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日本工業規格

JIS

 C

5401

-1991

電子機器用コネクタ通則

General rules of connectors for use in electronic equipment

1.

適用範囲  この規格は,主として電子機器に用いるコネクタの共通的事項並びに電子機器用コネクタ

の品種別通則(以下,品種別通則という。

)及び電子機器用コネクタの個別規格(以下,個別規格という。

に規定すべき事項の基準について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS C 0010

  環境試験方法(電気・電子)通則

JIS C 5001

  電子部品通則

JIS C 5402

  電子機器用コネクタ試験方法

JIS C 5700

  信頼性保証電子部品通則

JIS Z 9015

  計数調整型抜取検査(供給者を選択できる場合の購入検査)

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 0010JIS C 5001 及び JIS C 5700 によるほ

か,次による。

(1)

コネクタ  回路,機器などの相互間を電気的に接続及び切り離すための接続具(附属品を含む。)。

(2)

コンタクト  コネクタを結合したとき相互に電気的な接続をするための接触子。

(3)

絶縁体  コンタクトの位置を定め,コンタクト相互間及びコンタクトとその他の導体間を電気的に絶

縁するもの。

(4)

シェル  絶縁体及びコンタクトを収納する外側のケース。

(5)

結合部  コネクタを他のコネクタに機械的及び電気的に接続する部分の総称。

(6)

高周波同軸コネクタ  高周波同軸ケーブルの相互間又はそれと電子機器を接続するためのコネクタ。

(7)

丸形コネクタ  結合部が円形の形状である低周波多極コネクタ。

(8)

角形コネクタ  結合部が角形の形状であるコネクタ。

(9)

プリント配線板用コネクタ  プリント配線板に結合するコネクタ。

(10)

コンタクトピッチ  プリント配線板用コネクタの隣接したコンタクトのプリント配線板に接触する部

分の中心間距離。

(11)

絶縁体位置  丸形コネクタのシェルの位置決めキーと絶縁体との円周方向の相対位置。

(12)

導入体  丸形コネクタのシェルの結合部。

(13)

コンタクト端子部  電線,プリント配線板などに接続する部分。

(14)

定格電圧  電気的・機械的な特性の劣化なしに連続的に印加できる電圧。

(15)

定格電流  電気的・機械的な特性の劣化なしに連続的に流せる電流。


2

C 5401-1991

3.

規格の体系及び優先順位  コネクタの規格は,次に示す規格群によって構成し,これらの規格間で相

反する規定がある場合は,次の優先順位による。

(1)

個別規格

(2)

品種別通則

(3)

品目別通則  (JIS C 5401)

(4)

部門別通則(JIS C 5001 及び JIS C 5700

備考  品種別通則と個別規格とを総称して,以下,コネクタ規格という。

4.

形名

4.1

形名の構成  形名の構成は,次の配列によることとし,コネクタ規格による。

(1)

高周波同軸コネクタの場合

(2)

丸形コネクタの場合

(3)

角形コネクタの場合

(4)

プリント配線板用コネクタの場合

4.2

記号

4.2.1

コネクタ  コネクタを表す記号は,CN とする。

4.2.2

形式  形式を表す記号は,1 英大文字と 2 数字で表し表 による。

なお,2 数字はコネクタ規格による。

表 1  形式

記号

形式

C

□□

同軸コネクタ

R

□□

丸形コネクタ

Q

□□

角形コネクタ

P

□□

プリント配線板用コネクタ

備考  □は,数字を表す。

4.2.3

コンタクト形状  コンタクト形状を表す記号は,1 英大文字で表し表 による。


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C 5401-1991

表 2  コンタクト形状

記号

形状

M

電気的に接触する部分がおす形のもの。

F

電気的に接触する部分がめす形のもの。

H

電気的に接触する部分が双方同形のもの。

X

電気的に接触する部分が上記以外の形状のもの。

4.2.4

等級  等級を表す記号は,1 英大文字で表し表 による。

表 3  等級

記号

等級の内容

A

品質評価を必要とするもので,その水準が特殊水準のもの。

B

品質評価を必要とするもので,その水準が一般水準のもの。

C

品質評価を必要とするもので,その水準が簡略水準のもの。

X

品質評価について特に規定しないもの。

参考  水準は,JIS C 5700 に規定する水準に相当する。

4.2.5

その他の記号  その他の記号はコネクタ規格による。

5.

定格

5.1

使用温度範囲  使用温度範囲は,表 のいずれかの範囲とし,コネクタ規格に規定する。

表 4  使用温度範囲

単位  ℃

−10∼+ 70

−10∼+ 85

−25∼+ 70

−25∼+ 85

−25∼+100

−40∼+ 85

−40∼+100

−40∼+125

−55∼+ 85

−55∼+100

−55∼+125

−65∼+155

5.2

定格電圧  定格電圧は,表 のいずれかの値とし,コネクタ規格に規定する。

表 5  定格電圧

単位  V(交流実効値)

12.5 31.5

50

63

100

125 200  250

500

630

1 000

1 600

2 000

2 500

3 150

5.3

定格電流  定格電流は,表 のいずれかの値とし,コネクタ規格に規定する。

表 6  定格電流

単位  A(交流実効値)

0.5 1

2

3.15

5

8 10

16

20

31.5

50


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C 5401-1991

6.

耐候性による分類  耐候性による分類は,三組の数字を並べ斜線で区切って表し,表 のいずれかの

分類とし,コネクタ規格に規定する。

表 7  耐候性による分類

10/070/04

25/070/10

25/085/10

25/085/21

40/085/21

40/085/56

40/100/10

55/100/21

55/125/21

55/125/56

65/155/56

第 1 組  耐寒性試験温度を 2 数字で表す。

第 2 組  耐熱性試験温度を 3 数字で表す。

  なお,温度が 100℃未満の場合は,その数字の前に 0
を付けて 3 数字とする。

第 3 組  耐湿性(定常状態)試験日数を 2 数字で表す。

  なお,試験日数が 10 日未満の場合は,その数字の前
に 0 を付けて 2 数字とする。

例  第 1 組      第 2 組      第 3 組

 10

     /     070      /    04

例は,耐寒性試験温度  (−10℃),耐熱性試験温度 (70℃),耐

湿性試験日数(4 日間)の試験を行うことを表す。

7.

性能  性能はコネクタの使用目的及びその他に応じて次に示す項目とし,必要性能をコネクタ規格に

規定する。

(1)

電気的性能

(2)

機械的性能

(3)

耐候性

8.

外観,構造及び寸法  外観,構造及び寸法は,コネクタ規格に規定する。

9.

試験方法  電気的性能,機械的性能及び耐候性の試験方法は,JIS C 5402 による。

10.

品質評価及びその保証  4.2.4 の等級の区分の A,B 及び(又は)C のコネクタについては,附属書 1

の品質保証プログラムを作成し,

附属書 の品質保証の手順によってそのコネクタの品質を保証しなけれ

ばならない。

11.

包装  包装は,コネクタの輸送中及び保管中に,損傷などのおそれがないように行う。

12.

表示

12.1

コネクタに対する表示  コネクタに対する表示は,容易に消えない方法で次の事項を表示する。た

だし,表示事項の詳細及び省略は,コネクタ規格に規定する。

(1)

形名

(2)

製造業者名又はその略号

12.2

包装に対する表示  包装に対する表示は,次の事項を表示する。ただし,表示事項の詳細及び省略

は,コネクタ規格に規定する。

(1)

形名

(2)

耐候性による分類

(3)

数量


5

C 5401-1991

(4)

製造年月又は製造年週

(5)

製造ロット番号

(6)

製造業者名又はその略号


6

C 5401-1991

附属書 1  品質保証プログラム

1.

適用範囲  この附属書は,製造業者が認証を受け,その品質を保証するコネクタを製造しようとする

場合に,製造業者内の組織人員,管理方法,設備などについて品質保証のための計画や,実施すべき要件

などを定めた品質保証プログラムを製造業者が作成する場合の一般的な必要条件について規定する。

なお,等級 A,B 及び(又は)C のコネクタを製造しようとする業者は,効果的な品質保証体系を設定

しなければならない。

2.

組織機構  製造業者は,次の品質保証に関する事項を含んだ組織図表を作成し,常に最新のものとす

る。

(1)

重要な組織区分の関係を示す表及び図

(2)

権限と責任の系統図

(3)

各主要組織の責任者表

3.

訓練計画  訓練計画は,製造業者内のすべての部門を対象とし,品質保証をするコネクタを製造する

ための技能訓練,特殊技術の教育などを含める。

4.

校正体系  製造工程中の測定及び管理に用いる測定器又は試験,検査に用いる測定器などは,確立さ

れた校正体系によって校正し,管理する。

5.

製造条件及び管理条件

(1)

製造工程,工程の流れ検査(

1

)

などについて作業標準を設定する。

(2)

材料の調達及び加工,コネクタ用部品の製造及びコネクタの品質保証のために使用する文書の管理を

する。

(3)

製造に関する工程の流れ及び関連する文書を明示した図を作成する。

(4)

製造及び検査の全工程に適用できる取扱い(

2

)

に関する文書を作成する。

(5)

材料の受入,保管,検査及びコネクタの加工,組立て,試験などの記録をとる。

(

1

)

工程の流れ検査とは,工程間検査(中間検査)及び最終検査(出荷検査)をいう。

(

2

)

取扱いとは,保管場所,保管方法,包装方法,運搬方法などをいう。

6.

材料,半製品及び部分品の管理

(1)

材料,半製品,部分品の誤使用,混入などのおそれがないように適切な方法で管理する。

(2)

製造工程,試験,出荷後の使用などで故障が発生したときは,追跡ができるようにする。

7.

包装  コネクタの出荷及び輸送に適用する包装仕様などを設定する。

8.

故障解析及び是正処置  故障解析の体制を設定し,これによって是正処置がとれるように規定を定め

る。


7

C 5401-1991

9.

設備  製造及び試験の設備について,管理及び維持に関する規定を定める。


8

C 5401-1991

附属書 2  品質保証の手順

1.

適用範囲  この附属書は,製造業者が製造したコネクタについて認証を受け,認証後の品質保証検査

及び定期的認証維持試験を実施することによって,品質を保証する手順について規定する。

2.

認証試験  認証試験は,製造業者が製造したコネクタについて認証を受けるため,規格に適合してい

るかどうかを実証するために認証機関及び(又は)製造業者が行う試験で,

附属書 の規定による。

3.

品質保証検査  品質保証検査は,認証を受けた後に製造業者が製造したコネクタについて規格の品質

を満たしていることを保証するために行う検査で,

附属書 の規定による。

4.

定期的認証維持試験  定期的認証維持試験は,認証試験で実証されたコネクタの品質が維持されてい

るかどうかを定期的に確認するために,認証機関及び(又は)製造業者が行う試験で,

附属書 の規定に

よる。


9

C 5401-1991

附属書 3  品質認証試験

1.

試験項目  試験項目は,次の項目とする。

(1)

外観,構造及び寸法

(2)

表示

(3)

電気的性能

(4)

機械的性能

(5)

耐候性

2.

試料  試験に用いる試料は,次の規定による。

(1)

試料は,品質保証プログラムによって,規定の製造仕様書,製造条件及び管理条件で製造されたもの

でなければならない。

(2)

試料は,コネクタ規格に規定されているもので,試験開始前 3 か月以内に製造されたものでなければ

ならない。

(3)

試料は,同一製造ロットから無作為に抜き取る。

(4)

試料数は,コネクタ規格で規定する数量とする。

(5)

群形式の認証を受ける場合は,コネクタ規格に規定する代表試料を提出する。

3.

認証の範囲  認証の範囲は,認証試験に提出した試料と同一のコネクタ又はコネクタ規格に規定した

群形式の認証を受けるコネクタとする。

4.

認証試験の順序  認証試験の順序は,コネクタ規格の規定による。

なお,第 1 群試験は全試料についてコネクタ規格に規定する項目の試験を実施し,第 1 群試験を実施し

た試料を第 2 群以下の各群で使用する試料数に分割し,それぞれの群に規定する試験を行う。

5.

合否の判定  合否の判定は,コネクタ規格の規定による。ただし,合否の判定に際しては,次の規定

を適用する。

(1)  1

個のコネクタが,同一試験群に属する試験項目のいずれか又はすべての項目で不良になっても,不

良数は 1 個と数える。

(2)

表示は,読み取れない場合に限り不良とする。


10

C 5401-1991

附属書 4  品質保証検査

1.

品質保証検査の構成  品質保証検査は,ロット品質検査及び定期的品質検査で構成する。

2.

ロット品質検査

2.1

検査項目  検査項目は,次の全数検査,A 群検査及び B 群検査とし,コネクタ規格に規定する項目

とする。A 群検査及び B 群検査は,必要な場合,更に副群に分けてもよい。

(1)

全数検査  全数検査は,規定がある場合に A 群検査及び B 群検査に先行して行う検査とし,非破壊試

験とする。

(2)  A

群検査  A 群検査は,外観,寸法などの検査とし,非破壊試験とする。

(3)  B

群検査  B 群検査は,一般的な特性,機械的性能,耐候性などを含む検査とする。

2.2

検査ロットの構成  検査ロットの構成は,同一形名で同一製造工程及び製造条件で製品化されたも

ので,次による。

(1)

製造ロットの場合  同一製造ロットとする。

(2)

受入ロットの場合  同一契約のものをまとめて 1 検査ロットとする。

2.3

抜取方式  抜取方式は,A 群検査は,JIS C 9015 による。B 群検査は,定数抜取り又は JIS Z 9015

の特別検査水準のいずれかによる。これらの選択及び適用については,コネクタ規格に規定する。

2.4

検査の順序  検査の順序は,各検査ロットごとに,コネクタ規格の規定による。

2.5

合否の判定  合否の判定は,附属書 品質認証試験の 5.の規定による。

2.6

検査後の処置  破壊検査の含まれない検査群の検査を行った試料は,ロットに戻してもよいが,こ

れら以外の検査群の検査を行った試料は,ロットに戻してはならない。ただし,検査の途中ではんだ付け

などをしたものは戻さない。

また,検査の結果不合格と判定されたときは,その検査ロットのコネクタは,品質保証プログラムに特

にスクリーニングなどによって再検査ロットとする規定がない限り,再検査は行わない。

3.

定期的品質検査

3.1

検査項目  検査項目は,次の C 群検査及び D 群検査とし,コネクタ規格に規定する項目とする。

なお,

検査項目によっては,過去の一定期間の検査及び試験の結果によって代替しても差し支えないが,

この場合は,検査項目,許容期間,試験条件などをコネクタ規格で規定する。

(1)  C

群検査  C 群検査は,一般に電気的,機械的な性能試験,熱的ストレス試験などの性能試験とする。

(2)  D

群検査  D 群検査は,一般に耐湿性,温度サイクルなどの耐候性試験とする。

備考1.  C 群検査及び D 群検査は,必要な場合,更に副群に分けてもよい。

2.

組合せ試験群で,(2)の D 群検査に属する項目が,(1)の C 群検査に属する項目と組み合わさ

れている場合の検査項目は,C 群検査又は D 群検査のいずれとしてもよい。

3.2

検査の周期  検査の周期は,群ごと又は副群ごとに規定し,コネクタ規格に規定する。

3.3

試料  試料は,ロット品質検査に合格した検査ロットからコネクタ規格に規定の一定数を抜き取る。

3.4

検査の方法  検査の方法は,コネクタ規格に規定する。

3.5

検査の順序  検査の順序は,コネクタ規格に規定する。


11

C 5401-1991

3.6

合否の判定  合否の判定は,附属書 品質認証試験の 5.の規定による。

4.

検査基準の緩和  引き続いて生産されたコネクタの品質が良好で,かつ,安定しており,必要がある

場合は,コネクタ規格に検査を簡略化した別途の検査基準を設けてもよい。


12

C 5401-1991

附属書 5  定期的認証維持試験

1.

試験項目及び試料  試験項目及び試料は,次による。

(1)

試験項目は,

附属書 品質認証試験に規定する試験項目とし,コネクタ規格に規定する。

(2)

試料は,定期的認証維持試験の前回の周期後から次回の周期の開始までの期間に,品質保証プログラ

ムに基づき製造された

附属書 品質認証試験の 3.のものとし,コネクタ規格に規定する。

(3)

試料数は,コネクタ規格に規定する。

2.

試験の周期  試験の周期は,3 年とする。

3.

合否の判定  合否の判定は,附属書 品質認証試験の 5.の規定による。

4.

試験の省略  定期的認証維持試験の前回の周期の終了時から次回の周期の開始時までの期間に行われ

た品質保証検査の結果が 1.を満足し,しかも合格と判定できるときには,試験を省略することができる。

5.

品質認証拡張試験  品質認証試験と同等の品質認証拡張試験を行い,この結果が合格と判定されたと

きは,品質認証範囲を拡張することができる。


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C 5401-1991

電子部会  コネクタ専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

山  崎  眞  一

日通工株式会社

今  井  一  夫

日本放送協会

五  味  勇  二

財団法人日本電子部品信頼性センター

稲  葉  裕  俊

工業技術院標準部

吹  訳  正  憲

通商産業省機械情報産業局

前  田  昌  昭

財団法人機械電子検査検定協会

石  井      勝

第一電子工業株式会社

栗  原  正  明

ホシデン株式会社

後  藤  信  之

SMK

株式会社

佐牟田      穣

日本航空電子工業株式会社

田  坂  昌  穂

ヒロセ電気株式会杜

福  地  俊  郎

多治見無線電機株式会社

星          進

本多通信工業株式会社

浅  原      真

日本電気株式会社

安  藤  郁  弘

富士通株式会社

石  川  安  男

防衛庁装備局

栗  原  正  英

社団法人日本プリント回路工業会

斎  藤  哲  也

ソニー株式会社

中牟田  正  造

パイオニア株式会社

西  林  和  男

株式会社東芝

松  尾  宏  之

株式会社日立製作所

三  宅  敏  明

松下電器産業株式会社

伊  藤  吉  光

社団法人日本電子機械工業会

土  谷  順  二

沖電気工業株式会社

(事務局)

吉  田      厚

工業技術院標準部電気規格課

角  田  悦  啓

工業技術院標準部電気規格課

宗  像  保  男

工業技術院標準部電気規格課