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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 5410-1991 

高周波同軸コネクタ通則 

General rules of connectors for radio frequency coaxial cables 

1. 適用範囲 この規格は,JIS C 5401に基づき主として電子機器に用いる高周波同軸コネクタ(以下,

コネクタという。)の共通的事項及び電子機器用高周波同軸コネクタの個別規格(以下,個別規格という。)

に規定すべき事項について規定する。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS C 0042 環境試験方法(電気・電子)バンプ試験方法 

JIS C 3501 高周波同軸ケーブル(ポリエチレン絶縁編組形) 

JIS C 5401 電子機器用コネクタ通則 

JIS C 5402 電子機器用コネクタ試験方法 

2. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

IEC 169-1 (1987)  Radio-frequency connectors. Part 1 : General requirements and measuring 

methods 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 5401及びJIS C 5402の規定によるほか,次

による。 

(1) プラグコネクタ(接せん) ケーブルなどの自由端に取り付けるコネクタ。 

(2) レセプタクルコネクタ(接せん座) パネルやシャーシなどに取り付けて使用するコネクタ。 

(3) アダプタコネクタ 2個以上のコネクタ間を接続するコネクタ。 

(4) キャップ コネクタ結合部の防水,防じん(塵),保護などのために用いるふた。 

(5) 接続ナット 結合部の一部で,コネクタの結合を助け,コネクタ相互間を保持するための袋ナット。 

(6) 接続スリーブ 結合部の一部で,コネクタの結合を助け,コネクタ相互間を保持するためのバヨネッ

トロック溝を設けた金具。 

(7) スタッド 結合部の一部で,コネクタの結合を助け,コネクタ相互間を保持するため,接続スリーブ

と結合する突起物。 

(8) 中心コンタクト コネクタの中心部にある接触子で,これを接触させることによって高周波電流を流

すことを目的とした部品。 

(9) 外部コンタクト コネクタの絶縁体外部にある接触子で,これを接触させることによって,中心コン

タクトを流れる高周波電流の漏れを防ぎ,インピーダンス整合をとることを目的とした部品。 

3. 規格の体系及び優先順位 コネクタの規格の体系及び優先順位は,JIS C 5401の3.(規格の体系及び

優先順位)による。 

なお,この規格 (JIS C 5410) は,品種別通則に該当する。 

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C 5410-1991  

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4. 形名 

4.1 

形名の構成 形名の構成は,次の配列による。 

(1) プラグコネクタ,レセプタクルコネクタ及びアダプタコネクタを表す場合 

例 

(2) キャップを表す場合 

例 

4.2 

記号 

4.2.1 

コネクタ コネクタを表す記号は,CNとする。 

4.2.2 

形式 形式を表す記号は,Cと2数字で表すC□□とする。 

なお,2数字は個別規格による。 

備考 □は数字を表す。 

4.2.3 

コネクタ形状 コネクタ形状を表す記号は,2英大文字で表し表1による。 

表1 コネクタ形状 

記号 

形状(図1参照) 

SP 

結合部軸とケーブル挿入口軸とが直線上にあるプラグコネクタ(接せ
ん) 

LP 

結合部軸とケーブル挿入口軸とが直交するプラグコネクタ(接せん) 

SR 

結合部軸が取付け面と直交するレセプタクルコネクタ(接せん座) 

LR 

結合部軸が取付け面と並行なレセプタクルコネクタ(接せん座) 

CR 

適合同軸ケーブルが接続保持できるレセプタクルコネクタ(接せん座) 

SA 

二つの結合部軸が直線上にあるアダプタコネクタ 

LA 

二つの結合部軸が直交するアダプタコネクタ 

TA 

三つの結合部軸がT形のアダプタコネクタ 

PA 

パネル,シャーシなどに取り付けて使用するアダプタコネクタ 

PC 

プラグコネクタ結合部に取り付けるキャップ 

RC 

レセプタクルコネクタ結合部に取り付けるキャップ 

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C 5410-1991  

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図1 コネクタ機能図例 

4.2.4 

コンタクト形状 コンタクト形状を表す記号は,1英大文字で表し表2による。 

表2 コンタクト形状 

記号 

形状 

電気的に接触する部分がおす形のもの 

電気的に接触する部分がめす形のもの 

電気的に接触する部分が双方同形のもの 

電気的に接触する部分が上記以外の形状 

備考1. アダプタコネクタは,コンタクトが2個以上

あるため,表2の記号を組み合わせて表す。 

2. 異なる記号を2個並べる場合は,Fを先にし

て表す。ただし,T形アダプタの場合は,次
に示す略図の※印部分のコンタクト記号を
中央にして表す。 

例 CNC01TA FMF 

4.2.5 

適用ケーブルの太さ 適用ケーブルの太さを表す記号は,表3による。 

なお,適用ケーブルは,JIS C 3501の規定による。 

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表3 適用ケーブルの太さ 

単位 mm 

記号 

適用ケーブル 

ケーブル記号 

絶縁体基本外形寸法 

008V 

0.8D-2V 

0.8 

015V 

1.5D-2V 

1.6 

1.5C-2V 

025V 

2.5D-2V 

2.7 

2.5C-2V 

2.4 

030V 

3D-2V 

3.0 

3C-2V 

3.1 

3C-2VCS 

3C-2VS 

050V 

5D-2V 

4.8 

5C-2V 

4.9 

050W 

5D-2W 

4.8 

5C-2W 

4.9 

070V 

7C-2V 

7.3 

080V 

8D-2V 

7.8 

100V 

10D-2V 

9.7 

10C-2V 

9.4 

0000 

ケーブルがないもの 

4.2.6 

特殊構造 特殊構造を表す記号は,1英大文字で表し表4による。 

表4 特殊構造 

記号 

構造 

屋外で使用できる防水構造のもの 

耐気圧形として使用できる気密構造の
もの 

高電圧に耐えられる構造のもの 

高温又は低温に耐えられる構造のもの 

特殊構造を特に規定しないもの 

4.2.7 

等級 等級を表す記号は,X(品質評価について特に規定しないもの)とする。 

4.2.8 

その他必要な事項 その他必要な事項を表す記号は,4.2.1〜4.2.7では表せない性能,構造,材質

及びその他必要な事項を表す場合に適用し,個別規格に規定する。 

5. 定格 

5.1 

使用温度範囲 使用温度範囲は,表5のいずれかの範囲とし個別規格に規定する。 

表5 使用温度範囲 

単位 ℃ 

−25〜+85 
−40〜+85 

−40〜+125 
−40〜+155 
−55〜+125 
−55〜+155 

5.2 

定格電圧 定格電圧は,表6のいずれかの値とし個別規格に規定する。 

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C 5410-1991  

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表6 定格電圧 

単位V (交流実効値) 

100 

250 

160 

500 

200 

1600 

5.3 

公称特性インピーダンス 公称特性インピーダンスは,表7のいずれかの値とし個別規格に規定す

る。 

表7 公称特性インピーダンス 

単位 Ω 

50 

75 

5.4 

定格周波数 定格周波数は,表8のいずれかの値とし個別規格に規定する。 

表8 定格周波数 

200MHz 

10GHz 

500MHz 

18GHz 

1.5GHz 

26.5GHz 

4.0GHz 

6. 耐候性による分類 耐候性による分類は,三組の数字を並べ斜線で区切って表し,表9のいずれかか

ら選び個別規格に規定する。 

表9 耐候性による分類 

25/085/04 
40/085/04 

40/125/04 
40/085/21 
40/125/21 
40/155/21 

40/085/56 
40/125/56 
40/155/56 
55/125/21 

55/155/21 
55/125/56 
55/155/56 

第1組 

耐寒性試験温度を2数字で表す。 

第2組 

耐熱性試験温度を3数字で表す。 
 なお,温度が100℃未満の場合は,その数
字の前に0を付けて3数字とする。 

 
 
第3組 

耐湿性(定常状態)の試験日数を2数字で表
す。 
 なお,試験日数が10日未満の場合は,そ
の数字の前に0を付けて2数字とする。 

例 第1組 第2組 第3組 

   10 / 085 / 04 

例は,耐寒性試験温度 (−40℃),耐熱性試験温度 (85℃),耐湿性試験日数(4日間)の試験を行うこと

を表す。 

7. 性能 

7.1 

一般 性能に関する項目及び規格値は,個別規格に規定する。 

7.2 

電気的性能 

7.2.1 

絶縁抵抗 絶縁抵抗値は,9.2.1の試験をしたとき,個別規格の規定を満足しなければならない。 

7.2.2 

耐電圧 耐電圧は,9.2.2の試験をしたとき,個別規格に規定する異常があってはならない。 

7.2.3 

接触抵抗 接触抵抗値は,9.2.3の試験をしたとき,個別規格の規定を満足しなければならない。 

C 5410-1991  

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7.2.4 

電圧定在波比 (VSWR)  電圧定在波比は,9.2.4の試験をしたとき,個別規格に規定の値を満足し

なければならない。 

7.2.5 

局部放電(コロナ放電) 局部放電は,9.2.5の試験をしたとき,個別規格に規定する最低消滅電

圧以下で持続した局部放電があってはならない。 

7.2.6 

水浸せき 水浸せき試験は,9.2.6の試験をしたとき,コネクタ内部に水の浸入があってはならな

い。 

また,水中に浸せき中の試験で7.2.1の絶縁抵抗値及び7.2.2の耐電圧は,個別規格の規定を満足しなけ

ればならない。 

7.3 

機械的性能 

7.3.1 

互換性 互換性は,9.3.1の試験をしたとき,異常なく結合及び離脱ができなければならない。 

7.3.2 

耐振性 耐振性は,9.3.2の試験をしたとき,コネクタ各部に機械的損傷がなく,試験中コンタク

トのチャタリングは,1マイクロ秒 (μs) 以上であってはならない。 

また,試験後7.2.3の接触抵抗値は,個別規格の規定を満足しなければならない。 

7.3.3 

衝撃 衝撃は,9.2.3の試験をしたとき,コネクタ各部に機械的損傷がなく,試験中コンタクトの

チャタリングは,1μs以上であってはならない。 

また,試験後7.2.3の接触抵抗値は,個別規格の規定を満足しなければならない。 

7.3.4 

コンタクトのゲージ保持力 コンタクトのゲージ保持力は,9.3.4の試験をしたとき,個別規格の

規定の値を満足しなければならない。 

7.3.5 

コンタクト保持力 コンタクト保持力は,9.3.5の試験をしたとき,個別規格に規定の値を満足し

なければならない。 

7.3.6 

結合装置を含めた結合力及び離脱力 結合装置を含めた結合力及び離脱力は,9.3.6の試験をした

とき,個別規格に規定の値を満足しなければならない。 

7.3.7 

ケーブルクランプ強度 ケーブルクランプ強度は,9.3.7(1)〜(4)によって,それぞれ試験したとき,

個別規格に規定する性能を満足しなければならない。 

また,ケーブルの移動,滑り,回転などがなく,ケーブル及びクランプ部分に異常があってはならない。 

7.3.8 

結合部接続強度 結合部接続強度は,9.3.8の試験をしたとき,接続ナット又は接続スリーブが外

れたり,スタッドが緩むなどの異常があってはならない。 

7.3.9 

コネクタ取付け部強度 コネクタ取付け部強度は,9.3.9の試験をしたとき,コネクタ各部に機械

的損傷があってはならない。 

7.3.10 繰返し動作 繰返し動作は,9.3.10の試験をしたとき,7.2.2の耐電圧,7.2.3の接触抵抗値,7.3.4

のコンタクトのゲージ保持力及び7.3.6の結合装置を含めた結合力及び離脱力は,個別規格の規定の値を満

足しなければならない。 

7.3.11 曲げモーメント 曲げモーメントは,9.3.11の試験をしたとき,接続ナット又は接続スリーブが外

れたり,スタッドが緩むなどの異常があってはならない。 

また,7.3.6の結合装置を含めた結合力及び離脱力は,個別規格に規定の値を満足しなければならない。 

7.3.12 バンプ バンプは,9.3.12の試験をしたとき,コネクタ各部に機械的損傷がなく,試験中コンタク

トのチャタリングは,1μs以上であってはならない。 

また,試験後7.2.3の接触抵抗値は,個別規格の規定を満足しなければならない。 

7.4 

耐候性 

7.4.1 

一連耐候性 一連耐候性は,9.4.2の試験をしたとき,次による。 

C 5410-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) 結合したコネクタ 7.2.2の耐電圧,7.2.3の接触抵抗値を満足し,外観に異常があってはならない。 

(2) 非結合のコネクタ 7.2.1の絶縁抵抗値,7.2.2の耐電圧,7.2.3の接触抵抗値及び7.4.4の気密性を満足

し,外観に異常があってはならない。 

7.4.2 

耐湿性(定常状態) 耐湿性は,9.4.3の試験をしたとき,次による。 

(1) 結合したコネクタ 7.2.2の耐電圧,7.2.3の接触抵抗値を満足し,外観に異常があってはならない。 

(2) 非結合のコネクタ 7.2.1の絶縁抵抗値,7.2.2の耐電圧,7.2.3の接触抵抗値及び7.4.4の気密性を満足

し,外観に異常があってはならない。 

7.4.3 

温度サイクル 温度サイクルは,9.4.4の試験をしたとき,次による。 

(1) 結合したコネクタ 7.2.2の耐電圧,7.2.3の接触抵抗値を満足し,外観に異常があってはならない。 

(2) 非結合のコネクタ 7.2.1の絶縁抵抗値,7.2.2の耐電圧,7.2.3の接触抵抗値及び7.4.4の気密性を満足

し,外観に異常があってはならない。 

7.4.4 

気密性 気密性は,9.4.5の試験をしたとき,個別規格に規定する要求性能を満足しなければなら

ない。 

7.4.5 塩水噴霧 塩水噴霧は,9.4.6の試験をしたとき,コネクタ各部に機能を損なうような腐食がなく,

結合・離脱は通常の方法でできなければならない。 

また,7.2.2の耐電圧,7.2.3の接触抵抗値は個別規格の規定を満足しなければならない。 

7.4.6 

はんだ付け性 はんだ付け性は,9.4.7の試験をしたとき,はんだのぬれは良好でなければならな

い。 

7.4.7 

高温耐久性 高温耐久性は,9.4.8の試験をしたとき,7.2.1の絶縁抵抗値,7.2.2の耐電圧,7.2.3

の接触抵抗値及び7.4.4の気密性は,個別規格の規定を満足し,外観に異常があってはならない。 

8. 外観,構造及び寸法 

8.1 

外観 コネクタの外観は,目視によって試験したとき,異常があってはならない。 

8.2 

構造及び寸法 コネクタの構造及び寸法は,次の事項を個別規格に規定する。 

なお,許容差の規定がない寸法の許容差は,基準寸法が整数値又は小数点以下1けたまで規定してある

場合は±0.4mm,2けたまで規定してある場合は±0.13mmとし,角度については±30'とする。 

(1) 結合部構造及び寸法 

(2) 外観形状 

(3) コネクタ取付部寸法 

(4) その他互換性に必要な寸法 

8.3 

材料及び仕上げ 

8.3.1 材料 材料は,この規格及び個別規格に規定する各性能を満足するものを使用しなければならない。 

8.3.2 

仕上げ 

(1) 表面処理 すべての金属部品には,この規格の性能を満足する表面処理を施す。表面処理の種類及び

厚さは,必要に応じて個別規格に規定する。 

(2) 仕上げ 機械的又は電気的な理由による必要な部分以外のすべての鋭い端や削り目は,金属部分にあ

ってはならない。 

9. 試験 

9.1 

試験の状態 

C 5410-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) 標準状態 試験及び測定は,JIS C 5402の3.1に規定の標準状態(温度15〜35℃,相対湿度25〜85%, 

気圧86〜106kPa)で行う。ただし,この標準状態で測定値による判定に疑義を生じた場合,又は特に

要求された場合は次の判定状態で行う。 

(2) 判定状態 判定状態は,JIS C 5402の3.2に規定の判定状態(温度20±2℃,相対湿度60〜70%,気圧

86〜106kPa)とする。 

9.2 

電気的性能試験 

9.2.1 

絶縁抵抗 絶縁抵抗の試験は,次による。 

(1) 試験 ケーブルを付けない供試コネクタの中心コンタクトと外部コンタクト間をJIS C 5402の5.2(絶

縁抵抗)によって試験する。ただし,試験は直流500V又は個別規格に規定する電圧で測定する。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

試験電圧が500V以外のときの試験電圧値 

9.2.2 

耐電圧 耐電圧の試験は,次による。 

(1) 試験 供試コネクタの中心コンタクトと外部コンタクト間をJIS C 5402の5.1(耐電圧)によって試

験する。 

ただし,試験電圧は商用周波数の実効値とし,印加時間は1分±5秒間とする。 

なお,定格電圧Uと試験電圧E (r. m. s) との関係は,次による。 

E=3U 定格電圧が1kV以下のコネクタに適用する。 

E=1.5U+3kV 定格電圧が1kVを超えるコネクタに適用する。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 適用ケーブルの取付けの有無 

(b) 供試コネクタの状態(結合状態又は結合しない状態) 

(c) 試験電圧値 

(d) 漏れ電流値 

9.2.3 

接触抵抗 接触抵抗の試験は,次による。 

(1) 試験 供試コネクタを結合して,コネクタの中心コンタクト及び外部コンタクト相互間をJIS C 5402

の5.4(低電圧,低電流下の接触抵抗)によって連続5回測定し,その結果を平均して接触抵抗値を算

出する。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 測定用電線の種類及び太さ(必要がある場合) 

(b) 測定電流値 

(c) コンタクトの測定点(必要がある場合) 

9.2.4 

電圧定在波比 (VSWR)  電圧定在波比の試験は,次による。 

(1) 試験 適用ケーブルを取り付けた供試コネクタを結合して,JIS C 5402の5.6[電圧定在波比 (VSWR)]

によって試験する。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 適用ケーブル及びコネクタとの接続方法 

(b) 測定周波数範囲 

(c) 測定回路構成及び測定方法(必要がある場合) 

(d) 測定系の許容残留定在波比 

(e) 測定回路に用いる標準試験用コネクタの詳細 

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C 5410-1991  

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9.2.5 

局部放電(コロナ放電) 局部放電の試験は,次による。 

(1) 装置 この試験に用いる装置は,図2の測定回路又はこれと同等の測定結果が得られる回路で構成し,

試験電圧は交流(商用周波数)とする。検出器は5ピコクローン (pC) のコロナ放電を検出できる装

置とする。 

なお,回路の構成部品及びケーブルは,供試コネクタよりも高い局部放電消滅電圧をもつものを使

用しなければならない。 

(2) 準備 一対の供試コネクタの各々に適用ケーブルを通常使用する方法で取り付け,他端は電圧を印加

したときコロナ放電が発生しない方法で端末処理を行う。 

なお,コネクタ内部及びケーブル取付け部分にグリース又は同様なコンパウンドなどを使用しては

ならない。 

(3) 試験 試験電圧を印加し,検出器に持続した5pC以上のコロナ放電が認められるまで徐々に電圧を上

げる。局部放電消滅電圧を求めるために,コロナ放電が5pC以下になるまで電圧を下げてその電圧の

値を記録する。 

なお,印加する試験電圧値は9.2.2の耐電圧値を超えない範囲で個別規格に規定する。 

また,9.2.2の耐電圧の試験電圧値に達してもコロナ放電が起こらない場合,その供試コネクタは要

求条件を満たしたものとし,この試験を終了させる。 

(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 供試コネクタの前処理(使用するケーブルを含む。) 

(b) 印加する試験電圧値 

図2 局部放電試験回路 

9.2.6 

水浸せき試険(特殊構造を表す記号P及びWに適用) 水浸せき試験は,次による。 

(1) 装置 この試験に用いる装置は,(3)の試験をするのに十分な条件を備えた試験槽とする。 

(2) 準備 供試プラグコネクタには通常使用する方法で適用ケーブルを取り付け,もう一方のケーブル端

は電圧が印加できるように端末処理をしておく。供試レセプタクルは,コネクタ裏面が完全密閉され

る容器に通常の取付けと同じ方法で取り付ける。 

(3) 試験 コネクタを結合し,ケーブル端は試験電圧が印加できるように試験槽から外部に出し,次の手

順で試験する。 

水温70℃,深さ30cmの水中に供試コネクタを1時間浸せきする。次に水温を室温に下げ,室温に

達した後1時間保つ。その後1時間で水温を10±2℃に下げ,そのまま1時間保つ。その後水温を室

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10 

C 5410-1991  

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温に戻す。供試コネクタは,この試験の開始から24間経過するまでに水中に浸せきして置く。供試コ

ネクタが水中に浸せきしている最後の1時間の間に,個別規格に規定する次の試験を行う。 

(a) 耐電圧 

(b) 絶縁抵抗 

(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

耐電圧の試験電圧値 

9.3 

機械的性能試験 

9.3.1 

互換性 互換性の試験は,供試コネクタを組み合わせて,JIS C 5402の4.3(互換性)によって試

験する。 

9.3.2 

耐振性 耐振性の試験は,次による。 

(1) 試験 適用ケーブルを取り付けた供試コネクタを結合して,JIS C 5402の6.1(耐振性)によって試験

する。試験中にコンタクトのチャタリングをJIS C 5402の5.5(コンタクトのチャタリング)によっ

て試験する。試験後,外観を調べ,9.2.3の接触抵抗を測定する。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 供試コネクタの取付けジグ及び取付方法 

(b) 適用ケーブルの種類及び長さ 

(c) ケーブル端の固定方法 

(d) 振動周波数範囲(表10から選択する。) 

(e) 片側振幅及び加速度(表11による。) 

(f) 試験時間(表12から選択する。) 

(g) 初期測定の項目 

表10 振動周波数範囲 

単位 Hz 

10〜150 

10〜500 

10〜2 000 

表11 片側振幅及び加速度 

片側振幅一定 

mm 

加速度一定 

m/s2 

0.75 

98 

表12 試験時間 

単位 min 

30 

90 

9.3.3 

衝撃 衝撃の試験は,次による。 

(1) 試験 適用ケーブルを取り付けた供試コネクタを結合してJIS C 5402の6.2(衝撃)によって試験す

る試験中にコンタクトのチャタリングをJIS C 5402の5.5(コンタクトのチャタリング)によって試

験する。試験後,外観を調べ,9.2.3の接触抵抗を測定する。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格に,次の事項を規定する。 

(a) 供試コネクタの取付けジグ及び取付方法 

(b) 適用ケーブルの種類及び長さ 

(c) ケーブル端の固定方法 

(d) ピーク加速度と作用時間及びパルス波形(表13から選択する。) 

(e) 衝撃方向と回数(必要がある場合) 

(f) 初期測定の項目 

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11 

C 5410-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表13 パルスの加速度と作用時間 

ピーク加速度 

m/s2 

作用時間 

ms 

パルス波形 

294 

18 

正弦半波 

490 

11 

981 

9.3.4 

コンタクトのゲージ保持力 コンタクトのゲージ保持力の試験は,ばね性のあるコンタクトに適用

し,次による。 

(1) 試験 個別規格に規定するゲージを用いて,JIS C 5402の6.4(コンタクトのゲージ保持力)によって

試験する。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 使用するゲージの詳細 

(b) 試験条件(挿入,引抜き回数) 

9.3.5 

コンタクト保持力 コンタクト保持力の試験は,抜け止めのあるコンタクトに適用し,次による。 

(1) 試験 JIS C 5402の6.15(コンタクト保持力)によって試験する。 

なお,回転止め構造をもつコネクタは,個別規格で規定するトルクで測定する。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 適用ケーブルの取付けの有無 

(b) 印加するトルクの値 

9.3.6 

結合装置を含めた結合力及び離脱力 結合装置を含めた結合力及び離脱力の試験は,次による。 

(1) 試験 供試コネクタを,JIS C 5402の6.12(結合装置を含めた結合力及び離脱力)によって試験する。 

なお,完全な結合及び離脱を行うのに要するトルクは,個別規格の規定による。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

結合・離脱のトルク値 

9.3.7 

ケーブルクランプ強度 

(1) ケーブルの回転 ケーブルの回転の試験は,次による。 

(1.1) 装置 この試験に用いる装置は(1.3)の試験をするのに十分な条件を備えたものとする。 

(1.2) 準備 供試コネクタに適用ケーブルの最小曲げ半径の3倍の長さのケーブルを取り付け,個別規格

に規定する取付方法で,供試コネクタを固定する。 

(1.3) 試験 供試コネクタのケーブル挿入口からケーブルをケーブルの最小曲げ半径で90°に曲げ,コネ

クタの軸に垂直な平面の円周上を,個別規格に規定する回数,ケーブルを回転させる。試験後,ケ

ーブル及びケーブルクランプ部の異常の有無を調べる。 

なお,試験中ケーブルがよじれないように注意すること。 

(1.4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 供試コネクタの取付方法 

(b) 適用ケーブルの長さ及び最小曲げ半径 

(c) ケーブル中心導体とコネクタ中心コンタクトとの接続の有無 

(d) 回転数及び回転速度 

(2) ケーブルの引っ張り ケーブルの引張試験は,次による。 

(2.1) 試験 適用ケーブルを取り付けたコネクタを,JIS C 5402の6.7[ケーブルクランプ強度(ケーブル

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12 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

の引っ張り)]によって試験する。試験後,ケーブルの移動及びケーブルクランプ部の異常の有無を

調べる。 

(2.2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 供試コネクタの取付方法 

(b) 適用ケーブルの長さ 

(c) ケーブル中心導体とコネクタ中心コンタクトとの接続の有無 

(d) ケーブル引張力(表14から選択する。) 

(e) 引張力の印加速度及び印加時間 

表14 ケーブル引張力 

単位 N 

49.0 

245.0 

58.8 

392.0 

98.0 

490.0 

196.0 

(3) ケーブルの曲げ ケーブルの曲げ試験は,次による。 

(3.1) 装置 この試験に用いる装置は(3.3)の試験をするのに十分な条件を備えたものとする。 

(3.2) 準備 供試コネクタに適用ケーブルを通常の方法で取り付け,コネクタは,ケーブル挿入口軸が水

平になるように固定する。 

(3.3) 試験 供試コネクタのケーブル挿入口でケーブルの最小曲げ半径となるようなおもりをケーブル端

に取り付けてケーブルを曲げる。次にケーブルがコネクタのケーブル挿入口軸と直線になる位置ま

でおもりを持ち上げる。この曲げ操作を1サイクルとして,個別規格に規定する回数を繰り返す。

試験後,ケーブル及びケーブルクランプ部の異常の有無を調べる。 

(3.4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 供試コネクタの取付方法 

(b) 適用ケーブルの長さ及び最小曲げ半径 

(c) ケーブル中心導体とコネクタ中心コンタクトとの接続の有無 

(d) 曲げ回数 

(4) ケーブルのねじり ケーブルのねじり試験は,次による。 

(4.1) 試験 適用ケーブルを取り付けたコネクタを,JIS C 5402の6.29[ケーブルクランプ強度(ケーブ

ルのねじり)]によって試験する。試験後,ケーブル及びケーブルクランプ部の異常の有無を調べる。 

(4.2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 供試コネクタの取付方法 

(b) 適用ケーブルの長さ 

(c) ケーブル中心導体とコネクタ中心コンタクトとの接続の有無 

(d) トルクの大きさ及び印加する位置 

(e) トルクの印加時間 

9.3.8 

結合部接続強度 結合部接続強度の試験は,次による。 

(1) 試験 供試コネクタを結合させ,JIS C 5402の6.8(結合部接続強度)によって試験する。 

また,引張試験後,ねじ接続のコネクタは,個別規格に規定する締付けトルクで測定する。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

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13 

C 5410-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(a) 供試コネクタの準備及び取付方法 

(b) 引張力を印加する位置 

(c) 引張力値(表15から選択する。) 

(d) 引張力の印加速度及び印加時間 

表15 引張力 

単位 N 

122.5 

294.0 

196.0 

490.0 

9.3.9 

コネクタ取付け部強度 コネクタ取付け部強度の試験は,次による。 

(1) 試験 シャーシ,パネルなどに取り付けるコネクタは,JIS C 5402の6.14[コネクタ取付部強度(横

方向)]によって試験する。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) コネクタ取付け穴寸法を含む供試コネクタの取付方法 

(b) 印加する力の大きさ 

(c) 力を印加する位置及び方向 

(d) 力を印加する速度及び時間 

(e) 力を印加するジグの形状 

9.3.10 繰返し動作 繰返し動作の試験は,次による。 

(1) 試験 供試コネクタを組み合わせて,JIS C 5402の6.3(繰返し動作)によって試験する。試験後,9.2.2

の耐電圧,9.2.3の接触抵抗,9.3.4のコンタクトのゲージ保持力及び9.3.6の結合装置を含めた結合力

及び離脱力を測定する。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 繰返し動作の動作速度 

(b) 繰返し動作回数(表16から選択する。) 

(c) 試験後の耐電圧値 

(d) コンタクトのゲージ保持力値 

表16 繰返し動作回数 

単位 回 

100 

 1 000 

250 

 5 000 

500 

10 000 

9.3.11 曲げモーメント 曲げモーメントの試験は,次による。 

(1) 装置 この試験に用いる装置は,(3)の試験を行うのに十分な性能を備え,コネクタに曲げモーメント

を連続的に加えることができる試験機及びジグとする。 

(2) 準備 シャーシ,パネルなどに供試レセプタクルコネクタを,個別規格に規定する方法で取り付ける。 

(3) 試験 供試コネクタを取り付けたシャーシ,パネルなどを試験機に取り付け,適合するコネクタを結

合して,個別規格に規定する力を規定の位置に,コネクタの軸に垂直な方向に徐々に規定値まで増大

させ,規定の時間保持する。試験後,9.3.6の結合装置を含めた結合力及び離脱力を測定する。 

(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 供試コネクタの取付方法 

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14 

C 5410-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(b) 印加する力の値及び位置 

(c) 印加する力の持続時間 

9.3.12 バンプ バンプの試験は,次による。 

(1) 試験 適用ケーブルを取り付けたコネクタを結合して,JIS C 0042によって,次の条件で試験する。

試験中にコンタクトのチャタリングをJIS C 5402の5.5(コンタクトのチャタリング)によって試験

する。試験後,9.2.3の接触抵抗を測定する。 

(a) パルスの加速度及び作用時間 パルスの加速度及び作用時間は,表17による。 

表17 パルスの加速度及び作用時間 

ピーク加速度 

m/s2 

作用時間 

ms 

速度変化 

m/s 

390 

1.5 

(b) バンプ回数 バンプの回数は,4 000回とする。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 供試コネクタの取付けジグ及び取付方法 

(b) 適用ケーブルの種類及び長さ 

(c) ケーブル端の固定方法 

(d) バンプの方向 

(e) 初期測定の項目 

9.4 

耐候性試験 

9.4.1 

試験の準備 耐候性のそれぞれの試験は,適合するコネクタとの組合せで実施する。ただし,規定

がなければ供試コネクタの半数は結合し,残りの半数は非結合とする。 

また,プラグコネクタには適合ケーブルを取り付け,ケーブル端は電気的試験のために端末処理をし,

必要な場合は湿気の浸入防止処理を施す。 

9.4.2 

一連耐候性 一連耐候性は,JIS C 5402の7.10(一連耐候性)によって,次の順序で試験する。 

(1) 耐熱性 耐熱性は,JIS C 5402の7.10.3(試験)表18の試験順位1によって,個別規格に規定する温

度で16時間試験する。 

なお,試験終了直後の高温中で9.2.1の絶縁抵抗を測定する。試験後,JIS C 5402の3.3(後処理条

件)によって後処理を2時間行う。 

次の試験に移るまでの時間間隔は72時間以内とし,その間は標準状態で保管する。 

(2) 耐湿性(最初の1サイクル) 耐湿性は,JIS C 5402の7.10.3(試験)表18の試験順位2によって,

最初の1サイクルの高温部を+55℃として試験する。試験後,JIS C 5402の3.3(後処理条件)によっ

て後処理を1.5〜2時間行う。後処理後,直ちに次の耐寒性試験を行う。 

(3) 耐寒性 耐寒性は,JIS C 5402の7.10.3(試験)表18の試験順位3によって,個別規格に規定する温

度で2時間試験する。試験後,JIS C 5402の3.3(後処理条件)によって後処理を1.5〜2時間行う。

後処理後,目視によって外観を調べる。 

次の試験に移るまでの時間間隔は72時間以内とし,その間は標準状態で保管する。 

(4) 減圧 減圧は,JIS C 5402の7.10.3(試験)表18の試験順位4によって,個別規格に規定する試験条

件で1時間試験する。試験の最後の5分間に,個別規格に規定する電圧を供試コネクタの中心コンタ

クトと外部コンタクト間に印加する。この試験中の電圧印加による絶縁破壊,せん絡の有無を調べる。

試験後,コネクタは目視によって外観を調べる。 

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15 

C 5410-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

次の試験に移るまでの時間間隔は72時間以内とし,その間は標準状態で保管する。 

(5) 耐湿性(残りのサイクル) 耐湿性は,JIS C 5402の7.10.3(試験)表18の試験順位5によって,高

温部を+55℃として残りのサイクルを試験する。試験後,JIS C 5402の3.3(後処理条件)によって後

処理を1.5〜2時間行う。 

なお,残りのサイクル数は,耐候性による分類(6.参照)の耐湿性(定常状態)の試験日数による

こととし,表18による。 

表18 残りのサイクル 

耐湿性(定常状態) 

試験日数 

サイクル数 

4,21 

56 

(6) 最終測定 最終測定は,一連耐候性の試験後コネクタを次の順序で行う。 

結合したコネクタ 

非結合のコネクタ 

(a) 接触抵抗 

(a) 絶縁抵抗 

(b) 耐電圧 

(b) 耐電圧 

(c) 外観検査 

(c) 接触抵抗 

(d) 気密性(適用する場合) 

(e) 外観検査 

備考1. 絶縁抵抗と耐電圧は,試験の後処理後30分以内に実施する。 

2. 結合したコネクタは,接触抵抗の測定が終了するまで結合を外してはならない。 

(7) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 耐電圧値 

(b) 気密性(適用する場合) 

9.4.3 

耐湿性(定常状態) 耐湿性の試験は,次による。 

(1) 試験 試験は,JIS C 5402の7.3[耐湿性(定常状態)]によって,個別規格に規定する期間試験する。 

なお,試験槽から取り出した直後に,個別規格に規定する電圧を5分間供試コネクタの中心コンタ

クトと外部コンタクト間に印加し,絶縁破壊,せん絡などの有無を調べる。試験後,JIS C 5402の3.3

(後処理条件)によって後処理を1.5〜2時間行う。後処理後,コネクタは次の順序で測定する。 

結合したコネクタ 

非結合のコネクタ 

(a) 接触抵抗 

(a) 絶縁抵抗 

(b) 耐電圧 

(b) 耐電圧 

(c) 外観検査 

(c) 接触抵抗 

(d) 外観検査 

備考1. 絶縁抵抗と耐電圧は,試験の後処理後30分以内に実施する。 

2. 結合したコネクタは,接触抵抗の測定が終了するまで結合を外してはならない。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 試験直後に印加する電圧値 

(b) 耐電圧規格値 

9.4.4 

温度サイクル 温度サイクルの試験は,次による。 

(1) 試験 試験は,JIS C 5402の7.2(温度サイクル)によって,個別規格に規定する温度で行う。ただし,

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16 

C 5410-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験は5サイクル実施する。試験後,JIS C 5402の3.3(後処理条件)によって後処理を1.5〜2時間

行う。後処理後,コネクタは次の順序で測定する。 

結合したコネクタ 

非結合のコネクタ 

(a) 接触抵抗 

(a) 絶縁抵抗 

(b) 耐電圧 

(b) 耐電圧 

(c) 外観検査 

(c) 外観検査 

備考1. 絶縁抵抗と耐電圧は,試験の後処理後30分以内に実施する。 

2. 結合したコネクタは,接触抵抗の測定が終了するまで結合を外してはならない。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 耐電圧値 

9.4.5 

気密性 気密性の試験は,気密形コネクタに適用し,次による。 

(1) 試験 結合した供試コネクタをJIS C 5402の7.6(気密性)によって,個別規格に規定する空気圧で

試験する。試験中に漏れによる気泡の有無を調べる。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

空気圧(表19から選択する。) 

表19 空気圧 

単位 kPa 

記号 

ゲージ圧 

17.6 

343.0 

9.4.6 

塩水噴霧 塩水噴霧の試験は,次による。 

(1) 試験 JIS C 5402の7.1(塩水噴霧)によって48±4時間試験する。試験後,9.2.2の耐電圧,9.2.3の

接触抵抗及び目視によって,外観とコネクタの結合離脱を調べる。 

なお,レセプタクルコネクタの試験については,取付け板の後の部分は,塩水噴霧の浸入を防ぐた

め適切な方法で覆ってもよい。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

耐電圧値 

9.4.7 

はんだ付け性 はんだ付け性の試験は,次による。 

(1) 試験 JIS C 5402の7.11(はんだ付け性)によって試験する。ただし,エージングは行わない。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 活性化フラックスを用いるかどうか(必要がある場合) 

(b) 浸せき深さ及び時間(必要がある場合) 

9.4.8 

高温耐久性 高温耐久性の試験は,次による。 

(1) 試験 結合した供試コネクタをJIS C 5402の7.8(耐熱性)によって試験する。ただし,試験温度と

放置時間は,表20の中から選択して,組み合わせて個別規格に規定する。 

また,試験前及び試験後の測定は,外観検査,9.2.1の絶縁抵抗,9.2.2の耐電圧,9.2.3の接触抵抗

及び9.4.5の気密性について行う。 

(2) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。 

(a) 供試コネクタの取付け方法 

(b) 後処理の条件(必要がある場合) 

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17 

C 5410-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表20 試験温度と放置時間 

温度℃ 

放置時間h 

85 

50 

125 

250 

155 

10. 包装 包装は,コネクタの輸送中及び保管中に,損傷などのおそれがないように行う。 

11. 表示 

11.1 コネクタに対する表示 コネクタには,個別規格に規定された箇所又は見やすい箇所に容易に消え

ない方法で次の事項を表示する。ただし,表示事項の詳細及び省略は,個別規格に規定する。 

(1) 形名 

(2) 製造業者名又はその略号 

11.2 包装に対する表示 包装には,次の事項を表示する。ただし,表示事項の詳細及び省略は,個別規

格に規定する。 

(1) 形名 

(2) 耐候性による分類 

(3) 数量 

(4) 製造年月又は製造年週 

(5) 製造ロット番号 

(6) 製造業者名又はその略号 

関連規格:JIS C 2320 電気絶縁油 

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C 5410-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考1 コネクタ外観の略図とその結合方式 

この参考1は,高周波同軸コネクタ個別規格で規定する,代表的なコネクタ外観の略図とその結合方式

を示すものである。これはあくまでも参考であって,規定の一部ではない。 

19 

C 5410-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考2 電圧定在波比の測定方法 

この参考2は,IEC 169-1-1 (1987) Radio-frequency connectors. Part 1 : General requirements and measuring 

methods. Section One−Electrical tests and measuring procedures : Reflection factorの翻訳版である。規格本体の

適用条項9.2.4(電圧定在波比)の測定方法のガイダンスとして利用されることが望ましいが,これはあく

までも参考であって,規定の一部ではない。 

1. 反射係数 

1.1 

一般的考察 高周波コネクタの反射係数は,供試コネクタを標準試験用コネクタに結合して測定す

る。 

個別規格には,標準試験用コネクタに関する仕様を規定しなければならない。 

結合した一対の標準試験用コネクタは,精密ライン又はケーブルコネクタはケーブルとの接続部を含め

た全体が極めて一定の特性インピーダンスを示すものを使用しなければならない。 

ケーブルコネクタは,コネクタ・メーカの推奨する方法で適用ケーブルに取り付けなければならない。

使用するケーブルは,インピーダンス誤差の少ないものを選ぶこと。 

なお,ケーブル・シミュレータを代替使用してもよい。 

測定系の構成品と同軸ライン各部及びケーブルの特性インピーダンスの精度と欠陥点の位置の確認は,

タイムドメイン・リフレクトメータ (TDR) を使用して行う。 

反射係数は周波数の関数として表される。測定は,通常周波数掃引発振器を使用した周波数ドメインで

行われる。タイムドメイン方法で測定し,周波数ドメインに変換する方法は,1GHz程度までの周波数に

は有効である。タイムドメインでの測定は,供試コネクタから発生する反射とシステム内で発生する反射

を分離できるメリットがある。これらの反射の分離は,周波数ドメイン方式,特に低周波数帯で測定する

場合にはほとんど不可能である。 

周波数掃引方式と異なるスポット周波数発振器を使用する場合は,技術的に適合した狭い周波数間隔を

設定しなければならない。発振器(通常自動制御式)が極めて狭い周波数間隔の設定ができない場合は,

測定誤差の認識方式(1.3参照)に用いて測定しても満足な結果は得られない。 

反射係数を測定するのに適した機器としては,高周波ブリッチ,方向性適合器,スロッテッドラインが

ある。これら測定機器を用いた測定系の構成において,異種欠陥から発生する誤差認識が可能な専用の装

置を搭載しないシステムでは,一般的には反射係数が0.05 (VSWR1.1) 以上(測定誤差は測定値の10%以

下を前提とする)の測定についてだけに有効である。規定反射係数が0.05未満の供試コネクタの試験を行

う場合には,誤差認識の可能な測定系の構成を採用することが必要である。 

なお,別途誤差認識が可能な装置を搭載する必要がない程度まで測定誤差を低減する誤差補正方式を採

用した,コンピュータ制御による自動測定システムも市販されている。 

1.2 

標準測定方法 

1.2.1 

一般的な測定系の構成 参考2図1に,測定機器として高周波ブリッジ,方向性結合器又はスロッ

テッドラインのいずれかを用いた一般的な測定系の構成例を示す。 

この図では,反射が発生する主な箇所をB(測定器の入力ポートでの反射),C(標準試験用アダプタ及

び供試コネクタからの反射),D[標準試験用アダプタ及びターミネーション(終端器での反射)]で印し,

それぞれの箇所の反射係数をrb,rc,rdとする。この装置による試験で得られたコネクタの反射係数をrx

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20 

C 5410-1991  

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とする。 

なお,rbには反射発生箇所Bにおける反射のみならず,測定器(高周波ブリッジ,方向性結合器又はス

ロッテッドライン)の残留誤差も加わっている。複数の反射の位相は,反射箇所間の電気長によって変化

する。したがって,周波数によっても変化することから,総反射係数rに及ぼす影響は一様ではない。総

反射係数rの値は次の式によって算出される。 

)

(

2

d

2

c

2

b

2

x

r

r

r

r

r

次に標準的な計算例を示す。各反射箇所の反射係数値rb=0.018,rc=rd=0.01とし,測定値rx=0.05と

したときの値は次の式で得られる。 

xr

r=1.1 

これは測定誤差が10%あることを示しており,各周波数における測定値には,当然10%前後の誤差が含

まれていることになる。 

参考2図1 一般的な高周波ブリッジ,方向性結合器又はスロッテッドラインによる測定方法 

1.2.2 

同一種類の2個のコネクタを用いた測定方法 この測定方法は,同一種類の特性が同じ2個の供試

コネクタを,あらかじめ選定した特性インピーダンスの精度が一定な適用ケーブルの両端に取り付けてコ

ネクタ・アッセンブリとして測定する。この方法は,誤差の認識機能はないものの,測定結果に影響を及

ぼす要因が存在したかどうかを高い確度で確認できる。 

この測定方法の概要を参考2図2に示す。反射係数が等しい同一種類の2個のコネクタを測定した場合,

コネクタ間のケーブルを含む距離pが波長の4分の1の奇数倍となるごとに各コネクタからの反射が相殺

しあって反射係数は最小値のゼロとなる。距離pが波長の4分の1の偶数倍となるごとに,それぞれが倍

加され最大値となる現象を利用したものである。反射が完全に相殺されるということは,2個のコネクタ

からの反射が全く等しいこと及びシステム内に他の反射が存在しないことを確認する上で,かなり信頼性

の高い判断基準と言える。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

実際の測定ではコネクタの反射係数が同一であってもp(ケーブル部分)での損失のため,反射係数が

ゼロとはならない。 

また,コネクタ・アッセンブリを入出力側を逆にして測定したとき,反射係数の最小値が等しくならな

い場合は,2個のコネクタの特性が等しくないことを表している。一般的には,アッセンブリを逆にして

測定したときの反射係数の最小値が変化しない場合には,供試コネクタの特性が測定値(測定誤差を含め

た最大値)以下と見なすことができる。しかし,指定の値を超える反射係数の最大値が記録された場合,

又は最小値に相当の変化が見られた場合には,試験を再開する前に,コネクタ及びケーブルの検査を実施

しなければならない。 

コネクタに取り付けるケーブルの長さは,反射係数測定を行う最小周波数の波長を超えないものとする。

周波数帯が広い場合又は連続した波腹部(最大値)が得られない周波数で測定結果する場合には,ケーブ

ル長 (p) を変えた複数個のサンプルを用意して測定することが望ましい。 

測定システムの確度をチェックする一つの方法として,供試コネクタ・アッセンブリと標準試験用アダ

プタのそれぞれを逆に接続して,同一の測定を反復することが望ましい。 

同一種類の2個のコネクタを用いた測定方法には,高周波ブリッジ,方向性結合器又はスロッテッドラ

インが測定に用いることができる。測定方法の詳細を下記に説明する。 

参考2図2 同一種類の2個のコネクタを用いた測定方法の測定系の構成 

備考 標準試験用アダプタの代わりに標準試験用コネクタを直接発振器のポート及び精密ターミネー

ションに取り付けてもよい。 

参考2図3は,スロッテッドライン上の電圧値をプローブ位置における周波数の関数として測定した値

をX-Y座標に記入したものである。X-Y座標は,1デシベルを1目盛りとすることが望ましい。 

試験は,高周波掃引発振器の掃引中にスロッテッドラインのプローブを最低周波数の半波長移動して最

大値,最小値を検出する。これを何回か繰り返して試験する。X-Y座標には振幅をもった何本かの線が包

含される振幅として表示される。これにより最小値が判断できる。 

また,この最大幅は,電圧定在波比 (VSWR. dB) に等しい。最大幅に対応する反射係数の値rは,次の

式により算出される。 

2

dB

VSWR

2

1

dB

VSWR

1

r

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参考2図3 スロッテッドラインによる測定値のX-Y座標図 

1.3 

測定誤差の認識ができる測定方法 

1.3.1 

高周波ブリッジを使用した測定方法 測定誤差を認識するために,参考2図1に示す一般的な測定

系の構成に2種類の修正を加える。高周波ブリッジの試験ポートBとCの間に標準試験用アダプタを精密

エアーラインに変更する。 

また,もう一つの修正は,供試コネクタとDのターミネーションの間に適切な長さのラインを追加する。

参考2図4のl2のライン長をl1の5倍となるように設定する。さらに,高周波ブリッジの基準ポートAの

終端は,試験ポートBが正確な特性インピーダンスで終端していると仮定したときに出力される反射係数

が0.1(反射係数が0.1の場合の反射損失は20dBとなる。)となるような値で終端する。 

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参考2図4 測定誤差の認識ができる機能をもつ高周波ブリッジによる測定方法 

この測定方法により,参考2図5に示す周波数の関数とした全体の反射係数がプロットされる。B点に

おける反射係数を表す三つの反射係数の合計値は次の式で求められる。 

d

c

b

r

r

r

r

合計

brは,高周波ブリッジのポートBにおける予め意図的に設定された不整合によるもので,振幅は大体一

定している。高周波ブリッジ内部の誤差及びブリッジエレメントと基準ポートA及び試験ポートB間のラ

イン長がゼロでないために若干の偏差が発生する。 

crは,供試コネクタの反射係数rxと標準試験用コネクタの反射係数からなる。rbと相関関係でrcを回転

させると参考2図5及び参考2図6に示すリップルEが発生する。 

drは,ラインl2の端末ターミネーションの反射でリップルFが発生する。リップルFは,ライン長l2

が正確にl1の5倍である場合には,リップルEより5倍早くなる。 

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参考2図5 参考2図4の測定系による合成位相図 

対数表示したときのX-Y座標の曲線は,反射損失(dB単位)を縦軸,周波数を横軸として表示される。

参考2図6aにその例を示す。反射係数への変換は,参考2図6a右側に示した目盛りを使用するか,又は

その他の適切な方法によって行う。rc (rx) は計算によって導き出される。その計算は,参考2図6b及び参

考2図6cを参考にして行う。 

オフセット反射係数rbは,全体の反射を示す曲線があいまいにならないように,rc+rdの合計値を上回

るものとする。 

l1,l2両ラインの電気長は,反射係数曲線として十分な数のリップルが得られるように測定周波数範囲を

条件として設定するものとする。参考2図4のB点とC点の間の精密エアーラインl1の寸法を200mmと

した場合,rcリップルの1周期は,図の周波数軸の750MHzの変化に等しくなる。 

参考2図6a 反射損失測定値(参考2図4の測定系の場合) 

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参考2図6b 詳細図A(反射係数に変換済) 

Fを平均してrdを消去する,斜線部の縦軸の値は,

c

br

r+

に等しい。 

参考2図6c 

r最大−r最小の差を2で割ってrc(リップルE)を導き出す。 

rcは,供試コネクタの反射係数である(参考2図4のC点の標準試験用コネクタの反射も含む)。 

1.3.2 

方向性結合器を使用した測定方法 高周波ブリッジの代わりに方向性結合器を使用する場合には,

参考2図4のエアーラインl1に代えて低減衰形の(部分的反射伝送エレメントとして機能する。)広帯域

に渡って特性インピーダンスが不連続となる同軸ラインを使用する。この同軸ラインは,参考2図4のB

点で反射係数が0.1(反射損失では20dB)となり,C点では特性インピーダンスに整合するものとする。 

参考2図7に,低減衰発泡誘電体を部分的に充填した同軸ラインを示す。 

測定方法は,1.3.1の高周波ブリッジを使用した測定方法と同じである。 

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参考2図7 低減衰形,部分的反射の広帯域特性インピーダンス不連続な同軸ライン 

1.3.3 

特殊目的のための測定系の構成 線路l1の端末参考2図4のC点に供試コネクタを取り付けて測

定する場合には,ラインl2を吸収形スライデングロードに置き換えることができる。低速掃引中に負荷エ

レメントの位置を定期的に変化させる(1/2波長以上)と,ラインl2の長給電線と同じ効果が得られ,参

考2図6aに示したリップルFと等しくなる。 

備考 以上三つの測定方式のいずれかを使用しても,共振反射を検知することができる。共振反射は,

反射合計曲線に顕著な不規則点を作り出す。 

1.3.4 

残留誤差について ここまでに説明した測定方法では消去できない次の誤差が存在する。 

(1) 同軸ラインの特性インピーダンスの偏差によって発生する誤差。 

この種の誤差は,タイムドメイン・リフレクトメータ法によって正しい特性インピーダンスを選定

することにより最小にすることができる。 

(2) 減衰器Gの誤差(参考2図1,参考2図4参照)。 

(3) 標準試験用コネクタの誤差。 

この種の誤差は,標準試験用コネクタを同一径の精密エアーラインの一部とすることで最小にとど

めることができる。 

(4) 参考2図4のエアーラインl1のB点,C点における減衰が,反射係数測定値rcに及ぼす影響。 

この減衰が無視できる程度のものである場合には,真の反射係数rcを計算する前に,減衰器 (dB) の

2倍の値を反射損失から差し引くものとする。 

1.4 

反射係数測定の標準的手順 

図形記号 

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1.4.1 測定装置の構成・確認,測定時に使用する適正なエレメント及びラインの選定 

1.4.2 

一般的な測定方法 

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1.4.3 

測定誤差の認識ができる測定方法 

1.5 

タイムドメインによる反射係数測定方法 (TDR)  

1.5.1 

理論的考察 投射信号が階段関数の理想形な場合には,反射される信号s (t) =r (t) は,次の式に

よって周波数の関数として複合反射係数に変換される。 

∫T

tt

e

t

s

r

0

jd

)

(

j

)

(

ω

ω

ω

上の式で,0からTは,供試コネクタから発生する反射によるs (t) を含む時間間隔である。 

周波数の上限をωT<1,e−jωt≈1,の条件を満たす値に設定すると,上の式は次のように簡単にできる。 

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f

A

t

t

s

f

r

T

∫0

d

)

(

2

)

(

π

ω

   

∫T

t

t

s

A

0

d

)

(

2

=π

参考2図8は,タイムドメイン・リフレクトメータによる測定記録例である。 

備考 参考2図8は,反射係数の大きさだけを問題にしているもので,反射された信号全体の符号は

記載していない。反射を表す曲線は,誘導体が大きい場合にはプラスとなり,容量性が大きい

場合にはマイナスとなる。 

参考2図8 タイムドメイン・リフレクトメータによる測定結果の記録例 

図の例では,0からTにおける曲線の面は次のとおりである。 

∫T

t

t

s

f0

d

)

(・

=17.5 ps 

したがって,100 MHzではr=0.011となる。 

1.5.2 測定手順 測定装置及び使用する機器の確認は1.4.1の表の上から三つの欄に示す方法で実施する。

測定装置の構成を参考2図9に示す。 

反射係数を計算するに当たっては,反射波形の永久的な記録を作成する必要がある(画面から読み取っ

た波形は,十分な精度をもっていないことが多い)。 

参考2図9 タイムドメイン・リフレクトメータによる測定装置の構成 

TDRの時間目盛り及び反射係数目盛りは,相互に独立した基準によって校正を行う。 

時間目盛りは,既知の長さのエアーライン,スライディングロード又は時間標準によって実施する。反

射係数目盛りの校正は,既知のインピーダンス不整合又は既知の入力信号の大きさによって行う。測定と

測定の間に行う校正は,短絡又は開放で実施する。 

測定装置及び機器は,校正のほかに次の測定誤差となる要素についてもチェックを行う。 

− 不規則な変動やリップルが最小となるようにステップ波形を調整する。 

− エアーラインや装置のケーブルでの減衰によって投射ステップに歪みが発生することがある。エアー

ライン,ケーブルが長すぎることがないように注意する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− 測定システム内で発生する複数の反射が供試コネクタの反射に上乗せされる。システム内に整合のよ

くないコンポーネントがある場合には,特にこの傾向が強くなる。エアーライン,ケーブルの長さを

適切に選定し,供試コネクタ以外の異種源から発生する反射が時間の経過とともに分離されるように

すれば,これによる測定誤差を最小にとどめることができる。 

− 結合部がショートしていたり,端末部に遮へい(蔽)を施していない場合には,測定システム内に妨

害信号が発生することがある。 

− 測定誤差は,ゼロ反射に対応するラインの設定が不明確な場合が多い。反射信号が小さい場合に特に

多い。 

1.5.3 周波数範囲 長さ50mm以下の供試コネクタと立ち上がり時間200psのパルス信号を使用した場合,

適切な周波数ドメインへの変換公式を使用することによって,TDR測定方法による測定は通常200MHzま

での周波数では十分な精度で測定できる。 

備考 投射信号を急激にではなく,徐々に増加させると,周波数範囲の制限のほかに反射信号を平に

ならす効果が発生して信号の振幅が減少し,結果的に測定精度が落ちることになる。 

電子部会 コネクタ専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

山 崎 眞 一 

日通工株式会社 

今 井 一 夫 

日本放送協会 

五 味 勇 二 

財団法人日本電子部品信頼性センター 

稲 葉 裕 俊 

工業技術院標準部 

吹 訳 正 憲 

通商産業省機械情報産業局 

前 田 昌 昭 

財団法人機械電子検査検定協会 

石 井   勝 

第一電子工業株式会社 

栗 原 正 明 

ホシデン株式会社 

後 藤 信 之 

SMK株式会社 

佐牟田   穣 

日本航空電子工業株式会社 

田 坂 昌 穂 

ヒロセ電機株式会社 

福 地 俊 郎 

多治見無線電機株式会社 

星     進 

本多通信工業株式会社 

浅 原   真 

日本電気株式会社 

安 藤 郁 弘 

富士通株式会社 

石 川 安 男 

防衛庁装備局 

栗 原 正 英 

社団法人日本プリント回路工業会 

斎 藤 哲 也 

ソニー株式会社 

中牟田 正 造 

パイオニア株式会社 

西 林 和 男 

株式会社東芝 

松 尾 宏 之 

株式会社日立製作所 

三 宅 敏 明 

松下電器産業株式会社 

伊 藤 吉 光 

社団法人日本電子機械工業会 

土 谷 順 二 

沖電気工業株式会社 

(事務局) 

吉 田   厚 

工業技術院標準部電気規格課 

角 田 悦 啓 

工業技術院標準部電気規格課 

宗 像 保 男 

工業技術院標準部電気規格課