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Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本人間工学会(JES)/財団法人日本規格協

会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審

議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 9241-6:1999,

Ergonomic requirements

for office work with visual display terminals (VDTs)

−Part 6: Guidance on the work environment を基礎として用

いた。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS Z 8516

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)照明

附属書 B(参考)音の測定及び評価手法

附属書 C(参考)全身振動の測定,評価及び判定

附属書 D(参考)温熱環境


Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  定義

2

4.

  指針の一般的原則

4

5.

  自然光及び人工照明に関する指針

5

5.1

  一般

5

5.2

  基本事項

5

5.3

  作業空間の輝度分布

6

5.4

  グレアの制限

6

6.

  音及び騒音に関する指針

7

6.1

  基本事項

7

6.2

  騒音の影響の低減

8

7.

  機械的振動に関する指針

8

7.1

  基本事項

8

7.2

  機械的振動による影響の低減

8

8.

  電磁界及び静電気に関する指針

9

8.1

  基本事項

9

8.2

  環境からの影響回避

10

9.

  温熱環境に関する指針

11

9.1

  基本事項

11

9.2

  温熱的快適感の関連パラメータ

12

10.

  空間構成及び作業場のレイアウトに関する指針

13

附属書 A(参考)照明

14

附属書 B(参考)音の測定及び評価手法

22

附属書 C(参考)全身振動の測定,評価及び判定

26

附属書 D(参考)温熱環境

27

参考文献

29

 


日本工業規格

JIS

 Z

8516

:2007

(ISO 9241-6

:1999

)

人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−

作業環境に関する指針

Ergonomics

Office work with visual display terminals (VDTs)

Guidance on the work environment

序文  この規格は,1999 年に第 1 版として発行された ISO 9241-6,Ergonomic requirements for office work

with visual display terminals (VDTs)

−Part 6: Guidance on the work environment を翻訳し,技術的内容及び規格

票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考は,原国際規格にはない事項である。

この規格は,JIS Z 8511(人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−通則)で規定する表示装置

(VDTs)を備えた,JIS Z 8501 で定義する作業システムに適用する。VDT を用いるオフィス作業は,種々

の作業環境で実行できる。作業環境は,ユーザーの快適性及び能率の両方に影響を及ぼす可能性がある。

さらに,作業環境は,VDT 及びその関連装置(例えば,プリンタ,コンピュータ)の特性によって影響さ

れる場合がある。

この規格は,ユーザーの快適性及び能率を向上する環境条件を決定するための指針を提供するために作

成した。ユーザーと作業環境との間の相互作用を高めるためには,良好なバランスが必要な場合がある。

このため,この規格は,一般目標としての指針の原則,各項目(例えば,照明,騒音)に対する基本的な

要件を提供し,与えられた作業環境下で統合的に解決する(例えば,所定の仕事及び所定の環境において

音響環境を調整する。

)ための指針を提供する。

1.

適用範囲  この規格は,照明,騒音及び機械的振動の影響,電磁界及び静電気,熱的環境,空間の構

成並びに作業場の配置を考慮し,作業環境及びワークステーションの人間工学的設計の基本原則に関する

指針について規定する。

この規格は,オフィス作業に表示装置(以下,VDT という。

)を使用する作業システムにおける作業環

境及びワークステーションに適用する。ただし,この規格は,作業環境に関係する装置・機器の技術的特

性を規定しない。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 9241-6:1999

,Ergonomic requirements for office work with display terminals (VDTs)−Part 6:

Guidance on the work environment (IDT)


2

Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格

の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年又は発行年を付記してい

ない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7761-3:2007

  手腕系振動−第 3 部:測定及び評価に関する一般要求事項

備考  ISO 5349-1:2001,Mechanical vibration−Measurement and evaluation of human exposure to

hand-transmitted vibration

−Part 1: General requirements が,この規格と一致している。

JIS C 61000-4-2

  電磁両立性−第 4 部:試験及び測定技術−第 2 節:静電気放電イミュニティ試験

備考  IEC 61000-4-2:1995,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4: Testing and measurement

techniques

−Section 2: Electrostatic discharge immunity test が,この規格と一致している。

JIS C 61000-4-8

  電磁両立性−第 4 部:試験及び測定技術−第 8 節:電源周波数磁界イミュニティ試

備考  IEC 61000-4-8:1993,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4: Testing and measurement

techniques

−Section 8: Power frequency magnetic field immunity test からの引用事項は,この規格

の該当事項と同等である。

JIS Z 8501:2007

  人間工学−作業システム設計の原則

備考  ISO 6385:2004,Ergonomic principles in the design of work systems が,この規格と一致している。

JIS Z 8513:1994

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−視覚表示装置の要求事項

備考  ISO 9241-3:1992,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−

Part 3: Visual display requirements

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS Z 8517:1999

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−画面反射に関する表示装置の要求

事項

備考  ISO 9241-7:1998,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−

Part 7: Requirements for display with reflections

が,この規格と一致している。

ISO 1996-1:2003

Acoustics

−Description,measurement and assessment of environmental noise−Part 1: Basic

quantities and assessment procedures

ISO 2631-1:1997

,Mechanical vibration and shock−Evaluation of human exposure to whole-body vibration−

Part 1: General requirements

ISO 7730:1994

, Moderate thermal environments − Determination of the PMV and PPD indices and

specification of the conditions for thermal comfort

ISO 8995:1989

,Principles of visual ergonomics−The lighting of indoor work systems

ISO 9612

,Acoustics−Guidelines for the measurement and assessment of exposure to noise in a working

environment

ISO 11690-1:1996

,Acoustics−Recommended practice for the design of low-noise workplaces containing

machinery

−Part 1: Noise control strategies

ISO 11690-2:1996

,Acoustics−Recommended practice for the design of low-noise workplaces containing

machinery

−Part 2: Noise control measures

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8501ISO 1996-1 及び ISO 11690-1 によるほか,次

による。


3

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:2007 (ISO 9241-6:1999)

3.1

順応 (adaptation,visual)  種々の輝度,分光分布及び視角をもつ刺激に,事前及びそのときにさらさ

れることによって,視覚系の状態が変化する過程[IEC 60050 (845):1987,IEC 845-02-07 参照]。

3.2

衣服の断熱性 (clothing insulation)  身体からの乾燥熱損失(対流,放射,伝導)に対する衣服全体の

抵抗。

参考  この用語の定義は,ISO 9920:1995 を基にしている。

3.3

演色性 (colour rendering)  照明光で照明した物体の色の見え方に及ぼす効果。その効果は,意識的又

は無意識的にある基準光と比較される[IEC 60050 (845):1987,IEC 845-02-59 参照]

3.4

平均演色評価数  R

a

 (colour rendering index R

a

)

  規定された 8 種類の試験色に対する CIE 1974 特殊演

色評価数の平均値[IEC 60050 (845):1987,IEC 845-02-63 参照]

3.5

色温度 (colour temperature)  与えられた刺激と色度とが等しい放射を発する黒体の温度[IEC 60050 

(845):1987

IEC 845-03-49 参照]

3.6

気流に関する不満足率 (draught rating)  気流に悩まされることが予測される人の割合(百分率)

ISO 7730:1994 参照]

3.7

フリッカ (flicker)  輝度又は分光分布が時間的に揺らぐ光刺激によって誘導される,視感覚の不安定

な現象[IEC 60050 (845):1987,IEC 845-02-49 参照]

3.8

全般照明 (general lighting)  特別な局所の要求を満たすのではなく,部屋全体を均一に照らすように

設計した照明[IEC 60050 (845):1987,IEC 845-09-06 参照]

参考  全般照明とは,部屋のどの場所においても,ほぼ同じ視覚条件を得ることができる照明と考え

られる。

3.9

グレア (glare)  視野内の輝度の分布,又はその値の不適切若しくは極端な対比があることによって,

不快又は細かいもの若しくは対象物を見る能力の低下を生じる視覚の状態[IEC 60050 (845):1987,IEC 

845-02-52

参照]。

3.10

反射グレア  (glare by reflection)  (光源など,輝度が高い物体の)反射像が,特に視対象と同じ方向

であることによって生じるグレア[IEC 60050 (845):1987,IEC 845-02-54 参照]

3.11

照度 (illuminance)  (表面上のある点において,)その点を含む表面のある領域に入射する光束(d

Φ

v)

を,その領域の面積(dA)で除したときに求められる商[IEC 60050 (845):1987,IEC 845-01-33 参照]

3.12

局所的全般照明 (lighting,localized)  ある特定の位置,例えば,作業を行う場所などで,ある領域を

(その周囲に対して)より高照度にするように設計された全般照明[IEC 60050 (845):1987,IEC 845-09-08

参照]

3.13

輝度バランス (luminance balance)  表示された画像の輝度とその隣接した周囲又は連続的に目視さ

れる表面の輝度との比率。

参考  この用語の定義は,IEC 60050 (845):1987,IEC 845-01-35 で規定されている“輝度”の定義を

基にしている。

3.14

平均放射温度  (mean radiant temperature)  人体からの放射熱伝達が実際の非均一エンクロージャにお

ける放射熱伝達と等しい仮想エンクロージャの均一温度(ISO 7726:1998 参照)

3.15

作用温度 (operative temperature)  占有物が放射及び対流によって,自然の非均一環境と同じ熱量を交

換する放射性の黒色エンクロージャの均一温度。

参考  この用語の定義は,ISO 7726:1998 を基にしている。

3.16

予測平均申告,PMV (predicted mean vote,PMV)  大集団における,7 段階の熱感覚尺度を用いて計

測した 7 段階尺度値の平均値を予測する指標(ISO 7730:1994 参照)


4

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3.17

予測不満足率,PPD (predicted percentage of dissatisfied,PPD)  大集団における,熱環境に不満足な人

の割合を予測する指標。

この用語の定義は,ISO 7730:1994 を基にしている。

3.18

放射熱の非対称性 (radiant temperature asymmetry)  小さな平面領域の向かい合う面における平面放

射温度の差(ISO 7726:1998 参照)

3.19

評価騒音レベル,LAR (rating level,LAR)  ある時間範囲の等価騒音レベルに,純音性及び衝撃性に

対する補正を加えた値。

備考  純音性に対する補正 DL

T

は,主観的評価に従って 0.5 dB とする。また,衝撃性に対する補正

DL

1

は,DL

1

=L

LAeq

L

Aeq

>2 dB の場合に行う。純音性及び衝撃性に対する補正は,ISO 11690-1

による。

3.20

相対湿度 (relative humidity)  湿潤空気中の部分的な水蒸気圧と,同じ温度及び同じ全体圧における

水蒸気飽和圧との比(ISO 7726:1998 参照)

3.21

残響 (reverberation)  音源を停止した後で密閉空間に持続して残る音。これは部屋の境界表面からの

音反射の結果として起こる。

3.22

乱流強度 (turbulence intensity)  局所的な気速の標準偏差と局所的な平均気速との比(ISO 7730:1994

参照)

3.23

作業場 (workplace)  仕事をするための一人分のワークステーションの装備された場(JIS Z 8515 

照)

3.24

ワークステーション (workstation)  中央処理装置の有無は問わず,ディスプレイ装置を構成する集合

体。キーボード,入力装置,操作者と機械とのインタフェイスを決定するソフトウェア,オプションの附

属品,周辺の装置及び作業環境を含む(JIS Z 8515 参照)

4.

指針の一般的原則  ワークステーション,作業装置及び作業環境の設計に関する人間工学的特性を改

善することは,ユーザーの能率改善並びに誤り及び不便性の低減によって,ユーザーが総合的に満足のい

く状態とすることに役立つ。作業環境の設計には,各個人が環境条件を適切に調整する手段を組み込むこ

とが望ましい。

装置の特性に及ぼす環境要因からの干渉は,可能な限り低く抑える状態を維持することが望ましい。ま

た,作業環境に及ぼす装置の不要な影響は,最小限に抑えることが望ましい。

備考  ここで使用している“干渉”とは,ある機器の機能が特定の環境要因からの影響によって損な

われることを意味する。

作業装置及び作業環境の特性については,次の各項目で規定する。

−  自然光及び人工照明

−  音及び騒音

−  機械的振動

−  電磁界及び静電気

−  温熱環境

−  空間の構成及び作業場の配置

備考  この規格では,装置及び環境から発生する電磁波放射によって起こる可能性のある健康への影

響については,扱わない。


5

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5.

自然光及び人工照明に関する指針

5.1

一般  一般の VDT を用いた視覚作業は,従来形のオフィス作業における視覚作業と三つの点で大き

く異なる。

−  主な視覚対象,すなわち表示面がほぼ鉛直である。

−  主な視覚対象は,環境に影響される可能性が高い(例えば,周囲の光によって起こる反射,コントラ

ストの低下及び色情報の損失がある。

−  視線が高くなると,視覚環境の特性に対する配慮の重要性が増す。

5.2

基本事項

5.2.1

視覚作業  VDT を用いて行うオフィスにおける視覚作業では,基本的に,次の 2 種類を区別して

扱うとよい。

a)

表示画面に提示されるデータを扱う作業(例えば,VDT 画面上のテキストを読み取る,図表を眺める,

工程を見る又は図記号類を知覚及び区別する。

b)

印刷などによって提示されるデータを扱う作業(例えば,用紙に印刷されたテキストを読み取る,図

表を眺める,又はキーボード上の図記号類を知覚及び区別する。

このように,個別に考慮されるべき種類の異なる視覚作業は,種々のユーザーの要求を満たすような照

明が必要なことを示している。照明システムは,表示画面及び印刷物などに対するユーザーの要求に一致

するように,十分な柔軟性をもつことが望ましい。

参考  a)は主に自発光形の視対象を用いる視覚作業,b)は主に反射形の視対象を用いる視覚作業であ

る。

ユーザーの視覚が不十分又は作業に対して適切に矯正されていない場合,正しい照明であっても補償で

きない場合がある。

5.2.2

基本的な設計目標  照明設備は,所定の機能を十分に満たすように設計し,作業環境と適合してい

ることが望ましい。これに関連する要素は,次による。

−  作業室内における,輝度及びコントラストの望ましい分布

−  水平面及び鉛直面の照度

−  水平面と鉛直面との照度比

さらに,次の項目について配慮する。

−  多くの作業環境の照明を,自然光及び人工照明の組合せによって作る。

−  窓は,次の二つの機能をもつ。

−  外を見ることができる。

−  室内を適度な輝度レベルにする。

−  人工照明の品質基準は,ISO 8995:1989 の序文に記載されており,これには次の視覚人間工学上の目的

が含まれる。

−  作業過程において使用される視覚情報の知覚を最適化する。

−  作業性を適切なレベルに維持する。

−  最大限の安全性を保障する。

−  許容できる視覚快適性を提供する。

−  結果として得られる品質は,制御できない昼光によって影響される場合がある。

多くの状況において,作業組織又はユーザーの要求によって,ワークステーション及び作業装置の設置

変更が発生する場合がある。適切に設計された照明システムでは,ワークステーションの配置,装置及び


6

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:2007 (ISO 9241-6:1999)

作業空間の配置が頻繁に変更されることが考慮されている。

5.3

作業空間の輝度分布  視野内の輝度分布を,次の項目を考慮して選択することが望ましい。

−  視覚条件の改善

−  グレアの回避

−  関連する作業対象物の知覚

−  顔など三次元の対象物のモデリングの改善

−  輝度分布のバランスの適切性

−  視覚によるコミュニケーションの改善

−  安全性が損なわれない作業性

受入れ可能な視覚条件を確保するには,精神物理学上の理由からも,視野内の輝度分布のバランスを取

ることが有効である。

照明に関する更に詳細な情報は,照明の種類を選択するための指針(A.8 参照)と併せて,

附属書 

記載する。

5.4

グレアの制限  作業装置及び作業環境の適切な設計並びに設置によって,グレアを回避することが

望ましい。グレアは,次の 2 種類がある。

−  直接グレア

−  反射グレア

直接グレアとは,照明器具及びその他の発光表面(例えば,ランプ,照らされている天井,天空,反射

しているガラス面をもつ隣接の建物のような障害物)から発生するグレア(ISO 8995:1989 参照)を指す。

グレアは,視野内の輝度差と視線の移動による輝度差とが著しく大きいことによって起こる。これは,大

きな部屋の広い天井及び壁,並びに直近及び周辺にある物の両方に関係する。悪影響の程度は,視野内の

妨害となる物の見掛けの大きさ,輝度,位置及び目の順応状態に依存する。

反射グレアとは,反射光によって起こるグレアのことである(ISO 8995:1989 参照)

。これは,もとの対

象物の明りょう(瞭)な像を生じる鏡面反射,又は輝度の高い拡散反射が原因で起こる場合がある。反射

グレアは,作業性及び快適性の両方に悪影響を与える場合がある。反射画像によって,表示画面上又はそ

の他の視対象上の表示が見えにくくなると作業性が悪影響を受ける場合がある。さらに,画像のコントラ

ストは,可読性又は可視性を損なうまで低下する場合がある。快適性は,反射画像による輝度のアンバラ

ンスによって直接的に,又は見えにくさによって間接的に,影響を受ける場合がある。

反射グレアを回避するには,所定の作業及び環境に適する反射防止処理を施したディスプレイを使用す

ることが望ましい(JIS Z 8517 参照)

JIS Z 8517

では,VDT を三つのクラスで規定している。クラスⅠの VDT は,一般的なオフィス用途に

適する。クラスⅡの VDT は,すべてではないが,ほとんどのオフィス環境に適する。

クラスⅢの VDT は,特別に制御された光環境を必要とする。受入れ可能な視覚条件を達成するために

は,使用するディスプレイのクラスに従って視環境を制御するか,又は視環境を考慮に入れて適切なクラ

スのディスプレイを選択することが望ましい。

グレアを制限するための手法は,A.3 に記載する。

作業装置又は作業環境の特性が異なるため,特定のワークステーションに適用する適切な手法は,異な

る場合がある。

グレアを制限するために選択した手法は,快適な姿勢を取れるようにするものであることが望ましい。

これは,グレアを制限する手法が,ユーザーの姿勢を拘束しないようにすることを意味する。


7

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:2007 (ISO 9241-6:1999)

窓に関しては,窓からのグレアを制限するための適切な手段を講じることが望ましい。その手段として

は,ユーザーが制御でき,外が見えるようなものを選択するのがよい。

VDT

上の反射グレアを回避又は低減するために,種々の手法を適用してもよい。特定のユーザーの要求

及び特定のワークステーションの状況に合わせて,適切に組み合わせた手法を選択することが望ましい

属書 参照)。これらの手法は,単独に又は互いに組み合わせて使用してもよい。

反射グレアを回避する手法を適用する場合,VDT と環境との間の適切な調和が,一つの要素だけで得ら

れるとは限らない。

図 A.2 に示す種々の手法に留意することが望ましい。ディスプレイのタイプ[例えば,表示面が曲面の

陰極線管(CRT)

,フラットパネルディスプレイ]が異なれば,同じレベルの視覚的快適性を確保するため

に,異なる手段が必要になる場合があり,一般的に望ましい解決法としては,適切な反射防止処理を施し

ているポジティブ表示を使用するのがよい。作業空間を計画する場合は,人工照明によるグレアの制限(照

明器具設計,照明器具の適正な配置)を考慮することが望ましい。特定の状況で照明に合った他の手段が

ない場合は,可動仕切り壁又はこれと同様な方法で,グレアの発生源をディスプレイの位置から遮断する

のがよい。

ディスプレイ及び/又はワークステーションの正しい配置によるグレアの制限は,A.3 に記載する手段

の中から,取ることができる手段を適用することによって実現できる。

複数のディスプレイを使用する場所では,この規格に規定する手段の組合せが必要になる場合がある。

6.

音及び騒音に関する指針

6.1

基本事項  ここでは,視覚表示装置を用いる作業について,ワークステーション及び作業室の音響

特性を改善するための指針を提供する。

騒音という用語は,特定の情報伝達に使用される音響事象(例えば,言葉による伝達及び警告信号)と

は異なり,妨害要因となるか又は不必要で有害な影響を与える音響事象に使用する。騒音の影響は,次の

ように分類してもよい。

−  聞き取りにくさ

−  中枢神経系及び自律神経系の望ましくない反応

−  言葉又は他の手段による伝達の妨害

−  作業性及び認知機能の低下

−  うるささ

作業場での騒音によるうるささ及び望ましくない影響は,評価騒音レベル(L

AR

)によって評価すること

が望ましい(ISO 9612 参照)

。さらに,騒音を評価する場合は,騒音に含まれる情報及び作業の性質を考

慮するのがよい。

作業性の低下,うるささ,及び神経系の反応など,騒音の望ましくない影響が増すにつれて,行われる

作業が,より難しく,複雑となる可能性がある。これらの影響によって,注意及び集中の持続が必要な,

情報の迅速な呼び出し,保持及び取り込みのプロセスなどの記憶プロセスの能力が低下し,複雑な処理が

困難になる。情報を含む音(音声及び時間の流れを識別できる機械音を含む。

)では,低い騒音レベルでも,

作業性を損なうことがある。望ましくない音としての人の声は,音によるコミュニケーション及び短期記

憶に関連する知的能力を妨げる。騒音,特に情報を含む音は,結果として,注意力を乱し,言葉によるコ

ミュニケーションを妨害することになる。これは,対面だけではなく電話などを介した間接的なコミュニ

ケーションの場合にも生じる。


8

Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

参考  作業場が複数あるオフィスでは,他の作業場から発生するすべての音を,その作業環境から排

除する必要はない。静か過ぎる環境では,近くの会話及び装置から発生する低レベルの音であ

っても,騒音となり得るからである。

建物の換気施設及びオフィス構造は,異なる機構によって騒音の原因となる。建物の換気施設に関して

は,グリル及びダンパーを通過して供給される空気,換気システムを通して伝達されるファンの騒音,及

び換気システムで結ばれる場所間の漏話がある。

オフィスの構造に関しては,仕切り壁を通り抜ける騒音,

並びに天井及び床を通して伝わる漏話がある。

6.2

騒音の影響の低減  望ましくない影響を回避するために,作業場の評価騒音レベル L

AR

を十分低く

して,想定された作業を実行できるようにすることが望ましい。

特定の作業について超えないことが望ましい作業場の騒音レベル[35 dB (A)∼55 dB (A)]は,ISO 11690-1

に規定されている。これを達成するために,作業装置からの騒音が,作業性を低下させないように十分低

いことが望ましい。しかし,例えば,多くの人が電話を使用する必要のある場所のような環境では,この

ような一般的な尺度を適用できない場合があり,そこで,このような場合は,一つだけ要因(例えば,外

部音源からの騒音)を特定し,該当するユーザーの要望(例えば,言葉によるコミュニケーションの改善,

不要なコミュニケーション及び不快感の低減)

に対して,

適切な騒音制御手段を考慮することが望ましい。

騒音制御の基本事項は,

図 による。

種々の制御手段とその導入による具体的な目標との関係は,

図 B.1 による。

作業室の装置及び機器を交換又は購入する場合は,これらの装置及び機器の騒音が記された仕様書のデ

ータを考慮することが望ましい。さらに,想定される作業に対して許容される評価騒音レベルとなるよう

に,作業室の音響設計を行うことが望ましい。

適切な制御手段の選定は,実施する作業及び騒音の特性に依存する。騒音制御の戦略及び手段は,ISO 

11690-1

及び ISO 11690-2 に規定している。

音及び騒音の測定並びに評価手法を含む詳細な説明は,

附属書 を参照。

参考  ISO l1690-2:1996 の図 から引用

  1  騒音制御の基本事項

7.

機械的振動に関する指針

7.1

基本事項  機械的振動(ISO 2041 参照)とは,周期的に起こる物理的な位置の変化である。これは

ユーザー,作業装置又はその部品の機能に,悪影響又は障害を与える可能性がある。これらの影響は,一

般的に研究されている(

附属書 参照)。

オフィス作業に関係する作業環境での振動例として,空調システム,インパクト形プリンタ及び振動の

原因となりやすい機械・施設の近くにワークステーションを配置することがある。

7.2

機械的振動による影響の低減

伝達経路の騒音制御

騒音の低減

伝達損失及び/又は挿入損失の増加

音源の騒音制御

騒音受音と騒音ばく(曝)露の低減

受音点での騒音制御


9

Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

7.2.1

全般

7.2.1.1

影響の種類  ここでは,作業場及び作業室内で振動の発生を制限するための指針を提供する。

ユーザー,又はその作業装置に作用する一定レベルの機械的振動は,作業時の健康及び安全性に悪影響

を及ぼす可能性がある。さらに,ユーザーの福利,表示情報の知覚,キーボードなどの制御装置の使用の

障害となることがある。このような悪影響は,次のような形態をとる可能性がある。

a)

ユーザーに対する影響

b)

光学装置の視認性に対する影響

c)

操作要素の使用に対する影響

7.2.1.2

ユーザーに対する機械的振動の影響  ユーザーの身体[例えば,脚,でん(臀)部,手,及び頭]

に作用する機械的振動は,評価振動強度に依存して,迷惑な状態,作業の妨害,作業性の低下及び健康障

害を引き起こす可能性がある(ISO 2631-1ISO 5349-1 参照)

。光学表示装置の知覚については,一般的に

2 Hz

範囲及び眼球の共振範囲(16 Hz∼32 Hz)の振動が重要である。ある種の振動では,視覚が,最大で

20

%もの低下をもたらす。身体の垂直又は横方向の振動ストレスでは,知覚時間が大幅に増加(最大で

50

倍)する可能性が考えられる。

7.2.1.3

光学装置の視認性に対する機械的振動の影響  時間変化しない表示(例えば,印刷した記号)の

知覚に対する振動の影響は,時間変化する表示(例えば,CRT)の知覚とは異なる。時間変化しない表示

の視認性又は可視性が振動から受ける影響は,一般的に時間変化する表示の場合よりも強くない。また,

行で構成されるテキストでは,同じ装置上で表示されるグレイスケール画像の場合よりも劣化する傾向が

高い[Cakir and Cakir (1988) [21]]

。視認性に対する機械的振動の影響は,VDT の表示特性(例えば,画面

の表示周波数)にも依存する。身体及び光学表示装置に対して同時に振動励起が加わると,影響は増強さ

れる。

7.2.1.4

操作要素の使用に対する機械的振動の影響  制御及び入力装置(例えば,キーボード及びマウス)

への振動の影響は,作業性(速度及び精度)の低下をもたらす可能性がある。

7.2.2

振動による影響の回避  機械的振動の発生及び伝ぱ(播)は,その発生源において,可能な限りす

べてを回避するか又は低減することが望ましい。

このための最良の手段は,低振動の装置及び作業プロセスを選択することである。励起点及び伝達経路

で,振動を更に抑えるための対策が多数ある。

これらの対策を,個々の要求事項に合わせて適合させることが望ましい。

振動減衰システムを正しく調整しないと,振動が増大する結果になる場合がある。

備考  振動の低減に関する基本的な情報については,ISO 2017ISO 10846-2,及び EN 1299 を参照す

ることが望ましい(VDI 2062 sheet 2 及び VDI 3831 に例示されている。

励起点で振動を十分に低減できない場合は,伝達経路で振動を抑える対策を採用することが望ましい。

必要であれば,ワークステーション又は作業領域全体において,振動の影響を受ける箇所を振動発生源か

ら隔離するのがよい。作業場の設計及び配置には,この点に注意を払うことが望ましい。

この点を配慮すれば,その後に必要な対策を,最も効果的及び経済的に実施することができる。

振動ストレスを完全に回避することができない作業環境の場合は,表示装置の視認性及び制御装置など

の操作要素の使用性が損なわれないように,確実に対策を講じることが望ましい。

8.

電磁界及び静電気に関する指針

8.1

基本事項  表示装置,特に CRT ディスプレイの画質に対する静電気及び磁界,並びに超低周波数


10

Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

(ELF)磁界及び電磁界の影響について規定する。例えば,次の影響が考えられる。

−  静磁界(地磁界)は,CRT の表示の均一性に影響を与える。

−  あらゆる静磁界は,カラーCRT ディスプレイのコンバージェンスに影響を与える。

−  配電システム又は CRT を含む近くの発生源からの ELF 磁界は,CRT のジッタに影響を与える(ジッ

タについては,JIS Z 8513:1994 の 5.24 を参照。

この規格では,表示装置からの情報取り込みに影響を及ぼす可能性のある電界及び電磁界の幾つかの影

響要因(例えば,ジッタ)について規定する。

電界及び電磁界は,表示装置の表示品質及び,作業装置の各所からの信号伝達を損なう可能性がある。

表示装置に対する電磁界の影響は,ひず(歪)み(モアレ)又はジッタとして現れることがある。

画面から発生する静電気によってほこり(挨)が集まり,表示装置の可読性を低下させる場合がある。

(特に相対湿度が低い冬期において,

)カーペット,衣服又は調度品に使用されている繊維の摩擦によって

引き起こされる静電気放電は,装置への干渉を起こす場合がある。

適用可能な製品及び環境に関する安全規格によって考慮されている電磁波放射は,可能な限り低く抑え

るように,潜在的な発生源を特定することが望ましい。さらに,幾つかの局所的な潜在的発生源の相互作

用による影響にも配慮することが重要であり,VDT の設計者は,このような局所的な発生源(例えば,送

電線の放射,列車又は市街電車の線路近くの放射,機械類又は電源からの内部放射)及びその相互作用を,

完全には予測できないので,このような局所的な発生源の影響については,必要に応じて当該環境で評価

することが望ましい。

8.2

環境からの影響回避  画質は,外部からの電界及び電磁界によって許容できないほど損なわれない

ことが望ましい。画像又は文字形状の軌跡依存のひず(歪)み,文字位置の時間依存変動,時間又は軌跡

依存のひず(歪)み及び色ひず(歪)みは,JIS Z 8513 で規定している最大値を超える場合がある。

許容できないような画質劣化が,作業場内の他の装置又は外部の電磁界発生源によって引き起こされる

場合がある。作業場内の電磁界によって発生する可能性のある画質劣化を回避するためには,製造業者の

設置の指針に従うことが望ましい。外部電磁界による表示ひず(歪)みは,次の二つの方法で抑制できる。

−  発生源の遮へい(蔽)

,変更,再配置又は排除

−  機器の遮へい

装置特性の種々の組合せ(遮へい,その他室内での設置方法)及び電磁界の特性(電磁界強度ベクトル,

周波数,電磁界の均一性など)のために,適切な対策を一律に規定することはできない。

次の手段は,外部の静的電磁界及び動的電磁界の影響を防止又は低減することができる。

−  発生源の物理的な遮へい

−  発生源の物理的な分離,再配置又は向きの変更

−  影響を受ける表示装置の遮へい又は改造

商用電力線によって発生する磁界に対する表示装置の耐性は,ディスプレイ技術によって異なる。CRT

ディスプレイの耐性は,その設計技術によって異なる。ほとんどの CRT ディスプレイは,0.02 A/m までの

周囲磁界において,JIS Z 8513 の規定に適合する。多くのオフィス内では,磁界の強度がこの値を超える

可能性があるので,ジッタの問題が生じることがある。このような場合は,当該表示装置の向きを変更す

るだけで,問題に十分対処できる。

ある環境で,ある表示装置に望ましくない相互作用がある場合は,問題となる表示装置の設計に,次の

工学的対策が導入されているかどうかを確認することが望ましい。

a)

交流電磁界


11

Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

−  回路技術による対策又は収納部の金属遮へい(例えば,収納部内部の蒸着,導電性塗料を用いた表

面塗装及び良好な電気的接続)

−  高透磁率の材料による偏向コイルの遮へい

−  逆渦電流の誘導による電磁界の減衰

EMC

試験要求事項(JIS C 61000-4-8 参照)は,外部の商用電力周波数で発生する磁界における試験及び

測定技術を規定している。

b)

交流磁界  静電気放電の抑制装置の使用については,JIS C 61000-4-2 による。

備考  他の EMC 要求事項についても,配慮したほうがよい。

−  表示装置の脱磁

−  表示装置表面の静電気防止処理

既存装置に問題が発生した場合,次の対策が役立つ場合がある。

−  帯電防止の備品(フロアカバー及び家具)

−  湿度の増加(9.2.5 参照)

9.

温熱環境に関する指針

9.1

基本事項  ワークステーションの温熱条件は,ユーザーの快適性及び作業性に直接影響を及ぼす。

作業場に VDT を導入すると熱負荷が追加され,気流も変化する。9.2 の目的は,快適性及び健康に対して

悪影響を及ぼす可能性を防止する適切な温熱環境を用意するために,関連する温熱パラメータ及びこれら

のパラメータを人の要求に適応させる方法について記述することである(

附属書 を参照)。

作業場にいる人々に影響を与える関連パラメータは,次による。

−  個人パラメータ

−  衣服の断熱性

−  活動レベル

−  環境パラメータ

−  気温

−  平均放射温度

−  気速

−  湿度

温熱的快適感は,次の要因によって低下することがある。

−  不要な局所冷房

−  冷たい面及び温かい面からの放射の非対称性

−  通風(気速)

−  頭部と足部との間の極端な垂直気温差

−  高過ぎるか又は低過ぎる床面温度

装置内部の発生源又は気候の影響(例えば,太陽熱の増加)を受けた熱放射又は温かい空気によって起

こる局所的な熱蓄積は,作業空間内の装置及びその他の電気的な熱発生源からの熱負荷の慎重な処理を伴

った,適切な温熱条件管理によって回避することが望ましい。

ISO 7730

では,温熱的快適感の関連パラメータ間の関係を規定し,一般的な温熱感覚に対する上述のパ

ラメータを組み合わせた一つの測度(PMV 指標,PPD 指標)を提供するモデルを示している。作業レベル

に関する詳細情報は,ISO 8996 に規定しており,衣服の断熱性についての詳細情報は,ISO 9920 に規定し


12

Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

ている。

9.2

温熱的快適感の関連パラメータ

9.2.1

活動及び衣服  すべての人が同じ衣服を着用して同じ活動をする場合であっても,個人差があるた

め,すべての人が満足する温熱環境を提供することはできない。したがって,各人が温熱環境又は当人の

パラメータの一部を調整することによって,各人の熱平衡をある程度制御できるようにすることが望まし

い。

9.2.2

温度  許容可能な作用温度(すなわち,気温及び気速,並びに平均放射温度を組み合わせた影響を

表すためのパラメータ)は,主に個人の活動レベル及び衣服に依存する。さらに,温熱的快適感は,放射

温度の非対称性,すなわち周辺の面の放射温度差に依存する。

オフィス内の VDT ワークステーションでは,作用温度を気温及びある点における平均放射温度の単純

な平均値と仮定してよい。断熱性のよい窓及び壁をもつ建物内部で,装置及び照明からの局所的な熱発生

源がない場合には,気温及び平均放射温度は等しいとみなしてよい。

放射温度の許容不可能な非対称性の発生原因となるのは,冷たい若しくは温かい,大きな垂直面(例え

ば,冬の断熱性の悪い窓から差し込む直射日光)又は温かい若しくは冷たい水平面(例えば,加熱又は冷

却状態の天井)である。人は,温かい天井及び冷たい垂直面に最も敏感である。小さな窓又は断熱のよい

窓及び壁をもつ建物内部では,一般的に放射温度非対称性が問題になることはない。

VDT

を使用する作業室内では,次の要因のうち一つ又はそれ以上が原因となって,垂直温度差が大きく

なり過ぎる場合がある。

−  加熱,冷却又は換気システムによって引き起こされる不均一な垂直気温分布

−  装置の熱放出によって引き起こされる不均一な垂直気温分布

−  冷たい面に沿って床方向に向かう冷たい気流

9.2.3

気速  気速は,全般的な温熱感覚に影響を与える。ほとんどの場合,これが原因で気流を感じるこ

ともある。この気流感覚は,平均気速に加えて,気速の変動(乱流)及び気温によって影響を受ける。気

速は,空調又は換気システム及び冷たい面(床方向に向かう気流)が原因で生じる。

空調又は換気システムの設計では,通常の衣服を着用して作業する人は,足首及び首の周囲の気流に最

も敏感であるという点を必要に応じて考慮することが望ましい。

9.2.4

床面温度  床温度と気温(高過ぎる又は低過ぎる)との差が著しい場合(特に,じかに接触する場

合)には,温熱の不快が起こる可能性がある。ただし,VDT ワークステーションのユーザーが履物を着用

している条件下では,床面温度の重要性が低くなる。

9.2.5

湿度  湿度の増加は,作用温度の上昇と類似の効果をもたらすので,温熱的不快感は,湿度によっ

ても影響を受ける。ただし,中程度の範囲(すなわち,20∼26  ℃)の温度条件下における椅座作業では,

湿度の影響は全く問題ない。

この温度範囲では,相対湿度が 10%増加した場合の不快感の変化は,0.3Kの作用温度の上昇がもたらす

影響よりも小さい。

参考  温度差を扱う場合は,1 K は 1  ℃と考えてよい。

湿度が低過ぎると,粘膜が乾燥する危険性がある。さらに,コンタクトレンズを使用している人は,目

の不快を感じることがある。

良好な空気環境を得るために湿度を制限することが必要であり,湿度が高過ぎる場合,冷たい面上に結

露及びかびの発生の危険性がある。


13

Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

10.

空間構成及び作業場のレイアウトに関する指針  5.9.は,VDT を用いるオフィス作業の人間工学的

要求事項の一部として,環境に関する重要な要求事項を規定している。空間構成及び作業場のレイアウト

は,各事項について良好な作業性に重要な影響を与える。例えば,音及び騒音による作業性は,騒音の発

生源が人又はオフィス及びビルディングシステム・設備であるかにかかわりなく,特定の作業及び予想さ

れるユーザーに要求される音響特性のレベルに関連して,その発生源を適切に区分することによる。

  2  空間構成及び作業場のレイアウト:基準としての重要項目

さらに,作業場の問題は多岐にわたる場合がある。したがって,一つだけの事項(例えば,VDT だけの

グレア防止のためにワークステーションの場所を選択する。

)をとらえる部分的な解決案ではなく,多くの

事項及びその考えられる相互作用について配慮する総合的な解決案が必要である。ある特定のオフィス環

境では,異なる事項において許容可能なトレードオフによる総合的な解決案を作成するために,5.9.で規

定している環境に関する留意事項を同時に配慮することが望ましい。

JIS Z 8501

で規定している人間工学的に設計された作業システムの基本的な目標を達成するために,特

定のワークステーション又は作業場で実施すべき対策を組み合わせることが望ましい。考慮すべき基準の

重要項目を

図 に示す。空間構成及び作業場のレイアウトでは,図 に示すすべての基準を考慮に入れる

のがよい。

作業組織及びグループ

社会心理学的要素

動線及び経路探索

人工照明及び自然光

音及び騒音

空間構成及び作業場のレイアウト


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Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

附属書 A(参考)照明

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

A.1

照度  照度は,ある表面上に入射する光束の物理的な光量,密度を表す。これは,ある表面上に入

射する光束をその表面の面積で除した値である(定義については,本体 3.11 を参照)

作業環境において必要とされる照度は,昼光又は人工照明によって提供できる。この規格において,照

度という用語は,主要な視覚対象物が配置されている別の基準平面を特に規定しない限り,一般的に水平

作業平面に対して使用する。特定の作業,活動又は部屋の領域に関係する代表的な照度範囲は,他の規格

によって規定されている(CIE 刊行文書 29.2 及び ISO 8995:1989 の

附属書 を参照)。

水平照度に加えて,

特に奥行の印象が重要になる場合,

鉛直面照度についても重視することが望ましい。

一般的に,鉛直面照度の比率を高くすることによって,奥行感覚を向上させることができる。別の方法と

して,VDT ディスプレイ上の文字と背景との輝度比 C を低減することもできる。

備考  輝度比 C は,良好な視認性を確保するうえで,文字サイズとともに最も重要な視覚要素となる。

適切な条件では,ディスプレイ上の文字と背景のコントラストとが,それぞれ最小で 1:3 及び

3

:1 よりも低いことはない(JIS Z 8513 参照)

A.2

輝度バランス  視覚表示装置を使用するワークステーションでは,(特に,ネガティブコントラスト

の場合に)輝度バランスに対して特別な注意を払うことが望ましい。その理由は,ディスプレイの配置に

よって下方向を向く視線の傾きが,通常の(VDT なしの)オフィスワークステーションを見る視線の傾き

よりも小さくなるためである。視野の中に大きな輝度差がある場合,例えば,次の各要素間に望ましくな

い影響が出る。

−  照明光及び天井

−  天井及び壁又は窓

−  ディスプレイ及び装置備品

−  ディスプレイ及び窓

−  外部要因[例えば,

(外壁面が)暗色の建物とその背景の明るい空,雪]

A.3

グレアの制限

A.3.1

昼光からの直接グレア  昼光による直接グレアは,一般的に,太陽又は雲を直接見ること及び隣接

した建物での反射などによって引き起こされる可能性がある。必要に応じて,太陽又は太陽にさらされて

いる表面からのグレアに対する保護を行うことが望ましい。カーテン,ロールブラインド,ベネチアブラ

インド,バーチカルブラインド,日よけなどの可動備品又は昼光制御システムは,この目的に適している。

天空光がワークステーションでの作業の妨害となるグレアを引き起こさないことを確実にするため,こ

れを遮へいすることが望ましい。

グレアを制限するために使用する窓の処置によって,ワークステーションの色合い及び外界の景色の色

合いに影響が及ばないことが望ましい。

カーテン,ブラインド,日よけなどの制御装置は,グレアの影響を受ける人が自由に操作できることが


15

Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

望ましい。カーテン又は直射日光を受けるその他の垂直に整列した備品の輝度が,オフィス作業で使用す

る最も明るい照明器具の輝度を超える場合がある。これによって,一日の特定の時間に,人工照明よりも

大きなグレアが起こる可能性がある。したがって,これらの備品に対してグレアに対する適切な保護を行

い,しかも直接グレア又は反射グレアによる作業の妨害を引き起こさないように,その透過率を低くする

ことが望ましい(標準値は 0.3 未満)

。備品又はその一部がディスプレイ上に可視反射を引き起こす可能性

がある場合は,部屋の内部から見た備品の輝度が,室内の表面輝度と同じ大きさであることが望ましい。

遮へいの導入に伴って,昼光の分布とともに,その有効性が低下することになる。

視線が輝度の高い面(空及び建物障害物の面)に絶えず向くようなワークステーションの設置は,回避

することが望ましい。

備考  窓の内側にグレアを制御する手段を採用する場合は,室内の熱平衡に注意を払うことが必要で

ある。

A.3.2

人工照明からの直接グレア  人工照明からの直接グレアは,照明器具又は高い輝度で照明が行われ

ている室内表面(内装)によって起こる可能性がある。グレアの影響に関する決定的な要因は,輝度,直

接的な周囲空間の輝度,視野におけるグレアの位置,グレアの空間寸法(大きさ)及び目の順応状態であ

る。

下方に向けて点灯される照明器具の場合には,グレアを制限する手段を必要に応じて実施することが望

ましい。

水平から上の方向に向けられる視線の場合は(例えば,銀行の顧客サービスデスク)

,グレアを更に低減

するように特別な予防措置を講じることが望ましい(

図 A.1 を参照)。

 A.1  グレア防止の特別な手段が必要とされる状況

個々のワークステーションの照明に使用する照明器具が原因となって,個々のワークステーション又は


16

Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

隣接したワークステーションでグレアが起こらないことが望ましい。

A.3.3

反射グレア

A.3.3.1

人間工学上の全般的な留意事項  人間工学的な理由から,照明,作業場及び表示装置で構成され

るシステム全体を改善することが望ましい。その目的は,次の対象物に及ぶ反射グレアを低減することに

ある。

a)

表示装置上

b)

その他の作業媒体  反射グレアは鉛直,水平及び中間の各平面で起こる可能性がある。これは視覚的

な感知を損なうか,不快を引き起こすか又はそのいずれかの原因となる。作業面及び作業装置(例え

ば,表示装置,印刷された文書,及びキーボード)上での反射によって作業を妨げるグレアは,適切

な設計とともに,作業装置及び照明の位置決めによって防止することが望ましい(

図 A.2 を参照)。

適切な手段を選択するときには,タスクの要求事項に従って作業装置の方向を容易に変更できるこ

と,及び外部との視覚接触が損なわれる可能性が最小限に抑えられること(これは適した例ではない

が,例えば,過剰なグレアを回避するために終日カーテンが必要になる場合)を確認することが必要

である。さらに,ユーザーには反射グレアによって制約を受けることなく作業場を構成し,タスクに

必要なすべての視覚的に表現された物(種々の電子若しくは印刷視覚ディスプレイ,又はその他の装

置)を配置する自由度を可能な限り与えられることが望ましい。

A.3.3.2

適切な対策の選択  デスク表面及び文書を含む作業装置表面の仕上げは,可能な限りつや消しの

状態に維持することが望ましい。光沢の度合いにほとんど影響を与えないように,作業装置上での反射グ

レアを回避するためには,次の対策のうち一つ又はそれ以上を採用することが必要である(

図 A.2 を参照)。

−  ワークステーションの作業装置を適切に整列及び設置するか,又は照明器具を適切に配置することに

よって,光の入射方向を変更する。

−  適切な照明設備を使用する。

−  ワークステーションの配置方向を変更する。

−  鉛直面照度と水平面照度との比を変更する。

適切な手段を選択するときには,次に示す三つのクラスの情報媒体を区別する。

−  垂直又はほとんど垂直に整列された電子視覚ディスプレイ及びその他の光学ディスプレイ

−  水平又はほとんど水平に整列された電子視覚ディスプレイ及びその他の光学ディスプレイ

−  曲面又は表面要素をもつ作業装置(キーキャップ,幾つかの視覚ディスプレイの設定など)


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Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

 A.2  反射グレアを回避する手法

グレアの制御

装置の機能性による

正しい場所設定による

ディスプレイ

ワークステーション

人工照明による

照明による

自然光による

・・・

ディスプレイを回転させる

ディスプレイを傾ける

高さを調節する

ディスプレイを移動する

ワークステーションの設置

場所を変更する

ワークステーションを傾ける

正極性を導入する

ディスプレイにグレア防止

手段を導入する

フラット画面を導入する

照明器具の設計を変更する

照明器具の位置を変更する

グレア発生源を遮へいする

窓の処置を追加する

グレア発生源を遮へいする


18

Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

A.3.3.3

モニタ等級に関する留意  JIS Z 8517 では,視覚ディスプレイについて,その使用に適切とされ

る照明環境に基づいて三つのクラスを規定している。許容可能な視覚条件を達成するためには,次のいず

れかの要求事項が適用される。

a)

使用するディスプレイのクラスに基づいて,視覚環境を制御することが望ましい。

b)

視覚環境の性質に基づいて,ディスプレイのクラスを選択することが望ましい。

備考  比較的少ないクラスⅢの画面が作業場にある場合には,部屋全体を照明して明るくするのでは

なく,十分な注意を払って画面を配置するか,又はその周囲環境を変更すると,より有効であ

ろう。

モニタのクラスは,次の試験条件に基づき規定されている(試験方法については,JIS Z 8517 を参照)。

クラス I

L

A (REF, EXT)

=200 cd/m

2

及び L

A (REF, SML)

=2 000 cd/m

2

クラスⅡ

L

A (REF, EXT)

=200 cd/m

2

又は L

A (REF, SML)

=2 000 cd/m

2

クラスⅢ

L

A (REF, EXT)

=125 cd/m

2

及び L

A (REF, SML)

=200 cd/m

2

許容可能な視覚条件を達成するためには,ユーザーに画面上で反射して見える照明光又は室内表面(例

えば,窓又はその他の開口部,天空光,透明又は半透明の壁,明るい色の備品,壁)は,次の平均輝度に

制限することが望ましい。

−  クラスⅠ及びクラスⅡのディスプレイについては,1 000 cd/m

2

以下

−  クラスⅢのディスプレイについては,200 cd/m

2

以下

A.3.3.4

輝度に関する留意  ピーク輝度の測定のほうがより適当であると考えられる場合でも,実用性の

観点から,ピーク輝度ではなく平均輝度を測定することを推奨する。

したがって,可能な限り輝度のピーク値が,平均値から外れることを抑えることが重要である。

表示面をほぼ水平で使用する場合も上記の制限を適用するが,天井及びそれに取り付けられている照明

器具に特別な注意を払うことが望ましい。

備考1.  明るい背景に暗い記号が表示されている場合は,反射による妨害が少ないこと,並びにディ

スプレイ,文書及びキーボードの間の輝度の違いが小さいことが分かっている。したがって,

一般にこの表示方法を選択することが望ましい。

2.

文字の鮮明度,背景の輝度などの著しい低下及び品質の劣化なしに,反射による妨害を明ら

かに低減できる場合は,反射を低減する手段を講じることが適切である。

A.3.3.5

表面の形及び配置に関する留意  グレア及び水平に配置された表面上の反射によって起こる妨

害は,次の手段によって回避することができる。

−  作業装置及びその表面の適切な配置

−  間接照明又は直接照明及び間接照明の組合せ

−  反射像を目立たなくする反射面の輝度分布の均一化

反射グレアは,装置の曲面要素(例えば,キーキャップ)上の鏡面反射又は複数の反射面要素(例えば,

光沢仕上げの操作部を含む制御盤及び各種の視覚表示)を備えた装置によって引き起こされる可能性があ

る。このような場合,反射グレアを回避するためには,上記の手段を組み合わせることが必要になる。照

明器具の配光設計又は光の入射を変えるなどの照明によるグレアの制御は,常に視覚環境上の幾つかの不

都合を伴う。したがって,作業装置の適切な配置など他の手段を講じても満足な結果が得られない場合だ

け,照明によるグレアの制御を考慮することが望ましい。

他の種類の作業(例えば,製造現場及び営業部門における作業)に対応するように設計された作業場で

オフィス作業が行われる場合,

図 A.2 に示す手段を適切に組み合わせることによって,グレアの排除を達


19

Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

成することが望ましい。また,グレアを制御する手段が制約を受ける場合,例えば,衛生上などの理由が

あり,機器の表面をつや消しではなく滑らかにする必要がある場合,

図 A.2 に示す手段を適切に組み合わ

せることによってグレアを排除することが望ましい。

A.4

入射光の指向性  表面,対象物又は表面構造を容易に認識できるようにするためには,一定度合い

の入射光の指向性が必要とされる適切なモデリング効果を,照明で達成することが望ましい。モデリング

効果は,照明を受ける物の陰影によって生じる。

照明が拡散し過ぎていると,影がなくなるために不快感が起こる可能性があるので,これを回避するこ

とが望ましい。これとは逆に,照明の指向性が強過ぎる(指向性の強い光に比べて拡散性の光が極端に弱

い場合)と,コントラストが強くなり過ぎ,目障りな輪郭が見える許容できない影ができる。

適切な照明の設置は,直接照明と拡散照明とのバランスのとれた比を生み出す。このようにして,適切

なモデリング効果を誘導する。

A.5

色の使用  作業室の配色及び,光源の演色又はその分光分布は,色の付いた情報の認識に影響を及

ぼし,集中力を促進し,作業性の低下を防止し,誤りを少なくするとともに,ストレスを緩和する。これ

に加えて,安全及び信号のために色を正しく用いることによって,事故の防止を支援することができる。

作業室の配色は,推奨される反射係数によって規定された制限範囲内で,自然光及び人工照明を考慮し

て決定することが望ましい。壁を床よりも明るくし,天井を壁よりも明るくするとよい。

光源,照明器具及び部屋の表面の色は,信号及び安全のために用いられる各色を識別できるように選択

することが望ましい(色に関する詳細な情報については,JIS Z 8501 を参照)

部屋の表面が広い場合,背景色として飽和度の低い淡色を選択することが望ましい。より小さい対象物

の配色には,飽和度がより高い色合いを採用するとよい。

実施する作業の性質が単調なものである場合は,より鮮やかで,かつ,刺激的な色を環境の中に導入す

るとよい。

A.6

演色及び相関色温度  演色及び相関色温度の選択は,タスクの要求及び主観的な感覚に依存するの

と同様に,発光源,照明のレベル,部屋及びその中の備品の色に依存する。

適切な色を決めるためには,演色評価数 R

a

が 80 を超える照明器具を使用することが望ましい。

色でコード化された物体又はダイヤグラム(例えば,制御盤又は安全標識)が,並びに安全及び信号に

用いられる色が正しく認識されるように,スペクトル色と演色のレベルとを適切に選択することが望まし

い。

A.7

フリッカの知覚  人工照明によるフリッカの知覚を回避するためには,フリッカの臨界周波数を十

分に超える状態で点灯することが望ましい。人工照明によるフリッカの知覚は,例えば,次の手段を使用

することによって低減又は除去できる。

−  進相・遅相フィルタ

−  三相回路

−  高周波点灯用安定器

最近の研究において,フリッカの臨界周波数を若干超えて照明設備を使用すると,人が光の揺らぎを感

じる問題が起こることが示されている。このため,周波数の十分高いランプ安定器を使用することが望ま


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しい(Wilkins et al,1988 参照)

A.8

照明の選択

A.8.1

基本事項  照明の選択は,A.1A.7,及び次の基本事項を留意して行うことが望ましい。

−  昼光を使用するか,又は人工照明及び昼光を組み合わせて使用する。

−  昼光を利用できない時間及び場所において,又は視覚作業で人工照明が要求されるときは(クリーン

ルームなど)

,人工照明だけを使用する。

−  視覚作業及び全般照明から生じる要求。

−  部屋の特性,例えば,物理的寸法,作業で必要な調光のしやすさなど。

照明技術の品質基準及び経済性が許容する範囲で,直接照明,間接照明又はこの両者の組合せを選択す

ることができる。

照明技術に対する品質基準の適用については,A.8.2.1A.8.2.4 による。

A.8.2

全般照明  全般照明の機能は,直接グレア及び反射グレアを制限するとともに,良好なコントラス

ト,バランスのとれた輝度比,良好な演色などの要素を考慮に入れて,部屋全体を良好に照明することで

ある。

ある特定の部屋又は部屋の区域で行う視覚作業に対応する照明のレベルを各ワークステーションで確保

するために,問題がなければ全般照明を使用し,場合によっては,全般照明を補完する局所的全般照明を

使用することが望ましい。この場合,作業のための照度が全般照明によって提供される照度の 2 倍以上に

ならないことが望ましい。

個々のワークステーションと同様に,部屋全体にも良好な視覚条件を提供することが望ましい。

備考  部屋の区域とは,同類の作業が一群のワークステーションで行われている部屋の一領域である。

A.8.2.1

直接照明  照明器具の光及び輝度分布は,視覚快適性を達成するうえで考慮すべき重要な要素で

ある。ワークステーションが照明器具の並びに沿って配置されている場合,作業面を直接的に照明する(直

射)照明器具を配置すると,最良の視覚条件が達成される(反射グレア及び直接グレアが最小限に抑えら

れる。

視対象の表面に光沢がある場合,直接照明が適さない場合がある。

A.8.2.2

直接照明・間接照明  直接照明・間接照明を利用すると,天井から反射される光の影響で,照明

される箇所の直接照明による輝度が相対的に低下するので,ワークステーション配置を照明設備から独立

させる度合いを高めることができる。この種の照明器具を適用できれば,サイズ及び場所の制限をあまり

受けることなくワークステーションを配置できる。

照明器具からの光の一部は天井の方向に向けられる。作業空間で適当にバランスのとれた輝度分布を確

保するためには,天井自体がグレアの発生源になるほど天井の最大輝度を高くしないことが望ましい。

A.8.2.3

間接照明  この特性を備える照明器具は,その光を天井の方向に向ける。照明器具からの光はほ

とんど作業場に直接的に当たらない。照明設備について全く考慮をしないワークステーションの配置を行

わなければならない場合に,この特性を備える照明器具を適用できる。

この照明の効率は部屋の特性,その中でも特に天井の反射特性及び天井の高さに大きく依存する。

照明器具に幅広い光分布があり,天井に拡散反射特性があることが重要である。

備考  高光沢の天井は,高い光源輝度を反射することがあるので,グレアの原因となる。完全な間接

照明にすると,影がほとんどなくコントラストに乏しい環境となる。


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:2007 (ISO 9241-6:1999)

A.8.2.4

全般照明及びワークステーションの個別照明  全般照明に加えてワークステーションの個別照

明を使用することは,ユーザー及び/又は作業の特性から生じる特定の作業場における特殊ニーズに応じ

た照明を提供するうえで適切な方法である。

ワークステーションの個別照明の機能は,ユーザーのすぐ近くの環境に照明を行うことである。個別照

明の利点は,次による。

−  個々のワークステーションにおける照度及び方向性を個別に調節できる。

−  ユーザーは,個別又は変更される作業の要求に,照明条件を適応させることができる。

−  視力の個人差から生じる個人の要求に対応できる。

ワークステーションの照度をユーザーが行う特定の作業で要求されるレベルまで引き上げるためには,

局部照明を必要なところには用意することが望ましい。ワークステーションの個別照明は,全般照明とは

別個に調整する。その配置については,直接グレア,反射グレア若しくは過度のコントラストが起こらな

いこと,又は他のワークステーションで作業を行う人が悪影響を受けないことが望ましい。


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附属書 B(参考)音の測定及び評価手法

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

B.1

騒音の測定  評価騒音レベル(L

AR

)とは,騒音受音の特性値である。評価騒音レベルは,規定の時

間間隔について定義される(ISO 1996-1ISO 9612 及び ISO 11690-1-2 参照)

。評価騒音レベルを決定す

る場合は,測定対象となる作業場の人と人とのコミュニケーション(会話及びコミュニケーション信号)

の目的で使用される音響事象を全く考慮しない。

評価騒音レベル及び発生騒音値を求めるときの基本的な音響量は,IEC 60651 及び IEC 60804 に基づい

た計測器によって測定可能な A 特性音圧レベル(L

PA

)並びに等価連続 A 特性音圧レベル(L

Aeq

)である。

B.2

騒音源  騒音によるうるささは,特に,機械,装置及び内部設備(空調機)からの発生騒音,並び

に外部からの機械及び交通騒音の影響の結果として生じる。会話,コンピュータの音響音声入力/出力,

電話による会話,

確認応答信号などの隣接した作業場から発生する情報を含む音も頻繁に影響を及ぼすが,

場合によっては,公衆が発生する騒音が作業を妨害することもある。

A

特性音響パワーレベル(L

WA

)は,情報技術・電気通信装置からの発生騒音の主な指標である。これ

は他の発生量,すなわちオペレータ又は周辺の人の位置における A 特性音圧(L

PA

)によって補完される

ISO 7779

製品の説明書には,ISO 9296 に規定された発生騒音値を含めることが望ましい。

さらに,衝撃音及び非常に大きな音に関する騒音の特性を記載することが望ましい。

B.3

作業環境の騒音レベル

B.3.1

音響環境条件の制御  特定の作業環境における具体的な問題に対して,種々の手段を講じることが

できる(

図 B.1 を参照)。特定の状況に対して適切な手段を決定するためには,問題の性質を分析すること

が望ましい(例えば,電話を使用するには余りにも騒々しい環境)

。実施可能な適切な対策(例えば,会話

周波数の音レベルを低減する。

)を選択するときには,起こり得る副次的な悪影響に留意することが望まし

い。


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 B.1  音響環境条件の制御,制御分野,措置及び達成すべき主目標

B.3.2

構造部の遮音  外部から作業環境に侵入してくる騒音に対して保護を行うためには,構造部(壁,

天井及び窓)によって構造物及び大気を通じて伝わる音を十分遮音することが望ましい。部屋の大きさ,

作業及び内部騒音(以下,暗騒音と呼ぶ。

)レベルに差異があるので,構造部に適合させる音響要求事項を

適切な条件に適応させてよい(

表 B.1 を参照)。

遮音システムに適合させる要求事項を,暗騒音と関連付けて選択することができる。

構造部の遮音

外部からの騒音に対する

保護

装置からの発生騒音の

低減

内部発生源からの騒音に

対する保護

吸音性の向上

すべての発生源からの騒

音に対する保護

周辺騒音レベルの低減

作業性の向上,健康障害の

軽減

吸音性のよい天井

コミュニケーションの改

善,健康障害の軽減

仕切り壁

健康障害の軽減及び不要な

コミュニケーションの低減

適切な距離

不要なコミュニケーショ

ンの低減

残響の低減

コミュニケーション及び

音響快適性の改善

会話周波数域の音レベ

ルの低減

口話によるコミュニケー

ションの改善

音響環境の制御

信号対騒音比の最適化

評価騒音レベルの低減

作業室内の音の低減


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:2007 (ISO 9241-6:1999)

 B.1  種々のオフィス作業のための構造部の遮音及び超えてはならない暗騒音レベル

作業及び装置のない状態)に関する推奨事項(ISO l1690-1 から引用)

作業の種類

遮音に関する音響上の

推奨事項及び制約

部屋の種類

暗騒音レベル,

L

Aeq

,単位 dB (A)

一時的な集中を伴う作業,

場合によって反復性を伴う
作業

隣接オフィスからの良好な

遮音:口話による非常に良
好なコミュニケーション

通常のユーザー要求事項を

もつ独立したオフィス

35

∼40

一時的な集中を伴う作業,

場合によって機械化された
作業

隣接作業域からの良好な騒

音遮音及び隣接作業場から
の十分な遮へい:口話によ
る非常に良好なコミュニケ

ーション

通常のユーザー要求事項を

もつ複合したオフィス

35

∼45

大半が機械化された作業

隣接作業域からの十分な騒

音遮音及び隣接作業場から
のわずかな遮へい:機密性
を必要としない,口話によ

る非常に良好なコミュニケ
ーション

ユーザー要求事項が厳しく

ない複合したオフィス

40

∼45

B.3.3

作業環境内の遮音  騒音発生源(例えば,会話,装置及び機械)から隣接する作業場に及ぶ音の伝

達を低減するためには,次の対策を講じるとよい。対策には,吸音性の天井,壁及び床を覆うこと,遮音

板,仕切り壁,ワークステーションのグループごとに適切な距離をとることなどがある(ISO 11690-1 

び ISO 11690-2 を参照)

比較的大きな作業環境では,距離が倍になるごとに音レベルが 4 dB∼5 dB 減衰することが望ましい。

口話による良好なコミュニケーション及び適切な音響快適性を確保するために,残響を可能な限り低く

することが望ましい。250 Hz∼4 kHz の周波数範囲で,0.5 秒∼1 秒間の残響時間を目標にするとよい。

作業環境の最大推奨残響時間は,その音量に応じて異なる。

表 B.2 は,その最大推奨時間を部屋の容積

の関数として示している。

残響時間が

表 B.2 に示す制限値を超える場合は,まず天井の音響対策を施すことが望ましい。大きな作

業環境では,更に高度な処置が必要になる場合がある(ISO 11690-1 を参照)

 B.2  部屋の容積の関数としての最大残響時間

最大推奨残響時間(秒)

部屋の容積  m

3

会話

その他一般

50

規定なし

規定なし

100

0.45 0.8

200 0.6 0.9

500 0.7 1.1

1 000

0.8

l.2

2 000

0.9

1.3

B.3.4

機械及び装置からの発生騒音  作業環境において装置及び機械を入れ替えるとき又は購入すると

き,機械及び装置からの発生騒音に関する機械の説明書又は契約に示された情報がある場合は,それらを

利用することが望ましい(ISO 11690-1 を参照)


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Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

発生騒音のデータは,種々の発生騒音値からなる。例えば,表示されている A 特性音響パワーレベル,

発生した A 特性音圧レベルなどである。このデータは,非常に大きな離散音又は衝撃音が発生騒音の中に

存在するかどうかを示すことがある(ISO 9296ISO 7779 及び ISO 4871 を参照)

B.3.5

作業場の騒音  困難で複雑な作業の場合は,評価騒音レベルを 35 dB (A)∼55 dB (A)よりも低くす

ることを推奨する。

作業の音響要求事項及び種類に応じて,暗騒音レベルは

表 B.1 に示す値を超えないことが望ましい。

作業場で口話によるコミュニケーションが必要な場合は,音響要求事項,並びに会話における発声に必

要な努力及び口話の明りょう性(信号対騒音比)の品質に応じて,騒音レベルが

表 B.3 に示すレベルを超

えないことが望ましい[ISO 9921-1,Lazarus (1986),Lazarus (1987)を参照]

音響情報を妨害なく入力するためには,マイクロフォンの A 特性信号対騒音比が 30 dB に達することが

望ましい。電話の場合の品質について推奨される最大騒音レベルを

表 B.4 に示す。

表 B.3  作業場の推奨最大騒音レベル(話し手の努力,口話によるコミュニケーションの

品質及び会話での当事者間の距離の関数)(ISO 9921-1 から引用)

推奨最大騒音レベル L

Aeq

口話によるコミュニケーション

信号対騒音比 L

SA

-L

Aeq

dB

完全=18

非常によい=12

よい=7

満足=2

会 話 に お

け る 発 声
に 必 要 な
努力

会話レベル,

L

SA

1 m

のとき

1 m

2 m

4 m

l m

2 m

4 m

1 m

2 m

4 m

1 m

2 m

4 m

かなり

66

48 42 36 54 48 42 59 53 47 64 58 52

やや

60

42 36 30 48 42 36 53 47 41 58 52 46

不要

54

36 30 24 42 36 30 47 41 35 52 46 40

備考1.  L

SA

は話し手の口から 1 m 離れた聞き手の耳に伝わる音声 L

SA, 1m

と等価な A 特性音圧レベルであり,L

Aeq

は調節のない評価騒音レベルに相当する。

2.

メートル単位で表している欄(1 m,2 m,4 m)は,コミュニケーションを行う者同士の距離を示す。

 B.4  妨害騒音の騒音レベルと音響媒体(例えば,電話)を用いた口話による

コミュニケーションの品質との関係(ISO 9921-1 から引用)

騒音レベル L

Aeq

 dB

口話によるコミュニケーションの品質

< 40

完全

40

∼ 45

非常によい

45

∼ 50

よい

50

∼ 55

満足

55

∼ 65

多少制約がある

65

∼ 80

困難

> 80

不満足


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Z 8516

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附属書 C(参考)全身振動の測定,評価及び判定

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

人への振動の機械的伝達を決定する測定量は,身体の 3 方向の加速度(ISO 2631-1 参照)及び 1 日の暴

露時間である。

振動はその方向別に測定し,その生物学的影響に従って周波数荷重した加速度の 2 乗平均平方根(r.m.s)

値で評価する。振動に関連し,視覚能力の低下が予測される作業場では(例えば,環境又は作業の性質に

よって)

,小形の加速度計を使用し,目の近くの前額部で,軸及び 軸方向の加速度測定を追加すること

を推奨する。

参考  この推奨事項は,ISO 2631-1 の規定する要求事項の範囲を超えている。

狭帯域周波数分析器は,視覚作業性を損なうおそれの程度に関する情報を提供することができる。

機械的振動によって生じる障害の程度は,ISO 2631-1 の各表及び各図に規定されている振動の暴露限界

値と r.m.s.値とを比較することによって評価できる。振幅の大きい個々の衝撃又は短期振動については,別

途評価が必要になる場合がある。振動暴露限界値の境界は,三つの主要基準,すなわち,疲労,能率の低

下,健康・安全性及び快適性の低下に関連する。

何らかの作業性の障害又は妨害若しくは迷惑を回避するという点で,最大評価振動強度 Kr(ISO 2631-2

参照)

に関する指標ガイド値を用いて,

上記の限界値を大幅に下回っているかどうかを判定するのがよい。

これは,特に,大半が知的な作業である作業場,及び視覚情報の記録又は微妙な動作を伴う作業場に適用

される。このような作業場では,暴露限界境界の基本となる条件と比較して,健康に対する全く異なる影

響が予測されるので(例えば,視覚作業性を維持するために絶えず行われる補正の結果として)

,最大推奨

値を更に低くすることが望ましい。


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Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

附属書 D(参考)温熱環境

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

表 D.1 及び表 D.2 に示す値は,温暖な気候帯及び衣服に関する特別な規定がない作業域に適用可能であ

る。温暖な気候帯以外の国では,ここで考慮する以外のこと,例えば,作業室内での微生物発生温度の低

下又は建物及びその換気システム内のかびの発生などが重要になる場合がある。衣服についての特別な規

定は,ユーザーの衣服管理を簡単にすることができる。これらの理由から,作業環境の計画及び評価をす

る場合には,関連するすべてについて考慮することが望ましい。

D.1

温熱快適感に関する推奨値  表 D.1 は,冬期及び夏期に温熱的快適感を満足させるうえで個人パラ

メータ及び環境パラメータに関する推奨値を示す。ユーザーの 80  %以上が,この温熱条件を受容できる

と推測される。この推測値は,ISO 7730:1994 の

附属書 に基づいており,い(椅)子作業及び 50  %の相

対湿度の場合の代謝率を想定している。

表 D.1  個人パラメータ及び環境パラメータの推奨値

パラメータ

冬期

夏期

個人パラメータ

衣服の断熱性 1.0

clo

 a)

 0.5

clo

 a)

活動レベル 1.2

met

全体的な温熱感覚に対する環境パラメータ

PMV

指標

−0.5<PMV<0.5

PPD

指標

<10  %

局所的な温熱感覚に対する環境パラメータ

放射温度の非対称性

b)

−  冷たい垂直面(壁,及び窓)

<10 K

−  暖かい水平面(天井)

< 5 K

垂直気温差

<3 K

気流に関する不満足率

<15  %

平均気速

c)

<0.13 m/s at 20  ℃

a)

 1

clo

=0.155 m

2

℃/W

b)

暖かい垂直面及び冷たい水平面についての推奨要求は厳しいものではなく,これは ISO 7730 には

含まれていない。

c)

空気温度は作用温度と等しく,また,乱流強度は 40  %として仮定している。 

他の受容レベルのパラメータ値は,ISO 7730 の規定に従って推測できる。

表 D.2 は三つの分類区分につ

いての推奨値を示す。

表 D.2 では,分類区分 B が表 D.1 に相当する。各分類区分の差異は,作用温度の範

囲である。すなわち,在室人員の最大数が満足する温度は,全分類区分で同一である。


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Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

 D.2  PMV 指標及び PPD 指標の三つの分類区分についての

個人パラメータ及び環境パラメータ間の関係

パラメータ

冬期

夏間

個人パラメータ

衣服の断熱性 1.0

clo

 a)

 0.5

clo

 a)

活動レベル 1.2

met

環境パラメータ

分類区分 A B C A  B  C

PMV

指標

±0.2

±0.5

±0.7

±0.2

±0.5

±0.7

PPD

指標  %

<6

<10

<15

<6

<10

<15

作用温度  ℃ 22±1.0 22±2.0 22±3.0 24.5±0.5 24.5±1.5 24.5±2.5

a)

 1

clo

=0.155 m

2

℃/W

D.2

温熱パラメータの推測及び測定

D.2.1

個人パラメータ  個人のパラメータは,ISO 7730 の規定によるか又は ISO 8996 の規定中のより詳

細な情報を使用して,活動レベルを推測できる。ディスプレイワークステーションのい(椅)子作業につ

いては,値 1.2 met の使用を提案している。

衣服の断熱性は,

ISO 7730

の規定によるか又は ISO 9920 の規定より詳細な情報を使用して推測できる。

冬には値 1.0 clo,夏には 0.5 clo を使用することを提案している。

D.2.2

環境パラメータ  環境パラメータは,ISO 7726 の規定に基づいて測定することが望ましい。

腹部の高さ,すなわち,いすの場合,床から通常 0.6 メートル,立位の場合,床から通常 1.1 メートルに

おいて,作用温度(PMV-PPD 指標)

,放射温度の非対称性及び湿度を測定する。気流及び直気温差を評価

するためには,頭及び足首の高さ,すなわち,いすの場合,床から通常 1.1 メートル及び 0.1 メートル,

立位の場合,床から通常 l.7  メートル及び 0.1  メートルの気温において,平均気速及び乱流を測定する。


29

Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

参考文献

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, Ergonomics of the thermal environment − Estimation of the thermal insulation and

evaporative resistance of a clothing ensemble

[17]  ISO 9921-1:1996

,Ergonomic assessment of speech communication−Part 1: Speech interference level and

communication distances for persons with normal hearing capacity in direct communication (SIL method)

[18]  ISO 10846-1:1997

,Acoustics and vibration−Laboratory measurement of vibro-acoustic transfer properties of

resilient elements

−Part 1: Principles and guidelines

[19]  ISO 10846-2: 1997

,Acoustics and vibration−Laboratory measurement of vibro-acoustic transfer properties

of resilient elements

−Part 2: Dynamic stiffness of elastic supports for translatory motion−Direct method

[20]  EN 1299

,Mechanische Schwingungen und Stoesse (corected version April 1999)

[21] ÇAKIR

,A. ÇAKIR,G. (1988),Robustness of Perceptibility of Electronic Displays under Unfavourable

Environmental Conditions. In: Designing for a Better World

,10th IEA International Congress,Proceedings,

Sydney

[22] LAZARUS

,H.,Prediction of verbal communication in noise−Part 1: A review. Applied Acoustics 19 (1986),

pp.439-464.

[23] LAZARUS

,H.,Prediction of verbal communication in noise−Part 2: Development of generalized SIL curves

and the quality of communication. Applied Acoustics 20 (1987)

,pp.245-261.

[24] WILKINS

,A.J.,NIMMO-SMITH,M.I.,SLATER,A.,BEDOCS,L.,Fluorescent lighting,headaches

and eyestrain

,Proceedings of CIBSE National Lighting Conference,Cambridge (UK),1988,S,pp.188-196.


30

Z 8516

:2007 (ISO 9241-6:1999)

[25]  VDI 2062-1

,Schwingungsisolierung: Begriffe und Methode

[26]  VDI 2062-2

,Schwingungsisolierung−Isolierelemente

[27]  VDI 3729-1

,Emissionskennwerte technischer Schallquellen; Geräte der Büro- und Informationstechnik;

Rahmenrichtlinie

[28]  VDI 3729-6

,Emissionskennwerte technischer Schallquellen; Geräte der Büro-und Informationstechnik;

Arbeitsplatzcomputer

[29]  VDI 3831

,Schutzmaßnahmen gegen die Einwirkung mechanischer Schwingungen auf den Menschen−

Allgemeine Schutzmaßnahmen

,Beispiele