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日本工業規格

JIS

 Z

8513-

1994

 (I

9241- :

1992

)

人間工学−視覚表示装置を

用いるオフィス作業

−視覚表示装置の要求事項

Ergonomics

−Office work with visual display terminals (VDTs)

−Visual display requirements

日本工業規格としてのまえがき 

この規格は,1992 年第 1 版として発行された ISO 9241-3 [Ergonomic requirements for office work with visual

display terminals (VDTs)

−Part 3 : Visual display requirements]  を翻訳し,原国際規格の様式によって作成し

た日本工業規格であるが,規定内容の一部を我が国の実情に即して変更した。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格の規定内容を変更した事項,又は原国際規

格にはない事項である。

0.

序文  オフィス作業システムにおける作業性 (performance) は,人々の快適性と同様に,視覚表示装

置(以下,VDT という。

)の画面上の情報表示方法,及び作業場の視環境によって影響される。

個々の作業者の要求の満足度は,アプリケーションに高く依存する。ここに規定する推奨事項及び要求

事項は,ISO 6385 に規定する人間工学の原則に基づく。

1.

適用範囲  この規格は,単色及び多色の VDT の設計及び評価のための画質の要求事項について規定

する。この要求事項は,性能上の規定として記述され,評価については試験方法及び適合を規定する。

この規格で推奨する事項は,欧字及びアラビア数字に基づいているが,特に断りがない限り,漢字及び

仮名にも適用できる。

参考  原国際規格では,“欧字”を具体的に“ラテン文字,キリル文字及びギリシャ系のアルファベッ

ト”と記している。

作業性及び快適さに影響を及ぼす他の要因としては,輝度,明滅 (blinking), 色などによるコーディング,

書式及び情報の表示の様式がある。これらの視覚上の側面以外の項目は,この規格では扱わない。

この規格は,オフィス作業用の電子式ディスプレイの人間工学上の設計に適用する。VDT を用いるオフ

ィス作業とは,データ入力,文書処理及び対話形問合せのような活動を含むが,CAD(コンピュータ援用

設計)

,プロセス制御のような,他の特定のアプリケーションに対する推奨事項は含まない。

そのようなアプリケーションについての推奨事項は,別個に制定する計画である。

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。


2

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

2.1

観視角  (angle of view)    視線と表示面との交点において,表示面の法線と視線とのなす角。

2.2

アンティエイリアスフォント  (anti-aliased font)   例えば,階調を付けるなどによって,文字の縁を

滑らかに見せる技法を用いた文字記号。

2.3

文字間距離  (between-character spacing)    水平(縦書きでは垂直)に隣接した文字の間の最も近い部

分の距離。

2.4

行間距離  (between-line spacing)    垂直(縦書きでは水平)に隣接した文字の間の最も近い部分の距

離。

2.5

単語間距離  (between-word spacing)    隣接した単語の間の最も近い部分の水平距離。

2.6

明滅コーディング  (blink coding)    画像の時間的輝度変化によって表示される情報。

2.7

文字の画素構成 (character format)    単独の文字を形成するのに用いられるマトリックスの横及び縦

の画素の数。

2.8

文字高  (character height)    アクセント符号がない大文字(漢字及び仮名では文字を構成する画素の

最外側の画素)の上下のエッジ間の距離。

参考  エッジの定義は,6.6.1 の備考 10.参照。

2.9

文字サイズの均一性  (character size uniformity)    画面上の異なった位置に表示された特定の文字の

大きさの不変性。

2.10

文字幅  (character width)    大文字(いわゆる,セリフを除く。)の最も幅の広い部分におけるエッジ

間の水平距離。漢字及び仮名では,文字を構成する画素の最外側の画素間の水平距離。

参考  セリフとは,例えば H の縦の線の両端のように,文字を構成する線の端に付けるひげ状の飾り。

2.11

文字の横−縦の比  (character width-to-height ratio)    文字幅の,文字高に対する比。

2.12

設計視距離  (design viewing distance)    製造業者又は販売業者が指定した,作業者の目と画面との間

の距離,又は距離の範囲であって,表示面上の画像が,文字サイズ,ラスタ変調度,充てん率,ジッタ,

フリッカなど,この規格の要求事項に合致する距離。

2.13

ダイアクリティカルマーク  (diacritic)    一個の文字に直接,又は文字の近くに付けて,この符号が

ない文字とは発音が異なることを示す部分修正符号。

参考  例えば,ç の c に付けられるセディラ (cedilla), ñ の n に付けられるチルド (tilde) など(JIS X 

0212

附属書 表 参照)。

2.14

表示輝度  (display luminance)    画面から発光及び反射される輝度であって,ネガティブ表示では文

字記号の輝度に,ポジティブ表示では背景の輝度に相当するもの。

2.15

充てん率 (fill factor)   1 個の画素に利用できる全体の面積のうち,光を変調することができる部分

の面積の割合。

参考  ブラウン管(以下,CRT とする)には適用しない。(5.7 参照)。

2.16

表示極性 (image polarity)    背景の明るさと画像の明るさとの関係。暗い背景上の明るい画像の表示

をネガティブ表示,明るい背景上の暗い画像の表示をポジティブ表示とする。

2.17

視認性 (legibility)    文字又は記号の認識されやすさの程度。

2.18

視線  (line of sight)    注視点と瞳孔の中心とを結ぶ線。

2.19

直線性  (linearity)    行又は列がまっすぐに,かつ連続に見えるようなラスタの均一性。

参考  JIS C 7102(電子管用語)の中のたる形ひずみ及び糸巻形ひずみは,CRT の場合に直線性が損

なわれた現象を指す。


3

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

2.20

輝度バランス (luminance balance)    表示された画像の輝度の,その周辺の輝度,又は作業者が順次

観察する画像,原稿,キーボードなどの輝度に対する比。

2.21

輝度コーディング  (luminance coding)    時間に無関係の(すなわち,明滅によらない。),画像上の

輝度の差異だけによって表示される情報。

2.22

輝度コントラスト (luminance contrast)    見やすさの大きな要因であり,高輝度  (L

H

)

と低輝度  (L

L

)

との関係であって,次式で定義するコントラスト変調度  (C

m

),

又はコントラスト比  (CR)  のどちらかで表

されるもの。

)

(

)

(

L

H

L

H

m

L

L

L

L

C

+

=

,

L

H

L

L

CR

=

2.23

輝度の均一性  (luminance uniformity)    同一の輝度であることを意図した表示画面上の部位の間の

輝度の一様性。

2.24

直交性  (orthogonality)    行と列とが互いに直角をなす幾何学的な配置の度合い。

参考  平行四辺形ひずみ及び JIS C 7102 の中の台形ひずみは,CRT の場合に直交性が損なわれた現象

を示す。

2.25

画素  (pixel)    ディスプレイのアドレス可能な最小要素。多色のディスプレイでは,すべての色を表

現することができるアドレス可能な最小要素。

2.26

ラスタ変調度    (raster modulation)  すべての画素が表示されたときの,最大輝度(ラスタ上)から最

小輝度(ラスタ間)までの輝度の空間的変調度。

2.27

可読性  (readability)    単語及び文章の識別,認識及び解釈のされやすさの程度。

2.28

ジッタ  (spatial instability ; jitter)    画像に意図しない空間的変動が知覚されること。

2.29

ストローク幅  (stroke width)    文字ストロークのエッジからエッジまでの距離。2 画素以上のストロ

ークでは,文字ストロークの最も外側のエッジからエッジまでの幅とする。

参考  ストロークとは,文字を構成する線をいう。

2.30

フリッカ  (temporal instability ; flicker)    輝度に意図しない時間的変動が知覚されること。

3.

指針とする原則  オフィス作業システムは,VDT を含む作業設備 (work station), 環境,作業の構造,

組織上の事柄及び社会的要因からなる統合体である。VDT の特性は,個々の視覚上の要求事項の寄せ集め

ではなく,作業システムの他の要素と関連付けて考えなければならない。

設計要素は,多くの場合に,一方を最適化することが,他方を損なうように相互に作用し合う。例えば,

CRT

ディスプレイでは,文字の明るさと鮮鋭度との間にトレードオフがある。トレードオフは,バランス

よく設定するのがよい。

参考  トレードオフとは,競合する要因の間の折合いを取り,最適解を求めることをいう。

良い作業システムは,個人の要望に合致することが望ましい。特定の状況のもとでは,このことは,特

別注文の設計とするか,又は適当な調節機能を備えることで達成できる。

オフィス作業環境における視作業の効率及び快適性を考えると,画質は,認知可能な下限を大幅に上回

るほうがよい。この規格の推奨事項は,このことを考慮したものである。

4.

性能上の要求事項  この規格の目的は,VDT が見やすく,読み取りやすく,快適に使えるようにする

要求事項と適合性とを規定することである(適合性については 7.,  用語の定義については 2.参照)


4

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

5.

設計上の要求事項及び推奨事項

5.1

設計視距離  通常のオフィス作業では,設計視距離は 400mm 以上でなければならない。ただし,あ

る種のアプリケーション(例えば,タッチスクリーンのソフトキーラベル)においては,最小の設計視距

離は,300mm まで減少して差し支えない。

作業設備のパラメータは,ISO 9241-5 の主題である。しかし,作業設備の設計は,ディスプレイが設計

視距離の範囲内で使用できるようにするのがよい。文脈を知るために多量の読取りが必要な作業では,欧

字及びアラビア数字の文字高が,視角にして 20∼22′になるような距離でディスプレイが使えるような作

業設備の設計にするのがよい。

図 に,手引として,2.0∼5.0mm の文字高に対する,文字高と視距離との

関係を示す。

なお,漢字表示にも欧字及びアラビア数字と同一の設計視距離としなければならない。

参考  視距離の要求事項(及びこの規格の他の要求事項)は,欧字及びアラビア数字に基づく。漢字

についても,欧字及びアラビア数字の要求を基に規定している。

図 1  設計視距離と文字高との間の関係

5.2

視線角  視線角が水平線と水平線から 60°下方の線との間にある状態で,見なければならない範囲

が見えるように,ディスプレイの位置決めができなければならない(

図 参照)。この要求事項は,作業設

備全体に適用する。


5

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

図 2  視線角

5.3

観視角  ディスプレイは,表示面のどこで測定しても,ディスプレイの面に対する法線から 40°以

下の観視角でも見やすいことが望ましい。そうでない場合には,製造業者又は販売業者は,観視角の制限

値を仕様に明記し,かつ,ディスプレイは,容易に見やすい向きに配置し直すことができなければならな

い(

図 参照)。

図 3  観視角

5.4

文字高  ほとんどの作業では,20∼22′の視角に対応する欧字及びアラビア数字の文字高が望まし

い。最小の文字高は,欧字及びアラビア数字では 16′,漢字では 25′なければならない。

作業上,可読性があまり重要でないアプリケーション(例えば,脚注,上付き文字,下付き文字)には,

より小さい文字を使ってもよい。

5.5

ストローク幅  欧字及びアフビア数字のストローク幅は,文字高の

6

1

から

12

1

の範囲内でなければなら

ない。

備考  一般に,ポジティブ表示には広めのストロークが好まれ,ネガティブ表示には狭めのストロー

クが好まれる。

5.6

文字の横−縦の比  欧字及びアラビア数字には,最適の視認性及び可読性のためには,0.7 : 1∼0.9 :

1

の間の横−縦の比を推奨する。しかし,他の事項(行の長さ,欧文ピッチ処理,漢字との並びなど)を

考慮しても,この比は 0.5 : 1 と 1 : 1 との間でなければならない。

漢字及び仮名の横−縦の比は,0.8 : 1∼1.2 : 1 の間でなければならない。

5.7

ラスタ変調度及び充てん率


6

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

5.7.1

ラスタ変調度  1°当たり 30 画素未満の画素密度(ラスタに垂直方向,設計視距離で)をもつ CRT

ディスプレイでは,すべての画素が表示状態  (“on”state)  にあるときに,ラスタ線に垂直な方向のコント

ラスト変調度は,単色のディスプレイでは

C

m

=0.4 を,また多色のディスプレイでは

C

m

=0.7 を超えては

ならない。

備考  視認性の点から,ディスプレイが単色でも多色でも,

C

m

が 0.2 を超えないことが望ましい。

5.7.2

充てん率  設計視距離で,1°当たり 30 画素未満の画素密度をもつ CRT 以外のマトリックスディ

スプレイでは,充てん率は,少なくとも 0.3 はなければならない。

5.8

文字の画素構成  数字及び大文字だけの表示に使用する文字マトリックスは,少なくとも 5 画素×7

画素(幅×高さ)でなければならない。漢字表示に使用する文字マトリックスは,少なくとも 15 画素×16

画素(幅×高さ)でなければならない。複雑な字画の再現性は,更に多い画素構成が望ましい。

文脈を知るために連続的な読み取りが必要な作業,又は校正のように個々の欧字及びアラビア数字の可

読性が重要な作業には,文字マトリックスが,少なくとも 7 画素×9 画素でなければならない。

ダイアクリティカルマークを用いる場合には,文字マトリックスは,上方に少なくとも 2 画素増やさな

ければならない。小文字を用いる場合には,文字マトリックスは,小文字のディセンダのために,下方に

少なくとも 2 画素増やさなければならない(

図 参照)。

参考  “g”のように,欧字の小文字でベースラインから下方に突き出した部分を,ディセンダと呼ぶ。

図 4  行間距離

より高密度の文字マトリックスに対して,ダイアクリティカルマークに用いる画素の数は,印刷用の通

常のデザインに従うとよい。

下付き文字及び上付き文字,

並びに一つの文字の位置に表示する分数の分子及び分母に用いる場合には,

文字マトリックスは,少なくとも 4 画素×5 画素でなければならない。

また,この文字マトリックスは,作業者の業務に関係しない英数字の情報(版権情報など)にも使用し

て差し支えない。

ドットマトリックス以外の技法では,同等の文字の形状が表示されればよい。

5.9

文字サイズの均一性  特定の文字フォントの特定の文字の高さ及び幅は,それがディスプレイ画面

上のどこに表示されるかにかかわらず,その文字高(6.6.1 参照)の±5%を超えて変動してはならない。

5.10

文字間距離  セリフ(2.10 の参考参照。)がない文字フォントでは,文字間距離は,少なくとも 1 ス

トローク幅又は 1 画素なければならない(

図 参照)。セリフがある文字では,文字間距離は,隣接する文

字のセリフの間に少なくとも 1 画素あけなければならない。


7

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

図 5  文字間距離

5.11

単語間距離  欧文では,単語の間は,少なくとも 1 文字幅(欧文ピッチ処理では大文字の“N”)あ

けなければならない。

5.12

行間距離  文書の行間距離は,少なくとも 1 画素なければならない。この領域は,文字の一部又は

ダイアクリティカルマークを含まないほうがよいが,下線は含んでもよい(

図 参照)。

5.13

直線性  次の二つの条件を満たさなければならない。

(a)

異なった行又は列に対しては,長さの差は,その行又は列の長さの 2%を超えてはならない。

(b) 1

個の記号の位置の,すぐ上又は下の記号の位置に対する水平方向の変位は,文字幅の 5%を超えて

はならない。1 個の記号の位置の,すぐ右又は左の記号の位置に対する垂直方向の変位は,文字高

の 5%を超えてはならない(

図 参照)。

図 6  直線性

5.14

直交性  ディスプレイの有効画面 (addressable area) は,長方形でなければならず,かつ,次の条件

を満たさなければならない(

図 参照)。

(a)

水平方向のエッジの間の長さの差 |

H

1

H

2

|

の,それらの平均の長さ 0.5 (

H

1

H

2

)

に対する比が,

0.02

を超えてはならない。


8

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

(b)

垂直方向のエッジの間の長さの差 |

V

1

V

2

 |

の,それらの平均の長さ 0.5 (

V

1

V

2

)

に対する比が,

0.02

を超えてはならない。

(c)

対角線の間の長さの差 |

D

1

D

2

 |

の,それらの平均の長さ 0.5 (

D

1

D

2

)

に対する比が,短辺のエッ

ジ(例えば,向きによって垂直又は水平)の平均の長さの,長辺のエッジ(例えば,水平又は垂直)

の平均の長さに対する比の 0.04 倍を超えてはならない。

図 7  直交性

水平方向:

02

.

0

)

(

5

.

0

2

1

2

1

H

H

H

H

垂直方向:

02

.

0

)

(

5

.

0

2

1

2

1

V

V

V

V

対角方向:

)

(

5

.

0

)

(

5

.

0

04

.

0

)

(

5

.

0

2

1

2

1

2

1

2

1

H

H

V

V

D

D

D

D

+

+

×

5.15

表示輝度  良好な視認性を確保するために,ディスプレイは,35cd/m

2

以上の表示輝度,又は

参考 1.1

の条件での拡散反射輝度

L

D

 (

E

0

)

に対し,1+10

0.82

×

L

D

-0.39

 (

E

0

)

を乗じた表示輝度が可能でなければならな

い。5.7.2 の規定が適用されるディスプレイでは,ピーク輝度でこの要求事項を満たさなければならない。

輝度コーディングを行う場合には,低い方にコーディングした輝度についてもこの要求事項を満たさなけ

ればならない。

備考  作業者は,もっと高い表示輝度(例えば,100cd/m

2

)を好む傾向があり,特に周囲の照度が高

い場合に,その傾向が著しい。

参考  5.7.2 の規定が適用されるディスプレイとは,設計視距離で 1°当たり 30 画素未満の画素密度を

もつ CRT 以外のマトリックスディスプレイをいう。


9

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

5.16

輝度コントラスト  視認性に関係が深い,文字の細部(文字内及び文字間)の輝度コントラストは,

次の値以上でなければならない。

コントラスト変調度

C

m

=0.5  すなわち,コントラスト比

CR

=3 : 1

又は,コントラスト比

CR

=1+10

0.82

×

L

D

-0.39

 (

E

0

) : 1

5.17

輝度バランス  画面,文書などに,次々と頻繁に視線を向けて注目する作業領域の間の広域面積平

均輝度(

参考 2.0 を参照)の比率は,10 : 1 よりも小さい方がよい。一つの作業領域に視線を向けていると

きの視野では,注目している作業領域の広域面積平均輝度と,その周辺[例えば,ディスプレイのきょう

(筐)体,部屋の壁など]の広域面積平均輝度との比率は,もっと大きくても視作業に悪影響を及ぼさな

いであろう。しかし,その比率が 100 : 1 にもなると,わずかではあるが,はっきりした作業性の低下が生

じると思われる。

5.18

グレア  グレアは避けた方がよい。グレアを減らす,又はコントラストを高める,何らかの付加的

手段が講じられたとしても,5.15 及び 5.16 の要求事項に違反する結果を引き起こしてはならない。ISO 

9241

-7

が,グレアの要求事項を詳細に規定することになっている。

5.19

表示極性  この規格の要求事項に合致している限り,ポジティブ表示とネガティブ表示とのどちら

も受容される。

表示極性に対する好みは,人それぞれである。表示極性が,切り替えられるディスプレイでは,それぞ

れの表示極性について,この規格の要求事項に合致していなければならない。

それぞれの表示極性には,次に例示するような利点がある。

(a)

ポジティブ表示では,鏡面反射が目ざわりになりにくく,エッジがくっきり見え,良好な輝度バラン

スが得やすい。

(b)

ネガティブ表示では,フリッカが目立ちにくく,一部の低視力者にとっては視認性が優り,文字の大

きさが実際よりも大きく見えることがある。

5.20

輝度の均一性  輝度の均一性を確保するために,画面のどの部分でも広域面積平均輝度の変動は,

画面の中心の輝度と比べ,1.7 : 1 を超えてはならない。

文字の要素(ドット又はストローク)のピーク輝度の変動は,1 個の文字の中で 1.5 : 1 を超えてはなら

ない。

備考  文字内輝度の均一性の要求事項は,アンチエイリアスフォント又は多色ディスプレイには適用

しない。

5.21

輝度コーディング  輝度だけでコーディングする場合の各階調は,互いに 1.5 : 1 以上の輝度の比率

でなければならない。

5.22

明滅コーディング  注意を喚起するだけのために明滅コーディングを用いる場合には,デューティ

サイクル 50%で,1∼5Hz の単一明滅周波数を推奨する。明滅している間も可読性が要求される場合には,

デューティサイクル 70%で,

3

1

∼1Hz の単一明滅周波数を推奨する。カーソルは,明滅しないようにもで

きることが望ましい。

5.23

フリッカ  ディスプレイの画像は,利用者全体の 90%以上の人たちにはフリッカが知覚されないよ

うでなければならない。

備考  フリッカを予測及び測定する方法は,現在まだ検討中である。附属書 及び に,それらの試

案を示す。

最終的な方法が開発されたら,この規格の追補として規定されることになろう。


10

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

5.24

ジッタ  ディスプレイの画像は,安定して見えなければならない。これは,0.5∼30Hz の周波数の範

囲で,画素の位置の最大変動幅が,設計視距離の 1mm 当たり 0.000 2mm を超えないようにすることで達

成される。

5.25

表示色  多色ディスプレイの画像は,この規格の該当する要求事項に従わなければならない。しか

し,表示色の取扱いは非常に複雑なので,ISO 9241-8 で表示色について取り扱う。

6.

測定の条件及び方法

6.1

測定条件

6.1.1

供試装置  試験するディスプレイ装置には,実物を用意しなければならない。ディスプレイ装置は,

定められた測定方向に向けなければならない。試験に先立ち,少なくとも 20 分間は余熱しなければならな

い。入力電圧,電流などは定格条件でなければならない。電源投入後,組み込まれた手動の消磁装置は,

すべて稼動しなければならない。

6.1.2

照明条件(参考参照)  ディスプレイが,この規格の要求事項に合致していることを決定するため

には,暗室条件で測定した発光輝度に,計算で求めた反射輝度を算術的に加算しなければならない。

発光形ディスプレイでは,光学的測定は,暗室条件で行う。明室で測定した場合には,暗室条件に換算

しなければならない。

もし,輝度測定に暗室条件が得られないときには,次に示す手順で,明室条件の等価測定で代替する。

(a)

ディスプレイ画面の拡散反射率を,拡散光(鏡面反射は除く。

)又は 45°の入射光を用いて測定す

る。

(b)

想定した周囲照明下でのディスプレイ画面の反射輝度を計算する。

(c)

明室条件でディスプレイ画面の実際の反射輝度を測定する。

(d)

以降のすべての測定について,測定した反射輝度を,計算で求めた反射輝度に修正する。

この規格が要求するその他の測定は,最初の測定(明室条件)で用いた照度で行われなければならない。

測定に必要な光は,試験設備で与えるか,又は多重反射面をもつ厚い半透明の材料(ディスプレイの表

示面)に対して使うことに適した標準反射率測定装置から与えなければならない。

入射光は,拡散光又は 45°入射光を用いなければならない。反射輝度レベルは,ディスプレイの中心で

の測定値が, (250+250cos

A

) lx

であるとした周囲光における値に,換算しなければならない。ここに,

A

は,ディスプレイ画面の中心の接平面と,水平面とのなす角度である。

非発光ディスプレイでは,周囲照明は,拡散光(推奨)又は 45°入射光でなければならない。反射輝度

35cd/m

2

が得られる照度を算出し,適合証明書に記載しなければならない。

6.2

測光に関する要求事項(参考参照)  輝度計(又は同等の測定器)とは,限定された測定視野,及

び限定された時間にわたって,輝度を積分するものである。輝度計は,その測定がほとんどのディスプレ

イが発生しているパルス的な発光に影響されないように,十分長い積分時定数をもつものでなければなら

ない。輝度計の測定視野は,その測定に適したものでなければならない。輝度計は,正確に配置しなけれ

ばならない。

輝度は,

ディスプレイ画面中心での法線に光軸合わせした輝度計で測定しなければならない。

照度計及び輝度計の,性能及び特性については,CIE Publication 69 を参照。

6.2.1

顕微測光的な輝度測定

6.2.1.1

輝度計についての要求事項  輝度計の測定視野の有効幅は,連続又は不連続の輝度分布をもつ,

いずれの画素についても,画素幅の

8

1

以下であることが望ましい。

連続輝度分布の画素については,スリットアパーチャ又はスポットアパーチャの測定視野を使用してよ


11

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

い。スポットアパーチャを使用した場合には,測光光路は,測定画素又は画素群の中心を通らなければな

らない。

5.7.2

の規定を適用できるディスプレイについては,スポットアパーチャを用いなければならない。

不連続な輝度分布(特に多色のシャドウマスク CRT)の画素については,スリットアパーチャのある輝

度計か,又は同等の測定器を用いなければならない。スリットの長さは,単一画素の寸法の 4 倍以上でな

ければならない。スリットは,測定する特定パターンの長軸に平行でなければならない。

特別なディスプレイ測定器を用いてもよい。それらの装置を用いた測定は,輝度計に対して規定した測

定と同等に行わなければならない。

6.2.1.2

輝度プロファイル  規定された特定パターン,文字,文字群又は同等の試験対象の輝度プロファ

イル(位置と輝度との関係)を得るためには,測定する特定パターンの長軸に直角方向に,測定視野を走

査しなければならない(

図 810 及び図 1216 参照)。

図 8  輝度プロファイルの測定及び再構成

輝度プロファイルは,連続でなければならない。不連続輝度分布の画素については,次のいずれかによ

って,再構成しなければならない。

(a)

輝度プロファイルを描き,単色蛍光ドットのピーク輝度を直線で結ぶ(

図 参照)。

(b)

輝度プロファイルのピークに対して数学的にローパス(スムージング)アルゴリズムを適用する。

備考  測定ピークに,ガウス分布を当てはめる数学的手順は,十分注意して使うことが望ましい。こ

の規格で要求する測定のほとんどは,1 画素幅以上のパターンの測定を必要としている。その

ようなパターンは,ディスプレイ装置上で適切に分解されていれば,輝度プロファイルは,ガ

ウス分布にならない。

測定した輝度プロファイルに,次の修正(シャドウマスクと輝度計とのアパーチャ効果に対して)を加

える。

P

I

A

W

M

I

COR

×

L

L

L

L


12

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

さらに,反射輝度を加える。

L

T0T

L

C0R

L

REF

ここに,

L

I

P

測定に用いる色の全画素を“

on

”状態にしたときの,輝度プ

ロファイルの平均ピーク輝度。プロファイルは,L

I

M

と同

じ方向に測定する。

L

I

M

測定された輝度プロファイル(測定に用いた色で)

L

W

A

白色での面積平均輝度,又は表示輝度(

6.3

参照)の設定に

使用した色での面積平均輝度

L

REF

反射輝度(

6.1

参照)

L

TOT

合計輝度(特定点における修正輝度と反射輝度との和)

図 9  多色シャドウマスク CRT の輝度値

備考1.  垂直ピーク輝度と水平ピーク輝度とは等しくない。

2.

輝度値は,測定輝度プロファイルを測定表示輝度に合わせて補正するのに使用する。

それぞれの測定位置における輝度プロファイルを確定するために,次の手順を用いて暗室で行うのがよ

い。

(c)

測定位置において,その領域の画素を,表示輝度を測定するのに用いる論理状態にセットする(

6.3

参照)

(d)

面積平均輝度 L

W

A

を測定する。

(e)

単色(例えば,緑)を測定に用いるときには,画素をその色に変える。スリットアパーチャで,測定

に必要な方向に輝度プロファイルを測定する。プロファイルから,平均ピーク輝度 L

I

P

を決定する。

(f)

同一の単色のまま,所定の文字,試験対象又は画素パターンに変える。輝度プロファイル L

I

M

を決定

する。

(g)

修正輝度 L

COR

及び合計輝度 L

TOT

を計算する。


13

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

図 10  測定輝度,修正輝度及び合計輝度の輝度プロファイル

6.2.1.3

統計的解析

  多色シャドウマスク

CRT

において,測定輝度プロファイルは,マスクピッチに対す

る電子ビームの位相及びサイズを含む多くの要素に依存する。各測定結果の間には無視できない変動があ

ると考えられる。

それゆえ,一回の測定結果は確率論的であるので,解釈には統計的解析が必要である。報告値は,規定

された測定位置の近くの,異なる位置での

4

回以上の測定の平均値でなければならない。多色シャドウマ

スク

CRT

については,要求値の±

10%

以内の報告値は,合格としなければならない。

6.2.1.4

試験対象

  測定は,特別の試験対象,文字又は測定事項で決められた他のパターンを用いてよい

図 12

図 13

及び

図 15

を例として参照)

。試験対象を使用する場合には,試験対象は,次の特性をもた

なければならない。

(a)

試験対象は,平行な,垂直画素線又は水平画素線からなること。

(b)

各画素線は,輝度計のスリットアパーチャより

10%

以上長いこと。

(c)

線の各画素は,同一の論理状態にあること。

(d)

試験対象の画素線の配列は,測定文字

 (M

H

e

m)

などの,測定する部分の画素の配列と,同一の

論理状態でなければならない。

試験対象は,輝度コントラストの測定に用いてもよい。一つの測定を小文字の“

e

図 16

参照)

で規定する。垂直の測定経路が内部ループを通過していくと,

1

画素が“

on

,次の画素が“

off

そして,その次の画素が“

on

”であることが分かる。したがって,同等の試験対象は,

3

本の水

平線で,

on-off-on

”パターンからなる。パターンは,測定するのに便利なように繰り返してもよ

  (

on-off-on-off-on

……

)

備考

文字サイズ及び文字間距離の決定のための試験対象は,画素のブロックでよく,内部の画素が

どの状態にあってもよい。

参考

on

”とは,ネガティブ表示では“明”

,ポジティブ表示では“暗”となる表示状態をいう。

off


14

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

とは,ネガティブ表示では“暗”

,ポジティブ表示では“明”となる表示状態をいう。

6.2.2

表示輝度測定(面積平均輝度の測定)

  輝度計又は特別なディスプレイ測定器の有効な測定視野径

は,文字幅の約

2

1

であることが望ましい。

6.2.3

広域面積平均輝度の測定

  輝度計の有効な測定視野は,表示面の有効画面の約

1%

以上を包含でき

ることが望ましい。

6.3

表示輝度の設定

  この規格に規定するすべての測定,試験及び計算には,別途定める場合を除き,

単一の表示輝度及び色の設定を用いなければならない。

システムが輝度を選択するディスプレイ装置では,

既定値を用いなければならない。オペレータが選択できる輝度設定をもつディスプレイ装置では,

35cd/m

2

以上に設定しなければならない。測定については,

6.2.2

及び

6.6.8

を参照せよ。

備考

最小の試験輝度は

35cd/m

2

であるが,最大値は規定していない。実際の使用における現実的な

設定を用いることが望ましい。

参考

別途定める場合とは,シャドウマスク

CRT

において,白色及び他の単色での測定を行うことが

あること

  (6.2.1.2)

をいう。

6.4

測定位置

5

か所の標準測定位置を規定する(

図 11

参照)

。その位置は,次のとおりとする。

(a)

中心[有効画面

 (addressable area)

2

本の対角線の交点]

(b)

有効画面の対角線上で,各隅から対角線長の

10%

の位置

備考

画面上のすべての位置に適用されるこの規格の要求事項,及び

5

か所の標準位置のうちの最悪

値及び規定した要求事項については,スクリーンの中心及び最悪箇所の数値を報告する必要が

ある。

6.5

画面上の距離

  画面上の距離は,すべての測定において,画面中心の接平面に平行に測定しなけれ

ばならない。

図 11  標準測定位置


15

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

6.6

特定項目の測定

6.6.1

文字サイズ

  ある特定の文字フォントの文字高及び文字幅は,アクセント符号が付いていない大文

字の対応する平行エッジ間の距離である(

図 12

参照)

。この規格では,文字高及び文字幅を規定するのに,

大文字“

M

”を使用することを推奨する。しかし,大文字“

M

”は,文字高の測定に不適切なことがある。

したがって,それぞれの測定方向で大文字“

M

”と同一の画素数となる試験対象(

6

.2.1.4

参照)を,文字

高及び文字幅の測定に使用してもよい。文字高及び文字幅は,

6.4

で規定する

5

か所の測定位置に表示され

た“

M

”という文字の平均寸法,又はそれと同等の試験対象の平均寸法とする。

漢字及び仮名では,

“森”を文字サイズ規定文字とし,その構成画素すべてが“

on

”の状態の試験対象で

測定するのがよい。

備考

文字のエッジは,

文字と背景との輝度差の

50%

点までの広がりとして定義する。

この

50%

点は,

6.2.1

に従って測定した輝度プロファイルから決定する。

図 12  文字高及び文字幅

6.6.2

文字の横−縦の比

  ある特定の文字フォントの横−縦の比は,

6.6.1

に従って測定した文字(欧字

では,アクセント符号の付いていない大文字“

M

,漢字及び仮名では“森”

)の文字幅の,文字高に対す

る比である。

6.6.3

文字のストローク幅

  文字集合のストローク幅は,文字を表現するために用いるストロークと,背

景との

50%

輝度差等高線の間の距離である。この

50%

輝度差等高線は,

6.2.1

に従って測定した輝度プロフ

ァイルによって決定する。この距離は,垂直ストローク幅を決定するときには,水平方向に画素又は画素

群の中心を通るように測定し,水平ストローク幅を決定するときには,垂直方向に画素又は画素群の中心

を通るように測定しなければならない。セリフは,これらの測定には含めてはならない。文字集合のスト

ローク幅は,

6.4

に規定する

5

か所の測定位置で測定したストローク幅の平均値である。大文字“

M

”を,

垂直のストローク幅を定めるのに使用しなければならない。大文字“

H

”を,水平のストローク幅を定め

るのに使用しなければならない(

図 13

参照)


16

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

図 13  ストローク幅

6.6.4

ラスタ変調度

  ラスタ変調度は,全画素を発光させた状態で,隣接する走査線を垂直方向に通過す

る線に沿い,

6.2.1

に従って,輝度プロファイルを得ることで測定しなければならない(

図 14

参照)

。この

ラスタ変調度は,プロファイルの最大値の平均と最小値の平均との間の変調度である。多色ディスプレイ

の場合には,プロファイルには

9

本以上の走査線を含むことが望ましい。

6.6.5

充てん率及びピーク表示輝度

  充てん率は,画素の高さにその幅を掛けてから,それをその画素に

割り当てられた面積で割って算出しなければならない。画素サイズは,

6.2.1

に従って得た輝度プロファイ

ルを基にして画素とその背景との

50%

輝度差等高線とによって決定しなければならない。ピーク表示輝度

は,充てん率を決めるのに使用したプロファイルのピーク輝度で,測定しなければならない。

図 14  ラスタ変調(均一ラスタ)

6.6.6

文字サイズの均一性

  文字サイズは,少なくとも

6.4

に規定する

5

か所の測定位置において,

6.6.1

に従って高さ及び幅を測定しなければならない。

6.6.7

文字間距離

  文字間距離は,水平に(縦書きでは垂直)隣接した文字の間の,最も近い部分の距離

である。文字間距離は,水平(縦書きでは垂直)に隣接する文字の間の画素の数から決定しなければなら

ない。

6.6.8

表示輝度

  表示輝度は,ある文字位置のすべての画素が,

6.3

で規定する状態にあるときに,その

文字位置の積分輝度として,測定しなければならない。輝度計は,

6.2

及び

6.2.2

の要求事項に合致しなけ

ればならない。


17

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

参考

文字位置のすべての画素とは,画面に文字を表示した場合に,その文字を構成する画素マトリ

ックスが占有する画面上の領域の画素の全体をいう。例えば,文字の画素構成が

7

×

9

のマトリ

ックスの場合には,

7

×

9

のマトリックスの画素のすべて(

63

画素)をいう。

6.6.9

輝度の均一性

6.6.9.1

広域面積平均輝度

  広域面積平均輝度の均一性測定には,表示スクリーン全体を,

6.3

で規定す

る状態に設定した画素で充てんしなければならない。広域面積平均輝度は,

6.2

及び

6.2.3

の要求事項に合

致する輝度計を使って測定しなければならない。

6.6.9.2

文字エレメントの均一性

  文字エレメントの均一性は,大文字“

H

”又はそれと同等の試験対象

の水平ストローク及び垂直ストロークの輝度均一性として測定しなければならない。輝度均一性は,スト

ロークの輝度プロファイルによって決定しなければならない(

図 15

参照)

6.6.9.3

輝度バランス

  輝度バランス測定では,画面を大文字“

M

”と“間隔

 (space)

”とを交互に繰り

返して埋めることが望ましい。

6.6.10

単語間距離

  単語間距離は,隣接した単語の間の最も近い部分の水平距離である。単語間距離は,

隣接する単語の間の画素の数から決定されなければならない。

セリフが使われていても,単語間距離を決定するのにセリフを含めてはならない。

図 15  文字内の輝度均一性

6.6.11

行間距離

  行間距離は,垂直方向(縦書きでは水平)に隣接した文字の間の最も近い部分の距離で

ある。行間距離は,垂直方向(縦書きでは水平)に隣接する文字の間の画素の数から決定しなければなら

ない。

6.6.12

直線性

  直線性は,遊動顕微鏡又はそれと同等の測定器具を使って決定しなければならない。顕微

鏡の移動軸は,測定する行又は列の軸にほぼ平行としなければならない。文字位置は,隣接する同一文字

の同じ部分を比較することによって決定しなければならない。


18

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

6.6.13

輝度コントラスト

  輝度コントラストの測定には,分離して見える画像細部のコントラストを使用

しなければならない。

2

個の文字(又はそれと同等の試験対象)を使用し,その各々を

6.4

で規定する

5

か所の測定位置で測定しなければならない(

図 16

参照)

。この

2

個の文字とは,小文字の“

e

(垂直方向

の輝度コントラスト測定用)及び“

m

(水平方向の輝度コントラスト測定用)である。文字(又は同じ画

素パターンをもつ試験対象)の細部のコントラストを測定するときの,輝度計の移動経路を

図 16

に示す。

コントラスト変調度は,

6.2.1

に従い,指定された経路に沿って輝度プロファイルを得ることによって測定

しなければならない。コントラスト変調度は,このプロファイルの最大値及び最小値から求める。

6.6.14

ジッタ

  画素が連続輝度分布だけのディスプレイについては,ジッタの測定には,倍率

20

倍以上

の測定用顕微鏡を使ってもよい。その動きは,観察時間中,顕微鏡カーソル又はコンパレータ焦点板を,

文字又は試験対象の重心又はエッジの振れの両端方向に合わせて測定する。

どの形式のディスプレイにも,特別なディスプレイ測定器を使用してよい。この測定器は,走査ごとに,

文字又は試験対象の相対位置を測定できなければならない。動きを水平軸及び垂直軸に沿ってだけ測定す

る装置を使用する場合には,ジッタの大きさは,最大水平差及び最大垂直差の二乗和の平方根としなけれ

ばならない。

観察時間は,少なくとも

4

秒間としなければならない。走査をサンプリングする測定装置は,少なくと

4

秒間の連続観察に等しい走査回数を積算するものでなければならない。

図 16  文字内及び文字間の輝度コントラスト

6.6.15

フリッカ

  フリッカを予測及び測定する方法は,現在まだ検討中である。

附属書 A

及び

附属書 B

に,それらの試案を示す。最終的な方法が開発されたら,この規格の追補として規定されることになろう。

7.

適合

7.1

この規格への適合性は,次のいずれかによって達せられる。

(a)  5.

の必す(須)要求事項のすべてを満たす。

(b)

この規格の追補

 (addendum)

に規定された試験方法及び関係する必す要求事項を用いて肯定的な結果

を得る。

備考1.

試験方法の案文を

附属書 C

に示す。この方法は,現在未実証の段階であり,実証後追補(規

定)として発行する。それまでは,

(a)

による適合だけが有効である。

2.

試験方法は,

CRT

以外の

VDT

のように

5.

を完全には適用できない

VDT

の評価のためのもの

である。

必す(須)要求事項は,

5.

において文章の末尾が指示又は要求を表す語句(例えば,

“しなければならな


19

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

い”

“なければならない”

)で表現されている。

適合は,例えば,使用する文字集合,表示色,装置構成,システムオプション,操作者の設定などにつ

いては規定値を用いて判定しなければならない。

この規格への適合は,ハードウェア,ソフトウェア及び作業設備それぞれの構成要素に依存し,これら

の要素の個々の適合は製造業者又は販売業者が示さなければならない。

また,組み合わせて使用する場合の適合については,組み合わせて使用する側が責任をもたなければな

らない。

7.2

適合証明書には,少なくとも次の情報を含まなければならない。

(a)

製造業者又は販売業者の詳細(名称及び所在地,型式番号など)

(b)

検査に関連する機器の全詳細(設置,設定及び構成状況,機器の特性,試験条件及び試験結果)

(c)

使用条件

(d)

特殊要求事項

(e)  7.1(b)

の適合方法を採用する場合には,被験者の選定に用いた判定基準及びそれらの関連特性の全詳細。

参考  7.2(b)

の一つの具体例を次に示す。

(1)

測定機器の名称,型式番号及び校正日

(2)

測定機器の測定条件

(3)

試験対象機器の名称,型式番号及び構成

(4)

使用したソフトウェア及び表示条件などの試験条件

(5)

準拠する項目及び試験結果


20

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

附属書 A(参考)  スクリーンフリッカ予測のための解析手法

この附属書は,ある

VDT

に対して一定の割合の利用者がフリッカを感じるか否かを予測する二つの解

析方法を示す。将来,この規格の改正の際に,この附属書を一つの方法にまとめる予定である。

A.1

スクリーンフリッカ予測のための解析方法

A.1.1

一般

  この方法は,設計中にディスプレイを評価する上でも,また,ディスプレイにフリッカを生

じさせない蛍光体及び表示周波数を選択する手段としても有益である。フリッカを生じさせないディスプ

レイの適合試験方法については,次のことを念頭に入れておかなければならない。

(a)

この方法によって,ある蛍光体の残光特性,表示周波数及び最大表示輝度に対して,

90%

の利用者が

フリッカを感じるか否かを予測することができる。

(b)

この予測は,種々の表示サイズのポジティブ表示に有効である(

表 A.1

参照)

。この予測は,すべての

画素又は走査線が光っている“最悪の場合”の表示構成に適用する。したがって,この方法は,最も

厳しい条件を想定したフリッカの試験である。すべての画素又は走査線が光っているときにフリッカ

を生じなければ,表示率

85%

の文字表示でもフリッカは生じないであろう。しかし,全画素表示でフ

リッカを生じたとしても,文字表示で必ずしもフリッカを生じるとは限らない。

以上の点から,ディスプレイがこの

A.1

の方法で不適合となった場合には,

附属書 B

に示すフリッカの

実験的な評価方法を適合試験方法として用いるのがよい。

この附属書に示す方法のいずれかによってフリッカが起きないことが判明した場合には,実験的フリッ

カ評価を行う必要はない。しかし,このいずれかの方法でフリッカが起きそうなことが予測される場合に

は,フリッカの適合試験方法として,

附属書 B

に示す実験的なスクリーンフリッカ評価方法を使用するこ

とが望ましい。換言すれば,この附属書の方法でフリッカが起きないと決定されれば,フリッカは起きな

いとみなされる。この附属書の方法でフリッカを生じると判定されても,実験的方法(

附属書 B

)でフリ

ッカを生じないと判定されれば,フリッカを生じないとみなされる。

表 A.1  表示サイズ別のフリッカパラメータ

CFF

mn ln (E

obs

)

E

pred

ae

bf

表示サイズ

(

゜)

m

n

a

b

10

   14.6

    6.999

   0.127 6

0.142 4

30

   13.837 6

    8.31

   0.191 9

0.120 1

50

    8.31

    9.73

   0.507 6

0.100 4

70

    6.783

   10.034

   0.53

0.099 2

備考1.  視角の度  (°)  で表した表示サイズは,次の式から計算する。

表示サイズ=

2arctan

÷

ø

ö

ç

è

æ

V

D

2

ここに,

D

 mm

で表したディスプレイの対角径

V

 mm

で表した設計視距離

平均的な CRT ディスプレイの表示径は 250∼375mm の範囲である。し

たがって,平均的な CRT ディスプレイの表示サイズは視角 28∼41°で
ある。

2.

表中の 及び のパラメータ値は,CFF の ln (E

obs

)

に対する線形回帰から

導き出し,及び のパラメータ値は,ln (E

obs

)

の CFF に対する線形回帰

から導き出した。理論的には,線形回帰式で分散の 100%が説明できれば,

a

及び は,それぞれ ae

-m/n

b

n

1

となる。実際には,分散の 95∼99%は


21

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

線回帰で説明がついた。したがって,実験値 と e

-m/n

との間,及び b と

n

1

の間には,それぞれわずかな差が生じている。

A.1.2

スクリーンフリッカ予測のための解析方法

A.1.2.1

基本原理

  この方法は,ディスプレイの輝度の時間変化に関する基本正弦波のエネルギー強度から,

一様に光っているディスプレイでフリッカが検知されるか否かを予測することが可能である,という仮説

に立脚している

[7, 9, 10, 13

15, 17]

。したがって,この方法の第一段階は,網膜照度の基本正弦波成分の強度 E

obs

を計算することである。次に,この数字とフリッカが検知される同様の強度,すなわち,予測フリッカし

きい値 E

pred

とを比較する。

E

obs

E

pred

であれば,フリッカは見えないと予測する。

E

obs

E

pred

であれば,フリッカは見えると予測する。

A.1.2.2

平均成分

VDT

の基本正弦波のエネルギー強度は,次のようにして計算できる。

(a)

スクリーン輝度を網膜照度の単位(トロランド)に換算する。

(b) cd/m

2

で表した,時間に対する平均スクリーン輝度 L

t

は,本体の

6.1

及び

6.3

に従って測定した表示輝

度である。L

t

はスクリーンの全輝度であり,これにはディスプレイの蛍光体から放射される輝度のほ

かにスクリーンから反射される輝度も含まれる。

(c)

ディスプレイのスイッチを切り,スクリーンからの反射輝度 L

(cd/m

2

)

を測定する。

(d)

観察者の瞳孔面積を推定する。瞳孔面積 は,順応輝度の関数である。次の式

[6]

を使って瞳孔の直径

d

 (mm) 

を推定し,

(mm

2

)

を計算する。

d

5

3tanh [0.4log (3.183

L

t

)]

(e)

時間変動成分について,網膜照度の時間平均値(トロランド)は,次の式で表される。

DC

  (

L

t

L

r

)

A

(A.1)

A.1.2.3

振幅係数

  スクリーン輝度の基本正弦波の振幅係数(変調度)を計算する。ここで単一の緩和過程

しかもたない最も単純な自然発光形の蛍光体の場合を考えてみる。

スクリーン輝度は,指数関数形減衰残光

exp (

t

/

α

)

をもつパルスの連続体である。時間変動性スクリー

ン輝度の基本正弦波の振幅係数は,次の式を使って計算できる

[19]

2

/

1

2

]

)

2

(

1

[

2

)

(

af

f

Amp

π

+

=

ここに,

α: 蛍光体残光の指数成分の時定数 (s)

f

ディスプレイの表示周波数 (Hz)

備考

α

は,蛍光体の輝度が,その初期値の 1/e まで減衰するのに要する時間である。しかし,減衰時

間  (TC

10%

)

は,通常,輝度がその初期値の 10%まで減衰するのに要する時間として表される。

蛍光体の TC

10%

値は,次の関係式によって

α値に換算することができる。

%

10

1

1

%

10

3

434

.

0

)

10

(

1

)

(

1

TC

n

e

n

TC

a

×

=

×

=

A.1.2.4

基本正弦波のエネルギー

  自然発光形の蛍光体の場合については,変動網膜照度の平均値に基本正

弦波の振幅係数 Amp (f)  を乗じて,網膜照度の基本正弦波成分 E

obs

を計算する。

E

obs

DC×Amp (f) (A.2)

A.1.2.5

予測

  人間がフリッカを検知する網膜照度しきい値 E

pred

は,次の式で与えられる。

E

pred

ae

bf

(A.3)

ここに,は表示周波数,及び は,ディスプレイのサイズに依存する定数で
ある。


22

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

表 A.1

に,複数の異なる表示サイズに対するパラメータ値(及び b)を示す。

E

obs

<E

pred

であれば,フリッカが見えないと予測する。

E

obs

E

pred

であれば,フリッカが見えると予測する。

代わりに,スクリーンの時間平均輝度が与えられていれば,E

obs

[式(A.2)を参照]を計算することがで

き(ただし,自然発光形についてだけ)

,更に,次の式を使ってフリッカを生じないであろう表示周波数し

きい値 CFF を算定できる。

CFF

m1n (E

obs

)(A.4)

ここに,及び はディスプレイのサイズに依存するパラメータ値である。

表 A.1

に,複数の異なる表示サイズごとのパラメータ値を示す。

A.1.3

計算実例

A.1.3.1

ディスプレイの構成

  約 500mm 離れて見る 280mm の長さの対角径をもつ CRT ディスプレイとす

る。

したがって,このディスプレイのサイズは,2arctan (280/2×500)  =30.75°の視角となる。

表示輝度 L

t

は 100cd/m

2

であり,スクリーンの反射輝度 L

r

は 10cd/m

2

とする。さらに,自然発光形蛍光体

の減衰定数

αは,2.5×10

-5

秒とする(これは,6×10

-5

秒の TC

10%

値に相当する。

A.1.3.2

計算

A.1.2.2

(

d

)

から始めて,次の計算をする。

(

a

)

瞳孔直径は,

d

=5−3tanh [0.4log (3.183×100)]

=2.713 789mm

(

b

)

瞳孔面積は,

A

=3.141 59× (2.713 789÷2)

2

=5.784 2mm

2

(

c

)

変動網膜照度の平均値は,

DC

= (100−10)  ×5.784 2

=520.57td

(

d

)

基本正弦波の振幅係数は,

Amp (f)

=2÷[1+ (2.5×10

-5

×6.283 2×f)

2

]

1/2

したがって,表示周波数 が 60Hz のときには,振幅係数は 1.999 91 であり,表示周波数 が 72Hz

のときには,振幅係数は 1.999 87 である。

(

e

) 60Hz

ディスプレイの網膜照度の基本正弦波成分は,

E

obs

=520.576×1.999 9

=1 041td

(

f

)

フリッカのない 60Hz ディスプレイに必要な網膜照度基本正弦波成分の臨界値は,

E

pred

ae

bf

=258.58td

この場合,f=60Hz,a=0.1919,  かつ b=0.120 1 である(視角 30°のディスプレイの 及び 

パラメータについては,

表 A.1

を参照すること。

(

g

)  E

obs

>E

pred

であるため,60Hz のディスプレイにはフリッカが起きそうだ,という結論になる。

(

h

) 72Hz

のディスプレイの網膜照度の基本正弦波成分は,

E

obs

=520.576×1.999 9


23

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

=1 041td

であり,フリッカのない 72Hz のディスプレイに必要な網膜照度基本正弦波成分の臨界値は,

E

pred

=0.191 9×e

72

120

.

0

×

=1 092.71td

となる。

E

obs

<E

pred

であるため,72Hz のディスプレイにはフリッカが起きない。

備考

残光時間の長い自然発光形蛍光体(減衰定数

α=3.040×10

-2

秒)を使って計算すると,60Hz の

ディスプレイにフリッカは起きない。

A.2

ディスプレイにおけるフリッカ予測のためのアルゴリズム

A.2.1

基本原理

  ディスプレイにフリッカが起きるか否かを推定するためのアルゴリズムを提供する。

A.2.2

ディスプレイの CFF 平均値の計算

  この値は,次の式から推定する。

CFF

=34.9+17.6log (L

t

)(A.5)

ここに,L

t

は,

6.3

の表示輝度 (cd/m

2

)

を表す。式(A.5)は,短残光蛍光体 (P31) を

もつスクリーンに視角 70°ラスタを表示した場合の心理物理データの平均値に
基づいている。したがって,この公式には,周辺視野にもフリッカは生じないと
いう要求事項が含まれる。

A.2.3

被験者間の変動性の推定

表 A.2

に,個体間差異の標準偏差

σ

int

を示す。

表 A.2  標準偏差及び個体間差異

平均スクリーン輝度 (cd/m

2

) 25  50  100  200  400

σ

int

                  (Hz) 5.71 5.28 5.78 6.93 8.29

A.2.4

百分位数基準の決定

  CFF の測定値における被験者分布は,基本的に正規分布である。したがって,

95

百分位数を使う場合,すなわち,被験者の 95%がスクリーンにフリッカがないと知覚した場合には,そ

の百分位数基準は 1.65

σ

int

に対応することになる。

A.2.5

標準値の計算

  95 百分位数基準が与えられれば,標準値は,次のようになる。

CFF

STANDARD

= CFF +1.65

σ

int

表示周波数が CFF

STANDARD

より高い場合に,スクリーンにはフリッカはないとみなされる。

平均輝度=100cd/m

2

のディスプレイの場合に,CFF は 70.1Hz である。

σ

int

は 5.78Hz であるので,

CFF

STANDARD

は,次のようになる。

70.1

+1.65×5.78=79.6Hz


24

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

附属書 B(参考)  スクリーンのフリッカ及びジッタの実験的評価方法

B.1

一般

  被験者は,試験する装置に関係があるという点から,予想される利用者母集団(本体の

1.

に規

定した事務作業を行う者)を代表する標本であることが望ましい。試験には少なくとも 20 人の被験者を使

用するのが望ましい。

暗い背景に対して明るい文字を表示する場合には,通常の操作において表示される最大の文字数が表示

されていることが望ましい。

B.2

手順

(

a

)

表示面鉛直照度を (250+250cosA) lx に調整する。

(

b

)

スクリーンを文字で埋める。

(

c

)

表示輝度を,本体の

6.3

で規定した値に調整する。

(

d

)

スクリーン位置を,観視者から設計視距離だけ離したところに設定する。

(

e

)

スクリーンを,次のように設置する。

(

1

)

観視者の 30°周辺視の位置。

(

2

)

観視者の真正面。

B.3

報告書

  ディスプレイが,被験者の少なくとも 90%にとってフリッカ及びジッタを起こさないようで

あれば,そのディスプレイはフリッカ及びジッタがないと報告する。


25

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

附属書 C(参考)  利用者の作業性 (user performance) 

による比較試験方法

この試験方法は,本体の規定に適合していることを調べるための,代わりの試験方法として妥当である

かどうか,現在検討中である。よって,今後の参考のために,この方法を使用した経験を,関連文書,特

に使用した統計的方法を添えて発表するように,試験機関に要請する。

参考

この規格の本体は,CRT ディスプレイに対する要求事項を中心に記述している。この試験方法

は,現行の CRT ディスプレイと異なる技術を用いたディスプレイに対する適合性を判断する目

的で開発されている。この試験方法を用いた試行は,既に幾つかの機関で行われ,現在改正作

業が進められている。

C.1

基本原理

  この試験方法は,ディスプレイに表示された文字の検知及び認識に関するものである。こ

の方法は,英数字を利用者に呈示する際のディスプレイに期待される性能を評価するために使用する。こ

こでの性能という意味は,利用者が画像を正確,迅速に,かつ不快感なく検知・認識することができるこ

とである。利用者の作業性は,被験者が検知及び認識試験で達成した正確さ及び速度,並びに経験した不

快感によって規定する。

本体

5.

の必す(須)要求事項を満たしていることが分かっている基準ディスプレイに対して,試験対象

となるディスプレイ(以下,試験ディスプレイという。

)の利用者の作業性を比較する。試験は,正常視力

又は適切な矯正視力をもつ人々を被験者とし,模擬的なオフィス環境において実施する。これら,その他

の試験条件は,次のとおりとする。

試験は,各被験者につき 2 回行う。すなわち,1 回は,試験ディスプレイに対して,残りの 1 回は,基

準ディスプレイに対してである。呈示の順序は,被験者全体でバランスをとる。

試験プログラムは,導入及び使用に関する製造業者又は販売業者の指導を適宜取り入れることが望まし

い。評価は,人間の行動を評価する訓練を受けた者が行うのがよい。

C.2

被験者

  被験者は,試験する装置に関係する要因から予想される利用者の母集団(適用範囲に規定さ

れたオフィス作業を行う者)を代表する標本であることが望ましい。必要な被験者数の推定方法について

は,

C.10

に示す。

被験者は,例えば,垂直斜位,側方斜位,色覚異常及びコントラスト感度に関する検査を含めた視機能

について,審査して選ぶことが望ましい。被験者は,設計視距離で近方視力 0.5 以上(矯正を含む。

)であ

ることが望ましい。

C.3

ディスプレイ

  試験ディスプレイは,製品又は全機能が組み込まれた製造前の装置がよい。試験ディ

スプレイには,製品に組み込むグレア防止及び反射防止のフィルタ,並びに表面処理をすべて取り入れて

いなければならない。

基準ディスプレイは,試験ディスプレイの製造業者又は販売業者から,提供又は指定されるのがよく,

本体

5.

の必す(須)要求事項のすべてを満たしていなければならない。

試験ディスプレイ及び基準ディスプレイのどちらも,十分安定するまで通電することが望ましい。ディ


26

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

スプレイには,例えば,

“ディスプレイ 1”

“ディスプレイ 2”のように,識別を目的としたラベルを表示

しなければならない。被験者には,どちらが試験ディスプレイで,どちらが基準ディスプレイか知らせな

い方が望ましい。

C.4

試験設備及び試験環境

C.4.1

一般的要求事項

  試験は,試験結果に影響を及ぼすような,気持ちの乱れ及び外的干渉を生じさせ

ない場所で行うことが望ましい。環境は快適で,試験期間中,変化がないことが望ましい。

C.4.2

環境

  次に示す条件は,試験のための適切な環境を決定するうえで重要である。次に示す要求事項

は,作業性に影響を与えるような外的変化を最小限に抑えることを意図している。

C.4.2.1

騒音

  試験中の暗騒音は,被験者の頭部位置で,55dB (A)  未満とすることが望ましい。

C.4.2.2

熱環境

  試験は,

表 C.1

に示す条件下で行わなければならない。

表 C.1  熱環境

気温 19∼26℃

相対湿度 40∼60%

気流 0.15m/s 以下

C.4.2.3

照明

  試験環境は,作業環境を模擬することが望ましい。照度は,ディスプレイの中心に接する平

面上で測定するのがよい。照度は, (250+250cosA) lx にできるだけ近づけることが望ましい。ここに,A

は,ディスプレイ画面中心の接平面と水平面とのなす角度である。

基準ディスプレイの文字輝度又は背景輝度(どちらか高い方)は,本体

6.3

に従って設定することが望

ましい。

照明は,グレアを最小限に抑えるようにすることが望ましい。画面上の知覚できる鏡面反射は,避けな

ければならない、試験室の表面反射率は,

表 C.2

に示す範囲内であることが望ましい。

表 C.2  試験室内の拡散反射率の範囲

反射面

反射率  %

天井 70∼80

壁 30∼50 
床 10∼30

家具 20∼50

被験者は,試験 15 分前に試験室又はそれと同等の照明室内に入ることによって,明るさに順応しておく

ことが望ましい。被験者は,試験中を通してこの順応レベルにあることが望ましい。

C.4.3

試験用設備

  ディスプレイ及び附属装置(例えば,キーボード)は,適切な大きさ,高さ及び仕上

げをした作業面に置くことが望ましい(

ISO 9241-5

参照)

。ディスプレイまでの視距離は,設計視距離と

するのがよく(本体

5.1

参照)

,視線角は,水平面から 0∼60°下方がよい(本体

5.2

参照)

被験者は,

ISO 9241-5

の要求事項を満たす椅子に座ることが望ましい。


27

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

C.5

試験対象物

  試験対象物として,

ISO/IEC 4873

1

の 8 ビット VDT に関する

表 1

3

に示す,8 ビット 1

バイトコードの図形文字集合  (graphic character set)  で構成される文字集合 (character set) を使用する。各

試験では,完全な文字集合を使用するか,又はある特定の集合 (subset), 例えば,7 ビット VDT のための

ISO/IEC 646

2)

使用する。どちらのディスプレイにも同じ集合 (set) を使うことが望ましい。

C.6

試験対象物への習熟

  被験者が,試験に用いる文字すべてを知っていることを,試験前に確認してお

くことが望ましい。

C.7

手順

  試験実施の目安として,次の手順を提案する。この手順の目的は,正確で信頼性がある試験を

行うことである。ここで提案する手順を変更する場合には,試験の精度及び信頼性を高めることを目的と

するのがよい。試験手順は,簡便であり,かつ被験者に不当な負担をかけないことが望ましい。

試験の目的は,二つのディスプレイの利用者の作業性を比較することであることを強調するとよい。

試験ディスプレイ(基準ディスプレイではなく)の明るさ及びコントラストを,それぞれ被験者の好み

に調節させる機会を与えることが望ましい。

試験文字は,各行が 5 文字の 3 行をブロックにして表示する。行間隔 (inter-line spacing) の影響を考慮

し,中央の行を試験行とする。各々の試験文字は,試験実施中,少なくとも 2 回,各試験行に無作為に呈

示するのがよい。

一つの試験ブロックの中心は,次の 5 か所のそれぞれにできる限り近づけて置くことが望ましい(本体

図 11

参照)

(

a

)

左上の隅から対角線に沿って,対角線の 10%だけ内側に入った位置。

(

b

)

右上の隅から対角線に沿って,対角線の 10%だけ内側に入った位置。

(

c

)

スクリーンの中心。

(

d

)

左下の隅から対角線に沿って,対角線の 10%だけ内側に入った位置。

(

e

)

右下の隅から対角線に沿って,対角線の 10%だけ内側に入った位置。

ブロックを表示する前に,被験者の注意を喚起するために視覚又は聴覚による開始信号を発する。この

信号終了 0.5 秒後に 5 か所の位置で 5 個の試験ブロックを同時に呈示し,被験者が完全に識別するまでこ

れを表示する。

左上から右下に視線を移動させて,各ブロックの試験行の文字を識別するように,被験者に指示する。

この試験を行う際に,被験者に速度及び正確さの重要性を知らせるのがよい。

試験ブロックが呈示されてから,被験者が最終ブロックの最終文字に応答するまでの時間は,100msec

又はそれより高い精度で記録することが望ましい。

試験ブロックの次の組は,その前の組に対する応答が終了した直後に提示するのがよい。

備考

この試験における応答方法は,適切なものであれば,いかなるものでもよい(例えば,キーボ

ードによる方法)

。重要な点は,試験ディスプレイと基準ディスプレイとの両方に対して,同じ

手順及び同じ手段を使うことである。

                                                       

1)

ISO/IEC 4873

:1991, Information technology−ISO 8-bit code for information interchange−Structure and rules

for implementation

2)

ISO/IEC 646

:1991, Information technology−ISO 7-bit coded character set for information interchange


28

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

C.8

不快感の評価

C.8.1

手順

  この試験ではディスプレイを 2 回見てもらうが,最初のディスプレイの試験終了後,視覚上

の不快感の度合いを,被験者に評価してもらうのがよい。被験者の半分には,最初に試験ディスプレイを

使用し,残り半分の被験者には,最初に基準ディスプレイを使用する。被験者には,どちらが試験ディス

プレイで,どちらが基準ディスプレイかを知らせない方がよい。この評価に使用する尺度及び被験者に与

える指示は,

C.8.2

及び

C.8.3

に規定する。

2

番目のディスプレイを使用した後に,被験者は,最初のディスプレイに対比させて不快感の度合いの

比較評価をするのがよい。その際,最初のディスプレイを評価した各人の尺度に基づく。使用する尺度及

び被験者に与える指示を,次に規定する。

備考

各被験者についてできるだけ多くの情報を得るために,最初のディスプレイの不快感の度合い

を見積もる連続的な疑似間隔尺度を使用する。この結果は,その後,2 番目のディスプレイの

容認の度合いを比較判断するときに,被験者の参考として利用する。

C.8.2

不快感の評価に使用する尺度

図 C.1

に示す回答用紙を,最初のディスプレイの試験終了後,各被

験者に配布し,2 番目のディスプレイの試験終了後に,同じ被験者に再び配布するのがよい。

C.8.3

被験者への指示

  回答方法を説明するため,各被験者に口頭で,次の指示を与えるのがよい。

(

a

)

最初に使用したディスプレイについての指示

“次の表に示した項目について,あなたが今使ったディスプレイをどう感じたか,印をつけて下さ

い。各項目ごとに,その項目の左側の線をスケールとして,適当だと思うところに×印をつけて下さ

い。

(

b

) 2

番目に使用したディスプレイについての指示

図 C.1  回答用紙

あなたが各ディスプレイに対して,どの程度の不快を感じたか,指示に従って記入して

下さい。

最初に使用したディスプレイ

(線上の該当位置に×印)

項目

2

番目に使用したディスプレイ

(該当するものにレ印)

なし          激しい

目の不快

より悪い    同じ    より良い

なし          激しい

目の乾き

より悪い    同じ    より良い

なし          激しい

まぶたの痛み

より悪い    同じ    より良い

なし          激しい

焦点の合いにくさ

より悪い    同じ    より良い

なし          激しい

姿勢の不快*)

より悪い    同じ    より良い

なし          激しい

頭痛

より悪い    同じ    より良い

)  極端な姿勢を強いるディスプレイは、不快感を招くことがある。

“次の表に示した項目について,あなたが 2 番目のディスプレイをどう感じたか,印を付けて下さい。

各項日ごとに,あなたが先程,線の上に×印を付けて示した最初のディスプレイに対する判断と比較して

下さい。そのうえで,2 番目のディスプレイを前のものより悪いと思うか,同じか,又は良いかを,該当

する欄にレ印を付けて示して下さい。

C.8.4

採点

  2 番目に使用したディスプレイが試験ディスプレイである場合には,2 番目のディスプレイに

対する比較判定は,実験者が次のように採点する。

より悪い

=−1

同じ

=    0

より良い

=+1

2

番目に使用したディスプレイが基準ディスプレイである場合には,

2

番目のディスプレイに対する比較


29

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

判定は,実験者が次のようにして採点する。

より悪い

=+1

同じ

=    0

より良い

=−1

被験者ごとに総不快点数を算出するために,各項目の点数を合計する。これによって,合計点数は−6

∼+6 の範囲になり,もし,点数が正の値であれば,試験ディスプレイは基準ディスプレイより快適であ

り,もし,負の値であれば,試験ディスプレイは基準ディスプレイより快適さが低いことになる。点数が

ゼロであれば,試験ディスプレイと基準ディスプレイとは快適さが等しいと判定する。個人別評点  (−6

∼+6)  は,

C.10

に示す方法を使って統計的に処理してよい。

C.9

試験結果

  次のように,試験結果を各被験者ごとに計算する。

(

a

)

試験ディスプレイ及び基準ディスプレイそれぞれの,全試験文字に対する平均誤答率

(

b

)

試験ディスプレイ及び基準ディスプレイそれぞれの,ブロック当たりの平均所要時間

(

c

)

不快感の比較判定結果

C.10

結果の統計的処理

C.9

に示す三つの測定結果のそれぞれについて,試験ディスプレイを基準ディス

プレイに比較するのに統計的処理を用いる。帰無仮説 H

0

は,試験ディスプレイの得点と基準ディスプレイ

の得点との間に差異がないとする。対立仮説 H

1

は,試験ディスプレイの得点が基準ディスプレイの得点よ

り有意に低いとする。

したがって,

試験ディスプレイが基準ディスプレイより劣るか否かを評定するには,

片側検定が適切である。

この適合試験の手順では,次のようなパラメータの水準を設定する(ここに選んだ数値は,帰無仮説を

棄却するのに必要な被験者数を決定する。

(

a

)

製造者及び販売者側の危険率(生産者危険)

。これは,試験ディスプレイを合格とするべきときに,

それを不合格としてしまう危険率である。その値を 0.05 とするのが適切である。

(

b

)

利用者側の危険率(消費者危険)

。これは,試験ディスプレイを不合格とするべきときに,それを合

格にしてしまう危険率である。これは,0.05(すなわち,実際に基準ディスプレイより悪い試験デ

ィスプレイを合格とする回数が,20 回のうち 1 回あるということ。

)に設定する。

(

c

)

各測定結果における平均値の間の,実際上又は操作上で有意である差の大きさ。は,この差を標

準偏差の単位で表したものであり,0.75 という数値は,作業性 (performance) に約 15%の差がある

ことを意味する。

備考

上記の数値は,試験方法の開発中に得られた実験データから導き出した。この試験方法の信頼

性及び精度を高め,これらのパラメータにとって適切な数値を確定するために,試験機関に,

各自のデータを報告するように要請する。

必要な被験者の人数  (N)  は,次のようにして決定する。

2

2

)

(

2

D

U

U

N

a

β

+

=

ここに,

U

α

製造業者の危険率(生産者危険)

αの標準の偏差

U

β

使用者の危険率(消費者危険)

βの標準の偏差

D

各測定結果における平均値の間の,実際上又は操作上で有意
である差を,標準偏差を単位として表したもの,すなわち,
その平均値の差を標準偏差で除した値


30

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

備考

α=

0.05

β=

0.05

の場合,

U

α

1.96

U

β

1.96

である。

必要な被験者数を確定し,上記の手順に従ってデータを収集した後,通常の方法を用いて,すべての試

験文字による平均誤答率,

1

ブロック当たりの平均所要時間及び不快感の比較結果について

t

検定を行う。

所要の

α,β及び

D

の値を達成するためには,比較的多数の被験者が必要になることが計算から分かる。

これに代わる,より経済的な方法は,各試行の結果を知ってから,次の被験者のデータを取る逐次検定(例

えば,

Barnard

の逐次

t

検定)を使う方法である。これらの手順は,行動科学ではあまりよく知られていな

いが,工業品検査及び品質管理では広く実施されており,理論上は適合試験の費用効果を高めるのに適し

ている。

試験の妥当性の統計的側面に関する詳細な情報については,

Brigham, F.R.

の“

Statistical methods for testing

the conformance of products to user performance standards, Behaviour and Information Technology, 8(4) :

pp.279-283

を参照せよ。

C.11

適合性

  試験ディスプレイがどの項目−すなわち,平均誤答率,ブロック当たりの平均所要時間及び

不快感−においても,基準ディスプレイより有意に劣っていなければ適合が達成されているとする。

C.12

機密性

  試験での各個人の採点については,機密性が確保されることが望ましい。試験機関は,これ

ら採点が,個人名が識別できるような形では外部に漏れないようにするのがよい。人間を使った実験での

倫理行動を管理する規則を遵守することが望ましい。


31

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

附属書 D(参考)  参考文献

[1]

  ISO 6385 : 1981, Ergonomic principles in the design of work systems.

[2]

  ISO 9241-5 :

3)

, Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)

Part 5 :

Workstation layout and postural requirements.

[3]

  ISO 9241-7 :

3)

, Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)

Part 7 :

Display requirements with reflections.

[4]

  ISO 9241-8 :

3)

, Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)

Part 8 :

Requirements for displayed colours.

[5]

  CIE Publication No.69 : 1987, Methods of characterising Luminance Meters and Illuminance Meters.  

[6]

  CRAWFORD, B.H. The dependence of pupil size upon external light stimuli under static and variable

conditions. Proceedings of the Royal Society (London), B121 : 373 (1936)

[7]

  DE LANGE, H.DZN. Eye’s response at flicker fusion to square-wave modulation of a test field surrounded by a

large steady field of equal mean luminance. Journal of the Optical Society of America, 51 (4) : pp, 415-421

(1961).

[8]

  ERIKSSON, S. and BAECKSTROEM, L. Temporal and spatial stability in visual displays. In : Selected papers

presented at the Conference on Work With Display Units. (KNAVE, B. and WIDEBECK, P.G., eds.), North

Holland : 1987, pp.461-473.

[9]

  FARRELL, J.E. An analytical method for predicting perceived flicker. Behaviour and Information Technology,

5 (4) : pp.349-358 (1986)

[10]

 FARRELL, J.E. Objective methods for evaluating screen flicker. In : Selected papers presented at the

Conference on Work With Display Units. (KNAVE, B. and WIDEBECK, P.G., eds.). North Holland : 1987,

pp.449-460.

[11]

 FARRELL,J.E., BENSON, B.L. and HAYNIE, C.R. Predicting flicker thresholds for Video Display Terminals.

Proceedings of the Society for Information Display, 28 (4) : pp.449-453 (1987)

[12]

 FARRELL, J.E., CASSON, E.J., HAYNIE, C.R. and BENSON, B.L.Designing flicker-free video display

terminals. Displays, (July) : pp.115-122 (1988)

[13]

 KELLY, D.H. Visual response to time-dependent stimuli, I. Amplitude sensitivity measurements. Journal of the

Optical Society of America, 49 (4) : pp.422-429 (1961)

[14]

 KELLY, D.H. Visual response to time-dependent stimuli, III. Individual variations. Journal of the Optical

Society of America, 52 (1) : pp.89-95 (1962).

[15]

 KELLY, D.H. Sine waves and flicker fusion. In : Flicker. (HENKES, H.E. and VAN DER TWEEL, L.H., eds.)

The Hague : Junk, 1964, pp.16-35.

[16]

 KELLY, D.H. Diffusion model of linear flicker responses. Journal of the Optical Society of America, 59 (12) :

                                                       

3

出版予定

 


32

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

pp.1665-1670. (1969)

[17]

 KELLY, D.H. Theory of flicker and transient responses, I. Uniform fields. Journal of the Optical Society of

America, 61 (4) : pp.537-546 (1974).

[18]

 KELLY, D.H. Spatio-temporal frequency characteristics of color-vision mechanisms. Journal of the Optical

Society of America, 64 : pp.983-990 (1974).

[19]

 OPPENHEIM, A.V. and WILLSKY, A.S. Signals and Systems. Englewood Cliffs, New Jersey : Prentice Hall,

Inc., 1983.

[20]

 ROGOWITZ, B.E. Measuring perceived flicker on visual displays. In : Ergonomics and Health in Modern

Offices. (GRANDJEAN, E., ed.). London : Taylor and Francis, 1984, pp.285-293.

[21]

 CIE Publication No.15.2 : 1986, Colorimetry.  

[22]

 CIE Publication No.17.4 : 1986, International Lighting Vocabulary.  


33

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

参考  輝度の測定条件及び輝度計に関する補足

この参考は,本体の

6.1.2

及び

6.2

の規定を分かりやすく書き直して補足するもので,規定の一部ではな

い。

1.

輝度の測定条件(本体の 6.1.2

1.1

発光形ディスプレイの場合

  表示輝度は,発光輝度と反射輝度との和であり,この規格の要求事項

に適合していることの判定は,照明条件が,次に示す照度

E

0

における反射輝度によって行うのが一般であ

る。

E

0

250

250cosA

(単位

lx

しかし,通常は,照度

E

0

は得がたいので,次の

(1)

又は

(2)

のいずれかの輝度測定法によって行うとよい。

(1)

暗室条件下の測定値

L

E

に拡散反射輝度

L

D

 (E

0

)

q

D

 E

0

を加算する。

すなわち,表示輝度=

L

E

L

D

  (E

0

)

L

E

q

D

E

0

(2)

明室条件下(照度

E

)の表示輝度測定値

L

E

L

D

 (E)

に拡散反射輝度係数を用いて,照度

E

における拡

散反射輝度から,照度

E

0

における拡散反射輝度へ補正する。

すなわち,表示輝度=

L

E

L

D

 (E)

q

D

 (E

0

E)

ここに,

q

D

は,拡散反射輝度係数であり,次の手順で求めることができる。

(a)

入射光は,拡散光又は 45°入射光(画面照度 E)とする。

(b)

画面拡散反射輝度 L

D

 (E)

を測定する。

(c)

次の式から算出する。

E

E

L

q

D

D

)

(

=

1.2

非発光形ディスプレイの場合

  上記の

q

D

を求める手順によって,明るい表示部分の面積平均拡散反

射輝度係数を求め,その拡散反射輝度係数から,拡散反射輝度が

35cd/m

2

となる照度を求める。ただし,

非発光形ディスプレイでの反射輝度の測定は極めて難しく,正確な測定法は,別の規格で今後規定する予

定である。

2.

輝度計の測定視野・測定項目(本体の 6.2

原国際規格では,次のように面積平均輝度を

2

種類の意味で使用している。

(1)

ピーク輝度と区別して用いる概念で,

“表示輝度”とも表現している。この規格では,ピーク輝度と区

別するために,

“面積平均輝度”と括弧書きを加えた。

測定視野は,文字寸法の

2

1

程度であり,文字位置の全画素を発光させて測定する(

6.2.2

及び

6.6.8

参照)

(2)

測定視野が有効画面の

1%

程度のもので,

“面積平均輝度”と称している。この規格では,

(1)

の定義と

の混同を避けるために,

“広域面積平均輝度”という(本体の

6.2.3

参照)

。測定対象には,有効画面の

全画素を発光させて行う輝度均一性の広域面積平均輝度(本体の

6.6.9.1

,及び有効画面の全文字位置

に,大文字“

M

”と“間隔

 (space)

”とを交互表示して行う輝度バランス(本体の

6.6.9.3

)の測定があ

る。


34

Z 8513-1994 (ISO 9241-3 : 1992)

なお,

輝度プロファイルなどの細部の輝度を測定する場合,

及びピーク輝度の測定を行う場合には,

本体の

6.2.1.1

を参照せよ。

JIS Z 8513

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

斉  藤      進

労働省産業医学総合研究所

窪  田      悟

成蹊大学

小  泉  直  彦

双葉電子工業株式会社

鈴  木  康  弘

日本電気株式会社

高  木  譲  一

工業技術院標準部

武  内  徹  二

松下電器産業株式会社

田  中  典  朗

三菱電機株式会社

谷  井  克  則

工業技術院生命工学工業技術研究所

中  込  常  雄

中込技術士事務所

中  野  義  彦

沖電気工業株式会社

畑  田  豊  彦

東京工芸大学

林      喜  男

武蔵工業大学

福  住  伸  一

日本電気株式会社

堀  野  定  雄

神奈川大学

松  本  啓  太

富士通株式会社

森      英  男

株式会社東芝

吉  武  良  治

日本アイ・ビー・エム株式会社

(事務局)

梶  山  麻  美

日本人間工学会(株式会社日本総合技術研究所)

備考

○印は分科会委員を兼ねる

文責

JIS Z 8513

原案作成委員会