面収差が十分に小さく,かつ,十分な可干渉性をもち,また,出力安定度が

十分な光源。通常,気体レーザ,固体レーザ又は半導体レーザを光源として用いる。また,発光ダイオー

ドも適切な補正光学系を併用することができる。 

3.2 

標準レンズ(standard lens) 

使用波長及び有効径内で所定の倍率において,透過波面収差が十分に小さく,また,内部反射損失を含

む透過損失が既知のレンズ。通常,使用波長において,有効径,及び実効焦点距離又は実効NAが明示さ

れ,反射防止コートを施している。光学顕微鏡の対物レンズなどがこの例に該当する。 

3.3 

消光比(extinction ratio) 

伝達を意図する光パワーと阻止を意図する光パワーとの比。偏光子の消光比は,偏光子の有効径を通過

した直線偏光の偏光方向の光パワーに対する,それと直交する偏光方向の光パワーの比率で定める。 

3.4 

基準平面(reference plane) 

C 5877-2:2012  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

入射光に対する反射率及び反射に伴う位相変化が,反射面内で一様な平面。基準平面は,入射する空間

ビーム光(平面波)の波面を変化させることなく反射させる機能をもつ。 

試験の状態 

4.1 

標準状態 

試験及び測定は,特に規定がない場合,JIS C 60068-1の5.3[測定及び試験のための標準大気条件(標

準状態)]に規定する大気条件の標準範囲(温度15 ℃〜35 ℃,相対湿度25 %〜75 %,気圧86 kPa〜106 kPa)

で行う。ただし,この標準状態での測定値による判定に疑義を生じた場合,又は特に要求がある場合は,

4.3による。また,試験の状態(温度及び気圧)が標準状態と差がある場合の,試験結果又は測定値の換算

方法を個別に規定した場合の基準状態は,4.2による。さらに,標準状態で測定することが困難な場合は,

判定に疑義を生じない場合,標準状態以外の状態で試験及び測定を行ってもよい。 

なお,試験及び測定を行った標準状態は,試験報告書に記載する。 

4.2 

基準状態 

基準状態は,JIS C 60068-1の5.1[標準基準大気条件(基準状態)]とする。ただし,温度だけをもって

基準状態としてもよい。 

4.3 

判定状態 

判定状態は,JIS C 60068-1の5.2[判定測定,及び判定試験のための標準大気条件(判定状態)]に規定

する条件のうち,温度20 ℃±2 ℃,相対湿度60 %〜70 %,及び気圧86 kPa〜106 kPaとする。 

4.4 

試験場所の状態 

試験場所は,ごみ,ほこりなどがないよう,十分清潔に保つ。 

外観及び構造 

JIS C 5901の5.(外観及び構造)の規定による。 

光学的性能試験 

6.1 

試験機器及び装置 

この試験に用いる機器及び装置は,次による。 

a) 光源 光源は,特に規定がない場合,標準光源を用いる。また,通常,波面収差は使用波長において

λ/10以下,出力安定度は±0.05 dB/hより優れたものを用いる。その詳細は,個別規格に規定する。 

b) レンズ レンズは,特に規定がない場合,標準レンズを用いる。また,通常,波面収差は使用波長に

おいてλ/10以下のものを用いる。その詳細は,個別規格に規定する。 

c) 開口絞り 開口絞りは,特に規定がない場合,円形の絞りを用いる。 

d) ビームエクスパンダ ビームエクスパンダは,特に規定がない場合,開口絞りの最大径よりも大きい

ビーム径をもつものを用いる。また,波面収差は,使用波長においてλ/10以下のものを用いる。その

詳細は,個別規格に規定する。 

e) 光パワーメータ 光パワーメータは,特に規定がない場合,測定範囲での偏光依存損失を含む直線性

誤差が0.05 dB以内で,測定に必要な感度及びダイナミックレンジが十分に得られるものを用いる。

受光素子は,感度分布が一様で,有効受光径が入射光パワー測定用光ファイバのコア径及び偏光子の

有効径に対して十分に大きいものを用いる。受光面での光パワーは,受光素子の飽和レベルよりも  

10 dB以上低いことが望ましい。 

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f) 

撮像素子 撮像素子は,測定する波長に対して感度分布が一様で,ダイナミックレンジが十分に得ら

れるものを用いる。また,結像レンズが撮像素子に投影する像倍率を考慮し,λ/10以下の波面収差が

検出可能な空間分解能をもつ面形のものを用いる。 

g) 半透鏡 半透鏡は,特に規定がない場合,吸収率0.5 %以下とし,開口絞りの最大径よりも大きい有

効面積をもつものを用いる。部分反射コーティングをもつ面に対向する面には,無反射コーティング

を施したものを用いる。また,波面収差は,使用波長においてλ/10以下のものを用いる。 

h) 鏡 鏡は,特に規定がない場合,反射率98 %以上(両偏光成分とも),波面収差λ/10以下とし,光束

径よりも十分に大きい有効面積をもつものを用いる。 

i) 

標準偏光子 標準偏光子は,特に規定がない場合,開口絞りの最大径よりも大きい有効面積をもつも

のを用いる。入出射面には,無反射コーティングを施したものを用いる。また,波面収差は,使用波

長において十分に小さく,供試品の消光比に対し十分高い消光比をもつものを用いる。 

j) 

ビームスプリッタ ビームスプリッタは,特に規定がない場合,消光比20 dB以上,使用波長におけ

る波面収差がλ/10以下で,挿入する光束径よりも十分に大きい有効面積をもつキューブビームスプリ

ッタを用いる。光の入出射面には,無反射コーティングを施したものを用いる。 

k) 結像レンズ 結像レンズは,干渉じま(縞)を撮像素子上に結像するのに十分な大きさのイメージサ

ークルをもち,わい(歪)曲収差,像面湾曲などが十分に補正されたレンズを用いる。波面収差は,

使用波長においてλ/10以下のものを用いる。 

l) 

参照平面 参照平面は,開口絞りの最大径よりも大きい有効面積をもつものを用いる。部分反射コー

ティングをもつ場合は,対向する面に無反射コーティングを施したものを用いる。反射コーティング

をもつ場合は,特に規定がない場合,反射率95 %以上(両偏光成分とも),波面収差λ/10以下のもの

を用いる。 

6.2 

準備 

測定結果に疑義が生じないように,必要がある場合は,供試品を測定環境中に1時間以上放置する。ま

た,測定の前後を通じて,供試品に過度の通風,日光,その他の熱源からの直接の熱放射など,測定に影

響を及ぼすような要因が入らないようにする。 

なお,入出射部は,ごみなどがないよう,十分清潔に保つ。 

6.3 

透過率 

6.3.1 

試験機器及び装置 

この試験に用いる機器及び装置は,6.1の条件を満たす次のものを用いる。 

a) 光源 

b) レンズ 

c) 開口絞り 

d) ビームエクスパンダ 

e) 光パワーメータ 

f) 

標準偏光子 

6.3.2 

試験 

透過率は,光路中に偏光子を挿入する前後の,有効径を通過した直線偏光の偏光方向の光パワーの比率

であり,次に示す方法によって測定する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1に示すように,ビームエクスパンダを用いて,入射光を開口絞り以上のコリメート光とする。開口

絞りによって,入射光のビーム径を供試品の有効径と一致させ,これを標準偏光子に透過させる。標準偏

光子を透過した光をレンズによって集光し,光パワーメータで光パワーを測定する。 

まず,供試品がないときの測定光パワー(P0)を測定し,次に,図2に示すように,供試品を光路中に

挿入し,供試品を回転させて光パワーが最大となる位置に固定し,透過光パワー(P1)を測定する。透過

率を測定するために,光パワーの測定を2回行う必要がある。透過率は,式(1)で求める。 

100

0

=PP

T

 ············································································· (1) 

ここに, 

T: 透過率(%) 

P0: 測定光路中に供試品がない場合の測定光パワー 

P1: 測定光路中に供試品がある場合の透過光パワー 

不要光が光パワーメータの受光部に入射した場合,透過率を正確に測定することができない。不要光の

出射方向は,試験に用いる偏光子によって異なる。複屈折結晶を用いた偏光子を光路中に挿入した場合,

通常,進行方向に互いに角度をもつ二つの光に分かれる。また,偏光ビームスプリッタを光路中に挿入し

た場合,進行方向とそれにほぼ垂直な方向との二つの光に分かれる。いずれの場合も,透過を意図しない

不要偏光が光パワーメータの受光部に入射しないように,供試品,レンズ及び光パワーメータ受光部を配

置する。 

6.3.3 

個別規格に規定する事項 

必要がある場合,次の事項の仕様などを個別規格に規定する。 

a) 光源(光源の種類,中心波長,スペクトル幅,光パワーの安定性,コヒーレンスなど) 

b) 光パワーメータ(光源の中心波長における感度,直線性,安定性,光入力の形態など) 

c) 標準偏光子(有効径,消光比,波面収差など) 

d) 性能要求(許容透過率) 

図1−透過率測定系(基準光学系) 

図2−透過率測定系(供試品挿入) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.4 

消光比 

6.4.1 

試験機器及び装置 

この試験に用いる機器及び装置は,6.1の条件を満たす次のものを用いる。 

a) 光源 

b) レンズ 

c) 開口絞り 

d) ビームエクスパンダ 

e) 光パワーメータ 

f) 

標準偏光子 

6.4.2 

試験 

消光比は,偏光子の有効径を通過した直線偏光の偏光方向の光パワーに対する,それと直交する偏光方

向の光パワーの比率によって求め,次に示す方法によって測定する。 

a) 図3に示すように,ビームエクスパンダで,入射光を開口絞り以上のコリメート光にし,開口絞りに

よって,入射光のビーム径を供試品の有効径と一致させる。標準偏光子1及び標準偏光子2を透過し

た光をレンズで集光し,光パワーメータで光パワーを測定する。まず,光パワーが最大になるように

標準偏光子2を回転し,光パワーを測定する(P0max)。次に,光パワーが最小になるように標準偏光

子2を回転し,光パワーを測定する(P0min)。系全体としての消光比は,式(2)で求める。 

max

0

min

0

10

0

log

10

P

P

Ext

=

 ································································· (2) 

ここに, 

Ext0: 系全体の消光比(dB) 

P0min: 標準偏光子2を挿入した場合の最小光パワー 

P0max: 標準偏光子2を挿入した場合の最大光パワー 

b) 次に,標準偏光子2の代わりに供試品を挿入し(図4参照),光パワーが最大になるように供試品を回

転し,光パワーを測定する(Pmax)。次に,光パワーが最小になるように供試品を回転し,光パワーを

測定する(Pmin)。供試品の消光比は,式(3)で求める。 

max

min

10

log

10

P

P

Ext −

=

 ···································································· (3) 

ここに, 

Ext: 供試品の消光比(dB) 

Pmin: 供試品を挿入した場合の最小光パワー 

Pmax: 供試品を挿入した場合の最大光パワー 

特に消光比が高い偏光子の場合は,不要光が光パワーメータの受光部に入射した場合,消光比を正

確に測定することができない。不要光の出射方向は,試験に用いる偏光子によって異なる。複屈折結

晶を用いた偏光子を光路中に挿入した場合,通常,進行方向に互いに角度をもつ二つの光に分かれる。

また,偏光ビームスプリッタを光路中に挿入した場合,進行方向とそれにほぼ垂直な方向との二つの

光に分かれる。いずれの場合も,透過を意図しない不要偏光が光パワーメータの受光部に入射しない

ように,供試品,レンズ及び光パワーメータ受光部を配置する。 

c) 消光比を測定するために,光パワーの測定を4回行う。 

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図3−消光比測定系(基準光学系) 

図4−消光比測定系(供試品挿入) 

6.4.3 

個別規格に規定する事項 

必要がある場合,次の事項の仕様などを個別規格に規定する。 

a) 光源(光源の種類,中心波長,スペクトル幅,光パワーの安定性,コヒーレンスなど) 

b) 光パワーメータ(光源の中心波長における感度,直線性,安定性,光入力の形態など) 

c) 標準偏光子(有効径,消光比,波面収差など) 

d) 性能要求(許容消光比) 

6.5 

波面収差 

6.5.1 

試験機器及び装置 

この試験に用いる機器及び装置は,6.1の条件を満たす次のものを用いる。 

a) 光源(この試験では,十分な干渉性をもつ光源を用いなければならない。発光ダイオードは,この試

験の光源として用いることはできない。) 

b) レンズ 

c) 開口絞り 

d) ビームエクスパンダ 

e) 撮像素子 

f) 

半透鏡 

g) 鏡 

h) ビームスプリッタ 

i) 

結像レンズ 

j) 

参照平面 

6.5.2 

試験 

波面収差は,次の方法1〜方法3のいずれかによって測定する。 

a) 方法1(マッハツェンダ干渉計による方法) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 図5に示す構成によって,干渉計全体の波面収差を測定する。光源からの平行光束を,ビームエク

スパンダで供試品の有効径以上に拡大し,開口絞りによって入射光のビーム径を供試品の有効径と

一致させる。開口絞りを通過させた後,標準偏光子によって直線偏光にする。半透鏡1で二つに分

けられた光束の一方に鏡1,他方に鏡2を配置する。二つの光束は,半透鏡2で重ね合わせ,生じ

た干渉じま(縞)を結像レンズによって撮像素子上に拡大結像する。波面収差が最小になるように

調整して,系の波面収差W0を測定する。 

2) 次に,図6に示す構成によって,供試品を挿入した場合の波面収差を測定する。図5に示す構成で

鏡1と半透鏡2との間の光路中に供試品を挿入し,供試品を回転して最大光量となる位置に固定し,

図6に示す構成とする。二つの光束は,半透鏡2で重ね合わせ,生じた干渉じま(縞)を結像レン

ズによって撮像素子上に拡大結像する。波面収差が最小になるように調整して供試品を挿入した場

合の波面収差W1を測定する。不要光が撮像素子に結像した場合,波面収差を正確に測定すること

ができない。不要光の出射方向は,試験に用いる偏光子によって異なる。複屈折結晶を用いた偏光

子を光路中に挿入した場合,通常,進行方向に互いに角度をもつ二つの光に分かれる。また,偏光

ビームスプリッタを光路中に挿入した場合,進行方向とそれにほぼ垂直な方向との二つの光に分か

れる。いずれの場合も,透過を意図しない不要偏光が撮像素子に結像しないように,光学系の配置

を注意する必要がある。 

3) 偏光子の波面収差Wを,式(4)によって算出する。 

W=W1−W0 ·············································································· (4) 

ここに, 

W: 波面収差 

W1: 供試品を挿入した場合の波面収差 

W0: 系の波面収差 

図5−波面収差測定のためのマッハツェンダ干渉計 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図6−マッハツェンダ干渉計による波面収差測定光学系 

b) 方法2(フィゾー干渉計による方法) 

1) 図7に示す構成によって,干渉計全体の波面収差を測定する。光源からの平行光束を,標準偏光子

によって直線偏光にして,2枚のレンズとこれらの間に配置した半透鏡とからなるコリメータ系を

介して参照平面に供給する。参照平面は半透鏡であり,供給された平行光束を二分する。 

反射光束はそのまま参照波面とし,透過光束は基準平面に供給する。基準平面で反射した光束  

は,往路を逆行して,参照平面を経て前述の参照波面に重ね合わさる。生じた干渉じま(縞)を半

透鏡を介して結像レンズによって撮像素子上に拡大結像し,波面収差が最小になるように調整し 

て,系の波面収差W0を測定する。 

2) 次に,図8に示す構成によって,供試品を挿入した場合の波面収差を測定する。図7に示す構成で

参照平面と基準平面との間に供試品を挿入し,供試品を回転して最大光量になる位置に固定し,図

8に示す構成とする。生じた干渉じま(縞)を,半透鏡を介して結像レンズによって撮像素子上に

拡大結像し,波面収差が最小になるように調整して供試品を挿入した場合の波面収差W1を測定す

る。不要光が撮像素子に結像した場合,波面収差を正確に測定することができない。不要光の出射

方向は,試験に用いる偏光子によって異なる。複屈折結晶を用いた偏光子を光路中に挿入した場合,

通常,進行方向に互いに角度をもつ二つの光に分かれる。また,偏光ビームスプリッタを光路中に

挿入した場合,進行方向とそれにほぼ垂直な方向との二つの光に分かれる。いずれの場合も,透過

を意図しない不要偏光が撮像素子に結像しないように,光学系の配置を注意する必要がある。 

3) 偏光子の波面収差Wを,式(5)によって算出する。 

W=W1−W0 ·············································································· (5) 

ここに, 

W: 波面収差 

W1: 供試品を挿入した場合の波面収差 

W0: 系の波面収差 

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図7−波面収差測定のためのフィゾー干渉計 

図8−フィゾー干渉計による波面収差測定光学系 

c) 方法3(トワイマン・グリーン干渉計による方法) 

1) 図9に示す構成によって,干渉計全体の波面収差を測定する。光源からの平行光束を,ビームエク

スパンダで供試品の有効径以上に拡大し,開口絞りによって入射光のビーム径を供試品の有効径と

一致させる。開口絞りを通過させた後,標準偏光子によって直線偏光にする。ビームスプリッタに

よって二分割された成分がほぼ等しくなるように調整する。 

透過成分の光束は,参照平面で反射した後,ビームスプリッタで反射し,参照波面を形成する。

反射成分の光束は,基準平面に到達した後,基準平面によって反射し,光路を逆行し,ビームスプ

リッタを透過して参照波面と重ね合わさる。この干渉じま(縞)を結像レンズによって撮像素子上

に拡大結像し,波面収差が最小になるように調整して,系の波面収差W0を測定する。 

2) 次に,図10に示す構成によって,基準平面及び参照平面を基準とした偏光子の波面収差を測定する。

図9に示す構成でビームスプリッタと基準平面との間に供試品を配置し,供試品を回転させて最大

光量になる位置に固定し,図10に示す構成とする。生じた干渉じま(縞)を結像レンズによって撮

像素子上に拡大結像し,波面収差が最小になるように調整して,供試品を挿入した場合の波面収差

W1を測定する。不要光が撮像素子に結像した場合,波面収差を正確に測定することができない。不

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

要光の出射方向は,試験に用いる偏光子によって異なる。複屈折結晶を用いた偏光子を光路中に挿

入した場合,通常,進行方向に互いに角度をもつ二つの光に分かれる。また,偏光ビームスプリッ

タを光路中に挿入した場合,進行方向とそれにほぼ垂直な方向との二つの光に分かれる。いずれの

場合も,透過を意図しない不要偏光が撮像素子に結像しないように,光学系の配置を注意する必要

がある。 

3) 偏光子の波面収差Wを,式(6)によって算出する。 

W=W1−W0 ·············································································· (6) 

ここに, 

W: 波面収差 

W1: 供試品を挿入した場合の波面収差 

W0: 系の波面収差 

図9−波面収差測定のためのトワイマン・グリーン干渉計 

図10−トワイマン・グリーン干渉計による波面収差測定光学系 

6.5.3 

個別規格に規定する事項 

11 

C 5877-2:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

必要がある場合,次の事項の仕様などを個別規格に規定する。 

a) 試験方法(方法1〜方法3) 

b) 光源(光源の種類,中心波長,スペクトル幅,波面収差など) 

c) ビームエクスパンダ(光束径,波面収差など) 

d) 開口絞り(省略の有無,挿入位置,開口絞り像の位置,開口絞りの像の縮小倍率など) 

e) 標準レンズ(有効径,実効焦点距離,実効NA,波面収差など) 

f) 

撮像素子(光源の中心波長における感度,感度分布,直線性,空間分解能など) 

g) 系の波面収差 

h) 性能要求(許容波面収差) 

機械的性能試験 

7.1 

試験機器及び装置 

この試験に用いる機器及び装置は,6.1の条件を満たす次のものを用いる。 

a) 光源 

b) レンズ 

c) 開口絞り 

d) ビームエクスパンダ 

e) 光パワーメータ 

f) 

撮像素子 

g) 半透鏡 

h) 鏡 

i) 

標準偏光子 

j) 

ビームスプリッタ 

k) 結像レンズ 

l) 

参照平面 

7.2 

試験方法 

正弦波振動及び衝撃に対する機械的性能を試験する。 

試験に先立って,6.3〜6.5の項目について供試品の初期特性を測定する。次に,供試品を試験装置に取

り付け,個別規格の規定に従って振動及び衝撃を印加した後,再度,6.3〜6.5の項目について特性を測定

する。 

7.3 

個別規格に規定する事項 

必要がある場合,試験条件を個別規格に規定する。 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記入しなければならない。 

a) 規格番号 

b) 供試品を識別する詳細 

c) 試験環境条件 

d) 試験に用いた光源 

− 光源の種類 

12 

C 5877-2:2012  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− 中心波長 

− スペクトル幅 

e) 光学的性能試験結果 

− 透過率 

− 消光比 

− 波面収差(試験方法とともに記載) 

f) 

機械的性能試験結果 

− 正弦波振動及び衝撃を印加した後の次の光学的性能試験結果 

− 透過率 

− 消光比 

− 波面収差(試験方法とともに記載) 

g) 試験年月日 

h) 試験を実施した組織名