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Z 8909-3:2008

(1) 

目  次

ページ

序文 

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  用語,定義,記号及び単位 

1

3.1  用語及び記号 

1

3.2  記号及び単位 

2

4  試験の概要 

3

5  熱暴露試験 

3

5.1  熱暴露試験片の作成

3

5.2  熱暴露試験装置

3

5.3  熱暴露試験片の熱暴露 

4

5.4  熱暴露による寸法変化 

4

5.5  試験片の保存 

4

6  引張試験

4

6.1  引張試験機 

4

6.2  引張試験片の作成

4

6.3  引張試験方法 

5

7  結果の表示 

6

8  試験結果の報告 

7

 


 
Z 8909-3:2008 

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,独立行政法人産業技術総合研究所(AIST)及び

社団法人日本粉体工業技術協会(APPIE)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出が

あり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS Z 8909 の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

Z

8909-1  第 1 部:集じん性能

JIS

Z

8909-2  第 2 部:耐久性試験方法

JIS

Z

8909-3  第 3 部:耐熱性試験方法


 

   

日本工業規格

JIS

 Z

8909-3

:2008

集じん用ろ布の試験方法−

第3部:耐熱性試験方法

Test method of filter media for dust collection

Part 3: Test for durability under high temperature

序文 

この規格は,製品規格である JIS Z 8908 に適用する試験方法規格として制定され,集じん用ろ布の耐久

性能評価に関する試験方法のうち,耐熱性試験方法について規定するものである。耐熱性試験方法は,静

的圧力の下で高温空気にさらされたときに発生する,

ろ布の機械的特性の低下を相対的に比較するもので,

絶対的な評価を行うことは意図していない。また,試験で得られた結果を,そのまま製品の耐用年数を予

測するものとして使用することは,適切ではない。

適用範囲 

この規格は,ごみ焼却施設などで使用する乾式ろ過集じん装置用ろ布の耐熱性を,熱暴露前後の機械的

特性の変化から評価する試験方法について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 7212  プラスチック−熱可塑性プラスチックの熱安定性試験方法−オーブン法

JIS L 0105  繊維製品の物理試験方法通則

JIS L 1096  一般織物試験方法

JIS R 3420  ガラス繊維一般試験方法

JIS Z 8703  試験場所の標準状態

JIS Z 8908  集じん用ろ布

JIS Z 8909-2  集じん用ろ布の試験方法―第 2 部:耐久性試験方法

用語,定義,記号及び単位 

3.1 

用語及び記号 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8908JIS Z 8909-2JIS L 1096 及び  JIS R 3420 によるほ

か,次による。

3.1.1   

引張荷重 (load) 

試験片を破断するまで引き伸ばす引張試験において観測される試験片の張力。



Z 8909-3:2008

   

3.1.2   

引張強さ (tensile strength) 

引張荷重の最大値(最大引張荷重)を試験片幅で除した値。

3.1.3   

伸び(伸張) (elongation) 

引張試験の間に引張試験片が増大した長さ。

3.1.4   

伸び率(伸張率) (elongation ratio) 

伸びをつかみ間隔で除した値又はその百分率。

3.1.5   

保持率 (retention of tensile strength) 

熱暴露を受けない試験片の引張強さに対する熱暴露した試験片の引張強さの比。

3.1.6   

最大引張荷重伸び  (elongation at maximum load) 

引張試験において,最大引張荷重での試験片の伸び。

3.1.7   

最大引張荷重伸び率  (elongation ratio at maximum load) 

引張試験において,最大引張荷重での試験片の伸び率。

3.1.8   

ストリップ法 (strip method) 

試験片の幅全体をつかみ具でつかんだ状態で行う引張試験方法。

3.1.9   

つかみ間隔  (length between holders) 

引張試験開始時の位置にある上下つかみ具のつかみ間の長さ(

図 参照)。

3.1.10   

熱暴露試験装置  (equipment for thermal exposure test) 

温度調節装置及び暴露試験片を保持する装置を備えた空気置換式の加熱槽(

図 参照)。

3.1.11   

空気置換率  (rate of air replacement) 

試験槽の全加熱空間容積に対する 1 時間当たりの空気置換回数。

3.1.12   

チャック面圧  (pressure at holder surface) 

引張試験において,引張試験片を固定するつかみ具面での圧力。

3.1.13   

初期荷重 (initial load) 

引張試験開始後,最初に試験片にかかる引張荷重。

3.2 

記号及び単位 

記号及び単位は,

表 による。


3

Z 8909-3:2008

表 1−記号及び単位

記号

項目

単位

記号

項目

単位

引張強さ

N・mm

1

t

時間 s, h

δ

伸び mm

引張荷重 N

ε

 

伸び率

つかみ間隔 mm

P

max

  最大引張荷重 N

幅 mm

δ

 max

  最大引張荷重伸び

mm

θ

 

加熱温度

試験の概要 

集じん用ろ布の耐熱性試験は,静的圧力の下で高温空気に試験片を暴露する熱暴露試験及び暴露前後の

試験片を破断する引張試験からなり,暴露温度及び熱暴露時間に対するろ布の引張強さ,伸び率などを測

定し,評価する。

5

熱暴露試験 

5.1 

熱暴露試験片の作成 

熱暴露試験片の作成は,JIS L 0105 の 5.3(試料又は試験片の調製)の試験片の調製によって,たて方向

及びよこ方向にそれぞれ 3 個の試験片を,

表 で示す熱暴露試験片寸法に採取する。

表 2−試験片の寸法及び引張試験でのつかみ間隔

単位  mm

熱暴露試験片

引張試験片

ろ布の種類

長さ

幅  (w)

長さ

つかみ間隔

(L) 

ガラス繊維織布

約 250 150

不織布

熱暴露後,引張試験片が

得られる寸法

約 200

25

つかみ 間隔 で試 験片 を

保持できる寸法

100

5.2 

熱暴露試験装置 

使用する熱暴露試験装置は,空気置換式の加熱槽で,試験片を熱暴露する試験槽,加熱装置及び換気装

置を備えるものとする(

図 参照)。

図 1−熱暴露試験装置の概略

a)  風速及び空気置換率  強制通風循環式の場合は,表 に示す A 形及び B 形の 2 種類とし,いずれかを

用いる。

表 に示す空気置換率を満たすものであれば,強制通風循環式でなくともよい。

b)  温度分布  温度分布は,設定温度の±1  %とする。 
c)  温度調節  温度調節は,設定温度の±1  ℃とする。



Z 8909-3:2008

   

表 3−熱暴露試験装置の風速及び空気置換率

熱暴露試験装置の形式

平均風速 (m・s

1

)

空気置換率

A 形

1±0.2 1 分間に 1 回以上

B 形 0.5±0.1 1 時間に 3∼10 回

5.3 

熱暴露試験片の熱暴露 

a)  試験片の取付け  熱暴露試験装置における熱暴露試験片の取付けは,次のいずれかによって行う。

1)  回転枠式  JIS K 7212 の 5.3(試験片取付枠)に規定する試験片取付枠に準じた回転枠につり下げる

図 2a)]。

2)  試料棚式  熱暴露試験片が均一な暴露条件になるように載せる[図 2b)]。   
3)  固定枠式  回転しない枠につり下げる[図 2c)]。

b)  回転速度  熱暴露試験片を回転式の装置につるす場合,回転速度は毎分 5∼10 回が望ましい。 
c)  温度  温度は,250  ℃以下とするが,受渡当事者間の協定によって調整できるものとする。 
d)  時間  熱暴露時間は,少なくとも 500 時間とする。最長暴露時間内に 3 点以上の熱暴露を行い引張試

験をする。

e)  空気置換率  空気置換率は,表 による。 
5.4 

熱暴露による寸法変化 

熱暴露前後の各試験片の寸法及び質量を測定する。 

5.5 

試験片の保存 

作成した試験片は,引張試験時までデシケータ(恒湿槽)内で保管する。

a)  回転枠式   b) 

試料棚式  

c) 

固定枠式 

図 2−熱暴露試験片の暴露方法 

引張試験 

6.1 

引張試験機 

引張試験機は,JIS L 1096 

附属書 7-A(試験機のタイプ)による。試験機のタイプは,定速伸張形,

定速緊張形又は定速荷重形のいずれでもよい。

6.2 

引張試験片の作成   

引張試験片の作成は,次による。不織布では JIS L 1096 の 8.12.1(標準時)

a) A 法(ストリップ法)

のカットストリップ法,又はガラス繊維織布では JIS R 3420 の 7.4(引張強さ)のタイプⅢにそれぞれ基

づいて,熱暴露後の試験片寸法を

表 の寸法に調整する(図 参照)。 


5

Z 8909-3:2008

a)  引張試験片長さ  引張試験片長さは,つかみ具の大きさを勘案して表 のつかみ間隔が確保できる長

さに調整する。

b)  引張試験片幅  引張試験片幅は,表 による。ただし,織布では採取時に両側の糸を除いて,糸本数

が整数で試験片の実際の幅が 25 mm に最も近いものとする。

図 3−引張試験片及びその固定 

6.3 

引張試験方法 

引張試験は,5.3 の熱暴露試験前後の試験片を用いて,次の手順で行う。

a)  引張試験片幅の測定  引張試験片の上下の幅 w

1

及び  w

2

を測定し,その算術平均値を引張試験片幅 w

とする(

図 参照)。

b)  引張試験片の固定  引張試験片は,目視で分かるような損傷を起こさず,また,引張試験において滑

りを起こさないつかみ具で固定する。エアーチャック又は油圧チャックによる自動把持,又は手締め

つかみ具を用いる。

注記  手締めつかみ具を用いる場合は,引張試験時に滑りが生じていないことをあらかじめ確認す

るか,又はあらかじめ滑りが生じないトルクを測定し,そのトルク以上において引張試験を

行う。ガラス繊維織布の場合は 35 N・m 以上,その他の場合は 30 N・m 以上が望ましい。エア

ーチャック又は油圧チャックを使用する場合のチャック面圧は,ゲージ圧で 0.4 MPa 以上が

望ましい。滑りの判断には荷重−伸び(応力−ひずみ)曲線(

図 参照)の観察をするのが

よい。

c)  チャック面  チャック面の形状は,平滑で平らであることが望ましいが,試験片を満足につかめない

場合には,筋を付けた面,刻み目を入れた面又は波形を付けた面をもつつかみ具を用いてもよい。

d)  つかみ部の滑り止め  試験片が十分に保持できない場合には,試料のつかみ部を裏打ちすることによ

って,滑りを防止することが望ましい。滑り止めに適した材質には,紙,フェルト,皮革,プラスチ

ック,シートゴムなどがある。

e)  引張方向  引張方向は,試験片の長手方向とする。 
f)  引張試験片数  同一の暴露条件に対して,たて及びよこ方向の引張試験の試験片数は,それぞれ 3 個

とする。

g)  引張試験温度  引張試験温度は,JIS Z 8703 の 23  ℃  5 級又は暴露温度とする。 
h)  つかみ間隔  つかみ間隔は,表 による。 
i) 

予熱  暴露温度で引張試験を行う場合には,設定温度で 10 分間以上予熱する。

j)  引張速度  引張速度は,ガラス繊維織布では 200 mm・min

1

,不織布では 100 mm・min

1

とする。



Z 8909-3:2008

   

k)  引張試験操作  荷重−伸び曲線(図 参照)を基に,最大引張荷重 P

max

,最大引張荷重伸び

δ

max

を求

め,引張強さ 及び最大引張荷重伸び率

ε

max

を求める。

なお,伸びの原点は,引張荷重の初期荷重が負荷された時点とする。

図 4−荷重−伸び曲線 

結果の表示 

各種の条件で熱暴露された試験片の引張強さは,次の a)及び b)から算出し,また,最大引張荷重伸び率

は,c)によって算出し,

図 の例のように劣化挙動を表示する。

a)  引張強さ  得られた最大引張荷重 P

max

から引張強さ は,式 (1) で算出する。

)

mm

N

(

1

max

=

w

P

T

 (1)

ここに,

w:  引張試験片の幅 (mm)

注記  引張強さの表記として,単位引張試験片幅当たりの値のほか,幅 25 mm での最大引張荷重の

値 P

25

 P

25

× 25  (N)   (2)

として表示してもよい。

b)  保持率  熱暴露前後の引張強さの比で与えられる保持率は,式 (3) で算出する。

保持率

  

=

T

T

0

×100  (%)

 (3)

ここに,

T

0

:  熱暴露されていないろ布材の引張強さ (N)

c)  最大引張荷重伸び率  得られた最大引張荷重伸び

δ

max

から,最大引張荷重伸び率

ε

 max

  は,式 (4) で算

出する。

 

ε

max

= δ

max

L

×100  (%)

 (4)

ここに,

L:  引張試験前のつかみ間隔 (mm)

d)  試験結果  試験結果は,各測定値の算術平均値を採用する。 
e)  
ろ布の劣化挙動  ろ布材の機械的強度の低下を劣化とみなして,次の引張特性の変化曲線によって耐

熱性を表示する。

1)  引張特性(引張強さ,保持率又は最大引張荷重伸び率)−暴露時間曲線[図 5 a)  参照]


7

Z 8909-3:2008

2)  引張特性(引張強さ,保持率又は最大引張荷重伸び率)−暴露温度曲線[図 5 b)  参照]

 a) 

引張特性−時間曲線  

b) 

引張特性−温度曲線 

図 5−ろ布の耐熱性表示の例 

試験結果の報告 

試験結果の報告は,

表 によって記載する。



Z 8909-3:2008

   

表 4−試験結果の報告

ろ布材 
名称

繊維の種類

JIS 表示番号

JIS Z 8908

表面加工

製造業者

単 位 面 積 当 た り の 質 量
(g・m

2

品番

厚さ(mm)

材質

通気性(m・s

1

熱暴露試験 
試験番号

試験場所

暴露開始年月日

試験室温度(℃)

試験者

試験室湿度(%)

熱暴露試験条件 
熱暴露試験装置

形式

  A 形,  B 形

暴露温度(℃)

加熱槽容積(L)

風速(m・s

1

)

空気置換率(h

1

試験片の保持方法

 
a)  回転枠式(回転速度:                 min

1

,b)  試料棚式,c)  固定枠式,

d)  その他:

熱暴露試験片

暴露前

暴露後

試料

番号

暴露時間

(h)

たて

よこ

質量(g)

幅(mm)

長さ(mm)

質量(g)

幅(mm)

長さ(mm)

引張試験 
試験番号

試験場所

試験年月日

試験室温度(℃)

試験者

試験室湿度(%)

引張試験機形式

最大引張荷重(N)

引張試験条件

つかみ方法

空気圧把持,油圧把持

手締め把持

チャック面圧(kPa)

手締めトルク(N・m)

チャック面形状

滑り止め材

引張速度(mm・s

1

)  :

つかみ間隔(mm)

幅(mm)

試料
番号

w

1

w

2

最大引張荷重

P

max

(N)

引張強さ

T(N・mm

1

)

保持率 
(%)

最大引張荷重伸び

δ

max

  (mm)

最大引張荷重伸び率

ε

max

(%)

 

 

 

 

 

 

 

平均

- - -

 

 

 


9

Z 8909-3:2008

表 4−試験結果の報告(続き)

幅(mm)

試料
番号

w

1

w

2

最大引張荷重

P

max

(N)

引張強さ

T(N・mm

1

)

保持率 
(%)

最大引張荷重伸び

δ

max

  (mm)

最大引張荷重伸び率

ε

max

(%)

平均

- - -

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

規格から逸脱した場合の詳細