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1

C 5515-1981

日本工業規格

JIS

 C

5515

-1981

標準コンデンサマイクロホン

Standard Condenser Microphones

1.

適用範囲  この規格は,標準コンデンサマイクロホン(以下,マイクロホンという。)及びマイクロホ

ンの前置増幅器について規定する。

引用規格:

JIS C 1303

  高絶縁抵抗計

JIS Z 8106

  音響用語(一般)

JIS Z 8107

  音響用語(機器)

2.

用語の意味  この規格で用いる主な用語の意味は,JIS Z 8106〔音響用語(一般)〕,JIS Z 8107〔音響

用語(機器)

〕及び

附属書 による。

3.

種類  種類は,5.(1)に規定の公称外径による区分及び 5.(9)に規定の機能によって区分し,表 に示す

4

種類とする。

表 1

外径

機能

I

(23.77mm)

II

(12.70mm)

P

形(音圧用)

I P

II P

F

形(音場用)

I F

II F

4.

形状・寸法

4.1

マイクロホン本体  マイクロホン本体の形状・寸法は,図 による。


2

C 5515-1981

図 

I

形 II 形

φ

A 23.77

±0.03 12.70±0.03

φ

A

− 12.15±0.05

φ

B 18.60

±0.03 9.80±0.03

φ

D 14.0

7.0

φ

E 5.0

∼7.0 3.0∼4.0

φ

F 5.0

G 1.95

±0.03 0.70±0.03

H 7.0

∼8.0 6.0∼7.0

I 3.0

∼7.0 3.0∼4.0

J 2.5

∼3.0 2.5∼3.0

K 1.0

∼2.0 3.0∼4.0

(

1

)

ねじは,

附属書3による。

4.2

前置増幅器  前置増幅器の形状・寸法は,図 による。ただし,マイクロホン本体との接続部(接

地しゃへい又はグランドシールド)は,

図 による。


3

C 5515-1981

図 2

I

形 II 形

φ

M 23.77

±0.1 12.70±0.1

L 100

以上 100 以上

図 3

I

形 II 形

φ

M 23.77

±0.1 12.70±0.1

φ

O 11.0

±0.1

7.0

±0.05

φ

P

9.0

±0.1

6.5

±0.05

Q

5.0

±0.1 5.0

±0.1

R

5.0

±0.1 0.0

±0.1

S

2.0

±0.1 2.0

±0.1


4

C 5515-1981

5.

定格  定格は,次による。

(1)

公称外径  公称外径は,表 による。

(2)

公称感度レベル  公称感度レベルは,表 による。

(3)

公称静電容量  公称静電容量は,表 による。

(4)

公称等価容積  公称等価容積は,表 による。

(5)

使用周波数範囲  使用周波数範囲は,表 による。

(6)

使用温度範囲  使用温度範囲は,−10∼55℃とする。

(7)

使用湿度範囲  使用湿度範囲は,相対湿度 85%以下とする。

(8)

使用気圧範囲  使用気圧範囲は,860∼1 060mbar(

2

)

とする。

(

2

) 1mbar

=10

2

Pa

(9)

機能  機能は,音圧用(P 形)及び音場用(F 形)の 2 種類に区分する。

表 2

I

形 II 形

公称外径 mm

23.77

12.70

公称感度レベル dB

−25∼−30

−34∼−38

公称静電容量 pF

50

∼55 18∼22

公称等価容積 cm

3

 0.08

∼0.14 0.005∼0.015

使用周波数範囲 Hz

10

∼8 000

10

∼20 000

6.

性能  マイクロホンの性能は,表 による。

表 3

番号

項目

I

形 II 形

1

感度レベル (500Hz)

公称値±1.5dB

2

感度レベルの周波数特性
偏差

IP

IIP

形:5.(5)の周波数範囲内において音圧感度レベル

が最大値から最小値まで 1.5dB を超える変化があっては

ならない。

IF

IIF

形:5.(5)の周波数範囲内において入射角 0゜の自

由音場感度レベルが最大値から最小値まで 2dB を超える

変化があってはならない。

3

静電容量 (500Hz)

公称値±10%

公称値±15%

4

絶縁抵抗 10

5

M

Ω以上

5

マイクロホンの等価容積

(1 013mbar)

公称値±10%

公称値±15%

6

安定性 (500Hz)

5

日間における音圧感度レベルの安定性

|m|(

3

)

:0.02dB/day

s(

3

)

:0.05dB          以下

1

年間における音圧感度レベルの安定性

|m|(

3

)

:0.2dB/year

s(

3

)

:0.1dB          以下

(

3

)

附属書114.参照。

7.

試験

7.1

試験の状態  試験及び測定は,特に規定がない限り,温度 15∼25℃,湿度 65∼85%,気圧 960∼

1060mbar

のもとで行う。


5

C 5515-1981

7.2

試験機器,試験装置及び試験方法  試験機器,試験装置及び試験方法は,表 による。

表 4

番号

測定項目

性能又は仕様

測定器・測定装置

又は試験方法

(

4

)

1

寸法試験

(1)

φ

A

φ

A

(2)

φ

B

φ

E

(3)

その他

4.

によること。

マイクロメータ

読取顕微鏡

ノギス

2

形状試験(ねじ)

4.1

によること。

限界ゲージ

3

感度レベル

表 の番号 によること。

附属書 による。

4

感度レベル周波数特性

表 の番号 によること。

附属書 による。

5

静電容量

表 の番号 によること。

附属書 の 2.3 による。

6

絶縁抵抗試験

表 の番号 によること。

JIS C 1303

(

5

)

による。

7

安定性

表 の番号 によること。

附属書 2

(

6

)

による。

(

4

)

同等以上の測定器,測定装置及び試験方法を含む。

(

5

)  JIS C 1303

(高絶縁抵抗計)の測定方法を用いる。ただし,印加電圧は 100V とす

る。

(

6

)

安定性を求めるためには 5 日間又は 1 年間の継続した感度の校正が必要である。

8.

表示  マイクロホンには,見やすい所に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。

(1)

製品名又は形名

(2)

製造業者名又は略号

(3)

製造番号

(4)

種類

例:ECL MR 103    ○○○○    No.7901 IP

9.

取扱い説明書  マイクロホンには,次の事項を記載した取扱い説明書を添付しなければならない。

(1)

製品名

(7)

公称静電容量値及び静電容量試験値

(2)

種類

(8)

絶縁抵抗試験値

(3)

製造業者名

(9)

公称等価容積

(4)

製造番号

(10)

公称安定性

(5)

製造年月

(11)

寸法試験値

(6)

感度レベル

(a)

公称音圧感度レベル

(b)

音圧感度レベル試験値

(c)

音圧感度レベル周波数特性又は

音場感度レベル周波数特性

(12)

試験年月日

(13)

試験環境条件

10.

取扱い注意事項  取扱い注意事項は,次による。

(1)

マイクロホンの取扱い及び保管に当たっては,衝撃的な力などの大きな力が加わらないように注意す

ること。特に,振動膜は破損しやすいので,絶対に触れないこと。

(2) 90%

以上の湿度やじんあいの多い環境は可能な限り避け,保管にはデシケークを用いるのが望ましい。

なお,使用しないときには,振動膜面及び電気端子には,保護用具を付けること。


6

C 5515-1981

附属書 1  用語の意味

1.

マイクロホンの開放出力電圧  マイクロホンの電気端子が開放されているとき,その電気端子に現れ

る出力電圧(単位 V)

2.

音圧感度  マイクロホンの開放出力電圧と,振動膜面上に一様に作用した音圧との比(単位 V/Pa)。

3.

音圧感度レベル  音圧感度の絶対値の常用対数の 20 倍(単位 dB,0dB : 1V/Pa)。

4.

自由音場感度  平面進行波の中にマイクロホンを置いたときに生じる開放出力電圧と,マイクロホン

を置く前の位置(すなわちマイクロホンの音響中心)に存在していた音圧との比。

この感度の値には,マイクロホンの基準軸に対する平面進行波の入射角と周波数を付記する(単位 V/Pa)

5.

マイクロホンの基準軸  振動膜の幾何学的中心を通り,音場に面する側から振動膜面に立てた垂直な

直線。

6.

自由音場感度レベル  自由音場感度の絶対値の常用対数の 20 倍(単位 dB,0dB : 1V/Pa)。

7.

自由音場補正量  自由音場感度レベルから音圧感度レベルを減じた値(単位 dB)。

8.

マイクロホンの電気インピーダンス  マイクロホンの電気端子に加わる電圧と電流との比。この値は,

周波数と振動膜にかかる音響負荷によって異なる(単位

Ω)。

9.

マイクロホンの音響インピーダンス  マイクロホンの振動膜に一様に加わる音圧と,振動膜の体積速

度との比。この値は,周波数と電気的終端条件によって異なる(単位 Ns/m

5

10.

等価容積  マイクロホンの音響インピーダンスを,剛体空どう(洞)の気体の体積と等価な容積で表

した値。

等価容積 V

e

 (cm

3

)

は,次の式によって求める。

a

e

Z

j

P

V

ω

γ

0

ここに

γ: 気体の比熱の比

P

0

大気圧 (Pa)

j

1

ω

角周波数 (rad/s)

Z

a

マイクロホンの音響インピーダンス (Ns/m

5

)

11.

偏極電圧  マイクロホンの電気端子に供給する直流電圧(単位 V)。


7

C 5515-1981

12.

可逆変換器  線形で受動的な電気音響変換器を考えた場合,振動膜面上の音圧  (p),電気端子の電圧

(

e)

,振動膜の体積速度  (u)  及び電気端子に流れる電流  (i)  がすべて同一の周波数で正弦的な変化をするも

のとして,電気音響変換器の動作を次に示す方程式で表したとき,変換係数 Z

12

と Z

21

との間に Z

12

Z

21

関係が成立する変換器。

Z

11

i

Z

12

u

e

Z

21

i

Z

22

u

p

ここに

Z

22

:  電気端子を開放したときの音響インピーダンス

Z

11

:  機械的振動を止めたときの電気インピーダンス

13.

伝達音響インピーダンス  音響的に結合した二つのマイクロホンの間で,受音器として使用するマイ

クロホン振動膜面に作用する音圧と,音源として使用するマイクロホン振動膜の体積速度との比(単位

Ns/m

5

14.

マイクロホンの安定性  マイクロホンの感度の時間に対する変化を示す量で,次に示す二つの量 

s

で表す。

m

測定した音圧又は音場感度レベルの時間変化に対するグラフから最小 2 乗法によって決定さ

れる直線の傾き(単位 dB/day 又は dB/year)

s

次式で表す標準偏差(単位 dB)

2

)

(

1

2

n

X

X

s

n

i

ci

i

å

=

ここに

X

i

:  番目の感度レベルの測定値

n

:  感度レベルの測定値の総数

X

ci

:  番目の測定が行われた時点における X

c

の値

X

c

:  mtX

0

X

0

:  時間 t=0 の軸と X

c

との交点

備考  環境条件,校正の回数及び最初と最後の校正の間の時間を付記する。

15.

感度レベルの温度係数  周囲温度を変化させたときに生じるレベルの変化分と周囲温度上昇分との比

(単位 dB/℃)

16.

マイクロホンの絶縁抵抗  マイクロホンの電気端子の直流抵抗(単位 M

Ω)。

17.

マイクロホンの前か(窩)  マイクロホンの振動膜前側(音圧にさらされる側)に存在するくぼみ。

18.

カップラ  マイクロホンの音圧校正に用いる音響結合器。


8

C 5515-1981

附属書 2  マイクロホンの相互校正法

1.

適用範囲  この附属書は,相互校正法によって音圧及び音場校正を行う方法を規定する。

2.

相互校正法

2.1

測定原理  3 個のマイクロホンを用い,抵抗減衰器による置換測定の場合の測定原理は,次による。

(1)

マイクロホン 3 個(A及び とする。

)を

附属書 表 のように 2 個ずつ組み合わせ(

1

)

,3 組の測

定を行う。ここで,マイクロホン は音源として,マイクロホン は可逆変換器として,マイクロホ

ン はマイクロホンとして用いる。

(

1

)

マイクロホンの組合せは

附属書21以外のものも可能である。しかし附属書21の組合せの場

合,音源 は安定な任意の音源でよい。ただし,音響中心など音源として必要な特性が明確で

なければならない。また,音源が可逆変換器でない場合には,(1)及び(2)式の測定の代わりにマ

イクロホン 及び の感度比を測定しなければならない。

附属書 2  表 1  相互校正におけるマイクロホンの組合せ

組合せ

音源

マイクロホン

電圧比

電圧減衰量

dB

1 A

B

e

0B

/e

iA

R

AB

2 A

C

e

0C

/e

iA

R

AC

3 B

C

e

0C

/e

iR

R

BC

(2)

各組のマイクロホン電気端子間の電圧減衰量を測定し,

附属書 表 に示すように,それぞれ R

AB

R

AC

及び R

BC

 (dB)

とする。

なお,音源の駆動電圧とマイクロホンの開放出力電圧間の電圧減衰量 は,次式による。

R

=20log

0

e

e

i

 (dB)

ここに

e

i

:  音源の駆動電圧

e

0

:  マイクロホンの開放出力電圧

また,音源 の駆動電圧 e

iA

とマイクロホン の開放出力電圧 e

0B

との間の関係式は,次による。

eA

iA

B

Z

e

e

1

0

M

A

Z

aAB

M

B

 (1)

同様に,他の組合せによる関係式は,次による

eA

iA

C

Z

e

e

1

0

M

A

Z

aAC

M

C

 (2)

eB

iB

C

Z

e

e

1

0

M

B

Z

aBC

M

C

 (3)

ここに,  英大文字の添字 A及び は,それぞれマイクロホン A及び C

に関する量を示し,

Z

e

音源の電気インピーダンス

Z

a

音源とマイクロホンの音響端子間の伝達音響インピーダンス

M

マイクロホンの感度


9

C 5515-1981

(3)

マイクロホン A及び の感度 M

A

M

B

及び M

C

は,式(1),(2)及び(3)から次式によって求める。

M

A

eB

eA

eB

iB

oC

iA

C

iA

B

aAC

aAB

aBC

Z

Z

Z

e

e

e

e

e

e

Z

Z

Z

×

/

/

/

0

0

 (4)

M

B

eB

iA

oC

iB

C

iA

B

aBC

aAB

aAC

Z

e

e

e

e

e

e

Z

Z

Z

/

/

/

0

0

 (5)

M

C

eB

iA

oB

iB

C

iA

C

aBC

aAC

aAC

Z

e

e

e

e

e

e

Z

Z

Z

/

/

/

0

0

 (6)

(4)

マイクロホンの感度は,音圧感度,自由音場感度及び拡散音場感度があり,それぞれカップラ、無響

室及び残響室で相互校正する。

(5)

一般に,音源とマイクロホンの位置を固定すれば,音源とマイクロホンの音響端子間の関係はほぼ一

定,すなわち

Z

a

Z

aAB

Z

aAC

Z

aBC

とみなせる。

(6)

静電形マイクロホンの場合,マイクロホン M の静電容量を C

M

とすれば,マイクロホン M の電気イン

ピーダンスは 1/j

ω

C

M

である。

(7)

基準の感度を M

0

とすれば,マイクロホンの感度レベルは,20log

0

M

M

dB

となる。

(8)

マイクロホン A及び の感度レベル 20log

0

M

M

A

,20log

0

M

M

B

及び 20log

0

M

M

C

は,(1)(7)項に基づき,

(7)(9)によって求める

A

B

a

B

BC

AC

AB

A

C

C

K

Z

C

R

R

R

M

M

log

20

log

10

)

(

2

1

log

20

0

ω

 (7)

K

Z

C

R

R

R

M

M

a

B

BC

AC

AB

B

ω

log

10

)

(

2

1

log

20

0

 (8)

K

Z

C

R

R

R

M

M

a

B

BC

AC

AB

C

ω

log

10

)

(

2

1

log

20

0

 (9)

ここに

M

0

=1V/Pa(

2

),

K

=1Ns/m

3

(

2

)

これまで,基準の感度として1V/

µbar=0.1V/Pa が用いられている場合が多い。したがって,SI

単位系に基づく本規格では,みかけ上感度レベルが20dB 高く表示される。

2.2

校正用機器及び装置  校正装置は,原則として附属書 図 のブロック図による。また,校正用機

器のうち音響系として用いる機器又は装置は,原則として次による。

(1)

音圧校正……………カップラ

(2)

自由音場校正………無響室

(3)

拡散音場校正………残響室


10

C 5515-1981

附属書 2  図 1

(

3

)

音場校正の場合には,カップラが無響室や残響室内音場になる。


11

C 5515-1981

2.3

静電容量の測定  静電容量の測定は,附属書 図 に示す測定回路を用い,標準可変コンデンサと

の置換測定によって行う。

附属書 2  図 2

2.4

音圧校正  カップラを用いた場合の音圧校正法は,次による。

(1)

カップラ  I 形及び II 形マイクロホン用カップラ並びにその使用周波数範囲は附属書 表 に,カッ

プラの断面図及び寸法は

附属書 図 による。

附属書 2  表 2

カップラ

使用周波数範囲  Hz

マイクロホンの

形名

容積  cm

3

空気

水素

I A

19.62

10

∼ 3 000

100

∼12 500

I

I B

3.10

10

∼10 000

100

∼20 000

II

形 II A  1.09

10

∼ 5 000

100

∼30 000


12

C 5515-1981

附属書 2  図 3

単位 mm

I

形マイクロホン用カップラ II 形マイクロホン用カップラ

I A

形 I

B

形 II

A

φ

A

42.88

±0.03 18.60±0.02 18.30±0.02

φ

B

18.60

±0.03

9.80

±0.02

C

12.55

±0.03 7.50±0.02

3.50

±0.02

D

0.80

±0.03

0.40

±0.02

φ

E

23.77 23.77

12.70

F

1.95 1.95

0.70

(2)

伝達音響インピーダンス  伝達音響インピーダンス Z

a

は,次式によって求める。

V

j

P

Z

o

a

ω

γ

 (10)

ここに

V

カップラ容積 (cm

3

)

ω

角周波数 (rad/s)

γ

カップラ媒質の比熱の比

γ

空気=1.402

γ

水素=1.408

P

0

大気圧 (mbar)


13

C 5515-1981

(3)

音圧感度レベル  マイクロホンの音圧感度レベルは,式(11),(12)又は(13)によって求める。

A

B

o

B

BC

AC

AB

A

C

C

K

V

P

C

R

R

R

M

M

log

20

log

10

)

(

2

1

log

20

0

γ

 (11)

K

V

P

C

R

R

R

M

M

o

B

BC

AC

AB

B

γ

log

10

)

(

2

1

log

20

0

 (12)

K

V

P

C

R

R

R

M

M

o

B

BC

AC

AB

B

γ

log

10

)

(

2

1

log

20

0

 (13)

ここに

K

=10

-4

 (cm

3

/pF

・mbar)

(4)

音圧校正の手順  音圧校正の手順は,次による。

(a)

マイクロホンの絶縁抵抗が十分高いこと(10

5

M

Ω以上)を確かめ,附属書 表 の組合せ のマイ

クロホンを所定の位置に固定する。

(b)

マイクロホンを取り付けたカップラを測定台にのせ,アース回路及びマイクロホン回路を接続し,

マイクロホンに偏極電圧を加える。

(c)

所定の周波数の電圧を音源に加え,マイクロホンの出力電圧を読み取る。

(d)

切換スイッチを抵抗減衰器側に切り換え,音響系と同じ指示になるように抵抗減衰器を調整し,こ

のときの抵抗減衰器の値  (R

AB

)

を読み取る。

(e)

  (c)

及び(d)の操作を必要な周波数について行う。必要な場合には,細管を通してカップラ媒質を交換

する。

(f)

マイクロホンの組合せ 及び について,(a)(e)を繰り返し,R

AC

及び R

BC

を測定する。

2.5

自由音場校正  無響室を用いた場合の自由音場校正法は,次による。

(1)

無響室  無響室は,必要とする周波数範囲で十分自由音場とみなせること。

(2)

伝達音響インピーダンス  伝達音響インピーダンス Z

a

は,次式によって求める。

ú

û

ù

ê

ë

é

÷

ø

ö

ç

è

æ

d

c

j

d

j

Z

a

ω

α

ρω

π

=−

exp

4

 (14)

ここに

d

マイクロホンの音響中心間距離 (cm)

ρ

空気の密度 (g/cm

3

)

ω

角周波数 (rad/s)

α

空気中の音波の減衰定数

c

空気中の音速 (cm/s)

(3)

音響中心間の距離  I 形マイクロホンの音響中心は,附属書 表 及び附属書 図 による。

なお,原点はマイクロホンのフランジ面の中心とし,音場の方向を正とする。


14

C 5515-1981

附属書 2  表 3

周波数

Hz

音響中心

mm

1 000

5.2

1 250

5.2

1 600

5.1

2 000

4.9

2 500

4.6

3 150

4.2

4 000

3.7

5 000

3.0

6 300

2.2

8 000

1.3

附属書 2  図 4

(4)

自由音場感度レベル  標準マイクロホンの自由音場感度レベルは,マイクロホンの音響中心間距離が

15cm

から 30cm の場合(

4

)

には,式(15),(16)又は(17)によって求める。

A

B

B

BC

AC

AB

A

C

C

K

d

C

R

R

R

M

M

log

20

log

10

)

(

2

1

log

20

0

ρ

 (15)

K

d

C

R

R

R

M

M

B

BC

AC

AB

B

ρ

log

10

)

(

2

1

log

20

0

 (16)

K

d

C

R

R

R

M

M

B

BC

AC

AB

C

ρ

log

10

)

(

2

1

log

20

0

 (17)

ここに

K

=4

π×10

-11

g/cm

3

/pF

・cm

(

4

)

マイクロホンの音響中心間の距離が大きい場合には,空気中での音波の減衰を考慮しなければ

ならない。

(5)

自由音場校正の手順  自由音場校正の手順は,次による。

(a)

マイクロホンの絶縁抵抗が十分高い(10

5

M

Ω以上)ことを確かめ,附属書 表 の組合せ 1 のマイ

クロホンを無響室内に対向(

5

)

して取り付け,マイクロホン間距離を測定する。

(

5

)

基準軸入射波(マイクロホン膜面に垂直入射波)以外にも,基準軸からの傾きに対応した感度

がある。


15

C 5515-1981

(b)

マイクロホンに偏極電圧を加える。

(c)

所定の周波数の電圧を音源に加え,マイクロホンの出力電圧を読み取る。

(d)

切換スイッチを抵抗減衰器側に切り換え,音響系と同じ指示になるように抵抗減衰器を調整し,こ

のときの抵抗減衰器の値  (R

AB

)

を読み取る。

(e)

  (c)

及び(d)の操作を必要な周波数について行う。

(f)

マイクロホンの組合せ 及び について,(a)(e)を繰り返し,R

AC

及び R

BC

を測定する。

(6)

音圧感度レベルから自由音場感度レベルを求める方法  自由音場感度レベルは,音圧感度レベルに附

属書 表 に示す自由音場補正量を加えた値とする。

附属書 2  表 4

自由音場補正量  dB

周波数

Hz

I

形マイクロホン

II

形マイクロホン

   500

0.1

0.0

   630

0.1

0.0

   800

0.2

0.1

 1 000

0.3

0.1

 1 250

0.4

0.1

 1 600

0.7

0.2

 2 000

1.0

0.3

 2 500

1.5

0.4

 3 150

2.4

0.7

 4 000

3.6

1.1

 5 000

5.1

1.6

 6 300

7.0

2.5

 8 000

8.8

3.7

10 000

5.2

12 500

7.2

16 000

9.1

20 000

9.7

3.

校正精度と補正量

3.1

校正装置の精度  マイクロホンをできるだけ高い精度で校正するために必要な注意事項は,次によ

る。

(1)

マイクロホンの偏極電圧  マイクロホンの感度は偏極電圧に比例するので,マイクロホン端子におけ

る偏極電圧は,規定値 (200V) にすること。

(2)

信号対雑音比  相互校正におけるマイクロホン電気端子間の電圧減衰量が大きいうえ,校正精度を高

くしなければならないので,信号対雑音比は 50dB 以上とすること。

(3)

クロストーク  マイクロホン電気端子間の電圧減衰量が大きく,信号レベルが小さいので,クロスト

ークは−60dB 以下とすること。

3.2

音圧校正の補正量

3.2.1

補正方法  音圧校正の補正は,附属書 表 に示す値を,音圧校正(カップラ校正)で求めたマイ

クロホンの音圧感度レベルに加える。


16

C 5515-1981

3.2.2

補正量の種類  カップラ校正では,カップラ内音圧分がいたるところ一様で,附属書 の式(10)に

示す伝達音響インピーダンスで,音源とマイクロホンの音響端子間の関係を表すことができると仮定して

いるため,

附属書 の式(10)の仮定からのずれについて補正する必要がある。ずれの主なものは,次によ

る。

なお,

附属書 表 には,これらの補正項のうち(1)(3)が含まれている。

(1)

カップラ内波動  カップラ内音圧分布が,いたるところ一様とはみなせない場合のずれ。すなわち,

高次モードのカップラ内波動の影響によるずれ。

(2)

マイクロホン膜インピーダンス  カップラ壁の一部であるマイクロホン振動膜が,カップラ媒質に比

べて十分硬いとみなせない場合のずれ。

すなわち,

カップラの容積が等価的に変わることによるずれ。

十分低い周波数では,マイクロホン振動膜の等価容積で与えられるインピーダンスで表される。

(3)

カップラ壁の熱伝導  校正周波数が低くなると,音波は断熱変化から等温変化に変わり,カップラ壁

から熱として音波のエネルギーが失われることによるずれ。

(4)

細管  カップラ内静気圧と外気圧との平衡やカップラ媒質の置換に用いる細管の音響インピーダンス

が付加されたことによるずれ。ただし,通常の使用周波数範囲では,この影響が無視できる細管を選

ぶ。

(5)

カップラ容積  マイクロホンの前か(窩)部がカップラ容積の一部となっているため,マイクロホン

前か深さの公称値からのずれがカップラ容積の誤差となることによるずれ。ただし,このずれは実用

上無視できる。

附属書 2  表 5  カップラ校正の補正量 

単位 dB

媒質(空気)

媒質(水素)

周波数

Hz

IA

形カップラ IB 形カップラ IA 形カップラ IB 形カップラ

   10

  0.2

  0.6

   20

  0.2

  0.5

   40

  0.1

  0.5

   80

  0.1

  0.4

  100

  0.1

  0.4 0.2  0.6

  125

  0.1

  0.4 0.2  0.5

  160

  0.1

  0.4 0.2  0.5

  200

  0.1

  0.4 0.2  0.5

  250

  0.1

  0.4 0.2  0.5

  315

  0.1

  0.4 0.1  0.5

  400

  0.1

  0.4 0.1  0.4

  500

  0.1

  0.4 0.1  0.4

  630

  0.1

  0.3 0.1  0.4

  800

  0.1

  0.3 0.1  0.4

1 000

  0.0

  0.3 0.1  0.4

1 250

  0.0

  0.3 0.1  0.4

1 600

  0.0

  0.2 0.1  0.4

2 000

  0.0

  0.2 0.1  0.4

2 500

−0.1

  0.1 0.1  0.3

3 150

−0.1

−0.1 0.1  0.3

4 000

−0.3 0.1  0.3

5 000

−0.7 0.0  0.2

6 300

−1.2 0.0  0.1

8 000

−2.1 0.0  0.0

単位 dB

IIA

形カップラ

周波数

Hz

媒質(空気)  媒質(水素)

  10

0.6

  20

0.4

  40

0.3

  80

0.3

 100

0.2 0.5

 200

0.2 0.4

 400

0.2 0.3

 800

0.1 0.2

1 000

0.1 0.2

1 250

0.1 0.2

1 600

0.1 0.2

2 000

0.1 0.2

2 500

0.1 0.2

3 150

0.1 0.2

4 000

0.2 0.2

5 000

0.2 0.2

6 350

 0.1

8 000

 0.1

10 000

 0.1

12 500

 0.1

16 000

 0.2

20 000

 0.2


17

C 5515-1981

附属書 3  前置増幅器接続部ねじ

1.

適用範囲  この附属書は,マイクロホンと前置増幅器との接続部に用いるねじについて規定する。

2.

基準山形及び基準寸法  基準山形及び基準寸法は,附属書 図 による。

附属書 3  図 1

単位 mm

めねじ

谷の径

D

有効径

D

2

内径

D

1

おねじ

呼び

ねじ山数

25.4mm

につき

ピッチ

P

(参考)

H

引っかか
りの高さ

H

1

外径

d

有効径

d

2

谷の径

d

1

I

形 60 0.42 0.37 0.23

23.04

22.77

22.58

II

形 60 0.42 0.37 0.23

11.70

11.43

11.24

備考  太い実線は,基準山形を示す。

3.

基準山形,基準寸法,許容限界寸法及び公差の関係  基準山形,基準寸法,許容限界寸法及び公差の

関係を

附属書 図 に示す。


18

C 5515-1981

附属書 3  図 2

単位 mm

めねじ

おねじ

谷の径

有効径

内径

外径

有効径

谷の径

呼び

D

max

D

min

  D

2max

  D

2min

T

D2

D

1max

D

1min

T

D1

d

max

d

min

T

d

d

2max

d

2min

T

d2

(

参考)

d

1max

d

1min

I

22.83

22.77 0.06 22.75 22.58

0.17

23.03

22.93

0.10

22.76

22.72 0.04 22.51

II

規定しない

規定しない

11.49

11.43 0.06 11.41 11.24

0.17

11.69

11.59

0.10

11.42

11.38 0.04 11.17

規定しない

備考  図における記号は,次のとおりである。

D

D

max

及び D

min

:めねじ谷の径の基準寸法,最大許容寸法及び最小許容寸法

D

2

D

2max

D

2min

及び T

D2

:めねじ有効径の基準寸法,最大許容寸法,最小許容寸法及び公差

D

1

D

1max

D

1min

及び T

D1

:めねじ内径の基準寸法,最大許容寸法,最小許容寸法及び公差

d

d

max

d

min

及び T

d

:おねじ外径の基準寸法,最大許容寸法,最小許容寸法及び公差

d

2

d

2max

d

2min

及び T

d2

:おねじ有効径の基準寸法,最大許容寸法,最小許容寸法及び公差

d

1

d

1max

及び d

1min

:おねじ谷の径の基準寸法,最大許容寸法及び最小許容寸法

また,太い実線は基準山形を,斜線を施した部分は,めねじ又はおねじの許容域を示す。

氏名

所属

(委員長)

伊  藤      毅

早稲田大学理工学部

吉  川  昭吉郎

長岡技術科学大学

三  浦      甫

工業技術院電子技術総合研究所

溝  口  章  夫

日本放送協会総合技術研究所

岩  瀬      隆

株式会社東京理工研究所

鈴  木      明

日本電信電話公社武蔵野電気通信研究所

高  橋  多  助

工業技術院電子技術総合研究所

毛  内      健

財団法人機械電子検査検定協会

安  田      力

東京工業大学工学部

小  西  睦  男

武蔵工業大学

中  島  平太郎

ソニー株式会社研究所

山  本  武  夫

パイオニア株式会社研究所

杉  本  利  孝

株式会社日立製作所家電研究所

加  藤  康  雄

日本電気株式会社中央研究所

松  浦      尚

リオン株式会社

進  藤  昭太郎

横河電機株式会社機器事業部

安  藤      勉

工業技術院標準部電気規格課

筧      一  彦

日本電信電話公社武蔵野電気通信研究所

金  田  清  美

社団法人日本音響学会