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C 5877-1:2015  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義··················································································································· 1 

4 分類······························································································································· 4 

5 外観及び構造··················································································································· 4 

5.1 外観 ···························································································································· 4 

5.2 構造 ···························································································································· 4 

6 性能······························································································································· 4 

6.1 光学的特性 ··················································································································· 4 

6.2 環境及び耐久性に対する性能 ··························································································· 4 

7 試験方法························································································································· 4 

8 表示······························································································································· 4 

9 包装······························································································································· 4 

10 安全 ····························································································································· 4 

附属書A(参考)複屈折偏光子の個別仕様書の様式例 ································································· 5 

附属書B(参考)偏光ビームスプリッタの個別仕様書の様式例 ····················································· 7 

附属書C(参考)二色性偏光子の個別仕様書の様式例 ································································· 9 

C 5877-1:2015  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産

業技術振興協会(OITDA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業

規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業

規格である。 

これによって,JIS C 5877-1:2009は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 5877の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 5877-1 偏光子−第1部:通則 

JIS C 5877-2 偏光子試験方法 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 5877-1:2015 

偏光子−第1部:通則 

Polarizer-Part 1: General rule 

序文 

この規格は,2009年に制定され,今回の改正に至っている。この規格の関連規格には,JIS C 5877-2(偏

光子試験方法)があって,2012年に制定された。また,偏光子,マイクロレンズ,位相子などの光学素子

の用語及び分類を規定する規格には,JIS C 5860(空間ビーム光用受動部品通則)があって,2012年に改

正された。今回,これらの関連規格との整合性を図り誤記訂正及び様式の見直しを図るために改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,光学部品として用いる偏光子の通則であり,用語,分類法などの一般的な共通事項につい

て規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 5860 空間ビーム光用受動部品通則 

JIS C 5877-2 偏光子試験方法 

JIS Z 8120 光学用語 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 5860の箇条3(用語及び定義)及びJIS Z 8120の4.(用

語及び定義)によるほか,次による。 

3.1 

直線偏光子(linear polarizer) 

入射光の偏光の状態又は角度に関係なく,出射光が直線偏光である光学素子。 

3.2 

偏光方向(direction of polarization) 

光波(電界ベクトル)の振動方向。 

3.3 

だ(楕)円率角(ellipticity angle) 

だ(楕)円偏光において,光波(電界ベクトル)の先端の軌跡が描くだ(楕)円のだ(楕)円率の正接

の角度。 

C 5877-1:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.4 

方位角(azimuth) 

だ(楕)円偏光において,光波(電界ベクトル)の先端の軌跡が描くだ(楕)円の長軸と伝搬方向に垂

直な参照軸との間の角度。 

3.5 

ランダム偏光(random polarized light) 

光波(電界ベクトル)の偏光状態が,時間的にランダムに変化している光。 

3.6 

無偏光(depolarized light) 

光波(電界ベクトル)の偏光状態が異なる多くの光が混じった光。 

3.7 

ストークスパラメータ(stokes parameters) 

単色光又は擬似単色光の偏光状態を完全に記述する四つの実数の組。 

3.8 

波面ひずみ(wave front distortion) 

光が光学部品を透過した後の波面のひずみ。 

3.9 

入射許容角(angular terrace) 

光学部品が所期の特性を満たすための入射角の範囲。 

3.10 

ビーム変位(beam deviation) 

入射光の伝搬方向に対する光学部品を透過した後の伝搬方向のずれ。 

3.11 

複屈折結晶(birefringent crystal) 

複屈折をもつ結晶。 

3.12 

位相差(retardation) 

二つの波の位相の差。複屈折結晶においては,入射する直交する二つの偏光における位相の差。 

3.13 

進相軸(fast axis) 

複屈折結晶内で,二つの法線速度において他方に比べ速くなる方向。 

3.14 

遅相軸(slow axis) 

複屈折結晶内で,二つの法線速度において他方に比べ遅くなる方向。 

3.15 

複屈折偏光子(birefringence polarizer) 

結晶の複屈折によって偏光分離を行う素子(図1及び図2参照)。紙面に垂直な振動方向と紙面に平行

な振動方向とが混ざった偏光が同時に入射する場合,垂直成分及び平行成分を常光線と異常光線との直線

偏光に分離して放射する。図1及び図2に示す結晶方位は,素子の結晶軸方向を示し,それらの軸の屈折

率をno,neで示している。noは結晶の常光線の屈折率,neは結晶の異常光線の屈折率である。プリズム形

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

偏光子[くさび(楔)形状](図1)及び直方体形偏光子(図2)があり,それぞれ結晶方位が異なる。 

異常光線

結晶方位

no

no

ne

常光線

結晶方位

no

no

ne

異常光線

結晶方位

no

no

ne

常光線

結晶方位

no

no

ne

図1−プリズム形偏光子 

異常光線

常光線

結晶方位

ne

no

no

異常光線

常光線

結晶方位

ne

no

no

図2−直方体形偏光子 

3.16 

偏光ビームスプリッタ(polarization beam splitter) 

誘電体多層膜を利用し,異なる2方向に偏光分離を行う素子。紙面に垂直な振動方向と紙面に平行な振

動方向とが混ざった偏光が同時に入射する場合,平行成分の直線偏光は直進し(図3の実線),垂直成分

の偏光は側面から放射する(図3の点線)。 

図3−偏光ビームスプリッタ 

3.17 

二色性偏光子(dichroic polarizer) 

二色性を利用し,特定の偏光だけを透過する素子(図4参照)。紙面に垂直な振動方向と紙面に平行な振

動方向とが混ざった偏光が同時に入射する場合,垂直成分と平行成分とのいずれか一方の直線偏光を透過

し,他方は素子内で吸収される。 

図4−二色性偏光子 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

分類 

偏光子の分類例を,表1に示す。 

表1−偏光子の分類例 

項目 

分類 

形式 

プリズム形偏光子,直方体形偏光子,二色性偏光子,偏光ビームスプリッタなど 

動作原理 

複屈折,二色性など 

使用波長 

1 300 nm帯,1 550 nm帯など 

外観及び構造 

5.1 

外観 

外観は,著しいきず,ディグ(くぼみ),欠け,クラック,汚れなどの異常があってはならない。 

適否は,目視による検査によって判定する。 

5.2 

構造 

偏光子の構造は,個別仕様書による。個別仕様書で示す項目例を,附属書A〜附属書Cに示す。 

性能 

6.1 

光学的特性 

光学的特性は,個別仕様書による。個別仕様書で示す項目例を,附属書A〜附属書Cに示す。 

6.2 

環境及び耐久性に対する性能 

偏光子の環境及び耐久性に対する性能は,個別仕様書による。個別仕様書で示す項目例を,附属書A〜

附属書Cに示す。 

試験方法 

偏光子の試験方法は,JIS C 5877-2による。 

表示 

偏光子には,次の全ての事項を表示する。ただし,個々の偏光子に表示することが困難な場合は,包装

に表示してもよい。 

a) 形名(製造業者の指定による。) 

b) 製造業者名又はその略号 

c) 製造年月若しくは製造ロット番号又はそれらの略号 

包装 

包装は,輸送中及び保管中に,振動,衝撃などによる製品の破損又は品質の低下がないように行う。 

10 安全 

偏光子を,光伝送システム,装置及びデバイスに用いる場合,光学部品の端面から人体に影響を及ぼす

光の放射(透過光及び/又は反射光)が生じる可能性がある。したがって,製造業者は,システム設計者,

デバイス設計者及び使用者に対して,安全性に関する十分な情報及び確実な使用方法を明示しなければな

らない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

複屈折偏光子の個別仕様書の様式例 

この附属書は,複屈折結晶を用いた偏光子の個別仕様書の様式例を記載する。 

A.1 一般 

複屈折結晶を用いた偏光子の個別仕様書の様式例として,定格,光学特性,環境,耐久性試験などを示

す。 

A.2 構造 

構造は,複屈折結晶を用いた平板及びくさび(楔)構造とする。ただし,外枠を除く。 

A.3 試験 

試験方法は,JIS C 5877-2による。 

A.4 試験報告書 

項目に漏れがない試験報告書及びそれを裏付けるデータを提供しなければならない。また,試験報告書

及びそれを裏付けるデータは,実施した試験に適合した確証として検査に使用する。 

A.5 定格 

定格の規定項目の様式例を,表A.1に示す。 

表A.1−定格の規定項目 

項目 

記号 

条件 

最大定格値 

単位 

有効ビーム径 

φca 

μm 

光学軸方位 

ビーム変位 

入射許容角 

度 

平面度 

反射率 

最大入射光パワー密度 

Pmax 

W/cm2 

使用温度範囲 

Ta 

−   〜+    

℃ 

使用波長範囲 

λop 

    〜    

nm 

保存温度範囲 

Tstg 

−   〜+    

℃ 

A.6 光学特性 

光学特性の規定項目の様式例を,表A.2に示す。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.2−光学特性の規定項目 

項目 

試験方法 

試験条件 

最小値 

標準値 

最大値 

単位 

透過率 

− 

消光比 

− 

dB 

偏光子の試験方法は,JIS C 5877-2による。各項目の性能値は,表A.1の定格に規定した使用温度範囲

及び使用波長範囲に対する,最小値及び標準値とする。 

A.7 環境及び耐久性試験 

試験条件の様式例を,表A.3に示す。 

表A.3−環境及び耐久性試験の試験条件 

項目 

試験方法 

試験条件 

抜取方式 

要求性能 

試料数 

合格判定数 

温度サイクル 

温度範囲:   ℃
〜   ℃, 
   サイクル 

耐湿性(定常状態) 

温度:   ℃, 
相対湿度:   %, 
   時間 

耐湿性 
(温湿度サイクル) 

温度:   ℃, 
相対湿度:   %, 
   サイクル 

最大入射光パワー密度 

   W/cm2 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

偏光ビームスプリッタの個別仕様書の様式例 

この附属書は,偏光ビームスプリッタの個別仕様書の様式例を記載する。 

B.1 

一般 

偏光ビームスプリッタの個別仕様書の様式例として,定格,光学特性,環境,耐久性試験などを示す。 

B.2 

構造 

構造は,誘電体多層膜を利用した直方体形状とする。ただし,外枠を除く。 

B.3 

試験 

試験方法は,JIS C 5877-2による。 

B.4 

試験報告書 

項目に漏れがない試験報告書及びそれを裏付けるデータを提供しなければならない。また,試験報告書

及びそれを裏付けるデータは,実施した試験に適合した確証として検査に使用する。 

B.5 

定格 

定格の規定項目の様式例を,表B.1に示す。 

表B.1−定格の規定項目 

項目 

記号 

条件 

最大定格値 

単位 

有効ビーム径 

φca 

μm 

入射許容角 

度 

平面度 

反射率 

最大入射光パワー密度 

Pmax 

W/cm2 

使用温度範囲 

Ta 

−   〜+    

℃ 

使用波長範囲 

λop 

    〜    

nm 

保存温度範囲 

Tstg 

−   〜+    

℃ 

B.6 

光学特性 

光学特性の規定項目の様式例を,表B.2に示す。 

表B.2−光学特性の規定項目 

項目 

試験方法 

試験条件 

最小値 

標準値 

最大値 

単位 

透過率 

− 

消光比 

− 

dB 

偏光ビームスプリッタの試験方法は,JIS C 5877-2による。各項目の性能値は,表B.1の定格に規定し

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

た使用温度範囲及び使用波長範囲に対する,最小値及び標準値とする。 

B.7 

環境及び耐久性試験 

試験条件の様式例を,表B.3に示す。 

表B.3−環境及び耐久性試験の試験条件 

項目 

試験方法 

試験条件 

抜取方式 

要求性能 

試料数 

合格判定数 

温度サイクル 

温度範囲:   ℃
〜   ℃, 
   サイクル 

耐湿性(定常状態) 

温度:   ℃, 
相対湿度:   %, 
   時間 

耐湿性 
(温湿度サイクル) 

温度:   ℃, 
相対湿度:   %, 
   サイクル 

最大入射光パワー密度 

   W/cm2 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C 
(参考) 

二色性偏光子の個別仕様書の様式例 

この附属書は,二色性偏光子の個別仕様書の様式例を記載する。 

C.1 一般 

二色性偏光子の個別仕様書の様式例として,定格,光学特性,環境,耐久性試験などを示す。 

C.2 構造 

構造は,二色性を用いた平板構造とする。ただし,外枠を除く。 

C.3 試験 

試験方法は,JIS C 5877-2による。 

C.4 試験報告書 

項目に漏れがない試験報告書及びそれを裏付けるデータを提供しなければならない。また,試験報告書

及びそれを裏付けるデータは,実施した試験に適合した確証として検査に使用する。 

C.5 定格 

定格の規定項目の様式例を,表C.1に示す。 

表C.1−定格の規定項目 

項目 

記号 

条件 

最大定格値 

単位 

有効ビーム径 

φca 

μm 

光学軸方位 

入射許容角 

度 

平面度 

反射率 

最大入射光パワー密度 

Pmax 

W/cm2 

使用温度範囲 

Ta 

−   〜+    

℃ 

使用波長範囲 

λop 

    〜    

nm 

保存温度範囲 

Tstg 

−   〜+    

℃ 

C.6 光学特性 

光学特性の規定項目の様式例を,表C.2に示す。 

表C.2−光学特性の規定項目 

項目 

試験方法 

試験条件 

最小値 

標準値 

最大値 

単位 

透過率 

− 

消光比 

− 

dB 

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10 

C 5877-1:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

偏光子の試験方法は,JIS C 5877-2による。各項目の性能値は,表C.1の定格に規定した使用温度範囲

及び使用波長範囲に対する,最小値及び標準値とする。 

C.7 環境及び耐久性試験 

試験条件の様式例を,表C.3に示す。 

表C.3−環境及び耐久性試験の試験条件 

項目 

試験方法 

試験条件 

抜取方式 

要求性能 

試料数 

合格判定数 

温度サイクル 

温度範囲:   ℃
〜   ℃, 
   サイクル 

耐湿性(定常状態) 

温度:   ℃, 
相対湿度:   %, 
   時間 

耐湿性 
(温湿度サイクル) 

温度:   ℃, 
相対湿度:   %, 
   サイクル 

最大入射光パワー密度 

   W/cm2