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Z 8908 : 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS Z 8908 : 1994 は改正され,この規格に置き換えられる。


日本工業規格

JIS

 Z

8908

 : 1998

集じん用ろ布

Filter fabrics for dust collection

1.

適用範囲  この規格は,乾式ろ過集じん装置に用いる集じん用織布(以下,織布という。)及び集じん

用不織布(以下,不織布という。

)の表示方法と品質の表し方について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格は,その最新版を適用する。

JIS B 7503

  ダイヤルゲージ

JIS L 1096

  一般織物試験方法

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS L 1096 によるほか,次による。

a)

乾式ろ過集じん装置  ろ布によって含じんガスから粒子を分離捕集する装置。バグフィルタともいう。

b)

織布  織物のろ布。

c)

不織布  織物のように織ることなく繊維を結合させたろ布。

d)

組織  たて(経)糸とよこ(緯)糸とを一定の規則に従い互いに交錯させた織物の状態。

e)

短繊維  木綿のように一本の長さが短い繊維。

f)

長繊維  絹のように連続した長い繊維。フィラメント糸をいう。

g)

番手  糸の太さを表す単位。綿番手は,453.59g 当たりの糸の長さをハンク数(1 ハンク=768.1m)で

表したもの。

h)

密度  織布の 2.54cm 当たりのたて糸及びよこ糸の数。

i)

基布  不織布のしん地となる布。

j)

ウェブ  不織布を構成する繊維層。

k)

目付  ろ布の単位面積当たりの質量。通常,1 平方メートル当たりの質量 (g/m

2

)

で表す。

l)

通気性  ろ布の前後の圧力差を一定にしたときに,ろ布を通過する空気量を (cm

3

/s) /cm

2

で表した値。

m)

帯電対策  導電性繊維を混入するなどし,静電気の発生の抑制又は静電気障害の防止を行うこと。

n)

表面加工  ろ過特性を改善するための,ろ布表面などの加工。

o)

テックス  長さ 1km 当たりの,糸の質量をグラム数で表したもの。

4.

ろ布の区分及び記号  ろ布は,織布,不織布の区別,材料,組織,基布の有無,繊維の長短,帯電対

策及び表面加工の有無によって,次のとおり区分する。

a)

織布,不織布の区別  ろ布は,織布か,不織布かによって,表 のとおり区分する。


2

Z 8908 : 1998

表 1  織布,不織布の記号

記号

構造

W

織布

N

不織布

b)

材料  ろ布は,糸又はウェブの材料によって表 のとおり区分する。ただし,2 種類以上の材料で構

成されているものについては,主な材料で区分する。

表 2  材料の記号

記号

材料

A

アクリル

C

木綿(コットン)

E

ポリエステル

F

四ふつ化エチレン

G

ガラス

H

芳香族ポリアミド(アラミド)

I

ポリイミド

N

ポリアミド(ナイロン 66,ナイロン 6)

P

ポリプロピレン

S

ポリフェニレンサルファイド (PPS)

Z

その他(セラミックス,金属など)

c)

組織  織布は,組織によって,表 のとおり区分する。

表 3  組織の記号

記号

組織

P

平織

T

あや(綾)織

S

しゅす(朱子)織

Z

その他

d)

基布の有無  不織布は,基布の有無によって,表 のとおり区分する。ただし,基布がある場合は材

料によって区分する。

表 4  基布の記号

記号

基布の有無

表 による  あり

O

(オー)  なし

e)

繊維の長短  ろ布は,繊維の長短によって,表 のとおり区分する。

なお,織布の場合は 2 個の記号で表し,たて糸,よこ糸の順に示す。

また,不織布の場合は,ウェブの種類を示す。

表 5  繊維の長短を表す記号

記号

種類

F

長繊維

S

短繊維

M

長繊維と短繊維の混合

Z

その他

f)

帯電対策の有無  ろ布は,帯電対策の有無によって,表 のとおり区分する。


3

Z 8908 : 1998

表 6  帯電対策の有無を表す記号

記号

帯電対策

E

あり

O

なし

g)

表面加工  ろ布は,表面加工の種類によって,表 のとおり区分する。不織布については,2 種類の

加工が複合して行われることがあるので,2 個の記号で表示することとし,表面加工が 1 種類の場合

は,最初の記号が加工の種類を表し,最後の記号は O(オー)と表示する。

例  不織布で表面加工が 1 種類の場合  MO

不織布で表面加工が 2 種類の場合  DS

表 7  表面加工の記号

記号

加工の種類

C

コーティング加工

D

ディッピング加工

F

膜加工(ラミネート加工など)

M

平滑加工(カレンダー加工など)

S

毛焼加工

Z

その他

O

加工なし

5.

品質

5.1

品質の表し方  ろ布の品質の表し方は,糸の太さ,密度,目付,厚さ,通気性,引張強さ及び伸び

率で表し,

表 のとおりとする。

なお,各項目の試験は,5.2 によって行う。

表 8  ろ布の品質の表し方

品質項目  試験方法

品質の表し方

糸の太さ

テックス (tex) の数値

密度

5.2b

織布の 2.54cm 当たりのたて糸及びよこ糸の数

目付

5.2c

g/m

2

の数値

厚さ

5.2d

mm

の数値

通気性

5.2e

(cm

3

/s) /cm

2

の数値

引張強さ

5.2f

N

の数値

伸び率

5.2f

%4 の数値

5.2

試験方法

a)

試験場所  ろ布の試験場所は,JIS L 1096 の 4.1(試験場所)による。

b)

密度  織布の密度は,JIS L 1096 の 6.6(密度)によって試験する。

c)

目付  ろ布の目付は,JIS L 1096 の 6.4.2(標準状態における単位面積当たりの質量)によって 1g の

単位まで読み取り,10 のけたまで求める。

d)

厚さ  ろ布の厚さは,JIS L 1096 の 6.5(厚さ)によって mm の単位で測定する。

なお,厚さ測定器は,JIS B 7503 のダイヤルゲージ又はスナップゲージを用いる。

e)

通気性  ろ布の通気性は,JIS L 1096 の 6.27.1(A 法)又はこれに準じる方法によって試験し,124.5Pa

の圧力差を与えたときの通過空気量を (cm

3

/s) /cm

2

で表す。

f)

引張強さ及び伸び率  ろ布の引張強さ及び伸び率は,JIS L 1096 の 6.12.1(1)の A 法によって試験する。

なお,試験片の幅は,織布の場合 3cm,不織布の場合 5cm とする。


4

Z 8908 : 1998

5.3

外観及び包装

a)

外観  ろ布の外観は,使用上障害となる織りむら,糸むら,汚れ,きず,あな(孔)などの欠陥があ

ってはならない。

b)

包装  ろ布の包装は,ぬれ,損傷のないような適切な方法で行う。

6.

ろ布の呼び方及び表示

6.1

ろ布の呼び方  ろ布の呼び方は,表示記号による。表示記号は,次のように 10 個の記号及び数字で

構成する。

a)

織布  織布の表示記号は,織布を表す W に続き,材料,組織,繊維の長短,目付,通気性,帯電対策,

表面加工の順とする。

なお,繊維の長短を表す記号については,最初の記号がたて糸,次の記号がよこ糸を表す。

(

1

)

目付の表示は,

8によって行い,10未満の数値は切り捨てる。ただし,990g/m

2

以上の数値は

99

と表示する。

(

2

)

通気性の表示は,

表 による。

表 9  ろ布の通気性の表し方

記号

通気性 (cm

3

/s) /cm

2

A

1

未満

B 1

以上

5

未満

C 5

以上

10

未満

D 10

以上

20

未満

E 20

以上

30

未満

F 30

以上

50

未満

G 50

以上

b)

不織布  不織布の表示記号は,不織布を表す N に続き,材料,基布,繊維の長短,目付,通気性,帯

電対策,表面加工の順とするが,表面加工については,2 種類の加工が複合して行われることがある

ので 2 個の記号で表す。加工が 1 種類の場合は,最後のけたは O(オー)とする。


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Z 8908 : 1998

6.2

表示  ろ布の表示は,次の例のように表す。

a)

織布  W-E T S S 3 2 C E F

b)

不織布  N-E O S 5 0 C E M O

関連規格  JIS L 0206  繊維用語(織物部門)

JIS L 0208

  繊維用語−試験部門

JIS L 0217

  繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法

JIS L 1013

  化学繊維フィラメント糸試験方法

JIS L 1015

  化学繊維ステープル試験方法

JIS L 1085

  不織布しん地試験方法

JIS L 1095

  一般紡績糸試験方法

JIS L 1906

  一般長繊維不織布試験方法

JIS L 3201

  羊毛長尺フェルト

JIS R 3420

  ガラス繊維一般試験方法

JIS R 3421

  集じん用処理ガラスクロス