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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 5602-1986 

電子機器用受動部品用語 

Glossary of Passive Components for Electronic Equipment 

1. 適用範囲 この規格は,電子機器に用いる受動部品に関する用語(以下,用語という。)の意味につい

て規定する。 

引用規格: 

JIS C 5202 電子機器用固定抵抗器の試験方法 

2. 分類 用語の分類は,次による。 

(1) 一般 

(2) 抵抗器 

(2.1) 固定抵抗器(基本) 

(2.2) 固定抵抗器(一般) 

(2.3) 固定抵抗器(性能) 

(2.4) 可変抵抗器(基本) 

(2.5) 可変抵抗器(一般) 

(2.6) 可変抵抗器(性能) 

(2.7) サーミスタ(NTCサーミスタ) 

(2.8) サーミスタ(PTCサーミスタ) 

(2.9) バリスタ 

(3) コンデンサ 

(3.1) 固定コンデンサ(基本) 

(3.2) 固定コンデンサ(用途) 

(3.3) 固定コンデンサ(構造) 

(3.4) 固定コンデンサ(誘電体) 

(3.5) 固定コンデンサ(性能等) 

(3.6) 可変コンデンサ 

(4) コイル・変成器・変圧器 

(4.1) コイル・変成器・変圧器(基本) 

(4.2) コイル・変成器・変圧器(一般) 

(4.3) コイル・変成器・変圧器(性能) 

3. 番号,用語,意味 番号,用語及び意味は,次のとおりとする。 

なお,量記号及び対応英語を参考として示す。 

background image

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考1. 用語が長い場合は,2行に示す。ただし,2行目の最初の文字は,1行目の最初の字から1字下

げて示す。 

2. 一つの用語欄に二つ以上の用語が併記してある場合は,記載されている順位に従って優先的

に使用する。 

3. 用語の一部に角括弧“[ ]”を付けてあるものは,角括弧の用字を含めた用語と,角括弧の

中の用字を省略した用語の2通りの用語を用いてよいことを示す。 

4. 難読な用語,誤読のおそれがある用語又はその読み方の統一を図る必要がある場合には,用

語の1行下に丸括弧“( )”を付けて,平仮名の細字体でその読み方を示す。 

5. 用語の使用分野を限定する場合には,用語に引き続く角括弧“【 】”内にそのことを示す。 

(1) 一般 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

1001 

アドミタンス 

回路を流れる電流を,端子電圧で除して得られる値。イン

ピーダンスの逆数。 

admittance 

l002 

複素アドミタンス 

絶対値がアドミタンスのスカラ値であり,偏角が電圧と電

流の位相差である複素量。偏角は,電流が電圧より進んで

いるときに正である。 

complex admittance 

1003 

コンダクタンス 

(1) 回路の端子電圧と同位相の電流の成分を,端子電圧

で除して得られる値。 

(2) 複素アドミタンスの実数部。 

conductance 

1004 

サセプタンス 

(1) 回路の端子電圧に対し90度位相差がある電流の成分

を,端子電圧で除して得られる値。 

(2) 複素アドミタンスの虚数部。 

susceptance 

1005 

インピーダンス 

回路の端子電圧を,そこを流れる電流で除して得られる

値。 

impedance 

1006 

複素インピーダン

ス 

(1) 絶対値がインピーダンスのスカラ値であり,偏角が

電流と電圧の位相差である複素量。偏角は電圧が電

流より進んでいるときに正である。 

(2) 2端子回路網の端子間の電圧U,電流Iがいずれも複素

数表示の正弦関数 

U=U0exp [j (ωt+φ)] 
I=I0exp (jωt) 

であるときの比Z 

()

()

φ

φ

j

Z

j

I

U

I

U

Z

exp

exp

0

0

0

=

=

=

また,Z=R+jXとも表される。 

ただし,U0,0,びZ0は,それぞれの初期値である。 

complex impedance 

1007 

実効リアクタンス 

電流に対し90度の位相差がある電圧の成分を,電流値で

除して得られる値。 

Zeff 

effective reactance 

1008 

誘導性リアクタン

ス 

インダクタンスと角周波数の積。 

XL 

inductive reactance 

1009 

容量性リアクタン

ス 

静電容量と角周波数の積の逆数。 

XC 

capacitive reactance 

1010 

使用温度範囲, 

カテゴリ温度範囲 

部品を連続して使用できる周囲温度の範囲。 

category temperature range 

1011 

最低使用[周囲] 

温度, 

カテゴリ下限温度 

部品を連続して使用できる周囲温度の最低値。 

lower category temprerature 

background image

C 5602-1986  

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番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

1012 

最高使用[周囲] 

温度, 

カテゴリ上限温度 

部品を連続して使用できる周囲温度の最高値。 

upper category temperature 

1013 

保存温度範囲 

部品を連続して無負荷状態で保存できる周囲温度の範囲。 

storage temperature range 

1014 

定格[周囲]温度 

定格負荷を加えて,連続して使用できる周囲温度の最高

値。 

rated temperature 

1015 

耐候性カテゴリ 

電子機器用部品の耐候性試験の条件を各規格を通して共

通に示すため,その部品が耐え得る耐寒性試験の温度,耐

熱性試験の温度及び耐湿性試験(定常状態)の試験日数の

組合せ。 

climatic category 

1016 

最高表面温度 

部品の端子を含む外部表面において,最高温度を示す点の

温度。 

maximum surface temperature 

1017 

最低表面温度 

部品の端子を含む外部表面において,最低温度を示す点の

温度。 

minimum surface temperature 

1018 

温度による特性の

変化 

温度の変化による部品の本質的な特性の変化であって,次

のように分類している。 

(a) 温度特性 temperature characteristic 
(b) 温度係数 temperature coefficient 
(c) 温度による特性のずれ temperature cyclic drift of 

characteristic 

variation of characteristic with 

temperature 

1019 

接地端子 

安全などのために大地に接地すべき端子 

earth terminal 

1020 

サージ電圧 

落雷やアーク接地などによって,通信線や電力線に誘起さ

れる異常電圧のように,短時間に急激に立ち上がる非周期

的な過渡電圧。 

備考  このようなサージ電圧によって流れる電流を

サージ電流という。 

雷放電に伴うサージは,時間の経過とともに,

はじめは急速に電圧(電流)が上昇し,最大

値に達した後は,立上がり部よりも緩やかに

ゼロに収束する。 

サージの定義を下図に示す。 

通常,この波高値の大きさをサージ電圧(電

流)という。 

surge voltage 

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(2) 抵抗器 

(2.1) 固定抵抗器(基本) 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2101 

電気抵抗 

(属性) 

物質の中を流れる電流を制限する物質に固有の性質。電

気抵抗によって電気エネルギーは熱エネルギーに変換

される。 

electrical resistance 

2102 

抵抗[値] 

(量) 

起電力を生じない導体の両端に加えた電圧を,そこに流

れる電流で除して得られる値。 

resistance [value]  

2103 

抵抗【理想抵抗器

における】 

電圧を電流で除した値。 

resistance 

2104 

理想抵抗器 

瞬時電圧が瞬時電流に比例する理想的な2端子回路素

子。 

ideal resistor 

2105 

抵抗器 

電気抵抗を属性としてもつ物質。電子回路の両端に電圧

を加えたとき,オームの法則によって電流の制限,電圧

の降下を生じ,電圧の分圧,電流の制限,整合などに用

いる部品。 

resistor 

2106 

固定抵抗器 

規定された抵抗値をもち,かつ抵抗値の機械的可変機構

をもたない抵抗器。 

fixed resistor 

2107 

熱雑音電圧 

電荷の熱じょうらん運動によって生じるゆらぎ電圧。 

備考  抵抗器の端子間に生じるゆらぎ電圧の二乗

平均はナイキスト (Nyquist) の方程式で表

される。 

n2

V=4KTR⊿f 

thermal noise voltage,  

thermal agitation noise voltage 

ここに, 

n

V: 

熱雑音電圧 (V)  

K: 

ボルツマン定数 (1.38×

10-23J/K)  

T: 絶対温度 (K)  

R: 抵抗値 (Ω) 

⊿f: 

周波数帯域幅 (Hz) 

2108 

電流雑音電圧 

全雑音電圧の実効値と熱雑音電圧の差。 

備考  固定抵抗器に直流電圧が流れることによっ

て生じる電流雑音の二乗平均電圧値は,熱雑

音の二乗平均電圧値を超えて増大する。 

電流雑音をもつ抵抗器は,一つの独立した

(すなわち相互干渉がない。)熱雑音電圧源

と雑音のない抵抗器とが直列につながれた

零インピーダンスの電流雑音電源として置

き換えることができる。 

単位通過帯域当たりの電流雑音電圧の二乗

平均電圧値は,実質上周波数に反比例して変

化する。 

もし二乗平均電圧値か周波数に反比例する

とすれば,高域と低域の通過帯域の比が等し

い理想的く(矩)形通過帯域は,与えられた

雑音源から等量の雑音電圧を通過させる。 

current-noise voltage 

background image

C 5602-1986  

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番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2109 

電流雑音指数 

1周波数ディケードの帯域幅における電流雑音電圧の実

効値を,印加直流電圧で除した値。 

次の式で表される。 

r

rms

V

V

N

log

20

=

current-noise index 

ここに, 

N:  電流雑音指数 (dB)  

Vrms: 

ある周波数帯域における開路

の電流雑音電圧の実効値 

(μV) 

Vr: 

供試抵抗器に印加する直流電

圧値 (V) 

備考1. 

電流雑音に関する理想的く(矩)形通過帯

域は,1 000Hzを幾何学的中心とする1周

波数ディケード帯域である。 

2.  電流雑音強度スペクトラムは周波数特性

がf

1

に近いので,あらゆる周波数帯域にお

ける電流雑音の推定ができる。 

(2.2) 固定抵抗器(一般) 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2201 

巻線抵抗器 

絶縁基体に巻いた金属線を抵抗素子とした抵抗器。 

wirewound resistor 

2202 

非巻線抵抗器 

巻線抵抗器以外の抵抗器。 

non-wirewound resistor 

2203 

皮膜抵抗器 

絶縁基体の表面上に形成した抵抗皮膜を抵抗素子とした

抵抗器。 

film resistor 

2204 

体抵抗器 

カーボン,フィラー,熱硬化性樹脂などの混合成形物を

抵抗素子とした抵抗器。 

composition (solid) resistor 

2205 

炭素皮膜抵抗器 

磁器などの絶縁基体の表面に形成した熱分解で析出させ

た炭素皮膜で覆ったものを抵抗素子とした抵抗器。 

carbon film resistor 

 (deposited cracked)  

2206 

金属皮膜抵抗器 

磁器,ガラスなどの絶縁基体の表面に形成した金属の薄

膜を抵抗素子とした抵抗器。 

metal film resistor 

2207 

酸化金属皮膜抵抗

器 

磁器,ガラスなどの絶縁基体の表面に形成した金属酸化

物の皮膜を抵抗素子とした抵抗器。 

metal oxide film resistor 

2208 

サーメット抵抗器 

磁器,ガラスなどの絶縁基体の表面に形成した磁器ガラ

スなどの無機物と,金属の混合物を抵抗素子とした抵抗

器。 

備考1. 

メタルグレーズ抵抗器 (metal glaze 

resis-tor) はサーメット抵抗器に属する。 

2.  サーメット (cermet) は,ceramics+metal

の造語である。 

cermet resistor 

2209 

印刷抵抗器 

磁器,ガラス,プリント配線板などの表面に形成したサ

ーメット,炭素系などの抵抗インクを用いてスクリ−ン

法などによって印刷した抵抗器。 

printed resistor 

2210 

ネットワーク抵抗

器 

磁器,ガラスなどの絶縁基体の表面に複数の抵抗素子を

形成し,その個々の抵抗素子は各々独立し,又は必要に

応じて相互に接続し,集積された抵抗器。 

network resistor 

2211 

ヒューズ抵抗器 

通常は,抵抗器として動き,規定以上の過電流が流れた

とき,規定時間内に抵抗素子が溶断して,電流の流れを

阻止し,抵抗値が元に復帰しない機能をもった抵抗器。 

fusing resistor 

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番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2212 

チップ抵抗器 

磁器,ガラスなどの絶縁基体の表面に抵抗素子を形成し,

両端に電極を設け,主として面実装に適する角板形又は

円筒形の小形固定抵抗器。 

備考  一般にリード線端子をもたない。 

chip resistor 

(2.3) 固定抵抗器(性能) 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2301 

公称抵抗値 

規格値を代表する抵抗値で,一般に抵抗器に表示された

抵抗値。 

rated resistance,  

nominal resistance 

2302 

定格電力 

定格周囲温度において,連続して負荷できる電力の最大

値。 

rated dissipation 

2303 

最大電力 

ある周囲温度において,連続して負荷できる電力の最大

値。 

maximum dissipation 

2304 

カテゴリ電力 

最高使用[周囲]温度,(カテゴリ上限温度)において,

連続して負荷できる電力の最大値。 

備考  一般に軽減曲線によって規定し,定格電力の

百分率で表す。 

category dissipation 

2305 

軽減曲線 

周囲温度と最大電力の関係を示す曲線。 

備考  一般に,定格電力に対する百分率で表す。 

derating curve 

2306 

定格電圧【抵抗器

の】 

定格周囲温度において,連続して印加できる直流電圧又

は交流電圧(実効値)の最大値。 

備考  定格電力と公称抵抗値から算出し,最高使用

電圧を超えない電圧とする。 

UR 

rated voltage 

2307 

最高使用電圧, 

素子最高電圧 

抵抗器又は抵抗素子に連続して印加できる直流電圧又は

交流電圧(実効値)の最大値。 

limiting element voltage 

2308 

臨界抵抗値 

最高使用電圧を超えることなく定格電力を負荷できる最

大の公称抵抗値。 

備考  臨界抵抗値は,この抵抗値によって定格電圧

と最高使用電圧が等しくなる。 

critical resistance 

2309 

アイソレーション

電圧, 

分離電圧 

抵抗器の端子と導電性取付具との間で連続して印加でき

る最大のせん(尖)頭電圧。 

isolation voltage 

2310 

抵抗器の温度特性 

ある温度範囲で,周囲温度を変化させたときの抵抗器の

特性の変化と温度との関係。 

備考  抵抗器の温度特性は,一般に抵抗値の温度に

よる変化状態をいい,抵抗温度係数か又は抵

抗温度特性で表す。 

temperature characteristic of 

resistor 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2311 

抵抗温度係数 

抵抗器の使用温度範囲内で,規定の温度間における1℃

当たりの抵抗値の変化率。 

備考1. 

抵抗値の温度特性が直線性である抵抗器

に適用し,規定された温度間(範囲)の抵

抗温度係数の代表値をもって表す。 

2.  温度係数の単位は一般にppm/℃を用い

る。 

3.  次の式で表される。 

数 

(ppm/℃)

6

0

0

0

10

×

=

t

t

R

R

R

temperature coefficient of 

resistance 

ここに, 

R:  t℃における抵抗実測値 (Ω) 

R0:  t0℃における抵抗実測値 (Ω) 

t:  試験温度の実測値 (℃)  

t0:  基準温度の実測値 (℃) 

2312 

抵抗温度特性 

ある温度範囲内で,周囲温度を変化させたときの規定さ

れた温度間(範囲)における抵抗値変化率。 

備考1. 

抵抗値の温度特性が非直線性である抵抗

器に適用する。 

2.  次の式で表される。 

抵抗温度特性 (%)(1)

100

0

=

R

R

R

temperature characteristic of 

resistance 

ここに, 

R:  試験温度における抵抗実測値 

(Ω) 

R0:  基準温度における抵抗実測値 

(Ω) 

注(1)  JIS C 5202(電子機器用固定抵抗器の試験方

法)では,抵抗値変化率としている。 

2313 

最高表面温度【抵抗

器の】 

抵抗器を,定格周囲温度において定格電力を負荷して連

続動作の状態にしたとき,抵抗器の最高表面温度。 

maximum surface temperature 

(2.4) 可変抵抗器(基本) 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2401 

可変抵抗器 

機械的な手段によって抵抗値を変えることができる抵抗

器。 

備考  IEC/TC40の文章では,“variable resistor”は

2個の端子のものに限定して用いており,我

が国では,3個の端子をもつポテンショメー

タ及び2個の端子のものを含むものとして

用いている。 

variable resistor 

2402 

ポテンショメータ 

3個の端子をもち,その中の2個を抵抗素子の両終端に

接続し,他の端子を抵抗素子に沿って機械的に移動する

しゅう動接点に接続し,主に分圧器として用いる抵抗器。 

potentiometer 

2403 

しゅう動接点, 

しゅう動子, 

しゅう動片 

抵抗素子に沿って動く可変抵抗器の接点。 

moving contact,  

slider 

2404 

抵抗路 

抵抗素子上をしゅう動する接点の通路。 

track 

background image

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2405 

回転の方向 

可変抵抗器の駆動機構がある面から見た場合,駆動機構

の回転する方向。時計方向 (CW) 又は反時計方向 

(CCW) と呼び明らかにする。 

direction of rotation 

2406 

連続性 

しゅう動接点が機械的に移動するとき,しゅう動子と抵

抗素子との間の電気的接触の持続性。 

continuity 

2407 

接触抵抗 

二つの物体の接触面に存在する電気抵抗。 

備考1. 

接触面には接触電位差と接触面を流れる

電流に対応する不連続的な電位差とがあ

り,これと電流との比が接触抵抗の値にな

る。 

2.  接触部における表面の凹凸,よごれ,吸着

ガス,接触面積の大きさなどによって決ま

る。 

contact resistance 

2408 

理論分解能 

巻線形可変抵抗器の有効電気的操作範囲中の抵抗線の巻

線回数の逆数。 

theoretical resolution 

2409 

全印加電圧 

入力端子間に印加する電圧。 

備考  通常は抵抗素子の両端に接続した端子を入

力端子とする。 

total applied voltage 

2410 

出力電圧 

しゅう動接点端子と規定の端子との間の電圧。 

備考  特に規定がないときは,規定の端子は反時計

方向 (CCW) の終端端子とする。 

output voltage 

2411 

出力電圧比 

出力電圧を全印加電圧で除した値。 

output ratio 

2412 

減衰量【ポテンショ

メータの】 

出力電圧比の逆数。一般にdBで表す。 

attenuation 

2413 

抵抗変化特性 

しゅう動接点端子と規定の端子との間で測定した抵抗値

又は出力電圧比と駆動機構の機械的位置との間に存在す

る関係。 

resistance law 

2414 

しゅう動子許容電

流 

抵抗素子としゅう動接点との間に流せる最大電流。 

limiting moving contact current 

2415 

接触抵抗変動 

規定の速さでしゅう動接点を動かしたときの,抵抗素子

としゅう動接点の間における接触抵抗の変動。 

contact resistance variation 

(CRV)  

(2.5) 可変抵抗器(一般) 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2501 

クラッチ解除機構 

しゅう動接点が抵抗素子の両端に到達した後,更に駆動

機構が回転を続けるように設けた機構。 

declutching device 

2502 

タップ【ポテンショ

メータの】 

抵抗素子の中間に固定して設けた電気的接続端子。 

tap 

2503 

タップ位置 

規定の端子からのタップの位置。通常,抵抗値,電圧比

又は駆動機構の機械的位置で表す。駆動機構の機械的位

置で規定する場合,有効タップ幅の中央の位置をいう。 

tap location 

2504 

有効タップ幅 

しゅう動接点が.タップ接続部を一方向に通過したとき,

しゅう動接点とタップ接続部の双方における電圧が実質

的に同一であるしゅう動距離の範囲。 

effective tap width 

2505 

短絡領域 

抵抗素子の一部であって,しゅう動接点がその部分を移

動する間は出力電圧比が規定の許容差内で一定の値を保

っている領域。 

shorted segment 

background image

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2506 

半固定形可変抵抗

器 

微調節などの目的に用いるものであって,しゅう動接点

を動かす量及び動かす頻度が一般用の可変抵抗器に比べ

て著しく小さい可変抵抗器。 

備考  3端子のものは,トリマポテンショメータ 

(trimmer potentiometer) ともいう。 

pre-set variable resistor 

2507 

ねじ調整形ポテン

ショメータ 

多回転駆動機構として,案内ねじをもっているポテンシ

ョメータ。 

lead-screw actuated 

potentiometer 

2508 

連動形ポテンショ

メータ 

1個の共通シャフトで同時に2個以上のポテンショメー

タを操作する機構をもつポテンショメータ。 

ganged potentiometer 

2509 

二重軸ポテンショ

メータ 

同心のシャフトで2個以上のポテンショメータをそれぞ

れ別々に操作する機構をもつポテンショメータ。 

dual potentiometer 

2510 

シャフト防水形ポ

テンショメータ 

シャフトと軸受との間が防水構造であるポテンショメ−

タ。 

spindle sealed potentiometer 

2511 

気密容器形ポテン

ショメータ 

シャフトの軸受及び容器外箱そのものが,気密構造であ

るポテンショメータ。 

container sealed potentiometer 

2512 

有効操作回転数 

【多回転形ポテン

ショメータの】 

多回転形ポテンショメータにおいて,出力電圧を最小値

から最大値に変化させるために必要な駆動機構の回転

数。 

effective operating turns 

2513 

全機械的操作範囲 

終端移動止めの間をしゅう動接点をしゅう動させるのに

必要な駆動機構の操作量。 

備考1. 

この操作量は,回転形のものでは角度,多

回転形のものでは回転回数,直線操作形の

ものではmmで表す。 

2.  クラッチ付きのものでは,クラッチ解除機

構の作動する2点間とする。終端回転止め

やクラッチ解除機構がない1回転形ポテ

ンショメータでは,全機械的操作範囲は

360度である。 

3.  角度で表す場合,全機械的回転角度 (total 

mechanical rotation) ともいう。 

total mechanical travel 

2514 

全電気的操作範囲 

全機械的操作範囲内において,その範囲内では,しゅう

動接点と抵抗素子の間にいかなる不接点部分も存在しな

い操作範囲。 

すなわち,それは有効電気的操作範囲と無効電気的操作

範囲の和である。 

total electrical travel 

備考1. 

この範囲の両端が終端移動止めの位置又

はクラッチ解除機構が作動する位置と一

致する構造のものでは,全電気的操作範囲

は全機械的操作範囲と同一となる。 

2.  角度で表す場合,全電気的回転角度 (total 

electrical rotation) ともいう。 

background image

10 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2515 

有効電気的操作範

囲 

全電気的操作範囲内において,規定の抵抗変化特性に従

って抵抗値又は出力電圧比が変化するように,しゅう動

接点をしゅう動させるのに必要な操作範囲。 

備考1. 

ポテンショメータの構造によっては,有効

電気的操作範囲が全電気的操作範囲と同

じであるものがある。 

2.  角度で表す場合,有効電気的回転角度 

(angle of effective electrical rotation) ともい

う。 

effective electrical travel 

2516 

無効機械的操作範

囲 

全機械的操作範囲の一部であって,その範囲ではしゅう

動接点と抵抗素子との間の連続性を保証できない操作範

囲。全機械的操作範囲と全電気的操作範囲の差に等しい。 

備考  角度で表す場合,無効回転角度 (angle of 

ineffective rotation) ともいう。 

ineffctive mechanical travel 

2517 

全抵抗値 

抵抗素子の両端に接続した端子間の抵抗値 

total resistance 

2518 

有効抵抗値 

全抵抗値の一部分であって,その部分の全範囲にわたっ

て抵抗が規定の抵抗変化特性に従って変化する範囲の抵

抗値。 

effective resistance 

2519 

端子抵抗値 

しゅう動接点へ接続した端子と他の端子との間で測定さ

れる抵抗値の最小値。 

terminal resistance 

2520 

残留抵抗値 

しゅう動接点を終端回転止めの一方に当てた位置に置い

たとき,その終端の端子としゅう動接点に接続した端子

の間で測定される抵抗値。 

residual resistance 

2521 

最小有効抵抗値 

有効電気的操作範囲のそれぞれの端子において,その端

にあるしゅう動接点に接続した端子とその端子に近い抵

抗端子との間の抵抗値。 

備考  終端回転止めの位置と最小有効抵抗値が測

定される位置の間で著しい抵抗値の差が観

測されない場合は,残留抵抗値,端子抵抗値

及び最小有効抵抗値は同一となる。 

minimum effective resistance 

(2.6) 可変抵抗器(性能) 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2601 

公称全抵抗値 

規格値を代表する抵抗素子の両端子間の抵抗値で,一般

に抵抗器に表示された抵抗値。 

rated total resistance,  

nominal total resistance 

2602 

しゅう動雑音 

しゅう動接点を動かしたとき,接触抵抗の変動及び(又

は)抵抗路の抵抗値の不規則性が原因で生じる入力には

存在しない電気的出力の変動。 

rotational noise 

2603 

接触雑音 

不完全な接触によって発生する電気的雑音。 

contact noise 

2604 

出力平滑性 

入力には存在せず,電気的出力に発生する変動であり,

有効操作範囲にわたり,規定の微小区域ごとに測定し,

全印加電圧の百分率で表した出力電圧の滑らかさ。 

output smoothness 

備考  出力平滑性は接触抵抗変動,分解能,その他

の出力側における微小な非直線性が引き起

こす影響を含む。 

2605 

分解能, 

設定能 

ポテンショメータの抵抗値又は出力電圧比を所定の値に

調整するときの精密さ。 

備考  アジャスタビリティ (adjustability) ともい

う。 

resolution,  

setting ability 

background image

11 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2606 

ディザー 

サーボシステムにおいてたびたび発生する状況を再現す

るための制御シャフトの繰返し回転。 

dither 

2607 

一致性 

全抵抗値又は全印加電圧の百分率で表した規定の抵抗変

化特性と実測した抵抗変化特性との間の最大偏差。 

conformity 

2608 

絶対一致性 

有効電気的操作範囲における理論的角度範囲の全角度に

わたって測定した実測抵抗変化特性と理論抵抗変化特性

との間の一致性。 

absolute conformity 

2609 

直線性 

規定の抵抗変化特性が直線である場合の一致性。 

linearity 

2610 

絶対直線性 

有効電気的操作範囲における理論的角度範囲の両端で規

定の最小及び最大出力電圧比を結ぶ基準直線からの実測

抵抗変化特性の最大垂直偏差を,全印加電圧の百分率で

表した一致性。 

備考  特に規定がない限り,最小及び最大出力電圧

比はそれぞれ全印加電圧の0及び100%とす

る。絶対直線性をCとするとそのポテンショ

メータの抵抗変化特性(出力電圧比特性)は,

次の式で表される。 

C

B

A

V

V

r

ac

ab

±

+

=

θ

θ

absolute linearity 

ここに,  Vac:  全印加電圧 

Vab:  出力電圧 

θr: 

有効電気的操作範囲の理論値 

A:  規定の傾斜 
B:  θ=0における規定の値 

特に規定がない限り,A=1, B=0とする。 

2611 

端子間直線性 

有効電気的操作範囲内の両端において,規定の最小及び

最大出力電圧比を結ぶ基準直線からの実測抵抗変化特性

の最大垂直偏差を,全印加電圧の百分率で表した一致性。 

備考 端子間直線性をCとすると,そのポテンショ

メータの抵抗変化特性(出力電圧比特性)は,

次の式で表される。 

C

B

A

V

Vab

r

ac

±

+

=

θ

θ

terminal based linearity 

ここに, 

Vac: 

全印加電圧 

Vab:  出力電圧 

θA: 

有効電気的操作範囲の実測値 

A:  規定の傾斜 

B:  θ=0における規定の値 

特に規定がない限り,A=1, B=0とする。 

background image

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C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2612 

零基点直線性 

有効電気的操作範囲にわたって,出力電圧比の規定最小

値の点を結ぶ基準直線からの実測抵抗変化特性の最大垂

直偏差を,全印加電圧の百分率で表した一致性。 

この基準直線の傾きは最大垂直偏差を最小にするように

選ばなければならない。 

zero based linearity 

備考  特に規定がなければ,最小規定出力電圧比は

零とする。 

零基準直線性をCとすると,そのポテンショ

メータの抵抗変化特性(出力電圧比特性)は,

次の式で表される。 

C

B

P

V

V

A

ac

ab

±

+

=

θ

θ

ここに, 

Vac:  印加電圧 
Vab:  出力電圧 

θA: 

有効電気的操作範囲の実測値 

P:  偏差を最小にするように選定

した直線の傾斜。もし,最大

出力比について要求条件があ

る場合は制限を受けることが

ある。 

B:  θ=0における規定の値 

特に規定がない限り,B=0とする。 

2613 

単独直線性 

有効電気的操作範囲又はその特定の一部分において,偏

差を最小に抑えるように選定した傾斜と位置をもつ基準

直線からの実測抵抗変化特性の最大垂直偏差を全印加電

圧の百分率で表した一致性。 

備考  特定の最大又は最小出力電圧比が要求され

ているときは,基準直線の傾斜及び位置が制

限される。単独直線性をCとすると,そのポ

テンショメータの抵抗変化特性(出力変化特

性)は,次の式で表される。 

C

Q

P

V

V

A

ac

ab

±

+

=

θ

θ

independent linearity 

ここに, 

Vac:  全印加電圧 

Vab:  出力電圧 

θA: 

有効電気的操作範囲の実測

値 

P:  偏差を最小にするように選

定した直線の傾斜。もし,最

小及び(又は)最大出力比に

ついて要求条件がある場合

は制限を受けることがある。 

Q:  θ=0における不特定の値 

2614 

バックラッシ【ポテ

ンショメータの】 

実質的に同じ出力をもつ点へ,異なった方向からシャフ

トを近付けるときに発生するシャフトの位置の差の最大

値。 

backlash 

background image

13 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2615 

位相調整点 

その位置で多連結ポテンショメータの各セクションの抵

抗変化特性を,相対的に整列させる目的で,各セクショ

ンごとに指定したしゅう動接点の位置。 

備考1. 

各セクションの抵抗変化特性が異なると

きは,指定するしゅう動接点の位置は,各

セクションごとに異なることがある。 

2.  通常,最小有効抵抗値若しくは指定出力電

圧比に対応するしゅう動接点の位置又は

タップ位置で指定する。 

phasing point 

2616 

位相調整 

多連結ポテンショメータの各セクションの位相調整点を

相対的に整列させる操作。 

備考  通常,第1セクションを基準として整合させ

る。 

phasing 

2617 

同時一致性位相調

整 

共通の位相調整点で整列させた後,更にすべてのセクシ

ョンの出力比が全有効電気的操作範囲にわたって各各の

一致性の限度内に収まるように,多連結ポテンショメー

タの各セクションを相対的に整列させる操作。 

simultaneous conformity 

phasing 

(2.7) サーミスタ(NTCサーミスタ) NTCサーミスタとPTCサーミスタで共通な用語については2701

〜2709に記載する。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2701 

サーミスタ 

温度変化に対して極めて大きな抵抗変化を示す抵抗器。 

備考  一般に抵抗値変化が非直線性であるものが

多い。 

themistor 

2702 

直熱形サーミスタ 

電流により自己加熱又は周囲温度の変化によって,抵抗

変化が得られるサーミスタ。 

directly heated thermistor 

2703 

傍熱形サーミスタ 

サーミスタ素子に密に接し,一般に電気的に絶縁された

ヒータに電流が流れることによって,抵抗変化が得られ

るサーミスタ。 

indirectly heated thermistor 

2704 

ゼロ負荷抵抗値 

測定の総合誤差に比べ,自己加熱による抵抗変化が無視

できるような十分低い消費電力において,規定温度で測

定した場合のサーミスタ素子の直流抵抗値。無負荷抵抗

値ともいう。 

zero-power resistance 

2705 

公称ゼロ負荷抵抗

値 

規格値を代表するゼロ負荷抵抗値。 

nominal zero-power resistance, 

rated zero-power resistance 

2706 

抵抗−温度特性 

ある温度範囲でのゼロ負荷抵抗値と温度との関係。 

resistance/temperature 

characteristic 

2707 

[ゼロ負荷]抵抗比 

ある温度のゼロ負荷抵抗値を基準温度(通常25℃)のゼ

ロ負荷抵抗値で除した値。 

zero-power resistance ratio 

2708 

抵抗−電流特性【傍

熱形サーミスタの】 

ある一定温度の静止空気中において,ヒータに流した電

流とサーミスタ素子が熱平衡に達したときのゼロ負荷抵

抗値との関係。 

resistance/current characteristic 

2709 

最大許容電力 

ある周囲温度において連続負荷し得る電力の最大値。 

maximum permissible power 

2710 

NTCサーミスタ 

温度の上昇に伴い抵抗値が減少するサーミスタ。 

negative temperature coefficient 

(NTC) thermistor 

background image

14 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2711 

B定数 

(びいじょうすう) 

抵抗−温度特性における任意の2温度間の温度に対する

抵抗変化の大きさを表す定数。次の式で表される。 

2

1

2

1

1

1

ln

ln

T

T

R

R

B

=

B-value 

ここに, 

B:  B定数 (K)  

R1:  絶対温度T1 (K) におけるゼロ

負荷抵抗値 (Ω) 

R2:  絶対温度T2 (K) におけるゼロ

負荷抵抗値 (Ω) 

2712 

熱放散定数 

(ねつほうさんじ

ょうすう) 

【直熱形サーミス

タの】 

直熱形サーミスタにおいて,熱平衡状態でサーミスタ素

子の温度を自己加熱によって1℃上げるために必要な電

力。サーミスタの消費電力と素子の温度変化との比とし

て求める。 

δ 

dissipation constant (factor) of 

the directly heated thermistor 

2713 

熱放散定数 

(ねつほうさんじ

ょうすう) 

【サーミスタ素子

の自己加熱による

傍熱形サーミスタ

の】 

傍熱形サーミスタにおいて,熱平衡状態でサーミスタ素

子の温度をサーミスタ素子の自己加熱によって1℃上げ

るために必要な電力。サーミスタの消費電力と素子の温

度変化との比として求める。 

δth 

dissipation constant (factor) of 

thermally-sensitive element 

2714 

熱放散定数 

(ねつほうさんじ

ょうすう) 

【ヒータ加熱によ

る傍熱形サーミス

タの】 

傍熱形サーミスタにおいて,熱平衡状態でサーミスタ素

子の温度をヒータ加熱によって1℃上げるために必要な

電力。サーミスタのヒータの消費電力と素子の温度変化

との比として求める。 

δch 

dissipation constant (factor) of 

the heater element 

2715 

熱時定数 

(ねつじていすう) 

【自己加熱による

直熱形サーミスタ

の】 

直熱形サーミスタの負荷電流をゼロ負荷抵抗の状態に急

変させたとき,サーミスタ素子の最初の温度と周囲温度

との温度差の63.2%変化するのに要する時間。 

τ 

thermal time constant 

2716 

熱時定数 

(ねつじていすう) 

【周囲温度変化に

よる直熱形サーミ

スタの】 

ゼロ負荷の状態において,直熱形サーミスタの周囲温度

を急変させたとき,サーミスタ素子の最初の温度と最終

到達温度との温度差の63.2%変化するのに要する時間。 

τa 

thermal time constant due to 

ambient temperature change 

2717 

熱時定数 

(ねつじていすう) 

【自己加熱による

傍熱形サーミスタ

の】 

傍熱形サーミスタのサーミスタ素子の負荷電流をゼロ負

荷の状態に急変させたとき,サーミスタ素子の最初の温

度と周囲温度との温度差の63.2%変化するのに要する時

間。 

τth1 

intrinsic thermal time constant 

2718 

熱時定数 

(ねつじていすう) 

【ヒータ加熱によ

る傍熱形サーミス

タの】 

傍熱形サーミスタのヒータ負荷電流をゼロ負荷の状態に

急変させたとき,サーミスタ素子の最初の温度と周囲温

度との温度差の63.2%変化するのに要する時間。 

τth2 

thermal time constant due to the 

heater element 

background image

15 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2719 

抵抗温度係数【サー

ミスタ素子の】 

任意の温度における1℃ {1K} 当たりのゼロ負荷抵抗変

化率を表す係数。次の式で表される。 

100

100

1

=

×

=

T

B

dT

dR

R

α

α 

temperature coefficient of zero 

power resistance 

ここに, 

α:  抵抗温度係数 (%/℃)  

R:  絶対温度T (K) におけるゼロ

負荷抵抗値 (Ω) 

B:  B定数 (K) 

2720 

電圧−電流特性

【NTCサーミスタ

の】 

ある一定温度の静止空気中において,サーミスタに一定

電流を流し,サーミスタが熱平衡に達したときの電流と,

サーミスタ端子間電圧との関係。 

voltage/current characteristic 

2721 

熱容量【サーミスタ

素子の】 

サーミスタ素子の温度を1℃上昇させるために必要な熱

量。次の式で推定できる。 

熱容量 (mJ/℃) =熱放散定数 (mW/℃) ×自己加熱によ

る熱時定数 (s) 

Cth 

calorific capacity, heat capacity 

(2.8) サーミスタ(PTCサーミスタ) 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2801 

PTCサーミスタ 

温度の上昇に伴い抵抗値が増加するサーミスタ。 

positive temperature coefficient 

(PTC) thermistor 

2802 

スイッチング温度 

抵抗値が急激に増加し始める温度。 

switching temperature 

2803 

熱放散定数 

(ねつほうさんじ

ょうすう) 

【PTCサーミスタ

の】 

熱平衡状態でサーミスタの温度を自己加熱によって1℃

上げるために必要な電力。サーミスタの消費電力と素子

の温度変化との比として求める。 

δ 

dissipation factor,  

dissipation constant 

2804 

熱時定数 

(ねつじていすう) 

【PTCサーミスタ

の】 

ゼロ負荷の状態で周囲温度を急激に変化させたとき,そ

の温度差の63.2%にサーミスタの温度が変化するために

必要な時間。 

τ 

thermal time constant 

2805 

熱容量【PTCサーミ

スタの】 

サーミスタの温度を1℃上昇させるために必要な熱量。 

Cth 

calorific capacity, 

heat capacity 

2806 

抵抗温度係数【ゼロ

負荷時の】 

正の温度係数の領域における任意の温度の1℃当
たりのゼロ負荷抵抗変化率を表す係数。次の式で
表される。 

100

1

=

dT

dR

R

α

α 

temperature coefficient at 

zero-power of the resistance 

ここに, 

α:  抵抗温度係数 (%/℃)  

R:  温度T (℃) におけるゼロ負荷

抵抗値 (Ω) 

備考  一般に,αは次の式で表される。 

100

1

log

log

1

1

2

1

2

=

T

T

R

R

e

α

ここに,  R1:  温度T1 (℃) におけるゼロ負荷

抵抗値 (Ω) 

R2:  温度T2 (℃) におけるゼロ負荷

抵抗値 (Ω) 

background image

16 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2807 

電流−電圧特性 

ある一定温度(通常25℃)の静止空気中において,サー

ミスタに電圧を印加し,サーミスタが熱平衡に達したと

きの,端子間電圧と電流との関係。 

current/voltage characteristic 

2808 

電圧効果 

印加電圧に依存してサーミスタの抵抗値が変化する現

象。VDR効果ともいう。 

voltage effect, 

voltage dependent resistor 

(VDR) effect 

2809 

最大使用電圧【PTC

サーミスタの】 

標準温度25℃の静止空気中において,スイッチング温度

を超えた後,連続してサーミスタに印加できる最大電圧。 

maximum voltage 

(2.9) バリスタ 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2901 

バリスタ 

印加電圧の上昇に伴い,非直線的に抵抗値が減少する抵

抗器。 

varistor 

2902 

バリスタ電圧 

基準電流におけるバリスタの端子間電圧。 

voltage at reference current 

2903 

電圧−電流特性【バ

リスタの】 

バリスタの電流と端子間電圧との関係。 

voltage/current characteristic 

2904 

電圧非直線指数 

バリスタに流れる電流の電圧依存性を表す次の式におけ

る指数。 

I=kVα 

voltage non-linearity index 

ここに, 

I:  直流電流 (A) 

k:  定数 

V:  直流電圧 (V)  

α:  電圧非直線指数 

2905 

電流非直線指数 

バリスタの端子間電圧の電流依存性を表す,次の式にお

ける指数。 

V=k′Iβ 

current non-linearity index 

ここに, 

V:  直流電圧 (V) 

k′:  定数 

I:  直流電流 (A) 

β:  電流非直線指数 

2906 

制限電圧 

サージ電圧がバリスタによって抑制され,バリスタ端子

間に残留する電圧の波高値。 

voltage under pulse condition, 

clamping voltage 

2907 

制限電圧比 

制限電圧をバリスタ電圧で除した値。 

clamping voltage ratio 

2908 

バリスタ電圧温度

係数 

バりスタ電圧の温度依存性を表す係数。周囲温度が上昇

したときの1℃当たりのバリスタ電圧の変化率で表す。

次の式で表される。 

バリスタ電圧温度係数 (%/℃)  

100

1

1

2

)

(

)

(

)

(

1

1

2

=

T

T

V

V

V

T

cm

T

cm

T

cm

A

A

A

temperature coefficient of 

voltage at reference current 

ここに,  VcmA (T1):  T1 (℃) におけるバリスタ

電圧 

VcmA (T2):  =T2(℃)におけるバリス

タ電圧 

ただし,T2 (℃) >T1 (℃) とする。 

2909 

定格電力【バリスタ

の】 

バリスタに連続して負荷できる電力の最大値。 

rated power dissipation 

background image

17 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

2910 

サージ電流耐量 

バリスタが処理できるインパルス電流の最大波高値。 

maximum peak current,  

surge current withstand 

2911 

エネルギー耐量 

バリスタが処理できるインパルスの最大エネルギー。 

maximum energy,  

surge energy withstand 

(3) コンデンサ 固定コンデンサと可変コンデンサで共通な用語については,(3.6)可変コンデンサに記載

せずに(3.1)[固定コンデンサ(基本)]に記載する。 

(3.1) 固定コンデンサ(基本) 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3101 

静電容量 

電荷を蓄える能力。 

備考1. 

対向した電極の面積,電極間に介在する誘

電体の誘電率に比例し,電極間の間隔に反

比例する。 

2.  測定は,一般に規定周波数の交流電圧によ

って行う。 

capacitance 

3102 

直流静電容量 

コンデンサに蓄積されている電荷を端子間で測定される

直流電圧で除して得られる静電容量。 

次の式で表される。 

U

Q

C=

d. c. capacitance 

ここに, 

C:  静電容量 (F)  
Q:  電荷 (C) 
U:  直流電圧 (V) 

3103 

コンデンサ 

一般的には,対向した電極をもち,電極間に誘電体が介

在する部品。 

備考  電極間が,真空又は空気である場合がある。 

capacitor 

3104 

固定コンデンサ 

電極の対向面積,電極間隔及び誘電体の誘電率を固定的

に構成したコンデンサ。 

fixed capacitor 

3105 

誘電体 

電界を加えたときに電気分極を生じる物質。 

dielectrics 

3106 

誘電率 

電束密度と電界との関係を 

D=εE 

と表すときの比例定数。 

ε 

dielectric constant,  

permitivity 

ここに, 

D: 

電束密度 (C/m2) 

ε: 

誘電率 (F/m)  

E:  電界 (V/m) 

備考  等方性物質では,一般に定数である。また,

ε=ε0・εrと表し,ε0は真空の誘電率といい定

数 (8.854187×10-12F/m) であり,εrは物質に

よって固有の数値をもち,これを比誘電率と

いう。 

background image

18 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3107 

誘電体損失, 

誘電損 

誘電体に交流電界を加えたときにエネルギーが熱として

失われる電力損失。 

次の式で表される。 

P=U・Icosφ 

ただし, 

φ

π

δ

=2

が十分に小さければ,次の近似式で表される。 

P=U・Itanδ 

dielectric loss 

ここに, 

P: 損失電力 (W) 

U: 交流電圧 (V) 

I: 交流電流 (A)  

tanδ: 誘電正接 

cosφ: 力率 

備考  コンデンサの場合には,誘電体での電力損失

以外に電極部,電極と端子との接続部,端子

部などでの抵抗分によって,これらの部での

電力損失が加わる。 

3108 

誘電体損失角,誘電

損角 

誘電体に交流電界を加えたとき,電流の位相は,理想状

態では電圧より90°進むが,誘電体損失が原因して90°

から遅れる角度。 

備考  コンデンサの場合には,誘電体以外に電極

部,電極部と端子との接続部,端子部などで

の抵抗分による遅れが加わる。 

δ 

dielectric loss angle 

3109 

損失角【電解コンデ

ンサの】 

電解コンデンサに交流電界を加えた場合,電流の位相は,

理想コンデンサのときは電圧より90°進むが,誘電体損

失,電解質の抵抗分などの直列抵抗分が原因して90°か

ら遅れる角度。 

δ 

loss angle 

3110 

誘電正接 

(1) 誘電体損失角の正接。 

次の式で表される。 

X

R

=

δ

tan

tanδ 

tangent of loss angle 

ここに, 

tanδ:  誘電体損失角の正接 

R:  コンデンサの等価直列抵抗 

(Ω) 

X:  コンデンサのリアクタンス 

(Ω) 

(2) コンデンサに規定周波数の正弦波電圧を加えた場

合,コンデンサの電力損失をその無効電力で割った

値。 

3111 

損失角の正接【電解

コンデンサの】 

電解コンデンサの損失角の正接。 

備考  誘電正接を電解コンデンサでは,損失角の正

接という。 

tanδ 

tangent of loss angle 

3112 

漏れ電流 

(1) コンデンサに流れる電流のうち,充電電流及び吸収

電流以外の非可逆的な一定値の電流。 

(2) 直流電圧を印加したときに流れる伝導電流。 

備考  電解コンデンサの場合は,端子間に規定の直

流電圧を印加し規定の時間経過したときの

電流の値。 

leakage current 

3113 

表面漏れ電流 

コンデンサの表面を通して流れる漏れ電流。 

surface leakage current 

background image

19 

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番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3114 

絶縁抵抗【コンデン

サの】 

コンデンサの端子間又は端子・外装間に直流電圧を印加

し,規定の時間経過したときに示す電気抵抗。 

Ri 

insulation resistance 

3115 

絶縁破壊電圧 

絶縁破壊に必要な最小の電圧。 

breakdown voltage 

3116 

耐電圧【コンデンサ

の】 

コンデンサの規定の電圧(直流又は交流)に耐える能力。 

voltage proof,  

withstand voltage 

3117 

充電 

符号が異なる同量の電荷がコンデンサの両電極に蓄えら

れる作用又は現象。 

charge 

3118 

充電電流 

コンデンサを充電するときに流れる電流。 

charging current 

3119 

放電 

コンデンサの両電極上にある,符号が異なる電荷を全部

又は部分的に中性化する作用。 

discharge 

3120 

放電電流 

コンデンサを放電するときに流れる電流。 

discharge current 

3121 

誘電吸収 

誘電体の電気分極が外部電界(印加電界)の変化に対し

速やかに追従できずに,時間的に遅れをもつため,コン

デンサの端子間に直流電圧を印加した場合,時定数によ

って決まる過渡電流(充電電流)と時間に無関係な一定

の電流(漏れ電流)が流れる現象とは別に,誘電体の緩

慢な分極によって比較的長い時間かかって電流が徐々に

減衰しながら流れる現象。 

備考  短時間放電の後では,コンデンサの両端子間

に残留電圧(回復電圧)を発生させる原因と

なる。 

dielectric absorption 

3122 

残留電圧, 

回復電圧 

コンデンサを放電した後,端子間を開放状態にしたとき,

端子間に現れる誘電吸収に起因する電圧。 

residual voltage, 

recovery voltage 

3123 

Q【コンデンサの】 

誘電正接 (tanδ) の逆数。 

Q-factor 

3124 

等価直列抵抗 

コンデンサのインピーダンスを等価的に抵抗分とリアク

タンス分の直列回路で表したときの抵抗分。 

次の式で表される。 

2

2

X

Z

R

=

equivalent series resistance 

ここに, 

R:  等価直列抵抗 (Ω) 

Z:  インピーダンス (Ω) 

X:  等価リアクタンス (Ω) 

3125 

損失率 

コンデンサに交流電圧を加えたときのコンデンサの損失

電力(有効電力)をコンデンサの皮相電力で除した値。 

次の式で表される。 

S

P

=

λ

λ 

loss factor 

ここに, λ: 

損失率 

S:  コンデンサの皮相電力 (VA) 

P:  コンデンサの損失電力(有効電

力) (W) 

3126 

自己回復作用 

金属化コンデンサの誘電体が局部的に絶縁破壊した直

後,コンデンサの電気的特性が絶縁破壊前と同等の状態

に復帰する作用。 

self-healing 

3127 

陽極【コンデンサ

の】 

有極性コンデンサの正電極。 

anode 

background image

20 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3128 

陰極【コンデンサ

の】 

有極性コンデンサの負電極。 

cathode 

3129 

電解質 

電解コンデンサ又は電気二重層コンデンサにおいて,誘

電体と接し陰極の一部として用いる非固体又は固体の導

電物質。 

electrolyte 

3130 

熱平衡【コンデンサ

の】 

コンデンサを規定温度に保ち,5分間隔で測定した場合,

連続した2回の静電容量値に,ほぼ変化がなくなったと

きの状態。 

thermal stability 

(3.2) 固定コンデンサ(用途) 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3201 

交流用コンデンサ 

主として交流電圧で使用することを目的としたコンデン

サ。 

a. c. capacitor 

3202 

直流用コンデンサ 

主として直流電圧で使用することを目的としたコンデン

サ。 

d. c. capacitor 

3203 

パルス用コンデン

サ 

主としてパルス電流又はパルス電圧で使用することを目

的としたコンデンサ。 

pulse capacitor 

3204 

ブロッキングコン

デンサ 

主として直流を阻止する目的で使用するコンデンサ。 

blocking capacitor 

3205 

カップリングコン

デンサ 

異なる直流レベルをもつ二つ以上の交流回路を結合する

目的で使用するコンデンサ。 

coupling capacitor 

3206 

バイパスコンデン

サ, 

デカップリングコ

ンデンサ 

ある周波数以上の電流に対し比較的低インピーダンスの

導通路を作る目的で使用するコンデンサ。 

bypass capacitor,  

decoupling capacitor 

3207 

サージ制限コンデ

ンサ 

サージ電圧に対し低インピーダンスとなり,サージ電圧

を吸収する目的で使用するコンデンサ。 

surge limiting capacitor 

3208 

温度補償用コンデ

ンサ 

静電容量の温度による変化が直線的でかつ再現性があ

り,その変化によって回路中の温度による特性の変化を

補償する目的で使用するコンデンサ。 

temperature compensating 

capacitor 

background image

21 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3209 

雑音防止用コンデ

ンサ 

電子機器,電気器具から発する無線周波の雑音を防止す

る目的で,主として交流電源回路に使用するコンデンサ。 

備考1. 

IEC 384-14(電子機器用雑音防止用コンデ

ンサ)に従った雑音防止用コンデンサの区

分は,安全性能によって次の三種類であ

る。 

U−コンデンサ 

X−コンデンサ 

Y−コンデンサ 

2.  1.の区分とは別に,回路上の接続に次の区

分を使用することもある。 

アクロス ザ ライン コンデンサ 

ライン バイパス コンデンサ 

3.  1.及び2.の区分の一例を次の図に示す。 

区分(備考1.による場合) 

コンデンサA及びコンデンサBを使用電圧125V以下

の場合は,U−コンデンサという。 

使用電圧125Vを超え250V以下の場合は,Y−コンデ

ンサという。 

コンデンサCをX−コンデンサという。 

区分(備考2.による場合) 

コンデンサA及びコンデンサBをライン バイパス 

コンデンサという。 

コンデンサCをアクロス ザ ライン コンデンサとい

う。 

radio interference suppression 

capacitor 

3210 

U−コンデンサ 

コンデンサが故障すると感電のおそれがある回路に用い

る,交流電圧125Vまで使用できる雑音防止用コンデン

サ。 

備考  使用電圧を限定しない場合 

ライン バイパス コンデンサ (line-bypass 

capacitor) ともいう。 

capacitor of ciass U 

3211 

X−コンデンサ 

コンデンサが故障しても感電のおそれがない回路に用い

る雑音防止用コンデンサ。 

備考  アクロス ザ ライン コンデンサ 

(across-the-line capacitor) ともいう。 

capacitor of class X 

3212 

Yコンデンサ 

コンデンサが故障すると感電のおそれがある回路に用い

る交流電圧125Vを超え250Vまで使用できる雑音防止用

コンデンサ。 

capacitor of class Y 

備考  使用電圧を限定しない場合 

ライン バイパス コンデンサ (line-bypass 

capacitor) ともいう。 

3213 

アクロスザライン

コンデンサ 

電源回路の電源線間に挿入して使用する雑音防止用コン

デンサ。 

備考  番号3211参照。 

across-the-line capacitor 

background image

22 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3214 

ラインバイパスコ

ンデンサ 

電源回路の電源線と大地間又はきょう体間に挿入して用

いる雑音防止用コンデンサ。 

備考  番号3210及び3212参照。 

line-bypass capacitor 

3215 

双極性コンデンサ 

主に極性が反転する回路に用いることを目的とする電解

コンデンサ。 

bi-polar electrolytic capacitor 

(3.3) 固定コンデンサ(構造) 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3301 

液体含浸コンデン

サ 

常温において流動性がある含浸材料を,コンデンサ素子

に含浸したコンデンサ。 

liquid impregnated capacitor 

3302 

固体含浸コンデン

サ 

常温において流動性がない含浸材料を,コンデンサ素子

に含浸したコンデンサ。 

solid impregnated capacitor 

3303 

無含浸コンデンサ 

含浸材料をコンデンサ素子に含浸しないコンデンサ。 

non impregnated capacitor 

3304 

液体充てんコンデ

ンサ 

常温において流動性がある充てん材料をコンデンサのケ

ースの全容積に満たしたコンデンサ。 

備考  ケース内部に温度変化によって充てん材料

が膨脹できるすきまがあるものを含む。 

liquid filled capacitor 

3305 

固体充てんコンデ

ンサ 

常温において流動性がない充てん材料をコンデンサのケ

ースの全容積に満たしたコンデンサ。 

solid filled capacitor 

3306 

金属化コンデンサ 

紙,プラスチックフィルムのいずれか又はこれらの複合

体を誘電体とし,これに金属を蒸着して電極としたコン

デンサ。 

備考  一般に巻回構造のコンデンサに適用され,自

己回復性がある。 

metallized capacitor 

3307 

金属はくコンデン

サ 

紙・プラスチックフィルムのいずれか又はこれらの複合

体を誘電体とし,金属はくを電極としたコンデンサ。 

metal foil capacitor 

3308 

貫通コンデンサ 

内部電極の導体が中央部を貫通し,外部電極が接地でき

る構造のコンデンサ。 

feed-through capacitor, 

lead-through capacitor 

3309 

チップコンデンサ 

コンデンサ素子に電極を設け,主として面実装に適する

角形又は円筒形の小形のコンデンサ。 

備考  一般にリード線端子をもたない。 

chip capacitor 

3310 

積層コンデンサ 

金属電極と誘電体を交互に積み重ねた構造のコンデン

サ。 

備考1. 

代表的な誘電体としては,磁器,ガラス,

マイカ,プラスチックフィルムなどがあ

る。 

2.  構造の一例 

multilayer capacitor 

3311 

絶縁形コンデンサ 

すべての端子と外装との間に規定の電圧を印加できるコ

ンデンサ。 

insulated type capacitor 

background image

23 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3312 

非絶縁形コンデン

サ 

すべての端子と外装との間に規定の電圧を印加できない

コンデンサ。 

non-insulated type capacitor 

3313 

有極性コンデンサ 

本質的に極性をもつコンデンサ。 

備考  このコンデンサとしては,電解コンデンサが

ある。 

polar capacitor 

3314 

無極性コンデンサ 

本質的に極性をもたないコンデンサ。 

備考  電解コンデンサ以外のコンデンサは,無極性

コンデンサである。 

non-polar capacitor 

(3.4) 固定コンデンサ(誘電体) 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3401 

空気コンデンサ 

空気を誘電体としたコンデンサ。 

air capacitor 

3402 

紙コンデンサ 

紙を誘電体としたコンデンサ。 

paper capacitor 

3403 

プラスチックフィ

ルムコンデンサ 

プラスチックフィルム(ポリエステル,ポリスチレン,

ポリプロピレン,ポリカーボネートなど)を誘電体とし

たコンデンサ。 

plastic film capacitor 

3404 

複合フィルムコン

デンサ 

コンデンサ紙とプラスチックフィルム又は異種のプラス

チックフィルムを誘電体としたコンデンサ。 

mixed dielectric capacitor,  

bi-film capacitor 

3405 

磁器コンデンサ 

磁器(酸化チタン磁器,チタン酸バリウム磁器,ステア

タイト磁器など)を誘電体としたコンデンサ。 

備考  特性によって種類1,種類2及び種類3に分類

している。 

ceramic capacitor 

3406 

磁器コンデンサ 

種類1 

電子機器の共振回路用及びその他一般にQが高く,温度

などに対する静電容量の安定性が必要で主に温度補償用

に用いる磁器を誘電体とするコンデンサ。 

備考  温度補償用磁器コンデンサともいわれてい

る。 

ceramic capacitor class 1 

3407 

磁器コンデンサ 

種類2 

電子機器の側路用及び回路の結合用のようにQの値や静

電容量の安定性があまり必要でない用途に用いる磁器を

誘電体としたコンデンサ。 

備考  高誘電磁器コンデンサともいわれている。 

ceramic capacitor class 2 

3408 

磁器コンデンサ 

種類3 

電子機器の側路用及び回路の結合用のようにQの値や静

電容量の安定性があまり必要でない用途に用いる半導体

化した磁器を利用して小形化したコンデンサ。 

備考  半導体磁器コンデンサともいわれている。 

ceramic capacitor class 3 

3409 

半導体磁器コンデ

ンサ 

一般に磁器コンデンサ種類3 (class 3) といわれており,

半導体化した磁器(チタン酸バリウム,ストロンチウム

系などの磁器)の表面又は粒界表面に形成した薄い絶縁

層を利用又は誘電体としたコンデンサ。 

備考  構造によって,次の3種類に大別される。 

(1) 堰層形半導体磁器コンデンサ 

 (barrier layer ceramic capacitor) 

(2) 粒界層形半導体磁器コンデンサ 

 (boundary layer ceramic capacitor) 

(3) 表層形半導体磁器コンデンサ 

 (surface layer ceramic capacitor) 

semiconducting ceramic 

capacitor 

background image

24 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3410 

堰層形半導体磁器

コンデンサ 

(えんそうがたは

どうたいじき) 

半導体磁器と電極との間に生じる障壁容量を利用したコ

ンデンサ。 

barrier layer ceramic capacitor 

3411 

粒界層形半導体磁

器コンデンサ 

半導体磁器の絶縁化した結晶粒界層を利用したコンデン

サ。 

boundary layer ceramic 

capacitor 

3412 

表層形半導体磁器

コンデンサ 

半導体磁器の表面に形成した酸化皮膜を誘電体としたコ

ンデンサ。 

surface layer ceramic capacitor 

3413 

電解コンデンサ 

一般に陽極表面に陽極酸化によって形成した酸化皮膜を

誘電体とし,固体又は非固体の電解質をこの誘電体に密

着して陰極の一部としたコンデンサ。 

備考1. 

通常は,有極性である。 

2.  陽極に使用される金属材料としては,アル

ミニウム,タンタルなどがある。 

electrolytic capacitor 

3414 

アルミニウム電解

コンデンサ 

アルミニウムの表面に陽極酸化によって形成した酸化皮

膜を誘電体とし,固体又は非固体の電解質をこの誘電体

に密着して陰極の一部としたコンデンサ。 

Aluminium electrolytic 

capacitor 

3415 

アルミニウムはく

形非固体電解コン

デンサ 

アルミニウムはくの表面に陽極酸化によって形成した酸

化皮膜を誘電体とし,紙,繊維などに含浸させた液体電

解質をこの誘電体に密着して陰極の一部としたコンデン

サ。 

Aluminium foil electrolytic 

capacitor with non-solid 

electrolyte 

3416 

アルミニウム固体

電解コンデンサ 

アルミニウムのはく,線又は焼結体の表面に陽極酸化に

よって形成した酸化皮膜を誘電体とし,固体電解質をこ

の誘電体に密着して陰極の一部としたコンデンサ。 

Aluminium solid electrolytic 

capacitor 

3417 

タンタル電解コン

デンサ 

タンタルの表面に陽極酸化によって形成した酸化皮膜を

誘電体とし,固体又は非固体の電解質をこの誘電体に密

着して陰極の一部としたコンデンサ。 

Tantalum electrolytic capacitor 

3418 

タンタルはく形非

固体電解コンデン

サ 

タンタルはくの表面に陽極酸化によって形成した酸化皮

膜を誘電体とし,紙,繊維などに含浸させた液体電解質

をこの誘電体に密着して陰極の一部としたコンデンサ。 

Tantalum foil electrolytic 

capacitor with non-solid 

electrolyte 

3419 

タンタル焼結体非

固体電解コンデン

サ 

タンタルの焼結体の表面に陽極酸化によって形成した酸

化皮膜を誘電体とし,充てんさせた液体電解質をこの誘

電体に密着して陰極の一部としたコンデンサ。 

Tantalum sintered slug 

electrolytic capacitor with 

non-solid electrolyte 

background image

25 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3420 

タンタル固体電解

コンデンサ 

タンタルのはく,線又は焼結体の表面に陽極酸化によっ

て形成した酸化皮膜を誘電体とし,固体電解質をこの誘

電体に密着して陰極の一部としたコンデンサ。 

Tantalum solid electrolytic 

capacitor 

3421 

電気二重層コンデ

ンサ 

二種の異なる物質の境界面にできる電気二重層の電荷蓄

積作用を利用したコンデンサ。 

electric double layer capacitor 

3422 

マイカ コンデンサ 

マイカを誘電体としたコンデンサ。 

備考  銀電極を焼き付けたマイカを誘電体とした

ものをシルバードマイカコンデンサともい

う。 

mica capacitor 

3423 

集成マイ カコンデ

ンサ 

巻回したフィルム状マイカを誘電体としたコンデンサ。 

reconstituted mica capacitor 

3424 

ガラス コンデンサ 

ガラスを誘電体としたコンデンサ。 

glass capacitor 

(3.5) 固定コンデンサ(性能等) 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3501 

巻回構造 

(けんかいこうぞ

う) 

誘電体と電極はくを重ねて巻き取った構造。 

winding structure 

3502 

無誘導構造 

巻回構造のコンデンサにおいて,実効インダクタンスを

できるだけ少なくなるようにした構造。 

non-inductive structure 

3503 

はくはみ出し構造 

巻回構造のコンデンサにおいて,電極はくを誘電体の幅

方向にそれぞれ反対側にはみ出させ,この部分を一括し

て電極とした構造。 

備考  無誘導構造の一種である。 

extended foil structure 

3504 

タブ構造 

巻回構造のコンデンサにおいて,引出し片又は引出し線

を巻き取られた電極はくと誘電体の間に挿入した構造。 

tab structure 

3505 

公称静電容量 

静電容量の公称値。 

CR 

nominal capacitance,  

rated capacitance 

3506 

周囲温度 

コンデンサの置かれている周囲の空間の温度。ただし,

コンデンサが他の熱源からの熱放射や熱伝導を受け,ま

た,印加電圧の交流分によって温度上昇するときには,

コンデンサ表面温度を周囲温度とみなす。 

ambient temperature 

3507 

使用温度範囲, 

カテゴリ温度範囲

【コンデンサの】 

コンデンサを連続して使用できる周囲温度の範囲。 

備考  定格温度(定格電圧使用最高温度)を含み,

最高使用温度と最低使用温度との間とする。 

category temperature range 

3508 

最高使用温度, 

カテゴリ上限温度

【コンデンサの】 

コンデンサを連続して使用できる周囲温度の最高値。 

upper category temperature 

3509 

最低使用温度, 

カテゴリ下限温度

【コンデンサの】 

コンデンサを連続して使用できる周囲温度の最低値。 

lower category temperature 

3510 

定格温度, 

定格電圧使用最高

温度【コンデンサ

の】 

コンデンサに定格電圧を印加し連続して使用できる周囲

温度の最高値。 

TR 

rated temperature 

background image

26 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3511 

定格電圧【コンデン

サの】 

定格温度(定格電圧使用最高温度)においてコンデンサ

に連続して印加できるせん頭電圧(直流電圧及び許容交

流せん頭電圧の和)の最大値。 

備考1. 

交流用コンデンサでは,連続して印加でき

る規定周波数の交流電圧の実効値とする。 

2.  パルス用コンデンサでは,連続して印加で

きる規定周波数の規定波形の電圧の最大

値とする。 

UR 

rated voltage 

3512 

温度軽減電圧【コン

デンサの】 

定格温度を超える温度(最高使用温度の範囲内)におい

て,コンデンサに連続して印加できる電圧の最大値。 

temperature derated voltage 

3513 

カテゴリ電圧 

最高使用温度において,コンデンサに連続して印加でき

る電圧の最大値。 

UC 

category voltage 

3514 

定格周波数【コンデ

ンサの】 

コンデンサの使用上決められた周波数。 

rated frequency 

3515 

定格リプル電圧 

規定の温度において,コンデンサに連続して直流電圧に

重畳して印加できる規定周波数の最大許容交流電圧の実

効値。 

rated ripple voltage 

3516 

逆電圧【電解コンデ

ンサの】 

有極性コンデンサの端子に極性が逆になるように印加す

る電圧。 

備考  電解コンデンサにだけ適用する。 

reverse voltage 

3517 

サージ電圧【電解コ

ンデンサの】 

規定時間の周期でコンデンサに直流電圧を規定回数加え

たとき,電解コンデンサが耐え得る最大直流電圧。 

備考  一般に6分間の周期で直流電圧を30秒間加

える。 

surge voltage of electrolyte 

capacitor 

3518 

定格電流【コンデン

サの】 

定格温度において,交流用コンデンサに連続して印加で

きる定格周波数の交流電流の実効値。 

次の式で表される。 

I=2πf CU 

rated current 

ここに, 

I:  定格電流 (Arms) 
f:  定格周波数 (Hz) 

C:  静電容量 (F) 
U:  定格電圧 (Vrms) 

3519 

定格リプル電流 

規定の温度において,コンデンサに連続して印加できる

規定周波数の最大許容交流電流の実効値。 

備考  電解コンデンサだけに適用する。 

rated ripple current 

3520 

最大許容リプル電

流 

定格温度の範囲内において,コンデンサに定格電圧を印

加する場合に連続して許容できる規定周波数の最大リプ

ル電流。 

備考  電解コンデンサにだけ適用する。 

maximum allowable ripple 

current 

3521 

特性 

コンデンサの性能のうち特に取り上げられたものであっ

て,ある条件のもとで定量的又は定性的に区分したもの。 

characteristic 

3522 

コンデンサの温度

特性 

ある温度範囲で周囲温度を変化させたときのコンデンサ

の特性の変化と温度との関係。 

temperature characteristic of 

capacitor 

3523 

温度による静電容

量の変化 

静電容量の温度による変化。 

次のいずれかで表す。 

1. 

静電容量温度特性 

2. 

静電容量温度係数及び静電容量のずれ 

variation of capacitance with 

temperature 

background image

27 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3524 

静電容量温度特性 

基準温度20℃の値に対する使用温度範囲における静電

容量の変化率 (%)。 

備考  静電容量の温度による変化が非直線的なコ

ンデンサに適用する。 

temperature characteristic of 

capacitance 

3525 

静電容量温度係数 

コンデンサの使用温度範囲内で,基準温度 (20℃) と規

定の温度との間における1℃当たりの静電容量の変化

率。 

備考1. 

静電容量の温度特性が直線又は直線的で

あるコンデンサに適用する。 

2.  静電容量温度係数は,ppm/℃ (10-6/℃) で

表す。 

temperature coefficient of 

capacitance 

3526 

静電容量のずれ 

コンデンサを下表の温度サイクルを1回行ったときの段

階1,段階3及び段階5の20℃(基準温度)のそれぞれの

静電容量の差異。 

備考1. 

静電容量の差異は,変化率 (%) 又は変化

量で表す。 

2.  変化量で表す場合は,基準温度における静

電容量の最大値と最小値との差とする。 

3.  変化率で表す場合は,一般に2.の変化量を

段階2の静電容量で割った値とする。 

temperature cyclic drift of 

capacitance 

3527 

等級 

ある条件の下でコンデンサの性能を保証できる程度によ

って区分したもの。 

grade 

3528 

主共振周波数 

2端子コンデンサに正弦波電圧を印加したときに,その

インピーダンスが極小になる周波数のうちの最低の周波

数。 

main resonant frequency 

(3.6) 可変コンデンサ 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3601 

可変コンデンサ 

静電容量の機械的な可変機構をもつコンデンサ。 

variable capacitor 

3602 

段 

同調用可変コンデンサ(タイプAコンデンサ)の固定電

極とそれに対応する可変電極とからなる一組の部分。 

section,  

stage 

3603 

段数 

同調用可変コンデンサ(タイプAコンデンサ)の基準段

及び連動段の数。 

number of section,  

number of stage 

3604 

基準段 

同調用可変コンデンサ(タイプAコンデンサ)の各段の

うち局部発振回路に使用する段。 

備考  多段可変コンデンサの可変静電容量の基準

とする段。 

reference section,  

reference stage 

background image

28 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3605 

連動段 

同調用可変コンデンサ(タイプAコンデンサ)の基準段

以外の段。 

備考  一般に同調回路に使用する段をいう。 

matching section,  

ganged stage 

3606 

回転指度 

同調用可変コンデンサ(タイプAコンデンサ)の回転子

(ロータ)の回転角度180度を100%とし,各回転角度

をパーセントで表した値。 

備考  静電容量を測定するとき,測定位置を定める

ために用いる。 

rotational index 

3607 

バックラッシ【コン

デンサの】 

可変コンデンサの回転子(ロータ)を,時計方向に回転

した場合と反時計方向に回転した場合の規定された同一

回転角度(回転指度)における静電容量の差をいずれか

大きい静電容量で除した値。 

backlash of a capacitor 

3608 

セッティングドリ

フト 

可変コンデンサの回転子(ロータ)を,数往復回転させ

規定の回転角度(回転指度)に固定した直後の静電容量

と,規定の時間放置した後の静電容量との変化量。 

capacitance drift after 

adjustment 

3609 

メカニカルインデ

ックス法, 

M・I法 

同調用可変コンデンサ(タイプAコンデンサ)を指定さ

れた回転指度に機械的に固定し,連動段の可変静電容量

を測定する方法。 

mechanical index method 

3610 

エレクトリカルイ

ンデックス法, 

E・I法 

同調用可変コンデンサ(タイプAコンデンサ)の基準段

の可変静電容量が規定値となるよう電気的に定めた位置

における連動段の可変静電容量を測定する方法。 

electrical index method 

3611 

同調用可変コンデ

ンサ, 

タイプAコンデン

サ 

主に,使用する都度静電容量を変化させ,同調用に使用

する可変コンデンサ。 

tuning capacitor 

3612 

微調整用可変コン

デンサ, 

タイプBコンデン

サ 

主に,静電容量の可変量が小さく,静電容量の微調整に

使用する可変コンデンサ。 

備考  トリマともいう。 

trimming capacitor 

3613 

半固定コンデンサ, 

タイプCコンデン

サ 

主に,静電容量を調整した後は,固定して使用する可変

コンデンサ。 

備考  プリセットコンデンサともいう。 

pre-set capacitor 

3614 

回転可変コンデン

サ 

回転機構をもち,静電容量を最小から最大まで連続的に

変えられる可変コンデンサ。 

rotary variable capacitor 

3615 

差動可変コンデン

サ 

二つの分離された固定電極と一つの回転電極とによって

構成し,一方の固定電極と回転電極の間の静電容量が増

加すると他方の固定電極と回転電極との間の静電容量が

減少し,全体としては静電容量が一定となっている可変

コンデンサ。 

differential capacitor 

3616 

多段可変コンデン

サ 

複数個の段をもち,一つの操作軸で複数段の静電容量を

変える可変コンデンサ。 

multi-section capacitor,  

multi-stage capacitor 

3617 

AM段 

長中波及び短波 (3〜30MHz) に用いられる同調用可変

コンデンサ(タイプAコンデンサ)の段。 

A. M section,  

A. M stage 

3618 

FM段 

超短波 (30〜300MHz) に用いられる同調用可変コンデ

ンサ(タイプAコンデンサ)の段。 

F. M section,  

F. M stage 

3619 

分割固定電極可変

コンデンサ 

一つの共通な回転電極と直列に機能する二つの分割した

固定電極からなる可変コンデンサ。 

split stator capacitor 

background image

29 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

3620 

パディングコンデ

ンサ 

スーパーヘテロダイン受信機の局部発振回路に直列に接

続し,同調段とのトラッキングを得るために用いるコン

デンサ。 

padding capacitor 

3621 

トラッキングレス

バリコン 

基準段及び連動段がいかなる回転指度においても,規定

の受信周波数範囲内において局部発振回路にパディング

コンデンサを使用しないで規定の中間周波数が得られる

ように設計された可変係数をもつ同調用可変コンデンサ

(タイプAコンデンサ)。 

trackingless variable capacitor 

3622 

最大静電容量 

可変範囲において最大となる静電容量。 

maximum capacitance 

3623 

最小静電容量 

可変範囲において最小となる静電容量。 

minimum capacitance 

3624 

公称最大静電容量 

最大静電容量の公称値。 

nominal (rated) maximum 

capacitance 

3625 

公称最小静電容量 

最小静電容量の公称値。 

nominal (rated) minimum 

capacitance 

3626 

段間結合静電容量 

同調用可変コンデンサ(タイプAコンデンサ)の二つの

段間の静電容量。 

inter-section coupling 

capacitance,  

inter-stage coupling capacitance 

3627 

最大可変静電容量 

最大静電容量から最小静電容量を引いた値。 

capacitance swing 

3628 

可変静電容量 

各回転指度における静電容量から最小静電容量を引いた

値。 

variable capacitance 

3629 

静電容量変化特性 

回転指度と静電容量との関係。 

備考 直線容量形,直線波長形,直線周波数形など

がある。 

capacitance law 

3630 

可変係数 

同調用可変コンデンサ(タイプAコンデンサ)の最大可

変静電容量を100%とした場合における,各回転指度に

おける可変静電容量をパーセントで表した値。 

備考  静電容量変化特性を表す。 

coefficient of variable 

capacitance 

3631 

有効回転角度 

最小静電容量から最大静電容量に変化させるために必要

な回転子(ロータ)の回転角度。 

effective angle of rotation 

3632 

公称回転角度 

回転角度の公称値。 

nominal angle of rotation 

3633 

全回転角度 

機械的に回転可能な全角度。 

total angle of rotation 

(4) コイル・変成器・変圧器 

(4.1) コイル・変成器・変圧器(基本) 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

4101 

コイル 

一般的には,絶縁体の表面上に導体を巻いて作った自己

インダクタンスをもつ部品。 

備考  渦巻き状に形成されたプリントコイルを含

む。 

coil 

background image

30 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

4102 

変成器 

共通の磁気回路とこれに鎖交する複数の巻線をもち,電

磁誘導作用によって一方の巻線から受けた交流信号を変

成して他方の回路に伝達する部品。 

transformer 

4103 

理想変成器 

損失が全くなく,変成作用だけを行う変成器であって,

次の条件を満足するもの。 

(1) 巻線のインピーダンスが無限大(磁心の透磁率が無

限大)。 

(2) 巻線の抵抗値が零。 

(3) 一次,二次の巻線の結合が完全であって,漏れ磁束

がない。 

(4) 分布容量が存在しない。 

備考  一方の巻線にあるインピーダンスを接続し

て,他方の巻線端子から見たインピーダンス

は完全に巻数比の平方に比例して変換され,

損失なしに電力を伝達し,周波数特性をもた

ない。 

ideal transformer 

4104 

整合変成器,整合ト

ランス 

インピーダンス整合の目的で用いる変成器の総称。 

備考  入力変成器,出力変成器,マッチングコイル

など。 

matching transformer 

4105 

変圧器 

共通の磁気回路とこれに鎖交する複数の巻線をもち,電

磁誘導作用によって一方の巻線から受けた交流電力を他

方の回路に供給する部品。 

transformer 

4106 

磁気回路 

磁束密度を電流密度に,磁界を電界に,透磁率を導電率

に,磁性体を導体に見立てることによって電気回路と類

似の関係が成立し,起磁力を起電力に,磁気抵抗を電気

抵抗に対比させることでオームの法則,キルヒホッフの

法則などが磁束に対して適用できる回路。 

magnetic circuit 

4107 

変圧比, 

変成比 

二次巻線の端子電圧を一次巻線の端子電圧で除した値。 

transformation ratio 

4108 

巻数比 

一次巻線の巻数と二次巻線の巻数の比又は一次若しくは

二次巻線の巻数とタップの巻数の比。 

tuns ratio 

4109 

静電遮へい【コイ

ル・変成器の】 

一次巻線と二次巻線及び引出部に生じる静電結合を防止

するため,巻線間に導体を挿入したり,またコイルや変

成器を外部からの静電結合を除去するよう導体をもって

遮へいすること。 

electrostatic shielding 

4110 

磁気遮へい【コイ

ル・変成器の】 

コイル・変成器から発生する磁力線又は外部からの磁力

線の影響を除去するため金属材料又は磁性材料によって

遮へいすること。 

magnetic shielding 

(4.2) コイル・変成器・変圧器(一般) 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

4201 

ユニバーサルコイ

ル, 

ハネカムコイル 

多層巻線のコイルにおいて,巻線間の分布容量と誘電体

損失を減少させ,かつQを高くするために,上下の互い

に重なる層の巻線が相互に交差するように巻いたコイ

ル。 

universal coil,  

honey-comb coil 

background image

31 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

4202 

ソレノイド巻きコ

イル 

円筒状に導体を巻いたコイル。一層に巻いたものを単層

ソレノイド巻きコイル,多層に巻いたものを多層ソレノ

イド巻きコイルという。 

solenoidal coil 

4203 

バンク巻きコイル 

巻線の層間の分布容量を減らすためには,層間の電位差

を小さくする必要がある。そのためには,一層に巻くこ

とがよいが,しかし一層では巻き切れないときに用い,

二層巻きの場合図のように巻いたコイル。 

bank wound coil 

4204 

バイファイラ巻き

コイル 

一次,二次巻線相互間の結合を密にするために,一次及

び二次の導線を並列に巻いたコイル。 

bifilar wound coil 

4205 

スペース巻きコイ

ル 

巻線のピッチを大きくして,分布容量を減らしたコイル。 

space wound coil 

4206 

空心コイル 

磁心を用いないコイル。 

air-core coil 

4207 

磁心[入り]コイル 

磁心を用いたコイル。 

magnetic core coil 

4208 

可変コイル 

インダクタンスの可変機構をもつコイル。 

variable coil 

4209 

固定コイル 

インダクタンスの可変機構をもたないコイル。 

備考  インダクタ又はチョークコイルともいう。 

fixed coil 

4210 

プリントコイル 

絶縁板上に渦巻き状などの導体膜を形成することによっ

て得られるコイル。 

printed coil 

4211 

チップコイル 

磁器,プリント基板などの絶縁体に面実装するのに適し

た構造をもったコイル。 

備考  インダクタンスの可変機構をもったものを

可変形チップコイル,可変機構をもたないも

のを固定形チップコイルという。(チップイ

ンダクタということもある。)。 

chip coil 

4212 

トロイダルコイル 

リング状磁心に導体を巻いて作ったコイル。 

toroidal coil 

4213 

エンキャプシュレ 

 ート変成器 

耐候性及び絶縁性を向上するため,巻線や磁心を合成樹

脂で被覆した変成器。 

encapsulated transformer 

4214 

エンキャプシュレ

ートインダクタ 

耐候性及び絶縁性を向上するため,巻線や磁心を合成樹

脂で被覆したインダクタ。 

encapsulated inductor 

4215 

ハイQコイル 

高いQ(高い誘導性リアクタンスをもち,かつ低損失)

のコイル。主にフィルタ用として使用する。 

high Q coil 

4216 

遮へいコイル 

電子回路に誘導される妨害電圧を軽減するのに用いる変

成器。 

shielded coil 

4217 

高周波コイル 

主としてラジオ,テレビジョン受信機などの電子機器の

高周波回路に用いるコイル。 

備考  高周波用として設計したコイルを低周波で

使用することもあり,またその逆もある。 

high frequency coil 

background image

32 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

4218 

高周波変成器, 

高周波トランス 

主としてラジオ,テレビジョン受信機などの電子機器の

高周波回路に用いる変成器。 

備考  RFコイル (radio frequency coil) ということ

もある。 

high frequency transformer 

4219 

中間周波変成器, 

中間周波トランス 

スーパーヘテロダイン方式の受信機で中間周波増幅回路

に用いる変成器。 

備考  LFTともいう。 

intermediate frequency 

transformer 

4220 

低周波コイル 

可聴周波数帯以下の比較的低い周波数帯に用いるコイ

ル。 

low frequency coil 

4221 

低周波変成器, 

低周波トランス 

可聴周波数帯以下の比較的低い周波数帯に用いる変成

器。 

audio frequency transformer  

low frequency transformer 

4222 

電源変圧器, 

電源トランス 

電源電圧を昇圧又は降圧の目的で用いる変圧器。 

商用周波数用とスイッチングレギュレータ用とがある。 

power [supply] transformer 

4223 

段間変成器 

トランジスタ増幅器又は電子管増幅器で,インピーダン

スが異なる二つの線路を接続するときに昇圧,降圧又は

インピーダンス整合に用いる変成器。 

inter-stage transformer 

4224 

入力変成器, 

入力トランス 

トランジスタ,電子管などを用いた増幅回路の入力側に

接続し,線路又は外部装置と増幅器とのインピーダンス

整合に用いる変成器。 

input transformer 

4225 

出力変成器, 

出力トランス 

トランジスタ,電子管などを用いた増幅回路の出力側に

接続し,外部負荷回路のインピーダンスをトランジスタ

や電子管の負荷の最適負荷インピーダンスに変換する変

成器。 

output transformer 

4226 

広帯域変成器, 

広帯域トランス 

使用できる周波数帯域が極めて広い値をもつ変成器。 

wide band transformer 

4227 

多巻線変成器 

一つの信号を多配分するための変成器。 

multi-winding transformer 

4228 

絶縁形変成器, 

分雛形変成器, 

絶縁形トランス 

一次巻線と二次巻線が静電的に分離してある変成器。 

isolation transformer 

4229 

油入り変成器 

鉄心及び巻線が絶縁油内に浸してある変成器。 

oil filled transformer 

4230 

単巻変成器, 

単巻トランス 

一つの連続した巻線をもち,その一部が一次側と二次側

の回路に共通となる構造をもつ変成器。 

auto transformer 

4231 

同調変成器, 

同調トランス, 

同調コイル 

コンデンサと変成器で共振回路を形成し,単一の周波数

を低損失で選択する目的で用いる変成器。 

tuning transformer,  

tuning coil 

4232 

発振コイル 

増幅した出力の一部を適当な位相で入力側に帰還させ

て,特定の周波数を発振させる回路(LC発振回路)に

使用するコイル。 

備考  特にパルス発振に用いるものは,ブロッキン

グコイル (blocking coil) 又はロッキングコ

イル (locking coil) ということもある。 

oscillation coil 

4233 

ピーキングコイル 

テレビ映像増幅回路や広帯域増幅器などにおいて,高周

波領域における増幅利得を補償するために,負荷に並列

又は直列に挿入し,特定の周波数だけに共振させ,総合

的に周波数帯域を拡大するコイル。 

peaking coil 

background image

33 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

4234 

ハイブリッドトラ

ンス 

2線式線路と4線式線路との結合に使用する変成器。 

備考  このトランスは,下図に示すように,このト

ランスの巻線比によって定められた負荷で

各端子を終端すると,Aからの入力電力は,

Dに伝達されず,BとCには巻線比に比例し

て電力が分配する。またBからの入力電力

は,Cには伝達されずAとDに電力が分配

される。またCからの入力電力は,Bには伝

達されずAとDに電力が分配されるので電

力分配器として用いられる。 

hybrid transformer 

4235 

チョークコイル 

比較的高い周波数の電流を阻止し,直流又は比較的低い

周波数の電流だけを通過させることを目的としたコイ

ル。 

choke coil 

4236 

アンテナコイル 

電気信号を電磁波として空間に放射する装置,又は放射

された電磁波を捕そくする装置に接続されるコイル。 

antenna coil 

4237 

ラインフィルタコ

イル 

電源回路を通し,機器の内部に侵入する雑音,又は機器

の内部から電源回路を通し,外部に漏れる雑音を阻止す

るために電源回路に挿入するコイル。 

line filter coil 

4238 

フライバック変成

器, 

フライバックトラ

ンス 

テレビジョン受信機の水平偏向出力回路などで,水平偏

向コイルに対する出力トランスとして動作するととも

に,偏向電流の帰線期間での急速な電流変化を利用して

高圧パルスを発生し,受像管陽極の高圧電源としての役

目をもたせた変成器。 

flyback transformer 

4239 

バラン 

平衡形伝送回路を不平衡形伝送回路にインピーダンス変

換する変成器。 

balun 

4240 

装荷コイル 

回路に挿入してインダクタンスを増大し,信号の減衰量

を小さくするためのコイル。 

loading coil 

4241 

ソレノイド 

主に,プランジャ,アーマチュアなどに用いるソレノイ

ド巻きコイル。 

solenoid 

4242 

遅延線 

コイルとコンデンサで構成された回路の中を電気信号が

伝達するときの時間の遅れを利用した部品。 

備考  ディレイラインということもある。 

delay line 

4243 

パルス変成器, 

パルストランス 

パルス波形伝送又はパルス波発生のために使用する変成

器。 

pulse transformer 

4244 

シールドケース 

コイル・変成器から発生する磁力線が外部に放出しない

ように,また外部からの磁力線又は静電結合の影響を除

去するためにコイル・変成器の外部を覆う金属容器。 

shielding case 

4245 

ボビン 

電線を巻くための巻枠。 

bobbin 

4246 

センタタップ 

巻線の中心から出した口出線端子。 

center tap 

background image

34 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

4247 

中性点 

ふたつの巻線の極性の異なる端末を接続して構成した電

位的平衡点。多相変圧器において星形結線を行った巻線

の共通接続点。 

備考  この点を基準として二つの巻線の問題とす

る定数の平衡度を規定する。 

neutral point 

(4.3) コイル・変成器・変圧器(性能) 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

4301 

インダクタンス 

自己インダクタンス及び相互インダクタンスの総称。 

inductance 

4302 

自己インダクタン

ス 

コイルに流れる電流の変化によって,コイル自身に電流

の変化を妨げるように生じた起電圧の値 (E) を電流変

化率 (dI/dt) で除した値。次の式で表される。 

 
 

self inductance 

=

dt

dI

E

L

ここに, 

L:  自己インダクタンス 

E:  起電圧の値 

dI/dt:  電流変化率 

4303 

相互インダクタン

ス 

近接して置かれた2個のコイルがあるとき,一方のコイ

ルに電流Iが流れるとき,他方のコイルに生じる誘導起

電圧Eを電流変化率 (dI/dt) で除した値。次の式で表さ

れる。 

mutual inductance 

=

dt

dI

E

M

ここに, 

M:  相互インダクタン

ス 

E: 

誘導起電圧の値 

dI/dt: 

電流変化率 

4304 

定格インダクタン

ス, 

公称インダクタン

ス 

規格値を代表するインダクタンス値。 

rated inductance,  

nominal inductance 

4305 

短絡インダクタン

ス 

複数の巻線がある場合,一方の巻線を短絡して,他方の

巻線から測定したインダクタンス。 

short-circuit inductance 

4306 

漏れインダクタン

ス 

変成器及び変圧器の一次,二次巻線間でそれぞれ流れる

電流による全磁束が必ずしも巻線のすべてに鎖交すると

は限らず,一方又は一部の巻線に鎖交し,両巻線の電磁

結合に寄与しない漏れ磁束によるインダクタンス。 

備考  巻線をそれぞれ1,2で示し,λ11,λ21をそれ

ぞれ1,2による磁束の鎖交数とし,1,2の

巻線をN1,N2,巻線を流れる電流をi1とす

ると,巻線2について,巻線1の漏れインダ

クタンスLは 

1

21

2

1

11

i

N

N

L

=

λ

λ

となる。 

leakage inductance 

4307 

定格周波数【コイ

ル・変圧器の】 

規定された動作のために定められた周波数。 

rated frequency 

4308 

定格電圧【コイル・

変圧器の】 

定格周囲温度において,連続して印加できる電圧の最大

値。 

rated voltage 

background image

35 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

4309 

定格電流【コイル・

変圧器の】 

定格周囲温度において,連続して負荷できる電流の最大

値。 

rated current 

4310 

励磁電流 

電圧を印加したとき,巻線を鎖交する磁束を作るために

巻線を流れる電流。 

備考  巻線内に蓄えられる電磁エネルギーに対応

し,電圧と直角位相を示す磁化電流とコイ

ル・変成器の損失に対応する電圧と同相の成

分の損失電流とのベクトル和。 

exciting current 

4311 

直流[重畳]特性 

直流電流を加えたときの特性値の変動。 

d. c. characterisitics 

4312 

無負荷電圧 

定格周波数において,変圧器の一次巻線に定格入力電圧

を加え,すへての二次巻線を開放したときに,各二次巻

線に誘起する電圧。 

no-load voltage 

4313 

電圧変動率 

変圧器の無負荷における二次巻線電圧をE0,二次側に定

格電流を流したときの二次巻線の電圧をEとする

とき

(

)100

0

×

E

E

E

(%)の値。 

備考  規定の電流,力率及び周波数において二次巻

線の端子電圧を定格値に保つように,一次巻

線の電圧を調整し,これを変えずに変圧器を

無負荷にしたときの二次巻線の電圧の変動

率。 

voltage regulation 

4314 

電圧偏差 

一次巻線に定格周波数,定格電圧を印加し,定格出力電

流を流すとき,二次巻線の電圧から定格出力電圧を引い

た値と定格出力電圧との比をパーセントで表したもの。 

voltage deviation 

4315 

無負荷電流 

定格周波数において,変圧器の一次巻線に定格入力電圧

を加え,すべての二次巻線を開放したときに一次巻線に

流れる電流。 

no-load current 

4316 

Q【コイルの】 

コイルの品質を表す係数。次の式で表される。 

r

L

=

quality factor 

ここに, 

ω:  角周波数 

L:  インダクタンス値 

r:  実効抵抗値 

4317 

同調容量 

定格周波数において,コイルのインダクタンスと共振さ

せるための静電容量値。 

Co 

tuning capacitance 

4318 

分布容量 

巻線相互間及びアース間に分布している静電容量値。 

Cd 

distributed capacitance 

4319 

自己共振周波数 

コイルの分布容量とインダクタンスとで共振する周波

数。 

self resonant frequency 

4320 

挿入損失 

理想変成器を回路に挿入した場合の出力P′と変成器を

回路に挿入した場合の出力Pとの比。 

P

P

ai

=

log

10

 (dB) 

insertion loss 

4321 

動作減衰量 

電源の内部インピーダンスに等しいインピーダンスを電

源(信号源)に接続した場合,負荷に供給される電力P′

と整合変成器を回路に挿入した場合の出力Pとの比。 

P

P

ab

=

log

10

 (dB) 

transmission loss 

background image

36 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

4322 

不整合減衰量 

回路に整合する純抵抗Rsで成端した場合に得られる電

力とインピーダンスZの変成器で成端した場合の反射量

との比。 

)

(

)

(

log

20

s

s

F

R

Z

R

Z

a

+

=

 (dB) 

備考 Zは定格インピーダンスで成端したとき入力

側から見たインピーダンス。Rsは公称インピ

ーダンス(通常は純抵抗)とする。 

mismatching attenuation 

4323 

無負荷損失 

定格周波数において,変圧器の一次巻線に定格入力電圧

を加え,すべての二次巻線を開放したときに消費される

電力。 

no-load loss 

4324 

全損失 

定格周波数において,変圧器の一次巻線に定格入力電圧

を加え,すべての二次巻線に定格出力電流を流したとき,

変圧器内で消費される電力。 

total loss 

4325 

高調波ひずみ, 

ひずみ率 

磁心の非直線性に起因する伝送波形のひずみ率。 

備考  通常高調波電圧の二乗の和の平方根を基本

波電圧で除した値で,パーセントで表したも

の。 

harmonic distortion,  

distortion factor 

4326 

長岡係数 

図に示すソレノイド巻きコイルの半径 (rcm),長さ 

(lcm),巻数 (N) とするときのインダクタンスL (H) の値

を求める次の式における係数KN。 

(

)

9

2

2

10

2

×

=

N

K

l

r

L

N

π

 (H) 

備考  単層巻線のとき 

2

02

.0

9.0

1

1

+

=

l

r

l

r

KN

Nagaoka coefficient 

4327 

結合係数 

一次巻線と二次巻線間の結合の度合を示す係数。次の式

で表される。 

coupling coefficient 

ここに, 

L1・L2: 

自己インダクタンス 

M: 

相互インダクタンス 

4328 

終端抵抗[値], 

成端抵抗[値] 

動作特性を決めるための端子に接続する特定のインピー

ダンス値。 

備考  一般に純抵抗を用いる。 

terminating resistance [value]  

4329 

静電容量不平衡 

同一巻線の二つの巻線端とアース間との静電容量の差。 

static capacity unbalance 

4330 

センタタップ[不]

平衡 

巻線の両端子とセンタタップとの間に現れる電圧の差と

巻線端子間の電圧との比をパーセントで表したもの。 

center tap [un] balance 

background image

37 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

参考 

量記号 

対応英語 

4331 

絶縁抵抗 

コイル,変成器,変圧器の異なる巻線の端子間又は端子・

外装間における絶縁体の電気抵抗値。 

insulation resistance 

4332 

耐電圧【コイル・変

成器の】 

コイル,変成器,変圧器の異なる巻線の端子間又は端子・

外装間における絶縁体が絶縁破壊を起こさずに規定時間

保持できる規定された電圧。 

voltage proof, 

dielectric withstanding voltage 

4333 

温度係数 

使用温度範囲において,基準温度から周囲温度を変化さ

せたとき,特性の変化率をその温度差で除した値をパー

セントで表したもの。 

temperature coefficient 

4334 

温度特性 

使用温度範囲において,周囲温度を変化させたときの特

性の変化をその温度差で除した値をパーセントで表した

もの。 

備考  特性の変化率が非直線性を示すものに適用

する。 

temperature characteristics 

4335 

スプリアス特性 

規定された同調周波数以外の周波数において,入力信号

が出力側の負荷に現れる現象。 

備考  通常,同調周波数における出力電圧とそれ以

外の周波数における出力電圧との比をdBで

表す。 

spurious characteristics 

4336 

大入力特性 

信号電流のレベルによって示される特性値の差。 

large signal behavior 

characteristics 

4337 

磁界特性 

磁界に放置された磁心を用いたコイルの,磁界から脱し

た後に残る特性。 

magnetic influence 

38 

C 5602-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

電子部会 電子回路部品用語専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

武 藤 時 雄 

広島工業大学 

青 島 哲 夫 

東光株式会社 

今 本   正 

社団法人日本電子機械工業会 

岩 田   武 

東京特殊印刷工業株式会社 

内 山 友 和 

日本電信電話株式会社 

太 田 健一郎 

工業技術院標準部 

梶 川   馨 

日本コンデンサ工業株式会社 

木 村 十 郎 

株式会社タムラ製作所 

黒 田 英太郎 

株式会社村田製作所 

嵯峨野 俊 夫 

大同電気工業株式会社 

島   弘 志 

通商産業省機械情報産業局 

下 岡 靖 次 

東京コスモス電機株式会社 

鈴 木 信 博 

TDK株式会社 

中 島 總一郎 

株式会社芝浦電子製作所 

中津川   功 

帝国通信工業株式会社 

長 沢 成 之 

東洋大学 

野 沢 敏 矩 

日本電信電話株式会社 

的 場 重 房 

田淵電機株式会社 

武 藤 俊 範 

松尾電機株式会社 

山 村 淳 一 

松下電子部品株式会社 

山 本 克 巳 

ソニー株式会社 

山 本 圭 一 

進工業株式会社 

(事務局) 

潮 田 成 一 

工業技術院標準部電気・情報規格課 

福 井 正 弘 

工業技術院標準部電気・情報規格課 

後 藤 博 幸 

工業技術院標準部電気・情報規格課