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Z 8802

:2011

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  一般事項

2

5

  pH 計の種類及び形式 

2

5.1

  種類

2

5.2

  形式

2

6

  pH 計の構成

3

7

  pH 標準液 

3

7.1

  pH 標準液の種類及び品質・組成 

3

7.2

  pH 標準液の各温度における pH 

3

7.3

  調製 pH 標準液の調製方法

5

7.4

  pH 標準液の保存方法 

5

8

  操作方法

6

8.1

  pH 計の試験

6

8.2

  測定方法 

6

9

  測定結果の記録 

8


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:2011

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,公益社団法人計測

自動制御学会(SICE)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改

正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ

る。

これによって,JIS Z 8802:1984 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

8802

:2011

pH

測定方法

Methods for determination of pH of aqueous solutions

適用範囲 

この規格は,ガラス電極を用いた pH 計で 0  ℃∼95  ℃の水溶液の pH 値を測定する方法について規定す

る。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0211

  分析化学用語(基礎部門)

JIS K 0213

  分析化学用語(電気化学部門)

JIS K 8474

  二しゅう酸三水素カリウム二水和物(試薬)

JIS K 8514

  臭化ナトリウム(試薬)

JIS K 8622

  炭酸水素ナトリウム(試薬)

JIS K 8625

  炭酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8809

  フタル酸水素カリウム(試薬)

JIS K 8866

  四ほう酸ナトリウム十水和物(試薬)

JIS K 9007

  りん酸二水素カリウム(試薬)

JIS K 9020

  りん酸水素二ナトリウム(試薬)

JIS Z 8805

  pH 測定用ガラス電極

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0211JIS K 0213 及び JIS Z 8805 によるほか,次による。

3.1 

pH 

この規格に規定した pH 標準液の pH 値を基準とし,ガラス電極 pH 計によって測定される起電力から求

められる値。

注記  ピーエッチ又はピーエイチと読む。

3.2 

認証 pH 標準液 

CIPM

(国際度量衡委員会)の CCQM(物質量諮問委員会)の定める一次測定法によって pH 値が測定

された pH 標準液,又はそれにトレーサブルな pH 標準液であって,95 %の信頼区間を与える拡張不確か


2

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:2011

さがおよそ 0.015 以内のもの。

注記  例えば,JCSS(計量標準供給制度)のしゅう酸塩 pH 標準液,フタル酸塩 pH 標準液,中性り

ん酸塩 pH 標準液,りん酸塩 pH 標準液,ほう酸塩 pH 標準液及び炭酸塩 pH 標準液がある。

3.3 

調製 pH 標準液 

表 の組成で,7.3 によって調製した pH 標準液。

3.4 

pH

標準液 

認証 pH 標準液及び調製 pH 標準液の総称。

3.5 

ゼロ校正 

ガラス電極内部液に近い組成の標準液を用いて,電位を調整して,その温度における標準液の pH を指

すようにすること。

注記  ゼロ点調整と呼ぶこともある。

3.6 

スパン校正 

ゼロ校正の後にゼロ校正に用いたものとは異なる pH の標準液を用いて,pH に対する電位の傾きを調整

して,その温度における pH を指すようにすること。

注記  感度調整と呼ぶこともある。

一般事項 

一般事項に関する一般条件は,JIS K 0050 による。

5 pH

計の種類及び形式 

5.1 

種類 

pH

計は,その使用目的によって,次の 3 種類とする。

a)

携帯用

b)

卓上用

c)

定置用

5.2 

形式 

pH

計は,その性能によって,

表 に示す 4 形式とする。性能は,8.1 の試験の結果によるものとする。

表 1pH 計の形式

形式

繰返し性

直線性

0

±0.005

I

±0.02

±0.03

II

±0.05

±0.06

III

±0.1

±0.1


3

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6 pH

計の構成 

pH

計は,検出部,増幅部及び指示部からなり,その構成例を

図 に示す。

a)

  携帯用及び卓上用の場合 

b)

  定置用の場合 

図 1pH 計の構成例

a)

検出部  検出部は,ガラス電極,比較電極,温度補償用感温素子及びこれらを保持するホルダーから

なる。

なお,温度補償用感温素子を含まない場合もある。

b)

増幅部  増幅部は,検出部の起電力を増幅し,かつ,温度補償のための演算を行い,指示部に必要な

レベルの電気信号に変換する能力をもつ。

c)

指示部  指示部は,測定結果を表示する指示計若しくは記録計のいずれか,又は両方を用いるもの。

指示方式は,アナログ式若しくはデジタル式のいずれか,又は両方を用いるもの。

7 pH

標準液 

7.1 pH

標準液の種類及び品質・組成 

pH

標準液の種類及び品質・組成は,

表 による。

表 2pH 標準液の種類及び品質・組成

品質

種類

認証 pH 標準液

調製 pH 標準液

pH

標準液の組成

しゅう酸塩 pH 標準液

例えば,JCSS の

pH

標準液

0.05 mol/kg

二しゅう酸三水素カリウム水溶液

フタル酸塩 pH 標準液

例えば,JCSS の

pH

標準液

0.05 mol/kg

フタル酸水素カリウム水溶液

中性りん酸塩 pH 標準液  例えば,JCSS の

pH

標準液

0.025 mol/kg

りん酸二水素カリウム,

0.025 mol/kg

りん酸水素二ナトリウム水溶液

りん酸塩 pH 標準液

例えば,JCSS の

pH

標準液

0.008 695 mol/kg

りん酸二水素カリウム,

0.030 43 mol/kg

りん酸水素二ナトリウム水溶液

ほう酸塩 pH 標準液

例えば,JCSS の

pH

標準液

0.01 mol/kg

四ほう酸ナトリウム(ほう砂)水溶液

炭酸塩 pH 標準液

例えば,JCSS の

pH

標準液

7.3

に よ っ て 調

製したもの

0.025 mol/kg

炭酸水素ナトリウム,

0.025 mol/kg

炭酸ナトリウム水溶液

注記 mol/kg は,溶媒 1 kg 中の溶質の物質量を示す質量モル濃度である。

7.2 pH

標準液の各温度における pH  

調製 pH 標準液の各温度における pH 値の典型値を

表 に示し,認証 pH 標準液の各温度における pH 値

の典型値を

表 に示す。表 又は表 に記載されていない温度における pH 値は,なだらかに補間して求

検出部

増幅・指示部

検出部

増幅部

指示部


4

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めることができる。

表 3−調製 pH 標準液の各温度における pH 値の典型値

pH

温度

しゅう酸塩

フタル酸塩

中性りん酸塩

ほう酸塩

炭酸塩

a)

0 1.67 4.01 6.98 9.46 10.32

5 1.67 4.01 6.95 9.39 (10.25)

10 1.67 4.00 6.92 9.33 10.18

15 1.67 4.00 6.90 9.27 (10.12)

20 1.68 4.00 6.88 9.22 (10.07)

25 1.68 4.01 6.86 9.18 10.02

30 1.69 4.01 6.85 9.14  (9.97)

35 1.69 4.02 6.84 9.10  (9.93)

38

− 9.91

40 1.70 4.03 6.84 9.07

45 1.70 4.04 6.83 9.04

50 1.71 4.06 6.83 9.01

55 1.72 4.08 6.84 8.99

60 1.73 4.10 6.84 8.96

70 1.74 4.12 6.85 8.93

80 1.77 4.16 6.86 8.89

90 1.80 4.20 6.88 8.85

95 1.81 4.23 6.89 8.83

a)

括弧内の値は,二次補間値を示す。

表 4−認証 pH 標準液の各温度における pH 値の典型値(参考)

pH

しゅう酸塩

フタル酸塩

中性りん酸塩

りん酸塩

ほう酸塩

炭酸塩

温度

第 1 種  第 2 種

第 1 種  第 2 種

第 1 種

第 2 種

第 1 種

第 2 種

第 1 種  第 2 種

第 2 種

0  1.666 1.67 4.003 4.00 6.984

6.98 7.534

7.53 9.464 9.46 10.32

5  1.668 1.67 3.999 4.00 6.951

6.95 7.500

7.50 9.395 9.40 10.24

10  1.670 1.67 3.998 4.00 6.923

6.92 7.472

7.47 9.332 9.33 10.18

15  1.672 1.67 3.999 4.00 6.900

6.90 7.448

7.45 9.276 9.28 10.12

20  1.675 1.68 4.002 4.00 6.881

6.88 7.429

7.43 9.225 9.22 10.06

25  1.679 1.68 4.008 4.01 6.865

6.86 7.413

7.41 9.180 9.18 10.01

30  1.683 1.68 4.015 4.02 6.853

6.85 7.400

7.40 9.139 9.14  9.97

35  1.688 1.69 4.024 4.02 6.844

6.84 7.389

7.39 9.102 9.10  9.92

38  1.691 1.69 4.030 4.03 6.840

6.84 7.384

7.38 9.081 9.08

40  1.694 1.69 4.035 4.04 6.838

6.84 7.380

7.38 9.068 9.07  9.89

45  1.700 1.70 4.047 4.05 6.834

6.83 7.373

7.37 9.038 9.04  9.86

50  1.707 1.71 4.060 4.06 6.833

6.83 7.367

7.37 9.011 9.01  9.83

55  1.715 1.72 4.075 4.08 6.834

6.83

− 8.985 8.98  −

60  1.723 1.72 4.091 4.09 6.836

6.84

− 8.962 8.96  −

70  1.743 1.74 4.126 4.13 6.845

6.84

− 8.921 8.92  −

80  1.766 1.77 4.164 4.16 6.859

6.86

− 8.885 8.88  −

90  1.792 1.79 4.205 4.20 6.877

6.88

− 8.850 8.85  −

95  1.806 1.81 4.227 4.23 6.886

6.89

− 8.833 8.83  −

注記  第 1 種は OIML recommendation (R054-e81)  に記載の値であり,第 2 種はそれを小数点以下 2 桁に丸め

たものである。


5

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7.3 

調製 pH 標準液の調製方法 

7.3.1 

原料 

調製 pH 標準液を調製する場合に用いる水及び試薬は,次による。

a)

水  導電率 2×10

6

 S/cm

(25  ℃)以下のもの。ほう酸塩調製 pH 標準液及び炭酸塩調製 pH 標準液の

場合には,特に二酸化炭素を除去したものを使用しなければならない。

b)

二しゅう酸三水素カリウム二水和物  JIS K 8474 に規定するもの。

c)

フタル酸水素カリウム  JIS K 8809 に規定する pH 標準液用のもの。

d)

りん酸二水素カリウム  JIS K 9007 に規定する pH 標準液用のもの。

e)

りん酸水素二ナトリウム  JIS K 9020 に規定する pH 標準液用のもの。

f)

四ほう酸ナトリウム十水和物  JIS K 8866 に規定する pH 標準液用のもの。

g)

炭酸水素ナトリウム  JIS K 8622 に規定する pH 標準液用のもの。

h)

炭酸ナトリウム  JIS K 8625 に規定する pH 標準液用のもの。

7.3.2 

調製方法 

各調製 pH 標準液の調製方法は,次による。体積は,25  ℃におけるものとする。試薬のはかりとり量は,

海面に近い高度でのひょう量時の空気の浮力を補正しない天びん(密度 8 g/cm

3

の分銅で校正したもの)の

表示値とする。

a)

しゅう酸塩調製 pH 標準液  二しゅう酸三水素カリウム二水和物をめのう乳鉢ですりつぶし,シリカ

ゲルを入れたデシケーター中に 18 時間以上保存する。その 12.606 g をとり,少量の水に溶かし,全量

フラスコ 1 L に移し入れ,水を標線まで加える。

b)

フタル酸塩調製 pH 標準液  あらかじめフタル酸水素カリウムを 120  ℃で約 1 時間加熱し,シリカゲ

ルを入れたデシケーター中で放冷する。その 10.119 g をとり,少量の水に溶かし,全量フラスコ 1 L

に移し入れ,水を標線まで加える。

c)

中性りん酸塩調製 pH 標準液  あらかじめりん酸二水素カリウムを 105  ℃±2  ℃で 2 時間,りん酸水

素二ナトリウムは 110  ℃で 2 時間それぞれ加熱し,シリカゲルを入れたデシケーター中で放冷する。

りん酸二水素カリウム 3.390 g と,りん酸水素二ナトリウム 3.536 g とをとり,少量の水に溶かし,全

量フラスコ 1 L に移し入れ,水を標線まで加える。

d)

りん酸塩調製 pH 標準液  あらかじめりん酸二水素カリウムを 105  ℃±2  ℃で 2 時間,りん酸水素二

ナトリウムは 110  ℃で 2 時間それぞれ加熱し,シリカゲルを入れたデシケーター中で放冷する。りん

酸二水素カリウム 1.179 g と,りん酸水素二ナトリウム 4.302 g とをとり,少量の水に溶かし,全量フ

ラスコ 1 L に移し入れ,水を標線まで加える。

e)

ほう酸塩調製 pH 標準液  四ほう酸ナトリウム十水和物をめのう乳鉢ですりつぶし,臭化ナトリウム

溶液(飽和)に,更に JIS K 8514 に規定する臭化ナトリウムを加えた溶液を入れたデシケーター中に

放置して恒量とする。その 3.804 g をとり,二酸化炭素を含まない少量の水に溶かし,全量フラスコ 1

L

に移し入れ,二酸化炭素を含まない水を標線まで加える。

f)

炭酸塩調製 pH 標準液  炭酸水素ナトリウムを,シリカゲルを入れたデシケーター中で約 3 時間放置

し,その 2.92 g をとる。別に炭酸ナトリウムを白金るつぼに入れ,600  ℃で加熱して恒量とし,その

2.640 g

をとる。両者を二酸化炭素を含まない少量の水に溶かし,全量フラスコ 1 L に移し入れ,二酸

化炭素を含まない水を標線まで加える。

7.4 pH

標準液の保存方法 

調製 pH 標準液は,

上質の硬質ガラス又はポリエチレン製の瓶中に密閉して保存する。

調製 pH 標準液は,


6

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長期間の保存によって pH 値が変化する

1)

ことがあるから,調製後長期にわたるものは新しく調製したも

のと比較して,pH 値が同一であることを確かめて使用しなければならない。また,認証 pH 標準液につい

ては,それぞれの個別の認証書又は校正証明書による。pH 標準液は,一度使用したもの及び大気中に開放

して放置したものは再度使用してはならない。

1)

例えば,ほう酸塩調製 pH 標準液及び炭酸塩調製 pH 標準液は,二酸化炭素などを吸収して pH

値が低下する。

操作方法 

8.1 pH

計の試験 

pH

計の試験は,次のように行う。

a)

繰返し性試験  8.2.1 及び 8.2.2 に従って準備した pH 計の検出部を任意の 1 種類の pH 標準液に浸し,

10

分後に pH 計の指示を読む。次に検出部を水で十分洗い,水分を拭って再び同じ pH 標準液に浸し,

10

分後に pH 計の指示値を読む。このように操作して pH 標準液について 3 回測定し,これら指示値

が全て各 pH 計の形式に対して

表 の規定を満足しなければならない。

b)

直線性試験  8.2.1 に従って準備した検出部を中性りん酸塩 pH 標準液及びフタル酸塩 pH 標準液を用

い 8.2.2 に準じて pH 計を校正した後,検出部を水で十分洗い水分を拭って,ほう酸塩 pH 標準液に浸

してその値を読む。次に,検出部を再び水で十分洗い水分を拭って,再び同じほう酸塩 pH 標準液に

浸し,指示値を読む。このように操作してほう酸塩 pH 標準液について 3 回測定し,平均する。この

平均値と用いたほう酸塩 pH 標準液の pH 値との差が,各 pH 計の形式に対して

表 の規定を満足しな

ければならない。

なお,直線性試験に使用する pH 標準液は,

表 による。

表 5−直線性試験に使用する pH 標準液

形式

使用する pH 標準液

0

認証 pH 標準液で小数点以下 3 桁の表示のある
もの。例えば,JCSS の第 1 種

I

II

III

認証 pH 標準液又は調製 pH 標準液

c)

a)

及び b)の試験は pH 標準液の液温 10  ℃∼40  ℃で行い,各 pH 標準液の温度の安定性は,

表 に示

す値を超える変動があってはならない。

8.2 

測定方法 

8.2.1 

準備 

使用前にあらかじめ pH 計の電源を入れておき,検出部は水で繰り返し 3 回以上洗い,きれいなろ紙,

脱脂綿などで拭っておく。ただし,特に汚れている場合には,必要に応じて洗剤,0.1 mol/L 塩酸などで短

時間洗い,更に流水で十分に洗う。長く乾燥状態にあったガラス電極は,あらかじめ一夜(例えば,12 時

間)水中に浸した後使用する。

8.2.2 pH

計の校正 

pH

計の校正は,ゼロ校正とスパン校正とで行う。ゼロ校正とスパン校正とを交互に行い,形式 0,I,II

及び III の pH 計において,それらの pH 値がそれぞれ±0.005,±0.02,±0.05 及び±0.1 で,調製 pH 標準


7

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液を用いた場合は

表 3,認証 pH 標準液を用いた場合は認証書又は校正証明書の値と一致するまで校正する。

校正する場合には,pH 標準液を

表 から選定し,pH 標準液の温度の測定精度及び校正中の pH 標準液

の温度の安定性は

表 による。ただし,測定目的又は個別規格の指定によって,認証 pH 標準液又は調製

pH

標準液のいずれかを選定するが,トレーサビリティが必要な場合には,認証 pH 標準液を用いなければ

ならない。

表 6pH 標準液の温度の測定精度及び校正中の pH 標準液の温度の安定性

形式 pH 標準液の温度の測定精度

校正中の pH 標準液の温度の安定性

0

±0.1  ℃

±0.2  ℃

I

±0.5  ℃

II

III

±0.5  ℃

±2  ℃

a)

ゼロ校正  ゼロ校正は,検出部を中性りん酸塩 pH 標準液に浸し,pH 標準液の温度に対応する値に調

整して校正する。この場合,調製 pH 標準液を用いた場合は

表 3,認証 pH 標準液を用いた場合は認証

書又は校正証明書の値で校正する。

なお,温度補償用ダイヤル又はデジタルスイッチの設定があるものは,目盛値を pH 標準液の温度

に合わせる。

b)

スパン校正  スパン校正は,次による。

1)

試料溶液の pH 値が 以下の場合  検出部をフタル酸塩 pH 標準液又はしゅう酸塩 pH 標準液に浸し,

pH

標準液の温度に対応する値に調整して校正する。この場合,調製 pH 標準液を用いたときは

表 3

認証 pH 標準液を用いたときは認証書又は校正証明書の値で校正する。

2)

試料溶液の pH 値が を超える場合  検出部をりん酸塩 pH 標準液,ほう酸塩 pH 標準液又は炭酸塩

pH

標準液に浸し,その後の操作は 1)と同様に行う。

注記  試料溶液の pH 値が 11 以上の場合  pH 値が 11 以上のための調製 pH 標準液に準じた溶液と

して,炭酸塩を含まない 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液及び飽和(25  ℃における)水酸化

カルシウム溶液を使用することができる。この水溶液の各温度における pH 値を,

表 に示

す。

表 70.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液及び飽和水酸化カルシウム溶液の各温度における pH 値(参考)

温度

0.1 mol/L

水酸化ナ

トリウム溶液

飽和水酸化カルシ
ウム溶液

温度

0.1 mol/L

水酸化ナ

トリウム溶液

飽和水酸化カルシ
ウム溶液

0

13.8 13.43

35

12.6 12.14

 5

13.6

13.21

40

12.4

11.99

10 13.4

13.00 45 12.3

11.84

15 13.2

12.81 50 12.2

11.70

20 13.1

12.63 55 12.0

11.58

25 12.9

12.45 60 11.9

11.45

30 12.7

12.30

8.2.3 

測定 

pH

計を校正した後電極を洗浄し,直ちに試料溶液の pH 測定を行う。試料溶液の量は,測定値が変化し

ない程度に十分にとる必要がある。


8

Z 8802

:2011

なお,温度補償用ダイヤル又はデジタルスイッチの設定があるものは,測定中液温は

表 の値を超える

変動があってはならない。

注記 pH 値が 11 以上の測定に対しては,通常のガラス電極ではアルカリ誤差を生じ,その測定値が

低く出るおそれがある。特に,アルカリ金属イオン濃度が高い場合には,誤差が大きくなる。

したがって,アルカリ誤差の少ない電極を使用し,かつ,必要な補正をすることが望ましい。

測定結果の記録 

測定結果の記録には,次の事項を記載する。

a)

試料溶液の温度

b) pH

計(電極を含む。

)の形式

c)

試料名

d) pH

標準液の品質(種類,供給者及び特性値)

e)

測定値

f)

装置の名称(製造業者名及び形式名)

g)

測定年月日

h)

測定者名

i)

測定不確かさ

j)

その他の必要な事項

参考文献  OIML recommendation (R054-e81),pH SCALE for AQUEOUS SOLUTIONS