Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。これによって JIS Z 8202-1985 は廃止され,JIS Z 8202-0∼JIS Z 8202-10,JIS Z 8202-12
及び JIS Z 8202-13 に置き換えられる。
今回の改正では,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格を作成するため
に,ISO 31-5 : 1992, Quantities and units−Part5 : Electricity and magnetism を基礎として用いた。
なお,ISO 31-11 : 1992, Quantities and units−Part11 : Mathematical signs and symbols for use in the physical
sciences and technology
は,JIS Z 8201(数学記号)として制定されている。
JIS Z 8202-5
には,次に示す附属書がある。
附属書 A(参考) 三元系関係式及び量
附属書 B(参考) 異なる系の関係式間の比較例
JIS Z 8202
の規格群には,次の部編成がある。
第 0 部:一般原則
第 1 部:空間及び時間
第 2 部:周期現象及び関連現象
第 3 部:力学
第 4 部:熱
第 5 部:電気及び磁気
第 6 部:光及び関連する電磁放射
第 7 部:音
第 8 部:物理化学及び分子物理学
第 9 部:原子物理学及び核物理学
第 10 部:核反応及び電離性放射線
第 12 部:特性数
第 13 部:固体物理学
日本工業規格
JIS
Z
8202-5
: 2000
(ISO 31-5
: 1992
)
量及び単位−
第 5 部:電気及び磁気
Quantities and units
−
Part 5 : Electricity and magnetism
序文 この規格は,1992 年に第 2 版として発行された ISO 31-5 : 1992, Quantities and units−Part5 : Electricity
and magnetism
及び Amendment 1 (1998) を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格
である。ただし,追補 (Amendment) については,編集し,一体とした。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
0.1
表の配列 この規格の量及び単位の表は,量を左のページに,また,単位を対応する右のページに配
列する。
2
本の実線の間にあるすべての単位は,左のページの対応する実線の間の量に属する。
ISO 31
のいずれかの部の改正(1992 年版)で番号が変更になった場合には,左のページの量を表す新し
い番号の下に括弧を付けて ISO 31 の旧規格の番号を示す。
なお,ISO 31 の旧規格にその項目がない場合には,ダッシュ (−) でそのことを示す。
0.2
量の表 この規格で扱う分野において最も重要な量は,それらの記号とともに多くの場合,定義も示
す。ただし,これらの定義は,単にその量を特定するためであり,完全なものではない。
特に,定義上ベクトル表示式が必要な場合,幾つかの量については,そのベクトル的特性にもふれてい
るが,完全性又は一貫性を意図するものではない。
多くの場合,ある量に対しては一つの名称と一つの記号とを示す。一つの量に対して,二つ以上の名称
又は二つ以上の記号を併記し,特別な区別を付けていない場合には,互いに対等な関係にある。2 種類の
斜体文字がある場合(例えば,
ϑ
,
θ
;
ϕ
,
φ
;
g
,g)には,いずれか一方だけを示してあるが,他方は対
等に使用できないという意味ではない。一般に,このような別の字体に異なる意味をもたせることは推奨
できない。括弧内の記号は,
“予備の記号”である。したがって,特別の関係のもとで主要記号が別の意味
合いで用いられている場合には,これら予備の記号が用いられる。
0.3
単位の表
0.3.1
一般 量に対する単位には,その記号及び定義を示す。詳細については,JIS Z 8202-0 を参照。
備考 ISO 31-0, Quantities and units−Part 0 : General principles からの引用事項は,この規格の規定事項
と同等である。
単位は,次のように配列してある。
2
Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
a) SI
単位の名称は,大きい文字(本体通常の文字よりも大きい)で示す。また,SI 単位は,国際度量衡
総会 (CGPM) で採択されたものである。SI 単位の 10 の整数乗倍そのものは明示していないが,SI 単
位とその 10 の整数乗倍を用いることを推奨する。
b)
実用上の重要さ又は特殊な分野での有用さから,SI 単位と併用してよい SI 以外の単位の名称は通常
の大きさの文字(本体通常の文字の大きさ)で示す。
これらの単位は,SI 単位との間を点線で区切って区別してある。
c)
当分の間 SI 単位と併用してよい SI 以外の単位の名称は,
“換算率及び備考”欄に,小さい文字(本体
通常の文字よりも小さい)を用いて示す。
d) SI
単位と併用してはならない SI 以外の単位の名称は,JIS Z 8202 の幾つかの部の
附属書だけに示す。
これらの
附属書は参考であり,規定の一部ではない。
なお,これらの単位は,次の三つのグループに分けて配列してある。
1) CGS
単位系の特殊な名称
2)
フート,ポンド及び秒に基づく単位,並びにそれに関連する幾つかの単位の名称
3)
その他の単位の名称
0.3.2
次元 1 の量の単位に関する注意事項 次元 1 のいかなる量に対しても一貫性のある単位は,数 1,記
号 1 である。そのような量の値を表すときには,一般に単位記号 1 は明示しない。
例 屈折率 n=1.53×1=1.53
この単位の 10 の整数乗倍を示すときには,接頭語を用いてはならない。接頭語の代わりに 10 の累乗を
用いる。
例 レイノルズ数 Re=1.32×10
3
平面角は,通常,二つの長さの比で,また,立体角は二つの面積の比で表されることを考慮して,国際
度量衡総会 (CGPM) は 1995 年に,国際単位系におけるラジアン rad 及びステラジアン sr を“無次元”の
組立単位に属することとした。これは,平面角及び立体角という量が次元 1 の組立量となることを意味す
る。単位,ラジアン及びステラジアンは省略してもよく,また,異なった性質であるが,同じ次元をもつ
量の間を容易に区別するための組立単位として,使用することができる。
0.4
数値に関する表現 “定義”欄の数値は,すべて正確である。
“換算率及び備考”欄の数値が正確である場合には,数値の後に“正確に”と括弧付きで付記してある。
0.5
特記事項 この規格に掲げた項目は,一般に IEC 27-1 の規定と整合している。表中の名称又は記号が
IEC
に規定するものと一致しない場合には,その内容を“換算率及び備考”欄に記載してある。
0.5.1
関係式及び量 電気及び磁気では,関係式の系の基礎となる基本量の数及びその選び方によって
種々の関係式の系が用いられてきている。この規格の説明のためには,次の系についてだけ言及すればよ
い。
0.5.1.1
四つの基本量による関係式の系
四つの基本量をもつ四元系の関係式には,一つの電気的量が基本の組に含まれている。基本量は,長さ,
時間,質量及び電流である。この系では,誘電率及び透磁率は,関連の関係式の中では次元をもつ量とし
て表す。
関係式は,常にいわゆる有理化された形で書かれる。なぜなら,この関係式では,係数 4
π及び 2πはそ
れぞれ球対称又は円対称を含む場合にだけ表れるからである。
3
Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
この四つの基本量を基礎とする有理化された関係式の系は,物理科学及び技術における実用計算に最も
多く用いられる。そのため,この規格は,厳密にその系に従っている。
0.5.1.2
三つの基本量による関係式の系
この系については,この規格には含まれない参考として,
附属書 A 及び B に示す。これらは,IEC 27-1
には記述されてない。
0.5.2
単位
四元系(0.5.1.1 を参照)に属する量は,四つの基本単位,メートル,キログラム,秒及びアンペアによ
る国際単位系の部分系の単位で表す。
0.5.3
交流電圧・電流技術
時間的に変動する電気技術において用いる量及びそれらの複素表現について,IEC では大文字,小文字
及びそれらに符号を付けるなどして標準化している。それらは,IEC 27-1 で規定している。例えば,電流
(5.1)
の時間による正弦的な変動は,次のような実数表現で表すことができる。
)
cos(
2
)
cos(
ˆ
ϕ
ω
ϕ
ω
−
=
−
=
t
I
t
i
i
ここに, (
ωt−
ϕ
)
は位相,i は電流の瞬時値,iˆ は電流の最高値,I は電流の実効値(二乗平均の平方根)
である。
1.
適用範囲 この規格のこの部は,電気及び磁気に関する量並びに単位の名称及び記号について規定す
る。
また,必要な場合には,換算率を示す。
2.
引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。この引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
IEC 27-1
, Letter symbols to be used in electrical technology
−Part 1 : General
3.
名称及び記号 電気及び磁気に関する量並びに単位の名称及び記号を,次に示す。
電気及び磁気
量
番号
IE
C 2
7
-1
:
1
9
92
における
番号
量
記号
定義
備考
5-1 67
電流
I
電流は,SI の基礎をなす基本量
の一つである。
交流の場合には,
序文の 0.5.3 を
参照。
5-2 52
電荷,電気量
Q
電流の時間積分。
交流の場合には,
序文の 0.5.3 を
参照。
5-3 54
電荷の体積密度,
電荷密度
体積電荷
ρ
, (
η
)
電荷を体積で除したもの。
IEC
に は , 電 荷 密 度 ( charge
density
)及び体積電荷(volumic
charge
)はない。
5-4 53
表面電荷,
電荷の表面密度
σ
電荷を表面積で除したもの。
IEC
には,
表面電荷
(areic charge)
はない。
4
Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
電気及び磁気
量
番号
IE
C 2
7
-1
:
1
9
92
における
番号
量
記号
定義
備考
5-5 55
電界の強さ
E
電界が点電荷に働く力を電荷で
除したもの。
交流の場合には,
序文の 0.5.3 を
参照。
5-6.1 56
電位
V,
ϕ
静電界について,それの負のグラ
ディエントが電界の強さに等し
いようなスカラー量。
E
=−grad V
IEC
は予備記号として
ϕ
を用い
る。
“grad”は傾きという。
5-6.2 57
電位差,電圧
U, (V)
静電界について,点 1 と点 2 との
間の電位差は,電界の強さの座標
の r
1
から r
2
までの線積分である。
ò
⋅
=
−
=
2
1
d
2
1
r
r
r
E
U
ϕ
ϕ
IEC
では,
“voltage”ともいう。
交流の場合には,序文の 0.5.3 を
参照。
5-6.3 58
起電力
E
電源によって供給されるエネル
ギーを,電源を通じて輸送される
電荷で除したもの。
5-7 60
電束密度
D
それが体積電荷に等しいような
ベクトル量。
div D
=
ρ
5-10.1
を参照。
電気変位 (displacement) ともい
う。
5-8 59
電束
Ψ
表面素分を横切る電束密度と表
面素分とのスカラー積。
ò
⋅
=
A
D
d
e
n
ψ
電 気 変 位 束 (flux of
displace-ment)
ともいう。
5-9 61
静電容量,
キャパシタンス
C
電荷を電位差で除したもの。
単位
電気及び磁気
番号
単位の名称
単位記号
定義
換算率及び備考
5-1.a
アンペア A
アンペアは,真空中に 1 メートルの
間隔で平行に置いた,無限に小さい
円形断面積をもつ無限に長い 2 本の
直線状導体のそれぞれを流れ,これ
らの導体の長さ 1 メートルにつき 2
×10
−7
ニュートンの力を及ぼし合
う一定の電流。
5-2.a
クーロン C
1C
=1A・s
蓄電池の場合には,単位としてアン
ペア時。
1A
・h=3.6kC(正確に)が用いられる。
5-3.a
クーロン毎立方メートル C/m
3
5-4.a
クーロン毎平方メートル C/m
2
5-5.a
ボルト毎メートル V/m 1V/m=1N/C
5-6.a
ボルト V
1V
=1W/A
5-7.a
クーロン毎平方メートル C/m
2
5-8.a
クーロン C
5-9.a
ファラド F
1F
=1C/V
5
Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
電気及び磁気(続き)
量
番号
IE
C 2
7
-1
:
1
9
92
における
番号
量
記号
定義
備考
5-10.1 62
誘電率
ε
D
=
ε
E
IEC
で は ,
ε
を “ 絶 対 誘 電 率
(capacitivity)
”ともいう。
5-10.2 206
電気定数,真空の誘電率
ε
0
ε
0
=1/ (
µ
0
c
0
2
)
=
F/m
458
792
299
4
10
2
7
×
π
(正確に)
=8.854 188×10
−12
F/m
5-11 63
比誘電率
ε
r
ε
r
=
ε
/
ε
0
IEC
で
は
, “
(relative
capacitivi-ty)
”ともいう。
5-12 63a
電気感受率
χ
,
χ
e
χ
=
ε
r
−1
5-13 65
電気分極
P
P
=D−
ε
0
E
IEC
では,予備記号として D
1
を
用いる。
5-14 66
電気双極子モーメント
P, (P
e
)
それと均質場の電界の強さとの
ベクトル積がトルクに等しいよ
うなベクトル量。
p
×E=T
5-15 68
電流密度
J, (S)
それを所定の面について積分し
たものが,その面に垂直に流れる
電流に等しいようなベクトル量。
ò
⋅
=
A
I
n
d
e
J
j
も用いられる。
IEC
は,面積電流 (areic elec-tric
current)
という表現は用いない。
5-16 69
電流の線密度
A, (a)
薄板に流れる電流をその薄板の
幅で除したもの。
IEC
は,線電流 (lineic electric
current)
という表現は用いない。
5-17 70
磁界の強さ
H
それの rot(又は curl)が,電流密
度と電束密度の時間の偏微分と
の和に等しいようなベクトル量。
t
∂
∂
+
=
D
J
H
rot
“rot”は回転,
“curl”はうずと
いう。
5-18.1 71
磁位差
Um, (U)
一定の経路上で,点 1 と点 2 との
間の磁位差は,磁界の強さの点 1
から点 2 までのその経路に沿う
線積分。
ò
⋅
=
2
1
m
r
r
d
U
r
H
IEC
では,記号として U を,予
備記号として を用いる。
5-18.2 72
起磁力
F, F
m
ò
⋅
=
r
H d
F
IEC
では,予備記号として を
用いる。
5-18.3 72a
電流鎖交数
Θ
一つの閉ループを流れる正味の
電流。
Θ
が等しい電流 I の N 個の閉ルー
プから生じるとき,
Θ
=NI
6
Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
単位
電気及び磁気(続き)
番号
単位の名称
単位記号
定義
換算率及び備考
5-10.a
ファラド毎メートル F/m
5-11.a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
序文の 0.3.2 を参照。
5-12.a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
序文の 0.3.2 を参照。
5-13.a
クーロン毎平方メートル C/m
2
5-14.a
クーロンメートル
C
・m
5-15.a
アンペア毎平方メートル A/m
2
5-16.a
アンペア毎メートル A/m
5-17.a
アンペア毎メートル A/m
5-18.a
アンペア A
電気及び磁気(続き)
量
番号
IE
C 2
7
-1
:
1
9
92
における
番号
量
記号
定義
備考
5-19 73
磁束密度,磁気誘導
B
電流素分に働く力が,この電流素
分と磁束密度とのベクトル積に
等しいようなベクトル量。
F
=I△
s
×B
5-20 74
磁束
φ
表面素分を横切る磁束密度と表
面素分とのスカラー積。
ò
⋅
=
dA
n
e
B
φ
5-21 75
磁気ベクトルポテンシャ
ル
A
それのローテーションが磁束密
度に等しいようなベクトル量
B
=rot A
5-22.1 76
自己インダクタンス
L
細い導体による閉回路において,
閉回路を流れる電流によって生
じたループを通過する磁束を,そ
の電流で除したもの。
5-22.2 77
相互インダクタンス
M, L
mn
細い導体による二つの閉回路(m
及び n)において,一方の閉回路
を流れる電流に基づき,もう一方
のループを通過する磁束を,その
電流で除したもの。
5-23.1 78
結合係数
k, (
χ
)
5-23.2 79
漏れ係数
σ
誘導結合の場合は,
n
m
mn
L
L
L
k
/
=
σ
=1−k
2
5-24.1
80
透磁率
µ
B
=
µ
H
5-24.2
207
磁気定数,真空の透磁率
µ
0
IEC
では,
µ
を“絶対透磁率”と
もいう。
µ
0
=4
π・10
−7
H/m
(正確に)
=1.256 637×10
−6
H/m
5-25 81
比透磁率
µ
r
µ
r
=
µ
/
µ
0
7
Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
電気及び磁気(続き)
量
番号
IE
C 2
7
-1
:
1
9
92
における
番号
量
記号
定義
備考
5-26 82
磁化率
χ
,(
χ
m
)
χ
=
µ
r
−1
5-27 83
磁気モーメント
m
それと均一磁界の磁束密度との
ベクトル積がトルクに等しいよ
うなベクトル量。
m
×B=T
IEC
で は ,“ magnetic area
moment
”ともいう。
IEC
では磁気双極子モーメント
も定義している。
j
=
µ
0
m
5-28 84
磁化
M, (H
1
)
M
= (B/
µ
0
)
−
H
IEC
では,H
1
, M
としている。
5-29 85
磁気分極
J, (B
1
)
J
=B−
µ
0
H
IEC
では,B
1
, J
としている。
単位
電気及び磁気(続き)
番号
単位の名称
単位記号
定義
換算率及び備考
5-19.a
テスラ T
1T
=1N/ (A・m) 1T=1Wb/m
2
=1V・s/m
2
5-20.a
ウエーバ Wb
1Wb
=1V・s
5-21.a
ウエーバ毎メートル Wb/m
5-22.a
ヘンリー H
1H
=1Wb/A 1H=1V・s/A
5-23.a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
序文の 0.3.2 を参照。
5-24.a
ヘンリー毎メートル H/m
5-25.a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
序文の 0.3.2 を参照。
5-26.a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
序文の 0.3.2 を参照。
5-27.a
アンペア平方メートル
A
・m
2
磁気双極子モーメントの単位は,Wb・
m
である。
5-28.a
アンペア毎メートル A/m
5-29.a
テスラ T
8
Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
電気及び磁気(続き)
量
番号
IE
C 2
7
-1
:
1
9
92
における
番号
量
記号
定義
備考
5-30 42
電磁エネルギー密度
w
電磁界のエネルギーを体積で除
したもの。
)
(
2
1
H
B
D
E
⋅
+
⋅
=
w
5-31 102
ポインティングベクトル
S
電界の強さと磁界の強さとのベ
クトル積。
S
=E×H
ポインティングベクトルの大き
さは,パワー束密度である。
5-32.1
(
−)
25
(23)
電磁波の位相速度(位相
の伝わる速さ)
c
5-32.2
(5-32.1)
201
真空中における電磁波の
速度(速さ)
c, c
0
=
=
0
0
0
/
1
µ
ε
C
299 792 458m/s
(正確に)
c
を媒質中の速度として用いる
ときには,真空中における速度
には C
0
を用いる。
IEC
には,c
0
だけがある。
5-33 87
(直流)抵抗
R
導体中に起電力がない場合に電
位差を電流で除したもの。
交流の場合には,5-44.3 を参照。
5-34 89
(直流)コンダクタンス
G
G
=1/R
交流の場合には,5-45.3 を参照。
5-35
(
−)
43
(直流)電力
P
P
=UI
交流の場合には,5-49 を参照。
5-36
(5-35.1)
88
抵抗率
ρ
E
=
ρ
J
5-37
(5-36.1)
90
導電率
γ
,
σ
γ
=1/
ρ
電気化学では,
χ
を用いる。
5-38
(5-37.1)
91
磁気抵抗
R, R
m
磁位差を磁束で除したもの。
IEC
では,予備記号として
を
用いる。
5-39
(5-38.1)
92
パーミアンス
Λ
, (P)
Λ
=1/R
m
5-40.1
(5-39.1)
104
巻線の巻数
N
5-40.2
(5-39.2)
105
相数
m
9
Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
単位
電気及び磁気(続き)
番号
単位の名称
単位記号
定義
換算率及び備考
5-30.a
ジュール毎立方メートル J/m
3
5-31.a
ワット毎平方メートル W/m
2
5-32.a
メートル毎秒 m/s
5-33.a
オーム
Ω
1
Ω=1V/A
5-34.a
ジーメンス S
1S
=1
Ω
−1
5-35.a
ワット W
1W
=1V・A
5-36.a
オームメートル
Ω・m
5-37.a
ジーメンス毎メートル S/m
5-38.a
毎ヘンリー
H
−1
5-39.a
ヘンリー H
5-40.a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
序文の 0.3.2 を参照。
電気及び磁気(続き)
量
番号
IE
C 2
7
-1
:
1
9
92
における
番号
量
記号
定義
備考
5-41.1
(
−)
18
(16)
周波数
f, v
繰返し数を時間で除したもの。
IEC
では,予備記号として v を
用いる。
5-41.2
(
−)
19
(17)
回転速度
n
回転数を時間で除したもの。
5-42
(
−)
21
(19)
角周波数
ω
ω
=2
π
f
5-43
(5-40.1)
103
位相差
ϕ
u
=
uˆ
cos
ω
t, i
=
iˆ
cos (
ω
t
−
ϕ
)
の
とき,
ϕ
は位相差である。
序文の 0.3.2 も参照。
(
ω
t
−
ϕ
)
を i の位相という。IEC
では,予備記号として
θ
を用い
る。
5-43
∼5-52 に注意。また,
序文
の 0.5.3 も参照。
5-44.1
(5-41.1)
93
(複素)インピーダンス
Z
電位差の複素表示を電流の複素
表示で除したもの。
Z
=|Z|e
j
ψ
=R+jX
5-44.2
(5-41.2)
93
インピーダンスの大きさ
|Z|
2
2
X
R
Z
+
=
混乱のおそれがなければ,イン
ピーダンスという名称を 5-44.2
の量に用いてもよい。
5-44.3
(5-41.4)
87
(交流)抵抗
R
インピーダンスの実部。
5-44.4
(5-41.3)
94
リアクタンス
X
インピーダンスの虚部。
C
L
X
ω
ω
1
−
=
誘導リアクタンス及び静電容量
リアクタンスとが直列につなが
っている場合。
10
Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
単位
電気及び磁気(続き)
番号
単位の名称
単位記号
定義
換算率及び備考
5-41. a
ヘルツ Hz
1Hz
=1s
−1
1
ヘルツは,その周期が 1 秒である周
期現象の周波数である。
5-41. b
毎秒
s
−1
“回毎分” (r/min) 及び“回毎秒”
(r/s)
という名称は,回転機械の仕様
における回転速度の単位として広く
用いられている。英語の rev/min 及び
rpm
並びに rev/s 及び rps など言葉に
依存する略語は望ましくない
(
1
)
。
注(
1
)
IEC27-1
も参照。
5-42. a
ラジアン毎秒 rad/s
序文の 0.3.2 を参照。
5-42. b
毎秒
s
−1
5-43. a
ラジアン rad
序文の 0.3.2 を参照。
5-43. b
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
5-44. a
オーム
Ω
電気及び磁気(終わり)
量
番号
IE
C 2
7
-1
:
1
9
92
における
番号
量
記号
定義
備考
5-45.1
(5-43.1)
97
(複素)アドミタンス
Y
Y
=1/Z
2
j
j
j
Z
X
R
B
G
e
Y
Y
−
=
+
=
=
−
ϕ
5-45.2
(5-43.2)
97
アドミタンスの大きさ
|Y|
2
2
B
G
Y
+
=
混乱のおそれがなければ,アド
ミタンスという名称を 5-45.2 の
量に用いてもよい。
5-45.3
(5-43.4)
89
(交流)コンダクタンス
G
アドミタンスの実部。
5-45.4
(5-43.3)
98
サセプタンス
B
アドミタンスの虚部。
5-46
(5-42.1)
95
キュー
Q
非放射系の場合,Z=R+jX なら
ば,
Q
=|X|/R
5-47
(
−)
101
b
損失率
d
d
=1/
Q
5-48
(
−)
96
損失角
δ
δ
=arctan d
5-49
(5-44.1)
99
有効電力
P
ò
=
T
t
ui
T
P
0
d
1
P
=ui は,瞬時電力である。
5-50.1
(
−)
100
皮相電力
S, (P
s
)
S
=UI
5-50.2
(
−)
101
無効電力
Q
, P
Q
Q
2
=S
2
−P
2
t
U
t
u
u
ω
ω
cos
2
cos
ˆ
=
=
で,かつ,
i
=
iˆ
cos (
ω−ϕ
)
=
)
cos(
2
ϕ
ω
−
t
I
のときには,
P
=UIcos
ϕ
11
Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
電気及び磁気(終わり)
量
番号
IE
C 2
7
-1
:
1
9
92
における
番号
量
記号
定義
備考
5-51
(
−)
101a
力率
λ
λ
=P/S
Q
=UIsin
ϕ
λ
=cos
ϕ
5-52
(
−)
101c
有効電力量
W, (W
p
)
ò
=
t
ui
W
d
単位
電気及び磁気(終わり)
番号
単位の名称
単位記号
定義
換算率及び備考
5-45. a
ジーメンス S
5-46. a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
序文の 0.3.2 を参照。
5-47. a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
序文の 0.3.2 を参照。
5-48. a
ラジアン rad
序文の 0.3.2 を参照。
5-49. a
ワット W
5-50. a
ボルトアンペア
V
・A
IEC
では,無効電力の単位としてボ
ルトアンペアの代わりにバール (var)
という名称と記号を採用している。
5-51. a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
序文の 0.3.2 を参照。
5-52. a
ジュール J
5-52. b
ワット時
W
・h
1kW
・h=3.6MJ
12
Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
附属書 A(参考)
三元系関係式及び量
長さ,時間及び質量の三つの基本量に基づく電気量及び磁気量に対しては,種々の三元系の関係式が発
展してきた。このうちいわゆるガウス系,すなわち“対称系”の関係式だけが今日でも用いられている。
更に詳細な情報は,IUPAP-SUN Publication, 1987 に記載されている
(
1
)
。
この三つの基本量に基づいた系の関係式によって定義される物理量は,ガウス系の量と呼ぶ。
ガウス系の各量に対する記号は,四つの基本量をもつ系の対応する量の記号に添字(下付き)s を加え
たものである。
ガウス系関係式では,二つのガウス系電荷の間の力に対するクーロンの法則に基づき,誘電率を真空中
では 1 に等しい無次元量となるように電荷を組立物理量として定義する。光の速さ,透磁率が真空中では
1
に等しい無次元量となるよう,電気及び磁気を結ぶ若干の関係式に明示的に現れる。ガウス系の関係式
は,非有理化の形で表す。
ガウス系の量とこれに対応する四元系の量との関係は,常に左のページの“換算率及び備考”欄に記載
してある。
ガウス系の基本的な諸関係式は,
附属書
B
に掲げる。
三元系ガウス系に属するガウス系諸量は,通常,センチメートル,グラム及び秒の三つの基本単位で表
されたガウス系 CGS 単位で測定する
(
2
)
。
注
(
1
)
IUPAP-SUN
は,国際純粋・応用物理学連合の記号・単位・名称に関する委員会を表す。
(
2
)
IEC
には,この系はない。
ガウス系
量
番号
量
記号
定義
備考
5-1
s
ガウス系電流
I
s
ある表面を横切るガウス系電荷を
時間で除したもの。
I
s
=I/ (4
πε
0
)
1/2
ε
0
=10
11
ζ
−2
(4
π)
−1
F/m
ζについては,5-1.a
s
項を参照。
5-2
s
ガウス系電荷,ガウス系
電気量
Q
s
ガウス系電荷は,次の式で定義され
る。
F
=Q
s1
Q
s2
/r
2
F
は真空中の力,r はガウス系電荷
Q
s1
, Q
s2
をもつ 2 点間の間隔。
Q
s
=Q/ (4
π
ε
0
)
1/2
5-5
s
ガウス系電界の強さ
E
s
電界が電荷に働く力をガウス系電
荷で除したもの。
E
s
=E/ (4
π
ε
0
)
1/2
5-6.1
s
ガウス系電位
V
s
,
ϕ
s
静電界について,それの負のグラデ
ィエントがガウス系電界の強さに
等しいようなスカラー量。
V
s
=V/ (4
π
ε
0
)
1/2
5-7
s
ガウス系電束密度
D
s
それのダイバージェンスがガウス
系電荷密度の 4
π倍に等しいような
ベクトル量。
div D
s
=4
π
ρ
s
この量は,静電気誘導と呼ばれるこ
ともある。
D
s
=D (4
π/
ε
0
)
1/2
“div”は発散という。
5-9
s
ガウス系静電容量
C
s
ガウス系電荷をガウス系電位差で
除したもの。
C
s
=C/4
π
ε
0
5-11
s
ガウス系誘電率
ε
s
ガウス系電束密度をガウス系電界
の強さで除したもの。
ガウス系誘電率は,比誘電率と同じ
になる。
ε
s
=
ε
r
=
ε
/
ε
0
13
Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
ガウス系
量
番号
量
記号
定義
備考
5-12
s
ガウス系電気感受率
χ
s
χ
s
= (
ε
r
−1) /4
π
χ
s
= (4
π)
−1
χ
単位
ガウス系
番号
単位の名称
単位記号
定義
換算率及び備考
5-1.a
s
電流のガウス系 CGS 単
位
電流の 1 ガウス系 CGS 単位=
1cm
3/2
・g
1/2
・s
−2
I
S
=1cm
3/2
・g
1/2
・s
−2
のとき,
電流は
I
=10
ζ
−1
A
=3.335 64×10
−10
A
。
数
ζは,次の式で定義される。
c
=
ζcm/s
c
は真空中の光の速さ。
ζ=2.997 924 58×10
10
(正確に)
5-2.a
s
電荷のガウス系 CGS 単
位
電荷のこの単位は,真空中で 1cm 離
れた一つの等しい電荷に 1 ダインの
力を及ぼすガウス系電荷であり,し
たがって
1cm
3/2
・g
1/2
・s
−1
に等しい。
Q
s
=1cm
3/2
・g
1/2
・s
−1
のとき,
電荷は
Q
=10
ζ
−1
C
=3.335 64×10
−10
C
。
ζについては,5-1.a
s
の備考を参照。
5-5.a
s
電 界 の 強 さ の ガ ウ ス 系
CGS
単位
電界の強さの 1 ガウス系 CGS 単位
=
1cm
−1/2
・g
1/2
・s
−1
E
s
=1cm
−1/2
・g
1/2
・s
−1
のとき,
電界の強さは
E
=10
−6
ζV/m=
2.997 924 58
×10
4
V/m
(正確に)
。
ζについては,5-1.a
s
の備考を参照。
5-6.a
s
電位のガウス系 CGS 単
位
電位の 1 ガウス系 CGS 単位=
1cm
1/2
・g
1/2
・s
−1
V
s
=1cm
1/2
・g
1/2
・s
−1
のとき,
電位は
V
=10
−8
・
ζ V=2.997 924 58×10
2
V
(正
確に)
。
ζ
については,5-1.a
s
の備考を参照。
5-7.a
s
電束密度のガウス系 CGS
単位
電束密度の 1 ガウス系 CGS 単位=
1cm
−1/2
・g
1/2
・s
−1
D
s
=1cm
−1/2
・g
1/2
・s
−1
のとき,電束密度
は
D
=10
5
・
ζ
−1
(4
π)
−1
C/m
2
=
2.654 42
×10
−7
C/m
2
。
ζについては,5-1.a
s
の備考を参照。
5-9.a
s
静電容量のガウス系 CGS
単位,センチメートル
cm
静電容量の 1 ガウス系 CGS 単位=
1cm
C
s
=1cm のとき,静電容量は
C
=10
9
ζ
−2
F
=1.112 65×10
−12
F
。
ζについては,5-1. a
s
の備考を参照。
5-11.a
s
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
5-12.a
s
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
ガウス系(終わり)
量
番号
量
記号
定義
備考
5-13
s
ガウス系電気分極
P
s
4
πP
s
=D
s
−E
s
P
s
=P/ (4
π
ε
0
)
1/2
14
Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
ガウス系(終わり)
量
番号
量
記号
定義
備考
5-17
s
ガウス系磁界の強さ
H
s
それのローテーションがガウス系
電流密度を 4
π/c 倍したものとガウ
ス系電束密度の時間導関数を (1/c)
倍したものとの和に等しいような
ベクトル量。
t
c
s
s
s
∂
∂
+
=
D
J
H
rot
π
4
H
s
= (H/c) (4
π/
ε
0
)
1/2
=H (4
π
µ
0
)
1/2
5-19
s
ガウス系磁束密度,ガウ
ス系磁気誘導
B
s
電流素分に働く力がこのガウス系
電流素分とガウス系磁束密度との
ベクトル積の (1/c) 倍に等しいよ
うなベクトル量。
s
I
c
s
B
s
F
×
∆
=
1
B
s
=Bc (4
π
ε
0
)
1/2
=B (4
π/
µ
0
)
1/2
5-20
s
ガウス系磁束
Φ
s
表面素分を横切るガウス系磁束密
度と表面素分とのスカラー積。
ò
⋅
=
A
d
n
s
s
e
B
φ
Φ
s
=
Φ
c (4
π
ε
0
)
1/2
=
Φ
(4
π/
µ
0
)
1/2
5-25
s
ガウス系透磁率
µ
s
ガウス系磁束密度をガウス系磁界
の強さで除したもの。
ガウス系透磁率は,比透磁率と同じ
になる。
µ
s
=
µ
r
=
µ
/
µ
0
5-26
s
ガウス系磁化率
χ
s
χ
s
= (
µ
s
−1) /4
π
χ
s
= (4
π)
−1
χ
5-28
s
ガウス系磁化
M
s
M
s
= (B
s
−H
s
) /4
π
M
s
=M (
µ
0
/4
π)
1/2
=J/ (4
π
µ
0
)
1/2
単位
ガウス系(終わり)
番号
単位の名称
単位記号
定義
換算率及び備考
5-13.a
s
電気分極のガウス系 CGS
単位
電気分極の 1 ガウス系 CGS 単位=
1cm
−1/2
・g
1/2
・s
−1
P
s
=1cm
−1/2
・g
1/2
・s
−1
のとき,
分極は
P
=10
5
ζ
−1
C/m
2
=
3.335 64
×10
−6
C/m
2
。
ζについては,5-1.a
s
の備考を参照。
5-17.a
s
磁 界 の 強 さ の ガ ウ ス 系
CGS
単位,
エルステッド
Oe 1Oe
=1cm
−1/2
・g
1/2
・s
−1
H
s
=1Oe のとき,磁界の強さは
H
=10
3
(4
π)
−1
A/m
=79.577 5A/m。
5-19.a
s
磁束密度のガウス系 CGS
単位,ガウス
Gs 1G
s
=1cm
−1/2
・g
1/2
・s
−1
B
s
=1G
s
のとき,
磁束密度は
B
=10
−4
T
。
物理学では,記号 G を用いる。
5-20.a
s
磁束のガウス系 CGS 単
位,
マクスウェル
Mx 1Mx
=1cm
3/2
・g
1/2
・s
−1
Φ
s
=1Mx のとき,磁束は
Φ
=10
−8
Wb
。
5-25.a
s
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
5-26.a
s
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
5-28.a
s
磁化のガウス系 CGS 単
位
磁化の 1 ガウス系 CGS 単位=
1cm
−1/2
・g
1/2
・s
−1
M
s
=1cm
−1/2
・g
1/2
・s
−1
のとき,
磁化は M=10
3
A/m
。
その磁気分極は
J
=4
π・10
−4
T
=1.256 64×10
−3
T
。
15
Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
附属書 B(参考)
異なる系の関係式間の比較例
対応する第 1 の関係式欄の量とは異なる第 2 の関係式欄の量は,
下付き添字 s (symmetric) を添えて表す。
この
附属書は,IUPAP-SUN Publication, 1987 にもある。
番号
項目
四つの基本量による有理化され
た系の関係式
(この規格の本体で用いている
系)
三つの基本量によるガウス系の
関係式
(
附属書 A で用いている系)
1
rot E
=−
∂
B/
∂
t
c rot E
s
=−
∂
B
s
/
∂
t
2 div
D
=
ρ
div D
s
=4
π
ρ
s
3
マクスウェルの式
div B
=0 div
B
s
=0
4
rot H
=J+
∂
D/
∂
t
c rot H
s
=4
πJ
s
+
∂
D
s
/
∂
t
5
電界 E 中の電荷 Q に働く力
F
=QE
F
=Q
s
E
s
6
E
と D との関係式
ε
0
ε
r
E
=
ε
E
=D
ε
r
E
s
=D
s
7
電荷 Q から距離 r の点の電束密度
D
=Q/4
πr
2
D
s
=Q
s
/r
2
8
表面電荷密度が
σ
の伝導表面の電束密度
D
=
σ
D
s
=4
π
σ
s
9
誘電体中で間隔が r だけ離れた電荷 Q
1
と Q
2
との間
に働く力
F
=Q
1
Q
2
/4
π
ε
r
2
F
=Q
s, 1
Q
s,2
/
ε
r
r
2
10
面積が A で,間隔が d だけ離れた二平行板間の静電
容量
C
=A
ε
/d
C
s
=A
ε
r
/4
πd
11
半径 r の孤立球の静電容量
C
=4
π
ε
r
C
s
=
ε
r
r
12
静電気における E と V との関係
E
=−grad V
E
s
=−grad V
s
13
真空中の静電気におけるポアソン式
△V=−
ρ
/
ε
0
△V
s
=−4
π
ρ
s
14
真空中で電荷 Q からの距離 r の点の電位
V
=Q/4
π
ε
0
r
V
s
=Q
s
/r
15
真空中で電気双極子からの距離 r の点の電位
V
=p・r/4
π
ε
0
r
3
V
s
=p
s
・r/r
3
16
s
だけ離れた二つの電荷 Q の電気双極子モーメント
p
=Qs
P
s
=Q
s
s
17
電界中の電気双極子の位置エネルギー
W
=−p・E
W
=−p
s
・E
s
18
電気分極が P の体積素分△
τ
の電気双極子モーメン
ト p
p
=P△
τ
p
s
=P
s
△
τ
19
電界のエネルギー密度
ω
=D
・
E/2
ω
=D
s
・E
s
/8
π
20
磁界中の速度 v で動く電荷 Q に働く力
F
=Qv×
B
F
=Q
s
v
×B
s
/c
21
磁界 B における電流素分 I
△
s
に働く力
F
=I△s×B
F
=I
s
△s×
B
s/c
22
B
と H との関係式
B
=
µ
0
µ
r
H
=
µ
H
B
s
=
µ
r
H
s
23
速度 v で動く電荷 Q による磁界の強さ
H
=Qv×r/4
πr
3
H
s
=Q
s
v
×r/cr
3
24
電流素分 I△s による磁界の強さ
H
=I△s×r/4
πr
3
H
s
=I
s
△s×r/cr
3
25
直線導体から距離 r の点の磁界の強さ
H
=I/2
πr
H
s
=2I
s
/cr
26
長さ l,巻数 N のソレノイド中の磁界の強さ
H
=NI/l
H
s
=4
πNI
s
/cl
27
真空中で間隔が d だけ離れた長さ l の 2 本の平行直
線導体の間に働く力
F/l
=
µ
0
I
1
I
2
/2
πd
F/l
=2I
s
,
1
I
s
,
2
/c
2
d
28
B
とベクトルポテンシャル A との関係式
B
=rot A
B
s
=rot A
s
29
真空中のベクトルポテンシャルに対する波動方程
式
J
A
A
0
2
2
2
1
µ
−
=
∂
∂
−
∆
t
c
s
2
s
2
2
s
4
1
J
A
A
c
t
c
π
−
=
∂
∂
−
∆
30
A
に対するローレンツのゲージ条件
0
1
div
2
=
∂
∂
−
t
V
c
A
0
1
div
2
s
=
∂
∂
−
t
V
c
s
A
31
E
,V
,
A
間の一般的関係式
t
V
∂
∂
−
−
=
A
E
grad
t
c
V
∂
∂
−
−
=
s
s
s
1
A
E
grad
32
面積 A の平らな表面を囲む電流 I の電磁モーメント
m
=IA
m
s
=I
s
A/c
16
Z 8202-5 : 2000 (ISO 31-5 : 1992)
異なる系の関係式間の比較例
番号
項目
四つの基本量による有理化され
た系の関係式
(この規格の本体で用いている
系)
三つの基本量によるガウス系の
関係式
(
附属書 A で用いている系)
33
磁界における磁気モーメントの位置エネルギー
W
=
−m・B
W
=
−m
s
・B
s
34
磁化 M をもつ体積素分△
τ
の磁気モーメント
m
=M△
τ
m
s
=M
s
△
τ
35
磁界のエネルギー密度
w
=B・H/2
w
=B
s
・H
s
/8
π
36
ポインチングベクトル
S
=E×H
S
= (c/4
π) E
s
×H
s
JIS Z 8202
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○
今 井 秀 孝
通商産業省工業技術院計量研究所計測システム部
(委員)
○
今 村 徹
通商産業省工業技術院計量研究所力学部
大 嶋 清 治
通商産業省工業技術院標準部
小 川 実 吉
横河電機株式会社センサー事業部フィールド機器 MK 部
宇賀神 守
日本電信電話株式会社技術部
桑 田 浩 志
トヨタ自動車株式会社設計管理部
○
小 泉 袈裟勝
日本計量機器工業連合会顧問
佐 藤 義 雄
文部省初等中等教育局
畠 山 昭士郎
清水建設株式会社技術研究所建設技術研究部
馬 場 秀 俊
通商産業省機械情報産業局
○
増 井 敏 郎
財団法人日本計量協会参与
村 井 喜 一
株式会社大林組土木技術本部
森 下 昇
日本鋼管株式会社鉄鋼技術センター鉄鋼技術総括部
○
山 本 弘
愛知時計電機株式会社東京支店
○
渡 辺 英 雄
通商産業省工業技術院計量研究所計測システム部
吉 田 邦 夫
社団法人日本ガス協会技術部
千 坂 文 武
通商産業省工業技術院機械技術研究所
村 田 重 夫
通商産業省工業技術院物質工学工業技術研究所
遠 藤 忠
通商産業省工業技術院電子技術総合研究所基礎計測部
吹 上 浩 朗
電気事業連合会工務部
(事務局)
山 村 修 造
財団法人日本規格協会技術部
木 村 茂
財団法人日本規格協会技術部
備考 ○印は,分科会を兼ねる。