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Z 8832

:2010

(1)

目  次

ページ

序文

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  用語及び定義

1

4  記号

2

5  測定原理

3

5.1  一般

3

5.2  出力応答

3

5.3  測定限界

4

6  測定の準備

5

6.1  装置の設置

5

6.2  校正

5

6.3  電解質溶液の選択

5

6.4  電解質溶液の調製

6

6.5  推奨するサンプリング方法,分割方法,試料調製及び分散方法

6

6.6  アパチャーと測定容積の選択

7

7  測定

7

7.1  手順

7

7.2  測定上の留意事項

8

8  試験結果の表し方

10

9  試験結果の報告

10

附属書 A(参考)多孔質粒子及び導電性粒子の測定のための校正方法

11

附属書 B(参考)二つ以上のアパチャーを使用する方法

14

附属書 C(参考)装置の操作又はサンプル調製に関する正しさのカイ二乗検定

16

附属書 D(参考)粒子と電解質溶液

18

附属書 E(参考)質量積分法

29

附属書 F(参考)頻繁に使用するアパチャーの校正及び管理

34

附属書 JA(規定)同時通過粒子の影響

35

附属書 JB(規定)不感時間

36

附属書 JC(規定)装置及びシステムの線形性

37

参考文献

38

附属書 JD(参考)JIS と対応国際規格との対比表

40


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(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本粉体工業技術協会(APPIE)及

び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

8832

:2010

粒子径分布測定方法−電気的検知帯法

Determination of particle size distributions

−Electrical sensing zone method

序文

この規格は,2007 年に第 2 版として発行された ISO 13319 を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。変

更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JD に示す。

1

適用範囲

この規格は,電気的検知帯法を用いて電解質溶液中に分散する粒子の粒子径分布を測定する方法につい

て規定する。電気的検知帯法は,粒子の体積又は直径を電気的パルス信号から測定するもので,測定でき

る粒子径の範囲は一般的には 0.4∼1 200 μm である。電気的検知帯法は,特定の物質の測定に対して特別

な取扱いを必要としない。

注記 1  多孔質粒子及び導電性粒子の正確な測定方法は,附属書 を参照。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 13319:2007,Determination of particle size distributions−Electrical sensing zone method

(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 8819-1  粒子径測定結果の表現−第 1 部:図示方法 
JIS Z 8819-2  粒子径測定結果の表現−第 2 部:粒子径分布からの平均粒子径又は平均粒子直径及びモ

ーメントの計算

注記  対応国際規格:ISO 9276-2,Representation of results of particle size analysis−Part 2: Calculation

of average particle sizes/diameters and moments from particle size distributions(IDT)

JIS Z 8824  粒子径測定のための試料調製−粉体の液中分散方法

ISO 14488,Particulate materials−Sampling and sample splitting for the determination of particulate properties

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。


2

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3.1

不感時間 (dead time)

電子機器が,前のパルスの信号処理のために,次にくる粒子を検知できなくなる間の時間。

3.2

アパチャー (aperture)

懸濁液が吸引される直径の小さい穴。

3.3

検知帯 (sensing zone)

粒子を検出する細孔内部及びその周辺の電解質溶液の領域。

3.4

サンプリング容積 (sampling volume)

測定する懸濁液の容積。

3.5

チャンネル (channel)

粒子を検出するとき,粒子の大きさを分別するために設けた粒子径区間。

3.6

見かけの大きさ (envelope size)

顕微鏡で確認できる多孔質粒子の外観の大きさ。

3.7

見かけの体積 (envelope volume)

見かけの大きさで定義する多孔質粒子の体積。

4

記号

この規格で用いる記号は,次による。

A

p

最も頻度の高い電気パルス高さ

A

x

任意の粒子によって発生する電気パルス高さ

D

アパチャー径

d

L

粒子径区間(又は粒子径チャンネル)の小さい方の境界値

d

p

粒子径が校正された標準粒子のモード径

d

U

粒子径区間(又は粒子径チャンネル)の大きい方の境界値

K

d

アパチャーの校正係数

d

アパチャーの平均校正係数

K

d a

アパチャーの校正係数の初期設定値

m

サンプルの質量

N

i

番目の粒子径区間までに含まれる粒子計数値

Δ

N

i

番目の粒子径区間に含まれる粒子計数値

V

i

しきい値又はチャンネル境界から得た粒子の体積

V

m

測定容積(一回の測定で使用した懸濁液の容積)

V

T

質量 の試料粒子が分散している電解質溶液の容積

x

粒子の体積と等しい体積をもつ球形粒子の直径


3

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ρ

置換される電解質単位容積当たりの粒子の質量(粒子密度)

平均校正係数の標準偏差

5

測定原理

5.1

一般

粒子を電解質溶液中に分散した希釈懸濁液は,均質な混合物となるようにかくはんされ,アパチャーを

通して吸引される。アパチャーの両側に配置された二つの電極間に電流を印加することによって,粒子が

アパチャーを通過するときの電気抵抗の変化によって粒子が検知される。発生した粒子信号は増幅されて

カウントされ,パルスの高さが測定される。校正係数を用いることで,粒子の体積相当径基準の粒子径分

布が得られる。通常,この分布は,粒子径に対する質量分率パーセントに換算されるが,粒子径パラメー

タは粒子と同じ体積及び密度をもつ球の直径で表現される。

なお,

図 に測定原理図を示す。

5.2

出力応答

粒子形状が球形の場合には,粒子体積に比例した出力応答(すなわち,粒子がアパチャーを通過すると

きに得られる電気パルス)が検出されることは,実験的にも理論的にも明らかになっている(参考文献

[1]

∼[3]

参照)

。出力応答は粒子体積に比例するため,パルスの振幅は粒子体積の相対的な尺度となる。校正

によって,この尺度は球形粒子の直径に換算する。直径を基にした校正定数は,式

(1)

によって計算する。

3

p

p

d

A

d

K

=

 (1)

粒子を球形としたときの大きさ は,パルス高さから式

(2)

で計算する。

3

x

d

A

K

x

=

 (2)

他の形状の粒子についても粒子体積に比例する出力応答が得られるが,比例定数(すなわち,測定器の

校正定数)は異なる(参考文献

[4]

参照)

。また一般的に粒子の電気伝導度は,電解質溶液と比較して小

さくなくてはならないが,導電性の高い粒子,例えば金属(参考文献 [5] 参照)

,カーボン(参考文献

[6]

参照)

,シリコン,又は多くの種類の細胞,血液細胞のような有機物についても測定することができる(参

考文献

[7],[8]

参照)

。多孔質粒子では,気孔率に応じて出力応答が変化する(参考文献

[10],[11]

参照)

注記  導電性粒子及び多孔質粒子の測定については,附属書 に示す。

d

,

K

σ


4

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1

容積測定デバイス

2

切替え弁

3

パルス増幅器

4

オシロスコープ

5

計数回路

6

パルス波高分析器

7

出力端

8

電解質溶液に粒子をかくはん・分散した懸濁液

9

アパチャー

10  計数の開始及び終了を伝える回路端 
11  電極

図 1−電気的検知帯法の原理図

5.3

測定限界

一般に,電気的検知帯法において検出可能な最小粒子径は,熱及び電気的ノイズによって制約されると

考えられている。その限界は通常約 0.6  μm であるが,最適な条件下であれば 0.4  μm も可能である。理論

的には上限値はなく,電解質溶液の密度に近い粒子の場合は,最大のアパチャー(通常は 2 000 μm)を使

用することが可能である。実用上の上限値は粒子密度によって制約され,約 1 200 μm である。懸濁液中に

粒子を均一に分散するために,例えば,グリセリン又は糖を加えて粘度及び密度を増加させてもよい。懸

濁液の均一性は,かくはん速度を変化させながら繰返し測定することによって確認できる。この結果に基

づいて,最も大きな粒子が分散する最小のかくはん速度で測定しなければならない。

単独のアパチャーでは,粒子径測定範囲はアパチャーの直径 に関係する。出力応答は,理想的な条件

下では,5

%の誤差で 0.015∼0.8 の範囲で線形比例する(100 μm のアパチャーであれば,1.5∼80 μm の

範囲)

。粒子が球形でない場合には,アパチャーは,測定可能な最大粒子径よりも小さな粒子径で詰まる傾

向がある。実際には,熱的又は電気的ノイズによる制限,及びアパチャーを通過する非球形粒子の物理的

な制約から,測定可能範囲は,アパチャー径の 2∼60

%までの範囲である。2 個又はそれ以上のアパチャ

ーを使用すれば,測定範囲を拡大することができる(

附属書 参照)。実際には適切な粒子径範囲をカバ

ーする 1 個のアパチャーを選定することで,複数のアパチャーの使用を避けることができる場合もある。


5

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6

測定の準備

6.1

装置の設置

計測機器は,電気的ノイズ及び振動の影響がなく,清浄な環境に設置すべきである。有機溶剤を使用す

る場合には,計測機器の設置環境を十分に換気すべきである。同時通過粒子の影響,不感時間,装置及び

システムの線形性については,それぞれ

附属書 JA,附属書 JB 及び附属書 JC によって検定する。

6.2

校正

6.2.1

一般

電気的検知帯法による測定装置は,大きさが既知で粒子径分布の狭い高分子ラテックス球形粒子を用い

て校正する。

他の方法に,絶対的な測定法である質量積分法がある。この方法では,ひょう量した質量及び測定装置

によって求めた質量を直接比較する(参考文献

[11],[12]

参照)

。この校正法は,質量を直接追跡するこ

とができ,粒子の形状,気孔率又は電気伝導度に関する情報は必要としない。

多孔質粒子に関しては,特別な注意が必要である。このような粒子は,試料調整中に,細孔内に少なく

とも部分的に電解質溶液が浸入する。この浸入した電解質溶液は,粒子が検知帯を通過するときに生じる

電気抵抗変化をある程度小さくするように働く。その結果,多孔質粒子によって発生するパルスの大きさ

は,同じ体積の中実粒子よりも小さくなる。ある種の多孔質粒子では,その差は無視できず,見かけの大

きさの半分まで小さくなることがある。

注記 1  質量積分法による校正方法を附属書 に示す。

注記 2  多孔質粒子を測定する場合の校正方法を附属書 に示す。

6.2.2

校正手順−微小球形粒子による校正

校正には,様々な他の方法で粒子特性が評価された単峰性で粒子径分布の狭い微小球形粒子が利用でき

る。それらは,BCR(Community Bureau of Reference)の標準粒子,NIST(National Institute of Standards and

Technology)の標準粒子,又は同様の標準粒子によって長さの次元まで追跡できなければならない。使用

する校正方法は,用いるこれらの微小球形粒子の大きさ及び使用する測定装置に依存する(詳細は,計測

器の製造業者に確認する。

例えば,均等な幅のチャンネルに対して粒子数を普通方眼紙上にプロットしたヒストグラム(頻度)を

得る方法がある。その分布が左右対称であれば最大個数(頻度)を示すチャンネルの中央値の粒子径は,

校正粒子のモード径にごく近い値となる。分布が対称でない場合は中央のチャンネルを挟む左右いずれか

のチャンネルの粒子数から対応するチャンネル位置を計算する。校正定数はこの両粒子径の比である。

校正は定期的に行うか,又はアパチャー及び電解質溶液を変更するたびに行い,校正定数の変動が 1.0

以下であることを確認する。

注記  頻繁に使用するアパチャーの校正方法を,附属書 に示す。

6.3

電解質溶液の選択

6.3.1

一般

電解質溶液には,含まれるサンプルが安定となるものを選ぶ。測定中,一般的には 5 分以内に電解質溶

液が分解又は反応せず,また懸濁粒子が凝集せず,さらに,一度得られた分散状態が変化しないことが望

まれる。水に溶解しない粒子は,種々の電解質水溶液で測定することができる。小さなアパチャー(D

50 μm)又は大きなアパチャー(D≧400 μm)を使用するときには,それぞれのアパチャーに固有な特徴に

則した特別の取扱いをしなくてはならない。

注記  粒子に対して推奨する電解質溶液を,附属書 に示す。


6

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6.3.2

小さなアパチャーの場合(D50 μm

電解質溶液は,4

%塩化ナトリウム水溶液又はそれと同等の電導度をもつ溶液を用いる。0.2  μm のメン

ブレンフィルターで電解質溶液を 2 回ろ過することが望ましい。

6.3.3

大きなアパチャーの場合(D400 μm

アパチャーを通過する速い流れによって,ノイズ信号の原因となり得る乱れを未然に防ぐために,電解

質溶液にグルコース又はグリセリンの添加によって電解質溶液の粘度を増加させてもよい。10

%のグリセ

リンは,径が 400 μm と 560 μm のアパチャー使用時に対して,また,30

%のグリセリンは,1 000 μm 及び

2 000 μm のアパチャーの使用時に対して推奨する。

6.4

電解質溶液の調製

バックグラウンド計数値を実用的なレベル以下にするために,測定粒子の最小粒子径よりも小さな孔径

のメンブレンフィルターで電解質溶液を十分にろ過することが望ましい。フィルターに付けられている値

は絶対的でないことに注意する。一般には,平均細孔径が示されている。この値の細孔径周りの分布幅は,

フィルターのタイプ及び製造業者によって様々である。このことが,使用するフィルター径の選択に影響

する。ろ過された電解質溶液又は他の適切な溶媒で,使用するすべてのガラス器具及び機材を予備洗浄す

ることが望ましい。バックグラウンド計数値は,

表 に示した値を超えず,またバックグラウンドの粒子

の全等価体積は,続いて測定容積中で測定する全粒子体積の 0.1

%に相当する値を超えないことが望まし

い。

表 1−一般的なアパチャーを用いたときのバックグラウンド計数値

アパチャー径 D

μm

測定容積

a

)

 V

m

mL

バックグラウンド

計数値

b

)

1 000 2

2

560 2

10

400 2

25

280 2

75

200 2  200 
140 2  600 
100 0.5  400

70 0.5

1 200

50 0.05 300 
30 0.05

1 500

20 0.05

5 000

a

)

  他のサンプリング容積については,比例配分した値を用いる。

b

)

  推奨最大値

6.5

推奨するサンプリング方法,分割方法,試料調製及び分散方法

6.5.1

一般

試料のサンプリング方法及び試料の分割方法に関する手引きは,ISO 14488 による。分散剤及び分散方

法については,JIS Z 8824 で推薦される分散剤又は

附属書 から選択する。測定を行う上で,試験試料の

取扱いに関する専門家の知識を利用してもよい。

6.5.2

ペーストの利用

試料は,0.2 cm

3

程度に分割することが望ましい。もし,試料が粉末状の場合は,分割して,凝集粒子を


7

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解砕するために適切な分散剤を数滴落とし,柔らかなスパチュラで優しく練る。約 20∼50 mg のペースト

をビーカに移し,分散剤を加え,数滴の電解質溶液で薄く延ばす。ビーカに電解質溶液を満たし,ときど

きかくはんしながら適度な振動数と出力の超音波バスに 1 分間入れる。再現性のよい分散手法とするため

に,ストップウオッチの使用を推奨する。十分に分散することを必要としない試料の場合は,電解質溶液

と分散剤とをかくはんしながら加えてもよい。

注記  高エネルギーの超音波バス及び超音波プローブ,ブレンダー及びミキサーは,粒子の凝集及び

粉砕の両方の原因となる可能性がある。

6.5.3

50 μm 未満の低密度粒子の分散方法

測定対象粒子を約 1 g に分割する。これを分散剤と混ぜ,電解質溶液に加えて試料原液を作製する。次

に,この試料原液が入ったビーカを超音波槽の中に 45 秒間入れる。この試料原液をよくかくはんした後,

ピペットを用いて 5 mL 取り出し,約 400 mL の電解質溶液に加え,試料とする。超音波槽に更に 15 秒入

れる。この方法を用いるときに重要なことは,少なくとも 2 個の試料を試料原液から作製し,この分取サ

ンプリングの再現性と測定の再現性とを保証するために測定を行うことである。

6.5.4

懸濁液及びエマルション

懸濁液及びエマルションは,元の懸濁液及びエマルションに少量ずつ電解質溶液を加えて希釈すること

が望ましく,逆に大容積の希釈液の中に少量のエマルションを加えることは望ましくない。希釈は,段階

的に徐々に行い,それぞれの段階でかくはんをすることが望ましい。希釈に伴うショックを避けるために,

O/W(oil-in-water)エマルションは,最初に,蒸留水又は脱イオン水で希釈してもよい。

6.5.5

分散状態の検証

光学顕微鏡を用いて,分散された少量のサンプルを顕微鏡用スライドガラス上に載せ,分散の程度を検

証し,粒子径の範囲を見積もる。

6.6

アパチャーと測定容積の選択

顕微鏡による検査(6.5.5 参照)から,存在する最大の粒子径の大きさを推定する。粒子径測定用のアパ

チャーの選定は,測定の対象となる粒子の最大直径がアパチャーの直径の 60

%を超えないようにして,ア

パチャーが詰まる可能性を低減させるようにする。粒子が球形又は球形に近い形状の場合には,粒子の最

大直径がアパチャーの直径の 80

%以下になるように選定してもよい。もし,サンプルのかなりの量が,そ

のアパチャーの下限サイズ(アパチャー径の 1.5

%)を下回るときは,二番目,更には三番目の小さなア

パチャーが必要となる。特定のアパチャーでは計数しない粒子を含む総数を測定するもう一つの方法は,

質量積分法を実施することである。

適切なサンプル量を

表 JA.1 を基準にして選ぶか,又は適切な積算時間を選択する。許容可能な精度を得

るためには,測定容積を大きくして測定するか,又は長時間の積算を行うことが必要である。例えば,粒

子 50 000 個のカウントでは,0.4

%の精度(相対標準偏差)になる。少ない粒子計数では精度が低下する

ので,大きいアパチャーを使用する場合には,特に注意が必要となる(7.2.2 参照)

注記 1  二つ以上のアパチャーを使用する方法は,附属書 に示す。

注記 2  マスバランス法は,附属書 に示す。

注記 3  装置の操作及びサンプル調製に関するカイ二乗検定方法を,附属書 に示す。

7

測定

7.1

手順

電気的検知帯法の測定装置による標準的な測定手順を,次に示す。ただし,一部の測定装置では自動化


8

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されているものがあるため,製造業者の推奨する手順及び取扱説明書の指示に従う。

a)  測定装置と制御用コンピュータの電源を入れ,該当ソフトを起動させ,各部の動作が正常であること

を確認する。

b)  試料に適するアパチャーを取り付けた装置に電解質溶液を満たす。

c)  測定するための各設定(アパチャーへの印加電流値,増幅率,校正係数,粒子計数方法など)を決め

る。

d)  図 に一例を示す測定に適した容器に電解質溶液を入れ,容器を測定装置の規定位置に設置し,試料

の粒子径に適した速度でかくはん装置を回転させる。

e)  6.5 に推奨する試料の調製方法で,試料の懸濁液を作る。

f)  装置に設置した容器に,e)

で調製した試料懸濁液をスポイトなどで装置の適正濃度になるまで滴下す

る。

g)  測定を開始し,試料懸濁液を計測する。

h)  測定結果を解析し,粒子径分布を求める。

1

アパチャーチューブ

2

かくはん機

3

邪魔板

図 2−かくはん機と邪魔板の附属したビーカの例

7.2

測定上の留意事項

7.2.1

分散状態の安定性の検証

ビーカに最適なアパチャーを取り付け,調製した懸濁液を入れ,外壁の水滴をぬぐ(拭)い取り,試料

台に載せる。かくはん機を,気泡を発生させる渦ができない最も有効な速度に調整する。そのとき,測定

時間中の分散の安定性を確かめる。懸濁液のかくはん後,直ちに粒子径分布測定を行う。その後,懸濁液

を 5∼10 分間かくはんし,再度測定を行う。アパチャー径の 30

%及び 5

%付近の粒子径(それぞれ x

max


9

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び x

min

と表記)における積算計数値を記録する。計数値変動が統計から推定されるよりも大きい場合は,

分散状態が安定でないことを示している(7.2.2 参照)

。分散状態の安定性の追加的検証は,原信号パルス

の記録値から測定装置内でも行うことができる。測定時間中の信号パルス列の不均質性は,分散の安定性

の変動を示している。

表 に幾つかの可能性のある要因を示す。

表 2−懸濁液の分散安定性に関する現象例

計数値の変化

考えられる現象

x

max

x

min

変化なし

変化なし

安定な分散状態

増加

増加

結晶化,沈殿

減少

減少

溶解

減少

増加

粒子径の減少,解こう

増加

減少

凝集

減少

変化なし

大粒子の沈降

7.2.2

計数の再現性

正しく行われた測定では,各粒子径区間の計数値は,ポアソン分布に従うランダム変数である。この場

合,分散(標準偏差の 2 乗)は,平均値と等しくなる。これは,計数値の標準偏差が,平均値が であれ

ば, で近似できることを示している。分散及び標準偏差は,装置の操作又は試料調製の統計的試験に

使用することができる。得られたデータが,ポアソン分布に従うか否かを調べるためにカイ二乗検定を行

う。この中で,与えられた確率及び与えられた測定回数に対する理論分散値と見かけの分散値が関係する。

附属書 にその例を示す。この統計的検定は,一つの粒子径区間でも,グループ区間でも,計数全体にで

も適用できる。

7.2.3

アパチャーの洗浄

直径が 100  μm 以下のアパチャーでは,異物粒子で詰まるおそれがある。特に洗浄作業,ろ過作業,及

びビーカその他の器具の洗浄時の不注意から異物の混入が起きやすい。完全な詰まり及び部分的な詰まり

は,装置に附属している光学器具で観察できる。詰まりは,粒子がアパチャーを通過する時間の測定又は

アパチャーの電気抵抗測定でも知ることができる。アパチャーが詰まると,通過時間が長くなったり電気

抵抗値が大きくなる。また,装置に記録されている粒子の信号パルス列を調べることによっても詰まりを

知ることができる。詰まりによって,パルス列が明らかに変化する。測定装置によっては,自動検出機能

があり,また自動的に詰まりを除去する機構がある。

なお,詰まりは,次に示すいずれかの方法で除去できる。

a)  逆流:詰まりを解消するまでアパチャーに逆方向から液を流す。

b)  煮沸:電流による加熱で液を沸騰させ,詰まりを除去することができる。これは,大電流をアパチャ

ーに流すことで行える。

c)  ブラシがけ:高品質で,柔らかくて毛足の短いブラシを使って,粒子をこすりとることができる。こ

のとき,アパチャーに損傷を与えないように注意する必要がある。

d)  適切な空気圧を加える。

e)  超音波洗浄:アパチャーの細管に電解質溶液を満たした状態で,アパチャー部分を低出力の超音波洗

浄バスに約 1 秒間浸す。必要に応じてこの操作を繰り返す。この方法は効果的ではあるが,アパチャ

ーに損傷を与えてしまう可能性があるので,極度の注意を払いながら行う必要がある。


10

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注記 50

μm 以下のアパチャーには,超音波洗浄の方法を用いない方がよい。

7.2.4

測定精度の向上

ほとんどの試料の粒子径の範囲は,一種類のアパチャーを用いて測定できる程度の狭い粒子径分布であ

る。粒子径の範囲が,単一のアパチャーで測定できないほど広い場合には,二つ以上のアパチャーを使用

することになる。もし,試料中の総粒子体積の 1.5

%以上が最小粒子径区間に該当するときは,複数アパ

チャー法(

附属書 参照)を推奨する。試料によっては,質量積分法(附属書 参照)を用いてもよい。

粒子が十分に分散した状態であれば,7.1 の手順に従って測定を開始できる。満足できる精度で測定でき

るように,測定容積を決め,又は繰返し測定ができる量を決める。また測定時間を設定する(

附属書 JA

及び

附属書 JB 参照)。粒子の計数が少ないと精度が悪くなるが,大きなアパチャーを使用するときには,

最低でも 3 回,できれば 5 回測定を繰り返すことを推奨する。試料を得るための縮分操作が適切であった

かを確認するために,元の懸濁液又は乾燥粉末から再び縮分操作を行い,同じ操作を少なくとも 1 回以上

繰り返して測定することが望ましい。測定データはすべてデータシートに記録する。

注記  測定精度に関する検定方法を,附属書 に示す。

8

試験結果の表し方

最近の装置では,粒子の体積及び数を複数チャンネルで直接測定するので,データ変換は必要ない。測

定装置によっては,球体積相当径で,又は粒子径区間で粒子の数を計数するので,データを体積割合に変

換することが必要となる場合がある。得られた個数基準データを体積基準データに変換する場合,通常シ

ンプソンの法則(参考文献

[13]

参照)(数値積分法)を使用する。各粒子の体積は,既に測定済みである

ので,チャンネル内の総粒子体積を表示するためには,粒子径チャンネル内の粒子数にチャンネルの算術

平均体積を乗ずればよい。この方法で,すべての粒子径チャンネルで全粒子の総体積を算出することが可

能となり,体積基準粒子径分布が計算できる。理にかなった精度で計算を行うためには,粒子径チャンネ

ルの粒子径間隔の幅を狭めるべきである。すなわち,チャンネルの数を多くして計数することが望ましい。

さらに,正確な方法及び分布のモーメントの計算に関しては,JIS Z 8819-2 を参照する。最近の測定装置

では計算を自動的に行うようになっている。そのように計算された体積基準粒子径分布は,もし,すべて

の粒子が同一の密度(含浸密度)であれば,質量基準粒子径分布と同一となる。

9

試験結果の報告

電気的検知帯法による試験結果は,少なくとも,次のような事項を報告書に記載することが望ましい。

粒子径測定結果の表示は,JIS Z 8819-1 及び JIS Z 8819-2 による。

a)  試料の情報

b)  試料の分散における手順,方法など。

c)  測定開始の日時及び測定にかかった時間

d)  使用したアパチャー径

e)  測定装置の設定条件(アパチャーへの印加電流値,増幅率,校正係数など)

f)  粒子径頻度分布(個数基準,又は体積基準若しくは面積基準)

g)  粒子径累積分布(個数基準,又は体積基準若しくは面積基準)

h)  粒子径分布の頻度リスト,粒子径分布の統計解析結果

i)

同時通過率(同時通過の粒子数又は試料濃度)


11

Z 8832

:2010

附属書 A

参考)

多孔質粒子及び導電性粒子の測定のための校正方法

A.1  概要

金属粒子などの導電性粒子は,ヘルムホルツ層と呼ばれる表面電位層の形成を妨げない程度の強さの電

圧を電気的検知帯法のアパチャーに印加することで正確に測定することができる。この電圧は,通常は 10

∼15 V 程度である(参考文献

[4]

参照)

試料調製時に多孔質粒子の細孔へ電解質溶液が浸入することが多い。細孔内部に浸入した電解質溶液の

存在によって,粒子がアパチャーを通過するときに生じる電気抵抗変化が小さくなることがある。この場

合,多孔質粒子は,見かけの大きさが同じ中実粒子に比べて小さなパルスを発生する。中実粒子に対して

装置を校正し,かつ,多孔質の影響に対する補正が行われていない場合は,測定される粒子の大きさは大

幅に小さくなる(

図 A.1 参照)。この問題を解決するには,室温で固化する有機物質又は水と混じりあわな

い溶媒で細孔を充てんする方法がある(参考文献

[14],[15]

参照)。しかし,有機物で細孔の大きさが変

化するような天然の高分子からなる粒子には,この方法を用いることができない。このような場合,A.3

に記載するように,測定対象粒子試料を狭い粒子径範囲に分級した試料を用いて装置を校正した後,測定

対象粒子試料を測定すると,多孔質粒子を精度良く測定できる。

1

多孔質粒子

2

多孔質を補正した粒子径(見かけの大きさ)

3

多孔質を補正しない中実粒子径

図 A.1−多孔質粒子の応答概念図

A.2  導電性物質の粒子

金属粒子のような導電性粒子に対して適切な結果を得るには,次のような測定を行う。まず,一般的な

測定条件で測定を行う。次に印加電流値を半分にし,感度を 2 倍にして測定する。同じ粒子径分布が得ら

れれば適切な測定結果と考えられる。もし,同じ粒子径分布が得られない場合,測定電流を更に小さくし,


12

Z 8832

:2010

感度を上げて測定する手順を繰り返す。銅,銀,白金などの高い導電性がある金属粒子では,表面電位層

を容易に形成しないので,非常に低い電圧を用い,0.5

%のセトリミド溶液を添加することで電気抵抗を増

加させた条件で測定すると,精度の良い結果が得られる。

A.3  多孔質粒子 
A.3.1  一般

多孔質の影響を補正するには,パルス高さ補正を測定したい試料(対象試料)で行う。ふるい又は同様

な分離方法で粒子径分布幅の狭い試料(分級試料)を作製する。コンピュータ付きの画像解析装置又は顕

微鏡写真から,この分級試料の平均径を測定する。この平均径と電気的検知帯法測定装置で測定された分

級試料の平均径とを比較することで,測定装置の校正を行う(参考文献

[9],[10]

参照)

A.3.2  試料調製

ふるいを用いる場合,使用するふるいの目開きは,できるだけ対象試料のモード径に一致させる。電成

ふるいを用いた湿式ふるいによる分級を推奨する。ふるい時に使用する溶媒は経験に照らして,できるだ

け試料に適した溶媒を選ぶ。多孔質粒子の大きさは,懸濁液のイオン強度によって変化することがある。

このため分級試料を,対象試料の測定時に使用する電解質溶液に移す。分級試料の粒子の細孔の中にある

液体を電解質溶液に置き換えるために,分級試料を一晩電解質溶液に浸せきさせるか又は超音波槽を用い

て処理する。

A.3.3  顕微鏡法と電気的検知帯法による測定

ふるいで分級した試料の一部を顕微鏡用のスライドガラスに載せ,カバーガラスをする。この試料を写

真撮影したり,画像解析装置で粒子の大きさを直接測定する。このとき重要なことは,試料を乾燥させな

いことである。少なくとも 400 個の粒子を測定する(参考文献

[9]

参照)

なお,測定すべき粒子数は JIS Z 8827-1 の手順に従って計算する(参考文献

[16]

参照)

。個数基準分布

のモード径は校正時の粒子径パラメータとして利用されることが多いが,個数基準及び体積基準のメジア

ン径も同様に用いられる。最後に微小球形粒子で校正した電気的検知帯法の装置で対象試料を測定し,粒

子径分布を求める。

A.4  顕微鏡法による解析 
A.4.1  一般

微小球形粒子の算術平均粒子径とふるいで分級した試料の算術平均粒子径は,校正時の応答係数の計算

に使用する。

A.4.2  記号

この附属書で使用する主な記号は,次による。

d

m

一次校正用に使用する標準粒子の算術平均粒子径

d

micr

  ふるいで分級した試料の顕微鏡法で決定した算術平均粒子径

d

ESZ

  ふるいで分級した試料の電気的検知帯法で決定した算術平均粒子径

d

ref

標準粒子の基準直径

f

resp

応答係数

A.4.3  計算方法

平均粒子径は,応答係数を計算するために使用する。


13

Z 8832

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ESZ

micr

resp

d

d

f

=

(A.1)

標準粒子の基準直径は,次のように与える。

m

resp

ref

d

f

d

×

=

(A.2)

この基準直径を,今後の校正値として用いる。


14

Z 8832

:2010

附属書 B

参考)

二つ以上のアパチャーを使用する方法

B.1  一般

完全な測定結果を得るために,複数のアパチャーで測定する必要がある場合,懸濁液試料を二つ又はそ

れ以上に分けて,それぞれの粒子径に合うアパチャーで測定する。懸濁液試料の分割は,通常湿式ふるい

で行う。

B.2  試料懸濁液の分割

大きな径のアパチャーで測定した後,残存している懸濁液をビーカとともにひょう量し,その懸濁液を

小さいアパチャー径の約半分の目開きをもつ電成ふるい又は単繊維からなるふるいでろ過し,ろ液を清浄

なひょう量済みのビーカに集める。大きな径のアパチャーの測定で使用したビーカに残っている粒子を,

新しい電解質溶液を用いてふるいの上で洗浄し,ふるい自体も同様にして洗浄する。洗浄液はすべて一つ

のビーカに集める。希釈率を最初と最後の懸濁液の質量から計算する。

B.3  アパチャーの組合せ

表 B.1 に記載されている例のように,適切なアパチャーの組合せが考えられる。測定領域の重なりを確

実に確保するために,小さなアパチャーの直径は大きなアパチャーの直径の 20

%以上とする。

小さなアパチャーでも,十分測定できる程度に低い電気抵抗となる電解質溶液濃度を用いる。例えば,

10 g/L の食塩水はほとんどのアパチャー径で適切な電解質溶液である。電解質溶液は,6.4 に従って準備す

る。

両アパチャーは同じ校正用標準粒子(6.2.2 参照)を用いて校正する。ここで,重なりあった粒子径領域

における校正は,合致するはずである。

表 B.1−適切なアパチャー直径の組合せの例

粒子直径(約)

μm

アパチャー直径の組合せ

μm

0.6∼84 30/140 
1.0∼120 50/200 
1.4∼168 70/280 
2.8∼240 140/400 
0.6∼240 30/140/400

B.4  測定

それぞれの粒子径範囲は,各アパチャーで測定し,異なる希釈濃度を考慮しながら測定結果を結合させ

る。詳細な操作又はコンピュータプログラムは測定装置の製造業者から入手可能であるが,基本的な方法

を次に示す。

大きい方のアパチャーによる粒子径分布データを,同時通過補正をした最初の懸濁液の単位容積当たり

のふるい上積算計数値

N

と球相当径

x

をグラフにする。例えば,両対数メモリを用いて

図 B.1 のように粒


15

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子径分布を点 1 から点 9 までプロットする。同様に小さい方のアパチャーの結果に,同時通過補正と希釈

補正をした後,点 a から点 g までを

図 B.1 にプロットする。

1 140

μm の測定

2 30

μm の測定

図 B.1−二つのアパチャーからの粒度分布の重なりを表す手順の図示

もし,希釈係数が不明な場合,小さい方のアパチャーの正確なデータに,

図 B.1 のように大きい方のア

パチャーのデータが中央部分で重なり合うように係数をかけることが望ましい。

以上の結果,全域の粒子径分布は,この例では 1,2,3,4,5,6,7,e,f,g か又は 1,2,3,4,5,

6,d,e,f,g で示され,累積質量又は体積分率

%  分布は通常の方法で計算する。重なり合った領域での

計数値は 10

%以内にある。


16

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附属書 C 

参考)

装置の操作又はサンプル調製に関する正しさのカイ二乗検定

C.1  概略

繰返し測定での粒子数は,理想的にはポアソン分布に従うと考えられる。この場合,分布の分散は平均

値に等しい。分散が著しく大きくなる場合は,粒子が試料分散液中に均一に分布していない。一方,分散

が著しく小さくなる場合は,例えば規則的な電気的雑音など,他の何かを計数している。カイ二乗検定は

繰返し測定で得られる粒子数が,ポアソン分布に従うか否かを検証するのに適している。この検定は一つ

の粒子径区間での粒子数に適用できるとともに,あるグループとしての粒子径区間での粒子数又は総粒子

数にも適用できる。

C.2  記号

この附属書で使用する主な記号は,次による。

χ

2

カイ二乗分布

n

繰返し測定回数

N

i

i

番目の繰返し測定で計数した粒子数

N

繰返し回数

N

i

i

=1, 2, 3, …,

n

)における粒子計数値の平均

p

統計的検定の有意水準

df

自由度

C.3  理論

n

回の繰返し測定における粒子計数値

N

1

N

2

,…,

N

i

に対し,ポアソン分布の仮定は,分散の実測値と

理論値を比較することによって検定できる。検定統計量は,式

(C.1)

及び式

(C.2)

によって求める。

(

)

N

N

N

n

i

i

=

=

1

2

2

χ

(C.1)

n

N

N

n

i

i

=

=

1

(C.2)

この検定統計量は,自由度(n−1)のカイ二乗分布を表す。ポアソン分布の仮定は,検定統計量 χ

2

がカ

イ二乗分布の(100−p)%点より大きい場合は,p

%レベルにおいて棄却する。

例  5 回の繰返し測定例を表 C.1 に,6 回の繰返し測定例を表 C.2 に示す。


17

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表 C.1回の測定における粒子数のカイ二乗検定の例

p=0.05,df=5

n N

i

N

N

i

(

)

N

N

N

i

2






6

936

1 016

971

1 004

999 
968

982 
982 
982 
982 
982 
982

−46

34

−11

22 
17

−14

2.15 
1.18 
0.12 
0.49 
0.29 
0.20

=982

合計=4.43=χ

2

p=0.05 及び df=5 におけるカイ二乗分布の値は,11.07 である。実測値は 4.43 であり,この値より小さ

い(

表 C.1 参照)。よって,測定結果はポアソン分布に従っている。

表 C.2回の測定における粒子数のカイ二乗検定の例

p=0.05,df=6

n N

i

N

N

i

(

)

N

N

N

i

2







7

936

1 016

971

1 004

999 
968 
856

964 
964 
964 
964 
964 
964 
964

−28

52

7

40 
35

4

−108

0.80 
2.75 
0.05 
1.63 
1.25 
0.02

11.88

=964

合計=18.38=χ

2

注記  7 回目の測定中に,アパチャーの部分詰まりが発生した。

p=0.05 及び df=6 におけるカイ二乗分布の値は,12.59 である。実測値は 18.38 であり(表 C.2 参照),

この値より大きい。よって,測定結果はポアソン分布に従っていない。


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附属書 D 

参考)

粒子と電解質溶液

D.1  電解質溶液に関する要点

特記のない限り,電解質は水に溶かす。また,非水系に用いる溶剤及び塩類は,水分を含まない。

電解質溶液は,次による。

a 10

g/L 塩化ナトリウム溶液(b と互換性あり。)

b IsotonII(ベックマンコールター社の商品名,a と互換性あり。)

c 4

g/L 水酸化ナトリウム溶液

d 0.1

mol/L 塩酸溶液(+1 g/L セトリミド)

e 20∼50 g/L りん酸 3 ナトリウム 12 水和物の水溶液,又は 20∼50 g/L ピロリン酸ナトリウム 10 水和物

水溶液

f 200

g/L 塩化ナトリウム水溶液

g 10

g/L 硝酸ナトリウム水溶液

h 40

g/L 塩化亜鉛水溶液

i 20∼50 g/L 硫酸ナトリウム水溶液

j 10

g/L けい酸カリウム水溶液

k 80

g/L チオシアン酸アンモニウムのジメチルホルムアミド溶液

l 50

g/L 塩化リチウムのメタノール溶液(m と互換性あり。)

m 50

g/L チオシアン酸アンモニウム又は過塩素酸マグネシウムのイソプロパノール溶液(l と互換性あ

り。

n 50

g/L チオシアン酸アンモニウム又は塩化リチウムのアセトン溶液

p 100∼400 g/L よう化リチウムのイソブタノール溶液

q 40∼50 g/L チオシアン酸アンモニウムのイソブタノール溶液

r 40∼50 g/L よう化リチウムのアセトン溶液 
s 78.5

g/L けい酸ナトリウム水溶液

t 10

g/L 炭酸ナトリウム水溶液

u 60

g/L チオシアン酸アンモニウムのジメチルホルムアミド溶液

v 40

g/L

チオシアン酸アンモニウムの混合溶媒[溶媒組成は,エタノール溶液 95

%(体積分率)とホル

ムアミド 5

%(体積分率)

w 2.23

g/L ピロリン酸ナトリウム 10 水和物の水溶液

x 100

g/L 塩化ナトリウムの混合溶媒[溶媒組成は,アセトニトリル 15

%(体積分率)とイソプロパノ

ール 85

%(体積分率)

y 8

g/L 水酸化ナトリウム水溶液

z 7

g/L 塩酸水溶液

aa 80

g/L チオシアン酸アンモニウムの混合溶媒[溶媒組成は,プロピレングリコール 66.7

%(体積分率)

とメタノール 33.3

%(体積分率)

bb 60

g/L よう化リチウムのビス(2-ヒドロキシエチル)溶液


19

Z 8832

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cc 50

g/L チオシアン酸アンモニウムの混合溶媒[溶媒組成は,シクロヘキサノン 50

%(体積分率)とメ

タノール 50

%(体積分率)

dd 3

g/L 塩化ナトリウム水溶液

ee 40

g/L チオシアン酸アンモニウムの混合溶媒[溶媒組成は,ジクロルエタン 30

%(体積分率)とイソ

プロパノール 70

%(体積分率)

ff 100

g/L 濃塩酸のイソプロパノール溶液

gg 40

g/L チオシアン酸アンモニウムのブタノール溶液

hh 40

g/L チオシアン酸アンモニウムのジメチルホルムアミド溶液

ii 50

g/L チオシアン酸アンモニウムの混合溶媒[溶媒組成は,ジメチルホルムアミド 33.3

%(体積分率)

テトラハイドロフラン 33.3

%(体積分率)とトリクロールエチレン 33.3

%(体積分率)

jj 45

g/L 塩化リチウムの混合溶媒[溶媒組成は,メタノール 10

%(体積分率)とアセトン 90

%(体積

分率)

kk 10

g/L 塩化カリウムの混合溶媒[溶媒組成は,水 10

%(体積分率)と ぎ(蟻)酸 90

%(体積分率)

ll 7.5

g/L チオシアン酸アンモニウムの混合溶媒[溶媒組成は,トリクロロエチレン 10

%(体積分率)と

ブタノール 90

%(体積分率)

mm 40 g/L チオシアン酸アンモニウムの混合溶液[溶媒組成は,プロパノール 50

%(体積分率)

,クロロ

エタン 40

%(体積分率)と試料 10

%(体積分率)

nn 38

g/L 塩化リチウムの混合溶液[溶媒組成は,ベンゼン 50

%(体積分率)イソプロパノール 50

%(体

積分率)

oo 100

g/L チオシアン酸アンモニウムの混合溶液[溶媒組成は,ジクロロメタン 50

%(体積分率)とイ

ソプロパノール 50

%(体積分率)

pp 10

%(体積分率)塩酸のシクロヘキサノール溶液

qq 250

g/L 濃度までのよう化リチウムの混合溶液[溶媒組成は,トリクロロメタン 50

%(体積分率)と

イソプロパノール 50

%(体積分率)

rr 50

g/L チオシアン酸アンモニウムの混合溶液[溶媒組成は,プロパノール 33.3

%(体積分率)

,トリ

クロロルエタン 33.3

%(体積分率)とテトラハイドロフラン 33.3

%(体積分率)

ss 50

g/L チオシアン酸アンモニウムの混合溶液[溶媒組成は,ジメチルホルムアミド 33.3

%(体積分率)

トリクロロルエタン 33.3

%(体積分率)とテトラハイドロフラン 33.3

%(体積分率)

tt 40

g/L テトラブチル過塩素酸アンモニウムの混合溶液[溶媒組成は,ジクロルエタン 50

%(体積分率)

とイソプロパノール 50

%(体積分率)

uu 60

g/L チオシアン酸アンモニウムのビス 2 メトキシエチルエステル溶液

vv 40

g/L チオシアン酸アンモニウムの混合溶液[溶媒組成は,40 g/L 硝酸カリウムの軽油 17

%(体積分

率)とブタノン 83

%(体積分率)

ww 40 g/L 硝酸カリウム水溶液

xx 40

g/L テトラブチル過塩素酸アンモニウムのジメチルホルムアミド溶液

yy 65

g/L 酢酸ナトリウムの混合溶液[溶媒組成は,水 33.3

%(体積分率)とエタノール 66.7

%(体積分

率)

yz 30

g/L 塩化リチウムの混合溶液[溶媒組成は,メタノール 50

%(体積分率)とイソプロパノール 50

(体積分率)

zz Karuhn 溶液


20

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D.2  測定粒子に推奨される電解質溶液

推奨する電解質溶液を,

表 D.1 に示す。

注記 1  2 種類以上の電解質溶液を示すときは,望ましい順に示す。

注記 2  G は,グリセリンの添加がしばしば大粒子の分散に効果があることを示す。

S は,しょ糖の添加がしばしば大粒子の分散に効果があることを示す。

 satd は,試料であらかじめ飽和させた電解質溶液を使用することを示す。

表 D.1−測定粒子に推奨される電解質溶液

粒子

電解質溶液

注記

Acetylsalicylic acid

アスピリン a

satd,b satd

エアロゾル OT 分散剤

Acrylic emulsion or powder

アクリル乳液又は粉末

a,b,e

Aldactone A

アルダクトン A a,b

(降圧利尿剤)一般名はスピロノラク
トン

Alumina

アルミナ


a,b

アルミナ全般 
粗粉末だけ

Aluminium

アルミニウム a  アルカリ性電解質溶液と反応する。

Aluminium oxide

酸化アルミニウム

アルミナ(Alumina)を参照。

Aluminium silicate   
(Andalusite)

アルミノけい酸塩 
(けい酸アルミニウム)

e

Ammonium perchlorate

過塩素酸アンモニウム q

satd,m

共通イオン効果が溶解度を抑える。

Ammonium phosphate

りん酸アンモニウム m

Amphotericin (B)

アモホテリシン(B) a

satd,b satd

(抗生物質)

Anionic bitumen emulsion

アニオン系れき青エマルシ
ョン

c

Antimony

アンチモン a Daxad が分散剤として使われる。

Asphalt emulsion

アスファルト・エマルショ

ア ニ オ ン 系 れ き 青 エ マ ル シ ョ ン

(Anionic bitumen emulsion)又はカチオ
ン 系 れ き 青 エ マ ル シ ョ ン ( Cationic 
bitumen emulsion)を参照。

Attapulgite

アタバルジャイト e

Avicel  
(microcrystalline cellulose)

アビセル

(微結晶セルロース)

a

Azodicarbamide

アゾジカルバミド m

(染色剤)わずかに水に溶ける。

Ball clay

ボール・クレイ

粘土(Clay)を参照。

Barium ferrite

バリウム・フェライト r

フェライト(Ferrites)を参照。

Barium sulfate

硫酸バリウム i  共通イオン効果が溶解度を抑える。

Bark

樹皮 a

Barytes

バライト(重晶石) e

Bauxite

ボーキサイト a

Beef extract (dried)

牛肉抽出物(乾燥) m

Bentonite

ベントナイト e

Benzioc acid

安息香酸 b

Benzyl procaine penicillin

ベンジール・プロカイン・
ペニシリン

a satd

Beryllia

べリリア

e,a,b


21

Z 8832

:2010

表 D.1−測定粒子に推奨される電解質溶液(続き)

粒子

電解質溶液

注記

Bitumen emulsion

れき青エマルション

ア ニ オ ン 系 れ き 青 エ マ ル シ ョ ン

(Anionic bitumen emulsion)又はカチオ
ン 系 れ き 青 エ マ ル シ ョ ン ( Cationic 
bitumen emulsion)を参照。

Bone

骨 e

Boron carbide

炭化ほう素

a,b

電解質溶液は,ほう酸であらかじめ飽

和させておく。

Brick dust

れんが粉じん(塵) l

Bronze

青銅

s,t

化学的腐食が起きるため,推奨される
電解質溶液濃度を用いる。

Cadmium sulfide

硫化カドミウム e

Calamine

カラミン e

(局所保護剤)

Calcined magnesia

か焼マグネシア

酸化マグネシウム(Magnesia)を参照。

Calcite

方解石

炭酸カルシウム(Calcium carbonate)を
参照。

Calcium carbonate

炭酸カルシウム

l,m,a satd

Calcium chromate

クロム酸カルシウム l

satd

Calcium dihydrogen phosphate りん酸二水素カルシウム l

Calcium oxide

酸化カルシウム l

Calcium stearate

ステアリン酸カルシウム

l,a,b,e

濡れ性が悪い。アルコール類又は非イ
オン系分散剤を用い,超音波と練りに
よって分散する。

Calcium trihydrogen phosphate りん酸三水素カルシウム l

Carbon (and carbon black)

カーボン(及びカーボンブ
ラック)

e,a

活性炭は,アパチャー通過時にガスを
放出して擬似的な結果を出す。少し温
めたグリセリン中に粉末をスパチュラ

で分散し,少量の電解質溶液を添加し
数分間沸騰させる。冷却後,残りの電
解質溶液を加えて計数する。真空下で

分散される。

Carbonyl iron

カルボニル鉄 a

(+G),b (+G)

Carbonyl nickel

カルボニル・ニッケル a

(+G),b (+G)

Carborundum

カーボランダム

アルミナ(Alumina)及び金剛砂(Emery)

を参照。

Casein

カゼイン m

Cationic bitumen emulsion

カチオン系れき青エマルシ
ョン

d

Cellulose

セルロース

n,m

一般的に電解質溶液 n がより適するが,
280 μm 以上のアパチャーを使用する場
合には流速を落とさなくてはならな

い。その理由は,アパチャーを高速で
通過することによる高周波ノイズの相
互干渉,及び/又はアパチャー内での

気泡発生にある。

Cement

セメント

l,m

Ceramic powders

セラミックス粉末 e

Cerium oxide

酸化セリウム e


22

Z 8832

:2010

表 D.1−測定粒子に推奨される電解質溶液(続き)

粒子

電解質溶液

注記

Chalk

チョーク(白墨)

炭酸カルシウム(Calcium carbonate)を

参照。

China clay (kaolin)

磁器粘土(チャイナクレー
/カオリン)

粘土(Clay)を参照。

Cloramphenicol

クロラムフェニコール a

satd

(抗生物質)

Chocolate

チョコレート m

satd

40∼50

℃の水浴したビーカの中で軟

化させ,シクロヘキサノール中で,ア
ルコール可溶成分を 50 g/L 含む Span 80

と一緒にスパチュラで練る。冷却後,
電解質溶液を添加する。ミルクチョコ
レートの分析では,(石油エーテルか

らの)脱脂固形分であらかじめ飽和さ
せておく必要があり,ダークチョコレ
ートではしょ糖を使用できる。

Chromium powder

クロム粉末 e

Clay

粘土 e

通常,30  μm 又は 50  μm のアパチャー

が適合する。分散後,1∼2 日放置し,
測定することが一般的な方法である。
質量積分法を用いるときには,水が構

造水となっているので,同じ電解質溶
液で同じ時間懸濁させた試料で密度測
定を行うことが望まれる。

Coal

石炭

e,a,b,m,w

Cocoa

ココア l

Coffee

コーヒー

l,m

コーヒー豆からの粉末に限る。

Coke

コークス

a,b,e

Copper

a,b

反応が起こらない時間内に,測定を終

了するようにする。

DDT DDT a

satd,e satd

Diatomite

けい(珪)藻土

粘土(Clay)を参照。

Dolomitic lime

ドロマイト石灰 l

Dust (flue,coal,etc.)

ダスト(煙,石炭など)

e,a,b

サンプル中に金属粉末が懸濁する場
合,例えば,ガス本管のダストなどは e

を選択することがよい。

Electrolyte solutions   
(particles in)

電解質溶液(粒子を含む。

例えば,めっき液のような電解質溶液

中の粒子は,直接測定する。又はアパ
チャーの電気抵抗値が低すぎて,粒子
サイズが小さく測定される場合には,

ろ過した蒸留水で希釈する。

Emery

金剛砂 a

(+G),b (+G)

例えば 75∼85  μm のように,通常は非

常に狭い粒子径範囲に入っている。

Emulsions (including   
lubrication and coolant   
emulsions for rolling mills)

エマルション 
(ロール・ミル用の潤滑剤

及び冷却剤を含む。

a,b

水中の固体又は油も測定できる。凝固
を抑えるために,例えば,各ステージ

で 1:100 の希釈を 2 回に分けて行うこ
とが望ましい。分析中のエマルション
の安定性が維持されることが望まし

い。 
油中の水の測定は現時点では不可能。


23

Z 8832

:2010

表 D.1−測定粒子に推奨される電解質溶液(続き)

粒子

電解質溶液

注記

Encapsulated particles

カプセル封入粒子

l,m

カプセル内粒子に依存する。

Explosives: HMX,PETN,
RDX

爆発性物質:HMX,PETN,
RDX

a satd

過 塩 素 酸 ア ン モ ニ ウ ム ( Ammonium 
perchlorate)及び過塩素酸グアニジン
(Guanidine perchlorate)を参照。

Feldspar

長石

a,b

Ferrites

フェライト e

500 g/L グリセリンを添加すると再凝集
速度は低下する。熱処理されたフェラ
イトは,磁性を帯び,一次粒子に分散

できない。凝集体のサイズは安定で(1
∼20  μm)

,測定可能。熱処理前に測定

することが望ましい。

Fibres (paper pulp)

繊維(紙パルプ) a

Fibres (wool top)

繊維(ウールトップ)

m,x

Fibres (in glycerine)

繊維(グリセリン中) b

Filters

フィルター(ろ紙)

メ ン ブ レ ン フ ィ ル タ ー ( Membrane 
filters)を参照。

Flint

火打ち石

a,e

Flour

小麦粉

m,l

通常 10∼125 μm の範囲。無水電解質溶
液にスパチュラで練って分散させ,そ

の後,超音波を照射する。

Fly ash

フライアッシュ w

Fullers earth

フーラー土 e (Fuller’s earth  漂布土)

Garnet

ガーネット e

Glass powder

ガラス粉末

a,b

ほとんどの電解質溶液が使用できる。

Gold

a,b,e,g (+G)

e

粗いグラファイト向き。

1 μm 程度では,

非常にゆっくりと凝集する。

Graphite

グラファイト

y

細かいグラファイト向き

Graphite in oil

油中のグラファイト

油(Oil)を参照。

Griseofulvin

グリセオフルビン a

satd

(抗生物質)分散剤として 0.1 g/L の
Goulac を添加する。

Gypsum

石こう(膏) m

Guanidine perchlorate

過塩素酸グアニジン q

(筋無力症治療薬)

Herbicides

除草剤

a,b

通常,不溶性

Indomethacin

インドメタシン z

satd (非ステロイド系抗炎症剤)

Injection fluids (particles in 
parenteral fluids)

注射液(注射液中の粒子)

通常,電解質溶液の添加不要。もし,
非電解質が存在するなら,塩化ナトリ
ウム溶液を添加する。鉄デキストラン

の分析は成功していないようである。
これは,恐らく錯体の形成により安定
した測定ができないことによる。

Ink,ball point

インク,ボールペン用 aa

Ink,in toluene

インク,トルエン中 cc

すべての粒子は非常に細かい。多くの

粒子は測定不可能。高度に着色してい
る懸濁液はアパチャーの観察を難しく
する。

Ink,printing

インク,印刷用 zz

Ink,silk screening

インク,シルクスクリーン用 m,bb


24

Z 8832

:2010

表 D.1−測定粒子に推奨される電解質溶液(続き)

粒子

電解質溶液

注記

Ion-exchange resin

イオン交換樹脂

a,f

樹脂の交換能をなくするために,分析

前に試料電解質溶液 f で飽和させる。

Indium

インジウム e

(+S)

極めて密度が大きい(22 g/cm

3

。砂糖

を 500 g/L 添加することで,60∼80 μm

程度まで測定できる。

Iron

鉄 dd

(+G),e

Iron oxide

酸化鉄 a

(+G),b (+G)

Kaolinite

カオリナイト

粘土(Clay)を参照。

Kerosene (paraffin) (particles)  灯油(パラフィン)(粒子) ee

20

%(体積分率)までの灯油を添加す

る。

Ketchup (catsup)

ケチャップ

a,b

電気的検知帯法は,トマトの細胞の見
かけの体積に反応しないと報告されて

いる。

Latex (rubber)

ラテックス(ゴム)

a,b,e

Latex (synthetic)

ラテックス(合成物)

a,b,e

Leed

鉛 a

(+S),f (+S)

分散剤としてメタノールを使用する。

Lead(II) oxide and lead(III) 
oxide

酸化鉛(II)及び酸化鉛(III) a (+G) 250

g/L までのグリセリンを使用する。

Lead,red

鉛丹(red lead) e

Lignite dust

褐炭粉 e

Lime

生石灰 a

satd,l,m

Lycopodium powder

ひかげのかずら胞子

a,b

Magnesia

酸化マグネシウム

m,l

微細粉は,水に反応する。

Magnesia,calcined

か焼酸化マグネシウム e

(+G)

Magnesium

マグネシウム e

(+S)

極めて反応が遅い。通常の分析時間内

での測定結果の精度に影響しない。

Magnesium hydroxide

水酸化マグネシウム

p,e satd

Membrane filters

メンブレンフィルター

メンブレンフィルターに捕集された粒
子(Particles captured by membrane   
filters)を参照。

Mica

うんも(雲母)

e,a,b  
y,e

Molybdenium disulfide

二硫化モリブデン

m

油中の MoS

2

の場合は更に適している。

Mud

a,b,e

Neomycin

ネオマイシン l

satd

(抗生物質)

Nickel

ニッケル a

キシレン中のラネーニッケル(Raney 
nickel in xylene)も参照。

Nylon,particles in

粒子を含んだナイロン kk

最初に分散剤で湿らせた後,電解質溶
液を注ぐ。

Ocean sediment

海洋沈殿物

沈殿物(Sediment)を参照。

Oil,cutting

切削油

a,b

Oil,hydraulic and lubricating  加圧油,潤滑油 ll

50

%(体積分率)までの添加油(DTD

585)に適用できる。


25

Z 8832

:2010

表 D.1−測定粒子に推奨される電解質溶液(続き)

粒子

電解質溶液

注記

Oil (Oil specifications are for 
lubrication effectiveness,not 
composition,DTD 585 from 
one manufacturer may not 
dissolve in the electrolyte 
solution suitable for DTD 585 
from another manufacturer.)

油(油の仕様は潤滑効果が

目的で,その成分そのもの
ではない。ある製造業者の
DTD585 は,他の製造業者
の DTD585 に適切な電解質
溶液に不溶であるかもしれ
ない)

mm

電解質溶液として 33∼50

%(体積分率)

の Skydrol が使用できる。

Oil

油 nn

Oil

油 oo

50

%(体積分率)の油が(ML5606B,

MIL7808E 及び DTD585)に使用できる。

Oil

油 pp,qq,rr,ss

Oil

油 tt

MIL5606 向き

Oil

油 uu

潤滑油向き

Oil

油 vv,zz

Orange extract

オレンジ抽出物

a,b

Paint (oil based)

油性ペイント gg,zz

Paper pulp

紙パルプ

a,b

ff

等量の電解質溶液を加える前に,30

(体積分率)のジメチルホルムアルデ
ヒドを含むアセトンに膜を溶かす。電
解質溶液と溶剤の混合物をろ過し,

別々に保管する。 
油中の粒子にとって理想的な条件:既
知の容積の油をメンブレンフィルター

でろ過してから,ろ過されたガソリン,
四塩化炭素,トリクロールエチレンな
どを用いて洗浄し,溶解前にフィルタ

ーを乾燥する。過剰なジメチルホルム
アルデヒドは,膜を溶解しやすい。

Particles captured by   
membrane filters

メンブレンフィルターに捕

集された粒子

gg,hh,ii,jj

油中の粒子にとって理想的な条件:既
知の容積の油をメンブレンフィルター
でろ過してから,ろ過されたガソリン,

四塩化炭素,トリクロールエチレンな
どを用いて洗浄し,溶解前にフィルタ
ーを乾燥する。過剰なジメチルホルム

アルデヒドは,膜を溶解しやすい。

Peanut butter

ピーナッツバター m

Penicillin

ペニシリン a

satd

Phenacetin

フェナセチン a

satd

Phenothiazine

フェノチアジン a

satd

Phosphors

りん

a,b,e

粒子径範囲は,約 1∼40 μm。

Photographic emulsions

写真乳剤

a,i 40

g/L 硝酸カリウム溶液も使用できる。

Pigments

顔料

e,a,b

Plaster of Paris

焼き石こう(膏)

l,k

電解質溶液は無水である。

Plastics

プラスチック類

a,b,e


26

Z 8832

:2010

表 D.1−測定粒子に推奨される電解質溶液(続き)

粒子

電解質溶液

注記

Plating solutions

めっき溶液

電解質を添加せずに,又はろ過した蒸

留水で希釈して測定する。

Pollens

花粉

a,b

Polyethylene

ポリエチレン

a,b

Polypropylene

ポリプロピレン

a,b

Polystyrene

ポリスチレン

a,b

Poly (styrene divinyl benzene)

ポリスチレンジビニールベ

ンゼン

a,b,e

多くの有機電解質を用いたアパチャー

の校正に使われる。

Polytetrafluoroethylene

ポ リ 四 ふ っ 化 エ チ レ ン
PTFE

a

どんな電解質溶液も適する。微粉体に

対しては,完全濡れを保証するために
アルコール又はケトンを使用する。

Polyvinyl acetate

ポリ酢酸ビニル a

Polyvinyl chloride

ポリ塩化ビニル

a,b

Polyvinyl propylodone

ポリビニルプロピロドン a

Polyvinyl toluene

ポリビニルトルエン

a,b

Porcelain

磁器 e

Potassium chloride

塩化カリウム l

Potassium sulfate

硫化カリウム l

Potato starch

ばれいしょでん粉 a

Powdered milk

粉ミルク m

アルコールに不溶の粉ミルクの場合

Powdered milk

粉ミルク a

水に不溶の粉ミルクの場合。200 g/L 水
酸化ナトリウム溶液数滴に分散する。

Quartz

石英 e

Raney nickel in xylene

キシレン中のラネーニッケ

l,m m では Söow 反応

River sediment

河川沈殿物

沈殿物(Sediment)を参照。

River water

河川水

a,b

River water

河川水 e

カルシウム塩が存在しない場合。

Rouge

ベンガラ(酸化第二鉄) a

Rust in gasoline

ガソリン中のさび e

フィルターで捕集して電解質溶液に再
度懸濁する。

Rutile

ルチル e

Sand

a,b,e

Sediment

沈殿物

a,b,e

Shale

けつ(頁)岩 e

Silica

シリカ e

Silica gel

シリカゲル l

Silicates

けい酸塩 e

Silicon carbide

炭化けい素

a,b,e

Silicon nitride

窒化けい素 m

Silver halide

ハロゲン化銀 ww

Silver halide

ハロゲン化銀 a  臭化銀用

Silver oxide

酸化銀

a,g

Slag (basic)

スラグ(塩基性)

a,e


27

Z 8832

:2010

表 D.1−測定粒子に推奨される電解質溶液(続き)

粒子

電解質溶液

注記

Sodium (metal)

ナトリウム(金属)

分散は通常,油又はグリースの中で行

われ,チオシアン酸アンモニウム及び
アルコール,又はケトンで調製された
電解質溶液が適切である(油を参照。

1,1,2 トリクロール・エタンなどのカッ
プリング剤が必要になることがある。

Sodium chloride

塩化ナトリウム m

satd

Sodium hydrogen carbonate

炭酸水素ナトリウム m

Sodium hydroxide

水酸化ナトリウム xx

satd

いまだ十分安定していない。多重チャ
ンネルモードを使用する。

Soya flour

大豆粉

m,b

Spironolactone

スピロノラクトン

a,b

(利尿剤アルダクトン)

a

)

Starch

でん粉

a,e,l,m

電解質水溶液は,水和したものに対し
てだけ適する。

Stearates

ステアリン酸塩

a,l

濡れ性が悪い。アルコールを用いて練
り,超音波で分散する。

Steel

鋼 a

(+G),f (+G)

Sugar

砂糖 m

satd

Sulfadimidine

スルファジミジン a

satd  (サルファ剤)

Sulfur

硫黄

a,e

電解質溶液で希釈する前に,アルコー

ルで練り,湿らせる。

Superphosphate (of lime)

過りん酸石灰水 m

Talc

タルク e

Tantalum

タンタル

a (+G),e (+G),
f (+G)

Tin

すず a

(+G),f (+G)

Tin oxide

酸化すず

e

50 g/L Calgon 溶液中に分散する。

Titanium dioxide

二酸化チタン e

Tomato juice

トマトジュース a

Toner,xerographic

コピー機トナー a

Tungsten

タングステン

a,e (+G/S), 
f (+G)

Tungsten carbide

タングステン・カーバイド

e (+G),a (+G)

恒久的な凝集を起こすため,数時間以
内の粉砕で冷間焼結が可能。

Uranium

ウラン e

(+G),f (+G)

Uranium dioxide

二酸化ウラン

e,c

冷間焼結が可能[タングステン・カー
バイド(Tungsten carbide)を参照。

Viscose

ビスコース c c 又はろ過した蒸留水で希釈する。

Water contaminants in

水(汚染物質を含む。

) a

必要に応じて電解質溶液で希釈する。

Whiting

こ(胡)粉(白亜)

l,m,a satd

炭酸カルシウム(Calcium carbonate)を
参照。

Wool fibre

羊毛繊維 m

Yeast

イースト a

Yttrium iron garnet

イットリウム−鉄−ガーネ
ット(YIG)

e (+G)

磁性体であるため,超音波によって頻
繁に再分散する必要がある。

Zeolite

ゼオライト

粘土(Clay)を参照。

Zinc

亜鉛 yy

10

g/L エアロゾル OT 分散剤


28

Z 8832

:2010

表 D.1−測定粒子に推奨される電解質溶液(続き)

粒子

電解質溶液

注記

Zinc cadmium sulfide

亜鉛カドミウム硫化物 e

範囲は普通,1∼15 μm

Zinc oxide

酸化亜鉛

l,a,e satd

水にわずかに溶ける。

Zinc stearate

ステアリン酸亜鉛 l

ス テ ア リ ン 酸 カ ル シ ウ ム ( Calcium 
stearate)を参照。

Zinc stearate

ステアリン酸亜鉛

a,b,e

加湿のもの

Zinc stearate

ステアリン酸亜鉛

h,j

Zinc sulfide

硫化亜鉛 l

溶液中で硫化亜鉛は徐々に酸化して酸

化亜鉛になってしまうので,注意が必
要である。

Zirconium oxide

酸化ジルコニウム a

40 g/L のピロリン酸ナトリウム溶液で
湿らす。

a

)

  アルダクトンは,市販製品の一例である。この情報は,この規格の利用者の便宜を図って記載するもので,こ

の製品を推奨するものではない。


29

Z 8832

:2010

附属書 E

参考)

質量積分法

E.1  概要

質量積分法は,一般的にほぼ絶対法であると考えられている。質量積分法では,測定装置で測定した懸

濁液の体積濃度を,単位容積当たりの粒子質量と粒子の浸せき密度から計算した真の体積濃度と比較する。

この方法は直接的にトレーサブルな方法であり,粒子の形状,気孔率,又は電気伝導度に関する仮定は不

要である(参考文献

[11],[12]

参照)

。この方法は校正とマスバランスの両方に使用することができる。

マスバランスでは,微小な粒子が正しく測定されているか,又は使用するアパチャーの測定レンジを外れ

ていないかを判断することができる。一部の測定装置にはパルス処理回路に著しい不感時間があり,それ

が解析した粒子質量の実質的な損失に対応する場合がある。損失はマスバランスの結果及び質量校正の手

順に影響を及ぼすため,それを低く抑えることが重要である。損失は測定される粒子カウント数に依存す

る。そのため,測定には低濃度試料を用いなければならない(例えば,同時通過が 5

%以下)

。また,高い

精度を得るためには同時通過補正を用いなければならない。

E.2  校正手順 
E.2.1  懸濁液の測定容積 V

m

一部の測定装置では懸濁液の測定容積 V

m

の正確度はすべての条件において 0.5

%以下に保証されている

が,他の測定装置では製造業者によって一つの定量容積しか保証されていない場合もある。これらの測定

装置においては,測定容積の製造業者の公称値をそのまま受け入れるには不十分である。粒子懸濁液を用

いて,統計的に有効なカウント数(箇条 参照)で保証容積中の同時通過補正された粒子数を 5 回測定す

る。続いて,測定容積を変更して,同時通過補正された粒子数を少なくとも 5 回測定する。これらの測定

の総カウント数の比率は保証容積と選択した測定容積の比率と一致しなくてはならない。すべてのカウン

トは記録しなくてはならない。カウント数はカイ二乗分布に従うものとする。

E.2.2  粒子の浸せき密度

精度が 0.1 mg の天びん,比重瓶,ピペット,及び通常の粒子分散方法を用いて,測定に用いる電解質溶

液中における粒子の浸せき密度 ρ を JIS K 5101-11-1 に従って測定する。

E.2.3  試料調製

ふるい,又は同等の分級方法を用いて,試験用の材料を狭い粒子径分布に調製する。すべての粒子を一

つのアパチャーを用いて測定するためには,粒子質量の少なくとも 99

%が 10:1 の粒子径分布の範囲内に

含まれなければならない。

懸濁液は,電解質溶液と分散剤の容積 V

T

の中に質量 の粉体を分散させて調製する。

E.2.4  校正係数の決定

測定装置の校正係数 K

d

は,アパチャーが絶対的に清浄な状態で,正確な既知の測定容積 V

m

を慎重に測

定して得られた粒子径分布を用いて決定する。より多くの粒子を測定するために,測定容積 V

m

を繰り返

して測定したり,測定時間を長くしたりしてもよい(例えば,カウント数 50 000 個では 0.4

%の相対標準

偏差が得られる)

。カウント粒子数が少ないほど測定精度は低下する。懸濁液の粒子濃度は同時通過が 5

以下でなければならない。また,同時通過補正後のカウント数を記録して計算に使用しなければならない。


30

Z 8832

:2010

K

d

は,次の式によって算出する。

3

1

1

T

m

a

d

d

Δ

=

=

n

i

i

i

V

N

V

m

V

K

K

ρ

 (E.1)

ここに,

(

)

2

6

π

3

U

3

L

d

d

V

i

+

=

(E.2)

E.2.5

次校正(微小球形粒子による校正)

測定の都度,又はすべてのアパチャーに対して全域にわたる質量積分法を用いた校正を実施する必要は

ない。アパチャー及び試験用材料に対して,校正済の微小球形粒子などを中間標準粒子(

2

次粒子)とし

て用いることで,直線性の範囲内(6.2.2 参照)における他のアパチャーの校正,及び校正安定性の日常点

検を行うことを推奨する。この

2

次校正を用いて報告された測定は識別できなければならない。

E.2.6

質量積分法を用いた校正の一例

校正の一例を,

表 E.1 に示す。

表 E.1−質量積分法を用いた校正の一例

粒子径

μm

i

μm

3

N

i

 

ΔN

i

i

i

V

N

Δ

μm

3

Δ

i

i

V

N

μm

3

15∼17 2.169

79×10

3

 487

487

1.056

69×10

6

 1.056

69×10

6

17∼19 3.081

90×10

3

 898

411

1.266

66×10

6

 2.323

35×10

6

19∼21 4.220

21×10

3

 1 301

403 1.700

74×10

6

 4.024

09×10

6

21∼23 5.609

84×10

3

 1 691

390 2.187

84×10

6

 6.211

93×10

6

23∼25 7.275

93×10

3

 2 190

499 3.630

69×10

6

 9.842

62×10

6

25∼27 9.243

61×10

3

 2 921

731 6.757

08×10

6

 1.659

97×10

7

27∼29 1.153

80×10

4

 4 175

1 254 1.446

87×10

7

 3.106

84×10

7

29∼31 1.418

43×10

4

 6 678

2 503 3.550

33×10

7

 6.657

17×10

7

31∼33 1.720

76×10

4

 11 602

4 924 8.473

00×10

7

 1.513

02×10

8

33∼35 2.063

29×10

4

 20 384

8 782 1.811

98×10

8

 3.325

00×10

8

35∼37 2.448

56×10

4

 31 583

11 199 2.742

14×10

8

 6.067

14×10

8

37∼39 2.879

06×10

4

 42 342

10 759 3.097

58×10

8

 9.164

72×10

8

39∼41 3.357

32×10

4

 50 083

7 741 2.598

90×10

8

 1.176

36×10

9

41∼43 3.885

84×10

4

 54 548

4 465 1.735

03×10

8

 1.349

86×10

9

43∼45 4.467

14×10

4

 56 803

2 255 1.007

34×10

8

 1.450

59×10

9

45∼47 5.103

73×10

4

 57 840

1 037 5.292

57×10

7

 1.503

52×10

9

47∼49 5.798

12×10

4

 58 369

529 3.067

21×10

7

 1.534

19×10

9

49∼51 6.552

84×10

4

 58 659

290 1.900

32×10

7

 1.553

19×10

9

51∼53 7.370

39×10

4

 58 804

145 1.068

71×10

7

 1.563

88×10

9

53∼55 8.253

28×10

4

 58 894

90 7.427

95×10

6

 1.571

37×10

9

55∼57 9.204

03×10

4

 58 936

42 3.865

69×10

6

 1.575

24×10

9

57∼59 1.022

52×10

5

 58 963

27 2.760

80×10

6

 1.578

00×10

9

59∼61 1.131

92×10

5

 58 976

13 1.471

50×10

6

 1.579

47×10

9

61∼63 1.248

86×10

5

 58 987

11 1.373

75×10

6

 1.580

84×10

9

63∼65 1.373

59×10

5

 58 993

6 8.241

54×10

5

 1.581

66×10

9

65∼67 1.506

36×10

5

 58 993

0 0.000

00×10

5

 1.581

66×10

9


31

Z 8832

:2010

K

da

294.1

V

m

100.00 mL

m

25.2 mg

25.2

×

10

3

 g

V

T

333.695 0 mL

ρ

2.23 g/mL

として測定し

た。

表 E.1 から

Δ

i

i

V

N

1.581 66

×

10

9

 μm

3

1.581 66

×

10

9

×

10

12

 mL

と求まるので,式

(E.1)

を用いると,

1

.

379

10

10

66

581

.

1

23

.

2

0

695

.

333

10

2

.

25

00

.

100

1

.

294

3

12

9

3

d

=

×

×

×

×

×

×

=

K

粒子径区間の平均粒子体積

i

i

V

N

Δ

及び全粒子体積

=

Δ

n

i

i

i

V

N

1

は,粒子径測定装置に搭載されたソフトウエ

アによって算出される。ソフトウエア仕様に関する詳細情報については,装置の製造業者,又は装置の取

扱説明書で確認しておかなければならない。

E.3

  マスバランス法

E.3.1

  概要

マスバランスとは,粒子径分布の測定結果から算出される粒子体積と,既知容積の電解質溶液に分散さ

れた粉体試料の質量から得られる真の粒子濃度に基づき算出される粒子体積とを比較することである。こ

れらの粒子体積の比は,測定装置で測定される粉体の割合を示しており,微小な粒子が測定されたかどう

かの指標となる(E.1 参照)

E.3.2

  記号

この附属書で使用する主な記号は,次による。

M

m

粒子径分布の測定結果から算出される粒子質量

M

b

測定装置で測定される粉体の割合

E.3.3

  校正

測定装置の校正は,できれば E.2.4E.2.6 で説明した質量校正の手順に従って行うことが望ましい。懸

濁液の測定容積 V

m

は E.2.1 によって,また粒子の浸せき密度 ρ は E.2.2 によってそれぞれ決定しなければ

ならない。測定装置の校正は,微小球形粒子法によって行ってもよい。

E.3.4

  試料調製

質量 の粉体を容積 V

T

の電解質溶液と分散剤の中に分散することで,懸濁液を調製する。粉体試料と

電解質溶液の質量は,できるだけ高い精度でひょう量する。

E.3.5

  手順

粒子が十分に分散した状態で測定を開始する。アパチャーが清浄であることを確認して,リニヤスケー

ルを用いて粒子径分布を慎重に測定する。十分に精度良く計算するためには,粒子径区間を狭くしなけれ

ばならない(つまり,できるだけ多くのチャンネルでカウントする。

。また,同時通過補正後のカウント

数を記録して,計算に使用しなければならない。

E.3.6

  計算

粒子径分布から算出される粒子質量は,式

(E.3)

を用いて算出することができる。

( )

m

T

m

V

V

V

N

M

i

i

Δ

=

ρ

(E.3)

測定装置で測定される粉体の割合は,式

(E.4)

を用いて百分率で算出することができる。

%

100

m

b

×

=

m

M

M

(E.4)


32

Z 8832

:2010

E.3.7

結果

粒子径分布から算出される粒子体積と,既知容積の電解質溶液に分散された粉体試料の質量によって決

まる真の粒子濃度から算出された粒子体積との比は

3

%を超えてかい(乖)離してはならない。

3

%以上の

場合は,すべての粒子を一つのアパチャーで測定できないことを示している。その場合は,二つ(又はそ

れ以上)のアパチャーを使用する方法(

附属書 参照)によって,できるだけ高い精度で測定しなければ

ならない。

E.3.8

報告

質量積分法の手順のすべてと全データの詳細を適切なデータシートを用いて報告することが重要である。

E.3.9

マスバランス法の一例

校正の一例を,

表 E.2 に示す。

表 E.2−マスバランスの一例

直径

μm

i

μm

3

N

i

 

ΔN

i

i

i

V

N

Δ

μm

3

Δ

i

i

V

N

μm

3

19.33∼21.91 4.644

45×10

3

 487

487

2.261

85×10

6

 2.261

85×10

6

21.91∼24.49 6.598

91×10

3

 898

411

2.712

15×10

6

 4.974

00×10

6

24.49∼27.07 9.038

52×10

3

 1 301

403 3.642

52×10

6

 8.616

52×10

6

27.07∼29.65 1.201

72×10

4

 1 691

390 4.686

72×10

6

 1.330

32×10

7

29.65∼32.23 1.558

90×10

4

 2 190

499 7.778

92×10

6

 2.108

22×10

7

32.23∼34.80 1.979

83×10

4

 2 921

731 1.447

25×10

7

 3.555

47×10

7

34.80∼37.38 2.470

70×10

4

 4 175

1 254 3.098

26×10

7

 6.653

73×10

7

37.38∼39.96 3.037

87×10

4

 6 678

2 503 7.603

78×10

7

 1.425

75×10

8

39.96∼42.54 3.685

89×10

4

 11 602

4 924 1.814

93×10

8

 3.240

68×10

8

42.54∼45.12 4.420

18×10

4

 20 384

8 782 3.881

80×10

8

 7.122

48×10

8

45.12∼47.69 5.244

34×10

4

 31 583

11 199 5.873

14×10

8

 1.299

56×10

9

47.69∼50.27 6.165

35×10

4

 42 342

10 759 6.633

30×10

8

 1.962

89×10

9

50.27∼52.85 7.190

39×10

4

 50 083

7 741 5.566

08×10

8

 2.519

50×10

9

52.85∼55.43 8.323

24×10

4

 54 548

4 465 3.716

33×10

8

 2.891

13×10

9

55.43∼58.01 9.569

31×10

4

 56 803

2 255 2.157

88×10

8

 3.106

92×10

9

58.01∼60.58 1.093

11×10

5

 57 840

1 037 1.133

56×10

8

 3.220

28×10

9

60.58∼63.16 1.241

67×10

5

 58 369

529 6.568

42×10

7

 3.285

96×10

9

63.16∼65.74 1.403

42×10

5

 58 659

290 4.069

93×10

7

 3.326

61×10

9

65.74∼68.32 1.578

66×10

5

 58 804

145 2.289

06×10

7

 3.349

55×10

9

68.32∼70.90 1.767

91×10

5

 58 894

90 1.591

12×10

7

 3.365

46×10

9

70.90∼73.47 1.971

30×10

5

 58 936

42 8.279

45×10

6

 3.373

74×10

9

73.47∼76.05 2.189

75×10

5

 58 963

27 5.912

32×10

6

 3.379

65×10

9

76.05∼78.63 2.424

23×10

5

 58 976

13 3.151

50×10

6

 3.382

81×10

9

78.63∼81.21 2.674

88×10

5

 58 987

11 2.942

37×10

6

 3.386

08×10

9

81.21∼83.79 2.942

25×10

5

 58 993

6 1.765

35×10

6

 3.387

84×10

9

83.79∼86.37 3.226

87×10

5

58 993

0

0.000 00

3.387 84×10

9

V

m

100.00 mL

m

25.2 mg

25.2

×

10

3

 g

V

T

333.695 0 mL

ρ

2.23 g/mL

として測定した。

表 E.2 から

Δ

i

i

V

N

3.387 84

×

10

9

 μm

3

3.387 84

×

10

9

×

10

12

 mL

と求まるので,式

(E.3)

と式

(E.4)

を用

いると,


33

Z 8832

:2010

M

m

00

.

100

0

695

.

333

23

.

2

10

10

84

387

.

3

12

9

×

×

×

×

  g=0.025 21 g,

M

b

100

10

2

.

25

21

025

.

0

3

×

×

=100.0 となる。

すなわち,用いたアパチャーでは回収率が 100

%になる。


34

Z 8832

:2010

附属書 F

参考)

頻繁に使用するアパチャーの校正及び管理

この手順は,継続的に使用したり,使用頻度の極めて高いアパチャーの取扱いに関するものである。短

期間(例えば,1 日,できれば 1 週間)の期間で,微小球形粒子を用いて連続 20 回の校正をする(6.2.2

参照)

。このデータから,平均校正定数

d

K

とその標準偏差    を計算する。これらのデータの,警戒限界

を          ,そして処置限界を          に設定したシューハート管理図(参考文献

[18]

参照)にプロ

ットする。平均校正定数

d

K

は,次の測定に使用される。平均を用いることは,定数の確率誤差を減少さ

せる。もし,結果が      と      の間(警戒領域)になったときには,校正を直ちに繰り返さなくては

ならない。連続した 2 回の結果が          から外れた場合,及び 1 回の結果が          から外れた場合

は,洗浄と修理を行う。

d

,

d

2

K

K

σ

±

d

,

d

3

K

K

σ

±

d

,

K

σ

d

,

d

2

K

K

σ

±

d

,

d

3

K

K

σ

±

d

,

2

K

σ

±

d

,

3

K

σ

±


35

Z 8832

:2010

附属書 JA

規定)

同時通過粒子の影響

粒子がアパチャーを単独で通過した場合は,各粒子が単一パルスを作り,理想的なデータが得られる。

しかし,二つ又はそれ以上の粒子が同時に検知帯に到着するときに生じるパルスは,複合したものになる。

すなわち,結果的に計数の数え落としが起こり,事実上単一の大きな粒子信号が記録されて,大きなパル

ス一つだけを得るか,正しく計数されるが粒子径が重複して大きく扱われるか,又は一部の粒子は計数さ

れないかである。この結果は,得られた粒子径分布をゆがめることになるが,濃度を下げることによって,

ゆがみを最小化することが可能である。

表 JA.1 は,同時通過率が

5

%となる

1 mL

当たりのカウント数を

示す。

1 mL

当たりのカウント数は,常に

表 JA.1 

5

%同時通過数の値より小さな数であるべきである。

粒子径分布は濃度の関数ではないので,同時通過の影響は,ある濃度での分布と,その濃度を半分にした

ときに得られた分布を比較することで確認することができる。このテストでは,最もカウント数の大きな

チャンネルのカウント数の減少が希釈倍率に比例するところまで希釈を繰り返す。この手法は,同時通過

の影響が顕著となる非常に狭い粒子径分布の場合に用いられる。

表 JA.1−代表的なアパチャーを用いたときのカウントに対して

5

%の同時通過が発生するカウント数

アパチャー径 D

μm

測定容積

a

)

 V

m

mL

5 %同時通過数 N

    b)

 

1 000 2

80

560 2

455

400 2  1 250 
280 2  3 645 
200 2 10 000 
140 2 29 150 
100 0.5

20 000

70 0.5

58 500

50 0.05

16 000

30 0.05

74 000

20 0.05

250 000

a

)

  他のサンプリング容積については,比例配分した値を用い

る。

b

)

  次の式を用いて計算する。N=4×10

10

V

m

/D

3


36

Z 8832

:2010

附属書 JB

規定)

不感時間

デジタル信号処理を用いた装置において,信号を測定するために高周波で走査されている。パルス上の

情報,例えば最大パルス高さ,最大パルス幅,中間パルス高さ,中間パルス幅,パルス面積などが,次の

測定のために保存される。このケースでは,パルスの大きさ情報のアナログからデジタルに変換すること

はリアルタイムに行われてはいないが,不感時間によるロスは回避されている。パルスの高さ測定手法が

使われた装置においては,通常データの取扱いではリアルタイムである。測定装置はパルスを受信した後,

与えられた時間の間カウントできない可能性がある,なぜなら,それぞれのパルスの処理は有限な時間を

必要とする。不感時間はパルスの高さの関数ではない。それゆえ,ロスは各チャンネルのカウント数に比

例し,粒子径分布に影響を与えない。

不感時間の影響を最小化するためには,

図 JB.1 の中の

A

で示されるように,熱的な雑音及び電気的な

雑音を除外できる最も低いいき(閾)値を設定すべきである。

なお,粒子濃度は,同時通過レベルが

5

%以下になるように調整すべきである。

X  チャンネル 
Y  計数値

注記  チャンネル A より下のチャンネルの計数値は,ノイズの計数値。粒子の真の計数値

は,チャンネル A 以上のチャンネルの計数値である。

図 JB.1−典型的な測定結果


37

Z 8832

:2010

附属書 JC

規定)

装置及びシステムの線形性

JC.1

アパチャー及び増幅器の線形性

アパチャー/増幅システムの直線性は,認証されたモード径をもつ単分散の粒子から構成される

4

種類

の物質を用いて検査することができる。適切な電解質溶液を用い,約

0.3  D

の大きさの粒子を用いて校正

する(6.2.2 参照)

。さらに

3

種類の大きさの粒子,約

0.1 D

,約

0.2 D

,約

0.5 D

の大きさの粒子を懸濁液に

追加する。懸濁液を再度測定して,これらの増えたピークに対応する粒子径が

5

%以内の精度で粒子本来

の粒子径に相当することを確認する。

JC.2

計数システムの線形性

計数システムの線形性は,任意の濃度で

3

回測定することで検証できる。その後,濃度を下げて更に

3

回測定する。このときに,同時通過補正を必ず行わなくてはならない。計数平均値の比率は,希釈比率と

同じとなる。もし,値の一致が

5

%以内に納まらなければ,更に

2

回希釈して測定し,濃度の薄い

2

種類

の測定値を比較して,値の一致が

5

%以内になるまで測定を繰り返す。その後の測定は,最良の結果を示

した希釈度で実施することが望ましい。


38

Z 8832

:2010

参考文献

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JIS Z 8827-1  粒子径解析−画像解析法−第

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部:静的画像解析法

注記

対応国際規格:ISO 13322-1

Particle size analysis

Image analysis methods

Part 1: Static image

analysis methods

[17]

JIS K 5101-11-1  顔料試験方法−第

11

部:密度−第

1

節:ピクノメータ法

注記

対応国際規格:ISO 787-10

General methods of test for pigments and extenders

Part 10:

Determination of density

Pyknometer method

MOD

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JIS Z 9021  シューハート管理図

注記

対応国際規格:ISO 8258

Shewhart control charts

MOD

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87


40

Z 8832

:2010

附属書 JD

参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS Z 8832:2010  粒子径分布測定方法−電気的検知帯法

ISO 13319:2007  Determination of particle size distributions−Electrical sensing zone 
method

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の
箇条ごとの評価及びその内容

箇条番号 
及び題名

内容

(II) 
国際

規格
番号

箇条
番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

1  適用範囲

電気的検知帯法による粒
子径測定法について規定
する。

 1 JIS とほぼ同じ

変更

ISO 規格は,多孔質物質及
び金属粉のような導電性物
質の測定に関するガイダン

スを入れたことを規定して
いるが,JIS では削除した。

ISO 規格で規定された導電性物質の測定
に関するガイダンスは附属書 A(参考)で
あり,規定ではないので JIS 本体の規定と

しては削除し,注記として示した。 
ISO 規格改正時に検討を求める。

2  引用規格

3   用 語 及 び
定義

7 個の用語について定義
を規定。

 3 JIS とほぼ同じ

変更

JIS は,チャンネルにおける
ISO 規格の説明に規定を追
加した。

ISO 規格のチャンネルに対する定義は分
かりにくいので,

JIS では規定を追加した。

ISO 規格の改正のときに修正を求める。

4  記号 18 個の記号について説

明した。

 4 20 個の記号について説

明されている。

変更

用 い て い な い 記 号 を 削 除

し,記号の順序を JIS の様
式に従った。また,必要な
記号を追加した。

ISO 規格改正時に検討を求める。

5  測定原理 
5.1  一般

電気的検知帯法の原理を
規定した。

 5 JIS と同じ

一致

5.2   出 力 応

球形粒子の場合の電気的
出力と粒子体積の関係を
規定し,球形以外の形状

のときについても説明し
た。

 6

6.1

JIS とほぼ同じ

一致

5.3   測 定 限

電気的検知帯法による検

出可能粒子径とアパチャ
ー径の関係を規定した。

 6.2

JIS と同じ

一致

40

Z 8832


2

010


41

Z 8832

:2010

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の
箇条ごとの評価及びその内容

箇条番号

及び題名

内容

(II) 
国際
規格

番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

6   測 定 の 準
備 
6.1   装 置 の
設置

装置の設置環境について

規定した。同時通過粒子,
不感時間,装置及びシス
テムの線形性の検定法は

附属書 JA∼附属書 JC に
よるとした。

 6.3

6.4 

8.1 
8.2 
8.3

同時通過粒子,不感時間

の検定法を述べている。
装置の設置環境につい
て規定している。

装置及びシステムの線
形性の検定法を規定し
ている。

変更

JIS は,同時通過粒子,不感
時間,装置及びシステムの
検定について附属書に示し
たことをのべたが,ISO 

格は本体に規定している。

同時通過粒子,不感時間,装置及びシステ

ムの検定については,装置の通常の使用に
おいては必要ないので,JIS では附属書と
した。 
ISO 規格改正時に検討を求める。

6.2  校正 
6.2.1  一般

校正方法に球形のラテッ
クス粒子を使用する方法
と質量積分法による方法

がある。多孔質粒子の場
合に校正の注意について
も触れた。

 8.10

8.10.1

JIS と同じ

一致

6.2.2  校正手
順−微小球形

粒子による校

微小球形粒子による校正
について規定した。

 8.10.2 JIS とほぼ同じ

一致

6.3   電 解 質
溶液の選択 
6.3.1  一般

電解質溶液の選択方法の

概要について規定した。

 8.4

8.4.1

電解質溶液の選択方法

の概要について規定し
た。

変更

JIS ではアパチャー範囲を
明確にした。

ISO 規格改正時に検討を求める。

6.3.2  小さな
アパチャーの
場合(D≦50 
μm)

電解質溶液に 4 %塩化ナ
トリウム水溶液又は同等
の電導度をもつものを推

奨。0.2 μm メンブレンフ
ィルターで 2 回ろ過する
ことを薦めた。

 8.4.2

JIS と同じ

一致

6.3.3  大きな
アパチャーの
場合(D≧400 
μm)

高速流によるノイズ防止
方法について規定した。

 8.4.3

JIS と同じ

一致

41

Z 8832


2

010


42

Z 8832

:2010

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の
箇条ごとの評価及びその内容

箇条番号

及び題名

内容

(II) 
国際
規格

番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

6.4   電 解 質
溶液の調製

電解質溶液のバックグラ

ウンド測定方法とバック
グラウンド計数値につい
て規定した。

 8.5

JIS と同じ

一致

6.5   推 奨 す
るサンプリン
グ方法,分割

方法,試料調
製及び分散方
法 
6.5.1  一般

サンプリング方法及び分
割方法の参照規格,並び
に試料による分散剤及び

分散液について参照規格
を示した。

 8.6

8.6.1

JIS と同じ

一致

6.5.2  ペース
トの利用

サンプル量を 0.2 cm

3

度とし,粉末状の場合の
調製方法を規定した。

 8.6.2

サンプル量及び粉末状

の場合の調製方法を規
定している。

変更

ペースト状試料に加える電

解質溶液と分散剤の順序が
異なる。

JIS の方法がよりよい粒子分散状態を作り
出すと考えられ,ISO 規格改正時に検討を
求める。

6.5.3  50  μm
未満の低密度
粒子の分散方

サンプル量を約 1 g とし,

調製方法を規定した。

 8.6.3

JIS と同じ

一致

6.5.4  懸濁液
及びエマルシ

ョン

懸濁液及びエマルション
を電解質溶液で希釈する

方法について規定した。

 8.6.4

JIS と同じ

一致

6.5.5  分散状
態の検証

顕微鏡による分散状態の
検証方法について規定し

た。

 8.6.5

JIS と同じ

一致

6.6   ア パ チ
ャーと測定容
積の選択

測定粒子によるアパチャ

ーの選択方法について規
定した。

 8.7

JIS と同じ

一致

42

Z 8832


2

010


43

Z 8832

:2010

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の
箇条ごとの評価及びその内容

箇条番号

及び題名

内容

(II) 
国際
規格

番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

7  測定 
7.1  手順

電気的検知帯法の測定装

置による標準的な手順を
規定した。

追加

この規格は測定方法の規格であるので,標

準的な手順を示す方が望ましい。 
ISO 規格の改正時に追加を求める。

7.2   測 定 上
の留意事項 
7.2.1  分散状
態の安定性の

検証

分散状態の安定性の検証

方法及び判定方法を示し
た。

 8.9

JIS と同じ

一致

7.2.2  計数の
再現性

各粒子径区間で得られた

計数値がポアソン分布に
従うかどうかについてカ
イ二乗検定を行うことを

規定した。

 7 JIS と同じ

一致

7.2.3  アパチ
ャーの洗浄

アパチャーの詰まりの検
査方法及び 5 種類の洗浄

方法を示した。

 8.8

JIS と同じ

一致

7.2.4  測定精
度の向上

粒 子 径 の 分 布 が 広 い 場

合,複数のアパチャーを
使用すること及び測定精
度を向上させるため,複

数回の測定を行うことを
規定した。

 9 JIS と同じ

一致

8   試 験 結 果
の表し方

得られた各チャンネルの

粒子数データから体積基
準の粒子径分布に変換す
る場合,シンプソンの法

則を適用することを規定
した。

 10

JIS と同じ

一致

9   試 験 結 果
の報告

報告すべき 9 項目を示し
た。

 11.2

すべての検査手順及び
データを詳細に報告す
る。

追加

ISO 規格は具体性に乏しい
ので,JIS では報告項目の形
で具体化させた。

使用者にとって JIS の方式が分かりやす
いので,ISO 規格改正時に修正を求める。

43

Z 8832


2

010


44

Z 8832

:2010

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の
箇条ごとの評価及びその内容

箇条番号

及び題名

内容

(II) 
国際
規格

番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

附属書 A

(参考)

附属書 B 
(参考)

附属書 C 
(参考)

附属書 D 
(参考)

附属書 E 
(参考)

附属書 F

(参考)

附属書 JA

(規定) 
同時通過粒子
の影響

同時通過粒子の影響及び

処理の仕方を規定した。

 6.3

JIS と同じ

一致

ISO 規格では,この内容を
本体に入れているが,JIS
では附属書とした。

同時通過粒子の影響が顕著になるのは粒

子径分布が狭い特別な場合である。ISO 
格改正時に検討を求める。

附属書 JB 
(規定) 
不感時間

不感時間の存在と調整方
法について規定した。

 6.4

JIS と同じ

一致

ISO 規格では,この内容を
本体に入れているが,JIS
では附属書とした。

不感時間の存在説明は規格としての規定
項目ではなく,通常は装置の製造業者が調
製すべきものであるので,ISO 規格でも附

属書とした方が適切と考える。ISO 規格改
正時に再度議論を求める。

附属書 JC 
(規定) 
装置及びシス

テムの線形性

アパチャー及び増幅器の
線形性の検査方法,並び
に計数システムの線形性

の検証方法について規定
した。

 8.2

8.3

JIS と同じ

一致

アパチャー及び増幅器の線
形性並びに計数システムの
線形性の検証は,通常は装

置製造業者が行うことで,
使用者が行う必要はない。
このため JIS では附属書と

した。

この規格は使用者のためのものであるは
ずなので,ここにおける内容は本体ではな
く附属書にすることが適切と思われる。 
ISO 規格の改正時に検討を求める。

44

Z 8832


2

010


45

Z 8832

:2010

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 13319:2007,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

−  一致技術的差異がない。

−  追加国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

−  MOD国際規格を修正している。 

45

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