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C 5871:2011  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 標準試験状態 ··················································································································· 2 

4.1 標準状態 ······················································································································ 2 

4.2 基準状態 ······················································································································ 2 

4.3 判定状態 ······················································································································ 2 

4.4 試験場所の状態 ············································································································· 2 

5 外観及び構造 ··················································································································· 2 

6 光損失波長特性試験 ·········································································································· 3 

6.1 装置 ···························································································································· 3 

6.2 準備 ···························································································································· 3 

6.3 試験 ···························································································································· 3 

6.4 個別規格に規定する事項 ································································································· 5 

7 機械的性能試験 ················································································································ 5 

7.1 剝離強さ試験 ················································································································ 5 

7.2 硬さ試験 ······················································································································ 5 

7.3 衝撃試験 ······················································································································ 5 

8 耐久性試験 ······················································································································ 5 

8.1 高温高湿試験 ················································································································ 5 

8.2 温度サイクル試験 ·········································································································· 5 

C 5871:2011  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人光産業技

術振興協会(OITDA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改

正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ

る。 

これによって,JIS C 5871:1992は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 5871:2011 

干渉フィルタ試験方法 

Test methods of interference filters 

序文 

この規格は,1992年に制定され,その後は改正を経ずに今日に至っている。今回の改正は,その後の光

通信技術の進歩に伴う用語の追加,並びに機械強度試験及び信頼性試験についての規定の追加に対応する

ために改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,空間ビーム光を入出射し,主に光伝送に使用する波長分離を目的とした干渉フィルタの試

験方法について規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 0025 環境試験方法(電気・電子)温度変化試験方法 

JIS C 5860 空間ビーム光用受動部品通則 

JIS C 5870 干渉フィルタ通則 

JIS C 5900 光伝送用受動部品通則 

JIS C 5901 光伝送用受動部品試験方法 

JIS C 60068-1 環境試験方法−電気・電子−通則 

JIS C 60068-2-78 環境試験方法−電気・電子−第2-78部:高温高湿(定常)試験方法 

JIS Z 8120 光学用語 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 5860,JIS C 5870,JIS C 5900及びJIS C 5901によるほか,

次による。 

3.1 

広帯域光源(Broadband light source) 

使用波長範囲で可及的に平たんなスペクトルをもち,出力安定度が必要十分な光源。 

3.2 

波長可変レーザ(Tunable laser) 

発振中心波長が可変なレーザ。 

C 5871:2011  

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3.3 

偏光子(Polarizer) 

自然光から特定の偏光を取り出すための光学素子(JIS Z 8120の02.02.44参照)。 

3.4 

四分の一波長板(Quarter-wave plate) 

互いに垂直な方向に振動する偏光の光路差を1/4波長変化させる位相板(JIS Z 8120の02.02.65参照)。 

3.5 

偏光解消子(Depolarizer) 

偏光を自然光に変えるための光学素子。 

3.6 

光スペクトラムアナライザ(Optical spectrum analyzer) 

光ファイバコネクタ用の入力端子をもち,入力端子に入射した光のスペクトルの波長(周波数)に対す

る時間平均された強度分布を測定し,画面に表示する機能をもつ測定器。 

3.7 

スペクトル分解能(Spectrum resolution) 

光を単色光成分に分解する分解能。輝線スペクトルを測定したとき,表示されるスペクトル半値幅(ピ

ーク値より−3 dB低い光パワーをもつ波長間隔)をスペクトル分解能とする。 

標準試験状態 

4.1 

標準状態 

試験及び測定は,その他の規定がない場合,JIS C 60068-1の5.3[測定及び試験のための標準大気条件

(標準状態)]に規定の標準状態(温度15〜35 ℃,相対湿度25〜75 %,気圧86〜106 kPa)の下で行う。

ただし,この標準状態での測定値によって判定に疑義を生じた場合,又は特に要求された場合は,4.3によ

る。また,換算を個別に規定した場合の基準状態は,4.2による。 

さらに,標準状態で測定することが困難な場合は,判定に疑義を生じない場合,標準状態以外の状態で

試験及び測定を行ってもよい。 

なお,試験及び測定を行った状態は,試験成績書に明示する。干渉フィルタの光学特性は,吸湿によっ

て時間の経過とともに変化するので,開封後の放置時間も併せて明示する。 

4.2 

基準状態 

基準状態は,JIS C 60068-1の5.1[標準基準大気条件(基準状態)]に規定の状態(温度20 ℃,気圧101.3 

kPa)とする。ただし,温度だけをもって基準状態としてもよい。 

4.3 

判定状態 

判定状態は,JIS C 60068-1の5.2[判定測定,及び判定試験のための標準大気条件(判定状態)]に規定

の状態(温度20±2 ℃,相対湿度60〜70 %,気圧86〜106 kPa)とする。 

4.4 

試験場所の状態 

試験場所は,ごみ,ほこりなどがないよう,十分清潔にしておく。 

外観及び構造 

JIS C 5901の5.(外観及び構造)の規定による。 

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光損失波長特性試験 

6.1 

装置 

次の装置を試験で用いる。 

a) 光源 光源は,その他の規定がない場合,光損失波長特性に対して波長スペクトル幅が十分狭い波長

可変光源,又はLED,SLDなどの広帯域光源を使用する。波長可変光源は,測定する光損失波長特性

に対して,測定波長間隔を十分狭い間隔で設定できるものを用いる。波長可変光源のスペクトル幅は,

測定波長間隔の1/3以下であることが望ましい。また,測定しようとする光損失波長特性が周期的リ

ップルをもつ場合は,波長可変光源に設定する測定波長間隔は,リップルの周期の1/10以下であるこ

とが望ましい。 

b) 偏光光学系 広帯域光源からの光は,通常,自然光であるので,光損失の偏光依存性を測定する場合

には,偏光子を系に追加して特定の偏光状態とした光波を用いる。半導体レーザには,主要な直線偏

光とともに,偏光方向がこれと直交する光がわずかではあるが混じっているので,光損失の直線偏光

に対する特性を測定する場合には偏光子を,円偏光に対する特性を測定する場合には四分の一波長板

を,また,自然光に対する特性を測定する場合には偏光解消子を,それぞれ系に追加する。 

c) 光検出器 波長可変光源には光パワーメータを,広帯域光源には光スペクトラムアナライザを光検出

器として使用する。光スペクトラムアナライザは,光損失波長特性に対して十分狭い波長分解能をも

つものとする。 

なお,光検出器は,その他の規定がない場合,測定範囲内での直線性誤差が±0.2 dB以内のものを

使用し,それ以外は精度を試験成績書に明示する。 

注記1 光スペクトラムアナライザ及び分光器(モノクロメータ)の測定可能な光損失のダイナミ

ックレンジと波長分解能とは,相反する関係にあるので,これらを勘案して波長スペクト

ル幅を設定する。 

注記2 光スペクトラムアナライザ及び分光器(モノクロメータ)は,2次回折光が測定に影響す

る場合には,これを除去するための光フィルタを系に追加する。 

注記3 光源の出力光の時間変動が測定精度に影響を及ぼすおそれがある場合には,光源の光出力

を光分岐を通じて基準として測定し,供試品からの光出力の変動を相殺する。 

注記4 半導体レーザの自然放出光成分が測定精度に影響を及ぼすおそれがある場合には,これを

除去するための光フィルタを系に追加する。 

6.2 

準備 

供試干渉フィルタにごみ,水分などが付着していると正確な測定ができないので,その表面を清浄に保

った状態でジグに把持し,光路に挿入する。また,干渉フィルタの基板裏面及び/又は保護膜表面からの

反射によって測定値に疑義を生じるおそれがある場合には,基板裏面及び/又は保護膜表面に無反射コー

ティングを施したり,屈折率整合剤を塗布するなどして,反射光を抑圧する。測定結果に疑義を生じない

ために,必要がある場合は,30分以上,測定温度に供試干渉フィルタを放置しておく。また,測定の前後

を通じて,供試品に過度の通風,日光その他の熱源からの直接の熱放射など,測定に影響を及ぼすような

要因が入らないようにする。 

6.3 

試験 

6.3.1 

測定条件 

光損失波長特性に対して十分狭い波長スペクトル幅をもつ波長可変光源又は広帯域光源を用いて測定を

行う。波長可変光源の場合は,スペクトル幅及び測定波長間隔を試験成績書に明示する。 

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供試干渉フィルタの寸法に比べて小さいビーム径をもつ光を,使用状態に対応する角度で試料に入射さ

せ,測定を行う。供試干渉フィルタの寸法,入射位置,ビーム径,ビーム広がり角度,入射角度及び偏光

状態を,試験成績書に明示する。ビーム径及びビーム広がり角度については,その定義も合わせて明示す

る。 

6.3.2 

試験手順 

まず,表1に規定するように,使用する光源及び光検出器に応じて,図1のa)〜c)の測定系を構成し,

測定波長を変化させて,各波長λでの基準物体からの基準出力光パワーP1(λ)(W)を測定する。基準物体

としては,供試干渉フィルタを挿入しない場合の空気層又は供試干渉フィルタを形成するためのガラス基

板を用いる。 

表1−光源及び光検出器 

測定系 

光源 

光検出器 

図1のa) 

広帯域光源及びモノクロメータ 

光パワーメータ 

図1のb) 

広帯域光源 

光スペクトラムアナライザ 

図1のc) 

波長可変レーザ 

光パワーメータ 

次に,図2のa)〜c)に示すように,図1のa)〜c)の測定系で基準物体を供試干渉フィルタに置き換え,

供試干渉フィルタからの各波長での出力光パワーP2(λ)(W)を測定する。 

注記1 用いた基準物体を試験成績書に明示する。 

注記2 図1及び図2では,光源,光パワーメータなど装置間を全て空間ビームで結合した場合を示

しているが,干渉フィルタへの入射光が空間ビームであればよく,例えば,装置間を光ファ

イバコードで接続してもよい。 

6.3.3 

算出 

光損失L(λ)は,次の式によって算出する。 

()

()

()

λ

λ

λ

1

2

10

log

10

P

P

L

=

ここに, 

L(λ): 光損失(dB) 

P1(λ): 波長λの基準出力光パワー(W) 

P2(λ): 波長λの出力光パワー(W) 

通過帯域内最大光損失ILmaxは,通過帯域内での光損失L(λ)の最大値によって算出する。 

通過帯域内最小光損失ILminは,通過帯域内での光損失L(λ)の最小値によって算出する。 

リップルΔILは,次の式によって算出する。 

ΔIL=ILmax−ILmin 

アイソレーションは,阻止帯域内での光損失L(λ)の最小値によって算出する。 

通過帯域幅BWpssは,次の式によって算出する。 

BWpss=λl−λs 

ここに, BWpss: 通過帯域幅 
 

λs: 前記ILminをとる波長の周りでL(λs)=ILmaxとなる,光損失の

変動規定値を満たす短波長端の波長 

λl: 前記ILminをとる波長の周りでL(λl)=ILmaxとなる,光損失の

変動規定値を満たす長波長端の波長 

通過を意図する帯域であるため,光損失の変動規定値は,10 dB以下であることが望ましい。 

中心波長λcは,次の式によって算出する。 

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2

l

s

c

λ

λ

λ

+

=

6.4 

個別規格に規定する事項 

必要がある場合,次の事項を個別規格に規定する。 

a) 光源 光源については,光源の種類,光パワーの安定性,コヒーレンス波長,ビーム径,ビーム広が

り角及び偏光状態を個別規格に規定する。波長可変光源の場合は,波長スペクトル幅及び測定波長間

隔も規定する。 

b) 供試干渉フィルタ 供試干渉フィルタの寸法及び試験におけるビームの入射位置を個別規格に規定す

る。 

機械的性能試験 

必要がある場合,次の機械的性能試験を行う。 

7.1 

剝離強さ試験 

剝離強さ試験は,次のいずれかによる。 

a) ピール試験 粘着テープを干渉フィルタに押し付けた後,素早く剝がし,干渉フィルタの表面状態を

観察する。この試験方法は,干渉フィルタの表面に保護膜がない供試干渉フィルタに対して適用する。 

注記 参考とする規格として,MIL-C-675Cの4.5.12(adhesion)及びJIS H 8504の15.1(テープ試

験方法)がある。 

b) 煮沸試験 沸騰した熱湯の中に干渉フィルタを浸し,煮沸しながら一定時間放置する。これを取り出

して,水分を拭き取った後に,干渉フィルタの表面状態を観察する。 

7.2 

硬さ試験 

針を垂直に干渉フィルタに降ろして,供試干渉フィルタの表面に接触させ,ゆっくりと手前に引いた後,

供試干渉フィルタから離す。供試干渉フィルタの表面状態を観察する。針接触部先端は,鋭利過ぎず丸み

を帯びていることが望ましい。 

注記 参考とする規格として,JIS K 5600-5-5がある。 

7.3 

衝撃試験 

硬く滑らかな鋼球を,供試干渉フィルタの上に静止位置から自由落下させる。落下点付近の表面状態を

観察する。 

具体的な試験条件は,個別の規定によることとし,これらの試験条件を試験成績書に明示する。 

注記 参考とする規格として,JIS K 5600-5-3の5.(落球式)がある。 

耐久性試験 

必要がある場合,次の耐久性試験を行う。 

8.1 

高温高湿試験 

高温高湿,かつ,結露のない閉じた空間に供試干渉フィルタを置き,一定時間放置した後,これを取り

出し,供試干渉フィルタの表面状態を観察,又は光損失波長特性を試験する。試験方法については,JIS C 

60068-2-78に従う。 

8.2 

温度サイクル試験 

JIS C 0025に従い,次の二つの試験方法を適用する。 

a) 試験Na:温度急変 温度の変化時間を極端に短くした高温及び低温の連続的な熱衝撃を供試品に加 

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える。干渉フィルタの表面状態を観察,又は光損失波長特性を試験する。 

b) 試験Nb:定速温度変化 干渉フィルタに熱衝撃を加えない程度の穏やかな温度変化を与える。干渉

フィルタの表面状態を観察,又は光損失波長特性を試験する。 

具体的な試験条件は,個別の規定によることとし,これらの試験条件を試験成績書に明示する。 

a) 

b) 

c) 

図1−基準出力光パワーの測定系 

a) 

b) 

c) 

図2−出力光パワーの測定系 

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参考文献 JIS H 8504 めっきの密着性試験方法 

JIS K 5600-5-3 塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第3節:耐おもり落下性 

JIS K 5600-5-5 塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第5節:引っかき硬度(荷重

針法) 

MIL-C-675C,Coating of glass optical elements (anti-reflection)