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Z 8531-2

:2007 (ISO 14915-2:2003)

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

2

4

  この規格の適用

6

4.1

  この規格が対象とする人

6

4.2

  この規格へ適合していることの報告

6

5

  マルチメディアのナビゲーション及び制御のための枠組み

6

5.1

  一般

6

5.2

  コンテンツ構造の分析

7

5.3

  ナビゲーション構造の設計

8

6

  ナビゲーションの設計

11

6.1

  ナビゲーション概説

11

6.2

  ナビゲーションの構造

12

7

  操作具に関する共通の手引

15

7.1

  メディア操作具の互換性の確保

15

7.2

  操作具のユーザアクセシビリティの確保

15

7.3

  個人化の容易性

15

7.4

  適切なメディア操作具の提供

15

7.5

  仕事に合わせた操作具のセットの提供

15

7.6

  最小限のメディア操作具のセットの提供

15

7.7

  メディア操作具のグループ分け

15

7.8

  メディアオブジェクトの操作

15

7.9

  操作具の区別

16

7.10

  非明示的な操作具の存在

16

7.11

  メディアの状態

16

7.12

  操作具の状態

16

7.13

  利用できない操作具

16

7.14

  操作具の一貫性

16

7.15

  容易なアクセス

16

7.16

  操作具の操作に対するフィードバック

17

7.17

  操作具の相互関係

17

7.18

  特別な操作具の設計

17

8

  リンク

17

8.1

  リンクに関するアクセシビリティの配慮

17


Z 8531-2

:2007 (ISO 14915-2:2003)  目次

(2)

ページ

8.2

  リンクの利用

17

8.3

  リンクの見分けやすさ

19

8.4

  リンクに関する情報

19

9

  ナビゲーション機能

21

9.1

  ナビゲーション活動の範囲

21

9.2

  “先頭へ”操作

22

9.3

  “以前へ”操作

22

9.4

  “次へ”操作

23

9.5

  “最後へ”操作

24

9.6

  現在位置の決定

24

9.7

  移動

24

9.8

  検索

24

9.9

  システムの解説

25

10

  複数のメディアを協調させる操作具

25

10.1

  メディアの同期

25

10.2

  メディアの協調

25

10.3

  多層になったメディアの制御

25

10.4

  メディアの個別扱い

25

10.5

  メディア視聴の妨げ

26

10.6

  メディア間のナビゲーション

26

11

  動的メディア

26

11.1

  動的メディア用の操作具

26

11.2

  動的メディア用の操作具の属性

28

参考文献

29


Z 8531-2

:2007 (ISO 14915-2:2003)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本人間工学会(JES)及び財団法人日本規格

協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の

審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS Z 8531

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

Z

8531-1

  第 1 部:設計原則及び枠組み

JIS

Z

8531-2

  第 2 部:マルチメディアナビゲーション及び制御

JIS

Z

8531-3

  第 3 部:メディアの選択及び組合せ


Z 8531-2

:2007 (ISO 14915-2:2003)  目次

(4)

白      紙


日本工業規格

JIS

 Z

8531-2

:2007

(ISO 14915-2

:2003

)

人間工学−マルチメディアを用いる

ユーザインタフェースのソフトウェア−

第 2 部:マルチメディアナビゲーション及び制御

Ergonomics

−Software for multimedia user interfaces−

Part 2 : Multimedia navigation and control

序文

この規格は,2003 年に第 1 版として発行された ISO 14915-2 を基に,技術的内容及び対応国際規格の構

成を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

1

適用範囲

この規格は,マルチメディアユーザインタフェースを設計する場合の推奨事項及び要求事項について,

コンテンツの構成法,ナビゲーション及びメディア制御の観点から規定する。

なお,この規格は,コンテンツの構成をどう設計するかに限定したものであり,コンテンツ自体の設計

は扱わない。単一のメディアそのものにかかわる設計事項(例えば,映画撮影での照明)については,ユ

ーザーに対して人間工学的な影響の及ぶ範囲内で扱う。

この規格は,次の項目について規定する。

−  マルチメディアアプリケーションを構成する上での枠組み。

−  マルチメディアアプリケーションで用いるナビゲーションの構造及び機構を設計する上での推奨事項

及び注記。

−  マルチメディアアプリケーションで用いるメディア制御を設計する上での推奨事項及び注記。

この規格では,娯楽向けのアプリケーションは扱わないが,推奨事項のうちの幾つかは娯楽向けのアプ

リケーションにも当てはまる。したがって,実装の問題は扱わない。人間工学上の要求事項の実現は,情

報配信システム,スクリプト言語,アプリケーションなど多様な仕組みを用いて実現することが可能であ

る。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 14915-2:2003

,Software ergonomics for multimedia user interfaces−Part 2: Multimedia navigation

and control (IDT)

なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,一致していることを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの


2

Z 8531-2

:2007 (ISO 14915-2:2003)

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 8522

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−情報の提示

注記  対応国際規格:ISO 9241-12,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals

(VDTs)

−Part 12: Presentation of information (IDT)

JIS Z 8523

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−ユーザー向け案内

注記  対応国際規格:ISO 9241-13,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals

(VDTs)

−Part 13: User guidance (IDT)

JIS Z 8526

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−直接操作対話

注記  対応国際規格:ISO 9241-16,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals

(VDTs)

−Part 16: Direct manipulation dialogues (IDT)

ISO/IEC 18035

,Information technology−Icon symbols and functions for controlling multimedia software

applications

ISO/TS 16071

,Ergonomics of human-system interaction−Guidance on accessibility for human-computer

interfaces

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

コンテンツ単位(content chunk

あるユーザーにとって,ある仕事の要求事項を満たすのに必要な一まとまりのコンテンツ。

注記 1  一つのコンテンツ単位が,複数のユーザーに対する,又は複数の仕事に対する要求事項を満

たす場合がある。この場合,あるコンテンツ単位単独で要求事項を満たすことも,他のコン

テンツ単位との組合せで要求事項を満たすこともある。

注記 2  ユーザーによる標題の規定が必要なコンテンツ単位がある。しかしながら,幾つかのコンテ

ンツ単位を一つの提示分節としてまとめて提示するかどうかは,設計者が決定してもよい。

例  研究報告書を,背景,手法,結果,結論及び勧告を扱う五つのコンテンツ単位に分けて構成する。

3.2

提示分節(presentation segment

幾つかのコンテンツ単位からなるまとまりで,あるアプリケーションの一部分として同時に提示するよ

うな設計の単位。

例  ある題材に関する情報を提示するウエブの一ページ。

3.3

メディアオブジェクト(media object

一種類のメディアで具体化されたマルチメディアアプリケーションの一要素。

例 1  ある主題に関する論点を提示する文章オブジェクト。

例 2  ある人物の肖像を提示する画像オブジェクト。

例 3  ある歌を提示する音響オブジェクト。

3.3.1

複合メディアオブジェクト(composite media object

それだけで利用する単一のメディアオブジェクト又は幾つかのメディアオブジェクトの組合せで,互い


3

Z 8531-2

:2007 (ISO 14915-2:2003)

に同期させて提示する及び/又は自動的に連係させるなど協同して用いるもの。

注記  例えば,映画は,複数のメディアオブジェクトを含んでいる。

例 1  動画像オブジェクトと音響オブジェクトとが,互いに同期して再生するように,“再生”,“一時

停止”及び“停止”を組み合わせて両メディアオブジェクトの再生を制御する。

例 2  “再生”,“一時停止”及び“停止”  を組み合わせて,一連の歌の再生を制御する。

3.4

ナビゲーション方式(navigation techniques

ナビゲーションを実現する具体的な方式。自動ナビゲーション,事前設定ナビゲーション,ユーザー決

定ナビゲーション,適応型ナビゲーションがある。

注記  マルチメディアシステムで,幾つかのナビゲーション方式を組み合わせて利用することもある。

3.4.1

自動ナビゲーション(automatic navigation

コンテンツの提示が,ユーザーの入力によらずに,システムによって行われるナビゲーション。

例  映像に合わせて,自動的に音を提示する。

3.4.2

既定ナビゲーション(predetermined navigation

ユーザーは,次にどこに進むかは選べないが,次に進むタイミングは決められるナビゲーション。

例  クイズで,ユーザーが問題 2 に回答すると,次に問題 3 を提示する。

3.4.3

ユーザー主導ナビゲーション(user-determined navigation

ユーザーは,与えられた選択肢の中から,次にどこに進むかを選ぶことのできるナビゲーション。

例  現在の主題の更に詳しい内容を見るか,次の主題へ進むかをユーザーが選ぶ。

3.4.4

適応型ナビゲーション(adaptive determined navigation

選択できる範囲を,コンテンツ及びユーザーの利用履歴,個人的特性,ユーザグループの社会経歴,及

び/又はグループの特性の組合せに基づいて,システムが決定するナビゲーション。

例  ユーザーの関心の度合いに基づいて,システムが選択範囲を絞って提示する。

3.5

コンテンツ構造(content structure

マルチメディアアプリケーションを構成する,相互に論理的な関連をもつ一群のコンテンツ単位。

3.6

ナビゲーション構造(navigation structure

マルチメディアアプリケーション中に含まれる,メディアオブジェクト及び提示分節の集合。ユーザー

が,関連するメディアオブジェクト間及び提示分節間を動き回る場合に利用可能である。

3.7

基本構造(basic structures

他のすべての構造を生成する基礎として用いる構造。

注記  基本 3 構造には,線形構造,ツリー構造及びネットワーク構造がある。

3.7.1

線形構造(linear structures


4

Z 8531-2

:2007 (ISO 14915-2:2003)

要素を連続するものとして系統立てる構造。

注記 1  線形構造には,メディアオブジェクトが並行して提示するような系列を含むものもある。

注記 2  線形構造をもつコンテンツ単位又は提示分節の例を,図 に示す。

図 1−線形構造の例

3.7.2

ツリー構造(tree structures

各要素が,一つの上位要素と,任意個の下位要素に階層的につながっている構造。

注記  ツリー構造をもつコンテンツ単位又は提示分節の例を,図 に示す。

図 2−ツリー構造の例

3.7.3

ネットワーク構造(network structures

各要素が他の複数の要素とつながっている構造。

注記  他のすべての要素とつながっているコンテンツ単位又は提示分節のネットワーク構造の例を,

図 に示す。必ずしも他の要素すべてとつながっていないコンテンツ単位又は提示分節のネッ

トワーク構造の例を,

図 に示す。

図 3−完全連結ネットワーク構造の例


5

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図 4−部分連結ネットワーク構造の例

3.8

操作具(control

ユーザーが,データ,他のオブジェクト又はオブジェクトの属性を操作する行為を可能とするオブジェ

クト。現実の物理的な操作具に似せた形をとるものが多い。

3.8.1

ナビゲーション用操作具(navigation control

ユーザーが,アプリケーション内を探索する場合に利用する操作具。

3.9

リンク(link

ある操作具を始点とし,ある特定の場所を終点とするようなメディア間又はメディア内の結びつき。

3.9.1

システム起動型リンク(system-activated link

システムの何らかの動きによって起動するリンク。

例  自動スライド上演で,ある時間が経過すると次のスライドを提示するリンクが起動する。

3.9.2

ユーザー起動型リンク(user-activated link

ユーザーによる何らかの行為によって起動するリンク。

例 1  ユーザーが,リンクの上にカーソルを置いて,マウスの左ボタンをクリックすると起動するリ

ンク。

例 2  リンクのもつメニューの第三項目をユーザーが選択すると,起動するリンク。

3.9.3

固定型リンク(fixed link

メディアを提示している間はいつでも起動することができるリンク。

例 1  ユーザーがある単語をクリックするとその単語の意味を説明する。

例 2  ユーザーが動画アイコンをクリックすると映像の提示が始まる。

3.9.4

一時型リンク(temporal link

メディアを提示している間のうち,ある時間に限り利用可能なリンク。

例 1  登場人物が映像中に見えている間だけ利用可能な登場人物解説へのリンク。

例 2  写真を見始めた 20 秒間だけ,利用可能なその写真の説明情報へのリンク。


6

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3.9.5

算出型リンク(computed link

システムの状態及び/又はそれまでの履歴に基づいて,どこにリンクするかが決まるような一過性のリ

ンク。

例  検索の結果,幾つかのアプリケーション部分へのリンクが得られる。それらリンクは,更に検索

した場合には,新たな検索結果に置き替えられる。

3.9.6

ユーザー定義型リンク(user-defined link

アプリケーション利用中に,ユーザーが作り出す固定型の又は一時型のリンク。

例  アプリケーションのある場所に直接移動するためにユーザーが作るしおり(ブックマーク)。

3.10

手がかり情報(cue

コンテンツの概要を示す参考情報。

例  リンクの先頭に置いた小さな動画で,リンク先がどんな種類のコンテンツであるかを視覚的に示

す。

3.11

説明付き案内(guided tour

アプリケーションの重要な場所を提示する線形ナビゲーション構造。通常は,利用可能なコンテンツ及

び機能をユーザーに紹介する目的で利用する。

注記  ユーザーの必要に応じて,それぞれ別々の案内を提供する場合もある。

4

この規格の適用

4.1

この規格が対象とする人

この規格は,次のような人を対象とする。

−  開発過程でこの規格を適用する,ユーザインタフェース及びマルチメディアの設計者。

−  製品がこの規格の推奨事項を満たしていることを確認する,品質保証の責務を負っている評価担当者。

−  適切に設計されたマルチメディア製品を購入しようとする,購買担当者。

−  ユーザインタフェース開発者及びマルチメディア開発者が利用する,マルチメディア開発ツールの設

計者。

4.2

この規格へ適合していることの報告

製品がこの規格に適合していると主張するためには,マルチメディアユーザインタフェースに関する要

求事項を設定する場合に用いた手順,及びマルチメディアユーザインタフェースを開発する及び/又は評

価する場合に用いた手順を明確に規定しなければならない。手順の規定は,関係者間の協議事項とする。

JIS Z 8531

規格群は多部構成であるから,適合の主張は,JIS Z 8531 規格群全体に対してではなく,JIS Z 

8531

の各部に対することとする。

5

マルチメディアのナビゲーション及び制御のための枠組み

5.1

一般

この箇条は,マルチメディアアプリケーションで利用するナビゲーション及び制御について分析及び設

計する場合に考慮すべき人間工学上の問題を明確にするための枠組みについて規定する。その枠組みは,


7

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コンテンツ構造を分析するため,情報提示する上でのナビゲーション構造を設計するため,及び操作具を

設計及び/又は開発するための基盤を提供する。

5.2

コンテンツ構造の分析

5.2.1

基本的分析

マルチメディアアプリケーションのナビゲーション構造は,コンテンツの構造に基づいて構築できる。

多くのマルチメディアシステムは,ユーザーの仕事に合わせて情報を提供する。仕事に熟練しているユー

ザー(一人又はグループ)向けシステムを,一般的な仕事の構造に基づいて構築できる場合もある。その

場合,システムを学習する及び/又はシステムを調べる以外に,一般的な必要性を考慮することで,新た

な構造が必要になることもある。いろいろなユーザーからの様々な要求がある場合,単一の仕事だけに基

づいた構造では賛同を得ることは困難である。

マルチメディアアプリケーションで提示すべきコンテンツは,次の二つの観点から分析することが望ま

しい。

−  アプリケーション領域の重要な概念に対応するコンテンツ単位。

−  各コンテンツ単位間の関係を明確に規定するコンテンツ構造。

コンテンツ構造の決め方には,次の考え方も含めて多くの構成法があり,これらに限定するわけではな

い。

a)

仕事に合わせた構成法  アプリケーションを利用して遂行する仕事の内容に合わせてコンテンツ構造

を決める。同じ仕事でも細部のレベルでは内容が違う,及び/又はユーザーの差異もあるため,ユー

ザーが異なれば,仕事の構造も異なる場合がある。

b)

利用実態に合わせた構成法  コンテンツ構造を,コンテンツに対してユーザーが想定すると考えられ

る序列,例えば,重要度,頻度,又は各ユーザーの見解に従って配置する。ユーザーがかかわること

なので,ユーザーが違えばコンテンツ構造及びコンテンツ単位が異なる場合がある。

1)

重要度に合わせた構成法  各コンテンツ単位の相対的重要さを推定し,その順序に基づいてコンテ

ンツ構造を決める。ユーザー又は各コンテンツ単位の相対的重要さが異なれば,対応するコンテン

ツ構造も異なる場合がある。

2)

利用頻度に合わせた構成法  ユーザーが利用するコンテンツ単位の相対頻度を推定し,その順序に

基づいてコンテンツ構造を決める。ユーザー又はコンテンツ単位を利用する頻度が異なれば,それ

に対応するコンテンツ構造も異なる場合がある。

3)

利用順序に合わせた構成法  ユーザーが利用するコンテンツ単位の利用順序を想定し,それに基づ

いてコンテンツ構造を決める。ユーザー又はコンテンツ単位を利用する順番が異なれば,コンテン

ツ構造の違いを生じる場合がある。

4)

慣習に合わせた構成法  コンテンツ構造を慣習に基づいて決める。慣習には,習得過程で説明され

たり教えられたり提示されたりしたもの,又はその分野の研究者によって作られたものがある。慣

習に合わせた構成法は,他の幾つかの構成法と組み合わせて用いる場合もある。

c)

時間的順序による構成法  コンテンツがもつ時刻又は年月日といった属性に基づいてコンテンツ構造

を決める。

1)

時刻で並べた構成法  コンテンツ単位を時刻又は年月日だけで扱えば済む場合,時間的順序による

構造では一本の時間軸(線形構造)を考えればよい。時間が一部重なっている場合には,一本の時

間軸だけでは不十分で,線形構造以外の構造を考える必要がある。

2)

履歴に基づいた構成法  コンテンツ構造を,コンテンツ単位の開発及び/又は発見の順序又は因果


8

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関係に基づいて決定する。開発及び/又は発見は,それ以前の開発,発見の上に成っているため,

履歴に基づいた構成法では,必ずしも全体として一直線の順序構造にはならない。

d)

情報モデルに基づく構成法  コンテンツ構造を,情報のモデル化の方法(例えば,分類,実体及び属

性,オブジェクト又はオブジェクトのクラス)に基づいて決める。

1)

論理的まとまりに応じた構成法  幾つかの主要な論理的概念に基づいて,コンテンツを幾つかのま

とまりにする。この構造では,あるコンテンツ単位が,何箇所かに重複して配置することもある。

2)

アルファベット順による構成法  コンテンツを表す指標のアルファベット順に,コンテンツ単位を

並べる構成法。アルファベット順の構成法では,全体として線形構造となるが,多大な数の項目を

扱いやすくするのに,ツリー構造を用いる場合もある。

注記  日本語で標記する場合,五十音順とする。

3)

全般・詳細の度合いに応じた構成法  コンテンツ単位を一般的なものから特定のものへ,又はその

反対に配置する構成法。ソフトウェア工学でのクラス階層と似ているが,この構造は,人が各種の

コンテンツを理解するのを助けるのに使われることが多い。

e)

構成法の組合せ  用途に応じた構成法を組み合わせる。

注記 1  情報提供者が利用するコンテンツ構成法が違えば,提供するコンテンツの構造も異なる

場合がある。

注記 2  コンテンツ構造の整合性を重視するよりも,仕事上の必要性を優先させて選択肢を絞り

込むことが重要である。

5.2.2

マルチメディアアプリケーションの構成法

マルチメディアアプリケーションの構造を決める上では,次のことを促進できるように,意味内容を考

慮してコンテンツ構造を利用することが望ましい。

−  仕事の遂行

−  学習

−  システムの探索

5.3

ナビゲーション構造の設計

5.3.1

一般

ナビゲーション構造の設計は,マルチメディアアプリケーション内での情報コンテンツへのたどり着き

方を決める上流工程である。

ナビゲーション構造には,次の二つがある。

−  相互に関連する提示分節間のナビゲーション(上位レベルのナビゲーション)

−  提示分節内及びメディアオブジェクト内でのナビゲーション。

5.3.2

上位レベルのナビゲーション構造

5.3.2.1

基本概念

コンテンツ単位は意味的なまとまりであるため,一般的には論理的な境界だけをもつ。一方,提示分節

は,一つ又は複数のコンテンツ単位を物理的に具体化したものであり,物理的な境界をもっている。ナビ

ゲーション用操作具は,ナビゲーションを実行する場合に提示文節の物理的な境界の位置を特定し利用す

ることがある。

提示分節の例としては,作業手順を含む一枚のウエブページ,何らかの主題について解説する幾つかの

メディア,又はある概念を教示する音声提示を含むウインドウがある。

提示分節は,情報コンテンツ,並びにユーザーが情報コンテンツへたどり着くためのナビゲーション用


9

Z 8531-2

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操作具及びリンクの両方とを含む。ユーザーがコンテンツ構造を理解しやすいように,提示分節はコンテ

ンツ単位の構造に基づいて設計することが望ましい。次に示すものは,提示分節として扱う。

−  一つのコンテンツ単位。

−  複数のコンテンツ単位を含む大きなコンテンツ構造。

−  コンテンツ単位が複数の提示分節に分割されているようなコンテンツ単位の一部。

上位レベルのナビゲーション設計では,コンテンツ単位を幾つかの提示分節に対応させて考える。この

対応は,

  5 に示すように,一対一(例えば,{A  → 1}, {C → 3}, {A1 → 1X},及び {A2 → 1Y})

の場合,多対一(例えば,{B1, B2, B3 → 2})の場合,一対多(例えば,{C1  → 3X, 3Y}, {C2 →

3Y

, 3Z})の場合がある。

図 5−コンテンツ単位から提示分節への対応付け例

(上記のコンテンツ単位の概念に基づいて)情報の受取り手は,各コンテンツ単位の物理的実現の方法

及び提示の方法にとらわれずに各コンテンツ単位にたどり着ける必要がある。

このような情報の受け手の期待に応えるためには,ユーザーが希望する提示分節(これはマルチメディ

ア設計が担当する部分である)

,及び(提示分節内の)特定のコンテンツ単位へ移動できるようなナビゲー

ション構造を設計する必要がある。

コンテンツ構造部分内でのコンテンツ単位間の移動と比較すると,提示分節間の移動はそれ以降のユー

ザーの選択肢により大きな影響を及ぼすことがある。それは,ユーザーが以前に訪ねた提示分節に必ずし

も戻れるとは限らないためである。

注記  ナビゲーション構造を使いこなす上で,ユーザーが付加的な情報(例えば,目次,コンテンツ

案内図)を必要とする場合がある。

5.3.2.2

コンテンツ構造とナビゲーション構造との対応付け

ナビゲーション構造は,マルチメディアアプリケーション内のコンテンツ構造にうまくたどり着けるも

のであることが望ましい。

5.3.2.3

提示分節境界にまたがるナビゲーション

ナビゲーションによって現在の提示分節が別の提示分節で置き換えられる場合,ユーザーに知らせるこ

とが望ましい。

例  ユーザーがあるリンクを選択した場合,リンク先のアドレスを表示して,ユーザーがそのリンク

をたどるかどうか判断できるようにする。別のウエブページへのリンクと,現在のウエブページ

内の他の場所へのリンクとの違いを明確にする。

5.3.3

提示分節内及びメディアオブジェクト内でのナビゲーション

5.3.3.1

基本的概念


10

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提示分節は,

(あるコンテンツを受け手に提示するのに用いる)複数のメディアオブジェクトを用いて具

体化する。メディアオブジェクトの例としては,文章(スクロールウインドウで提示された文章)

,画像,

ビデオの切り抜きなどがある。

提示設計では,様々な大きさの提示分節内にどのメディアオブジェクトをどの位置に配置するかを決め

る。一つの提示分節内の複数のメディアオブジェクトは,順番,同時並行,又はその両方式の組合せで提

示する。

一つのウインドウ中に,文章と幾つかのビデオの切り抜きが存在する。

メディアオブジェクトの大きさは,複数のコンテンツ単位の構造を提示するものからコンテンツ単位の

一部分だけを提示するものまで幅広い。ある一つの提示文節が含む 11 のメディアオブジェクトを,四つの

コンテンツ単位(コンテンツ単位 A∼D)としてまとめた例を,

図 に示す。

図 6−提示分節,コンテンツ単位及びメディアオブジェクトの組合せ例

メディアオブジェクト,提示分節及びコンテンツ単位間の対応をどう付けるかが,詳細設計時の主要な

関心事である。考慮すべきことは,情報の受け手に対し,欲しいコンテンツ,又は必要としているコンテ

ンツへできる限り効率的に移動できるような情報を提供することである。

ユーザーが,個々のメディアオブジェクトを個別に扱うのではなく,それらを複合オブジェクトとして

扱うことが必要な場合もある。複合メディアオブジェクトによって,  並行又は連続する複数のメディアオ

ブジェクトへのナビゲーションが可能となる。単独のメディアオブジェクトが複合メディアオブジェクト

に含まれていることを考えると,ナビゲーション設計では個別のメディアオブジェクトを含めて複合メデ

ィアオブジェクトとして考えてもよい。

メディアの動きの同期をとるために複合メディアオブジェクトとして扱う場合もある。メディアを連続

的に組み合わせて複合メディアオブジェクトとした場合には,各メディアオブジェクトと全体的な進行と

の同期をナビゲーション構造を設計するときに考慮する必要がある。

5.3.3.2

コンテンツ単位への移動

コンテンツ単位の境界をまたぐようなメディアオブジェクト(

図 6  メディアオブジェクト 4,  メディア

オブジェクト 6)には,各コンテンツ単位の境界へ移動できるような手段をもたせることが望ましい。

例 1  多くの主題を扱う文章オブジェクト内では,“次の主題”にも,“前の主題”にも移動できるよ

うにする。


11

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例 2  多くのコンテンツ単位を順番に提示する動画では,コンテンツ単位内のどこからでも次のコン

テンツ単位の先頭へ移動する機能を提供する。

6

ナビゲーションの設計

6.1

ナビゲーション概説

6.1.1

アプリケーション構造

マルチメディアアプリケーションの設計では,提示分節,コンテンツ単位及び複合メディアオブジェク

トの構造を,箇条 によって考慮することが望ましい。

6.1.2

ナビゲーション構造

マルチメディアアプリケーションのナビゲーション構造の設計は,技術上の制約(例えば,必要な計算

資源,メディアの制約,物理的制約及び通信速度又は帯域幅)の範囲内で,ユーザー及び仕事の必要性に

適したものであることが望ましい。

ナビゲーション構造は,

−  提示文節を探すのに要するユーザー入力の操作量が最小限であることが望ましい。

−  ある提示分節内で,ユーザーが希望するコンテンツを探すための負担が最小限であることが望ましい。

仕事を遂行する上で適切ならば,コンテンツにたどり着く複数の道筋を用意して,多様なユーザーの要

求及び期待に応えることが望ましい。

例  コンテンツにたどり着くための手法として,目次,索引,検索機構など複数の手段を提供する。

6.1.3

コンテンツ構造

システムは,仕事の要求に適したコンテンツ単位へユーザーが移動できるようにすることが望ましい。

これには,次に含まれるコンテンツの価値及び/又は種類が関係する。

−  コンテンツのもつ主題の紹介

−  コンテンツ主題に関する詳細な情報

−  コンテンツの特定の利用に特化した情報

−  コンテンツの利用例

−  関連するコンテンツへの参照

6.1.4

コンテンツ構造の詳細度

ユーザーの仕事又は期待に合わせて,コンテンツ構造の詳細度を決めることが望ましい。あるコンテン

ツがいろいろな詳細度で用意されている場合,ナビゲーション構造は,それぞれの詳細レベルへ移動でき

るものであることが望ましい。

注記  構造を決める詳細度の扱いは,ほかに,多層化又は段階的開示という。

6.1.5

探索

仕事を遂行する上で適切であれば,マルチメディアアプリケーションのコンテンツ構造全体をユーザー

が調べて回るのに適したナビゲーション構造であることが望ましい。

注記  アプリケーションによっては,特定のユーザーに対するコンテンツ構造の探索範囲を限定して

いる場合がある。言い換えると,あるユーザー(例えば,初心者)には限られた範囲の探索し

か許さず,違うユーザー(例えば,熟練者)には,全範囲の探索ができるようにするナビゲー

ション構造をもたせるということである。

6.1.6

複雑さ

ナビゲーション構造は,ユーザーの目標及び仕事の複雑さに適応していることが望ましい。


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Z 8531-2

:2007 (ISO 14915-2:2003)

例  順番に遂行する仕事の場合,線形ナビゲーション構造が適している。

6.1.7

理解

ナビゲーション構造が,コンテンツに対するユーザーの期待及び理解と整合しない場合,ユーザーに対

してナビゲーション構造の基になる原理を明確に伝えることが望ましい。

注記  今までにない新しいインタフェースを開発した場合,ユーザーは適切な予想をつけられない場

合がある。

6.1.8

ユーザーの補助

ユーザーがナビゲーション中に助けを必要とする場合,ナビゲーションに関する適切な補助を提供する

ことが望ましい。

例 1  ユーザーに対し,コンテンツ及びナビゲーションの概観を提供する。

例 2  ユーザーに対し,コンテンツ及びナビゲーションの道筋を推奨する。

例 3  状況依存型のヘルプシステムが,ユーザーの仕事を補助する。

注記  不必要な中間段階を経由させずに,必要とするコンテンツへユーザーが直接移動できるように

するのがよい。しかし,必要とするコンテンツをユーザーがはっきりと把握できない場合,中

間段階を経由する補助が適切な場合がある。

6.1.9

ナビゲーション手法の決定

仕事,ユーザー及びコンテンツの性質を考慮して,アプリケーションのそれぞれの場所で,次のナビゲ

ーション手法のどれを用いるかを決めることが望ましい。

−  オートナビゲーション

−  事前決定型ナビゲーション

−  ユーザー決定型ナビゲーション

−  適応決定型ナビゲーション

6.1.10

比ゆ(喩)表現

ナビゲーションの補助手段として,比ゆ表現を用いる場合は,次による。

a)

ナビゲーション構造を,適切な形で表現する比ゆであることが望ましい。

b)

ナビゲーション構造で必要な,すべての要素に当てはまる比ゆであることが望ましい。

c)

ユーザーの期待及び経験に関連する比ゆであることが望ましい。

d)

比ゆに限界があれば,そのことをユーザーに伝えることが望ましい。

e)

比ゆを利用することで,仕事の効率が低下しないことが望ましい。

注記  コンテンツの構造をふさわしい形で表現するのにも,比ゆが使われることがある。

6.2

ナビゲーションの構造

6.2.1

適切なナビゲーション構造の利用

ユーザー,仕事及びコンテンツの必要性に基づいて,ナビゲーション構造を,線形構造,ツリー構造,

ネットワーク構造,及び/又はそれら構造の組合せを用いることが望ましい。

6.2.2

線形構造

6.2.2.1

線形構造の利用

ユーザーの期待又は仕事の性質が,継時的な依存性,又は時間的な順序をもつものであれば,ナビゲー

ション構造には線形構造を利用することが望ましい。

注記 1  線形構造は,ある種のユーザー(例えば,初心者)に対して,システム中の既定の道筋だけ

をたどらせようとする(例えば,説明付き案内)場合にも利用する場合がある。


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注記 2  あるアプリケーション中で,ユーザーに意識させないで一連のコンテンツをたどらせようと

する場合,線形構造が特に適している。線形構造をこのように利用すると,同一アプリケー

ション内で何種類もの説明付き案内を実現することができる。

6.2.2.2

線形構造の構成

線形構造は,次の構成法(一つ又は複数)に基づいて設計することが望ましい。

−  仕事の性質に応じた構成

−  使い方に応じた構成

−  時間的順序による構成

−  情報モデルに基づく構成

6.2.2.3

線形構造の開始点

開始点を明確に規定する必要があれば,ユーザーに線形構造の開始点を明示することが望ましい。

6.2.2.4

線形構造内のナビゲーション

システムは,仕事を遂行する上で適切であればユーザーに対して次の手段を提供することが望ましい。

−  線形構造内で一つ前の及び一つ後の位置へ移る。

−  線形構造の先頭又は最終の位置へ移る。

−  線形構造内のあらかじめ決まった位置へ一度の操作で移る。

例 1  複数ページからなる章の中で,あるページからその次の(又はその前の)ページに移る。

例 2  文章中で,特定の文へ進む(又は戻る。)。

例 3  演奏する歌の中の次の一節へ進む(又は戻る。)。

例 4  ページ内のある場所から,ページの先頭へ移る。

例 5  複数ページの章の中で,途中のページからその章の先頭ページへ移る。

例 6  聞いているメッセージの残りの部分を飛ばして,幾つかの音声メッセージ間を行き来する。

注記 1  特に除外する理由がない限りは,通常これらの位置へのナビゲーションは備えておくとよい。

注記 2  線形構造は順次たどって行く構造であるため,構造内でのユーザーの動きを制約する。しか

し,検索機能,及び/又は指定位置へ“しおり”付加機能を提供することで,この動きを拡

張できる。

注記 3  箇条 8(リンク)及び箇条 9(ナビゲーション機能)では,その他のナビゲーション機能につ

いて規定する。

6.2.3

ツリー構造

6.2.3.1

ツリー構造の利用

コンテンツが,それぞれの内容から見て階層的なまとまりを形成する場合,ツリー構造を利用すること

が望ましい。

注記 1  コンテンツが複雑な場合には,ツリー構造が特に適している。

注記 2  ユーザーをツリー構造の中で順次ナビゲートすることを補助するため,既定の線形経路を用

意しておく場合もある。

例 1  アプリケーションで,ユーザーに対してコンテンツを徐々に詳しく(概要,詳細,及び詳細の

背景知識)表示する。

例 2  電子文書に,章,節などの構造をもたせる。

6.2.3.2

ツリー構造の構成

ツリー構造は,次の進め方(一つ又は複数)に基づいて設計することが望ましい。


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−  内容の要素分解

−  仕事の要素分解

−  時間的関係の要素分解

−  ユーザグループごとの必要性

6.2.3.3

ツリー構造の開始点

開始点を明確に規定する必要があれば,ユーザーにツリー構造の開始点を明示することが望ましい。

注記  ツリー構造の開始点は,代表的には階層の最上位である。

6.2.3.4

ツリー構造におけるナビゲーション

システムは,仕事を遂行する上で適切であればユーザーに対して次の手段を提供することが望ましい。

−  ツリー構造のある階層中で,一つ前の及び一つ後の位置へ移る。

−  ツリー構造中で,一つ上の及び一つ下の階層へ移る。

−  より大きな歩程で,移動する(例えば,あるページから別のページ,ある章から別の章)

−  ツリー構造の先頭(主階層)へ移る。

−  ツリー構造の開始位置又は終了位置へ移る。

−  目次又は索引へ移る。

注記  箇条 8(リンク)及び箇条 9(ナビゲーション機能)では,その他のナビゲーション機能につい

て規定する。

6.2.4

ネットワーク構造

6.2.4.1

ネットワーク構造の利用

個々のコンテンツ単位間に複数の関連がある場合には,ネットワーク構造を利用することが望ましい。

注記  ユーザーをネットワーク構造の中で順次にナビゲートすることを補助するため,既定の線形経

路を用意しておく場合もある。

6.2.4.2

ネットワーク構造の編成

ネットワーク構造は,次の進め方(一つ又は複数)に基づいて設計することが望ましい。

−  いろいろなアプリケーション又は仕事の必要性。

−  いろいろなユーザグループの必要性。

−  いろいろな内容構成の必要性。

−  時間的関係の必要性。

−  6.2.2.2 に掲げた構成法。

6.2.4.3

ネットワーク構造の開始点

開始点を明確に規定する必要があれば,ネットワーク構造の開始点を,ユーザーにとって明らかにする

ことが望ましい。ネットワーク構造には,複数の開始点が考えられるため,開始点の概念には次のような

幾つかの定義が考えられる。

−  システムが決める,システムの事情で決まる,既定の開始位置。

−  アプリケーションの開始点とは独立な,ユーザーがネットワーク構造を使い始めた位置。

−  ユーザーが開始場所として指定した位置。

6.2.4.4

ネットワーク構造のナビゲーション

ユーザーに対し,複数のナビゲーションの方法を,互いの違いがはっきりと分かるように提示すること

が望ましい。システムは,ユーザーに対して次の手段を提供することが望ましい。

−  一つ前の主題に戻る。


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−  関連した主題に移る。

−  目次又は索引に移る。

注記  箇条 8(リンク)及び箇条 9(ナビゲーション機能)に,その他のナビゲーション機能について

規定する。

7

操作具に関する共通の手引

7.1

メディア操作具の互換性の確保

ソフトウェアで操作具を作成しようとする場合,既に同じ機能をもつハードウェアの操作具がある場合

には,ソフトウェアで作る操作具は,外見及び/又は動きが,ハードウェアの操作具と矛盾のないもので

あることが望ましい。

例 VTR の操作ボタンの意匠と機能をまねてソフトウェアで作成する。

7.2

操作具のユーザアクセシビリティの確保

直接操作方式はユーザーが操作具を作動させるのに適した方式ではあるが,アクセシビリティを確保す

るために,ISO/TS 16071 で推奨する方式を直接操作方式の代替手段として利用できるようにすることが望

ましい。

7.3

個人化の容易性

メディアの選択が可能な場合,ユーザーがそれらを容易に選択できるようにすることが望ましい。

例  ユーザーは,情報を音及び/又は映像として出力することができる。

7.4

適切なメディア操作具の提供

システムはユーザーに対し,扱っているメディア及びユーザーの仕事に適するメディア操作機能を提供

することが望ましい。

例  文章の中を見るのにスクロールバーを利用する。

7.5

仕事に合わせた操作具のセットの提供

ユーザーは,仕事に応じて異なる操作具のセットを利用できることが望ましい。

例  ユーザーがテストを受けている場合には,複合メディアオブジェクトの再生,繰返し再生などは

許されないことが多い。しかしながら,ユーザーがその概念を学習中の場合は,同じ複合メディ

アオブジェクトの再生,繰返し再生操作を行うことが許される。

7.6

最小限のメディア操作具のセットの提供

すべての操作具を同時に提示するのが適当でない場合,ユーザーがすぐに,かつ,簡単に使用できる最

小限のメディア操作具を提供することが望ましい。

例 1  長文の文章のあちらこちらを見る場合には,スクロールバーだけをメディア操作具として表示

する。

例 2  動的メディアの場合には,“再生”及び“停止”を用意する。

7.7

メディア操作具のグループ分け

メディア操作具は,合理的にグループ分けして提示することが望ましい(JIS Z 8522 の 5.6  参照)

例 1  映像の属性(例えば,色相,彩度,及び明度)設定用の操作具を一か所にまとめて提示する。

例 2  動的メディア用の操作具(再生,早送り,及び巻き戻し)を一か所にまとめて提示する。

7.8

メディアオブジェクトの操作

システムは,ユーザーにメディアオブジェクトを選択し操作する手段を提供することが望ましい。

例  メディアを切り替えるための押しボタンを備える。


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:2007 (ISO 14915-2:2003)

7.9

操作具の区別

操作具は,それ以外の提示情報と区別できることが望ましい。見分けるための属性又は方法には次のも

のがある。

−  操作具であることが見た目に明らかである(例えば,大きさ,色,形,位置など)

−  操作具に見出しを付ける。

−  ポインタが操作具の上に来たとき,操作具が作動する前にそれが操作具であると見分けられるように

する。

−  操作具がユーザーにとって分かりにくい場合(例えば,画面の乱雑さを最小限にするため,又は仕事

の要求事項に合わせるため)

,利用可能な操作具に関する情報の取得手段をユーザーに提供する。

−  画面と画面上の操作具との間の関係について,ユーザーに通知する。

−  現在使用中のアプリケーションで,音声作動型の操作具が利用可能であることをユーザーに通知する。

7.10

非明示的な操作具の存在

ポインタを重ねた場合に機能が区別できる操作具の場合,操作具が提示情報の中に含まれていること,

及びポインタが操作具の上に来たら操作具の存在が示されることを,ユーザーに明確に示すことが望まし

い。

7.11

メディアの状態

利用可能なメディアの状態は,いつでも参照できることが望ましい。

例 1  ユーザーは,ウエブページのダウンロードの進行状況を知ることができる。

例 2  ユーザーは,ビデオが再生状態であることを確かめることができる。

例 3  ユーザーは,ビデオのどの辺りを映しているかを知ることができる。

7.12

操作具の状態

利用可能な操作具の状態は,いつでも参照できることが望ましい。

例  作動中の操作具を明暗反転で表示し,通常表示されている他の操作具と見分けられるようにする。

7.13

利用できない操作具

通常は利用可能だがその時点では利用できない操作具は,利用できない状態であることを明示すること

が望ましい。

例  その時点で利用できない操作具をうすい灰色で表示し,濃く表示した利用可能な操作具と見分け

がつくようにする。

7.14

操作具の一貫性

操作具は,すべてのメディアに対して一貫した外観と機能をもつことが望ましい。

例  現メディアの別の場所,又は他のメディアへのリンク(例えば,ハイパーリンク)は,すべて 1

回のクリックで作動するようにする。

注記  一貫性には次のものを含めることができる。

−  操作対象となるメディア。

−  その操作具が含まれるメディア。

−  操作具の設計に関する一般的指針(例えば,JIS Z 8522

−  ユーザー案内に関する一般的指針(例えば,JIS Z 8523

7.15

容易なアクセス

操作具は,個々のユーザーの必要性に合わせ,メディア要素に対する容易なアクセスを提供することが

望ましい。


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注記  特別な要求をもつユーザーに対してアクセシビリティを確保する手法(ISO/TS 16071 に記述さ

れている)と矛盾のない方法で操作具を実装する必要がある。

7.16

操作具の操作に対するフィードバック

システムはユーザーに対し,操作具の操作結果に関するフィードバック[JIS Z 8526 の箇条 6(オブジ

ェクトの操作)に従う。

]を直ちに与えることが望ましい。

7.17

操作具の相互関係

操作具と,その操作具で制御するメディアとの関係をユーザーに対して明示することが望ましい。

例 1  幾つかの類似の操作具を表示している場合,互いに見分けがつくような,及びどのメディアを

制御するのかが分かるようなはっきりとした見出しを付ける。

例 2  操作具とその操作具が制御しようとする要素は,一貫した位置関係(例えば,直下)に置く。

7.18

特別な操作具の設計

個々の操作具は,実装しようとする対話形式に合わせて設計することが望ましい。

この項目に該当する場合,次の規格を参照するとよい。

−  JIS Z 8522 は,GUI 型の情報の提示方法に関する一般的な手引を規定している。

−  JIS Z 8523 は,ユーザー案内を提供する上での推奨事項を規定している。

−  JIS Z 8526 は,直接操作対話に関する手引を規定している。

−  ISO/IEC 18035 は,マルチメディアアプリケーションを制御するためのアイコンの形状と機能に関す

る手引を規定している。

8

リンク

8.1

リンクに関するアクセシビリティの配慮

直接操作対話(表示されているオブジェクトをポインティングデバイスを用いて操作する対話方式)は

リンクを起動するのに適した方式であるが,ISO/TS 16071 で規定しているアクセシビリティを考慮した代

替手段も提供することが望ましい。

8.2

リンクの利用

8.2.1

リンクの一般的な利用

リンクは,マルチメディアアプリケーション内の特定の場所へのナビゲーションを目的として,ユーザ

ー,システム,又はユーザーとシステムの双方が利用できることが望ましい。

例 1  テキストに設置されたリンクで,そのテキスト内容を説明するビデオを起動させる。

例 2  再生中の映像と連動する一時型リンクを利用して,再生している映像に写っている人物に関す

る伝記情報を提示する。

例 3  画像オブジェクトにリンクを用意し,構図の芸術性に関する批評文を表示できるようにする。

注記  コンテンツ単位の境界を見定めにくい場合もあるため,コンテンツ単位間のすべてのナビゲー

ションでリンクを利用するとよい。

8.2.2

システム起動型リンクの利用

次の場合には,システム起動型リンクを用いることが望ましい。

−  複合メディアオブジェクト内で,メディア間の同期をとる又は一定の順序で提示する場合。

−  仕事の都合によって,提示の順序とタイミングをシステムから制御する必要がある場合。

8.2.3

ユーザー起動型リンクの利用

ユーザーを,あるアプリケーション内の特定の場所へ,又は特定の場所間をナビゲートすることが仕事


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の都合によって求められる場合,ユーザー起動型リンクを用いることが望ましい。

8.2.4

固定型リンクの利用

ある提示分節中の特定の位置にリンクを常設する場合,固定型リンクを用いることが望ましい。

8.2.5

一時型リンクの利用

コンテンツへのアクセスを,特定の提示分節利用中に限定する必要がある場合,一時型リンクを用いる

ことが望ましい。

例 1  ある時間内にユーザーが答えられなかった場合だけ,ヒントへのリンクを提示する。

例 2  映像を提示中,補足説明が役立つ間だけ補足説明へのリンクを提示する。

注記 1  提示分節中で一時型リンクを提示する時間は,最初の提示から一定時間だけの場合,又はあ

る条件を満たす限り継続して提示する場合がある。

注記 2  仕事の都合上必要なら,その提示分節内での条件変化に応じて一時型リンクを何度提示して

もよい。

8.2.6

一時型リンクの有効時間

一時型リンクの有効時間は,提示内容,仕事及びユーザーのリンク利用能力に応じた十分な長さである

ことが望ましい。有効時間は,次の行為を遂行する上で十分であることが望ましい。

a)

ユーザーがそのリンクを識別する。

b)

ユーザーがそのリンクをたどろうと決意する。

c)

ユーザーがそのリンクを起動する。

8.2.7

一時型リンクの誤り防止

一時型リンクを起動する場合の誤りを避けるため,同じ場所で幾つかの一時型リンクを利用する場合,

それら一時型リンクの間の時間間隔を十分に取り,リンクの選択を確実に実行できるようにすることが望

ましい。

例  題材 A に“移れ”と指示する音声コマンドの一時型リンクと,題材 B に“移れ”と指示する音声

コマンドの一時型リンクとの間に,5 秒間の“移れ”コマンドが効かない時間を置く。

8.2.8

算出型リンクの利用

算出型リンクは,次の場合に用いることが望ましい。

a)

アプリケーションの情報コンテンツが,時間経過とともに変化する。

b)

ユーザーの要求が,あらかじめ完全には決められない。

c)

ユーザーの仕事が,時間経過とともに変化する。

例  ウエブの検索エンジンは,検索するたびにその時点で最新の検索結果を返すため,予想可能な範

囲で設計して固定メニューとして作り込む場合よりも幅広く検索した結果を算出型リンクとして

与える。

8.2.9

算出型リンクであることの明示

システムは,仕事を遂行する上で適切であれば,あるリンクが算出型であることをユーザーに認知させ

ることが望ましい。

例 1  電子商取引アプリケーションで,データベースからの情報に基づいて生成した,商品選択用の

算出型リンクを,固定型リンクとは異なる書体で表示する。

例 2  各々の算出型リンクの先頭には,特徴ある記号を付けて算出型リンクであることを明示する。

注記 1  アプリケーションによっては,使い始めから一定時間が経過した時点で種々の理由(利用可

能な情報の変化に関連することが多い)によって,算出型リンクがリンクとして機能しなく


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なる場合がある。

注記 2  提示文節を再表示するときに,提示分節を作り直す処理が必要な場合には特に重要である。

8.2.10

算出型リンクの保存

仕事を遂行する上で適切であれば,ユーザーが算出型リンクを保存し,それが使える場面において,必

要に応じて利用できることが望ましい。

8.2.11

ユーザー定義型リンクの生成

仕事を遂行する上で適切であれば,ユーザーが,現在位置へのリンクを生成する操作具をアプリケーシ

ョン内で提供することが望ましい。この操作具によって,利用中の各メディアオブジェクトに関連する位

置情報をすべて保存できることが望ましい。

ユーザー定義型リンクには,次の 2 種類がある。

−  あるアプリケーション中で常に利用可能であり,一定の場所に格納するもの(例えば,

“しおり”ファ

イル)

−  ある提示分節中の特定の場所に提示する注釈へのリンクとして保存するもの。

例 1  後で戻れるように,提示分節に,“しおり”を付けることができる。

例 2  後で音響オブジェクト中の特定の位置に直接戻れるよう,位置情報を保存できる。

例 3  ユーザーは,ある絵に関する第一印象を,注釈とその注釈へのリンクを作って記録できる。

8.2.12

ユーザーごとのユーザー定義型リンク

アプリケーションを複数のユーザーが利用する場合,ユーザー定義型リンクをユーザー別に保存するこ

とが望ましい。仕事を遂行する上で適切であれば,ユーザーは次の使い方ができることが望ましい。

−  自分の定義したリンクだけを利用する。

−  ある範囲のユーザーが定義したすべてのリンクを利用する。

−  全ユーザーが定義したすべてのリンクを利用する。

例 1  ウエブのユーザーはそれぞれ自分用の“しおり”を作り,それを利用する。

例 2  ある教育訓練アプリケーションのユーザーは,各自が個人的に定義したリンクと,講師が用意

したリンクの両方を利用できる。

例 3  ある学生グループのユーザーは,グループで定義したすべてのリンクを利用できる。

8.3

リンクの見分けやすさ

提示分節中に置かれた各リンクは,同じ提示分節中のほかのリンク及びリンク以外の提示物と見分けが

つくことが望ましい。

例 1  文章リンクは,他の文章要素とは異なる色,形,字体,書式で表示する。

例 2  提示分節中に,例へのリンクが複数含まれている場合,例えば,例 1,  例 2,  例 3 のように,

それらに違う名前を付ける。

例 3  ユーザグループの各メンバが作ったリンクは,作ったメンバの名前の頭文字を先頭に付けて表

示する。

例 4 PDF ファイルへのリンクには,先頭に PDF の印を付ける。

8.4

リンクに関する情報

8.4.1

リンクの接続先コンテンツの情報

システムは,ユーザーに対してリンクの接続先コンテンツに関する情報を与えることが望ましい。

注記  接続先コンテンツに関する情報は,次のようにして提供することができる。

−  “ここをクリック”のような意味のない名前ではなく,それが何であるかを示す名称をリンクに付け


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る。

−  ユーザーにとって分かりやすく特徴のあるアイコンを利用する。

−  説明情報を付加する。

例  ユーザーは,説明情報を評価してからリンクをたどるかどうかを決定できる。

8.4.2

リンクの接続先の位置情報

システムは,リンクの接続先が現提示分節内かその外部かをユーザーが判断できるようにすることが望

ましい。

注記  ユーザーが提示分節外へのリンクをたどる場合,現在の提示分節に戻りにくくなる場合がある。

このことは,リンク元の提示分節が動的に作成されたものである場合に特に生じやすい。

例  同一提示分節内の文章へのリンクは通常の字体で,提示文節外の文章へのリンクは太字で表現す

る。

8.4.3

リンクの継続時間情報

システムは,ユーザーに対してリンクの継続時間を判断できる情報を提供することが望ましい。

注記  ユーザーは,この情報があれば,固定型リンク,一時型リンク及び算出型リンクのどれを使え

ば,コンテンツにたどり着けるかを判断できる。

例 1  リンクの名前の前に,砂時計の記号を付けて一時型のリンクを表す。

例 2  リンクの名前を斜字体で書いて,算出型リンクを表す。

例 3  固定型リンクの名前には,先頭に砂時計も付けず,斜字体にもしない。

8.4.4

接続先メディアの種類情報

接続先のメディアの種類が何であるかによって,ユーザーに問題が生じそうな場合,システムはその情

報をユーザーに提供することが望ましい。

注記  ユーザーが使用しているシステムで,ある種のメディアが扱えない場合,メディアのリンクを

避けることができれば都合がよい。

例  リンクの表示説明で,接続先のメディアがストリーミング型であることをユーザーに対して示す。

これによって,この種のメディアを扱えないユーザーは,このリンクをたどるのを避けることが

できる。

8.4.5

接続先メディアの読込時間情報

仕事を遂行する上で適切であれば,システムは接続先のメディアを読み込むのに要する時間が判断でき

る情報をユーザーに与えることが望ましい。

例  画像の大きさが分かると,ユーザーはその画像を読み込むための時間を費やすか費やさないかの

判断ができる。

8.4.6

リンク訪問履歴の情報

仕事を遂行する上で適切であり,及びコンテンツ提示の妨げにならない場合,システムは,ユーザーが

過去にリンク先を訪れたかが分かるリンク訪問履歴を提供することが望ましい。

注記 1  リンク履歴情報は,定常反復的な仕事よりも,コンテンツを探索するような仕事の場合に適

切である。

注記 2  リンク履歴情報は,リンクの接続先にユーザーがいつ訪れたかが分かる情報を含むことがあ

る。

8.4.7

ユーザーごとのリンク履歴情報

アプリケーションが複数のユーザーを個別に扱う場合,システムは各ユーザーに対し,そのユーザーの


21

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コンテンツ訪問記録だけを含むリンク履歴情報を提供することが望ましい。

8.4.8

リンク履歴の維持時間

訪問履歴情報の時間維持は,仕事及びユーザーの必要性に応じて決定することが望ましい。

8.4.9

既定のリンク履歴情報

リンク履歴情報の既定状態は,そのリンクをたどっていない状態とすることが望ましい。

8.4.10

リンク履歴情報の再設定

ユーザーが,容易にすべてのリンク履歴情報を既定の状態に再設定できることが望ましい。

8.4.11

個別のリンク履歴情報の取り直し

システムは,ユーザーが一つ一つのリンク履歴情報を個別に既定の状態へ変更できるようにすることが

望ましい。

9

ナビゲーション機能

9.1

ナビゲーション活動の範囲

9.1.1

ユーザーへのナビゲーション情報の提供

ユーザーからのナビゲーション要求が発生した場合,システムはユーザーを支援する情報を提供するこ

とが望ましい。

注記  この情報は絶えず提示する場合もあれば,要求に応じて提示する場合もある。

例 1  ウエブサイトの案内図は,ユーザーがコンテンツ構造を調べる助けとなる。また,今後,サイ

トを利用する場合,構造を理解する助けとなる。

例 2  索引は,個々のコンテンツ項目をユーザーが探す助けとなる。

9.1.2

ナビゲーション活動の結果

システムは,ユーザーに対しナビゲーション活動の結果を明示することが望ましい。ナビゲーション活

動の影響を受けるものには次のものがある。

−  アプリケーション全体

−  提示分節

−  コンテンツ単位

−  複合メディアオブジェクト

−  個々のメディアオブジェクト

注記 1  どの項目に対して影響を及ぼすかは,状況依存性のある操作具を利用すること,又はアプリ

ケーション全体に影響を及ぼす操作具と特定のメディアに影響を及ぼす操作具とを分けて配

置することで区別できる。

注記 2  物理的な制約が,論理的な能力に制約を与えることがある。

注記 3  コンテンツ単位を扱う操作具では,ユーザーがコンテンツ単位のもつ境界を把握していない

と問題を生じることがある。

例 1  “先頭へ”操作具を起動するとき,アプリケーションの先頭へ移るのか,そのときのコンテン

ツ単位の先頭に移るのかを,ユーザーが区別できる手がかりが与えられている。

例 2  音量調節操作の結果が,そのアプリケーション内の音すべてに及ぶのか,今再生中の音に対し

てだけなのかをユーザーが認識できる。

例 3  あるナビゲーション活動を行うと今の場所には戻れない場合,ユーザーに警告を与える。

9.1.3

提示分節内及び提示分節間ナビゲーションの区別


22

Z 8531-2

:2007 (ISO 14915-2:2003)

システムは,ユーザーが提示分節内のナビゲーションと提示分節間のナビゲーションとを見分けられる

ようにすることが望ましい(提示分節間のナビゲーションでは,提示分節の置き換わりが起こる。

9.1.4

提示分節間のナビゲーション方法

提示分節間のナビゲーション方法は,次による。

a)

特定の提示分節間のナビゲーションの場合には,リンクを用いることが望ましい。

b)

アプリケーション構造中を移動する場合,

“先頭へ”

“一つ前へ”などのはん用ナビゲーション機能は

一貫した働きをもつ操作具とすることが望ましい。

例  提示分節の上部又は左側(ただし,左横書き言語の場合)に,他の提示分節へのリンクとなるナ

ビゲーション用操作具を置く。

9.1.5

提示分節内でのコンテンツ単位内又はコンテンツ単位間のナビゲーション

ある一つの提示分節内で,ユーザーがコンテンツ単位内又はコンテンツ単位間のナビゲーションを行な

おうとする場合,コンテンツ単位内のナビゲーションであるのか,又はコンテンツ単位間のナビゲーショ

ンであるのかを見分けられるようにすることが望ましい。

例 1  あるコンテンツ単位内で情報を見るために,スクロール結果を見ながらスクロール用操作具を

利用する。

例 2  ある提示分節内の三番目のコンテンツ単位の先頭へ進むために,ユーザーはリンクを利用する。

9.1.6 

メディアオブジェクト又は複合メディアオブジェクト内でのナビゲーション

メディアオブジェクト又は複合メディアオブジェクトに含まれるコンテンツ単位内又はコンテンツ単位

間のナビゲーションを行う場合,次のいずれか又は両方を用いて,次の移動先を区別できることが望まし

い。

a)

リンク

b)

メディアとの関連が明りょう(瞭)な操作具

注記  例えば,次の移動先で映像メディアを扱う場合,映像を制御する操作具を表示する。

9.2

“先頭へ”操作

仕事を遂行する上で適切であれば,システムは次に挙げる場所へユーザーが移動できる操作具を提供す

ることが望ましい。

−  アプリケーションの先頭。

−  提示分節の先頭。

−  メディアオブジェクトの先頭。

例 1  ユーザーがアプリケーションの先頭に移れるように,“主メニュー”操作具を提供する。

例 2  ユーザーがそのときの提示分節の先頭に移れるように,“ホーム”操作具を提供する。

例 3  文章型のコンテンツ単位に対しては,その中に“文書先頭へ”操作具を目に見える形で提供す

る。

例 4  動的なメディアオブジェクトに対しては,“巻き戻し”操作具を提供する。

9.3

“以前へ”操作

9.3.1

訪問履歴のある提示分節への移動

仕事を遂行する上で適切であれば,システムはユーザーに対して過去に訪れた提示分節を探し,そこに

再度移動する容易な手段を提供することが望ましい。

注記 1  この機能は,一連の静的な表示内容を検索して戻るような手段,及び動的な複合メディアオ

ブジェクトを検索して再生する手段を提供する。


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Z 8531-2

:2007 (ISO 14915-2:2003)

注記 2  この手段を実現するには,アプリケーションがナビゲーション履歴を保存することが必要で

ある。

例 1  ウエブブラウザの“戻る”ボタンを利用する。

例 2  対話履歴のファイル又は訪れた順に並べた訪問先一覧をユーザーに提示し,ユーザーが戻りた

い提示分節を指定できるようにする。一覧中の項目には,その項目がアプリケーション中のど

こに属するかの符号が付けてある。

例 3  過去に訪れた提示分節一覧中の項目をユーザーがポイントし,それをダブルクリックするとそ

の提示分節へ移る。

9.3.2

訪問履歴のあるメディアオブジェクトへの移動

仕事を遂行する上で適切な場合,システムは複合メディアオブジェクト内において過去に訪問履歴のあ

るメディアオブジェクトに戻る操作具を提供することが望ましい。

例  一連の動画で,“以前の動画へ”操作具を使って前に見た動画へ移動する。

9.3.3

現状の保存

仕事を遂行する上で適切であれば,システムはアプリケーションの現在状態に関する情報を保存する操

作具をユーザーに提供し,保存した状態へユーザーが戻れるようにすることが望ましい。ユーザーがアプ

リケーションを終了しても,保存状態は消去されないことが望ましい。一つのアプリケーションを複数の

ユーザーが利用する場合には,各ユーザーごとに現在状態の情報を保存できることが望ましい。

例 1  途中まで書式を埋めた所でそれまでの情報を一時保存し,書式の残りを完成するのに必要な情

報を探すためアプリケーションの他の場所へ移動する場合がある。

例 2  終業時刻になってアプリケーションを途中で終了させ,後日中断したところから再開する場合

がある。

9.3.4

以前の状態への復帰

アプリケーションの状態を保存することができる場合,次のいずれかを可能とすることが望ましい。

−  アプリケーションを再起動した場合,保存状態から自動的に再開する。

−  保存状態から再開するかどうかを,ユーザーが選択できる操作具を提供する。

アプリケーションを複数のユーザーで使用する場合,ユーザーごとにどこから再開するかを指定できる

ことが望ましい。

注記  終了時に状態を保存するかをユーザーに尋ねる場合には,開始時に保存状態から再開するかど

うかをユーザーに尋ねる場合がある。

9.4

“次へ”操作

9.4.1

アプリケーション内の次の提示分節への移動

仕事を遂行する上で適切であり,及びアプリケーションが線形構造をもつ(必ずしも線形構造でなくて

も,ユーザーの代表的な使い方が順次に探っていくような場合も含む。

)場合,アプリケーション内の次の

提示分節へ直ちに移動する操作具をシステムが用意してもよい。

注記  こうしたナビゲーションが適切な提示分節は,アプリケーションの目次とすることが多い。

例 1  ウエブブラウザの“進む”ボタンを利用する。

例 2  システムの利用案内で,次のページへ移動するための“次頁”操作具を利用する。

9.4.2

複合メディアオブジェクト内の次のメディアオブジェクトへの移動

仕事を遂行する上で適切の場合,複合メディアオブジェクト内の次のメディアオブジェクト又は次に同

期して再生するオブジェクトへ直ちに移動する操作具をシステムが用意することが望ましい。


24

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:2007 (ISO 14915-2:2003)

例  一連の動画で,“次の動画へ”操作具を使って,続く動画へ移動する。

9.5

“最後へ”操作

9.5.1

終了(exit

ユーザーによるアプリケーションの終了が可能な場合,システムはアプリケーションを終了させる操作

具を常時提供することが望ましい。

注記  終了(exit)は,止める(quit),閉じる(close)又は離れる(off)とも呼ばれる。

9.5.2

複合メディアオブジェクトの最後への移動

仕事を遂行する上で適切であれば,システムはそのときの複合メディアオブジェクトの最後へ移動する

ための操作具を提供することが望ましい。

注記 1  例えばデジタルメディア,レーザディスク,及び CD などのように,ダイレクトアクセスが

可能なメディアの場合には,即座に最後への移動が行われる。

注記 2  他のタイプのメディアでは,メディアの終わりまで”早送り”機能を利用することによって,

メディアの最後への移動を実現することができる。

9.6

現在位置の決定

9.6.1

現在位置の情報

システムは,ナビゲーション構造内のどの場所にいるかに関する情報,及びその場所からどんなナビゲ

ーションができるかに関する情報を,ユーザーに対して提供することが望ましい。

9.6.2

ナビゲーション経路の指摘

仕事を遂行する上で適切であれば,システムはユーザーがたどれるナビゲーション構造の案内図を作成

し,どの経路をたどるかを検討する上での助けとすることが望ましい。

例  情報分類の案内図を樹形図として表示する。ユーザーは各場所でダブルクリックしてより詳細な

案内図を得ながら,最終的な項目までたどることができる。

注記  コンテンツ構造の案内図及び図解は,情報の概念的な構成をユーザーが見て回り,身に付ける

上での助けとなる。

9.6.3

状況情報の提供

仕事を遂行する上で適切であれば,ユーザーに対してコンテンツ単位の状況理解を助けるための補助手

段を提供することが望ましい。

例  ユーザーは,魚眼表示を用いて都市全体の概観を見ながら街路の詳細を調べることができる。

注記  魚眼表示とは,魚眼レンズで物体を撮影した画像のように,中心部では詳細の表示,周辺部で

は概要の表示を行うことをいう。

9.7

移動

仕事を遂行する上で適切であれば,ユーザーが複合メディアオブジェクト中のある場所に移動できるよ

うにすることが望ましい。ユーザーの移動したい場所の指定は,次のいずれか又は両方による。

−  あらかじめ決められた場所へのリンク

−  移動したいコンテンツ中の相対的位置を指定する操作具(例えば,スライダ)

9.8

検索

9.8.1

移動場所の検索

仕事を遂行する上で適切であれば,ユーザーが次の移動場所の候補を検索できるようにすることが望ま

しい。

注記 1  この検索機能にはユーザーが検索結果を保存し,再びその検索結果を利用できる機能を含め


25

Z 8531-2

:2007 (ISO 14915-2:2003)

て考える場合がある。

注記 2  文章形式で格納されない検索結果には,文章による目印を付与して,障害をもつユーザーに

対するアプリケーションのアクセシビリティを高める場合もある。

注記 3  ナビゲーション構造が複雑な場合,検索機能があると使いやすさが向上する場合がある。

9.8.2

検索内容指定の補助

システムは,ユーザーに対して検索条件を指定する助けとなる手段を提供することが望ましい。

例  ある国際規格を探す場合,ユーザーは名称及び用語のシソーラスを参照して,キーワードと同義

語をシソーラスから取り出しそれをもとに検索する。

9.8.3

検索結果の活用

検索結果は,検索された項目へつながるようなリンクを含むことが望ましい。

例 1  検索結果を,アルファベット順のリンクとして提供する。

例 2  検索結果を,何らかの優先順位に従って並べたリンクとして提供する。

9.9

システムの解説

仕事を遂行する上で適切であれば,未熟練者によるコンテンツの探索を助けるためシステムは,解説付

き案内を提供することが望ましい。

例 1  開発履歴の順に内容をたどるように,ユーザーに対してシステムから手順を示唆する。

例 2  システムは状況依存型のヘルプを用意している。

10

複数のメディアを協調させる操作具

10.1

メディアの同期

複数のメディアを複合メディアオブジェクトとして同期させる場合,すべてのメディアの同期を取りな

がら操作するのに,一組の基本的操作具を用いることが望ましい。

例  一組の操作具(再生,停止及び一時停止)を用いて,音オブジェクトの再生と映像オブジェクト

の再生を同期させる。

10.2

メディアの協調

コンテンツ単位が複数のメディアによって同時並行で提示する場合,一つのメディアを変化させると,

関連する他のメディアにも対応する変化をもたらすことが望ましい。

例  地図上でカーソルを移動させると,テキストボックス中の住所表示も変化する。

10.3

多層になったメディアの制御

コンテンツ単位で使っている複数のメディアを多層的な配置としてメディアの効果を強調している場合,

そのような多層メディアの一つが変化したら,多層しているほかのメディアにもその変化が反映すること

が望ましい。

例  図による注釈が映像の上に重なっている場合,映像の大きさを変えると上に提示された注釈の位

置,大きさも対応して変化する。

10.4

メディアの個別扱い

ユーザー及び/又は仕事上の都合でメディアオブジェクトを別々に扱う必要がある場合,各メディアオ

ブジェクトに対して,それぞれ見分けやすい操作具のセットを用意することが望ましい。

例 1  メディアオブジェクト及び/又はその関連操作具を,他のメディアオブジェクト及び/又は関

連操作具と区別しやすくするために,別々のウインドウを用いて表示する。

例 2  音と映像から成る複合メディアオブジェクトを再生する場合,それぞれの音量を調節する操作


26

Z 8531-2

:2007 (ISO 14915-2:2003)

具をユーザーに提供する。

10.5

メディア視聴の妨げ

ユーザーの行為によって動的メディアの視聴が妨げられる場合,システムはユーザーに対し,妨げられ

ている動的メディア提示の状態を JIS Z 8523 に従って示すことが望ましい。

例 1  映像オブジェクトが再生中であることを動きのあるアイコンで示す。

例 2  音オブジェクトを再生する音が,聞こえ続ける。

例 3  時間変化を示すような表示で,映像オブジェクトがどこまで再生されたかを示す。

10.6

メディア間のナビゲーション

メディア間をナビゲーションする場合には,そのためのリンクを明示することが望ましい。

11

動的メディア

11.1

動的メディア用の操作具

11.1.1

動的メディア用基本操作具

ユーザーが,動的メディアオブジェクト又は動的メディアオブジェクトを含む複合メディアオブジェク

トとやり取りする場合,システムはユーザーに対して少なくとも“再生”と“停止”とを含む操作具を提

供することが望ましい。

11.1.2

動的メディア用操作具の扱いやすさ

システムは,動的メディア用操作具を容易に手早くユーザーが起動できるようにすることが望ましい。

11.1.3

“再生”

仕事の都合上動的メディアの自動再生が求められている場合を除き,

“再生”操作具を動的メディアオブ

ジェクト又は動的メディアオブジェクトを含む複合メディアオブジェクトのすべてに対して用意し,ユー

ザーが動的メディアの提示を開始できるようにすることが望ましい。

“再生”が始まった場合,次による。

a)

メディアオブジェクト又は複合メディアオブジェクトは,そのときの位置から再生することが望まし

い。繰返し属性(11.2.3 参照)をもつこと及びそれが有効であるかどうかに応じて,再生は次のよう

に続く。

1)

ループ制御をもたない又はもっても有効でない場合,提示はメディアオブジェクトの最後で終了す

ることが望ましい。

2)

ループ制御が有効な場合,メディアオブジェクトの最後まで提示し,その後先頭から再開すること

が望ましい。

b)

“再生”操作具が機能しないようにすることが望ましい。

c)

“停止”操作具が備わっている場合,それが機能することが望ましい。

11.1.4 

“停止”

仕事の都合上動的メディアの自動再生が求められている場合を除き,

“停止”操作具を動的メディアオブ

ジェクト又は動的メディアオブジェクトを含む複合メディアオブジェクトのすべてに対して用意し,ユー

ザーが動的メディアの提示を停止できるようにすることが望ましい。

“停止”状態となった場合,次による。

a)

メディアオブジェクト又は複合メディアオブジェクトの再生を,直ちに停止することが望ましい。

b)

メディアオブジェクト又は複合メディアオブジェクトの再生位置を先頭に戻すことが望ましい。

c)

メディアオブジェクトが作動状態にないことを,ユーザーに対して明示することが望ましい。


27

Z 8531-2

:2007 (ISO 14915-2:2003)

1)

視覚メディアの場合は,現在の場所の静止画像を表示してもよい。

2)

聴覚メディアの場合は,無音状態とするか,又は作動していないことを示す音を出してもよい。

d)

“再生”操作具が機能することが望ましい。

e)

“停止”操作具が機能しないようにすることが望ましい。

11.1.5

“一時停止”

“一時停止”は,ユーザーに対するメディアの提示を一時的に停止する。

一時停止”状態になった場合には,次による。

a)

メディアの再生は,直ちに停止することが望ましい。

b)

メディアが停止した位置は変えないで,その位置から提示を再開できることが望ましい。

c)

メディアが作動状態にないことを,ユーザーに対して明示することが望ましい。

1)

視覚メディアの場合,一時停止した場所の静止画像を表示してもよい。

2)

聴覚メディアの場合,何も音を出さないか,又は作動していないことを示す音を出してもよい。

d)

“再生”  操作具が機能することが望ましい。

e)

“停止”  操作具が機能しないようにすることが望ましい。

11.1.6

“再演”

複合メディアオブジェクトを先頭から再生し直すことが仕事の都合上必要な場合,

“停止”と“再生”と

を組み合わせた“再演”操作具を提供することが望ましい。

11.1.7

“逆向き再生”

“逆向き再生”操作具を作動させた場合,動的メディアオブジェクト又は動的メディアオブジェクトを

含む複合メディアオブジェクトを逆向きに再生することが望ましい。

“逆向き再生”操作具を備える場合には,それを“再生”操作具の近く,その左側に配置するのがよい。

その場合,

“再生”操作具は,順方向再生と見なす。

注記  “逆向き再生”は,“再生”操作具に,“再生方向”属性(11.2.2.1 参照)をもたせることでも実

現できる。

11.1.8

“順方向早送り再生”

“順方向早送り再生”操作具を作動させた場合,メディアを順方向へ高速で再生することが望ましい。

注記  順方向にしか早送り再生ができない場合,単に“早送り再生”と呼ぶことが多い。

11.1.9

“逆向き早送り再生”

“逆向き早送り再生”操作具を作動させた場合,メディアを逆方向へ高速で再生することが望ましい。

11.1.10

“早送り”

“早送り”操作具を作動させた場合,メディアを再生せずに順方向へ高速で移動することが望ましい。

11.1.11

“巻き戻し”

“巻き戻し”操作具を作動させた場合,メディアを再生せずに逆方向へ高速で移動することが望ましい。

注記  “巻き戻し”は,逆向きの早送りを行う。

11.1.12

“記録”

仕事の都合で必要な場合,ある情報源(例えば,マイクロホン及びカメラ)からある保存先(例えば,

ディスク上のファイル及びテープ)へ情報を取り込む及び記録するのに,

“記録”操作具を使えることが望

ましい。

“記録”操作具は,他のメディア操作具と明確に見分けられることが望ましい。

例 1  “記録”操作具だけは,色を赤にする。

例 2  “記録”操作具を他のメディア操作具から離して配置する。


28

Z 8531-2

:2007 (ISO 14915-2:2003)

仕事を遂行する上で適切であり,かつ,記録すると現在のメディア(ファイル)が書き換えられてしま

う場合,ユーザーに確認を求めることが望ましい。

11.2

動的メディア用の操作具の属性

11.2.1

属性の組込み

属性は,次のいずれかの方式で組み込んでよい

a)

別個の操作具として,又は,

b)

他のメディア操作機能と組み合せた複合操作具として。

11.2.2

再生の方向

11.2.2.1

再生の方向の具体化

逆方向に再生することが仕事を遂行する上で適切であり,かつ,メディアオブジェクト又は複合オブジ

ェクトが,順方向と同様に逆方向の再生も適切である場合,システムが“再生の方向”属性を備えている

ことが望ましい。

11.2.2.2

既定の再生方向

特に指定しない場合の再生の方向は,順方向であることが望ましい。

11.2.3

“繰返し”

“繰返し”属性を操作することで,メディアオブジェクト又は複合メディアオブジェクトの再生様式を

次のように変えることができる。

a)

“繰返し”属性が有効な場合,メディアオブジェクト又は複合メディアオブジェクトは,終わりまで

再生した後又初めから繰り返し再生することが望ましい。

b)

“繰返し”属性が無効な場合,メディアオブジェクト又は複合メディアオブジェクトは,終わりまで

再生したらそこで停止し,メディアオブジェクト又は複合メディアオブジェクトの再生終了にリンク

した何らかの動きをとることが望ましい。

11.2.4

再生速度の制御

仕事及び/又はユーザーが必要とすれば,再生の速さを変える操作具を提供することが望ましい。

例 1  ユーザーは,複合メディアオブジェクトを再生する速さを,シャトル形操作具を使って,早送

り再生と逆向き早送り再生との間で決めることができる。

例 2  停止から早送り再生までの間で速さを制御できるスライダを使って,再生の速さを指定する。

11.2.5

音量操作具の提供

音が使える場合には,ユーザーが音量を設定する操作具を手早く容易に扱えるようにすることが望まし

い。

11.2.6

音量設定

マルチメディアアプリケーションでは,常に音量の設定が容易に行えることが望ましい。ソフトウェア

による設定とハードウェアによる設定とが,食い違わない(例えば,ソフトウェアで音量を上げても,ハ

ードウェアの設定からある限度までにしか大きくならない)ようにすることが望ましい。

11.2.7

消音

“消音”操作具を作動させた場合,音量をゼロにすることが望ましい。システムは,音量をいつでもゼ

ロにできるように,ユーザーが手早く容易に“消音”機能を使えるようにすることが望ましい。

ユーザーには,

“消音”機能が働いていることをはっきりと知らせることが望ましい。


29

Z 8531-2

:2007 (ISO 14915-2:2003)

参考文献

[1]  ISO 9241-110

  Ergonomic of human-system interaction−Part 110: Dialogue principles

[2]  JIS Z 8524

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−メニュー対話

注記  対応国際規格:ISO 9241-14,Ergonomic requirements for office work with visual display

terminals (VDTs)

−Part 14: Menu dialogues(IDT)

[3]  JIS Z 8525

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−コマンド対話

注記  対応国際規格:ISO 9241-15,Ergonomic requirements for office work with visual display

terminals (VDTs)

−Part 15: Command dialogues(IDT)

[4]  JIS Z 8527

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−書式記入対話

注記  対応国際規格:ISO 9241-17,Ergonomic requirements for office work with visual display

terminals (VDTs)

−Part 17: Form filling dialogues(IDT)

[5]  JIS Z 8530

  人間工学−インタラクティブシステムの人間中心設計プロセス

注記  対応国際規格:ISO 13407,Human-centred design processes for interactive systems(IDT)

[6]  JIS Z 8531-3

  人間工学−マルチメディアを用いるユーザインタフェースのソフトウェア−第 3

部:メディアの選択及び組合せ

注記  対応国際規格:ISO 14915-3,Software ergonomics for multimedia user interfaces−Part 3: Media

selection and combination

(IDT)

[7]  ISO/IEC 18035, Information technology

−Icon symbols and functions for controlling multimedia software

applications