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Z 8523

:2007 (ISO 9241-13:1998)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本人間工学会(JES)/財団法人日本規格協

会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審

議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 9241-13:1998,Ergonomic

requirements for office work with visual display terminals (VDTs)

−Part 13: User guidance を基礎として用いた。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS Z 8523

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)適用可能性及び適合を査定する手順例


Z 8523

:2007 (ISO 9241-13:1998)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  この規格の適用

3

4.1

  ユーザー向け案内の適切性

3

4.2

  推奨事項の適用

3

4.3

  製品評価

3

5.

  各案内に共通する推奨事項

3

5.1

  説明

3

5.2

  一般推奨事項

3

5.3

  ユーザー向け案内の言葉遣い

4

6.

  プロンプト

5

6.1

  説明

5

6.2

  プロンプト表示の推奨事項

5

7.

  フィードバック

6

7.1

  説明

6

7.2

  フィードバックに関する推奨事項

6

8.

  状態情報

7

8.1

  説明

7

8.2

  状態情報に関する推奨事項

7

9.

  エラーの管理

8

9.1

  説明

8

9.2

  エラーの防止

9

9.3

  システムによるエラーの訂正

9

9.4

  ユーザーによるエラー管理

10

9.5

  エラーメッセージ

10

10.

  オンラインヘルプ

11

10.1

  説明

11

10.2

  システム主導型ヘルプ

11

10.3

  ユーザー主導型オンラインヘルプ

12

10.4

  ヘルプ情報の提示

13

10.5

  ヘルプのナビゲーション及び制御

13

10.6

  閲覧型ヘルプ

14

10.7

  状況対応型ヘルプ

15


Z 8523

:2007 (ISO 9241-13:1998)  目次

(3)

ページ

附属書 A(参考)適用可能性及び適合を査定する手順例

16

参考文献

30

 


Z 8523

:2007 (ISO 9241-13:1998)

白      紙


日本工業規格

JIS

 Z

8523

:2007

(ISO 9241-13

:1998

)

人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−

ユーザー向け案内

Ergonomics

−Office work with visual display terminals (VDTs)−

User guidance

序文  この規格は,1998 年に第 1 版として発行された ISO 9241-13,Ergonomic requirements for office work

with visual display terminals (VDTs)

−Part 13: User guidance を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更す

ることなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,ソフトウェアとユーザーの間のインタフェースにおけるユーザー向け案内の

設計及びその評価に関する推奨事項について規定する。

この規格で規定する通則的な指針のほかにも,各種の対話技法独特のユーザー向け案内に関する推奨事

項が,JIS Z 8522JIS Z 8524JIS Z 8525JIS Z 8526 及び JIS Z 8527 に規定されている。

この規格は,対話時に誤った状態からユーザーが復帰するのを援助する場面にも適用が可能である。

この規格で扱うユーザー向け案内は,プロンプト,フィードバック,状態情報,エラーの管理,及びオ

ンラインヘルプの各項目に固有の推奨事項,並びにそれらの各項目に共通する全般的な推奨事項とを含む。

ユーザー向け案内以外にも,ユーザーを支援する手段(例えば,オンラインでの個別指導,オンライン

資料,知的な作業遂行支援)があるが,これらについてはこの規格では扱わない。

この規格は,各推奨事項を,適用業務,対話環境,又は対話の実装技術に依存しない型で記述する。各

推奨事項は,表示情報及び操作に関する特殊な状況への対応を含めて典型的な状況に対応している。した

がって,全体を適用する場合もあれば,その一部だけを適用する場合もある。例えば,閲覧型ヘルプをも

たないアプリケーションでは,閲覧型ヘルプを扱う推奨事項に従う必要はない。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 9241-13:1998

,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−Part

13: User guidance (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 8522

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−情報の提示

備考  ISO 9241-12:1998,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−

Part 12: Presentation of information

が,この規格と一致している。


2

Z 8523

:2007 (ISO 9241-13:1998)

JIS Z 8524

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−メニュー−対話

備考  ISO 9241-14:1997,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−

Part 14: Menu dialogues

が,この規格と一致している。

JIS Z 8525

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−コマンド対話

備考  ISO 9241-15:1997,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−

Part 15: Command dialogues

が,この規格と一致している。

JIS Z 8526

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−直接操作対話

備考  ISO 9241-16:1999,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−

Part 16: Direct manipulation dialogues

が,この規格と一致している。

JIS Z 8527

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−書式記入対話

備考  ISO 9241-17:1998,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−

Part 17: Form filling dialogues

が,この規格と一致している。

3.

定義  この規格の用語の定義は,次による。

3.1

閲覧型ヘルプ  (browsable help)  現在の作業状況とは関係なく,独立にアクセスできるヘルプ。ユー

ザーは,ヘルプ項目の並び順を気にすることなく,アクセスしたいヘルプ項目に直接アクセスできる。

3.2

状況対応型ヘルプ  (context-sensitive help)  システム及びアプリケーションにおける現在の作業状況

に対応して,ヘルプ本文及び項目の範囲が導き出されるヘルプ。ユーザーの現在の作業,ユーザーによる

直前の入力,選択されたオブジェクト,現在の場所又はモードから作業状況を推定する。

3.3

エラー  (error)  ユーザーの目標と,システムの応答との間の不一致。エラーとしては,ナビゲーシ

ョンエラー,文法エラー,概念エラーなどがある。

3.4

エラー管理  (error management)  エラーを検出,説明,又は復旧する場合にユーザーを支援する手

段。

3.5

エラー防止  (error prevention)  エラー発生の可能性を,最小限にする手段。

3.6

フィードバック  (feedback)  ユーザー入力又はシステム内でのイベントに対する応答として,シス

テムからユーザーに提示される出力。

3.7

案内  (guidance)  ユーザーが,意図どおりの結果を得るように補助する対話要素。案内を利用する

ことによって,ユーザーはシステム能力を知ることができ,目標達成計画を作成し,目標達成のための支

援を受け,エラー状況への対応が可能となる。

3.8

オンラインヘルプ  (on-line help)  プロンプト,フィードバック,状況情報及びエラーメッセージ以

外に与えられる,ユーザーの手引となる付加的な情報。この情報には,ユーザーが積極的に要求して取得

するもの,又はシステムから自動的に与えられるものがある。一般的には,システム及び対話の機能説明

情報,並びにこの情報をユーザーの作業を達成する上でいかに活用できるかという情報を提供する。

3.9

プロンプト  (prompt)  ユーザーからの入力を要求する,システム出力。

3.10

状態情報  (status information)  システムの現在の状態を知らせる情報。

3.11

システム主導の案内  (system-initiated guidance)  ユーザーが特に案内を要求しなくても,システム

からユーザーに提示される案内。

備考  システムからの案内に含まれるものとしては,プロンプト,フィードバック,状態情報などが

ある。

3.12

ユーザー向け案内  (user guidance)  通常のユーザーとコンピュータとの間の対話には含まれない追


3

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加情報で,ユーザーからの要求に応じて,又はシステムがユーザーに自動的に提供する案内。

3.13

ユーザー主導の案内  (user-initiated guidance)  ユーザーが要求した場合だけ提供する案内。

4.

この規格の適用

4.1

ユーザー向け案内の適切性  ユーザー向け案内は,ユーザーの作業の達成を助ける面で,あらゆる

種類の対話方式,すなわちあらゆる種類の対話及び状況に適切に当てはめることができる。

4.2

推奨事項の適用  本体の 5.10.のそれぞれで全般的な人間工学的設計目標を規定している。上記全

般的目的を達成するための具体的な推奨事項は,適切と思われる具体的な状況(ユーザー,作業,環境及

び技術)で個別に適用することが望ましい。個々の推奨事項は,推奨事項の内容説明,例(適切なものが

あれば)

,及び備考(適切なものがあれば)の三つの要素で構成する。推奨事項に付随する例では,一般的

に推奨事項を実現する実装方法を示すが,好ましい解決方法を示す場合もある。

推奨事項は,個別にその適用性を評価し,適用可能であると判断できる場合には,該当するユーザー向

け案内に取り入れる。ただし,ユーザー向け案内に取り入れることによって,設計目的からのずれを引き

起こしたり,全体としてユーザビリティを損なわないことが明白な場合に限る。その推奨事項の適用可能

性を判断するには,関係する箇条又は細分箇条への記載順で評価することが望ましい。適用可能な推奨事

項が条件を満たしていることを判断するには,評価者が製品の評価を行うか,又は製品の代表的ユーザー

がユーザー向け案内に沿って作業を達成する状況を観察する。適用可能性の決定を行うための手続きと,

推奨事項の遵守とを判定するためのサンプル手続きを

附属書 に示す。

4.3

製品評価  仮に,製品がこの規格の適用可能な推奨事項を満たしていると主張するのであれば,ユ

ーザー向け案内の要求仕様を定める手順及びユーザー向け案内を開発及び/又は評価した手順を具体的に

示さなければならない。この手順を記述する詳細度については,当事者間で協議して決めるものとする。

この規格のユーザーは

附属書 で示した手順を使うことも,開発環境及び/又は評価環境に合わせて別

の手順を作成することもできる。

5.

各案内に共通する推奨事項

5.1

説明  この箇条ではユーザー向け案内(プロンプト,フィードバック,状態情報,エラーの管理及

びオンラインヘルプ)に適用可能な一般推奨事項について規定する。

5.2

一般推奨事項

5.2.1

ユーザー向け案内は,その他の表示情報と,明確に区別が付くことが望ましい(グラフィックオブ

ジェクト及び符号化技法を使用する場合の視覚情報の提示に関する推奨事項は,JIS Z 8527 の 6.及び 7.

参照。

例  ユーザーが案内を要求した場合には,背景色が異なるダイアログボックスを別ウィンドウで表示

する。

5.2.2

システム主導の案内が,現在のシステム状態又はユーザーの操作に適用できなくなっている場合に

は,その情報を画面上から消去することが望ましい。

5.2.3

ユーザー主導の案内は,常にユーザーの制御下にあることが望ましい。

5.2.4

ユーザー向け案内の内容は,一般的な情報よりもその作業状況に関連した具体的な情報であること

が望ましい。

例  日付の入力が誤っている場合には,“日付は 1∼31 までの範囲でなければならない”とし,“無効

なデータ”という表現をしない。


4

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5.2.5

ユーザー向け案内は,ユーザーの作業及び対話の継続を乱さないことが望ましい。

5.2.6

特別な注意が必要であることをユーザーに警告するためには,明確なメッセージ又は符号化技法を

一貫して用いることが望ましい。

参考  例えば,消費者用警告図記号(JIS S 0101:2000)では,消費者に誤解なく理解されるように,

禁止・注意・指示図記号には,一貫した基本型状,及び色を用いている。禁止図記号は円を基

本型状とし,円及び内部の斜線部分は赤とし,その他は白とする。注意図記号は三角を基本型

状とし,三角の枠部分は黒とし,内部は黄色とする。指示図記号は,円を基本型状とし,円の

内部を青で塗りつぶす。

5.2.7

ユーザーの熟練度合いによってシステムとの対話方法が変えられるのであれば,ユーザーが受け取

りたい案内のレベルを指定できることが望ましい。

5.3

ユーザー向け案内の言葉遣い

5.3.1

“どのように実行するか”を先に述べるのではなく,“結果がどうなるか”を先に述べることが望

ましい。

例  “画面を消去するには,[RETURN]キーを押してください。”とし,“[RETURN]キーを押すと,

画面が消去されます。

”としない。

5.3.2

ユーザー向け案内では,仕事を進めているのがシステムではなくユーザーであると感じさせる言葉

遣いとすることが望ましい。

例  “変更内容を保存するには,[OK]を押してください。”とし,“システムは,[OK]を押した場

合だけ,変更内容を保存します。

”としない。

5.3.3

ユーザー向け案内では,避けるべきことよりも実行すべきことを強調するため,肯定文で表現する

ことが望ましい。しかし,原則に対する例外であることを明示しようとする場合,又は避けるべきことに

重点を置く場合には否定文を使うことが望ましい。

1.  カーソルの左の文字を消去するのに,後退キー(削除キーではなく)を用いる。

2.  “バックアッププログラムの稼動中は,テープドライブを使用しないでください。”  とし,“デ

ータは,バックアッププログラムが稼動しているとき以外に,ディスク又はテープに保存でき

ます。

”  とはしない。

5.3.4

ユーザー向け案内は,一貫した文法構造を用いた言葉遣いによることが望ましい。

例  選べる選択肢は,

選べる選択肢は,

ファイルを表示する

ファイルを表示する

ファイルを印刷する    とし,

ファイル印刷

    としない。

ファイルを消去する

ファイルの消去

5.3.5

ユーザー向け案内が文章(文字表示又は音声)を含む場合,簡潔な文章で述べることが望ましい。

5.3.6

ユーザー向け案内は,日本語として不自然でない限り,能動態で述べることが望ましい。

5.3.7

ユーザー向け案内で用いる用語は,仕事を遂行するユーザー層が使用している典型的な用語を用い

るのが望ましい。

備考  必ずしも仕事にふさわしくない設計者の用語を用いることを避け,仕事を遂行するユーザーの

用語を用いる。

5.3.8

ユーザー向け案内の文章表現では,次のことに配慮し,情緒的な表現を省いた用語を用いることが

望ましい。

−  ユーザーに対して命令的な表現をしない。


5

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−  不適切な擬人化をしない。

6.

プロンプト

6.1

説明  プロンプトは,システム側で入力の準備が整っていることを明示する。プロンプトには,総

称的なものと具体的なものとがある。総称的なプロンプトは,システムが入力を待っていることだけを示

し,待っている入力の種類は明示しない(例えば,DOS の“>”

,UNIX の“$”などのコマンドプロンプ

ト記号)

。具体的なプロンプトは,システムがユーザーの入力を待っていることとともに,その時点で妥当

な入力の種類をも指摘する(例えば,

“開きたいファイルの名前をタイプしてください:”

6.2

プロンプト表示の推奨事項  プロンプトに関する推奨事項の多くは,書式記入対話に出てくる“見

出し”に対しても等しく当てはまる(詳細は,JIS Z 8527 の 5.3 を参照)

6.2.1

プロンプトは,対話システムが受け入れる入力の種類を,暗示的に(総称型プロンプト)

,又は明

示的に(詳細型プロンプト)示すことが望ましい。

6.2.2

次のような状況では,詳細型プロンプトを表示することが望ましい。当てはまる状況が多いほど詳

細型プロンプトが適している。

a)

ユーザーはシステムに不慣れで,対話の進め方に関する情報が必要であるとき。

b)

妥当な入力の範囲が狭いとき。

c)

仕事の要件上(例えば,複雑な仕事である,一定の手順に従う必要がある,エラーを最小限にとどめ

ることが求められる)

,ユーザーが入力するときに案内が必要であるとき。

6.2.3

次のような状況では,総称型プロンプトを表示することが望ましい。当てはまる状況が多いほど総

称型プロンプトが適している。

a)

詳細型プロンプトを表示するには状況が適切でない。

b)

ユーザーによる入力範囲が広く,それらの情報すべてを表示するには表示領域が不足である。

備考  総称型プロンプトを採用する場合には,ユーザーの違い(すなわち,プロンプトによく慣れて

いるユーザー及び不慣れなユーザー)を考慮に入れることが重要である。

6.2.4

プロンプトが複雑又はユーザーがプロンプトを理解できない場合,プロンプトに関するオンライン

ヘルプが得られるようにすることが望ましい。

6.2.5

仕事上特定の操作順序を必要とする場合には,その都度必要なプロンプトを与えることが望ましい

JIS Z 8522 の 6.2.5 を参照)

6.2.6

データ又はコマンドの入力に対するプロンプトは,入力欄に隣り合った標準的な場所に表示するこ

とが望ましい。

例  左から横書きの言語では,入力欄の左にプロンプトを提示する。

6.2.7

ユーザーに入力を促す情報に対して既定値が決められている場合,その値を視覚的に明示すること

が望ましい(JIS Z 8527 の 6.1.3 を参照)

例  ログイン時に表示するウィンドウの数は?    2

6.2.8

データ入力欄の様式に,一貫性及び他と区別できる特徴をもたせ,どのようなデータを入力するの

かの手掛かりを与えるプロンプトとすることが望ましい(JIS Z 8527 の 5.3.7 参照)

例  日付を入力する:              年        月        日

6.2.9

プロンプトへの応答を助けるため,入力欄中の,求める入力の種類に対応した位置にカーソルを自

動的に配置することが望ましい。

例  縦に並べた数値データは右寄せとなるように配置する。すなわち,カーソルを入力欄の右端に置


6

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き,数字を入力するにつれて入力データが左へと移動する。文字データは左寄せとなるように配

置する。すなわち,カーソルを入力欄の左端に置き,文字を入力するにつれてカーソルが右へと

移動する。

7.

フィードバック

7.1

説明  フィードバックは,ユーザーの入力に対する情報を提供する。仕事,システムの状態,ユー

ザーの入力の違いに応じてフィードバックは異なる。フィードバックの例は,次のようなものがある。

−  ユーザーがキーボードを打つごとに画面上に表示される文字。

−  コマンドが受け入れられ,処理されていることを示すメッセージの提示。

−  図形要素を修正するコマンドに応じた図形データ領域の明らかな変化。

−  ユーザーがヘルプキーを押したときのヘルプウィンドウの提示。

−  マウスの動きに応じた画面上のポインタの移動。

7.2

フィードバックに関する推奨事項

7.2.1

ユーザーのすべての入力に対し,知覚可能なフィードバックをシステムから即時に与えることが望

ましい(JIS Z 8525 の 7.1 及び JIS Z 8527 の 7.1 を参照)

例  セキュリティの問題で文字表示を行わないなどの理由がない限り,キーボードからの入力は,打

けん(鍵)ごとに 150 ms 以内に画面に表示する。

参考  ISO 9241-15 の 7.9 は存在しないため,内容が該当する JIS Z 8525 の 7.1 を参照とした。

7.2.2

通常の仕事の範囲内でのフィードバックは,ユーザーの注意を仕事からそらせない控え目なもので

あることが望ましい。

備考  この推奨事項は,削除の際の確認,安全上重要な事項に関する警告などのユーザー向け案内の

メッセージには該当しない。このような場合には,ユーザーの適切な対応を引き出すためにユ

ーザーの仕事の流れを止める必要がある。

7.2.3

どのような種類のフィードバックをシステムからユーザーに与えるかについては,次の点を考慮に

入れることが望ましい。

a)

ユーザーの特性:ユーザーの身体能力に適した感覚を利用してフィードバックを与えることが望まし

い(例えば,目の見えない人向けのフィードバックでは,視覚表示に加えて音声も与える。

b)

ユーザー層:初心者向けのフィードバックは,熟練者向けのフィードバックよりも多くの説明情報を

含むことが望ましい。

c)

仕事上の要求:フィードバックは,仕事で要求される注意の度合いと調和していることが望ましい。

例  画面から目をそらすことが必要な仕事では,音声,音信号などの視覚にたよらない種類のフィー

ドバックを提示する。

d)

システムの能力:特定のハードウェアを前提としないフィードバックの与え方が望ましい(例えば,

システムが音声出力機能をもたない場合には,音声出力をフィードバックの唯一の提示手段としな

い。

7.2.4

システムの状態又はモードが変化した場合,システムはその状態を明示することが望ましい。

例  ユーザーがシステムへの割り込みコマンドを実行した場合,システムの状態変化を明示する。

7.2.5

ユーザーがある項目を選択して何らかの操作を行おうとする,又はそれを実行しようとする場合,

その項目を強調表示することが望ましい(JIS Z 8524 の 7.1.4 を参照)

7.2.6

遠隔の処理装置が利用できる場合(例えば,文書を遠隔のプリンタで印刷する。

,遠隔処理の要求


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が要求先で処理中であることをユーザーが確認できるメッセージを手元の(要求元の)装置上に与えるこ

とが望ましい(JIS Z 8527 の 7.4 を参照)

7.2.7

ユーザーからの処理要求が完了したことを示すフィードバックを与えることが望ましい(JIS Z 

8527

の 7.5 を参照)

7.2.8

ユーザーからの処理要求が即時に完了しない場合,処理要求が受け付けられたことを示すフィード

バックを与えることが望ましい。さらに対話システムは,その処理要求が完了した時点で,処理の完了を

明示することが望ましい。

例  ユーザーに対して,処理が終了したことを明示する。完了するまでに 5 秒以上かかりそうであれ

ば,処理が進行中であることを砂時計の図などで示す。

7.2.9

ユーザーに対するシステム応答(フィードバック)は,ユーザーの注意を仕事からそらせないよう

な適切なものであることが望ましい(すなわち,早すぎることも遅すぎることもないフィードバックが望

ましい。

1.  新たな書式フィールドに移動した場合には,250 ms 以内にフィードバックを与える。

2.  ポインティングデバイス(例えば,マウス)の動きに追随する画面上のポインタの動きの遅延

は,100 ms 以内とする。

8.

状態情報

8.1

説明  状態情報は,システム中(ハードウェア及び/又はソフトウェア)の各要素の現況をユーザ

ーに案内するための情報である。状態情報には,どのようなアプリケーション,モード,プロセス,ハー

ドウェアなどが利用できるか及び稼動しているかにかかわる情報が含まれる。状態情報の詳細さは,ユー

ザーのそのときの仕事に適合していることが必要である。状態情報の内容は,すべてのユーザーにとって

有益であり,更に,システムに十分に習熟した熟練ユーザーにとって,システム状態の変化に合わせて自

分の操作を調整するうえで大いに役立つ。

状態情報で提供する情報には,次のようなものがある。

−  ネットワーク又はメールに関するもの:要求されたメッセージ,他のシステム及び通信相手となり得

るユーザーに関する概要。

−  遠隔又は手元の装置に関するもの:印刷待ちの文書,装置の誤動作及び印刷の完了。

−  多重タスク処理に関するもの:稼動中のプロセス又はシステム負荷の概要。

−  そのとき選択している項目に関するもの。

−  選択可能なコントロール(例えば,ラジオボタン,チェックボックス)のそのときの状態に関するも

の。

この規格は,エラー状態にかかわる情報は状態情報には含めない。

8.2

状態情報に関する推奨事項

8.2.1

次の状況下では,絶えず状態情報を表示することが望ましい。当てはまる状況が多いほど,状態情

報を表示し続けることに適している。

a)

状態を示す情報が,ユーザーのそのときの仕事に関連が強く,状態情報の遅れが作業を誤らせたり,

成績を低下させたり,システムに重大な障害をもたらすおそれがある。

b)

ユーザーの仕事全体にわたって状態情報が関連していて,かつ,システムが,状態情報と仕事にかか

わる情報との両者を扱うのに十分な資源(例えば,処理能力,表示面の広さ)をもっている。

8.2.2

次の状況下では,状態情報を必要に応じて自動的に表示することが望ましい。当てはまる状況が多


8

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いほど,状態情報を自動的に表示することが適している。

a)

状態情報がユーザーの仕事に関連が強く,状態情報を自動的に提示することが作業効率の低下につな

がるおそれがない。

b)

ユーザーの操作に対するフィードバックが,状態情報だけである(選択されたことを示すのにオブジ

ェクトの色を変化させる。

c)

ユーザーが,システム又はアプリケーションに対してほとんど経験をもたず,訓練も受けないため,

状態情報の要求の方法が分からない。

d)

システム又はアプリケーションをほとんど利用しない。

e)

ユーザーの入力に対する応答が,システム状態の変化によって影響を受ける(例えば,ある周辺装置

が使えなくなったような場合。

8.2.3

次の状況下では,状態情報をユーザーが求めたときだけ表示することが望ましい。当てはまる状況

が多いほど,状態情報をユーザーからの求めに応じて表示することが適している。

a)

状態情報が,ユーザーの仕事にあまり関連しない。

b)

状態情報があまり重要ではなく,一部のユーザーに対してだけ役に立つ。

c)

ユーザーに対してシステムへの応答方法を案内する場合,状態情報をほとんど必要としない。

d)

状態情報があまり重要ではなく,表示情報を速く頻繁に切り替えることがユーザーの仕事の妨げとな

る。

8.2.4

状態情報は,その種類ごとに一貫した場所に表示することが望ましい。

例  新たにメールを受信した場合は,常に特定の場所(例えば,画面の右上隅)の箱型領域に状態情

報を提示する。

8.2.5

対話システムがユーザーの入力を無効にしている場合(例えば,キーボードからの入力をロックす

る)

,ユーザーに対してその状態を示す何らかの手掛かり(視覚による又は聴覚による)を与えることが望

ましい。

8.2.6

システム又はアプリケーションがモードをもつ場合(すなわち,同じ操作でもシステムの状態によ

っては異なる結果がもたらされる)

,現在どのモードにあるかをユーザーが見分けられることが望ましい。

1.  モードが変化するときに,表示から目を離さなければならない仕事では,モードが分かるよう

に聴覚的な手掛かりを与える。

2.  チェックボタンのオン・オフの状態を,チェックボタンのラベルの左に視覚的に明示する。

9.

エラーの管理

9.1

説明  人とコンピュータとのやり取りにおけるエラーには,次のようなものがある。

−  ソフトウェア又はハードウェアの故障によるシステムの誤作動(例えば,ディスク装置の故障)

参考1.  システムに,割り込み,例外,異常終了通知などで知らされるようなエラー。

−  システムが認識できないユーザーの入力。

参考 2.  終了通知がシステムに伝わらないため,入力が認識できないようなエラー。入力ブロックの

順番などを確認することによって不整合を認識できる場合もある。

−  ユーザーに起因するデータ入力操作の誤り,又は思い違い。

参考 3.  例えば,ユーザーが金額を入力する場合に,けたを間違えて入力するようなエラー。

−  ユーザー入力から生じる予期しない結果。

参考 4.  あて先ミスでメールが届かないエラー。プログラムで調べることもできない,所望の相手に


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届かない,又は他の人に届くという影響を知ることもできないエラー。

エラーの検出は,システムによって行われる場合(

参考 1.及び参考 2.)もユーザーによって行われる場

合(

参考 3.及び参考 4.)もある。システムによって行われる検出は,誤動作又は論理的な不整合及び矛盾

の場合にだけ可能である。ユーザーが検出するエラーは,ユーザーによってだけ検出可能なものをいう。

9.2

エラーの防止

9.2.1

エラーの防止を図るのは適切なことであるが,次の状況下では,特にエラーの防止を図ることが望

ましい。当てはまる状況が多いほど,エラーの防止が適している。

a)

ユーザーのシステム経験が乏しい,又はシステムを常時扱わない。

b)

ユーザーが,仕事の途中で割り込まれることが多い。

c)

仕事が,エラーによって重大な影響を受ける又は頻繁にエラーが生じると重大な影響を受ける。

d)

ユーザーからの順序立った入力を必要とする仕事である。

e)

システムに多数のモードがある。

9.2.2

システムがモードをもつ場合,ユーザーの起こすエラーを最小限とするには,次による。

a)

どのモードにおいても,ユーザーの入力を類似した又は関連した機能キーに対応させる。

[F4]キーの機能

[F4]キーの機能

モード 1

ディレクトリ一覧

とし

モード 1

ディレクトリ一覧

としない。

モード 2

ファイル一覧

モード 2

ウィンドウ変更

b)

例えば削除のような破壊的な機能を,モードの変更時に入力キーとして再割り当てすることは避ける

のが望ましい。

例  ファイル操作に対して割り当てた機能キー[F4]を,別のあるモードで消去操作に割り当てない。

9.2.3

システムの故障が予測できる場合,故障が発生する前に問題を指摘することが望ましい。

例  記憶容量を使い果たして,処理が完了できないおそれがあるという警告を与える。

9.2.4

ユーザーがプログラムの終了又はログオフを要求した場合,システムはファイルの状態及び中断状

態にある処理を確認することが望ましい。ユーザーのデータが失われる,又は中断状態のまま処理が終わ

るおそれがあれば,失われそうなデータ又は中止されそうな処理を指摘しながらユーザーの確認を求める

メッセージを表示することが望ましい。

9.2.5

仕事の性質上実行が可能で,ユーザーが仕事を遂行するうえで有益であれば,直前の操作をユーザ

ーが取り消し,元に戻せることが望ましい(例えば“元に戻す”

。ユーザーの操作が破壊的な結果を生じ

かねず,しかも元に戻すことが不可能なら,要求された操作を実行する前に,影響の重大さをユーザーに

注意する警告又は確認メッセージを与えることが望ましい。

9.2.6

システムが処理を実行する前に,ユーザーが入力を修正,又は取り消せることが望ましい。システ

ムの停止,又はデータが損なわれないのであれば,進行中の処理を一時中断,又は取り消す手段をユーザ

ーに提供することが望ましい。

9.3

システムによるエラーの訂正

9.3.1

次の状況下では,システムにエラーを訂正させることが望ましい。当てはまる状況が多いほど,シ

ステムによるエラー訂正が適している。

a)

ハードウェア及び/又はソフトウェアの障害から生じたエラーで,システムによってエラーが解消で

きる可能性がある。

b)

エラーを訂正する手段が少数でそれぞれが明確に規定されており,どの訂正手段を選択するかに関し


10

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:2007 (ISO 9241-13:1998)

てユーザーの意向が明確である。

9.3.2

システムによってエラーを訂正する場合には,次のいずれかによる。

a)

自動的にエラーを訂正するか否かをユーザーが設定できることが望ましい。

b)

訂正をどのように行うかを示しながら,ユーザーに対し確認又は警告のメッセージを与えることが望

ましい。

9.4

ユーザーによるエラー管理

9.4.1

仕事の性質上,ユーザーによるエラー管理が必要であれば,エラー管理のために中断した対話を継

続できる手段(情報及び/又は機能)を提供することが望ましい。

9.4.2

ユーザーにエラーの訂正をさせる場合には,エラー訂正のための手段を提供することが望ましい。

  エラー訂正用手段の例としては,

−  既に実行した処理を元に戻す機能。

−  構文照合機能。

−  相互参照表。

−  履歴機能。

−  つづり照合機能。

9.4.3

システム側でエラーの識別が不可能な場合,ユーザーに対してエラー識別のための診断手段を提供

することが望ましい。エラーを識別するための診断手段の例としては,次に示すものがある。

− WYSIWYG(ウジウィグ,頭字語)エディタ。

−  事前表示(プレビュー)機能。

−  シミュレーション機能。

−  システム設定値の一覧表示機能。

9.4.4

エラーを検出した場合,入力を全部入れ直させるのではなく,ユーザーがエラーにかかわる部分だ

けを訂正すれば済むことが望ましい(JIS Z 8525 の 7.3 及び JIS Z 8527 の 6.4.3 参照)

参考  ISO 9241-15 の 8.3 は存在しないため,内容が該当する JIS Z 8525 の 7.3 を参照とした。

9.4.5

ユーザー入力の中で複数のエラーを検出できるようなシステムでは,次のいずれかによる。

a)

複数のエラーがあることをユーザーに対して指摘することが望ましい。

b)

ユーザーがエラーのある欄又は欄の一部をすべて一括して把握できることが望ましい(JIS Z 8527 

6.4.2

参照)

9.5

エラーメッセージ

9.5.1

表示するエラーメッセージが簡潔な場合には,ユーザーがより詳細な情報をオンラインで要求でき

ること,又は補足的なオフライン情報を参照できることが望ましい。

9.5.2

ユーザー操作によって開始された一連の処理の途中でエラーが生じた場合には,一連の処理のうち

のどれが完了し,どれが完了していないかの情報を与えることが望ましい。

9.5.3

エラーメッセージは,何が間違っているか,どうすれば訂正できるかを伝えることが望ましい。そ

れとともに,

a)

エラーの原因も伝えることが望ましい(JIS Z 8525 の 7.3 及び JIS Z 8527 の 7.3 参照)

例  入力データ中(例えば,データ欄及びコマンド名)にエラーを検出した場合に,入力内の最初の

エラー検出位置にカーソルを置いてエラーの箇所を指摘する。

参考  ISO 9241-15 の 8.3 は存在しないため,内容が該当する JIS Z 8525 の 7.3 を参照とした。

b)

システムが,エラーの種類をできる限り正確に指摘することが望ましい(例えば,ファイル読込みの


11

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エラーを表しそのファイル内容は“参考資料 1.dat”とする)

9.5.4

エラーメッセージを提示する場所が固定されていて,それ以前のエラーメッセージに上書きされる

場合,同一のエラーメッセージが重複して出力されたかどうかを判別できる手掛かりをユーザーに与える

ことが望ましい。

例  あるエラーメッセージを重ねて提示する場合,メッセージに回数を付加して提示し,そのエラー

が複数回生じたことを示す。

9.5.5

エラーメッセージは,次のいずれかに従って消去することが望ましい。

a)

エラーの原因が解消された後,すぐに消去する。

b)

エラー訂正の前でも,ユーザーがエラーメッセージの消去を求めた場合。

9.5.6

エラーメッセージは,次のいずれかに従って一貫した場所に提示することが望ましい。

a)

ユーザー入力と混同することのない範囲で,エラーの原因となったユーザー入力のできるだけ近くに

提示する。

b)

画面又はウィンドウの決まった 1 か所に,エラーメッセージを提示する。

9.5.7

エラーメッセージが当面の仕事に関連のある情報と混同されやすい場合,ユーザーがそのエラーメ

ッセージを他の場所へと動かせることが望ましい。

9.5.8

エラーメッセージは,仕事上一まとまりとみなすべき情報を入力し終わった後,すぐに提示するこ

とが望ましい。

例  書式に記入中に,特定の欄で文字入力誤りを検出してもすぐにはエラーメッセージを出さず,ユ

ーザーが誤りを放置して他の欄へと移ったときに初めてメッセージを提示する。

9.5.9

ユーザー入力の選択肢が少なく,表示領域が十分であれば,どのような入力が可能かをエラーメッ

セージに添えて提示することが望ましい。

参考  例えば,エラーメッセージとして,“だ円は指定できません。指定できる図形は円,四角及び直

線だけです。

”と表示する。

9.5.10

ユーザーの特性又は仕事の特性,又はユーザーの好みに応じて,

a)

確認を求める勧告的メッセージをシステムが出さないように,ユーザーが設定できることが望ましい。

b)

あまり重大でないエラー音及び音声メッセージの音量を変えたり,消したりできることが望ましい。

10.

オンラインヘルプ

10.1

説明  オンラインヘルプは,ユーザーと対話システムがやり取りを行う場合,ユーザー向け案内及

び支援を提供する。オンラインヘルプでは,どのようなことができて,それがいつ,どこで,どのように

すれば可能であるかを説明する。オンラインヘルプは,ユーザーが目標を達成するうえでの支援も与える

ことができる。オンラインヘルプは,ユーザーの技能水準に応じて情報の水準を変えて提供することがで

きる。

オンラインヘルプを通じて提供できる支援の例としては,次のものがある。

−  コマンド構文,使えるキー,及び仕事の手順に関する情報。

−  解説情報(例えば,仕事関連の諸概念)

−  支援情報(例えば,選択肢の一覧)

−  説明情報(例えば,画面及び関連する動作)

10.2

システム主導型ヘルプ

10.2.1

次の状況下では,システム主導のオンラインヘルプを検討することが望ましい。当てはまる状況が


12

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多いほど,システム主導のオンラインヘルプが適している。

a)

ユーザーが未経験で,素早く熟達する必要がある。

b)

ユーザーはシステム又はアプリケーションをほとんど利用せず,システムを有効に利用するための手

続きを思い出す必要がある。

c)

ユーザーが,システムでどのような近道(ショートカット)機能が使えるか分からない。

10.2.2

次の状況下では,システム主導のオンラインヘルプは望ましくない。当てはまる状況が多いほど,

ユーザー主導のオンラインヘルプが適している。

a)

オンラインヘルプの提示を求める未経験ユーザーと,それを必要としない熟練ユーザーとの両方がい

る。

b)

オンラインヘルプの文章提示が,本来の仕事におけるユーザーとのやり取りの妨げになる。

c)

オンラインヘルプ情報を提示することで,システム及び/又はアプリケーションの性能が著しく低下

する。

d)

オンラインヘルプが,熟練ユーザー又は高度なユーザーだけしか必要としない詳細な情報を含んでい

る。

10.2.3

システム主導のオンラインヘルプの内容は,仕事の状況(例えば,画面,ユーザーの進行段階)及

び直前のユーザー入力(例えば,選択したオブジェクト,メニュー選択及びコマンド入力)に特化したも

のであることが望ましい。

10.2.4

システム主導のオンラインヘルプは,作業の妨げにならないことが望ましい。

a)

システム主導のオンラインヘルプは,仕事で用いる領域から外れた場所,又は重ならない別のウィン

ドウに提示して,ユーザーの仕事領域の可視性が損なわれないことが望ましい。

b)

決まりきった情報をシステム主導のオンラインヘルプで提示する場合,ユーザーの注意を本来の仕事

領域からそらすような形式(例えば,点滅させる,極端な色使いをする)で提示しないことが望まし

い。

c)

システム主導のオンラインヘルプの文章が,仕事で使う表示領域全体を覆わないことが望ましい。

10.2.5

システム主導のオンラインヘルプをユーザーが無効にしたい場合,システム主導のオンラインヘル

プの有効及び無効を切り替える手段をユーザーに提供することが望ましい。

10.3

ユーザー主導型オンラインヘルプ

10.3.1

ユーザー主導のオンラインヘルプを提供する場合,ユーザーはいつでも利用可能な,簡単で一貫し

た操作で,オンラインヘルプを要求できることが望ましい。

例  “?”,機能キー F1 を押す,ヘルプアイコンを選択する,“ヘルプ”と声に出す。

10.3.2

次の状況下では,オンラインヘルプの項目をユーザーが指定することが望ましい。当てはまる状況

が多いほど,ユーザーによるオンラインヘルプ項目の指定が適している。

a)

仕事の状況からでは提供すべきオンラインヘルプの種類を絞れない。

b)

ユーザーは複数の仕事を並行して行うことがあり,オンラインヘルプの種類をユーザーが選択できる

融通性が必要である。

10.3.3

次の状況下では,ユーザーがオンラインヘルプ項目を指定する場合,システムがそれを案内するこ

とが望ましい。当てはまる状況が多いほど,ヘルプ項目指定でのシステムからの案内が適している。

a)

仕事の状況から必要となりそうな項目を絞ることができるが,ユーザーが求めている情報がそのうち

のどれであるかまでは分からない。

b)

ユーザーが,オンラインヘルプの項目を選ぶ必要があるが,助けがないと項目を正確に指定すること


13

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が難しい。

10.3.4

ユーザーが選択以外の手段(例えば,ヘルプの要求をキーボードから打ち込む)によって,ヘルプ

の項目を要求する場合には,

a)

システムは,同義語(技術用語ではない同義語も含む。

)によるオンラインヘルプ項目の指定を受け付

けることが望ましい。

b)

システムは,わずかなつづりの違いがあっても,オンラインヘルプ項目の指定を受け付けることが望

ましい。

参考  例えば,“ユーザー”と“ユーザ”の両方を受け付ける。

10.3.5

ユーザーによるオンラインヘルプの要求が,システムが提供できるヘルプの項目を適切に指示して

いない場合は,次のいずれかによる。

a)

システムはそのときの仕事の状況及び現在の処理に直接的に関連するオンラインヘルプ情報を提示す

ることが望ましい。

b)

システムがどのデータ,メッセージ,コマンドに関する説明が欲しいのかを,ユーザーが指定できる

ようにするための対話を開始させることが望ましい。

10.4

ヘルプ情報の提示

10.4.1

ユーザーがオンラインヘルプのある項目を指定した場合,指定した項目に関連する情報だけを提示

することが望ましい。

10.4.2

オンラインヘルプは,ユーザーの要求後できるだけ早く提示することが望ましい。

10.4.3

オンラインヘルプを提示するまでの応答時間は,オンラインヘルプの内容から予想の付くものであ

ることが望ましい。

10.4.4

オンラインヘルプの情報はすべて文字情報として表示するのではなく,項目の説明に最も適した表

現手段で,かつ,ユーザーが利用可能な出力機能を用いて提供することが望ましい。

10.4.5

オンラインヘルプは,システム及びシステムの目的に沿った仕事に関連する情報を提供することが

望ましい。

10.4.6

オンラインヘルプはユーザーの仕事と整合していること,及び仕事に必要な記述的及び手続き的情

報の両方を含むことが望ましい。

例  コマンドについて,そのコマンドの定義と必要な構文とともに,ある仕事を行うのに他のコマン

ドと組み合わせて使う手順に関する情報も提供する。

10.5

ヘルプのナビゲーション及び制御

10.5.1

オンラインヘルプを参照するために,ユーザーが仕事で用いている対話から離れる必要がある場合,

仕事で使用する対話とオンラインヘルプとの間を行き来する手段をユーザーに提供することが望ましい。

例  端末装置利用の環境では,ユーザーが仕事の画面とオンラインヘルプの画面との間を交互に切り

替えることができる。

10.5.2

オンラインの訓練又はオンラインの資料が利用できる場合には,オンラインヘルプの情報と訓練及

び資料との連携機能を提供することが望ましい。

10.5.3

オンラインヘルプ(システム主導及びユーザー主導のいずれでも)をユーザーが制御できることが

望ましい。ユーザーに対し,次のことを可能とすることが望ましい。

a)

ユーザーの個別の必要性に合わせて,システム主導のオンラインヘルプを設定できる(例えば,有効

にする又は無効にする,案内の水準を選択する)

b)

ユーザーが希望したときはいつでもオンラインヘルプを開始できる。


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c)

オンラインヘルプの項目を限定及び変更できる。

d)

何種類かのオンラインヘルプ(例えば,学習,構文,仕事に関するオンラインヘルプなど)が用意さ

れている場合,オンライン情報の種類を制御できる。

e)

いつでもオンラインヘルプシステムを終了できる。

10.5.4

利用するシステムに制約がある場合,オンラインヘルプの情報を分割して,オンラインヘルプ情報

のどの部分をシステムに格納するかをユーザーが選べることが望ましい。

10.5.5

システムの性能上可能であれば,システムはユーザーが次のようにオンラインヘルプを自分に合わ

せて構成できることが望ましい。

−  オンラインヘルプにユーザー個人の注釈を付ける。

−  オンラインヘルプと仕事とを切り替える場合,そのときの状況を保存する。

−  ヘルプの項目を追加する。

10.5.6

オンラインヘルプをモードとして実装している場合には,

a)

アプリケーションがオンラインヘルプモードであることを示す手掛かりをユーザーに提供することが

望ましい。

例  オンラインヘルプモードのときに,プロンプト又はマウスポインタを“?”に変える。

b)

オンラインヘルプモードを終了して,仕事に戻る方法がユーザーにとって明らかであることが望まし

い。

例  システムに“終了”ボタンの付いたダイアログボックスを用意する。

10.6

閲覧型ヘルプ

10.6.1

ユーザーは,オンラインヘルプを随時閲覧できることが望ましい(例えば,システムの機能及び操

作手順に慣れるため。

10.6.2

閲覧型オンラインヘルプを提供する場合,オンラインヘルプ項目の一覧又は構成図を用意して,そ

こからユーザーの求める項目を選べるように表示することが望ましい。

10.6.3

閲覧型ヘルプ一覧において項目が多数ある場合,ユーザーの求める項目が見つけやすくなるよう

に,ユーザーを援助する機能として次のうちの幾つかを用意することが望ましい。

−  項目一覧の文字列検索。

−  オンラインヘルプ文からのキーワード検索。

−  オンラインヘルプ文の階層構造化。

−  オンラインヘルプ項目の構成図。

10.6.4

仕事上重要である,又はヘルプの内容に適切な場合には,次のものを用意することが望ましい。

−  関連する項目へ移行するためのリンク。

−  リンクであることを認識させる手掛かり。

−  あらかじめ定めた標準的な閲覧順序。

−  項目間の関係を表現したもの(例えば,構成図)

−  情報を後で再び扱うための“しおり”機能。

10.6.5

ユーザーが,ヘルプシステム中で種々の項目を転々と閲覧することがあり,かつ,そうすることが

ユーザーの仕事の遂行に役立つ場合,システムは次のような即時呼び出し機構を用意することが望ましい。

−  それまでにたどったヘルプ項目のいずれかに戻る。

−  ヘルプシステム内の基準位置に戻る。

−  一回の操作で関連する項目を呼び出す(相互参照)


15

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−  それまでに扱った項目の履歴を呼び出す。

10.6.6

オンラインヘルプ情報が階層構造をもつ場合には,

a)

オンラインヘルプ項目の階層構造を示すことが望ましい。

b)

ユーザーが階層構造の最上位だけでなく,どの階層水準の項目にでも直接たどり着けることが望まし

い。

c)

より詳細なヘルプ情報(すなわち,より下位階層のヘルプ)を,分かりやすい一貫した方法でユーザ

ーが呼び出せることが望ましい。

d)

ユーザーは階層構造内ですぐ上の階層の項目に直接移動できることが望ましい。

10.6.7

ユーザーが種々のオンラインヘルプの項目を任意の順序で呼び出すことがある場合,オンラインヘ

ルプの情報は自給型(すなわち,理解のためにそれ以前の部分を読んでおく必要がないもの)であること

が望ましい。

10.6.8

オンラインヘルプ情報が表示の一画面以上にわたっていてスクロールが必要な場合,絶えず情報の

項目が見えている(例えば,情報の項目をスクロールで消えない場所に表示し続ける)ことが望ましい。

10.7

状況対応型ヘルプ

10.7.1

仕事の手順が具体的に決まっているか,又は状況について明確な情報が得られていて,ユーザーが

どのようなヘルプ情報を必要とするかをシステムが正確に予測できる場合には,状況対応型のオンライン

ヘルプ項目を提供することが望ましい。ヘルプ情報は,ユーザーの仕事上の要求達成を助けるものである

ことが望ましい。

10.7.2

状況対応型オンラインヘルプは,次のような仕事上の情報を扱えることが望ましい,

−  現在の対話の性質(例えば,意味的又は字句的,記述的か又は手続き的)

−  現在の仕事。

−  現在のアプリケーション。

−  画面に提示された仕事の情報。

10.7.3

現在の対話に該当しそうな状況対応型オンラインヘルプ項目が複数存在する場合,デフォルトを選

ぶことが望ましい。その一方で,ユーザーが他の項目を呼び出せることが望ましい。

10.7.4

ユーザインタフェース中のオブジェクトに固有のオンラインヘルプでは,そのオブジェクトが何で

あるか,どのような働きをもつか,どのように利用するかを説明することが望ましい。もし,適用可能で

あれば,このヘルプ情報は状況対応型ヘルプとすることが望ましい。

例  メニュー中の,そのとき利用できない選択肢を薄く表示する。オンラインヘルプの説明でこの選

択肢が選べない理由及び選べるようにするにはどうしたらよいかを示す。

10.7.5

ユーザインタフェース中のオブジェクトの一部だけに固有のオンラインヘルプを提供する場合に

は,どのオブジェクトに関するオンラインヘルプが得られるのかが視覚的に判別できることが望ましい。

例  オンラインヘルプが得られるオブジェクトの上では,マウスポインタを濃い色の“?”に変える,

又は,ポインタがオブジェクトの上に来たときにオブジェクトの説明を提示する。


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附属書 A(参考)適用可能性及び適合を査定する手順例

序文  この附属書(参考)は,適用可能及び適合を査定する手順の例について記述したものであり,規定

の一部ではない。

1.

一般  この附属書は,この規格の中で推奨事項が適用可能であればそれらが満たされているか否かを

決める手順例を与える。記述する手順は,手引として提供するものであり,この規格そのものの代用とし

て使用すべき厳密な手順ではないことを留意することが望ましい。この手順は,二つの段階からなる。

−  どの推奨事項が該当するかを決める。

−  該当する推奨事項に適合しているかを決める。

インタフェースの設計は,仕事,ユーザー,環境,及び利用可能な技術に依存する。したがって,この

規格は,インタフェース設計の知識及びインタフェースを利用する状況の知識があって初めて適用できる

ものであり,全部を当てはめる規定的な規則群として用いるように意図したものではない。それよりも,

設計者が,仕事の内容,及びユーザーの要求事項に関する適切な知識をもち,利用可能な技術の使い方を

理解していることを前提とする(このためには,資格をもつ人間工学専門家との相談及び,実際のユーザ

ーで実験する経験が必要かもしれない。

評価手順は,代表的ユーザーの分析,その代表的及び重要な仕事の分析,並びに代表的利用環境の分析

に基づくことが望ましい。ユーザー向け案内の評価は,一般に次の二つの場合に分けられる。

a)

ユーザー及びユーザーの仕事が既知の場合には,代表的な利用環境で代表的及び重要な仕事を行って

いる状況下で,評価者が製品を評価し,又は製品の典型的ユーザーを観察する。

b)

具体的ユーザー及びユーザーの仕事が未知の場合,評価対象の製品中で用いているユーザー向け案内

のすべての側面を評価者が評価する。

ある製品が,ある推奨事項を満たしているかの決定は,上記の評価の中で扱ったユーザー向け案内の側

面に基づいて行うことが望ましい。この規格の中の推奨事項を満たすもの以上に優れていることを示すこ

とのできるユーザー向け案内のあり方も,この規格の推奨事項を満たすものとして受け入れる。

この規格を利用する人は,次の項目を列挙することで対象とするユーザー向け案内が推奨事項を満たし

ているかを示してもよい。

−  評価するユーザー向け案内の一覧。

−  適用可能かを決めるのに用いた方法(

附属書 の 2.に記述)。

−  適合しているかを判定するのに用いた方法(

附属書 の 4.に記述)。

−  その結果。

2.

適用可能性  推奨事項の適用可能性は,次の二つの要因に基づく。

a)

条件部分が含まれていれば,その条件部分の条文が成立するかどうかを分析し,条件部分の条文が成

立するときにはその推奨事項を適用し,条文が成立しないときにはその推奨事項を適用しない。例え

ば,仕事上,ユーザーがある一定の操作順序に従う必要がなければ,本体の推奨事項 6.2.5 は,適用し

ない。

b)

設計環境  ユーザーの集団が,未知である,仕事に差異がある,オフィスに騒音がある,画面の分解


17

Z 8523

:2007 (ISO 9241-13:1998)

能が異なる,ポインティングデバイスが用意されていないなど,ユーザー・仕事・環境及び技術上の

制約によって推奨事項が必ずしも適用できるとは限らない場合がある。しかし,設計環境が,推奨事

項で言及しているユーザー特性,仕事,又は技術上の特徴に関係すれば,その推奨事項は適用可能と

する。例えば,状態情報をユーザーに提供する場合,本体の 8.2 の各推奨事項が当てはまるかを検討

することが望ましい。

ある推奨事項が,適用可能であるかを決めるうえで利用できる方法には,次のものがある。

−  システム資料の分析

−  資料的根拠

−  観察

−  分析的評価

−  経験的評価

附属書 の 3.では,適用可能かを決める手法について詳しく述べる。

3.

適用可能性手法の解説

3.1

システム資料の分析  システム資料の分析とは,ユーザー向け案内の全般的及び個別的性質を記述

しているすべての文書の分析を指す。それらにはシステム,及びユーザーの要求事項を含んだ設計資料,

操作説明書,ユーザーの手引(ユーザガイド)などが含まれる。例えば,あるアプリケーションに対する

システムの要求事項に基づき,ユーザー主導型のヘルプだけを用意すべきと決める。

3.2

資料的根拠  資料的根拠とは,仕事の要求事項及び特性,作業の流れ,ユーザーの技能,適性,習

慣及び癖,類似システムの設計からの試験データなど,文書化された関連する資料すべてを指す。このよ

うな情報は,ある推奨事項が適用可能かの判定に役立つ情報として利用できる。例えば,タスク分析のデ

ータから,ユーザーがシステムの状態に関する情報を頻繁に必要とすることが分かる。

3.3

観察  観察とは,ユーザー向け案内が観察可能な性質をもつか(例えば,プロンプトが使われてい

る。

)を調べることを意味する。観察は,ユーザー向け案内を系統立てて調べ,条件付き推奨事項の適用可

能性に関連する性質の有無を判断できる人であればだれにでも可能である。もともと自明なものだから,

観察結果は別の人間によって直ちに確認できる。

3.4

分析的評価  分析的評価とは,適切な専門家によるユーザー向け案内の性質に関する“有識者的”

判断のことである。この方法は,一般に,他の情報及び知識の文脈の下だけで判断できるような性質の評

価に使われる。他にも,分析的評価は,システムが設計文書の型でだけ存在したり,経験的評価に適した

ユーザー母集団が得られなかったり,時間及び資源に限りがある場合に適切であろう。分析的評価は,あ

る推奨事項が適用可能か,例えば,システム主導型のオンラインヘルプによってユーザーの注意が本来の

仕事からそらされるか,を決定するのに使うことができる。

分析的評価は,ユーザー向け案内にかかわる性質を評価するのに必要な技能及び経験をもつ適切な資格

者ならだれでも行うことができる。これらの性質が人間工学的原理の適用にかかわる場合,専門家はソフ

トウェアでの人間工学の問題を扱うことに通じている必要がある。性質が,作業環境,システム特性その

他の設計の側面にかかわる場合,判定者はその関連領域の専門家である必要がある。

3.5

経験的評価  経験的評価とは,推奨事項の適用可能性を判定するための代表的なユーザーを用いた

試験手続きの適用を指す。この方法は,試作システム又は実システムが利用でき,予想される,又は実際

のユーザー層を代表するユーザーが参加できる場合に最適である。多種の試験手続きを使用できるが,ど

の場合でも,被験者は,ユーザーの母集団を代表するもので,結果をユーザーの集団全体に一般化できる


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十分な人数とする必要がある。例えば,ユーザーがある項目に関して頻繁にヘルプを求めるかどうかを決

める場合,典型的なユーザーにユーザー向け案内としてオンラインヘルプだけを使いながら代表的な課題

を行わせる経験的評価を行うなどである。

経験的評価は,試験の実施方法及び結果の評価方法に関する適切な技能をもつ者が実施すべきであるこ

とを留意することが望ましい。

4.

適合  ある推奨事項を附属書 の 2.で述べた判定基準に基づいて適用可能と判断した場合,次にその

推奨事項が満たされているか否かを判定する必要がある。適合性は,次に挙げる幾つかの方法を用いて決

定する。

備考  各推奨事項について適合を決めるうえでどの方法が適しているかは,この附属書 表 のチェ

ックリスト中に推奨事項ごとに掲げてある。

−  測定

−  観察

−  資料的根拠

−  分析的評価

−  経験的評価

適用可能性の判定結果は,しばしば適合を判定するうえでも重要であることを注意する。次に種々の適

合判定法について詳しく述べる。

5.

適合手法の解説

5.1

測定  測定とは,ユーザー向け案内の特性に関する何らかの変量を測ること又は算出することを指

す。そのような変量の一例としては,応答時間がある。適合は,測定から得られた値を,推奨事項での値

と比較することで判定する。

5.2

観察  観察とは,例えば,定義された既定値を明示しているか(本体の 6.2.7)を確認するなど,あ

る観察可能な条件が満たされているか,ユーザー向け案内を調べることを意味する。観察は,ユーザー向

け案内を系統立てて調べ,観察可能な性質に関係する条文が一貫して当てはまっているかを判定できる技

能をもっている人であればだれにでも可能である。観察された性質と推奨事項とを比較して,適合を判定

する。

5.3

資料的根拠  適合の判定法において,資料的根拠とは,条件付き推奨事項に対してユーザー向け案

内が適合しているかに関連する文書情報すべてを指す。そのような情報には,ユーザーの習慣又は癖,試

作品の試験データ,類似システムの試験データなどが含まれる。例えば,類似システムの試験データが,

評価しようとするアプリケーションのユーザー向け案内のヘルプナビゲーション及び制御(本体の 10.5

が,ユーザー及び仕事に適していることを示唆するかもしれない。この場合,基本的に,その推奨事項に

対する類似システムの適合性を決めた資料的根拠を基にして適合性を決定することになる。

5.4

分析的評価  附属書 の 3.4 で述べたように,分析的評価とは,適切な専門家によるユーザー向け

案内の性質に関する“有識者的”判断のことである。特にこの方法は,他の情報又は知識の文脈だけで判

断できるような性質の評価に用いる。加えて,分析的評価は,システムが設計文書の型だけで存在したり,

経験的評価用にユーザーの母集団が得られなかったり,時間及び資源に限りがある場合に,適合を査定す

る適切な方法である。例えば,システムの状態が変化した場合,システムがその状態を常に明示する(本

体の 7.2.4)かどうかを決定するのに,分析的評価が利用できる。この場合,明示的であるかは判断にかか


19

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わる事柄である。

附属書 の 3.4 で述べたように,分析的評価は,ユーザー向け案内にかかわる性質を評価するのに必要

な技能及び経験をもつ適切な資格者ならだれでも行うことができる。適合判定法において,専門家は設計

案の適切さ及び使いやすさを確実に判断するのに必要な技能及び知識を併せもつ必要がある。分析的評価

は,設計の筋道の正しさを検証できるが,設計結果の正当性は検証できないことに注意すべきである。正

当性の検証は,経験的評価を通じてだけ実施できる。

5.5

経験的評価  経験的評価とは,推奨事項の適合性を判定するための,代表的なユーザーを用いた試

験手続きの適用を指す。

附属書 の 3.5 で述べたように,この方法は,試作品又は実際のシステムが利用

でき,想定する又は実際のユーザー層を代表するユーザーが参加できる場合に最も適している。利用でき

る試験手続きには多種あるが,どの場合でも,被験者はユーザー集団を代表するもので,結果をユーザー

集団全体に向けて一般化できる十分な人数とする必要がある。ユーザー向け案内を用いるユーザーの作業

効率を分析することによって,条件付き推奨事項に適合するかを決めることができる。例えば,ユーザー

がエラー状態から回復するのに要する時間を分析することで,エラーメッセージの何が悪いのか,どうす

ればよいのか,エラーの原因が何なのかを伝えているか(本体の 9.5.3)を判断できるかもしれない。その

ような試験は,開発過程で(例えば,試作版を作成して)行われることも,システムの設計及び具体化の

後に(例えば,システム評価手法を用いて)行われる場合もある。また,客観的及び主観的なユーザデー

タの両者を基盤として行われる場合もある。

ある推奨事項の適合を測る特別な試験を計画する場合もある。

通常は,経験的評価を用いて,そのテスト結果とユーザー向け案内に関するある推奨事項とを比較し,

適合を判定する。しかし,有効性の観点(例えば,ユーザー向け案内が作業効率を向上させる,難しい作

業を少しでも容易にする,又はできない仕事をできるようにすることでユーザーを支援するなどの観点)

から,テスト結果を評価することも必要である。


20

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附属書 図 1  決定の手順(評価の状況)

6.

手順  あるアプリケーションのユーザー向け案内をこの規格の推奨事項に照らして評価する場合,次

の手順(

附属書 図 を参照)で行ってもよい。

6.1

“もし・・・・・の場合”型条件付き推奨事項

a)

適用可能性  条件付き推奨事項は,推奨事項の本文中に(例えば,本体の 5.2.2),又は細分箇条の標

題で暗黙に(例えば,本体の 10.2

“もし  −  の場合”型条件をもつ。各条件付き推奨事項では,

“も

し  −  の場合”

型条件が成立するかを調べる方法として提案される方法

(例えば,本体の 9.5.9 の場合,

エラーメッセージに添えて,それ以外にどのような入力が可能かを提示するべきかを決めるのには,

資料的根拠,分析的評価,又は経験的評価がふさわしい)を用いて,

“もし  −  の場合”型の推奨事項

が適用できるかを決める。さらに,本体の 9.3.2 a)及び 9.3.2 b)のように,複数の条件付き推奨事項が

該当する場合,そのうちいずれを選択するかは,提案されている方法によって決めることが望ましい。

このような該当する複数の条件付き推奨事項がある場合は,チェックリスト中で,

“及び/又は”論理


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接続詞でも表示している。

b)

適合  a)で適用すると決めたすべての条件付き推奨事項に対し,提示している方法によって適合の検

討を行う(もし,本体の 9.5.9 が適用可能であれば,エラーメッセージに入れるべき選択肢を観察によ

って決める。

6.2

他の条件付き推奨事項

a)

適用可能性  “もし  −  の場合”型でない条件付き推奨事項は,一般にどのようなユーザー向け案内

にも当てはまる。しかし,推奨事項の箇条の多くは(例えば,本体の 10.2  システム主導型ヘルプ)

そのような特徴を備えているユーザー向け案内にだけ適用可能である。すなわち,システム主導型ヘ

ルプを含むユーザー向け案内の場合,本体の 10.2 の推奨事項が適用可能である(決定手法としては,

附属書 の 6.1 と同様に指摘された方法を用いる。)。

b)

適合  a)で適用可能性が決まった“もし  −  の場合”型でない推奨事項では,附属書 の 6.1 b)に述

べたような推奨事項への適合に関する情報が必要である。例えば,ユーザーの入力に対するシステム

の応答時間が適切か(本体 7.2.9)を決定するうえでは,分析的評価又は経験的評価の両方とも適して

いる。推奨事項に従わない正当な理由がある場合には,その理由及び選択した設計案は,この規格の

読者にとって興味深いものである。

上記の手順を適用する手助けとして,

適用可能性及び適合のチェックリストを

附属書 表 に記載する。

7.

チェックリスト

備考  この規格のユーザーは,チェックリストの意図した用途に用いるのであれば附属書中のチェッ

クリストを自由に複製してよい。また,記入完了したチェックリストを公表してもよい。

附属書 表 のチェックリストは,ユーザー向け案内を扱う設計者及び評価者がこの規格中の各条件付

き推奨事項の適用可能性との適合を決定する場際の補助となることを意図したものである。このチェック

リストは,この規格中のすべての推奨事項の縮約版を含み,適用可能性を決定するうえでの助けとなる論

理的構造を提供する。条件付き推奨事項の多くは,複数の代替的解決案を認めている。チェックリストで

は,そのような相互依存性を,論理接続詞を表す“及び”

“又は”という語で記述している。この記述は,

箇条中の条件付き推奨事項についてだけ行い,箇条間の関係については記述しない(箇条には,その箇条

に適用可能な度合いに応じて固有の“及び”が付けられているとみなす。

。いずれか一つだけを採用する

必要がない場合には,

“及び/又は”論理接続詞を用いている。

7.1

チェックリストの説明

7.1.1

推奨事項の列  チェックリストの第一列は,縮約版の条件付き推奨事項を含み,論理接続詞で結ば

れ,細分箇条ごとに分かれている。各条件付き推奨事項には,細分箇条の番号を付けているので,ユーザ

ーは,各条件付き推奨事項の全文を容易に参照することができる。

7.1.2

適用可能性の列  この中の先頭の二つの列は,適用可能かどうかの結果を,可否欄にチェックマー

クで示し記録するようになっている。さらに,各条件付き推奨事項に対して適用できるかを調べるにはど

の方法が適切かを示すとともに,設計者,評価者が用いた方法にチェックマークを付ける列を提供する。

ある推奨事項の適用可能性を調べるのに適切ではない方法の欄に網掛けを施して使いやすくしてある。適

用の可能性を調べる方法の記号は,

−  S=システム文書の分析

−  D=資料的根拠

−  O=観察


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−  A=分析的評価

−  E=経験的評価

− DM=その他の方法

他の方法を使用した場合は(DM 欄にマークした場合)その方法を注釈列に記述してもよい。用いた方

法にチェックマークを付けることは,このチェックリストでは任意とする。

7.1.3

適合の列  チェックリストのこの部分は,各条件付き推奨事項に適合しているかを決定する場合,

どの方法が適切かを示し,設計者及び評価者によって使われた方法にチェックマークを付ける列を提供す

る。推奨事項に関係しない判定方法の列には,網掛けを施して使いやすくしてある。適合しているかどう

かの判定結果が,肯定的なら適列に,否定的なら否列に印を付ける。適合しているかを調べる方法の記号

は,

−  M=測定

−  O=観察

−  D=資料的根拠

−  A=分析的評価

−  E=経験的評価

− DM=その他の方法

適用可能性と同様,他の方法を使用した場合は(DM 欄にマークした場合)

,その方法を注釈列に記述す

る。適用可能性で指摘したように,用いた方法にマークを付けることは,このチェックリストでは任意と

する。

7.1.4

注釈  注釈列は,各条件付き推奨事項に関する付加的な意見及び注釈を記入する。また,別の方法

を使用した場合,その方法の解説を記入したり,査定時の情報(専門家の名前,資料の表題など)を示す

などに使ってもよい。幾つかの方法が当てはまる特別な場合もあるため,そのときの解決案を注釈列に説

明することが望ましい。この説明には,解決案がユーザー向け案内の推奨事項,及び該当する対話原則に

どのように関連しているかを含めてもよい。

7.2

要約データ  このチェックリストを利用する人は,評価の結果を適合指数(AR : Adherence Rating)を

算出することで要約できる。AR は,適用可能な推奨事項のうちの,適合しているものの割合である(すな

わち,適欄のチェック数を可欄のチェック数で除したもの。

AR 値と一緒に,すべてのデータ(すなわち,

適の数及び可の数)を報告することを強く推奨する。ユーザー向け案内の側面の複雑さに応じて,システ

ムの各ユーザー向け案内の部分ごとにチェックリストを記入し,ユーザー向け案内の各部分の AR 値を平

均して,システムのユーザー向け案内全体の平均 AR 値を決めるほうが役立つかもしれない。しかし,AR

値は,算術的な計数値にすぎず,各項の重み(それ自体での,及び利用の状況下での)を考慮しなければ,

適用可能な推奨事項がどれほど適合しているかの信頼すべき測定値とはなり得ないことに注意したほうが

よい。


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附属書 表 1  適用性及び適合のチェックリスト

適用可能性

適合

推奨事項

結果

用いた手法

用いた手法

結果

注釈

S

D O A

E

DM  M  O D A

E

DM

(資料元を含む)

5.

各案内に共通する推奨事項 

5.2  

一般推奨事項

5.2.1  

ユーザー向け案内と他の表示情報とが明確に区別で

きる

5.2.2  

利用できない情報は画面上から消去する

5.2.3  

ユーザー主導の案内は常にユーザーの制御下に置く

5.2.4  

作業状況に関連した具体的な情報を提供する

5.2.5  

ユーザーの仕事を乱さない

5.2.6  

警告を表す明確なメッセージ又は符号化技法を一貫

して利用する

5.2.7  

ユーザーの熟練度合いに応じて対話方法が変えられ

る場合,ユーザーが望むレベルの案内を指定できる

5.3  

ユーザー向け案内の言葉遣い

5.3.1  

実行するとどうなるか,動作結果を先に提示する

5.3.2  

ユーザーが制御していることを強調する表現

5.3.3  

肯定文による表現,ただし,避けるべき事項は否定

5.3.4  

一貫した文法構造を用いた言葉遣い

5.3.5  

短く簡潔な文章による記述

5.3.6  

能動態での記述(日本語として不自然でない限り)

5.3.7  

仕事で使っている典型的な用語を使用

5.3.8  

ユーザー向け案内の文章表現は情緒的な色合いを省

いた用語を用いる

6.  

プロンプト 

6.2  

プロンプト表示の推奨事項

6.2.1  

対話システムに受け入れられる入力の種類を明示

(総称型又は詳細型プロンプト)

6.2.2  

詳細型プロンプトの表示が適した状況

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附属書 表 1  適用性及び適合のチェックリスト(続き)

適用可能性

適合

推奨事項

結果

用いた手法

用いた手法

結果

注釈

S

D O A

E

DM  M  O D A

E

DM

(資料元を含む)

6.2.3  

総称型プロンプトの表示が適した状況

6.2.4  

プロンプトに関連したオンラインヘルプの提供

6.2.5  

順序だった仕事の各段階におけるプロンプトの表示

6.2.6  

データ/コマンド入力欄の隣にプロンプトを表示す

6.2.7  

規定値が明確な場合,入力欄にプロンプトを表示す

6.2.8  

どのようなデータを入力すべきかを示す手掛かりを

プロンプトに表示する

6.2.9  

入力欄へ自動的にカーソルを配置する

7.  

フィードバック 

7.2  

フィードバックに関する推奨事項

7.2.1  

ユーザーのすべての入力を即時知覚可能なフィード

バックを与える

7.2.2  

ユーザーの注意を仕事からそらさない控え目なフィ

ードバック

7.2.3  

フィードバックについて考慮すべき点,ユーザー特

性,ユーザー層,仕事の要件,システムの能力

7.2.4  

システムの状態(又はモード)変化を明示する

7.2.5  

選択された項目を強調表示する

7.2.6  

遠隔要求のフィードバックを手元で提供する

7.2.7  

処理要求の完了を示すフィードバックを提供する

7.2.8  

処理要求が即時に完了しない場合,処理要求の受付

と完了を示すフィードバックを提供する

7.2.9  

フィードバックのタイミングを適切に(すなわち,

早すぎることも遅すぎることもない)

8.  

状態情報

8.2  

状態情報に関する推奨事項

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附属書 表 1  適用性及び適合のチェックリスト(続き)

適用可能性

適合

推奨事項

結果

用いた手法

用いた手法

結果

注釈

S

D O A

E

DM  M  O D A

E

DM

(資料元を含む)

8.2.1  

状態情報の継続的提示が適した状況

8.2.2  

情報の自動的提示が適した状況

8.2.3  

要求に基づく情報提示が適した状況

8.2.4  

状態の種類ごとに一貫した場所に提示する

8.2.5  

ユーザー入力を無効にしている場合,その状態を示

す手掛かりを提示する

8.2.6  

モードを利用する場合,モードの違いを識別可能に

する

9.  

エラーの管理

9.2  

エラーの防止

9.2.1  

エラー防止が適した状況

9.2.2  

モードをもつアプリケーションへのエラー防止の提

9.2.3  

システムの故障が発生する前にユーザーに問題点を

提示する

9.2.4  

データの消失を防止する確認メッセージを提示する

9.2.5  

直前の操作への復帰機能,又は確認メッセージを表

示する

9.2.6  

入力を修正又は取り消すことを可能とする,一時中

断及び取り消し機能を提供する

9.3  

システムによるエラーの訂正

9.3.1  

システムによるエラー訂正が適した状況

9.3.2  

エラーの自動訂正か警告表示かをユーザーが設定で

きる

9.4  

ユーザーによるエラー管理

9.4.1  

ユーザーが対話を継続できる手段を提供する

9.4.2  

エラー訂正手段の提供

9.4.3  

エラー識別手段の提供

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附属書 表 1  適用性及び適合のチェックリスト(続き)

適用可能性

適合

推奨事項

結果

用いた手法

用いた手法

結果

注釈

S

D O A

E

DM  M  O D A

E

DM

(資料元を含む)

9.4.4  

ユーザーの入力誤りを編集できるようにする

9.4.5  

ユーザー入力に複数のエラーが発生したことを指摘

する

9.5  

エラーメッセージ

9.5.1  

簡潔なエラーメッセージに加えて補足的なヘルプを

提供する

9.5.2  

一連の処理でエラーが発生した場合,処理完了状況

を提示する

9.5.3  

何が間違っているか,どうすればよいか,及びエラ

ーの原因及び種類を示す

9.5.4  

表示場所が 1 か所の場合,エラーメッセージの発生

を示す手掛かりを提供する

9.5.5  

訂正完了又はユーザー要求に基づきエラーメッセー

ジを消去する

9.5.6  

エラーメッセージは一貫した場所に表示する

9.5.7  

仕事に関連する情報と混同されやすい場合にはエラ

ーメッセージを移動する

9.5.8  

入力完了後すぐにエラーメッセージを提供する

9.5.9  

エラーメッセージと共にどのような入力が可能かを

示す

9.5.10  

ユーザーがエラーメッセージの特徴を設定できる

10.  

オンラインヘルプ 

10.2  

システム主導型ヘルプ

10.2.1  

システム主導型オンラインヘルプの提供が適した

状況

10.2.2  

システム主導型オンラインヘルプの提供が適さな

い状況

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附属書 表 1  適用性及び適合のチェックリスト(続き)

適用可能性

適合

推奨事項

結果

用いた手法

用いた手法

結果

注釈

S

D O A

E

DM  M  O D A

E

DM

(資料元を含む)

10.2.3  

システム主導型オンラインヘルプにおける,仕事の

状況に特化した内容の提示

10.2.4  

システム主導型ヘルプは作業の妨げにならないよ

うに提供する

10.2.5  

システム主導型ヘルプの有効及び無効をユーザー

が切り替えられる

10.3  

ユーザー主導型オンラインヘルプ

10.3.1  

簡単で一貫した方法によるヘルプの要求

10.3.2  

ユーザーによるオンラインヘルプ項目の指定が適

した状況

10.3.3  

ユーザーが項目を選択するとき,システムがそれを

支援する

10.3.4  

ユーザーが選択以外の手段によってヘルプ項目を

要求する場合,同意語及びわずかなつづり間違いを許容す

10.3.5  

ユーザーのヘルプ要求が不明確な場合,現在の処理

に基づいてヘルプを表示するか,要求の明確化を促す対話

を開始する

10.4  

ヘルプ情報の提示

10.4.1  

指定した項目に関係した情報だけ提供する

10.4.2  

要求後できるだけ早くヘルプを提示する

10.4.3  

ヘルプ提示までの応答時間が予想可能である

10.4.4  

項目内容に最も適した表現手段を用いる

10.4.5  

システム及びその目的に照らし,作業内容に関連す

る情報を提供する

10.4.6  

仕事で要求される記述的及び手続き的情報の両方

を提供する

10.5  

ヘルプのナビゲーション及び制御

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附属書 表 1  適用性及び適合のチェックリスト(続き)

適用可能性

適合

推奨事項

結果

用いた手法

用いた手法

結果

注釈

S

D O A

E

DM  M  O D A

E

DM

(資料元を含む)

10.5.1  

ヘルプを参照するために仕事で用いていた対話か

ら離れる場合,対話とヘルプとの間を行き来する手段を提

供する

10.5.2  

オンライン訓練及び資料との連携機能を提供する

10.5.3  

オンラインヘルプをユーザーが適切に制御できる

10.5.4  

システムの能力に合わせて情報の構成を選択可能

にする

10.5.5  

ヘルプを自分に合わせて構成できるようにする

10.5.6  

ヘルプモードで表示する場合,モードを終了する方

法を提供する

10.6  

閲覧型ヘルプ

10.6.1  

ヘルプを随時閲覧する機能を提供する

10.6.2  

オンラインヘルプの項目一覧又は構成図を提供す

10.6.3  

ヘルプ項目が多数ある場合,閲覧支援機能を提供す

10.6.4  

閲覧型ヘルプに適した機能を提供する

10.6.5  

ヘルプの即時呼び出し機能を提供する

10.6.6  

階層構造をもつヘルプに適した支援機能

10.6.7  

ヘルプを任意の順序で呼び出す場合,情報は自給型

10.6.8  

一画面以上にわたるヘルプの表示支援

10.7  

状況対応型ヘルプ

10.7.1  

仕事の手順が決まっているか,又は状況の情報があ

る場合

10.7.2  

仕事の状況が取得できる

10.7.3  

複数の関連項目がある場合,デフォルトを選択する

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附属書 表 1  適用性及び適合のチェックリスト(続き)

適用可能性

適合

推奨事項

結果

用いた手法

用いた手法

結果

注釈

S

D O A

E

DM  M  O D A

E

DM

(資料元を含む)

10.7.4  

ユーザインタフェース中のオブジェクトのための

ヘルプを提供する

10.7.5  

インタフェースオブジェクトのヘルプを提供する

場合にはその手掛かりを表示する

 S

=  システム文書の分析

D

=  資料的根拠

O

=  観察

A

=  分析的評価

E

=  経験的評価

M

=  測定

DM

=  その他の方法

可  =  適用可能

否  =  適用不可

適  =  適合 
不  =  不適合

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