>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

Z 8807

:2012

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

4

  単位

2

5

  標準物質

2

6

  比重瓶による密度及び比重の測定方法

6

6.1

  測定原理及び特徴

6

6.2

  測定に用いる器具

7

6.3

  測定

7

6.4

  計算

8

6.5

  測定結果の不確かさ要因

8

7

  ルシャテリエ比重瓶による密度及び比重の測定方法

8

7.1

  測定原理及び特徴

8

7.2

  測定に用いる器具

9

7.3

  測定

9

7.4

  計算

9

7.5

  測定結果の不確かさ要因

10

8

  液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法

10

8.1

  測定原理及び特徴

10

8.2

  測定に用いる器具

10

8.3

  測定

12

8.4

  計算

12

8.5

  測定結果の不確かさ要因

13

9

  幾何学的測定による密度及び比重の測定方法

13

9.1

  測定原理及び特徴

13

9.2

  体積測定

13

9.3

  質量測定

14

9.4

  計算

14

9.5

  測定結果の不確かさ要因

14

10

  音響法による密度及び比重の測定方法

14

10.1

  測定原理及び特徴

14

10.2

  測定に用いる器具

14

10.3

  測定

15

10.4

  計算

15

10.5

  測定結果の不確かさ要因

16


Z 8807

:2012  目次

(2)

ページ

11

  気体置換法による密度及び比重の測定方法

16

11.1

  測定原理及び特徴

16

11.2

  測定に用いる器具

16

11.3

  測定

17

11.4

  計算

17

11.5

  測定結果の不確かさ要因

18

12

  測定の不確かさ

18

参考文献

19


Z 8807

:2012

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,公益社団法人計測

自動制御学会(SICE)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格

を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格

である。

これによって,JIS Z 8807:1976 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

8807

:2012

固体の密度及び比重の測定方法

Methods of measuring density and specific gravity of solid

1

適用範囲

この規格は,比重瓶,ルシャテリエ比重瓶,液中ひょう量法,幾何学的測定による方法,音響法,気体

置換法を用いた固体の密度及び比重の測定方法,並びにこれらの測定において計量計測トレーサビリティ

を確保する方法について規定する。

注記  物理量としての厳密な定義の観点から,用語としては,できるだけ比重より密度を用いるのが

よい。ただし,関係法令などとの関係でこれを制限するものではない。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS Z 8804

  液体の密度及び比重の測定方法

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

密度(density)

試料固体の単位体積当たりの質量。

3.2

比重(specific gravity)

試料固体の密度を,圧力 101 325 Pa の下における水の密度で除したもの。温度 t  ℃における試料固体の

密度を温度 t

0

℃の水の密度で除した場合は,比重 t/t

0

℃,と表記する。

注記  比重 t/t

0

℃を比重 t/4  ℃に換算する場合は,

比重 t/t

0

℃に温度 t

0

℃の水の比重 t

0

/4

℃を乗じる。

3.3

計量計測トレーサビリティ(metrological traceability)

個々の校正が不確かさに寄与する,文書化された切れ目のない校正の連鎖を通して,測定結果を計量計

測参照に関連付けることができるという測定結果の性質。

注記  校正とは,計測器若しくは測定システムによって指示される量の値,又は実量器若しくは標準

物質によって表される値と,標準によって実現される対応する値との関係を,特定の条件下で

確定する一連の作業をいう(JIS Z 8103 参照)


2

Z 8807

:2012

3.4

JCSS

(Japan Calibration Service System)

計量法に基づく計量標準供給制度。この制度における校正は,国家標準又は国際標準との比較の連鎖に

よって,計測機器へのつながり(計量計測トレーサビリティ)を証明する行為をいう。

3.5

密度標準液(density standard liquid,density reference liquid)

JCSS

登録校正事業者によって密度が校正された液体。水,有機液体,水溶液体などを含む。

3.6

固体密度標準(density standard solid,density reference solid)

JCSS

登録校正事業者によって密度が校正された固体。シリコン単結晶,金属,ガラスなどを含む。

4

単位

単位は,次による。

a)

密度の単位には,国際単位系(SI)の基本単位による表し方であるキログラム毎立方メートル(kg/m

3

を用いる。

注記  従来よく用いられてきた単位としてグラム毎立方センチメートル(g/cm

3

)があり,二つの単

位の間には,次の関係がある。

kg/m

3

=10

3

 g/cm

3

b)

比重は,単位のない,無次元数である。

5

標準物質

この規格で規定された密度及び比重の測定に必要な標準物質は,次のいずれかによる。

a) JCSS

登録校正事業者によって校正された密度標準液及び固体密度標準

b)

この規格で規定した測定方法で密度が校正された固体

c)

JIS Z 8804

で規定する測定方法によって密度が校正された液体

d)

シリコン単結晶,水,空気などの密度がよく知られた物質を用いる。水を用いる場合には,JIS K 0557

に規定する A3 又は A4 の水を用いることが望ましい。水の密度を

表 に,空気の密度を表 及び表 3

に示す。

表 に示した 0  ℃∼40  ℃の範囲での標準平均海水(SMOW: Standard Mean Ocean Water[1])

と同じ同位体組成をもつ純水の密度

ρ

SMOW

の算出に用いた式[2]を式(1)に,

表 及び表 に示した空気

の密度

ρ

air

の算出に用いた湿り空気の状態方程式[3]を式(2)に示す。

(

) (

)

(

)

+

+

+

=

4

3

2

2

1

5

SMOW

1

a

t

a

a

t

a

t

a

ρ

 (1)

ここに,

ρ

SMOW

SMOW

と同じ同位体組成をもつ純水の密度(kg/m

3

t: 温度(℃)

a

1

−3.983 035(℃)

a

2

301.797

(℃)

a

3

522 528.9

(℃

2

a

4

69.348 81

(℃)

a

5

999.974 950

(kg/m

3

(

)

[

]

(

)

V

CO2

air

0

378

.

0

1

472

314

.

8

4

000

.

0

011

.

12

46

965

.

28

x

ZT

p

x

+

=

ρ

 (2)


3

Z 8807

:2012

ここに,

ρ

air

空気の密度(

10

3

 kg/m

3

x

CO2

: 二酸化炭素のモル分率

x

V

水蒸気のモル分率

p

大気圧(

Pa

Z

圧縮係数

T

273.15+ t

K

(2)

中の

x

V

は,次の式

(3)

で与えられる。

( ) ( )

(

) ( )

p

t

p

t

p

f

p

t

p

t

p

hf

x

d

sv

d

sv

V

,

,

=

=

 (3)

ここに,

t

温度(℃)

t

d

露点温度(℃)

h

相対湿度(

0

h

1

(3)

中の

p

sv

及び

f

は,それぞれ次の式

(4)

及び式

(5)

で与えられる。

(

)

T

D

C

BT

AT

p

+

+

+

=

2

sv

exp

 (4)

ここに,

p

sv

飽和蒸気圧(

Pa

A

1.237 884 7

×

10

5

 K

2

B

1.912 131 6

×

10

2

 K

1

C

33.937 110 47

D

6.343 164 5

×

10

3

 K

2

t

p

f

γ

β

α

+

+

=

 (5)

ここに,

α

1.000 62

β

3.14

×

10

8

 Pa

1

γ

5.6

×

10

7

 K

2

(2)

中の

Z

は,次の式

(6)

で与えられる。

(

)

(

)

[

]

(

)

2

V

2

2

2

V

1

0

V

1

0

2

2

1

0

1

ex

d

T

p

x

t

c

c

x

t

b

b

t

a

t

a

a

T

p

Z

+

+

+

+

+

+

+

+

=

 (6)

ここに,

a

0

1.581 23

×10

6

 K Pa

1

a

1

−2.933 1×10

8

 Pa

1

a

2

1.104 3

×10

10

 K

1

 Pa

1

b

0

5.707

×10

6

 K Pa

1

b

1

−2.051×10

8

 Pa

1

c

0

1.989 8

×10

4

 K Pa

1

c

1

−2.376×10

6

 Pa

1

d: 1.83

×10

11

 K

2

Pa

2

e: −0.765×10

8

 K

2

Pa

2

e

)

空気の密度のおよその値が分かればよい場合は,シリカゲルなどによって十分に乾燥させた空気を用

い,その密度(乾き空気の密度

ρ

dry air

)のおよその値を,式(2)∼式(6)中の x

CO2

を 0.000 4,を 0,及び

を 1 とした次の式(7)で求めてもよい。

325

101

15

.

273

15

.

273

293

.

1

air

dry

p

t

×

+

×

=

ρ

 (7)

ここに,

ρ

dry air

温度 t

(℃)

及び大気圧 p

(Pa)

における乾き空気の密度

(kg/m

3


4

Z 8807

:2012

表 1−水の密度(SMOW と同じ同位体組成をもつ精製された水の密度

ρ

SMOW

温度(℃)

密度(kg/m

3

)  温度(℃)

密度(kg/m

3

) 温度(℃)

密度(kg/m

3

) 温度(℃)

密度(kg/m

3

0 999.843 30 995.649 60 983.196  90 965.310

1 999.902 31 995.342 61 982.678  91 964.635

2 999.943 32 995.027 62 982.155  92 963.955

3 999.967 33 994.704 63 981.626  93 963.271

4 999.975 34 994.372 64 981.091  94 962.582

5 999.967 35 994.033 65 980.551  95 961.888

6 999.943 36 993.685 66 980.005  96 961.189

7 999.904 37 993.329 67 979.453  97 960.486

8 999.851 38 992.965 68 978.896  98 959.778

9 999.784 39 992.594 69 978.333  99 959.066

10 999.703 40 992.215 70 977.765 100 958.349

11 999.608 41 991.830 71 977.191

12 999.500 42 991.437 72 976.612

13 999.380 43 991.036 73 976.028

14 999.247 44 990.628 74 975.438

15 999.103 45 990.213 75 974.843

16 998.946 46 989.791 76 974.243

17 998.778 47 989.362 77 973.637

18 998.598 48 988.926 78 973.027

19 998.408 49 988.484 79 972.411

20 998.207 50 988.035 80 971.790

21 997.995 51 987.579 81 971.165

22 997.773 52 987.117 82 970.534

23 997.541 53 986.649 83 969.898

24 997.299 54 986.174 84 969.257

25 997.047 55 985.693 85 968.611

26 996.786 56 985.206 86 967.961

27 996.515 57 984.712 87 967.305

28 996.235 58 984.213 88 966.645

29 995.946 59 983.707 89 965.980

注記 1  表中の密度の値は,SMOW[1]と同じ同位体組成をもつ精製された水の密度を示す。水の精製は,蒸留法,逆

浸透膜法などによって行い,JIS K 0557 に規定する A3 又は A4 の水を用いることが望ましい。

注記 2 0

℃∼40  ℃の温度範囲の密度の値は,国際度量衡委員会(CIPM)によって承認された国際推奨値[2]を示す。

注記 3 41

℃∼100  ℃の温度範囲の密度の値は,国際水・蒸気性質委員会(IAPWS)が採用している科学計算用国際

状態方程式(IAPWS-95)[4]によって与えられる。

注記 4  水の密度は,溶解ガスの影響及び同位体組成の変動によって変化するため,正確な密度の値を得るには実際

の使用状況に応じた補正を行う。一般に,精製した降水(蒸留した水道水など)の密度は,同位体組成の違

いによって SMOW の密度

ρ

SMOW

より相対的に 3×10

6

程度小さい。精密な値が必要な場合には,同位体組成

を測定し,

ρ

SMOW

からの偏差を計算することが必要である[5]。また,十分に脱気した水であっても空気中に

放置すると極短時間で空気が溶解して水の密度は減少する。空気の溶解度は温度減少とともに増加し,空気

が飽和状態で溶解した水の密度は 0  ℃において

ρ

SMOW

よりも相対的に約 4.6×10

6

程度小さい。水の 20  ℃,

大気圧力下での等温圧縮率は 4.6×10

10

 Pa

1

であり,大気圧が 100 hPa 増加した場合の水の密度の相対変化

は 4.6×10

6

である。

注記 5 0

℃∼40  ℃の温度範囲での密度の値の拡張不確かさ(k=2)は,0.83×10

3

 kg/m

3

∼0.88×10

3

 kg/m

3

である

[2]

注記 6 41

℃∼85  ℃の温度範囲での密度の値の相対拡張不確かさ(k=2)は,10

6

程度であると推定される[6]。

注記 7 86

℃∼100  ℃の温度範囲での密度の値の相対拡張不確かさ(k=2)は,10

5

程度であると推定される[4]。

注記 8  注記 の補正が実施できない場合には,補正に関する情報を基に密度の値の不確かさを再評価する必要があ

る。


5

Z 8807

:2012

表 2−空気の密度[101 325 Pa,相対湿度 50 %,二酸化炭素(CO

2

濃度 400 

μmol/mol

温度(℃)

密度(kg/m

3

)  温度(℃)

密度(kg/m

3

) 温度(℃)

密度(kg/m

3

) 温度(℃)

密度(kg/m

3

0

1.291 58

30

1.155 51

60

1.020 28

90

0.843 64

1

1.286 74

31

1.151 16

61

1.015 37

91

0.836 29

2

1.281 93

32

1.146 82

62

1.010 41

92

0.828 80

3

1.277 15

33

1.142 47

63

1.005 40

93

0.821 18

4

1.272 39

34

1.138 12

64

1.000 35

94

0.813 43

5

1.267 66

35

1.133 77

65

0.995 24

95

0.805 53

6

1.262 96

36

1.129 42

66

0.990 08

96

0.797 49

7

1.258 28

37

1.125 06

67

0.984 86

97

0.789 29

8

1.253 62

38

1.120 70

68

0.979 59

98

0.780 95

9

1.248 99

39

1.116 33

69

0.974 26

99

0.772 45

10

1.244 38

40

1.111 95

70

0.968 86

100

0.763 79

11 1.239

79 41 1.107

56 71 0.963

40

12 1.235

22 42 1.103

15 72 0.957

87

13 1.230

67 43 1.098

74 73 0.952

27

14 1.226

14 44 1.094

31 74 0.946

60

15 1.221

63 45 1.089

87 75 0.940

85

16 1.217

14 46 1.085

41 76 0.935

03

17 1.212

66 47 1.080

93 77 0.929

12

18 1.208

20 48 1.076

43 78 0.923

13

19 1.203

75 49 1.071

91 79 0.917

05

20 1.199

31 50 1.067

37 80 0.910

89

21 1.194

89 51 1.062

80 81 0.904

63

22 1.190

48 52 1.058

21 82 0.898

28

23 1.186

08 53 1.053

58 83 0.891

83

24 1.181

70 54 1.048

93 84 0.885

28

25 1.177

32 55 1.044

24 85 0.878

62

26 1.172

94 56 1.039

53 86 0.871

85

27 1.168

58 57 1.034

77 87 0.864

98

28 1.164

22 58 1.029

98 88 0.857

99

29 1.159

86 59 1.025

15 89 0.850

88

注記 1  表中の密度の値は,式(2)(湿り空気の状態方程式[3])によって求めた 101 325 Pa,相対湿度 50 %及び CO

2

度 400

μmol/mol での密度の値である。大気圧,相対湿度及び CO

2

濃度の測定が可能な場合には,式(2)を用い,

より正確な密度の値を求めることができる。

注記 2  式(2)による密度の計算の相対標準不確かさは,22×10

6

である。ただし,この不確かさは,大気圧,相対湿

度及び CO

2

濃度測定の不確かさを考慮していない。空気の密度の値の厳密な不確かさが必要な場合には,各

測定の不確かさが密度の計算の不確かさに及ぼす影響[3]を考慮する。


6

Z 8807

:2012

表 3−空気の密度[101 325 Pa,相対湿度 0 %,二酸化炭素(CO

2

濃度 400 

μmol/mol

温度(℃)

密度(kg/m

3

)  温度(℃)

密度(kg/m

3

) 温度(℃)

密度(kg/m

3

) 温度(℃)

密度(kg/m

3

0 1.293

05 30 1.164

72 60 1.059

62  90 0.971

98

1 1.288

32 31 1.160

88 61 1.056

45  91 0.969

31

2 1.283

62 32 1.157

06 62 1.053

29  92 0.966

65

3 1.278

95 33 1.153

27 63 1.050

15  93 0.964

01

4 1.274

32 34 1.149

51 64 1.047

03  94 0.961

38

5 1.269

73 35 1.145

77 65 1.043

93  95 0.958

76

6 1.265

16 36 1.142

06 66 1.040

85  96 0.956

17

7 1.260

63 37 1.138

37 67 1.037

78  97 0.953

58

8 1.256

13 38 1.134

70 68 1.034

73  98 0.951

01

9 1.251

67 39 1.131

05 69 1.031

71  99 0.948

45

10 1.247

23 40 1.127

43 70 1.028

69 100 0.945

91

11 1.242

83 41 1.123

84 71 1.025

70

12 1.238

45 42 1.120

26 72 1.022

73

13

1.234 11

43

1.116 71

73

1.019 77

14 1.229

80 44 1.113

18 74 1.016

83

15 1.225

52 45 1.109

68 75 1.013

90

16 1.221

27 46 1.106

19 76 1.010

99

17 1.217

05 47 1.102

73 77 1.008

10

18 1.212

86 48 1.099

29 78 1.005

23

19 1.208

69 49 1.095

87 79 1.002

37

20 1.204

56 50 1.092

47 80 0.999

53

21 1.200

45 51 1.089

10 81 0.996

70

22 1.196

37 52 1.085

74 82 0.993

89

23 1.192

32 53 1.082

40 83 0.991

10

24 1.188

30 54 1.079

09 84 0.988

32

25 1.184

30 55 1.075

80 85 0.985

56

26 1.180

33 56 1.072

52 86 0.982

81

27 1.176

39 57 1.069

27 87 0.980

08

28 1.172

47 58 1.066

03 88 0.977

36

29 1.168

58 59 1.062

82 89 0.974

66

注記 1  表中の密度の値は,式(2)(湿り空気の状態方程式[3])によって求めた 101 325 Pa,相対湿度 0 %及び CO

2

度 400

μmol/mol での密度の値である。大気圧,相対湿度及び CO

2

濃度の測定が可能な場合には,式(2)を用い,

より正確な密度の値を求めることができる。

注記 2  式(2)による密度の計算の相対標準不確かさは,表 の注記 と同じ。

6

比重瓶による密度及び比重の測定方法

6.1

測定原理及び特徴

6.1.1

測定原理

比重瓶の質量を M

0

,試料固体を入れた比重瓶の質量を M

1

,更に標準物質を加えて比重瓶を満たしたと

きの質量を M

2

とすれば,m

1

M

2

M

1

は加えた標準物質の質量である。標準物質だけで比重瓶を満たした

ときの質量を M

3

とすれば,m

2

M

3

M

0

m

1

は試料固体と同体積の標準物質の質量である。試料固体の質

量 m

0

M

1

M

0

と,m

2

と標準物質密度とによって計算される試料固体の体積から試料固体の密度及び比重

を求める。

6.1.2

特徴

比重瓶による密度及び比重の測定方法の特徴は,次による。


7

Z 8807

:2012

a

)

ほとんど全ての固体に使用することができる。

b

)

標準物質(液体)の密度を基準とする密度及び比重の測定方法である。

6.2

測定に用いる器具

測定に用いる器具は,次による。

a

)

比重瓶  比重瓶の構造は,JIS R 3503 を参照する。その一例を図 に示す。

単位  mm

図 1−ハーバート形比重瓶(例)

b

)

標準物質  水又は要求される精度に応じて校正された標準物質を用いる。密度及び比重の測定の結果

の国家計量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,主として箇条 の a),又は必要

に応じて,箇条 の c)に規定する,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された標準物質を用い

る。

c

)

温度計  要求される精度に応じて校正された温度計を使用する。密度及び比重の測定の結果の国家計

量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校

正された温度計を用いる。

d

)

恒温槽  要求される精度に応じた温度の制御性能をもつ恒温槽を使用する。

e

)

天びん  要求される精度に応じた質量の測定性能をもつ天びんを使用する。密度及び比重の測定の結

果の国家計量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブル

な方法で校正された分銅を用いて天びんの感度を校正する。

6.3

測定

測定は,次による。

a

)

比重瓶を洗浄し,乾燥する。

b

)

比重瓶を栓ともに天びんでひょう量する(W

1

c

)

試料固体を比重瓶に入れ栓をし,天びんでひょう量する(W

2

d

)

標準物質を泡の入らないように比重瓶に満たし,加えて栓をする。

e

)

比重瓶を恒温槽に入れる。


8

Z 8807

:2012

f

)

標準物質及び試料固体が一定温度 になった後,注射器,ろ紙などによって,標準物質のメニスカス

の最下端を標線に合わせ比重瓶を取り出す。

g

)

比重瓶をよく拭いた後,室温になるまで放置し,ひょう量する(W

3

h

)

比重瓶から試料固体を取り出し,標準物質を泡の入らないように比重瓶に満たす。

i

)

栓をし,比重瓶を恒温槽に入れる。標準物質が一定温度 になった後,注射器,ろ紙などによって,

標準物質のメニスカスの最下端を標線に合わせ比重瓶を取り出す。

j

)

よく拭いた後,室温になるまで放置し,ひょう量する(W

4

注記  比重瓶を拭く場合,乾布でこすると静電荷を生じ,量ったとき 1 mg くらいの差を生じること

があるから注意する必要がある。

6.4

計算

計算は,次による。

a

)

温度 における試料固体の密度

ρ

t

を求める計算は,次の式(8)を用いて行う。

(

)

(

) (

)(

)

air

air

S

2

3

1

4

1

2

ρ

ρ

ρ

ρ

+

=

W

W

W

W

W

W

t

 (8)

ここに,

ρ

t

温度 における試料固体の密度(kg/m

3

W

1

比重瓶の空気中でのひょう量値(kg)

W

2

試料固体が入った比重瓶の空気中でのひょう量値(kg)

W

3

試料固体及び標準物質が入った比重瓶の空気中でのひょう量
値(kg)

W

4

標準物質が入った比重瓶の空気中でのひょう量値(kg)

ρ

s

温度 における標準物質の密度(kg/m

3

ρ

air

測定中の空気の密度(kg/m

3

標準物質として水を用いた場合,その密度は,

表 を参照して求めてもよい。空気の密度は,表 2

及び

表 を参照して求めるか,又は式(2)若しくは式(7)によって求める。

b

)

試料固体の密度を水の密度で除し比重を求める。水の密度は,

表 によって求めるか,又は式(1)によ

って計算する。温度 t

0

の水の密度を比重の算出に用いた場合には,比重 t/t

0

℃と表記し,温度 t

0

を明

示する。

6.5

測定結果の不確かさ要因

比重瓶による密度及び比重の測定の不確かさを見積もる場合,次の要因を考慮する。

a

)

標準物質の不確かさ

b

)

試料固体の温度測定の不確かさ

c

)

天びんによる比重瓶ひょう量の不確かさ

d

)

実験標準偏差

7

ルシャテリエ比重瓶による密度及び比重の測定方法

7.1

測定原理及び特徴

7.1.1

測定原理

液体を入れたルシャテリエ比重瓶に質量既知の試料固体を入れる。試料固体による液面の上昇から試料

固体の体積を求め,試料固体の質量及び体積から密度及び比重を求める。

7.1.2

特徴

ルシャテリエ比重瓶による密度及び比重の測定方法の特徴は,次による。

a

)

ほとんど全ての固体に使用することができる。


9

Z 8807

:2012

b

)

標準物質(液体)の密度を基準とする密度及び比重の測定方法である。

c

)

通常の比重瓶と異なり,メニスカスを標線に合わせる必要がなく,操作が比較的簡単である。

7.2

測定に用いる器具

測定に用いる器具は,次による。

a

)

ルシャテリエ比重瓶  ルシャテリエ比重瓶は,図 に示すように二つの球部 A 及び B と,目盛線のあ

る管部 C 及び D とからなる比重瓶である。目盛線は,体積目盛である。密度及び比重の測定の結果の

国家計量標準へのトレーサビリティを確保するためには,体積目盛を,主として箇条 の a),又は必

要に応じて,箇条 の c)に規定する,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された標準物質で校

正する必要がある。

図 2−ルシャテリエ比重瓶(例)

b

)

天びん  要求される精度に応じた質量測定性能をもつ天びんを使用する。密度及び比重の測定の結果

の国家計量標準へのトレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校

正された分銅を用いて天びんの感度を校正する。

c

)

温度計  要求される精度に応じて校正された温度計を使用する。密度及び比重の測定の結果の国家計

量標準へのトレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された

温度計を用いる。

d

)

恒温槽  要求される精度に応じた温度の制御性能をもつ恒温槽を使用する。

7.3

測定

測定は,次による。

a

)

ルシャテリエ比重瓶の C 部にメニスカスがくるように液体を入れる。

b

)

恒温槽中に浸し,液体が一定温度 になったとき,メニスカスを C 目盛で読み取る(L

1

c

)

試料固体を空気中でひょう量する(W

d

)

試料固体をメニスカスが D 部にくるように入れる。

e

)

比重瓶を恒温槽中に浸し,一定温度 に保ち,メニスカスを D 目盛で読み取る(L

2

7.4

計算

計算は,次による。

a

)

温度 における試料固体の密度

ρ

t

を求める計算は,次の式(9)を用いて行う。

(

)

air

1

2

ρ

ρ

+

=

L

L

W

t

 (9)

ここに,

ρ

t

温度 における試料固体の密度(kg/m

3

W: 試料固体の空気中でのひょう量値(kg)


10

Z 8807

:2012

L

1

試料固体を比重瓶に入れる前の温度 におけるメニスカスの
読み(m

3

L

2

試料固体を比重瓶に入れた後の温度 におけるメニスカスの
読み(m

3

ρ

air

空気の密度(kg/m

3

b

)

試料固体の密度を水の密度で除し比重を求める。水の密度は,

表 によって求めるか,又は式(1)によ

って計算する。温度 t

0

の水の密度を比重の算出に用いた場合には,比重 t/t

0

℃と表記し,温度 t

0

を明

示する。

7.5

測定結果の不確かさ要因

ルシャテリエ比重瓶による密度及び比重の測定の不確かさを見積もる場合,次の要因を考慮する。

a

)

体積目盛の不確かさ

b

)

試料固体の温度測定の不確かさ

c

)

天びんによる試料ひょう量の不確かさ

d

)

実験標準偏差

8

液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法

8.1

測定原理及び特徴

8.1.1

測定原理

試料固体を液体中に懸垂し,

試料固体に作用する浮力の測定によって試料固体の密度及び比重を求める。

8.1.2

特徴

液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法の特徴は,次による。

a

)

極めて精度の高い密度及び比重の測定が可能である。

b

)

標準物質(液体)の密度を基準とする測定方法及び標準物質(固体)の密度を基準とする二つの測定

方法がある。

8.2

測定に用いる器具

測定に用いる器具は,次による。

装置の構成例を

図 及び図 に示す。


11

Z 8807

:2012

図 3−液中ひょう量法による密度及び比重の測定装置(液体を標準物質とする場合)(例)

図 4−液中ひょう量法による密度及び比重の測定装置(固体を標準物質とする場合)(例)

a

)

天びん  要求される精度に応じた質量測定性能をもつ天びんを使用する。密度及び比重の測定の結果

の国家計量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな

方法で校正された分銅を用いて天びんの感度を校正する。

天びん 

懸垂用つり線 

試料固体 

温度計 

試料槽 

恒温槽 

荷重交換機構 

標準物質(液体) 

天びん 

懸垂用つり線 

試料固体 

温度計 

作動液体

恒温槽 

荷重交換機構 

固体密度標準 a

固体密度標準 b


12

Z 8807

:2012

b

)

温度計  要求される精度に応じて校正された温度計を使用する。密度及び比重の測定の結果の国家計

量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校

正された温度計を用いる。

c

)

つり線  試料固体をつるのに十分な強さをもつものを使用する。

d

)

試料槽  試料固体を沈める液体を入れるもので,シンカーをつったとき,壁に触れないような十分な

大きさをもつものとする。

e

)

恒温槽  試料固体の温度を制御するもので,要求される精度に応じた温度の制御性能をもつ恒温槽を

使用する。

f

)

標準物質  要求される精度に応じて校正された標準物質を用いる。密度及び比重の測定の結果の国家

計量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,主として箇条 の a),又は必要に応じ

て,箇条 の b)若しくは c)に規定する,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された標準物質を

用いる。

8.3

測定

8.3.1

液体を標準物質とする場合

a

)

試料固体を空気中でひょう量する(W

1

b

)

試料固体を一定温度 の標準物質中に沈める。

c

)

試料固体が一定温度 になった後,荷重交換機構によって,試料固体をひょう量する(W

2

8.3.2

固体を標準物質とする場合

a

)

試料固体,固体標準物質 a 及び固体標準物質 b をそれぞれ空気中でひょう量する。

b

)

試料固体,固体標準物質 a 及び固体標準物質 b を一定温度 の作動液体中に沈める。

c

)

試料固体,固体標準物質 a 及び固体標準物質 b が一定温度 になった後,荷重交換機構によって,そ

れぞれを作動液体中でひょう量する。

8.4

計算

8.4.1

液体を標準物質とする場合

a

)

温度 における試料固体の密度

ρ

t

を求める計算は,次の式(10)を用いて行う。

(

)

air

air

S

2

1

1

ρ

ρ

ρ

ρ

+

=

W

W

W

t

 (10)

ここに,

ρ

t

温度 における試料固体の密度(kg/m

3

W

1

空気中での試料固体のひょう量値(kg)

W

2

試料固体の標準物質中でのひょう量値(kg)

ρ

s

温度 における標準物質の密度(kg/m

3

ρ

air

空気の密度(kg/m

3

b

)

試料固体の密度を水の密度で除し比重を求める。水の密度は,

表 によって求めるか,又は式(1)によ

って計算する。温度 t

0

の水の密度を比重の算出に用いた場合には,比重 t/t

0

℃と表記し,温度 t

0

を明

示する。

8.4.2

固体を標準物質とする場合

a

)

温度 における試料固体の密度

ρ

t

を求める計算は,次の式(11)を用いて行う。

(

)

(

)

air

air

b

5

8

5

air

a

4

7

4

6

3

3

2

ρ

ρ

ρ

ρ

ρ

ρ

+

+

=

W

W

W

W

W

W

W

W

W

t

(11)


13

Z 8807

:2012

ここに,

ρ

t

温度 における試料固体の密度(kg/m

3

W

3

空気中での試料固体のひょう量値(kg)

W

4

空気中での固体標準物質 a のひょう量値(kg)

W

5

空気中での固体標準物質 b のひょう量値(kg)

ρ

air

空気の密度(kg/m

3

W

6

作動液体中での試料固体のひょう量値(kg)

W

7

作動液体中での固体標準物質 a のひょう量値(kg)

W

8

作動液体中での固体標準物質 b のひょう量値(kg)

ρ

a

固体標準物質 a の密度(kg/m

3

ρ

b

固体標準物質 b の密度(kg/m

3

b

)

試料固体の密度を水の密度で除し比重を求める。水の密度は,

表 を参照して求めるか,又は式(1)に

よって計算する。温度 t

0

の水の密度を比重の算出に用いた場合には,比重 t/t

0

℃と表記し,温度 t

0

明示する。

8.5

測定結果の不確かさ要因

液中ひょう量法による密度及び比重の測定の不確かさを見積もる場合には,次の要因を考慮する。

a

)

標準物質の不確かさ

b

)

試料固体の温度測定の不確かさ

c

)

天びんによる標準物質ひょう量の不確かさ

d

)

実験標準偏差

9

幾何学的測定による密度及び比重の測定方法

9.1

測定原理及び特徴

9.1.1

測定原理

試料固体の体積及び質量を直接測定し,密度及び比重を求める。

9.1.2

特徴

幾何学的測定による密度及び比重の測定方法の特徴は,次による。

a

)

標準物質を用いることなく,試料固体の密度を絶対測定できる。

b

)

試料固体を液体に浸さずに密度及び比重を測定できる。液体に浸すことで溶解及び膨潤する試料固体

の測定には都合がよい。

9.2

体積測定

試料固体の体積を要求される精度に応じて幾何学的に測定する。密度及び比重の測定の結果の国家計量

標準へのトレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された計測器

を用いて体積を測定する。体積の絶対測定が比較的容易な試料固体の形状には,次のようなものがある。

a

)

球体  多方位から直径を測定し,平均直径 を求める。球体体積 は,から V=(

πd

3

/6)

として精度

よく求めることができる。より正確に体積を求めるためには,次の事項に注意する。

1

)

測定方位による直径の変化

2

)

試料固体の温度測定

b

)

立方体  向かい合う面の間隔を辺の長さを測定する。精度よく体積を求めるためには,次の事項に注

意する。

1

)

各面の形状

2

)

向かい合う面の平行度

3

)

角及び縁の欠落


14

Z 8807

:2012

4

)

試料固体の温度測定

9.3

質量測定

要求される精度に応じた天びんを用いて,試料固体の質量を測定する。密度及び比重の測定の結果の国

家計量標準へのトレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された

分銅を用いて天びんの感度を校正する。

9.4

計算

計算は,次による。

a

)

試料固体の質量を体積で除して試料固体の密度を求める。

b

)

試料固体の密度を水の密度で除し比重を求める。水の密度は,

表 によって求めるか,又は式(1)によ

って計算する。温度 t

0

の水の密度を比重の算出に用いた場合には,比重 t/t

0

℃と表記し,温度 t

0

を明

示する。

9.5

測定結果の不確かさ要因

幾何学的測定による密度及び比重の測定の不確かさを見積もる場合には,次の要因を考慮する。

a

)

体積測定の不確かさ

b

)

質量測定の不確かさ

c

)

温度測定の不確かさ

d

)

実験標準偏差

10

音響法による密度及び比重の測定方法

10.1

測定原理及び特徴

10.1.1

測定原理

装置はスピーカで仕切られた測定槽及び基準槽からなる。スピーカが正弦波信号で駆動されると二つの

槽には絶対値が等しく符号が反対の微小な体積変化が与えられ,その結果,測定槽と基準槽とは互いに符

号が反対の微小圧力変化が生じる。この圧力比は二つの槽の体積比に依存するので,測定槽に試料固体を

出し入れしたときの体積変化を圧力の比として検出できる。体積が校正された標準物質を測定槽に出し入

れして検出感度を校正し,標準物質と試料固体との体積差を測定し,密度及び比重を求める。

10.1.2

特徴

音響法による密度及び比重の測定方法の特徴は,次による。

a

)

試料固体を液体に浸さずに密度及び比重を測定できる。液体に浸すことで溶解及び膨潤する試料固体

の測定には都合がよい。

b

)

標準物質(固体)の密度を基準とする測定方法である。

10.2

測定に用いる器具

測定に用いる器具は,次による。

a

)

測定装置  装置の構成例を図 に示す。詳細については,JIS B 7609 を参照する。


15

Z 8807

:2012

図 5−音響法による密度及び比重の測定装置(例)

b

)

天びん  要求される精度に応じた質量測定性能をもつ天びんを使用する。密度及び比重の測定の結果

の国家計量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな

方法で校正された分銅を用いて天びんの感度を校正する。

c

)

体積標準物質  測定装置中の試料室及び膨張室の体積を決定するのに必要な,体積の校正された固体。

密度及び比重の測定の結果の国家計量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,主と

して箇条 の a),又は必要に応じて,箇条 の b)に規定する,国家計量標準にトレーサブルな方法で

校正された標準物質を用いる。

10.3

測定

測定は,次による。

a

)

測定槽を空にした状態で,マイク 1 で検出される信号の振幅(E

1,0

)とマイク 2 で検出される信号の振

幅(E

2,0

)との比 R

0

=(E

1,0

/E

2,0

)

を測定する。

b

)

測定容器を洗浄し,十分に乾燥させて,ひょう量する(m

1S

c

)

測定槽に体積標準物質を入れた状態で,マイク 1 で検出される信号の振幅(E

1,r

)とマイク 2 で検出さ

れる信号の振幅(E

2,r

)との比 R

r

=(E

1,r

/E

2,r

)

を測定する。

d

)

測定槽に試料固体を入れた状態で,マイク 1 で検出される信号の振幅(E

1,s

)とマイク 2 で検出される

信号の振幅(E

2,s

)との比 R

s

=(E

1,s

/E

2,s

)

を測定する。

e

)

c

)

d)の操作を繰り返す。

10.4

計算

計算は,次による。

a

)

試料固体の体積 及び試料固体の密度

ρ

t

を求める計算は,次の式(12)及び式(13)を用いて行う。

⎟⎟

⎜⎜

=

r

0

0

r

R

R

R

R

V

V

 (12)

V

m

t

=

ρ

 (13)


16

Z 8807

:2012

ここに,

V

試料固体の体積(m

3

V

r

体積標準物質の体積(m

3

R

0

測定槽を空にしたときの振幅比

R

r

測定槽に体積標準物質を入れたときの振幅比

R

測定槽に試料固体を入れたときの振幅比

ρ

t

温度

t

における試料固体の密度(kg/m

3

m

試料固体の質量(kg)

b

)

試料固体の密度を水の密度で除し比重を求める。水の密度は,

表 によって求めるか,又は式(1)によ

って計算する。温度

t

0

の水の密度を比重の算出に用いた場合には,比重

t

/

t

0

℃と表記し,温度

t

0

を明

示する。

10.5

測定結果の不確かさ要因

音響法による密度及び比重の測定の不確かさを見積もる場合には,次の要因を考慮する。

a

)

体積標準物質の不確かさ

b

)

体積測定の不確かさ

c

)

質量測定の不確かさ

d

)

温度測定の不確かさ

e

)

実験標準偏差

11

気体置換法による密度及び比重の測定方法

11.1

測定原理及び特徴

11.1.1

測定原理

試料室を試料固体及び不活性ガスで満たす。その後,試料室に膨張室を接続し,不活性ガスを膨張させ

る。膨張に伴う試料室内の圧力変化によって試料固体の体積を求め,密度及び比重を測定する。

11.1.2

特徴

気体置換法による密度及び比重の測定方法の特徴は,次による。

a

)

粉体の体積,密度及び比重を測定できる。

b

)

試料固体を液体に浸さずに密度及び比重を測定できる。液体に浸すことで溶解及び膨潤する試料固体

の測定には都合がよい。

c

)

標準物質(固体)の密度を基準とする測定方法である。

11.2

測定に用いる器具

測定に用いる器具は,次による。

a

)

測定装置  測定装置の構成例を図 に示す。詳細については JIS R 1620 を参照する。

図 6−気体置換法による密度及び比重の測定装置(例)


17

Z 8807

:2012

b

)

天びん  要求される精度に応じた質量測定性能をもつ天びんを使用する。密度及び比重の測定の結果

の国家計量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな

方法で校正された分銅を用いて天びんの感度を校正する。

c

)

体積標準物質  測定装置中の試料室及び膨張室の体積を決定するのに必要な,体積の校正された固体。

密度及び比重の測定の結果の国家計量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,主と

して箇条 の a)  ,又は必要に応じて,箇条 の b)に規定する,国家計量標準にトレーサブルな方法

で校正された標準物質を用いる。

d

)

ガス  ヘリウムなどの理想気体に近い挙動を示し,非可燃性の気体を用いることが望ましい。

11.3

測定

測定は,次による。

a

)

測定容器を洗浄し,十分に乾燥させる。

b

)

ガス供給弁を閉じ,測定容器を試料室へ入れる。

c

)

接続弁を開き,排気弁によってポンプなどによって試料室及び膨張室を排気する。

d

)

排気弁を閉じ,ガス供給弁からガスを導入する。

e

)

試料室の圧力を圧力計によって測定する(

p

1C

f

)

接続弁を開き,圧力計によって試料室及び膨張室の圧力を圧力計によって測定する(

p

2C

g

)

排気弁を開き,体積標準物質を試料室中の測定容器に入れる。c)∼f)  の操作を繰り返し,ガスを導入

したときの圧力(

p

1S

)及び接続弁を開きガスを膨張させたときの圧力(

p

2S

)を測定する。

h

)

排気弁を開き,測定容器及び体積標準物質を取り出す。

i

)

試料固体を測定容器に入れる。

j

)

前処理によって試料固体に付着した不純物を取り除く。

k

)  c)

f)  の操作を繰り返し,ガスを導入したときの圧力(

p

1

)及び接続弁を開きガスを膨張させたとき

の圧力(

p

2

)を測定する。

l

)

試料固体の質量を測定する。

注記 1  ポンプなどによる試料室及び膨張室の排気が実施できない場合は,次の操作を繰り返すこ

とによって試料室及び膨張室内をガスで置換する。置換方法の詳細については,JIS R 1620

を参照する。

1

)

接続弁及び排気弁を開く。

2

)

ガス供給弁を開き,ガスを導入する。

3

)

排気弁及び接続弁を閉じる。

4

)

ガス供給弁を閉じ,接続弁及び排気弁を開く。

注記 2  注記 の方法によって試料室及び膨張室内をガスで置換した場合,

p

1C

p

2C

p

1S

p

1S

p

1

及び

p

2

は置換後に接続弁及び排気弁を閉じた状態での圧力をゼロとするゲージ圧とする。

詳細については JIS R 1620 を参照する。

11.4

計算

計算は,次による。

a

)

次の式(14)∼(17)によって,測定容器を入れたときの試料室の空間容積

V

1

,膨張室の空間容積

V

2

,試

料固体の体積

V

及び試料固体の密度

ρ

t

を計算する。


18

Z 8807

:2012

(

)

2C

2S

1C

1S

2S

1S

cal

1

p

p

p

p

p

p

V

V

=

 (14)

⎟⎟

⎜⎜

=

1

2C

1C

1

2

p

p

V

V

 (15)

⎟⎟

⎜⎜

=

1

2

1

2

1

p

p

V

V

V

 (16)

V

m

t

=

ρ

 (17)

ここに,

V

1

試料室に測定容器を入れたときの空間容積(

m

3

V

2

膨張室の空間容積(

m

3

V

cal

体積標準物質の体積(

m

3

V

試料固体の体積(

m

3

p

1C

測定容器が空の状態で,ガスを導入したときの圧力(

Pa

p

2C

測定容器が空の状態で,接続弁を開いたときの圧力(

Pa

p

1S

測定容器中に体積標準物質を入れた状態で,ガスを導入した
ときの圧力(

Pa

p

2S

測定容器中に体積標準物質を入れた状態で,接続弁を開いた
ときの圧力(

Pa

p

1

試料室に試料固体を入れた状態で,ガスを導入したときの圧
力(

Pa

p

2

試料室に試料固体を入れた状態で,接続弁を開いたときの圧
力(

Pa

ρ

t

温度

t

における試料固体の密度(

kg/m

3

m

試料固体の質量(

kg

b

)

試料固体の密度を水の密度で除し比重を求める。水の密度は,

表 によって求めるか,又は式

(1)

によ

って計算する。温度

t

0

の水の密度を比重の算出に用いた場合には,比重

t/t

0

℃と表記し,温度

t

0

を明

示する。

11.5

測定結果の不確かさ要因

気体置換法による密度及び比重の測定の不確かさを見積もる場合には,次の要因を考慮する。

a

)

水分などの試料固体への吸着による影響の不確かさ

b

)

体積標準物質の不確かさ

c

)

体積測定の不確かさ

d

)

質量測定の不確かさ

e

)

温度測定の不確かさ

f

)

実験標準偏差

12

測定の不確かさ

計量計測トレーサビリティを確保するなど,必要がある場合,この規格で規定する密度及び比重の測定

の不確かさを,標準物質の不確かさ,試料固体の温度測定の不確かさなどを考慮して求める。不確かさ評

価の一般的な方法については,不確かさ評価に関する JIS Z 8404-1

 [9]

JIS Z 8404-2

 [10]

及び ISO/IEC 

Guide 98-3

 [11]

を参照する。


19

Z 8807

:2012

参考文献

[1]

H. Craig, "Isotopic variation in meteoric waters," Science

133

, 1833-1834, 1961.

[2]

M. Tanaka, G. Girard, R. Davis, A. Peuto and N. Bignell, "Recommended table for the density of water

between 0

°C and 40 °C based on recent experimental report," Metrologia

38

, 301-309, 2001.

[3]

A. Picard, R. S. Davis, M. Gläser and K. Fujii, "Revised formula for the density of moist air CIPM-2007,"

Metrologia

45

, 149-155, 2008.

[4]

W. Wagner and A. Pru

β,"The IAPWS formulation 1995 for the thermodynamic properties of ordinary water

substance for general and scientific use," J. Phys. Chem. Ref. Data

31

, 387-535, 2002.

[5]

R. Masui, K. Fujii and M. Takenaka, "Determination of the absolute density of water at 16

°C and 0.101325

MPa," Metrologia

27

, 333-362, 1995.

[6]

A.  H.  Harvey,  R.  Span,  K.  Fujii,  M.  Tanaka  and  R.  S.  Davis,  "Density  of  water:  roles  of  the  CIPM  and

IAPWS standards, " Metrologia

46

, 196-198, 2009.

[7]

JIS B 7609

:2008

  分銅,

49-50.

[8]

JIS R 1620

:1995

  ファインセラミックス粉末の粒子密度測定方法,

4-5.

[9]

JIS Z 8404-1

:2006

  測定の不確かさ−第

1

部:測定の不確かさの評価における併行精度,再現精度

及び真度の推定値の利用の指針

[10]

JIS Z 8404-2

:2008

  測定の不確かさ−第

2

部:測定の不確かさの評価における繰返し測定及び枝分

かれ実験の利用の指針

[11]

ISO/IEC Guide 98-3

:2008

Uncertainty of measurement

Part 3: Guide to the expression of uncertainty

in measurement

GUM:1995

[12]

JIS B 7609

  分銅

[13]

JIS R 1620

  ファインセラミックス粉末の粒子密度測定方法

[14]

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

[15]

JIS Z 8103

  計測用語