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Z 8791

:2011

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

4

  原理

3

5

  測定方法

3

5.1

  一般事項

3

5.2

  座標系の定義

4

5.3

  ホログラムの測定環境

4

5.4

  測定装置及び器具

4

5.5

  回折効率の測定方法

4

5.6

  角度選択性の測定方法

9

5.7

  波長選択性の測定方法

9

6

  測定結果の記載

9

6.1

  一般事項

9

6.2

  回折効率の測定結果の記載

9

6.3

  角度選択性の測定結果の記載

10

6.4

  波長選択性の測定結果の記載

10


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(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,独立行政法人産業技術総合研究所(AIST)

から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経

て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


  

日本工業規格

JIS

 Z

8791

:2011

ホログラムの回折効率

及び関連する光学特性の測定方法

Methods of measuring diffraction efficiency and associated optical

characteristics of hologram

序文

ホログラムは,光の干渉及び回折の現象を利用した光学素子であり,従来の屈折,散乱又は反射を利用

した光学素子とは異なった特徴をもっている。その特徴を生かして偽造防止などのセキュリティー分野,

計測分野,ディスプレイ分野などの多くの分野で利用されている。しかしながら,これまで,ホログラム

に関する用語,評価方法などが共通に議論されていないのが実情であった。そこで,この規格では,ホロ

グラムの用語,

及びホログラムにおいて重要な評価項目についての測定方法を提供することを目的とする。

1

適用範囲

この規格は,ホログラムの回折効率,並びに関連する光学特性である角度選択性及び波長選択性の測定

方法について規定する。この規格の測定方法は,二光束干渉によって作製したホログラム,転写複製した

表面レリーフ型ホログラム,及び電子線描画装置などによって作製した空間的に周期的な構造をもつホロ

グラムに適用できる。ただし,測定対象とするホログラムを構成する物質は,限定しない。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 8120

  光学用語

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8120 によるほか,次による。

3.1

ホログラム(hologram)

物体から出る光波と,それと干渉性がある光波との干渉パターンを記録材料などに記録したもの。

なお,表面の凹凸を転写複製したもの,又は計算機などによって計算された空間的に周期的な構造を記

録したものもホログラムとする。

3.2

物体波(object wave, object beam)

ホログラムを記録するときに,物体から出て記録材料に入射する光波。物体光ともいう。


2

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3.3

参照波(reference wave, reference beam)

ホログラムを記録するときに,物体波とある角度をなして記録材料に入射する光波。参照光ともいう。

3.4

照明波(illuminating wave, illuminating beam)

ホログラムを再生するときに,ホログラムに入射させる光波。照明光ともいう。

3.5

再生波(reconstructed wave, reconstructed beam)

ホログラムを照明した光(照明波)がホログラムによって回折された光波のうち,利用される光波の成

分を指す。再生光ともいう。

注記  一般に+1 次回折光又は−1 次回折光を指す。

3.6

透過型ホログラム(transmission hologram)

透過する再生波を利用するホログラム。

注記  物体波及び参照波を,記録材料に対して同じ側から入射させる方法で記録したホログラムは,

一般的に透過型ホログラムとなる。

3.7

反射型ホログラム(reflection hologram)

反射する再生波を利用するホログラム。

注記  反射型ホログラムにおいて,物体波及び参照波を記録材料面に対して互いに反対側から入射さ

せる方法で記録したホログラムは,一般的に厚い反射型ホログラムとなる。リップマンホログ

ラム又はリップマン・デニシュクホログラムともいう。また,表面レリーフ型ホログラム(3.10

参照)のうち,レリーフ面からの反射光を利用するものも反射型ホログラムとなる。

3.8

厚いホログラム(volume hologram, thick hologram)

ブラッグ回折を生じさせるホログラム。

注記  正弦波状の屈折率分布をもつホログラムの場合,ホログラムを記録している記録層の厚さが記

録している干渉じまの間隔に比べて十分に厚いときのホログラムであって,Q 値(3.11 参照)

が Q

1 の関係であれば厚いホログラムである。

3.9

薄いホログラム(plane hologram, thin hologram)

ラマン・ナス回折を生じさせるホログラム。

注記  ホログラムを記録している記録層の厚さが記録している干渉じまの間隔に比べて薄い場合のホ

ログラムであって,正弦波状の屈折率分布をもつホログラムのとき,Q 値(3.11 参照)が Q

1 の関係であれば薄いホログラムである。

3.10

表面レリーフ型ホログラム(surface relief hologram)

表面の凹凸構造によって,光の干渉パターンを記録しているホログラム。

3.11

Q

値(Q-parameter)


3

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正弦波状の屈折率分布による周期構造において,次の式で定義される値。

2

2

d

n

T

Q

λ

π

=

ここに,

T: ホログラムの厚さ(μm)

λ: 空気中の波長(μm)

d: 干渉じまの間隔(μm)

: ホログラムの平均屈折率

注記  この値は,ホログラムを厚いホログラムと薄いホログラムとに分類するために用いる。ただし,

この値は,正弦波状の屈折率分布による周期構造にだけ適用できることに注意する。

3.12

ホログラムの)回折効率(diffraction efficiency)

照明波の放射束に対する再生波の放射束の比。一般に百分率(%)で表す。

3.13

ホログラムの)角度選択性(angular selectivity)

単一波長の照明波でホログラムを再生したときの,

照明波の入射角度に対する再生波の放射束の依存性。

3.14

ホログラムの)波長選択性(wavelength selectivity)

照明波の入射角度を一定にしてホログラムを再生したときの,照明波の波長に対する再生波の放射束の

依存性。

4

原理

回折効率は,ホログラムに照明波を入射させ,再生波又は透過する 0 次回折光の放射束を測定すること

を通じて求める。ホログラムの角度選択性及び波長選択性は,照明波の入射角度又は波長に対する回折効

率の依存性から測定する。

注記  物体波及び参照波を,記録材料に対して同じ側から入射させる方法で記録したホログラムは,

一般的に透過型ホログラムとなる。

5

測定方法

5.1

一般事項

回折効率には,絶対回折効率,相対回折効率,分光透過回折効率及び分光反射回折効率があるが,ホロ

グラムの種類又は目的に沿った測定方法を選択して行わなければならない。

照明波の放射束に対する再生波の放射束の比である絶対回折効率が測定の基本であるが,全ての次数の

回折光の放射束の和に対する再生波の放射束の比である相対回折効率が重要な場合もある。

測定方法の一般事項は,次のとおりである。

a)

測定対象のホログラムの照明波は,平面波とする。ただし,絶対回折効率及び相対回折効率のときは

平面波でなくてもよいが,その旨を報告事項に明記しなければならない。

b)

この規格は,二光束干渉によって作製したホログラム以外に対しても適用可能であるが,転写複製し

た表面レリーフ型ホログラム又は電子線描画装置などによって作製した空間的に周期的な構造をもつ

ホログラムに適用した場合には,その旨を報告事項に明記しなければならない。


4

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5.2

座標系の定義

座標軸及び光波の角度は,次による。

a)

ホログラム(又は記録材料)面を xy 平面とし,垂直な方向を z 軸とする。

b) z

軸は,物体波又は再生波の進行する方向を正とする。

c)

入射角度 θ[度(°)又は rad]は,

図 のように,z 軸正方向と光波の延長線とがなす角度(符号は,

反時計回りが正)とする。

a)

  光波が+方向に進むとき

b)

  光波が−方向に進むとき 

図 1−ホログラムの光学特性の測定のための座標系と光波との角度の取り方

5.3

ホログラムの測定環境

回折効率の測定は,常温かつ常湿の暗室内(又は光検出器に迷光が入らないよう工夫された条件)で行

わなければならない。

5.4

測定装置及び器具

測定では,測定方法に応じて次のものを適宜用いることが望ましい。

5.4.1

光源  レーザのときは,出力の経時安定性が十分高いもの(例えば,出力変動が 30 分間で±5 %

以下のもの)であることが望ましい。また,白色光源のときは,目的の測定対象とする波長範囲にわたっ

て連続的なスペクトルを与えるものが望ましい。

5.4.2

ミラー  面精度は,十分高いもの(例えば,1/10 波長程度を超えるもの)であることが望ましい。

5.4.3

試験片ホルダ  ホログラムを装着した状態で,試験片サイズ程度の可動範囲をもって移動可能であ

ることが望ましい。

5.4.4

光検出器  測定対象とする光強度に対して十分なダイナミックレンジ及び応答性をもち,校正され

たもの。

5.4.5

分光器  測定対象とする波長範囲内において波長分解能が 0.001 μm 以下であるもの。

5.4.6

積分球  硫酸バリウムなど高い反射率及び拡散性に優れたコーティング又は材料からなる内壁を

もつ球形の光学コンポーネントで,光を集め,空間的に積分して均一化できるもの。

5.5

回折効率の測定方法

5.5.1

一般事項

厳密な意味での回折効率は,5.5.2 に規定する方法で測定する絶対回折効率であるが,ホログラムの反射,

散乱,吸収,収縮などによって,記録材料の特性を示すことに適さないときがある。このようなとき,5.5.3

に規定する方法を適用することが望ましい。また,厚いホログラムにおいて記録材料に膨張,収縮などが

あるとき,照明波の入射角度[度(°)又は rad]又は波長が参照波のそれらと等しい条件においてブラ


5

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ッグ条件が満たされず,回折効率が低く測定される可能性がある。このとき,透過型ホログラムにおいて

は,照明波の入射角度を適宜調節して回折効率を測定することが望ましい。厚い反射型ホログラムにおい

ては,5.5.4 に規定する分光透過回折効率,又は 5.5.5 に規定する分光反射回折効率を用いることが望まし

い。

なお,5.5.4 は,厚い透過型ホログラムに用いてもよい。

同一のホログラムに対するこれら 4 種の回折効率は,一般に異なる値となるので,どの方法で測定した

回折効率であるかを区別して用いなければならない。

注記  光検出器に対して照明波又は再生波が斜めに入射すると光検出器表面における反射によって正

しく放射束の測定ができないときがあるため,放射束の測定を行うときは,光検出器に対して

照明波又は再生波がほぼ垂直に入射するように光検出器を設置することが望ましい。

5.5.2

絶対回折効率の測定方法

絶対回折効率(η)は,照明波の放射束(L

0

)に対する再生波の放射束(L

1

)の比(%)で定義する。

測定方法は,次の手順に従わなければならない。

a)

図 に示すように,試験片ホルダに設置したホログラムに対して光源からの照明波をホログラムに入

射させなければならない。照明波の照明面積(S

1

)は,ホログラム面において,ホログラムの面積(S

0

と等しいか,又はそれよりも小さくなるよう調整しなければならない。照明面積の調整のために,必

要に応じて照明波の光路に照明面積を制限するアパーチャを挿入してもよい。

注記  照明波は,通常,ホログラムを記録したときの光学系における二光束のうちの一光束を用い

ることが望ましい。一般には,光源としてレーザを用いる。アパーチャを設けたとき,ホロ

グラムを上下左右に動かして,ホログラム面内の回折効率分布を評価することもできる。

b)

照明波の放射束は,

図 のホログラムを取り除いた状態で,校正された光検出器 A によって測定し,

かつ,再生波の放射束は校正された光検出器 B で測定しなければならない。これらを用いて,式(1)

によって絶対回折効率を求める。

注記  放射束を光検出器で測定するとき,測定する光の全てが光検出器に入射するよう注意する。

100

0

1

×

=

L

L

η

 (1)

ここに,

η

回折効率(

%

L

0

照明波の放射束(

mW

L

1

再生波の放射束(

mW


6

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a)

  透過型ホログラム

b)

  反射型ホログラム 

注記  光学系には,ホログラムの記録に用いた光学系の一部を利用している。

図 2−絶対回折効率の測定方法

5.5.3

相対回折効率の測定方法

相対回折効率(

η

)は,材料による光の損失を考慮した回折効率で,全ての次数の回折光の放射束の和(

L

all

に対する再生波の放射束(

L

1

)の比(

%

)で定義する。

測定方法は,次の手順に従わなければならない。

a

)

光学系には,5.5.2 a

)

に規定したものと同じ光学系を用いなければならない(

図 参照)。

b

)

再生波の放射束及び全ての次数の回折光の放射束を校正された光検出器で測定し,かつ,和をとるこ

とによって

L

all

を求める。その値で再生波の放射束(

L

1

)を除することによって,式

(2)

によって相対

回折効率を求める。

注記

放射束を光検出器で測定するとき,測定する光の全てが光検出器に入射するよう注意する。

100

all

1

×

=

L

L

η

 (2)

ここに,

η

回折効率(%)

L

all

全ての次数の回折光の放射束の和(mW)

L

1

再生波の放射束(mW)

c)

全ての次数の回折光の放射束を測定するのが難しいときには,ホログラムが記録されていない部分の

透過光の放射束(透過型ホログラムのとき)

,又は正反射光の放射束(反射型の表面レリーフ型ホログ

ラムのとき)を測定し,その値を

L

all

とする方法で代用してもよい。この場合,

L

all

の測定に当たって,

代用法を用いた旨を報告事項に明記しなければならない。

5.5.4

分光透過回折効率の測定方法

分光透過回折効率(

η

)は,透過する 0 次光の減少分を回折光とみなし,ホログラムが記録されていない

ときに想定される記録材料の透過率(%)に対する透過する 0 次光の減少分(%)の比で定義する。

分光透過回折効率の測定方法は,厚い透過型ホログラム又は厚い反射型ホログラムだけに適用し,次の

手順に従わなければならない。

a)

厚いホログラムについて分光器を含む光学系に装着する。

図 の a)  及び b)  は,それぞれ,厚い透過

型ホログラム及び厚い反射型ホログラムについて測定するときの光学的な配置図である。分光器は,


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図 中の A 又は B の位置に設置する。

b)

光源からの光をコリメータレンズで平行光にし,これを照明波としてホログラムに入射させる。

注記  一般には,光源として白色光源を用いる。

c)

順次,測定波長を変え,それぞれの波長での透過光強度を光検出器で測定することで,

図 の分光透

過率分布を得る。

d)

図 から

a

及び

b

を読み取り,式(3)によって分光透過回折効率を求める。

注記  厚いホログラムは波長選択性が高いため,この測定から回折効率を求めることができる。分

光透過回折効率は,ホログラムの反射,吸収などを考慮したものになっているので,相対回

折効率に近い値が得られる。

(

)

100

×

=

a

b

a

η

 (3)

ここに,

η

回折効率(%)

a

図 の透過率が最小となる波長において,ホログラムが記
録されていないときに想定される記録材料の透過率(%)

b

図 の透過率が最小となる波長におけるホログラムの透
過率(%)

a)

  厚い透過型ホログラムのとき

b)

  厚い反射型ホログラムのとき 

図 3−分光器を用いる回折効率の測定方法

図 4次透過光の分光透過率分布

5.5.5

分光反射回折効率の測定方法

分光反射回折効率(

η

)は,分光反射率の最大値(%)とホログラムが記録されていないときに想定され

る記録材料の反射率(%)との差によって定義する。


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分光反射回折効率の測定方法は,厚い反射型ホログラムだけに適用し,次の手順に従わなければならな

い。

a)

図 に示すように,厚い反射型ホログラムを分光器と積分球とを組み合わせた測定装置に装着する。

b)

分光器で分光された光をコリメータレンズで平行光にし,かつ,これを照明波として厚い反射型ホロ

グラムに入射させる。

c)

順次,照明波の波長を変え,それぞれの波長での反射光強度を積分球で検出することで,

図 の分光

反射率分布を得る。

注記  一般には,光源として白色光源を用いる。

d)

図 から

a

及び

b

を求め,式(4)によって分光反射回折効率を求める。

注記  厚い反射型ホログラムは波長選択性が高いため,この測定から回折効率を求めることができ

る。反射率 100 %の値は,標準白色板を用いて校正する。式(4)の回折効率は,絶対回折効率

に近い値が得られる。

a

b

=

η

 (4)

ここに,

η

回折効率(%)

a

図 の反射率が最大となる波長において,ホログラムが記
録されていないときに想定される記録材料の反射率(%)

b

図 の反射率が最大となる波長におけるホログラムの反
射率(%)

図 5−分光器及び積分球を用いる回折効率の測定方法

図 6−分光反射率分布


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5.6

角度選択性の測定方法

ホログラムの角度選択性の測定方法は,次の手順に従わなければならない。

a)

照明波の波長を適宜定め,ホログラムに対する入射角度[度(°)又は rad]を小角度テップ[例え

ば,1 度(°)

(又は π/180 rad)

]ごとに変えながら,5.5.2 又は 5.5.3 のいずれかの測定方法に基づい

て回折効率を測定する。

b)

照明波の入射角度[度(°)又は rad]に対する回折効率の値をプロットし,回折効率が最大となる

入射角度,及び半値幅(回折効率が最大値の 1/2 となる二つの入射角度の間隔)をグラフから読み取

る。

注記  このグラフから角度選択性を評価できる。ホログラムの角度選択性は,ホログラムによって

像再生される照明波の入射角度範囲の広狭を示し,像再生される角度範囲が相対的に狭いと

きは“角度選択性が高い”と表現し,角度範囲が相対的に広いときは“角度選択性が低い”

と表現する。

5.7

波長選択性の測定方法

ホログラムの波長選択性の測定は,次の手順に従わなければならない。

a)

照明波の入射角度を適宜定め,5.5.4 によって

図 の分光透過率分布を得るか,又は 5.5.5 によって図 6

の分光反射率分布を得る。また,5.5.2 又は 5.5.3 のいずれかの測定方法に基づいて複数波長に対する

回折効率を測定して,回折効率の波長依存性グラフを得ることもできる。

b)

得られた回折効率の波長依存性グラフから回折効率が最大となる波長及び半値幅を求める。

分光透過率分布のときは,透過率が最小となる波長における透過率及びホログラムが記録されてい

ないときに想定される記録材料の透過率の和の 1/2 となる二つの波長間隔によって半値幅を与える。

分光反射率分布のときは,反射率が最大となる波長における反射率及びホログラムが記録されてい

ないときに想定される記録材料の反射率の和の 1/2 となる二つの波長間隔によって半値幅を与える。

c)

絶対回折効率又は相対回折効率を用いたときは,a)  で作成した回折効率の波長依存性グラフにおいて

回折効率が最大値の 1/2 となる二つの波長間隔から半値幅を得る。

注記  ホログラムの波長選択性は,ホログラムによって像再生される波長範囲の広狭を示し,像再

生される波長範囲が相対的に狭いときは“波長選択性が高い”と表現し,波長範囲が相対的

に広いときは“波長選択性が低い”と表現する。波長選択性は,照明波として白色光を使っ

た場合における再生像の鮮明さ,色再現性などを示す光学特性である。

6

測定結果の記載

6.1

一般事項

測定報告書には,

表 に示す報告事項を記載する。ただし,角度選択性及び波長選択性は,任意とする。

6.2

回折効率の測定結果の記載

測定結果の記載は,次による。

a)

回折効率は,百分率の数値(%)をもって示す。

b)

回折効率の記載に当たっては,次の情報についても併せて記載する。

1)

回折効率の測定方法(5.5.25.5.5)のうちのどの方法(一つ又は複数)に基づいて測定されたか。

2)

回折効率測定時の照明波の入射角度[度(°)又は rad]

3)

照明波の波長(μm)

5.5.2 又は 5.5.3 のとき)

4)

照明波が平面波でないとき,報告事項にその旨を明記しなければならない。


10

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6.3

角度選択性の測定結果の記載

測定結果の記載は,次による。

a)

角度選択性は,5.6 によって測定されたグラフ(照明波の入射角度に対する回折効率のプロット)

,若

しくはグラフから読み取られたピーク入射角度及びピーク半値幅の数値[度(°)若しくは rad]の

うちのいずれか,又はそれらの両方をもって示す。

b)

角度選択性の記載に当たっては,次の情報についても併せて記載する。

1)

回折効率の測定方法が,5.5.2 若しくは 5.5.3 のいずれか,又はそれらの両方に基づいて測定された

か。

2)

回折効率測定時の照明波の波長(μm)

6.4

波長選択性の測定結果の記載

測定結果の記載は,次による。

a)

波長選択性は,5.7 によって測定されたグラフ(照明波の波長に対する回折効率のプロット)

,若しく

はグラフから読み取られたピーク波長及びピーク半値幅の数値(μm)のうちのいずれか,又はそれら

の両方をもって示す。

b)

波長選択性の記載に当たっては,次の情報についても併せて記載する。

1)

回折効率の測定方法(5.5.25.5.5)のうちのどの方法(一つ又は複数)に基づいて測定されたか。

2)

回折効率測定時の照明波の入射角度[度(°)又は rad]

表 1−報告事項の一覧

項目

記載情報

記載の必要性

a)  回折効率

・回折効率の数値(%)

・回折効率の測定方法[5.5.25.5.5 のうちのどの方法(一つ又は複数)に

基づいて測定されたか]

・回折効率測定時の照明波の入射角度[度(°)又は rad]

・照明波の波長(μm)

(回折効率の測定方法が 5.5.2 又は 5.5.3 のとき)

必須

b)  角度選択性

・測定されたグラフ(照明波の入射角度に対する回折効率のプロット)

,若

しくはグラフから読み取られたピーク入射角度及びピーク半値幅の数値

[度(°)若しくは rad]のうちのいずれか,又はそれらの両方

・回折効率の測定方法(5.5.2 若しくは 5.5.3 のいずれか,又はそれらの両方

に基づいて測定されたか)

・回折効率測定時の照明波の波長(μm)

任意

c)  波長選択性

・測定されたグラフ(照明波の波長に対する回折効率のプロット)

,若しく

はグラフから読み取られたピーク波長及びピーク半値幅の数値(μm)の
うちのいずれか,又はそれらの両方

・回折効率の測定方法[5.5.25.5.5 のうちのどの方法(一つ又は複数)に

基づいて測定されたか]

・回折効率測定時の照明波の入射角度[度(°)又は rad]

任意

注記  それぞれの項目の記載情報が同一であるときは,参照関係を示した上で,記載を省略してもよい。また,測

定年月日,測定環境,測定者,規格番号などを記載することが望ましい。