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Z 8804

:2012

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

4

  単位

3

5

  標準物質

3

6

  比重瓶による密度及び比重の測定方法

7

6.1

  測定原理及び特徴

7

6.2

  測定に用いる器具

8

6.3

  測定

8

6.4

  計算

9

6.5

  測定結果の不確かさ要因

9

7

  液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法

9

7.1

  測定原理及び特徴

9

7.2

  測定に用いる器具

10

7.3

  測定

11

7.4

  計算

11

7.5

  測定結果の不確かさ要因

11

8

  浮ひょうによる密度及び比重の測定方法

11

8.1

  測定原理及び特徴

11

8.2

  測定に用いる器具

12

8.3

  測定

12

8.4

  浮ひょうの読み取り方

13

8.5

  浮ひょうの標準温度

13

8.6

  補正

13

8.7

  測定結果の不確かさ要因

14

9

  振動式密度計による密度及び比重の測定方法

14

9.1

  測定原理及び特徴

14

9.2

  測定に用いる器具

15

9.3

  測定

16

9.4

  計算

17

9.5

  測定結果の不確かさ要因

17

10

  磁気浮上式密度計による密度及び比重の測定方法

17

10.1

  測定原理及び特徴

17

10.2

  測定に用いる器具

17

10.3

  測定

18


Z 8804

:2012  目次

(2)

ページ

10.4

  計算

19

10.5

  測定結果の不確かさ要因

20

11

  測定の不確かさ

20

参考文献

21


Z 8804

:2012

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,公益社団法人計測

自動制御学会(SICE)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格

を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格

である。

これによって,JIS Z 8804:1994 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

8804

:2012

液体の密度及び比重の測定方法

Methods of measuring density and specific gravity of liquid

1

適用範囲

この規格は,比重瓶,浮ひょう,振動式密度計,磁気浮上式密度計及び液中ひょう量法を用いた液体の

密度及び比重の測定方法,並びにこれらの測定において計量計測トレーサビリティを確保する方法につい

て規定する。

注記  物理量としての厳密な定義の観点から,用語としては,できるだけ比重より密度を用いるのが

よい。ただし,関係法令などとの関係でこれを制限するものではない。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS Z 8807

  固体の密度及び比重の測定方法

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

密度(density)

試料液体の単位体積当たりの質量。

3.2

比重(specific gravity)

試料液体の密度を,圧力 101 325 Pa の下における水の密度で除したもの。温度 t  ℃における試料液体の

密度を温度 t

0

  ℃の水の密度で除した場合は,比重  t/t

0

  ℃,と表記する。

注記  比重 t/t

0

  ℃を比重 t/4  ℃に換算する場合は,比重 t/t

0

  ℃に温度 t

0

  ℃の水の比重 t

0

/4  ℃を乗じる。

3.3

計量計測トレーサビリティ(metrological traceability)

個々の校正が不確かさに寄与する,文書化された切れ目のない校正の連鎖を通して,測定結果を計量計

測参照に関連付けることができるという測定結果の性質。

注記  校正とは,計測器若しくは測定システムによって指示される量の値,又は実量器若しくは標準

物質によって表される値と,標準によって実現される対応する値との関係を,特定の条件下で

確定する一連の作業をいう(JIS Z 8103 参照)


2

Z 8804

:2012

3.4

JCSS

(Japan Calibration Service System)

計量法に基づく計量標準供給制度。この制度における校正は,国家標準又は国際標準との比較の連鎖に

よって,計測機器へのつながり(計量計測トレーサビリティ)を証明する行為をいう。

3.5

密度標準液(density standard liquid,density reference liquid)

JCSS 登録校正事業者によって密度が校正された液体。水,有機液体,水溶液体などを含む。

3.6

固体密度標準(density standard solid,density reference solid)

JCSS 登録校正事業者によって密度が校正された固体。シリコン単結晶,金属,ガラスなどを含む。

3.7

浮ひょうの標準温度

浮ひょうに目盛を付けるときに基準とした温度。

3.8

重ボーメ度(degree Baume for heavy liquid)

比重が 1 より大きな液体について,次の式(1)で与えられる指標。

s

Bh

3

.

144

3

.

144

=

 (1)

ここに,

Bh

重ボーメ度

s

比重

15/4

略字は,

Bh

Béh

又は

(重ボーメ度を表すことが明らかなときに限る。

)とする。

3.9

軽ボーメ度(

degree Baume for light liquid

比重が

1

より小さな液体について,次の式

(2)

で与えられる指標。

3

.

134

3

.

144

=

s

Bl

 (2)

ここに,

Bl

軽ボーメ度

s

比重

15/4

略字は,

Bl

Bél

又は

(軽ボーメ度を表すことが明らかなときに限る。

)とする。

3.10

日本酒度(

sake meter value

Nihonshu-do

次の式

(3)

で与えられる指標。

443

1

443

1

=

s

SMV

 (3)

ここに,

  SMV

日本酒度

s

比重

15/4

略字は,

SMV

又は

Nd

とする。

3.11

API

度(

degree API

API gravity

次の式

(4)

で与えられる指標。


3

Z 8804

:2012

5

.

131

5

.

141

=

s

API

 (4)

ここに,

API

API

s

比重

15.56/15.56

注記

 API

度,比重

15.56/15.56

℃及び密度の相互換算は JIS K 2249-4 を参照する。

3.12

トワッデル度(

degree Twaddle

次の式

(5)

で与えられる指標。

(

)

1

200

=

s

TW

 (5)

ここに,

TW

トワッデル度

s

比重

15/4

3.13

牛乳度(

degree Quevenne

次の式

(6)

で与えられる指標。

(

)

1

000

1

=

s

Q

 (6)

ここに,

Q

牛乳度

s

比重 15/4  ℃

4

単位

単位は,次による。

a)

密度の単位には,国際単位系(SI)の基本単位による表し方であるキログラム毎立方メートル(kg/m

3

を用いる。

注記  従来よく用いられてきた単位としてグラム毎立方センチメートル(g/cm

3

)があり,二つの単

位の間には,次の関係がある。

kg/m

3

=10

3

 g/cm

3

b)

比重は,単位のない,無次元数である。

5

標準物質

この規格で規定された密度及び比重の測定に必要な標準物質は,次のいずれかによる。

a) JCSS

登録校正事業者によって校正された密度標準液及び固体密度標準

b)

この規格で規定した測定方法で密度が校正された液体

c)

JIS Z 8807

で規定する測定方法によって密度が校正された固体

d)

シリコン単結晶,水,空気などの密度がよく知られた物質を用いる。水を用いる場合には,JIS K 0557

に規定する A3 又は A4 の水を用いることが望ましい。水の密度を

表 に,空気の密度を表 及び表 3

に示す。

表 に示した 0  ℃∼40  ℃の範囲での標準平均海水(SMOW: Standard Mean Ocean Water[1])

と同じ同位体組成をもつ純水の密度

ρ

SMOW

の算出に用いた式[2]を式(7)に,

表 及び表 に示した空気

の密度

ρ

air

の算出に用いた湿り空気の状態方程式[3]を式(8)に示す。

(

) (

)

(

)

+

+

+

=

4

3

2

2

1

5

SMOW

1

a

t

a

a

t

a

t

a

ρ

 (7)

ここに,

ρ

SMOW

SMOW と同じ同位体組成をもつ純水の密度(kg/m

3

t

温度(℃)

a

1

−3.983 035(℃)


4

Z 8804

:2012

a

2

301.797(℃)

a

3

522 528.9(℃

2

a

4

69.348 81(℃)

a

5

999.974 950(kg/m

3

(

)

[

]

(

)

V

CO2

air

0

378

.

0

1

472

314

.

8

4

000

.

0

011

.

12

46

965

.

28

x

ZT

p

x

+

=

ρ

 (8)

ここに,

ρ

air

空気の密度(

10

3

 kg/m

3

x

CO2

: 二酸化炭素のモル分率

x

V

水蒸気のモル分率

p

大気圧(

Pa

Z

圧縮係数

T

273.15

t

K

(8)

中の

x

V

は,次の式

(9)

で与えられる。

( ) ( )

(

) ( )

p

t

p

t

p

f

p

t

p

t

p

hf

x

d

sv

d

sv

V

,

,

=

=

 (9)

ここに,

t

温度(℃)

t

d

露点温度(℃)

h

相対湿度(

0

h

1

(9)

中の

p

sv

及び

f

は,それぞれ次の式

(10)

及び式

(11)

で与えられる。

(

)

T

D

C

BT

AT

p

+

+

+

=

2

sv

exp

 (10)

ここに,

p

sv

飽和蒸気圧(

Pa

A

1.237 884 7

×

10

5

 K

2

B

1.912 131 6

×

10

2

 K

1

C

33.937 110 47

D

6.343 164 5

×

10

3

 K

2

t

p

f

γ

β

α

+

+

=

(11)

ここに,

α

1.000 62

β

3.14

×

10

8

 Pa

1

γ

5.6

×

10

7

 K

2

(8)

中の

Z

は,次の式

(12)

で与えられる。

(

)

(

)

[

]

(

)

2

V

2

2

2

V

1

0

V

1

0

2

2

1

0

1

ex

d

T

p

x

t

c

c

x

t

b

b

t

a

t

a

a

T

p

Z

+

+

+

+

+

+

+

+

=

 (12)

ここに,

a

0

1.581 23×10

6

 K Pa

1

a

1

−2.933 1×10

8

 Pa

1

a

2

1.104 3×10

10

 K

1

 Pa

1

b

0

5.707×10

6

 K Pa

1

b

1

−2.051×10

8

 Pa

1

c

0

1.989 8×10

4

 K Pa

1

c

1

−2.376×10

6

 Pa

1

d

1.83×10

11

 K

2

Pa

2

e

−0.765×10

8

 K

2

Pa

2

e)

空気の密度のおよその値が分かればよい場合は,シリカゲルなどによって十分に乾燥させた空気を用

い,その密度(乾き空気の密度

ρ

dry air

)のおよその値を,式(8)∼式(12)中の x

CO2

を 0.000 4,を 0,及

び を 1 とした次の式(13)で求めてもよい。

325

101

15

.

273

15

.

273

293

.

1

air

dry

p

t

×

+

×

=

ρ

 (13)

ここに,

ρ

dry air

温度 t

(℃)

及び大気圧 p

(Pa)

における乾き空気の密度

(kg/m

3


5

Z 8804

:2012

表 1−水の密度(SMOW と同じ同位体組成をもつ精製された水の密度

ρ

SMOW

温度(℃)

密度(kg/m

3

)  温度(℃)

密度(kg/m

3

) 温度(℃)

密度(kg/m

3

) 温度(℃)

密度(kg/m

3

0 999.843 30 995.649 60 983.196  90 965.310 
1 999.902 31 995.342 61 982.678  91 964.635 
2 999.943 32 995.027 62 982.155  92 963.955 
3 999.967 33 994.704 63 981.626  93 963.271 
4 999.975 34 994.372 64 981.091  94 962.582 
5 999.967 35 994.033 65 980.551  95 961.888 
6 999.943 36 993.685 66 980.005  96 961.189 
7 999.904 37 993.329 67 979.453  97 960.486 
8 999.851 38 992.965 68 978.896  98 959.778 
9 999.784 39 992.594 69 978.333  99 959.066

10 999.703 40 992.215 70 977.765 100 958.349

11 999.608 41 991.830 71 977.191

12 999.500 42 991.437 72 976.612

13 999.380 43 991.036 73 976.028

14 999.247 44 990.628 74 975.438

15 999.103 45 990.213 75 974.843

16 998.946 46 989.791 76 974.243

17 998.778 47 989.362 77 973.637

18 998.598 48 988.926 78 973.027

19 998.408 49 988.484 79 972.411

20 998.207 50 988.035 80 971.790

21 997.995 51 987.579 81 971.165

22 997.773 52 987.117 82 970.534

23 997.541 53 986.649 83 969.898

24 997.299 54 986.174 84 969.257

25 997.047 55 985.693 85 968.611

26 996.786 56 985.206 86 967.961

27 996.515 57 984.712 87 967.305

28 996.235 58 984.213 88 966.645

29 995.946 59 983.707 89 965.980

注記 1  表中の密度の値は,SMOW[1]と同じ同位体組成をもつ精製された水の密度を示す。水の精製は,蒸留法,逆

浸透膜法などによって行い,JIS K 0557 に規定する A3 又は A4 の水を用いることが望ましい。

注記 2 0

℃∼40  ℃の温度範囲の密度の値は,国際度量衡委員会(CIPM)によって承認された国際推奨値[2]を示す。

注記 3 41

℃∼100  ℃の温度範囲の密度の値は,国際水・蒸気性質委員会(IAPWS)が採用している科学計算用国際

状態方程式(IAPWS-95)[4]によって与えられる。

注記 4  水の密度は,溶解ガスの影響及び同位体組成の変動によって変化するため,正確な密度の値を得るには実際

の使用状況に応じた補正を行う。一般に,精製した降水(蒸留した水道水など)の密度は,同位体組成の違

いによって SMOW の密度

ρ

SMOW

より相対的に 3×10

6

程度小さい。精密な値が必要な場合には,同位体組成

を測定し,

ρ

SMOW

からの偏差を計算することが必要である[5]。また,十分に脱気した水であっても空気中に

放置すると極短時間で空気が溶解して水の密度は減少する。空気の溶解度は温度減少とともに増加し,空気

が飽和状態で溶解した水の密度は 0  ℃において

ρ

SMOW

よりも相対的に約 4.6×10

6

程度小さい。水の 20  ℃,

大気圧力下での等温圧縮率は 4.6×10

10

Pa

1

であり,大気圧が 100 hPa 増加した場合の水の密度の相対変化は

4.6×10

6

である。

注記 5 0

℃∼40  ℃の温度範囲での密度の値の拡張不確かさ(k=2)は,0.83×10

3

 kg/m

3

∼0.88×10

3

 kg/m

3

である

[2]。

注記 6 41

℃∼85  ℃の温度範囲での密度の値の相対拡張不確かさ(k=2)は,10

6

程度であると推定される[6]。

注記 7 86

℃∼100  ℃の温度範囲での密度の値の相対拡張不確かさ(k=2)は,10

5

程度であると推定される[4]。

注記 8  注記 の補正が実施できない場合には,補正に関する情報を基に密度の値の不確かさを再評価する必要があ

る。


6

Z 8804

:2012

表 2−空気の密度[101 325 Pa,相対湿度 50 %,二酸化炭素(CO

2

濃度 400 

μmol/mol

温度(℃)

密度(kg/m

3

)  温度(℃)

密度(kg/m

3

) 温度(℃)

密度(kg/m

3

) 温度(℃)

密度(kg/m

3

0 1.291

58 30 1.155

51 60 1.020

28  90 0.843

64

1 1.286

74 31 1.151

16 61 1.015

37  91 0.836

29

2 1.281

93 32 1.146

82 62 1.010

41  92 0.828

80

3 1.277

15 33 1.142

47 63 1.005

40  93 0.821

18

4 1.272

39 34 1.138

12 64 1.000

35  94 0.813

43

5 1.267

66 35 1.133

77 65 0.995

24  95 0.805

53

6 1.262

96 36 1.129

42 66 0.990

08  96 0.797

49

7 1.258

28 37 1.125

06 67 0.984

86  97 0.789

29

8 1.253

62 38 1.120

70 68 0.979

59  98 0.780

95

9

1.248 99

39

1.116 33

69

0.974 26

99

0.772 45

10

1.244 38

40

1.111 95

70

0.968 86

100

0.763 79

11 1.239

79 41 1.107

56 71 0.963

40

12 1.235

22 42 1.103

15 72 0.957

87

13 1.230

67 43 1.098

74 73 0.952

27

14 1.226

14 44 1.094

31 74 0.946

60

15 1.221

63 45 1.089

87 75 0.940

85

16 1.217

14 46 1.085

41 76 0.935

03

17 1.212

66 47 1.080

93 77 0.929

12

18 1.208

20 48 1.076

43 78 0.923

13

19 1.203

75 49 1.071

91 79 0.917

05

20 1.199

31 50 1.067

37 80 0.910

89

21 1.194

89 51 1.062

80 81 0.904

63

22 1.190

48 52 1.058

21 82 0.898

28

23 1.186

08 53 1.053

58 83 0.891

83

24 1.181

70 54 1.048

93 84 0.885

28

25 1.177

32 55 1.044

24 85 0.878

62

26 1.172

94 56 1.039

53 86 0.871

85

27 1.168

58 57 1.034

77 87 0.864

98

28 1.164

22 58 1.029

98 88 0.857

99

29 1.159

86 59 1.025

15 89 0.850

88

注記 1  表中の密度の値は,式(8)(湿り空気の状態方程式[3])によって求めた 101 325 Pa,相対湿度 50 %及び CO

2

度 400

μmol/mol での密度の値である。大気圧,相対湿度及び CO

2

濃度の測定が可能な場合には,式(8)を用い,

より正確な密度の値を求めることができる。

注記 2  式(8)による密度の計算の相対標準不確かさは,22×10

6

である。ただし,この不確かさは,大気圧,相対湿

度及び CO

2

濃度測定の不確かさを考慮していない。空気の密度の値の厳密な不確かさが必要な場合には,各

測定の不確かさが密度の計算の不確かさに及ぼす影響[3]を考慮する。


7

Z 8804

:2012

表 3−空気の密度[101 325 Pa,相対湿度 0 %,二酸化炭素(CO

2

濃度 400 

μmol/mol

温度(℃)

密度(kg/m

3

)  温度(℃)

密度(kg/m

3

) 温度(℃)

密度(kg/m

3

) 温度(℃)

密度(kg/m

3

0 1.293

05 30 1.164

72 60 1.059

62  90 0.971

98

1 1.288

32 31 1.160

88 61 1.056

45  91 0.969

31

2 1.283

62 32 1.157

06 62 1.053

29  92 0.966

65

3 1.278

95 33 1.153

27 63 1.050

15  93 0.964

01

4 1.274

32 34 1.149

51 64 1.047

03  94 0.961

38

5 1.269

73 35 1.145

77 65 1.043

93  95 0.958

76

6 1.265

16 36 1.142

06 66 1.040

85  96 0.956

17

7 1.260

63 37 1.138

37 67 1.037

78  97 0.953

58

8 1.256

13 38 1.134

70 68 1.034

73  98 0.951

01

9 1.251

67 39 1.131

05 69 1.031

71  99 0.948

45

10 1.247

23 40 1.127

43 70 1.028

69 100 0.945

91

11 1.242

83 41 1.123

84 71 1.025

70

12 1.238

45 42 1.120

26 72 1.022

73

13

1.234 11

43

1.116 71

73

1.019 77

14 1.229

80 44 1.113

18 74 1.016

83

15 1.225

52 45 1.109

68 75 1.013

90

16 1.221

27 46 1.106

19 76 1.010

99

17 1.217

05 47 1.102

73 77 1.008

10

18 1.212

86 48 1.099

29 78 1.005

23

19 1.208

69 49 1.095

87 79 1.002

37

20 1.204

56 50 1.092

47 80 0.999

53

21 1.200

45 51 1.089

10 81 0.996

70

22 1.196

37 52 1.085

74 82 0.993

89

23 1.192

32 53 1.082

40 83 0.991

10

24 1.188

30 54 1.079

09 84 0.988

32

25 1.184

30 55 1.075

80 85 0.985

56

26 1.180

33 56 1.072

52 86 0.982

81

27 1.176

39 57 1.069

27 87 0.980

08

28 1.172

47 58 1.066

03 88 0.977

36

29 1.168

58 59 1.062

82 89 0.974

66

注記 1  表中の密度の値は,式(8)(湿り空気の状態方程式[3])によって求めた 101 325 Pa,相対湿度 0 %及び CO

2

度 400

μmol/mol での密度の値である。大気圧,相対湿度及び CO

2

濃度の測定が可能な場合には,式(8)を用い,

より正確な密度の値を求めることができる。

注記 2  式(8)による密度の計算の相対標準不確かさは,表 の注記 と同じ。

6

比重瓶による密度及び比重の測定方法

6.1

測定原理及び特徴

6.1.1

測定原理

標準物質を比重瓶に満たしてその質量を測ることによって,比重瓶の内容積をまず校正する。次いで,

試料液体を比重瓶に満たしてその質量を測ることによって,試料液体の密度及び比重を求める。

6.1.2

特徴

比重瓶による密度及び比重の測定方法の特徴は,次による。

a)

ほとんど全ての液体に使用することができる。

b)

比較的少量の液体で測定できる。

c)

標準物質(液体)の密度を基準とする密度及び比重の測定方法である。


8

Z 8804

:2012

6.2

測定に用いる器具

測定に用いる器具は,次による。

a)

比重瓶  液体の膨張蒸発による損失を少なくするためにすり合せの栓を備えたガラス製の瓶で,構造

の詳細は JIS R 3503 を参照する。その一例を

図 に示す。

図 1−比重瓶(例)

b)

標準物質  水又は要求される精度に応じて校正された標準物質を用いる。密度及び比重の測定の結果

の国家計量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,主として箇条 の a),又は必要

に応じて,箇条 の b)に規定する,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された標準物質を用い

る。

c)

温度計  要求される精度に応じて校正された温度計を使用する。密度及び比重の測定の結果の国家計

量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校

正された温度計を用いる。

d)

恒温槽  要求される精度に応じた温度の制御性能をもつ恒温槽を使用する。

e)

天びん  要求される精度に応じた質量の測定性能をもつ天びんを使用する。密度及び比重の測定の結

果の国家計量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブル

な方法で校正された分銅を用いて天びんの感度を校正する。

6.3

測定

6.3.1

比重瓶の内容積の校正

比重瓶の内容積の校正は,次による。

a)

比重瓶を洗浄し,乾燥する。

b)

室温になるまで放置した後,栓,キャップなどとともに,天びんでひょう量する(W

1

c)

測定温度の付近に調節した標準物質を,泡の入らないように比重瓶に満たし,栓をした後,測定温度

に保った恒温槽中に保持する。

d)

注射器,ろ紙などによって,メニスカスの最下端を標線に合わせる。

e)

キャップをして恒温槽から取り出し,外側の水をきれいな乾布で拭いとる。


9

Z 8804

:2012

注記  比重瓶を拭く場合,乾布でこすると静電荷を生じ,量ったとき 1 mg くらいの差を生じること

があるから注意する必要がある。

f)

室温になるまで放置し,比重瓶中に泡のないことを確かめた後,天びんでひょう量する(W

2

6.3.2

試料液体の注入及びひょう量

試料液体の注入及びひょう量は,次による。

a)

比重瓶を洗浄し乾燥するか,又は試料液体で数回洗浄した後,測定温度の付近に調節した試料液体を

泡の入らないように満たし,栓をして測定温度に保った恒温槽中に保持する。

b)

注射器,ろ紙などによって,メニスカスの最下端を標線に合わせる。

c)

比重瓶の周りの水分をよくとり,キャップをして取り出し,外側の水をきれいな乾布で拭いとる。

d)

室温になるまで放置し,比重瓶中に泡のないのを確かめた後,ひょう量する(W

3

6.4

計算

計算は,次による。

a)

温度 における試料液体の密度

ρ

t

を求める計算は,次の式(14)を用いて行う。

(

)

air

air

s

1

2

1

3

ρ

ρ

ρ

ρ

+

=

W

W

W

W

t

 (14)

ここに,

ρ

t

温度 における試料液体の密度(kg/m

3

W

1

空の比重瓶のひょう量値(kg)

W

2

空気中での測定温度 の標準液体を入れた比重瓶のひょう量
値(kg)

W

3

空気中での測定温度 の試料液体を入れた比重瓶のひょう量
値(kg)

ρ

s

温度 での標準物質の密度(kg/m

3

ρ

air

測定中の空気の密度(kg/m

3

標準物質として水を用いた場合,その密度は,

表 を参照して求めてもよい。空気の密度は,表 2

及び

表 を参照して求めるか,又は式(8)を用いて求める。

b)

試料液体の比重は,試料液体の密度を水の密度で除することによって求める。水の密度は,

表 によ

って求めるか,又は式(7)によって計算する。温度 t

0

の水の密度を比重の算出に用いた場合には,比重

t/t

0

  ℃と表記し,温度 t

0

を明示する。

6.5

測定結果の不確かさ要因

比重瓶による密度及び比重の測定の不確かさを見積もる場合,次の要因を考慮する。

a)

標準物質の不確かさ

b)

試料液体の温度測定の不確かさ

c)

天びんによる比重瓶ひょう量の不確かさ

d)

実験標準偏差

7

液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法

7.1

測定原理及び特徴

7.1.1

測定原理

体積既知の標準物質(シンカー)を試料液体中に懸垂し,固体に作用する浮力の測定によって試料液体

の密度及び比重を求める。


10

Z 8804

:2012

7.1.2

特徴

液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法の特徴は,次による。

a)

極めて精度の高い密度及び比重の測定が可能である。

b)

標準物質(固体)の密度を基準とする測定方法である。

7.2

測定に用いる器具

測定に用いる器具は,次による。

装置の構成例を,

図 に示す。

図 2−液中ひょう量法による密度及び比重の測定装置(例)

a)

天びん  要求される精度に応じた質量の測定性能をもつ天びんを使用する。密度及び比重の測定の結

果の国家計量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブル

な方法で校正された分銅を用いて天びんの感度を校正する。

b)

温度計  要求される精度に応じて校正された温度計を使用する。密度及び比重の測定の結果の国家計

量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校

正された温度計を用いる。

c)

つり線  試料液体をつるのに十分な強さをもつものを使用する。

d)

試料槽  試料液体を沈める液体を入れるもので,シンカーをつったとき,壁に触れないような十分な

大きさをもつものとする。

e)

恒温槽  試料液体の温度を制御するもので,要求される精度に応じた温度の制御性能をもつ恒温槽を

使用する。

f)

標準物質  要求される精度に応じて校正された標準物質をシンカーとして用いる。密度及び比重の測

定の結果の国家計量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,主として箇条 の a),

又は必要に応じて,箇条 の c)に規定する,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された標準物

質を用いる。


11

Z 8804

:2012

g)

荷重交換機構  標準物質をつり線に載せ下ろしする装置を用いる。

7.3

測定

測定は,次による。

a)

標準物質を空気中でひょう量する(W

1

b)

標準物質をつり線でつって一定温度 の試料液体中につるす。

c)

試料液体中につった標準物質が一定温度 になった後,ひょう量する(W

2

d)

荷重交換機構によって標準物質をつり線から外し,つり線だけをひょう量する(W

3

7.4

計算

計算は,次による。

a)

温度 における試料液体の密度

ρ

t

を求める計算は,次の式(15)を用いて行う。

(

)(

)

air

air

sinker

1

3

2

1

ρ

ρ

ρ

ρ

+

=

W

W

W

W

t

 (15)

ここに,

ρ

t

温度 における試料液体の密度(kg/m

3

W

1

固体密度標準の空気中でのひょう量値(kg)

W

2

固体密度標準を試料液体中に懸垂した場合のひょう量値(kg)

W

3

つり線のひょう量値(kg)

ρ

sinker

: 温度 での固体密度標準の密度(kg/m

3

ρ

air

空気の密度(kg/m

3

b)

試料液体の比重は,試料液体の密度を水の密度で除することによって求める。水の密度は,

表 によ

って求めるか,又は式(7)によって計算する。温度 t

0

の水の密度を比重の算出に用いた場合には,比重

t/t

0

  ℃と表記し,温度 t

0

を明示する。

7.5

測定結果の不確かさ要因

液中ひょう量法による密度及び比重の測定の不確かさを見積もる場合には,次の要因を考慮する。

a)

標準物質の不確かさ

b)

試料液体の温度測定の不確かさ

c)

天びんによる標準物質ひょう量の不確かさ

d)

実験標準偏差

8

浮ひょうによる密度及び比重の測定方法

8.1

測定原理及び特徴

8.1.1

測定原理

液体中に浮かべた浮ひょうが平衡に達したとき,けい部に働く液体の表面張力による影響と,空気中に

あるけい部が受ける空気の浮力による影響との僅かの量を無視すれば,液体中に沈んだ部分の浮ひょうの

体積は,浮ひょうの質量と等しい質量の液体の体積である。この体積をけい部の沈んだ長さから知り,液

体の密度又は比重を求める。

8.1.2

特徴

浮ひょうによる密度及び比重の測定方法の特徴は,次による。

a)

密度又は比重を直読できる。

b)

操作が簡単で測定に時間を要しない。

c)

ほとんど全ての液体に使用することができる。

d)

構造が簡単な割に,精密測定ができる。


12

Z 8804

:2012

8.2

測定に用いる器具

測定に用いる器具は,次による。

a)

浮ひょう  試料液体中に垂直に浮かべ,けい部の目盛及びメニスカスによって比重を読むもので,一

例を

図 に示す。詳細な構造は,JIS B 7525 を参照する。密度及び比重の測定の結果の国家計量標準

への計量計測トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正され

た浮ひょうを用いる。

図 3−浮ひょう(例)

b)

シリンダ  ガラス製であって,浮ひょうの読みを妨げるひずみのないものとする。

c)

かき混ぜ棒  シリンダ中の液体の密度又は比重を一様にするため,液体を十分にかき混ぜることがで

きるものとする。

d)

温度計  要求される精度に応じて校正された温度計を使用する。密度及び比重の測定の結果の国家計

量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校

正された温度計を用いる。

8.3

測定

8.3.1

測定温度

浮ひょうは,一般に標準温度で使用する。

8.3.2

操作

測定の操作は,次による。

a)

浮ひょう,シリンダは,メニスカスがきれいにでるように,使用する前に十分に洗浄する。

b)

シリンダ中の液体は,かき混ぜ棒でよくかき混ぜて,一様の温度になるようにする。

c)

浮ひょうの上端を軽くつまみ,泡のつかないように静かに液体中に浮かべる。静止した後,これを少

し沈めてから手を離す。

d)

浮ひょうが静止した後,その示度を読み取る。

e)

この測定を 2,3 回繰り返し,その読みの平均値を液体の密度又は比重とする。

f)

試料液体の比重は,試料液体の密度を水の密度で除することによって求める。水の密度は,

表 を参

照して求める。温度 t

0

の水の密度を比重の算出に用いた場合には,比 t/t

0

  ℃,と表記し,t

0

を明示す


13

Z 8804

:2012

る。

8.4

浮ひょうの読み取り方

8.4.1

上縁視定

上縁視定は,

図 に示すようにメニスカスの最上端を読む方法である。浮ひょうの目盛部に上縁視定の

表記がある場合,及び視定方法の表記がない場合にこの方法を用いる。

図 4−上縁視定

8.4.2

水平面視定

水平面視定は,

図 に示すように液体主表面と目盛との交点で読む方法である。初め,目を液面より下

に置いたとき,長円に見える液面が,目を次第に上げていくとき,一直線になったときに読み取る。浮ひ

ょうの目盛部に水平面視定又は水平面示度の表記があるものはこの方法による。

図 5−水平面視定

8.5

浮ひょうの標準温度

浮ひょうの標準温度は,

表 による。

表 4−浮ひょうの標準温度

浮ひょう

標準温度

密度浮ひょう 15

℃又は 20  ℃

比重浮ひょう 15/4

℃。ただし,温度表記がある場合にはその温度

重ボーメ度浮ひょう 15/4

℃。ただし,温度表記がある場合にはその温度

軽ボーメ度浮ひょう 15/4

℃。ただし,温度表記がある場合にはその温度

日本酒度浮ひょう 15/4

℃。ただし,温度表記がある場合にはその温度

API 度浮ひょう 15.56/15.56

トワッデル度浮ひょう 15/4

℃。ただし,温度表記がある場合にはその温度

牛乳度浮ひょう 15/4

℃。ただし,温度表記がある場合にはその温度

8.6

補正

必要があるときは,次の補正を行う。

a)

温度補正  浮ひょうを標準温度以外の温度で測定を行ったとき,標準温度における密度又は比重を求

めるには,その示度に,次の補正量

Δを加える。


14

Z 8804

:2012

(

)

(

)

0

0

025

000

.

0

t

t

s

t

t

s

s

+

=

Δ

β

 (16)

ここに,

s

浮ひょうの示度(密度又は比重)

β

液体の膨張係数(℃

1

t

0

浮ひょうの標準温度(℃)

t

測定温度(℃)

注記  式(16)の第 1 項は,浮ひょう自身の温度補正量で,第 1 項だけの補正量を加えた値は,測定

温度における液体の密度又は比重である。

b)

表面張力による補正  浮ひょうが校正されたときの液体の表面張力と,異なる表面張力をもつ液体を

測定したときは,

表 を参照して次の式(17)による補正量

Δを加える。

(

)

T'

T

mg

Ds

s

=

Δ

π

 (17)

ここに,

s

浮ひょうの示度[密度(g/cm

3

)又は比重]

D

s

付近のけい部の直径(cm)

m

浮ひょうの質量(g)

g

重力加速度(cm/s

2

T

浮ひょうの校正に使用した液体の表面張力(mN/m)

T'

測定した液体の表面張力(mN/m)

表 5−(T'T)=10 mN/m に相当する

Δの値(10

5

)

M

30 50 80 100

D

D

D

D

0.3 0.5 0.8

1.0 0.3 0.5

0.8

1.0

0.3

0.5

0.8

1.0

0.3 0.5 0.8 1.0

0.8  26 43  68

86 15 26

41

51

10

16

26

32

8 13 21 26

1.0  32 53  86

107 19 32

51

64

12

20

32

40

10 16 26 32

1.2  39 64 103

128 23 39

62

77

14

24

39

48

12 19 31 39

1.4  45 75 120

150 27 45

72

90

17

28

45

56

14 22 36 45

1.6  51 86 136

171 31 51

82

103

19

32

51

64

15 26 41 51

1.8  58 96 154

192 35 58

92

115

22

36

58

72

17 29 45 58

注記 1  が密度(g/cm

3

)の場合,

Δの単位は,g/cm

3

が比重の場合,

Δは無次元数である。

注記 2  JIS B 7525 の附属書 の 4.(表面張力)に“そのけい部に働く表面張力が 10 mN/m だけ変化した

とき,示度の変化が

附属書 表 に示す許容誤差を超えてはならない”と規定されている。表 5

は,その 10 mN/m の変化に相当する

Δの値を示している。

8.7

測定結果の不確かさ要因

浮ひょうによる密度及び比重の測定の不確かさを見積もる場合,次の要因を考慮する。

a)

浮ひょうの校正の不確かさ

b)

試料液体の温度測定の不確かさ

c)

試料液体の表面張力の不確かさ

d)

実験標準偏差

9

振動式密度計による密度及び比重の測定方法

9.1

測定原理及び特徴

9.1.1

測定原理

一端を固定したガラス管(以下,試料セルという。

)に試料液体を導入し,これに初期振動を与えると試


15

Z 8804

:2012

料セルは試料液体の質量に比例した固有振動周期をもって振動する。試料セルは振動部分の体積を一定と

すれば,固有振動周期は試料液体の密度に比例する。この試験方法は,試料セルの固有振動周期を検出し

て,試料液体の密度を求める方法である。

9.1.2

特徴

振動式密度計による密度及び比重の測定方法の特徴は,次による。

a)

操作が簡単で測定できる。

b)

ほとんど全ての液体に使用することができる。

c)

非常に少量の液体で測定できる。

d)

標準物質(液体及び気体)の密度を基準とする測定方法である。

9.2

測定に用いる器具

測定に用いる器具は,次による。

a)

振動式密度計  振動式密度計は,測定部,演算部,温度調節部,温度計及び試料導入部から構成され,

例を

図 に示す。

1)

測定部  試料セル,駆動部及び固有振動検出器からなり,試料セルに初期振動を与え,生じる固有

振動周期を検出する。

2)

演算部  試料セルの固有振動周期を数値変換し,表示する。また,固有振動周期から式を自動演算

し,試料液体の密度を表示できる。

3)

温度調節部  恒温ブロック,断熱材,ペルチェ素子など温度の制御機能によって試料セルを測定温

度に保持する。測定精度によって温度安定性は異なり,温度の制御機能を省略する場合もある。

4)

温度計  試料液体の温度を測定する。要求される精度に応じて校正された温度計を使用する。密度

及び比重の測定の結果の国家計量標準へのトレーサビリティを確保するためには,国家計量標準に

トレーサブルな方法で校正された温度計を用いる。

5)

試料導入部  試料液体を試料セルに導入するのに用いる。注射器などで圧入する方式,ポンプなど

で吸引,圧入する方式などがある。

b)

標準物質  密度の異なる二つの標準物質を用い,振動式密度計を校正する。密度及び比重の測定の結

果の国家計量標準へのトレーサビリティを確保するためには,主として箇条 の a),又は必要に応じ

て,箇条 の b)に規定する,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された標準物質を用いる。標

準物質として空気を用いる場合には,その密度は,

表 若しくは表 を参照して求めるか,又は式(8)

若しくは式(13)によって求める。標準物質として水を用いる場合には,JIS K 0557 に規定された A3 又

は A4 の水を用い,その密度は

表 又は式(7)によって求め,必要に応じて溶解空気及び同位体組成の

影響を補正する。


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試料導入部

ポンプ

容器

演算表示部

固有振動周期

検出部

発振部

水晶発振部

検出部

駆動器

入口

出口

試料

測定部

演算部

恒温ブロック

断熱材

ペルチェ素子

試料セル

温度計

図 6−振動式密度計(例)

9.3

測定

測定は,次による。

a)

試料セルを洗浄し,乾燥する。

b)

二つの標準物質のうちの一方(標準物質 a)を試料セルに導入する。標準物質として液体を用いる場

合には,気泡が入らないように注意する。

c)

振動周期が安定したら,その値を記録する。空気を標準物質 a として用い,式(8)又は式(13)を用いて

その密度を計算する場合には,大気圧などを記録する。

d)

標準物質 a を試料セルから排出し,試料セルを洗浄し,乾燥させる。

e)

もう一方の標準物質(標準物質 b)を試料セルに導入する。このとき,気泡が入らないよう注意する。

f)

振動周期が安定したら,その値を記録する。

g)

次の式(18)を用い試料セル定数を計算する。

(

)

(

)

2

,

b

2

,

a

,

b

,

a

t

t

t

t

t

T

T

K

=

ρ

ρ

 (18)

ここに,

K

t

温度 における試料セル定数

ρ

a,t

温度 における標準物質 a の密度(kg/m

3

ρ

b,t

温度 における標準物質 b の密度(kg/m

3

T

a,t

温度 における標準物質 a の振動周期(s)

T

b,t

温度 における標準物質 b の振動周期(s)

h)

標準物質 b を試料セルから排出し,試料セルを洗浄し,乾燥させる。

i)

試料液体を試料セルに導入する。このとき,気泡が入らないよう注意する。

j)

振動周期が安定したら,その値を記録する。


17

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9.4

計算

計算は,次による。

a)

試料液体の密度は,次の式(19)によって算出する。

(

)

2

,

a

2

,

a

t

t

t

t

t

T

T

K

+

=

ρ

ρ

 (19)

ここに,

ρ

t

温度 t  ℃における試料液体の密度(kg/m

3

T

t

温度 t  ℃における試料液体の振動周期(s)

b)

試料液体の比重は,試料液体の密度を水の密度で除することによって求める。水の密度は,

表 によ

って求めるか,又は式(7)によって計算する。温度 t

0

の水の密度を比重の算出に用いた場合には,比重

t/t

0

  ℃と表記し,温度 t

0

を明示する。

9.5

測定結果の不確かさ要因

振動式密度計による密度及び比重の測定の不確かさを見積もる場合,次の要因を考慮する。

a)

標準物質の不確かさ

b)

試料液体の温度測定の不確かさ

c)

実験標準偏差

10

磁気浮上式密度計による密度及び比重の測定方法

10.1

測定原理及び特徴

10.1.1

測定原理

密閉容器中に試料液体及び体積既知の固体(シンカー)を封入する。磁気的相互作用によってシンカー

を浮上させ,シンカーに作用する浮力を測定し,試料液体の密度を求める。

10.1.2

特徴

磁気浮上式密度計による密度及び比重の測定方法の特徴は,次による。

a)

箇条 で規定した液中ひょう量法による測定と同じ原理を用いるが,磁気浮上式密度計では,密閉測

定容器中にあるシンカーを非接触の磁気的相互作用で持ち上げひょう量する。このため,高温・高圧

下での密度及び比重の測定が可能である。また,つり線を使わずにシンカーを持ち上げるため,つり

線が液体表面を通過するときに生じるメニスカスにおける表面張力の影響を受けずに密度又は比重を

測定できる。

b)

シングルシンカー及びダブルシンカーのシステムがある。ダブルシンカーシステムは,表面積が等し

く体積の異なる二つのシンカーをもつ。凝縮性ガスなどシンカー表面へ吸着し質量測定誤差を与える

場合は,ダブルシンカーシステムによってその表面吸着量を補正することが可能である。

10.2

測定に用いる器具

10.2.1

磁気浮上式密度計

試料液体を封入するための測定容器,シンカー,浮力を測定するための磁気的相互作用を用いた懸架シ

ステム及び天びんからなる。密度及び比重の測定の結果の国家計量標準へのトレーサビリティを確保する

ためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された分銅を用いて天びんの感度を校正し,シンカ

ーとして、主として箇条 の a)  ,又は必要に応じて,箇条 の c)に規定する,国家計量標準にトレーサ

ブルな方法で校正された標準物質を用いる。シンカー体積が校正されていない場合には,10.3 で規定する

操作によって,

水又は密度標準液を用いてシンカー体積を校正する。

磁気浮上式密度計の例を

図 に示す。


18

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10.2.2

温度計

要求される精度に応じて校正された温度計を使用する。密度及び比重の測定の結果の国家計量標準への

トレーサビリティを確保するためには,

国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された温度計を用いる。

10.2.3

温度の制御デバイス

要求される精度に応じた温度の制御性能をもつ恒温槽,ヒータなどによる精密な温度制御システムを用

いる。

10.2.4

圧力計

要求される精度に応じて校正された圧力計を使用する。密度及び比重の測定の結果の国家計量標準への

トレーサビリティを確保するためには,

国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された圧力計を用いる。

10.2.5

試料液体の導入システム

試料液体を密閉容器中に導入するシステム。

10.2.6

真空排気システム

密閉容器を真空排気する真空ポンプ。

10.3

測定

測定は,次による。

a)

測定容器を真空排気システムによって排気し,シンカーをひょう量する。

b)

測定容器に水又は密度標準液を注入し,シンカーをひょう量する。このひょう量値,測定容器を真空

排気した場合のシンカーのひょう量値の差及び水又は密度標準液の密度からシンカーの体積を決定す

る。密度及び体積が校正済みの標準固体をシンカーとして用いた場合には,この操作は必要ない。

c)

測定容器を洗浄・乾燥させた後,試料液体を注入する。シンカーをひょう量し,測定容器内圧力及び

温度を測定する。


19

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:2012

シングルシンカーシステム 

ダブルシンカーシステム 

図 7−磁気浮上式密度計(例)

10.4

計算

10.4.1

シングルシンカーシステム

シングルシンカーシステムを用いた場合,試料液体の密度は,次の式(20)によって計算される。

s

sample

s,

vacuum

s,

V

m

m

t

=

ρ

 (20)

ここに,

ρ

t

温度 t  ℃における試料液体の密度(kg/m

3

m

s,vacuum

: 真空排気した試料容器内でのシンカーのひょう量値(kg)

m

s,sample

試料液体を充塡した試料容器内でのシンカーのひょう量
値(kg)

V

s

シンカー体積(m

3

m

s,sample

を測定するときの測定容器内の温度及び圧力が,シンカー体積の校正条件と異なる場合には,シ

ンカー体積を補正する。シンカー材料の線膨張係数及び等温圧縮率が既知の場合は,式(21)を用いシンカ

ー体積を算出する。これらパラメーターが不明の場合は,標準液体を用い,測定条件でのシンカー体積を

算出する。試料液体の比重は,水の密度で

ρ

t

を除することによって求める。水の密度は,

表 を参照して

求めるか,又は式(7)によって計算する。

( )

(

)

(

)

(

)

[

]

0

0

0

0

s

s

3

1

,

,

p

p

t

t

p

t

V

p

t

V

t

t

+

=

β

α

 (21)


20

Z 8804

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ここに,

t

m

s,sample

を測定したときの試料容器内温度(℃)

p

m

s,sample

を測定したときの試料容器内圧力(Pa)

V

s

(t,p): 温度 及び圧力 でのシンカー体積(m

3

p

0

シンカー体積を校正したときの圧力(Pa)

t

0

シンカー体積を校正したときの温度(℃)

α

t

温度 におけるシンカーの線膨張係数(℃

1

β

t

温度 におけるシンカーの等温圧縮率(Pa

1

10.4.2

ダブルシンカーシステム

ダブルシンカーシステムでは,表面積が等しく体積の異なる二つのシンカーが使用される。体積の大き

なシンカーをシンカー1,もう一方のシンカーをシンカー2 とすると,試料液体の密度は,次の式(22)によ

って計算される。

(

) (

)

2

1

vacuum

1,

vacuum

2,

sample

1,

sample

2,

V

V

m

m

m

m

t

=

ρ

 (22)

ここに,

ρ

t

試料液体の密度(kg/m

3

m

1,vacuum

: 真空排気した試料容器内でのシンカー1 のひょう量値(kg)

m

2,vacuum

: 真空排気した試料容器内でのシンカー2 のひょう量値(kg)

m

1,sample

試料を充塡した試料容器内でのシンカー1 のひょう量値
(kg)

m

2,sample

試料を充塡した試料容器内でのシンカー2 のひょう量値
(kg)

V

1

シンカー1 の体積(m

3

V

2

シンカー2 の体積(m

3

m

1,sample

及び m

2,sample

を測定するときの測定容器内の温度及び圧力がシンカー体積の校正条件と異なる場

合には,シンカー体積を補正する。体積補正は,シングルシンカーシステムと同様に,式(21)を用いるか,

標準 K 液体を利用して行う。試料液体の比重は,水の密度で

ρ

t

を除することによって求める。水の密度は,

表 によって求めるか,又は式(7)によって計算する。温度 t

0

の水の密度を比重の算出に用いた場合には,

比重 t/t

0

  ℃と表記し,t

0

を明示する。

10.5

測定結果の不確かさ要因

磁気浮上式密度計による密度及び比重の測定の不確かさを見積もる場合,次の要因を考慮する。

a)

シンカー体積の不確かさ

b)

天びんによるシンカーひょう量の不確かさ

c)

試料液体の温度測定の不確かさ

d)

圧力測定の不確かさ

e)

実験標準偏差

11

測定の不確かさ

計量計測トレーサビリティを確保するなど,必要がある場合,この規格で規定する密度及び比重の測定

の不確かさを,標準物質の不確かさ,試料液体の温度測定の不確かさなどを考慮して求める。不確かさ評

価の一般的な方法については,不確かさ評価に関する JIS Z 8404-1 [7],JIS Z 8404-2 [8]及び ISO/IEC Guide 

98-3 [9]

を参照する。


21

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:2012

参考文献

[1]  H. Craig, "Isotopic variation in meteoric waters," Science 133, 1833-1834, 1961.

[2]  M. Tanaka, G. Girard, R. Davis, A. Peuto and N. Bignell, "Recommended table for the density of water

between 0

°C and 40 °C based on recent experimental report," Metrologia 38, 301-309, 2001.

[3]  A. Picard, R. S. Davis, M. Gläser and K. Fujii, "Revised formula for the density of moist air CIPM-2007,"

Metrologia45, 149-155, 2008.

[4]  W. Wagner and A. Pru

β,"The IAPWS formulation 1995 for the thermodynamic properties of ordinary water

substance for general and scientific use," J. Phys. Chem. Ref. Data31, 387-535, 2002.

[5]  R. Masui, K. Fujii and M. Takenaka, "Determination of the absolute density of water at 16

°C and 0.101325

MPa," Metrologia27, 333-362, 1995.

[6]  A.  H.  Harvey,  R.  Span,  K.  Fujii,  M.  Tanaka  and  R.  S.  Davis,  "Density  of  water:  roles  of  the  CIPM  and

IAPWS standards," Metrologia46, 196-198, 2009.

[7]  JIS Z 8404-1:2006  測定の不確かさ−第 1 部:測定の不確かさの評価における併行精度,再現精度

及び真度の推定値の利用の指針

[8]  JIS Z 8404-2:2008  測定の不確かさ−第 2 部:測定の不確かさの評価における繰返し測定及び枝分

かれ実験の利用の指針

[9]  ISO/IEC Guide 98-3:2008,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in

measurement(GUM:1995)

[10] JIS B 7525  密度浮ひょう 
[11] JIS K 2249-4  原油及び石油製品−密度の求め方−第 4 部:密度・質量・容量換算表

[12] JIS R 3503  化学分析用ガラス器具

[13] JIS Z 8103  計測用語