C 5870:2009
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 分類······························································································································· 4
5 外観及び構造 ··················································································································· 5
5.1 外観 ···························································································································· 5
5.2 構造 ···························································································································· 5
6 性能······························································································································· 5
6.1 光学的特性 ··················································································································· 5
6.2 環境及び耐久性に対する性能···························································································· 5
7 試験方法 ························································································································· 5
8 表示······························································································································· 5
9 包装······························································································································· 5
10 安全 ····························································································································· 5
附属書A(参考)帯域通過形フィルタの個別規格の様式例 ···························································· 6
附属書B(参考)長波長(短波長)通過形フィルタの個別規格の様式例 ·········································· 8
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人光産業技
術振興協会 (OITDA) 及び財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS C 5870 : 1992は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
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日本工業規格 JIS
C 5870:2009
干渉フィルタ通則
General specifications of interference filters
1
適用範囲
この規格は,空間ビーム光を入射し,主に光伝送に使用する波長分離を目的とした干渉フィルタの一般
的な共通事項について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 5860 空間ビーム光用受動部品通則
JIS C 5871 干渉フィルタ試験方法
JIS C 5900 光伝送用受動部品通則
JIS Z 8120 光学用語
3
用語及び定義
この規格に関連する主な用語及び定義は,JIS C 5860の3.(定義),JIS C 5900の3.(定義)及びJIS Z 8120
によるほか,次による。
3.1
干渉フィルタ (interference filter)
薄膜による光の干渉を利用して,特定の波長領域の光だけを選択的に透過又は反射させるフィルタ。
3.2
使用温度範囲 (operating temperature range)
光学部品を適正な状態で使用できる周囲温度の範囲。
3.3
使用波長範囲 (operating wavelength range)
所期の性能を満たす光の波長域。
3.4
光損失 (optical loss)
干渉フィルタのある特定の使用状態で,入射光パワーと出射光パワーとの比をデシベル値で表した値。
次の式によって算出する。
1
2
10
log
10
P
P
L−
=
ここに,
L: 光損失 (dB)
P1: 入射光パワー (W)
P2: 出射光パワー (W)
2
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3.5
光損失波長特性 (optical loss wavelength characteristic)
干渉フィルタの光損失が波長によって変化する様子。図1に例示する。
3.6
通過帯域 (pass band)
使用波長範囲内で通過を意図した波長領域。光損失波長特性で,光損失が規定値α以下である。
3.7
阻止帯域 (rejection band)
使用波長範囲内で阻止を意図した波長領域。光損失波長特性で,光損失が規定値β以上である。
図1−光損失波長特性(曲線)と使用波長範囲,
通過帯域及び阻止帯域との関係
3.8
通過帯域内最大光損失 (maximum optical loss within pass band)
通過帯域における,光損失の最大値。
3.9
通過帯域内最小光損失 (minimum optical loss within pass band)
通過帯域における,光損失の最小値。
3.10
リップル (ripple)
通過帯域における,光損失の波長による変動の最大値。図2に光損失波長特性,通過帯域及び規定値α
と通過帯域内最大光損失,通過帯域内最小光損失,リップルとの関係を示す。
3
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図2−通過帯域及び規定値αと通過帯域内最大光損失,通過帯域内
最小光損失,リップルとの関係
3.11
アイソレーション (isolation)
阻止を意図した波長領域の光損失。特に干渉フィルタでは阻止帯域における光損失の最小値。図3に光
損失波長特性,阻止帯域及び規定値 β とアイソレーションとの関係を示す。
図3−阻止帯域及び規定値 β とアイソレーションとの関係
3.12
通過帯域幅 (pass bandwidth)
供試干渉フィルタの光損失波長特性において,通過帯域内最小光損失をとる波長のまわりで,光損失の
変動が規定値以下である波長の最大値と最小値との差。
3.13
中心波長 (center wavelength)
供試干渉フィルタの光損失波長特性において,通過帯域内最小光損失をとる波長のまわりで,光損失の
変動が規定値以下である波長の中心の波長。図4に光損失,規定値及び通過帯域幅の関係を示す。
4
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図4−光損失の変動の規定値,通過帯域幅と中心波長との関係
3.14
中心波長公差 (center wavelength tolerance)
設計波長と中心波長との差の許容する最大値。通常は,設計波長は通過帯域の中心の波長である。
3.15
通過帯域内偏光依存性 (polarization dependence within pass band)
通過帯域における,入射光の偏光状態による光学特性が変化すること。
3.16
通過帯域内偏光依存損失 (polarization dependent loss within pass band)
入射光の偏光状態によって変化する,光損失の変動分の通過帯域における最大値。
3.17
帯域通過形フィルタ (band-pass filter)
ある特定波長範囲の通過帯域をもつ干渉フィルタ。
3.18
長波長通過形フィルタ (long-wavelength-pass filter)
ある波長より長い波長が通過帯域であり,それよりも短い波長領域に阻止帯域をもつ干渉フィルタ。
3.19
短波長通過形フィルタ (short-wavelength-pass filter)
ある波長より短い波長が通過帯域であり,それよりも長い波長領域に阻止帯域をもつ干渉フィルタ。
4
分類
干渉フィルタの分類例を,表1に示す。
表1−干渉フィルタの分類例
項目
分類
形式
長波長通過形フィルタ,短波長通過形フィルタ,帯域通過形フィルタなど
出射光の形態
透過フィルタ,反射フィルタなど(図5参照)
形状
平板形(ウェッジを含む),キューブ形,プリズム形など
5
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図5−干渉フィルタの形態(透過フィルタ及び反射フィルタ)
5
外観及び構造
5.1
外観
外観は,目視によって検査したとき,著しいきず,ディグ(くぼみ),欠け,クラック,汚れなどの異常
があってはならない。
5.2
構造
干渉フィルタの構造は,個別規格で規定する。個別規格で示す項目例を,附属書A及び附属書Bに示す。
6
性能
6.1
光学的特性
光学的特性は,個別規格で規定する。個別規格で示す項目例を,附属書A及び附属書Bに示す。
6.2
環境及び耐久性に対する性能
環境及び耐久性に対する性能は,個別規格で規定する。個別規格で示す項目例を,附属書A及び附属書
Bに示す。
7
試験方法
干渉フィルタの試験方法は,JIS C 5871による。
8
表示
干渉フィルタには,次の事項を表示する。ただし,個々の干渉フィルタに表示することが困難な場合に
は,包装に表示してもよい。
a) 形名(製造業者の指定による。)
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造年月日若しくは製造ロット番号,又はそれらの略号
9
包装
包装は,輸送中及び保管中に,振動,衝撃などによる製品の破損又は品質の低下がないように行う。
10 安全
干渉フィルタを,光伝送システム,装置及びデバイスに用いる場合,光学部品の端面から人体に影響を
及ぼす光の放射(透過光及び/又は反射光)が生じる可能性がある。したがって,製造業者は,システム
設計者,デバイス設計者及び使用者に対して,安全性に関する十分な情報及び確実な使用方法を明示する。
6
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附属書A
(参考)
帯域通過形フィルタの個別規格の様式例
序文
この附属書は,帯域通過形フィルタの個別規格の様式例を記載するものであり,規定の一部ではない。
A.1 一般
この規格は,帯域通過形フィルタの個別規格の例として,定格,光学特性,環境,耐久性試験などを示
す。
A.2 構造
構造は,平板形の光学ガラスの入射側表面に波長選択機能をもつ干渉膜を施し,反対側表面に反射防止
膜を施す。
A.3 試験
試験方法は,JIS C 5871による。
A.4 試験報告書
十分に記述された試験報告書及びそれを裏付ける証拠を提供しなければならない。また,試験報告書及
びそれを裏付ける証拠は,実施した試験に適合した証拠として検査に利用する。
A.5 定格
定格の規定項目は,表A.1による。
表A.1−定格の規定項目
項目
記号
条件
定格値
単位
寸法
× ×
mm
保存温度範囲
Tstg
− 〜+
℃
使用温度範囲
Ta
− 〜+
℃
使用波長範囲
λop
〜
nm
通過帯域
λpss
〜
nm
阻止帯域
λrjt
〜 , 〜
nm
設計波長
λc
nm
中心波長公差
∆λc
nm
入射角度
θi
°(度)
A.6 光学特性
光学特性の規定項目は,表A.2による。
7
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表A.2−光学特性の規定項目
項目
記号
試験方法
試験条件
最小値
標準値
最大値
単位
中心波長
− dB
λc−∆λc
λc
λc +∆λc
nm
通過帯域幅
BWpss
− dB
nm
通過帯域内最大光損失
ILmax
PB内
dB
リップル
∆IL
PB内
dB
通過帯域内偏光依存損失
PDL
PB内
dB
アイソレーション
RB内
dB
試験方法は,JIS C 5871による。各項目の性能値は,表A.1の定格に規定する使用温度範囲に対する,
最小値及び最大値を示す。
A.7 環境及び耐久性試験
試験条件は,表A.3による。
表A.3−環境及び耐久性試験の試験条件
項目
試験方法
試験条件
抜取方式
要求性能
試料数
合格判定数
温度サイクル
〜 ℃,
サイクル
耐湿性(定常状態)
℃, %RH,
時間
耐熱性
℃, 時間
8
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附属書B
(参考)
長波長(短波長)通過形フィルタの個別規格の様式例
序文
この附属書は,長波長(短波長)通過形フィルタの個別規格の様式例を記載するものであり,規定の一
部ではない。
B.1
一般
この規格は,長波長(短波長)通過形フィルタの個別規格の例として,定格,光学特性,環境,耐久性
試験などを示す。
B.2
構造
構造は,平板形の光学ガラスの入射側表面に波長選択機能をもつ干渉膜を施し,反対側表面に反射防止
膜を施す。
B.3
試験
試験方法は,JIS C 5871による。
B.4
試験報告書
十分に記述された試験報告書及びそれを裏付ける証拠を提供しなければならない。また,試験報告書及
びそれを裏付ける証拠は,実施した試験に適合した証拠として検査に利用する。
B.5
定格
定格の規定項目は,表B.1による。
表B.1−定格の規定項目
項目
記号
条件
定格値
単位
寸法
× ×
mm
保存温度範囲
Tstg
− 〜+
℃
使用温度範囲
Ta
− 〜+
℃
使用波長範囲
λop
〜
nm
通過帯域
λpss
〜
nm
阻止帯域
λrjt
〜
nm
入射角度
θi
°(度)
B.6
光学特性
光学特性の規定項目は,表B.2による。
9
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表B.2−光学特性の規定項目
項目
記号
試験方法
試験条件
最小値
標準値
最大値
単位
通過帯域内最大光損失
ILmax
PB内
dB
リップル
∆IL
PB内
dB
通過帯域内偏光依存損失
PDL
PB内
dB
アイソレーション
RB内
dB
試験方法は,JIS C 5871による。各項目の性能値は,表B.1の定格に規定する使用温度範囲に対する,
最小値及び最大値を示す。
B.7
環境及び耐久性試験
試験条件は,表B.3による。
表B.3−環境及び耐久性試験の試験条件
項目
試験方法
試験条件
抜取方式
要求性能
試料数
合格判定数
温度サイクル
〜 ℃,
サイクル
耐湿性(定常状態)
℃, %RH,
時間
耐熱性
℃, 時間