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Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

JIS Z 8518

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)  色差の計算

附属書 B(参考)  視覚に関する作業性試験の現状

附属書 C(参考)  参考文献


日本工業規格

JIS

 Z

8518

: 1998

 (ISO

9241-8

 : 1997

)

人間工学−

視覚表示装置を用いるオフィス作業−

表示色の要求事項

Ergonomics

−Office work with visual display terminals (VDTs)

−Requirements for displayed colours

序文  この規格は,1997 年に第 1 版として発行された ISO 9241-8, Ergonomic requirements for office work

with visual display terminals (VDTs)

‐Part8 : Requirements for displayed colours を翻訳し,技術的内容及び規格

票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある部分は,原国際規格にはない事項である。

この規格の目的は,最適な可視性,識別性及び弁別性を確保するために,コンピュータディスプレイ上の

色に関する基本仕様を規定することである。

この規格における仕様は,色画像(視覚

刺激 )

,色の見え方(視覚的 知覚 )及び色識別(色の 名前

付け )について述べる。したがって,この仕様は(彩度及び明度の検知のような)色の知覚的要素と(特

定の色の名前付けのような)幾つかの認知的要素との両方について言及する。その他の認知的要素は,ISO 

9241-12

に規定される予定である。

ディスプレイ上の色を検知し,識別し,弁別することができるかどうかによって,コンピュータが作り出

す画像の知覚及び解釈における色の有用性が決まる。表示画像の色知覚には,次のような多くの要因があ

る。

・ディスプレイシステムのハードウェア要素及びソフトウェア要素

・表示画像の物理特性

・使用者の色知覚能力

・視環境における照明

色の見え方に影響を及ぼす要因(ディスプレイ,画像,使用者,環境)の基本特性を

表 に示す。


2

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

表 1  色の見え方に影響を及ぼす要因の例

対象

色の見え方に影響を及ぼす要因

ディスプレイ

輝度

スペクトルの分布及び範囲

蛍光体の種類

反射防止処理

解像度

画像

隣接する色

大きさ

空間周波数

使用者

視覚の順応状態

色知覚能力

室内

照度水準

照明の(相関)色温度

色の解釈は,使用者が,色がもつ特定の意味,機能又は動作をその色に関連付ける能力に依存する。した

がって,ディスプレイ上の画像に割り当てる色は,意図する効果を実現したり,意図する意味を伝えたり

するために,慎重に選択することが重要である。しかしながら,色の見え方は,ディスプレイの製造業者

間で異なる。例えば,あるディスプレイに表示される青はもう一つのディスプレイ上に表示される青に比

べてより暗く,紫に近く見えることもある。また,赤はよりオレンジに近く見えることもある。

1.

適用範囲  この規格は,個々の色に意味をもたせるテキスト及びグラフィックのアプリケーション,

並びに画像に割り当てる色に適用する最小限の人間工学的要求事項及び推奨事項について規定する。した

がって,この規格における仕様は,個々の色に意味をもたせない,写真実画像及びグラフィックスを含ま

ない。

この規格は,画面に表示される色の見え方を支配する要因となる視覚表示装置のハードウェアとソフト

ウェアとの両者に適用する。

この規格に規定する仕様,測定手法及び試験手順は,色画像を生成するディスプレイのためのものであ

り,特に指定がない限り,ディスプレイの種類を問わない。

この規格は,色覚正常な利用者にとって必要最小限の要求事項を満足する,コンピュータディスプレイ

上の画像に関する仕様である。この規格に準拠するディスプレイは,色覚異常者にとって,次善のものに

なるであろう。

この規格は,JIS Z 8513 を補足するものである。この規格で規定する仕事及び使用条件は,他の指定が

ない限り,JIS Z 8513 に規定するものと同様である。この規格では,カラーコーディングについては規定

しない。

参考  カラーコーディングに関しては,ISO 9241-12 に規定される予定である。

この規格は,基本的にはハードウェア及びソフトウェアのユーザインタフェースの設計者,製造業者又

は販売者が利用するものであるが,カラーディスプレイの選定・購入の責任者,及びコンピュータシステ

ムのユーザインタフェースにおける色の使い方に関する評価者にとっても有効である。

備考  この規格に対応する国際規格は,ISO 9241-8 : 1996, Ergonomic requirements for office work with

visual display terminals (VDTs)

−Requirements for displayed colours である。


3

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 8513

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−視覚表示装置の要求事項

備考  ISO 9241-3 : 1992, Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−

Part3 : Visual display requirements

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

ISO 9241-5

1)

, Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)

−Part

5 : Work-station layout and postural requirements

1)

  出版準備中

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

無彩色  [achromatic (perceived) colour]

a)

<

知覚的意味>  色相がない知覚色。白,灰及び黒の色名が普通に用いられ,透過物体には,無色及び

中性を用いる。

参考  b)  <心理物理的意味>  CIE 17.4/IEC 50,  845-03-06 の無彩色刺激の項を参照  [CIE 17.4/IEC 

50, 845-02-26]

3.2

順応 [adaptation (visual)]   種々の輝度,分光分布及び角度をもつ刺激に,事前,及びそのときにさ

らされることによって,視覚系の状態が変化する過程  [CIE 17.4/IEC 50, 845-02-07]  。

備考1.  明順応,暗順応という用語も用いられる。前者は,刺激の輝度か少なくても数カンデラ毎平

方メートルあるとき,後者は,輝度が百分の数カンデラ毎平方メートル未満のときに用いら

れる。

2.

特定な空間周波数,方位,大きさなどに対する順応もこの定義に含まれるものとして知られ

ている。

3.3

加法混色 (additive mixing)   種々の色刺激の作用を別々には知覚できないような具合に,網膜上で

組み合わせる刺激方法  [CIE 17.4/IEC 50, 845-03-15]。

3.4

明るさ (brightness)   ある面から,光が強く発しているように見えるか,又は弱く発しているよう

に見えるか,にかかわる視感覚の属性  [CIE 17.4/IEC 50, 845-02-28]。

3.5

彩度 (chroma)   ある面の領域について,それと同様に照明された明度が等しい特定の無彩色から

の隔たりを,完全な白,又は高い透過率に見える面の領域の完全黒からの隔たりに対する割合として判断

した色み  [CIE 17.4/IEC 50, 845-02-42]。

参考  与えられた観測条件及び明所視の範囲内の輝度レベルに対して,与えられた色度で,与えられ

た輝度率の(反射物体の)色刺激は,非常に明るい場合を除いて,あらゆる照度レベルに対し

てほぼ一定の彩度を示す。同じ環境で,一定の照度レベルでは,

(物体の)輝度率を増加すれば,

通常,彩度は増加する。

3.6

色度 (chromaticity)   色度座標によって又は主波長若しくは補色主波長と純度との組合せによって

定められる色刺激の性質  [CIE 17.4/IEC 50, 845-03-34]。

3.7

色度座標 (chromaticity coordinates)   三刺激値の各々の,それらの和に対する比  [CIE 17.4/IEC 50, 

845-03-33]

参考1.  三つの色度座標の和は1になるので,それらのうちの二つの色度座標で色度を定めることがで

きる。

2.

CIE

標準表色系では,色度座標は記号 xy及び x

10

y

10

z

10

で表される。


4

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

3.8

色度図 (chromaticity diagram)   色度座標で明示される図上の点が色刺激の色度を表す平面図

[CIE 17.4/IEC 50, 845-03-35]

備考  CIE 標準表色系においては,通常,を縦座標とし,を横座標とする x色度図を用いる(3.10

参照)

3.9

色立体視 (chromostereopsis)   主波長及び/又は明るさが異なる二つの視対象の,観察者からの距離

が異なって見える現象。

3.10  CIE 1976 UCS

色度図  (CIE 1976 uniform-chromaticity-scale diagram ; CIE 1976 UCS diagram)    式

(1)

によって定義される量 u', v'を直交座標にプロットして得られる UCS 色度図(

図 1)  [CIE 17. 4/IEC 50, 

845-03-53]

備考  曲線上の数字は光の波長をナノメートルで示したものである。

図 1  CIE 1976 UCS 色度図

3

12

2

9

3

15

9

'

3

12

2

4

3

15

4

'

y

x

y

Z

Y

X

Y

v

y

x

x

Z

Y

X

X

u

 

(1)

ここに,X,  Y,  は,対象とする色刺激の

CIE 1931

又は

1964

標準表色系における三刺激値で,x,  は,

対応する色度座標である  [

CIE 17.4

/

IEC 50, 845-03-53

]

参考

この図は,直交座標で,に対して をプロットした

CIE 1960

色度図を修正して置き換えたも

のである。それら二組の座標の関係は次のとおりである。

u'

uv'=1.5v

3.11

CIE LUV

色空間 (CIE L*u*v*colour space ; CIE LUV colour space)

  式

(2)

によって定義される量 L*,

u*, v*

を直交座標にプロットして得られる 3 次元の近似的な均等色空間。


5

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

)

'

'

(

13

)

'

'

(

13

856

008

.

0

/

..

..........

16

)

/

(

116

*

*

*

*

*

3

1

n

n

n

n

v

v

L

v

u

u

L

u

Y

Y

Y

Y

L

>

 

(2)

ここに,Y', u', v'は対象とする色刺激,Y'

η

u'

η

v'

η

は特定の無彩色刺激を記述するものである(

CIE 15.2

照)  [

CIE 17.4

/

IEC 50, 845-03-54

]

参考

CIE 1976

明度,

CIE 1976

uv

飽和度,

CIE 1976

uv

クロマ及び

CIE 1976

uv

色相角に近似的に

相関する量は,次で計算される。

CIE 1976

明度

856

008

.

0

/

..

..........

16

)

/

(

116

3

1

*

>

n

n

Y

Y

Y

Y

L

CIE 1976

 

u,

v

飽和度

[

]

2

1

2

2

)

'

'

(

)

'

'

(

13

n

n

uv

v

v

u

u

s

CIE 1976

 

u,

v

クロマ

[

]

uv

uv

s

L

v

u

C

*

2

1

2

*

2

*

*

CIE 1976

 

u,

v

色相角

h

uv

=arctan [(v'‐v'

η

) / (u'

u'

n

)]

=arctan (v*/u*)

3.12

CIE LUV

色差 (CIE 1976 L*u*v* colour difference, CIE LUV colour difference)

 

CIE LUV

色空間に

おける座標点間のユークリッド距離として定義されて,式

(3)

で計算される二つの色刺激間の色差(

CIE 15.2

参照)  [

CIE 17.4

/

IEC 50, 845-03-55

]

[

]

2

1

2

*

2

*

2

*

*

)

(

)

(

)

(

v

u

L

E

uv

Δ

Δ

Δ

Δ

  (3)

参考  CIE (1976) uv 色相差は,次の式で計算される。

[

]

2

1

2

*

2

*

2

*

*

)

(

)

(

)

(

uv

uv

uv

C

L

E

H

Δ

Δ

Δ

Δ

3.13

  CIE

標準の光  (CIE standard illuminants)  CIE によって相対分光分布が規定された測色用の光 A, B,

C, D

65

及びその他の測色用の光 D(CIE 1 5.2 参照)  [CIE 17.4/IEC 50, 845-03-12]。

参考  これらの測色用の光は次のことを表している。

A,

温度が約 2 856K である黒体

B,

直射太陽放射(旧)

C,

平均昼光(旧)

D

65

,

紫外線を含む昼光(

図 参照)


6

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

図 2  CIE 1976 UCS 色度座標上の CIE 標準照明 D

65

の位置及び色温度

3.14

色検知 (colour detection)  視覚的に見づらい背景上に表示された色の知覚。

3.15

色弁別 (colour discrimination)  複数の視覚刺激間の色差の検知。

3.16

色識別 (colour identification)  色の名前を特定する知覚。

3.17

色解釈 (colour interpritation)  特定の色と,その意味又は機能との関係付け。

3.18

色温度 (colour temperature)  与えられた刺激の色度と等しい色度の放射を発する黒体の温度。ケル

ビンで表される  [CIE 17.4/IEC 50, 845-03-49]。

参考  単位:K

-1

の逆数色温度も使われる。

3.19

  u'v'

色度差  (chromaticity uniformity difference) CIE (1976) UCS 色度図における 2 色間の距離

2

2

1

2

2

1

)

'

'

(

)

'

'

(

'

'

v

v

u

u

v

u

Δ

ここで,  u'

1

v'

1

及び u'

2

v'

2

は,同じカラーディスプレイに表示された 2 点の座標値

3.20

補色主波長(色刺激の)(

λ

c

) [complementary wavelength (of a colour stimulus) (

λ

c

)]

  試料色刺激と適

切な比率で加法混色することによって,特定の無彩色刺激に等色するような単色光刺激の波長  [CIE 

17.4

/IEC 50, 845-03-45]

3.21

コンバージェンス (convergence)  カラーCRT の蛍光面の平面上の点での電子ビームの正確な交差

図 3)。

参考  ミスコンバーシェンスは,コンバージェンスからのずれである(図 4)。


7

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

図 3  RGB 電子ビームの CRT 上の 

コンバージェンス

図 4  RGB 電子ビームの CRT 上の 

ミスコンバージェンス

3.22

デフォルトカラーセット (default colour set)  ソフトウェアアプリケーション又はオペレーティン

グシステムによってあらかじめ定められた色の集合。

3.23

色覚異常 (defective colour vision)  若干の,又はすべての色の間の弁別をする能力が低下している視

覚異常  [CIE 17.4/IEC 50, 845-02-13]。

3.24

被写体深度 (depth-of-field)  すべての画像が焦点内にあるような距離から,画像の視焦点までの範

囲。

3.25

設計視距離  (design viewing distance)  設計されたディスプレイにおける画面と作業者の目との間の

距離又は距離の範囲  (2.12JIS Z 8513)。

3.26

主波長 (dominant wavelength)  特定の無彩色と適切な比率で加法混色することによって,試料色刺

激に等色するような単色光刺激の波長。

備考  紫刺激の場合には,主波長は補色主波長によって変える  [CIE 17.4/IEC 50, 845-03-44]。

3.27

色相 (hue)  ある面が,赤,黄,緑又は青のいずれか,又はそれらの隣り合った二つずつを組み合わ

せた,ある知覚色と同類に見えるかにかかわる視感覚の属性  [CIE 17.4/IEC 50, 845-03-35]。

3.28

最小弁別いき(閾) (just-noticeable-difference)  違いがはっきりと検知できる画像変動の最小物理

量を特定する知覚的単位。

3.29

明度 (lightness)  同様に照明されている白,若しくは透過率が高い面,又は物体の明るさと比較し

て,相対的に判断されるある面の明るさ  [CIE 17.4/IEC 50, 845-02-31]。

3.30

輝度コントラスト (luminance contrast)  高輝度  (L

H

)

と低輝度  (L

L

)

との関係であって,次の式で計

算されるコントラスト変調度  (C

m

) ,

又はコントラスト比  (CR)  で定義されるもの  (2.22JIS Z 8513)。


8

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

L

H

L

H

L

H

m

L

L

CR

L

L

L

L

C

3.31

輝度係数(媒質の要素表面において,特定の照射条件で,与えられた方向に対する) [q

v

q] [luminance 

coefficient (at a surface element, in a given direction, under specified conditions of illumination)

  媒質の表面

要素の与えられた方向に対する輝度を,その照度で割った量。ステラジアンの逆数 (sr

-1

)

で表す  [CIE 

17.4

/IEC 50, 845-04-71]

3.32

輝度純度  [P

c

] (colorimetric purity [P

c

  次の関係式によって定義する量。

)

(

d

n

d

c

L

L

L

P

ここで,L

d

及び L

n

は,対象とする色刺激を,

(主波長に相当する)単色光刺激と,特定の無彩色刺激と

の加法混色によって等色するときの,それぞれ単色光刺激及び無彩色刺激の輝度とする  [CIE 17.4/IEC 50, 

845-03-47

]

参考1.  紫刺激の場合は CIE 17.4/IEC 50, 845-03-46の注1を参照。

2.

 XYZ

表色系では,輝度純度 P

c

と刺激純度 P

e

とは次の関係がある。

y

y

P

P

d

e

c

ここに,y

d

及び は,それぞれ単色光刺激及び試料色刺激の色度座標 である。

3.

X

10

Y

10

Z

10

表色系では,輝度純度 P

c10

は,

参考 2.の関係式の P

e

y

d

及び をそれぞれ P

e10

y

d10

び y

10

に置き換えたもので定義される。

3.33

基準白色 (reference white)  無彩色刺激 Y

n

u'

n

v'

n

で表される特定の白。

3.34

飽和色 (saturated colour)  輝度純度が 1 の色。

3.35

飽和度 (saturation)  ある面について,その明るさと比較して相対的に判断される色み  (CIE 

17.4

/IEC 50, 845-02-41)

参考  与えられた観測条件及び明所視の範囲以内の輝度レベルに対して,与えられた色度の色刺激の

飽和度は,非常に明るい場合を除いて,あらゆる輝度でほぼ一定である。

3.36

単純グラフィックス (simple graphics)  コンピュータで生成される,線,連続的な影及び写真のよ

うな表現を用いない塗りつぶし,又は少ないグレイスケールで構成されるグラフ,表,アイコン及び絵。

3.37

スペクトル軌跡 (spectrum locus)  スペクトルの単色光刺激を表現する色度図又は色空間内の点の

軌跡。

3.38

スペクトル的に極端な色  (spectrally extreme colours)  画面上での極端な青,及び極端な赤。極端な

青は,v'<0.2 の色のことを示し,極端な赤は,u!>0.4 のことを示す。極端な色の範囲を

図 に示す。


9

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

備考  塗りつぶされた部分が,ある CRT 上に生成される,スペクトル的

に極端な色である。

図 5  スペクトル的に極端な色

3.39

立体視 (stereopsis)  両眼視での,深み及び 3 次元空間の視知覚。

3.40

小視野第三色覚異常 (tritanopia, small field)  中心か(窩)を小さい視角(およそ 20 分又はそれ以

下)で刺激したときに,短波長(青と知覚される)の色弁別能力の減少。

参考  中性帯より長波長を赤と感じ,短波長を緑と感じ,青と黄を混同する(医学英和大辞典)。

3.41

三刺激値 (tristimulus values)  与えられた三色表色系において,対象とする色刺激と等色するための

3

個の原刺激の量  (CIE 17.4/IEC 50, 845-03-22)。

備考  2 種類の CIE 表色系では,三刺激値は記号 XY及び X

10

Y

10

Z

10

で表す。

3.42

  UCS

色度図 [uniform-chromaticity-scale (UCS) diagram]  図全体にわたって,等しい距離が等輝度

の色弁別の等ステップをできるだけ良い近似で表すことを意図して,その座標が定義されている 2 次元の

図  (CIE 17.4/IEC 50, 845-03-52)。

4.

指針とする原則  色は,画面上の情報の視覚的,認知的処理能力を高めることができるものとする。

参考  例えば,色は,位置決め,分類,及び画像からの連想(情報間の関係を示すなど)を助ける。

表示面像及びその背景への色の適用は,正しい知覚及び認識,並びに画像及び情報の解釈に役立つこと

が望ましい。色の使い方は,人間工学ガイドライン(

附属書 C)及び慣例と一致しているのが望ましい。

参考1.  色を誤って使うと,画面上に表示された情報の知覚力を低下させる。

2.

人間の視覚系で知覚できるすべての色をコンピュータディスプレイ面上に生成することは不

可能である(

図 6)。


10

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

図 6  CRT 上に生成できる色の例

CIE (1976)

色度図内に描かれている三角形は,人間が知覚できる色(網版部)に対する

CRT

で生成できる色の範囲を示す。

3.

色覚異常者にも適応する色を用いることは,色視認と色区別との両者が厳密であるコンピュ

ータアプリケーションにとって重要である。

参考  色相を知覚できない人は 0.1%以下である。しかし,日本人男性のおよそ 4〜5%及び日本人女性

の 0.2%は色覚異常者である

*

。最も多いのは,赤,黄,緑を区別できない色覚異常であり,そ

のほかでは,シアンと白,青と紫とを混同することが多い。色ごとの明るさの差が大きければ,

それらを混同することはなくなる。すなわち,黄が高輝度で,緑が中輝度で,赤が低輝度であ

れば,すべての使用者はそれらの違いを検知することができる。

*

白人男性では 8%,白人女性では 0.5%,黒人男性では 1〜2%とされている。

5.

視覚に関する作業性の目標  ディスプレイ画面に色を用いて情報を表示する目的は,利用者が情報を

把握する能力を高めることとする。色が容易に検知,識別及び弁別でき,配色が仕事に対して適切であれ

ば,この目標は達成する。色は美しくする目的で使われることがあるが,このための色選択が視覚性能及

び情報把握を阻害しないほうが望ましい。

面像の物理的特性(大きさなど)は,画像の色を識別,弁別する能力に影響を与えるので,ディスプレ

イ画面の画像及びそれらの背景色を選択する際には,色知覚に関する物理的特性の効果を分析及び考慮す

ることが望ましい。


11

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

意図に反する視覚効果を引き起こす色及び色の組合せは,使わないことが望ましい。

6.

設計上の要求事項及び推奨事項  2 色が弁別できるかどうかは,色度の差及び輝度の差による。

参考  6.に規定する色差計算の要求事項は,1976 年に CIE で定義された色空間に基づいている。CIE

色空間及び色差計算の更に詳しい情報は,3.及び

附属書 参照。

6.1

デフォルトカラーセット  アプリケーションが利用者に色を弁別又は識別することを要求するとき

には,アプリケーションは利用者にこの規格の要求事項を満足するデフォルトカラーセットを提供しなけ

ればならない。利用者がこの色を変更できる場合には,デフォルトカラーセットは検索・復元できなけれ

ばならない。

6.2

色の均一性  色が均一に見えるようにする場合には,画面上の異なる場所の色度の差を表 に示す

ようにしなければならない。

表 2  色の均一性

)

(

)

(

mm

VD

mm

D

最大

u'v'

0.75

未満 0.02

0.75

以上 0.03

D

:表示範囲の対角寸法

VD

:設計視距離

参考

E*uv

は隣接配置にだけ適用されるので,

E*uv

は色度の均一性を計算するのには使われな

い。

表 の二つの分類は,色が空間的に分かれている場合には,色を弁別する能力が低下する

ことに基づいている。

6.3

ミスコンバージェンス  カラーCRT ディスプレイの画面のどの位置でも,ミスコンバージェンス量

は設計視距離で 3.4 分の視角より大きくてはならない。好ましければ,2.3 分未満であることを望ましい。

参考1.  3本の電子ビームのコンバージェンスは,CRT 画像の見た目,質感,解像度の点で,一つの

大きな要因である。解像度は,英数字文字列を読むときに重要で,コンバージェンスは特に

大切である。

2.

もし電子ビームが集束しないのであれば(すなわち,ミスコンバージェンスする)

,画像の輪

郭にそって色のギザギザや二重画像が現れる原因となる。これらのギザギザは,画像の解像

度を減らすので,利用者の作業性が低下する。

3.

ミスコンバージェンスの小さい方の値(すなわち,2.3 分の視角)は,目立つ。しかし,見た

目に気が散るほどではない。

4.

使用者とディスプレイとの視距離が小さくなると,ミスコンバージェンスを検知しやすくな

る。赤色と緑色の電子ビームのミスコンバージェンスが,最も知覚できる電子ビームの組合

せである。

視角が 1〜2 分の線幅に対し,赤色と緑色のミスコンバージェンスは視角 0.5 分と同じくら

いの小ささでも,検知できる。青色と緑色の電子ビームのミスコンバージェンスは,最も検

知できないビームの組合せで,1.0 分以上の視角でかすかに検知できる。

6.4

文字の高さ及び対象物の大きさ

6.4.1

文字列とデータ領域  英数字文字列やデータ入力領域の正確な色識別が必要な場合,文字の高さは,

設計視距離で視角が少なくとも 20 分なければならない。


12

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

6.4.2

単独の画像  単独の画像(1 文字又は一つのシンボルなど)の正確な色識別が必要な場合には,画

像は,設計視距離で視角が少なくとも 30 分あることが望ましく,特に 45 分以上の視角であることが好ま

しい。

6.4.3

小さい画像  スペクトル的に極端な青色  (v'<0.2)  の使用は,視角が 2 度未満の画像には避けるこ

とが望ましい。

参考1.  カラーディスプレイは,文字と背景との間の輝度コントラストだけでなく全体のコントラス

トのいき(閾)値と,テキスト又はシンボルの見やすさ,読みやすさを改善する色コントラ

ストも作る。

2.

細い線から成るカラー画像には,特に発光ディスプレイ上で識別及び弁別するのが困難な場

合が多い。したがって, |

,

,

などの単一ストロークから成る文字及び (

などの単一記号の文字の色は,それらの文字が設計視距離で視角が少なくとも 30 分

(網膜上に正確な色識別を促すだけの十分な領域)でないと,正確に知覚されない。混同し

やすい色の対は,赤色とだいだい(橙)色,青色と紫色,緑色とシアン色のように可視スペ

クトル上で近接する色の対である。これらの色を組み合わせると,非常に明るくかつ白色と

黄色のように同じ明るさをもっている場合,特に弁別しにくい。

発光ディスプレイの白の背景の場合,これらの色の対は更に弁別しにくくなる。

6.5

色差  弁別されるための色の対は,△E*

uv

>20 でなければならない。

参考1.  見る人が色を正確に弁別しようとする場合,色の見え方については,隣接性と大きさによる

影響があるので,△E*

uv

の値が20よりかなり大きくても,必ずしも知覚できるわけではない。

2.

明度の差△L*,赤色と緑色の差△u',黄色と青色の差△v'といった指標は,異なった条件に対

し異なった知覚を予想させてしまう。例えば,大きく離れたカラー画像に対しては,実際の

L*は知覚される色差よりも大きい。小さい画像に対しては,△v'は△u'に比べて知覚される

色差より 5 倍も大きい。

3.

可視スペクトルの青色と緑色の領域の色から成る小さい画像は,小視野の第 3 色覚異常のた

め,識別及び弁別するのが非常に難しい。したがって,青色は視角が 2 度以上の大きい像へ

割り当て,2 度未満の小さい像への使用は避けることが最良である。

6.6

シンボルと文字の読みやすさのためのコントラスト  カラーディスプレイの画像の輝度コントラス

トは,JIS Z 8513 の 5.16 に準拠しなければならない。

備考  JIS Z 8513 の方法を適用するシンボルと文字の読みやすさのためのコントラストの測定方法は

7.2.7

を参照。

6.7

スペクトル的に極端な色

6.7.1

ネガティブ表示  読み取りが必要な作業では,ネガティブ表示のテキスト,英数字文字列,シンボ

ルに対して,暗い背景での青色  (v'<0.2)  は使用してはならない。

参考  暗い背景(特に CRT での黒色)での青色  (v'<0.2)  は,JIS Z 8513 の 5.16 で規定されている必

要な輝度コントラストを通常もたない。さらに,他の色がある場合,青色はときとして焦点が

合わないことがある。

暗い背景での赤色  (u'>0.4)  は,避けることが望ましく,スペクトル的に極端な青色  (v'<0.2)  背景で使

用してはならない。


13

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

6.7.2

ポジティブ表示  読み取りが必要な作業では,ポジティブ表示のテキスト,英数字文字列,シンボ

ルに対して,スペクトル的に極端な青色  (v'<0.2)  は,スペクトル的に極端な赤色  (u'>0.4)  背景で使用し

てはならない。

参考  スペクトル的に極端な色の視覚効果は,低い照度環境下(例えば,250lx 若しくはそれ未満)で

より顕著になる。

6.7.3

奥行きの効果  スペクトル的に極端な色は奥行き効果を作るので,連続的に見たり,読んだりする

画像に用いてはならない。

参考  奥行きの効果は,色み(明るさと主波長)の異なる二つの視対象が,見る人から異なった距離

にあるように見える現象である。

6.8

背景及び周囲の画像効果  色を弁別,識別できるようにするには,システム及びアプリケーション

は,有彩色の前景画像に無彩色の背景,又は有彩色の背景に無彩色の前景画像を使うのが望ましい。

参考1.  暗い無彩色の背景(黒色や暗い灰色など)は,発光ディスプレイ上で前景の可視性を最大に

する。

2.

無彩色の背景上での複数の色の見えは,CIE LUV 空間における色差に最も近い。

3.

有彩色の背景上の無彩色では,明るい灰色又は中程度の灰色よりも白や黒,暗い灰色の方が

そのままの色に見える。

細い画像(ノーマルフォントの英数字文字や線など)の中間無彩色(明るい灰色や中程度

の灰色)は,背景色が濁った色に見える。大きいフォントや太い線の場合は,同じ中間無彩

色で補色の濁った色に見える。

6.9

色の数

6.9.1

同時提示色  ディスプレイへ同時に提示される色の数は,作業性の要求に基づくことが望ましい。

一般的に,同時に提示される色の数は,最小限度にすることが望ましい。正確な識別のために,デフォル

トカラーセットは,11 色を超えない色の組で構成されることが望ましい。

6.9.2

色付きイメージに対しての視覚検索  色弁別に基づく速い視覚検索が必要である場合には,6 色を

超えない色を使うのが望ましい。

6.9.3

記憶による色解釈  色の組の中のそれぞれの色の意味付けを,記憶に頼るのであれば,6 色を超え

ない色を使うのが望ましい。6 色を超える色の組のそれぞれの色に意味があるアプリケーションは,各色

の意味付けが画面上又は画面以外のところですぐに分かるようにしなければならない。

7.

測定条件及び規定

7.1

測定条件  この規格に規定がない場合(例えば,視距離)には,JIS Z 8513 の試験方法の規定及び

要求事項を適用しなければならない。

7.1.1

供試装置  試験するディスプレイ装置は,実物を用意しなければならない。ディスプレイ装置は,

定められた測定方向に向ける。試験に先立ち,少なくとも 20 分間は通電する。入力電圧,電流などは定格

条件でなければならない。電源投入後,組込みの手動の消磁機能があれば,それを起動しなければならな

い。

供試装置に利用者向けのコンバージェンス調整機能があれば,調整を最適化することが望ましい。供試

装置に利用者向けのフォーカス調整機能があれば,フォーカスとコンバージェンスとの間に互いに影響が

あるので,調整を最適化することが望ましい。

前景又は背景のどちらか明るい方の輝度は,JIS Z 8513 の規定に適合させるために用いられた表示輝度


14

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

に等しくなければならない。この設定は,基準白色で 35cd/m

2

以上で,かつ,試験中変えてはならない。

X

η

L

n

Z

n

及びそれから求めた u'

η

v'

n

は,標準白色物体色の刺激を表す。基準白色については 3.33 を参照。

よく使われる基準白色の例を

表 に示す。

表 3  代表的な基準白色の座標

色温度

u'

η

'

η

5 600K

0.204

0.478

6 500K

0.198

0.468

9 300K

0.181

0.454

製造業者又は販売業者は,

7.2

で行われる測光的及び測色的測定での基準白色を指定しなければならない。

利用者による基準白色の選択ができるシステムでは,試験中一つの設定を用いなければならない。

7.1.2

照明条件  ディスプレイがこの規格の要求事項に合致していることを決定するためには,暗室条件

で測定した発光輝度に,計算で求めた反射輝度を算術的に加算しなければならない。

発光形ディスプレイでは,測光的及び測色的測定は,暗室条件で行う。測定中,水平支持面の照度は 5lx

を超えてはならない。

輝度係数測定に必要な照明光は,試験設備で与えるか,又は多重反射面をもつ厚い半透明の材料(ディ

スプレイの表示面)に対して使うことに適した,標準反射率測定装置から与える。入射光は,拡散光か,

又は 45 度入射光を用いなければならない。反射輝度レベルは,周囲光がディスプレイの中心で測定して

(250

+250cos

α

) lx

であるとした値に換算しなければならない。ここで,

α

はディスプレイ画面の中心の接

平面と水平面との成す角度。

備考  表示面傾斜角度

α

は JIS Z 8513 の 6.1.2 における

A

である。

図 に示す。

図 7  表示面傾斜角度

7.1.3

測定位置  5 か所の標準測定位置がある。


15

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

1

  ディスプレイの対角線上で,左上隅から対角線長の 10%の位置。

2

  ディスプレイの対角線上で,右上隅から対角線長の 10%の位置。

3

  ディスプレイの対角線上で,左下隅から対角線長の 10%の位置。

4

  ディスプレイの対角線上で,右上隅から対角線長の 10%の位置。

5

  表示面の中央。

図 8  測定位置

7.1.4

試験場所の状態  室温は 19℃から 27℃までの間でなければならない。相対湿度は,結露しないよ

う十分に低くなければならない。温度及び湿度は,記録する。

7.2

測定及び評価  輝度計又は色彩計の測定視野は,7.2.1 及び 7.2.6 では,少なくとも直径で 10 個の画

素分はあることが望ましい。測定の対象は,エッジ効果を避けるために,測定視野の直径の約 2 倍である

ことが望ましい。

7.2.1

反射率係数測定  反射率係数は 6.5 及び 6.6 の要求事項を評価するために必要とする(3.31 を参照)。

測定の手順は,次による。

1

  表示していない状態のディスプレイを,標準の光(例えば,D

65

又は F2)で照明する。

備考 F2 は CIE 15.2 を参照。

2

  反射輝度 Y

STEP2

及び色度座標 u'

R

v'

R

を記録する。

3

  同じ照度で,q

STD

が既知である標準反射板を表示面の中央とほぼ同一の位置に配置する。

4

  標準反射板からの反射輝度 Y

STEP4

を記録する。

5

  表示面の輝度係数を次の式によって求める。

4

2

4

2

STEP

STEP

STD

STEP

STEP

STD

Y

Y

Y

Y

q

q

π

ρ

ここで Y

STEP2

及び Y

STEP4

は,それぞれ手順 2 及び 4 で測定された輝度である。標準反射板は拡散反射率

ρ

で示されている場合がある。その場合には,右辺の式を使う(CIE 17.4/IEC 50, 845-04-62 に拡散反射率の

説明がある。


16

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

7.2.2

デフォルトカラーセットの評価  利用者にとって色を弁別又は識別する必要があるアプリケーシ

ョンであるかどうかを見極める。もしそうであれば,デフォルトカラーセットがあること,及びそのセッ

トの各々の色を表示できることを確認する。利用者によって色が変えられるのであれば,デフォルトカラ

ーセットを呼び出し,かつ,再設定できることを検証する。

7.2.3

色の均一性の測定  暗室条件で 5 か所の標準測定位置における各原色並びにそれぞれの 2 色混合及

び基準白色の u', v'を測定する。各色について,5 か所のうちすべての 2 か所間での△u'v'を計算し,その中

の最大値を求める。計算については,3.19 を参照。

7.2.4

ミスコンバージェンスの測定

7.2.4.1

試験装置  使用するミスコンバージェンスの測定装置は,白色のテストパターンから同時に赤,

緑,青の電子ビームの中心を決定できるものが望ましい。

参考  各ビームの位置を順次測定する試験装置は,隣接するビームによる空間電荷の影響がないこと

によって,ミスコンバージェンスが変化する。さらに,これらの装置は測定の正確さを減少さ

せるジッタとミスコンバージェンスを混同する。

7.2.4.2

測定手順  ミスコンバージェンスを正しく測定するために,電子ビームの三組のミスコンバージ

ェンス(すなわち,赤と青,赤と緑,青と緑)を,7.1.3 で定める 5 か所で測定する。三組の測定値で最大

の値を,その箇所のミスコンバージェンスとして記録する。15 個の測定値の最大値を,ミスコンバージェ

ンスとして報告する。

クロスハッチテストパターンは,7.1.3 に示す画面上の 5 か所に表示しなければならない。テストパター

ンは,

図 のように外側の画素が中央の画素の 0.5 倍の輝度をもつ,幅 3 画素の線で構成されることが望

ましい。もし,このパターンが表示できないときには,幅 1 画素の線のパターン,又は プラス   (+)  文

字を使うこともできる。

参考  この方法を使うことで,輝度不均一性モアレによる誤差が最小となる。また,三つのビームの

中央を見つけだすために使われる異なるアルゴリズムによって生じる違いも,最小となる。

図 9  輝度比試験パターン

5

か所の各測定位置(

図 8)での,各々の色の組(すなわち,赤と青,赤と緑,青と緑)のミスコンバー

ジェンスは,試験器具製造業者によって記された説明書に従って測定されることが望ましい。各ビームの

中央間距離(垂直距離と水平距離の二乗和の平方根,

図 10)は±0.05mm の精度で測定されることが望ま

しい。

結果として得られた値は,設計視距離において,

表 の要求事項と比較する。


17

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

図 10  二乗和の平方根の意味

もしディスプレイが±10%の範囲内で要求事項を満たさない値を示すときは,最初の適合しなかった位

置から,2 画素以上,1 文字分以内の場所で再度測定する。4 回の再測定を行い,結果の値を平均する。

表 4  ミスコンバージェンスの要求事項

単位  mm

最大ミスコンバージェンス(二乗和の平方根)

設計視距離

推奨値

要求値

400 0.27

0.40

450 0.30

0.45

500 0.33

0.49

550 0.37

0.54

600 0.40

0.59

650 0.43

0.64

700 0.47

0.69

750 0.50

0.74

800 0.54

0.79

参考1.  ミスコンバージェンスを定めるために使う方法には幾つかある。しかし,測定技術として国

際的に同意されたものはない。さらに,測定をする上で,幾つかの技術的問題がある。

2.

問題の一つは,発光している蛍光体ドットパターンが,識別できる中心をもたないことであ

る。したがって,測定器具が,蛍光体の発光中心を定めることとなる。

3.

ある種の測定装置では,サンプリングした測定値に対し,ある近似曲線を当てはめる。その

曲線は,スプライン関数や最適ガウシアン関数であったりする。ビームの中心は,この近似

された曲線の最大値である。他の測定装置では,ビームの輝度重心を求めるか,又はプリズ

ムをもつ光学器具を用いている。ミスコンバージェンスした画素は,その器具を通して観察

され,画像が完全に一致するまで調整され,その調整量をミスコンバージェンスとする。

7.2.5

文字の高さ及び対象物の大きさの測定  表 によって,画像の大きさが適正であることを評価する。

備考  文字の高さは,要求事項とする。他の二つは推奨とする。


18

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

表 5  多色対象物の大きさ

最小寸法

特記事項

視角

視距離との関

備考  VD は,製造業者によって特定された設

計視距離。3.25 を参照。

文字列及びデ ータ領
域文字の高さ

20'

VD/172

アプリケーションが,英数字の文字列及びデータ入
力領域に対して正確な色の識別を要求する場合。

単独の画像 45'

VD/76

アプリケーションが,単独の画像に対して色の識別を
要求する場合(例えば,1 文字又は一つのシンボル)

小さい画像

      2

°

VD/29

アプリケーションがスペクトルの端の青  (v'<0.2) 
の画像を使用する場合。

7.2.6

色差測定  各々のデフォルトカラーの Y,  u',  v'及び輝度係数 を,画面中央で測定する。基準白色

がデフォルトカラーでないときには,Y

n'

u'

n'

v'

n'

も測定する。これらの測定によって,すべてのデフォルト

カラーの明度指数 L*及び色度  (u*, v*)  を計算する。照明の反射の影響も含める。すべてのデフォルトカラ

ー間の色差△E*

uv

を計算する。

測定の手順は次による。

測定する各々の色彩の表示物は画面の中央に表示し,色彩計のアパーチャーより大きくする。

附属書 A

の作業例を参照のこと。

1.

暗室で,各々のデフォルトカラーの色座標 Yn', v'を測定する。基準白色がデフォルトカラーでない

ときには,同様に測定する。

2.

各々のデフォルトカラー(基準白色がデフォルトカラーでない場合には,白も)の Yu', v'の結果か

ら,色座標を修正する。

3.

各々のデフォルトカラーの L*, u*, v*を計算する(計算の詳細は,3.11 を参照)

4.

デフォルトカラー( D

色)のすべての組合せ,すなわち,D (D

1) /2

E*

uv

を計算する。3.12 

参照。

5.

E*

uv

の中に,20 未満のものがないことを確認する。

上記の手順 2.での色座標の修正には次の式を用いる。

Y

R

q× [250+250cos (

α

)] cd/m

2

ここで,qu'

R

及び v'

R

は,7.2.1 によって求められる。

α

は,対象の画面の表示面傾斜角度とする。

Y

illuminated

YY

R

R

R

R

R

R

R

R

R

R

Y

v

Yv

v

v

Y

Y

v

Y

v

Yv

Y

u

v

v

Yu

u

'

'

'

'

)

(

'

'

'

'

'

'

'

'

d

illuminate

d

illuminate

7.2.7

シンボル及び文字の見やすさのためのコントラスト測定  コントラスト変調度が 0.5 を超えている

こと,すなわち,コントラスト比が 3 を超えていることを確認する(3.30 を参照)

。適用できる場合には,

この測定に JIS Z 8513 の 6.2.1.2 を使用する。

備考  上記の JIS Z 8513 の 6.2.1.2 にあるコントラスト比の測定方法を用いる場合には,正しい結果を

得るために次の条件のどちらかを適用する。

a)

高い輝度と低い輝度との両方(L

H

と L

L

)が,ほぼ同じ色度。

b)

高い輝度,低い輝度のどちらかが,反射輝度。


19

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

7.2.8

スペクトル的に極端な色の使用の評価  アプリケーションが,スペクトル的に極端な色の使用方法

に適合していることを調査する。6.7.1

6.7.2 及び 6.7.3 参照。

7.2.9

背景及び周囲の画像効果  アプリケーションが,6.8 の推奨事項と一致していることを調査する。

7.2.10

色の数の評価  アプリケーションが,6.9.1 及び 6.9.2 の推奨事項と一致していることを調査する。

アプリケーションが,6 色を超える色の意味付けを記憶に頼るのであれば,画面上又は画面以外のところ

で,各色の意味付けがすぐに分かるようになっていることを確認する。

8.

適合

8.1

この規格への適合性は,次のいずれかによって達せられる。

a)

7.

を用いて,6.のすべてを満たす。

b)

この規格の修正案 (amendment) に規定された試験方法及び関係する必す(須)要求事項を用いて,肯

定的な結果を得る。

参考1.  試験方法の案文を附属書 に示す。

参考  この方法は,現在未実証の段階であり,実証後追補(規定)として発行する。それまでは

a)

による適合だけが有効である。

2.

試験方法は,CRT 以外の VDT のように 6.  を完全には適用できない VDT 評価のためのもの

である。

必す(須)要求事項は,6.  において文章の末尾が指示又は要求を表す語句(例えば, しなければ

ならない , なければならない )で表現されている。

適合は,例えば,使用する文字集合,表示色,装置構成,システムオプション,操作者の設定など

については既定値を用いて判定しなければならない。

この規格への適合は,ハードウェア,ソフトウェアの特色及び作業設備それぞれの構成要素に依存

し,これらの要素の個々の適合は,製造業者又は販売業者が示さなければならない。また,組み合わ

せて使用する場合の適合については,組み合わせて使用する側が責任をもたなければならない。

8.2

適合証明書には,少なくとも次の情報を含まなければならない。

a)

製造業者又は販売業者の詳細(名称,所在地,形式番号など)

b)

試験に関連する機器の全詳細(設置,設定及び構成状況,機器の特性,試験条件及び試験結果)

c)

使用条件

d)

特殊要求事項

e)

8.1 b)

の適合方法を採用する場合(利用可能になった後)には,被験者の選定に用いた判断基準及びそ

れらの関連特性の全詳細


20

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

附属書 A(参考)  色差の計算

A.1

  CIE LUV

色空間  一対の色が弁別できるかどうかは,色度と輝度との両者の違いに依存する。この附

属書での色差の計算に関する要求事項は,CIE 1976 L*u*v(CIE LUV)  色空間(3.103.113.12 を参照)に

基づいている。この色空間は 3 次元空間であり,色座標値  (L*,  u*,  v*)  を直交座標にプロットすることに

よって作られる,おおむね均等に表示される空間である。この色空間モデルは,空間における色の位置の

差に重みを付けることによって導かれている。

この色空間において,L*(明度)は各色の輝度と基準白色の輝度とによって決まる。

u*と v*とによっ

て描かれる)クロマ平面は明度  (L*)  軸に直交する。基準白色からイメージ色までの距離は,目標とする

対象物のクロマと呼ばれる。一対のイメージ色が u

*

軸に沿って離れている場合には,それらの差は主に赤

−  緑となる。一方,それらが v*軸に沿って離れている場合には,それらの差は主に黄−青となる。

CIE LUV

は,三刺激値  (XYZ)  から,ディスプレイ上の心理物理的効果を予測できるほど正確な線形

モデルではない。CIE LUV のいき値は,いき値を超えているので異なって見えるであろう色の組と,いき

値を超えていないので知覚的に混同するであろう色の組とを区別しているだけである。この色差の計算に

おいて CIE LUV は十分に線形ではないので,いき値の 2 倍の色の差が,いき値に近い色の差よりもはる

かに良く見えるとは限らない。両方の色の組は,どちらも弁別できると予想しているだけである。

二つの色刺激間の知覚的な差を表そうと試みている色差パラメータは,△E*

uv

である(3.12 参照)

。この

パラメータは,コンピュータディスプレイ上の刺激の分析において適切でない場合がある。なぜならば,

色差パラメータが基づいている科学は,大きな視覚目標を想定しているからである(

表 A.1 参照)。

備考  元来の CIE 表色系が基づいている実験条件を表 A.1 に示す。

表 A.1  CIE 測色試験条件

項目

色差の大きさ

1

〜10 単位

視野の大きさ

4

°以上

周辺の特徴

一様

周辺の輝度 100cd/m

2

〜1 000cd/m

2

周辺の色度

CIE

昼光で相関色温度 5 500K〜7 500K

試料の輝度

周辺輝度の 5%〜500%

境界線の幅

できるだけ 0 に近いこと

観測者

許容度を考えずに知覚的に判断すること

原則として,CIE LUV 色空間は,2 度−CIE 1931 標準観測者にも,10 度−CIE 1964(補助)標準観測

者のどちらでも適用できる。この規格に用いる表色糸(CIE XYZ 表色素)は,中心視野角が約 1 度と約 4

度(0.017 と 0.07 ラジアン)との間の視角に対して適用される。CIE 17.4845-03-28IEC 50 (845)  を参照

せよ。測定においては,試験対象が色彩計のアパーチャーより大きいこと(通常は 2 倍)が重要である。1

度より小さい対象物(単一文字,線,記号のような)に結果を適用することは,条件によっては間違いを

招くことがある。

E*

uv

は,視覚表示装置に適用する場合には,次のような多くの制限がある。

1.

コンピュータディスプレイに表示される視覚上の目標とする対象物は,通常その大きさは視角にし

て 10 分から 5 度又はそれ以上変化する。小さい目標では,黄−青軸の感度  (△v')  は赤−緑軸の感

度  (△u')  の 1/5 程度まで低下する。大きい目標では,△v'は,△u'に比較して高くなる。


21

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

2.

白色点については明確には分かっていない。例えば,Y

n

は利用者によって調節可能であり,かつ,

画面の照度及び照明の相関色温度に加えて,観視角の変化に伴って変わる画面の反射特性によって

影響を受ける。

3.

JIS Z 8513

で 1.7 対 1 までの不均一性を許容しているように,すべてのディスプレイ技術は,その

ような低空間周波数の輝度の不均一性がある。極端な低空間周波数においては視覚チャネルの感度

が低下するために,画面上の中心から周辺への緩やかな輝度変化は知覚されない。△E*

uv

、は,遠

く離れた視覚上の目標を対象としていなかったので,このような状況においての知覚上のよいモデ

ルというわけではない。

しかしながら,視覚系が輝度の不均一性に寛容であること,及び CRT の輝度の不均一性は眼の感

度対空間周波数の関係にうまく適応しているので,△E*

uv

を利用することができるはずである。

4.

CIE LUV

空間は,色の知覚に影響を与え得るすべての要因を含んでいるというわけではないので,

どの程度の大きさの差が必要かということを明確に定義することはできない。20△E*

uv

の要求は,

色弁別可能な論理的な証を推定し,提供している視覚の心理物理学に基づいている。

5.

CIE LUV

は,明滅している目標,又は短時間提示の目標に対しては有効でない。

A.2

計算実施例  二つの色刺激間の CIE LUV 色差を計算するためには,色度座標,それらの色の三刺激

値,及び白色点が必要である。室内照明の影響を考慮しなければならない。

表 A.2 のデータは,あるディスプレイから得られたものである。その反射率は(積分球か又は同等の)

拡散照明下で測定,そして色は暗室下で測定され,その結果として次に示すようなデータを得た。

表 A.2  三刺激値と色度値

三刺激値 1931 色度座標 1976UCS 色度座標

色名

X

Y

Z

x

y

u'

v'

だいだい−赤

54.18 41.50 30.61 0.429 0.329 0.282 0.486

69.85 78.20 25.04 0.404 0.452 0.212 0.534

49.04 74.80 13.25 0.358 0.546 0.162 0.556

薄青

56.69 62.70 97.06 0.262 0.290 0.176 0.438

37.18 31.40 91.55 0.232 0.196 0.190 0.361

紫み赤

56.87 27.40 89.42 0.327 0.158 0.309 0.335

基準白色

76.15 80.00 87.44 0.313 0.328 0.198 0.468

反射光源

9.60 10.00

9.56 0.329 0.343 0.204 0.478

7.2.6

に示す修正式によって,次の値を得る。

表 A.3  照明条件下への修正

三刺激値 1976UCS 色度座標

色名

X

illuminated

Y

illuminated

Z

illuminated

u'

illuminated

v'

illuminated

だいだい−赤 63.78  51.50

40.17  0.267  0.484

79.45  88.20

34.60 0.211  0.527

緑 58.64

84.80

22.81

0.168

0.546

薄青 66.29

72.70

106.62

0.180

0.443

紫 46.78

41.40

101.11

0.193

0.384

紫み赤 66.47

37.40

98.98

0.288

0.364

基準白色 85.75

90.00

97.00

0.199

0.469

備考  それぞれの色における X

illuminated

Y

illuminated

Z

illuminated

は,暗室条件下で測定

された各色の Xyに,反射光から得られた Xyを加算したものであ

る。


22

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

この点において,式(1)によって L

*

u

*

v

*

を計算する。

856

008

.

0

16

116

3

1

*

n

n

Y

Y

Y

Y

L

÷÷ø

ö

ççè

æ

  (1)

u

*

=13L

*

 (u'

u'

n

)

v

*

=13L

*

 (v'

v'

n

)

その結果計算された色座標を

表 A.4 に示す。

表 A.4  CIE LUV 座標

色名

L

*

u

*

V

*

だいだい−赤 80.30

70.99

16.02

黄 99.22

15.93

74.70

緑 97.72

−39.36

97.08

薄青 92.03

−22.82

−31.10

紫 73.55

−5.69

−81.65

紫み赤 70.56

81.63

−96.29

基準白色 100.00

0.00

0.00

7.2.6

の手順 4.に示す値を決定し,ここでは 7 (7−1) /2=21 通りの CIE LUV 色差の計算を式(2)によって

行う。

[

]

2

1

2

*

2

*

2

*

*

)

(

)

(

)

(

E

v

u

L

uv

Δ

Δ

Δ

Δ

 (2)

その結果を,

表 A.5 に示す。

表 A.5  CIE LUV 色差

色名

薄青

紫み赤

基準白色

だいだい−赤 82.67

138.03

105.63

124.36

113.23

75.39

黄 59.66

112.90

159.92

185.41

76.39

緑 129.36

183.48

229.71

104.78

薄青 56.49

124.98

39.38

紫 88.58

86.02

紫み赤 129.62


23

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

附属書 B(参考)  視覚に関する作業性試験の現状

JIS Z 8518

におけるもう一つの適合方法[必す(須)要求事項を満たしていなくても適合性を証明でき

る作業性試験による方法]の開発を目指した作業が進んでいる。この試験は,多色ディスプレイの視認性

の問題も網羅することを想定している。色に関する特有の問題を取り扱うための拡張が,将来計画されて

いる。


24

Z 8518 : 1998 (ISO 9241-8 : 1997)

附属書 C(参考)  参考文献

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JIS Z 8518

(人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−表示色の要求事項)原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

福  住  伸  一

日本電気株式会社

(幹事)

中  野  義  彦

沖電気工業株式会社

宮  崎  正  浩

工業技術院標準部

梅  津  直  明

株式会社東芝

窪  田      悟

成蹊大学

高  橋      誠

大阪府立大学

田  中  典  朗

三菱電機株式会社

中  込  常  雄

中込技術士事務所

畑  田  豊  彦

東京工芸大学

馬  場  護  郎

村上色彩技術研究所

林      喜  男

武蔵工業大学

廣  田  和  夫

株式会社日立製作所

堀  野  定  雄

神奈川大学

松  本  啓  太

富士通株式会社

吉  武  良  治

日本アイ・ビー・エム株式会社

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会

(事務局)

森      みどり

日本人間工学会(神奈川大学)