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Z 8910

:2007

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

4

  サンプリング方法

2

4.1

  位置

2

4.2

  本数

2

4.3

  時期

2

4.4

  手順

2

5

  サンプリングしたろ布の試験方法

3

6

  取扱い上の注意事項

4


Z 8910

:2007

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


日本工業規格

JIS

 Z

8910

:2007

集じん用ろ布の試験方法−ろ布耐久性測定用の

サンプリング方法及び試験方法

Test method of filter media for dust collection

Sampling and test method for fabric filter durability

序文

この規格は,集じん用ろ布に関する規格を整備するために制定された。

1

適用範囲

この規格は,都市ごみ焼却施設などで使用する乾式ろ過集じん装置(以下,

“バグフィルタ”という。

の,ろ布の耐久性を測定するため,バグフィルタからろ布をサンプリングする方法及び試験方法について

規定する。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 9909

  集じん装置の仕様の表し方

JIS L 1096

  一般織物試験方法

JIS R 3420

  ガラス繊維一般試験方法

JIS R 3421

  集じん用処理ガラスクロス

JIS Z 8908

  集じん用ろ布

JIS Z 8909-1

  集じん用ろ布の試験方法−第 1 部:集じん性能

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 9909JIS R 3421JIS Z 8908 及び JIS Z 8909-1 によるほ

か,次による。

3.1

ろ布の耐久性  (fabric filter durability)

使用中に受ける熱的,化学的,物理的損傷,目詰まりなどの機能低下の要因に耐えるろ布の物性。

3.2

含じんガス  (dirty gas)

固相及び液相の微粒子が浮遊している集じん対象となるガス。

3.3

通ガス  (blow gas through)


2

Z 8910

:2007

集じん装置及びダクトに含じんガスを通過させること。

3.4

パルス式集じん装置  (dust collector with pulse jet)

乾式ろ過集じん装置(バグフィルタ)のうち,パルス洗浄装置を備えた集じん装置。パルス式バグフィ

ルタともいう。

3.5

パルスジェット  (pulse jet)

ろ布表面で捕集したダストを払い落とすために使用する圧縮空気の間欠噴流。

3.6

スナップリング  (snap ring)

ろ布の開口端に装着したリング状の金属ばね。

3.7

地番  (filter place number)

ろ布の取付け位置を明確にするために,縦・横の列で位置を示す番号。

3.8

ろ過側  (dirty side of bag filter)

集じん装置内において,含じんガスがろ布を通過する前の領域。

3.9

清浄側  (clean side of bag filter)

集じん装置内において,含じんガスがろ布を通過した後の領域。

3.10

リテーナ  (retainer)

集じん操作をさせるために,ろ布を固定している支持装置。ケージ(cage)ともいう。

4

サンプリング方法

4.1

位置

含じんガスがバグフィルタに集中して流入する場所。

図 及び図 に例示する。

4.2

本数

サンプリングの本数は,バグフィルタの室数によって,次のとおりとする。

a)  1

室のバグフィルタ  1 本以上

b)

多室のバグフィルタ  1 室につき 1 本以上とし,複数室からサンプリングすることが望ましい。

4.3

時期

引渡し後,1 年程度経過した時期に初回のサンプリングを行う。以降は,その後 1 年程度経過した時期

にサンプリングすることが望ましい。

4.4

手順

ろ布の交換は,次の手順による。

a)

準備  パルスジェットによって,ろ布表面に付着しているダストの払落しを行うことが望ましい。

1)

払落しを実施する時期は,焼却炉の停止前の処理ガス量が十分に減少している時期以降又は完全停

止後に行う。

2)

払落しは,通常の運転で使用しているパルスジェット条件で 1 回又は数回行う。


3

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b)

ろ布の抜取り  バグフィルタ上部を開けて,清浄側から次の作業を行う。

1)

ろ布を保持しているリテーナを抜き取る。次いで,スナップリング部などろ布を固定している箇所

からろ布を取り外す。

2)

取り外したろ布は,ロープでつ(吊)り下げてバグフィルタホッパ部に降ろし,ホッパ外に取り出

す。状況によってバグフィルタ上部の清浄側へろ布を取り出してもよい。

注記  静かにろ布を降ろすことが可能であれば,ロープでつ(吊)り下げて降ろす必要がない。

付着ダストがろ布の内部に侵入しないよう,及びダストが飛散しないように取り出す。

3)

必要に応じてろ布の質量を測り,参考値としてグラム(g)単位の整数値を記録する。

注記  ろ布の質量は,測定結果に必ずしも影響しないため,参考値扱いとした。

4)

取り出したろ布をポリエチレンなどの袋に入れて密閉する。

注記  これはダストの吸湿を防止すると同時にダスト飛散を防止するためであり,二重にしたポ

リエチレンなどの袋に入れて密閉することが望ましい。

5)

ろ布が取り付けられていた地番を,当該ろ布を密閉したポリエチレンなどの袋に記入する。地番の

付け方は,

図 に例示する。

注記  ろ布の配置図がある場合は,当該配置図に抜き取ったろ布位置を記入することが望ましい。

c)

ろ布の取付け  抜き取った地番の所定位置に,新しいろ布を取り付ける。

d)

サンプリングしたろ布の発送  サンプリングしたろ布の発送は,次による。

1)

サンプリングしたろ布は,段ボール箱に入れて目張りをし,付着ダストなどの飛散を防止する。取

扱い時は,ダストが飛散しないようにする。

2)

サンプリングしたろ布は,耐久性測定(以下,

“試験”という。

)を行う場所に 2 日以内に到着する

ようトラック便などで送付する。

注記  サンプリングしたろ布は,サンプル試料の扱いとなり,産業廃棄物には該当しない。

5

サンプリングしたろ布の試験方法

サンプリングしたろ布は,損傷の有無,損傷程度の状態などに応じて当事者間で協議のうえ,次の試験

項目から選択して試験をする。

a)

外観検査  ろ布は,平板上に全体を伸ばした状態にして広げ,損傷の位置を目視で観察し,外形の寸

法測定を行い,記録することが望ましい。

b)

写真撮影  全体を伸ばした状態でろ布の天地を示す表示を行い,ろ布の表と裏との写真を撮ることが

望ましい。

なお,写真撮影場所のスペース制約,ろ布損傷の有無状況などから,ろ布全体の写真撮影が必要な

いと判断される場合は,部分撮影としてもよい。

c)

試験片の切出し  ろ布から,次の d)に必要な試験片を切り出す。試験用の試料を切り出す場所は,“上

部”

“中部”

“下部”の 3 か所を基本とする。

なお,ろ布損傷の有無状況などから 3 か所も必要がないと判断される場合は,

“上部”

“下部”など

の組合せによって,2 か所からの試料切出しとしてもよい。

試料の採取場所は,リテーナと接触していた箇所とする。ろ布のたて方向の試験片は,中央にリテ

ーナの横線と接触していた部分が入るようにする。参考として採取箇所の例を,

図 に示す。

d)

試験  図 における各部の試験片の測定は,次による。

1)

引張強さ  ろ布の種類に応じて,次によって試験を行う。


4

Z 8910

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なお,試験は,ダストが付着した状態で行うことが望ましい。

1.1)

ガラス繊維  JIS R 3420 の 7.4 に規定する方法で行う。

試料のたて方向・よこ方向から試験片(30 mm×250 mm)を各 3 枚採取し,試験片の幅 25 mm,

つかみ間隔 150 mm でそれぞれ定速(200 mm/min)で引っ張り,最大荷重(N)を算出し,平均値で表

す。

1.2)

フェルト繊維  JIS L 1096 の 8.12.1 a)の A 法に規定するカットストリップ法で行う。

試料のたて方向・よこ方向から試験片(50 mm×300 mm)を各 3 枚採取し,試験片の幅 50 mm,

つかみ間隔 200 mm で定速(100 mm/min 又は 200 mm/min)で引っ張り,最大荷重(N)を算出し,

平均値で表す。

2)

伸び率  ろ布の種類に応じて,次によって試験を行う。

なお,試験は,ダストが付着した状態で行うことが望ましい。

2.1)

ガラス繊維  測定データは,その試験法を付記し,記録に残す。

2.2)

フェルト繊維  JIS L 1096 の 8.12.1 a)の A 法に規定するカットストリップ法で行う。

試料のたて,よこ方向から試験片(50 mm×300 mm)を各 3 枚採取し,試験片の幅 50 mm,つか

み間隔 200 mm で定速(100 mm/min 又は 200 mm/min)で引っ張り,伸び率(%)を算出し,平均値

で表す。

3)

通気性  ろ布の種類に応じて,次によって試験を行う。

ダストが付着した状態及びはけ,掃除機などによって,ろ布を傷めない程度にダストを払い落と

した状態で両者について測定することが望ましい。

3.1)

ガラス繊維  JIS R 3420 の 7.14 に規定するフラジール形法又はこれに準じる方法で行う。

試料から試験片を 3 枚採取し,

その平均値で表す。

単位は(cm

3

/s)/cm

2

又は cm

3

/cm

2

/s

で表示する。

3.2)

フェルト繊維  JIS L 1096 の 8.27.1 の A 法に規定するフラジール形法又はこれに準じる方法で行

う。

試料から試験片を 3 枚採取し,

その平均値で表す。

単位は(cm

3

/s)/cm

2

又は cm

3

/cm

2

/s

で表示する。

4)

顕微鏡観察  顕微鏡観察は,次によって行う。

4.1)

ガラス繊維  光学顕微鏡を使い,ろ布の集じん面,断面及び清浄面の拡大写真を撮り,ダストの

リークの有無を確認し,記録する。

必要に応じて電子顕微鏡写真を撮り,繊維の劣化状況などを確認し,記録する。

4.2)

フェルト繊維  光学顕微鏡を使い,ろ布の集じん面,断面及び清浄面の拡大写真を撮り,ダスト

のリークなどについて確認し,記録する。

必要に応じて電子顕微鏡で繊維の劣化状況などを確認し,記録する。

注記  上記 1)∼3)の試験作業において,ダストが付着した状態で試験を行う場合,付着してい

るダストを落とすのは,ダスト飛散防止を行ううえでの最低限度量とする。

e)

試験終了後のサンプルろ布の取扱い  試験終了後のサンプル布の取扱いは,次によって行う。

1)

試験後の試料片及び分離除去したダストは,ろ布を採取した都市ごみ焼却施設などへ返却できる場

合は,当該施設などへ返却する。

注記  上記の場合は,サンプル試料の返却扱いとなり,産業廃棄物には該当しない。

2)

試験従事者が処分をする場合は,廃棄物処理法の規定に従い産業廃棄物として処分を行う。

6

取扱い上の注意事項


5

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取扱い上の注意事項は,次による。

a)

バグフィルタからろ布をサンプリングするときは,ダストを吸い込まないように十分に注意する。

“廃

棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策について”

(厚生労働省労働基準局長平

成 13 年 4 月 25 日付基発第 401 号)の規定に準拠する。

b)

実験室などでの試験従事者は,試験片の切出し作業を行うとき及び試験作業を行うときに,防じん及

び防毒マスクを着用し,作業服は専用のものを着用することが望ましい。

c)

実験室などの試験作業をする場所は,次による。

1)

出入口にはエアーシャワーなどを設けるのが望ましい。

なお,作業をするときは,ダストの飛散が起こらないように注意する。

2)

高効率集じん装置付き局所排気装置を設置し,専用の掃除機を使用することが望ましい。

含じんガス入口の反対側にある中央部

又は外側部ブロックからサンプリングす
る。

参考例:ブロック C,D,F

整流板で分流されたガス流が集

中する位置からサンプリングする。

参考例:ブロック E,F

図 1−サンプリング例


6

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含じんガス流れなどの解析によって,流れの集中する部分を特定している

場合は,そのブロックからサンプリングする。

参考例:ブロック E,I,F

参考例:ブロック G,I,H

図 2−サンプリング例

図 3−ろ布の取付け場所を示す地番の付け方の例


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図 4−ろ布から試験片を採取する箇所の例