Z 8202-13 : 2000 (ISO 31-13 : 1992)
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。これによって JIS Z 8202-1985 は廃止され,JIS Z 8202-0∼JIS Z 8202-10,JIS Z 8202-12
及び JIS Z 8202-13 に置き換えられる。
今回の改正では,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格を作成するため
に,ISO 31-13 : 1992, Quantities and units-Part13 : Solid state physics を基礎として用いた。
なお,ISO 31-11 : 1992, Quantities and units-Part11 : Mathematical signs and symbols for use in the physical
sciences and technology は,JIS Z 8201(数学記号)として制定されている。
JIS Z 8202-13
には,次に示す附属書がある。
附属書 A(規定) 結晶の面及び方向に関する記号
JIS Z 8202
の規格群には,次の部編成がある。
第 0 部:一般原則
第 1 部:空間及び時間
第 2 部:周期現象及び関連現象
第 3 部:力学
第 4 部:熱
第 5 部:電気及び磁気
第 6 部:光及び関連する電磁放射
第 7 部:音
第 8 部:物理化学及び分子物理学
第 9 部:原子物理学及び核物理学
第 10 部:核反応及び電離性放射線
第 12 部:特性数
第 13 部:固体物理学
日本工業規格
JIS
Z
8202-13
: 2000
(I
31-13
: 1992
)
量及び単位−
第 13 部:固体物理学
Quantities and uhits
−
Part 13
:Solid state physics
序文 この規格は,1992 年に第 2 版として発行された ISO 31-13 : 1992, Quantities and units-Part13 : solid state
physics を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。ただし,追補 (Amendment)
については,編集し,一体とした。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
0.1
表の配列 この規格の量及び単位の表は,量を左のページに,また,単位を対応する右のページに
配列する。
2 本の実線の間にあるすべての単位は,左のページの対応する実線の間の量に属する。
ISO 31
のいずれかの部の改正(1992 年版)で番号が変更になった場合には,左のページの量を表す新し
い番号の下に括弧を付けて ISO 31 の旧規格の番号を示す。
なお,ISO 31 の旧規格にその項目がない場合には,ダッシュ (−) でそのことを示す。
0.2
量の表 この規格で扱う分野において最も重要な量は,それらの記号とともに多くの場合,定義も
示す。ただし,これらの定義は,単にその量を特定するためであり,完全なものではない。
特に,定義上ベクトル表示式が必要な場合,幾つかの量については,そのベクトル的特性にもふれてい
るが,完全性又は一貫性を意図するものではない。
多くの場合,ある量に対しては一つの名称と一つの記号とを示す。一つの量に対して,二つ以上の名称
又は二つ以上の記号を併記し,特別な区別を付けていない場合には,互いに対等な関係にある。2 種類の
斜体文字がある場合(例えば,
ϑ,θ;φ,
φ
; ,g)には,いずれか一方だけを示してあるが,他方は対等
に使用できないという意味ではない。一般に,このような別の字体に異なる意味をもたせることは推奨で
きない。括弧内の記号は,
“予備の記号”である。したがって,特別の関係のもとで主要記号が別の意味合
いで用いられている場合には,これら予備の記号が用いられる。
0.3
単位の表
0.3.1
一般 量に対する単位には,その記号及び定義を示す。詳細については,JIS Z 8202-0 を参照。
備考 ISO 31-0. Quantities and units−Part 0 : General principles からの引用事項は,この規格の規定事項
と同等である。
単位は,次のように配列してある。
a) SI
単位の名称は,大きい文字(本体通常の文字よりも大きい)で示す。また,SI 単位は,国際度量衡
総会 (CGPM) で採択されたものである。SI 単位の 10 の整数乗倍そのものは明示していないが,SI 単
位とその 10 の整数乗倍を用いることを推奨する。
2
Z 8202-13 : 2000 (ISO 31-13 : 1992)
b)
実用上の重要さ又は特殊な分野での有用さから,SI 単位と併用してよい SI 以外の単位の名称は通常
の大きさの文字(本体通常の文字の大きさ)で示す。
これらの単位は,SI 単位と点線で区別してある。
c)
当分の間 SI 単位と併用してよい SI 以外の単位の名称は,
“換算率及び備考”欄に,小さい文字(本体
通常の文字よりも小さい)を用いて示す。
d) SI
単位と併用してはならない SI 以外の単位の名称は,JIS Z 8202 の幾つかの部の
附属書だけに示す。
これらの
附属書は参考であり,規定の一部ではない。
なお,これらの単位は,次の三つのグループに分けて配列してある。
1) CGS
単位系の特殊な名称
2)
フート,ポンド及び秒に基づく単位,並びにそれに関連する幾つかの単位の名称
3)
その他の単位の名称
0.3.2
次元 1 の量の単位に関する注意事項 次元 1 のいかなる量に対しても一貫性のある単位は,数 1,
記号 1 である。そのような量の値を表すときには,一般に単位記号 1 は明示しない。
例 屈折率 n=1.53×1=1.53
この単位の 10 の整数乗倍を示すときには,接頭語を用いてはならない。接頭語の代わりに 10
の累乗を用いる。
例 レイノルズ数 Re=1.32×10
3
平面角は,通常,二つの長さの比で,また,立体角は二つの面積の比で表されることを考慮して,国際
度量衡総会 (CGPM) は 1995 年に,国際単位系におけるラジアン rad 及びステラジアン sr を“無次元”の
組立単位に属することとした。これは,平面角及び立体角という量が無次元の組立量となることを意味す
る。単位,ラジアン及びステラジアンは省略してもよく,また,異なった性質であるが,同じ次元をもつ
量の間を容易に区別するための組立単位として,使用することができる。
0.4
数値に関する表現 “定義”欄の数値は,すべて正確である。
“換算率及び備考”欄の数値が正確である場合には,数値の後に“正確に”と括弧付きで付記してある。
0.5
特記備考
この規格では,ベクトル量を示すのにベクトル表記法を用いている。
1.
適用範囲 この規格は,固体物理学に関する量並びに単位の名称及び記号について規定する。また,
必要な場合には,換算率を示してある。
2.
引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。こ
れらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS Z 8202-5
量及び単位−第 5 部:電気及び磁気
備考 ISO 31-5, Quantities and units−Part5 : Electricity and magnetism が,この規格と一致している。
JIS Z 8202-8
量及び単位−第 8 部:物理化学及び分子物理学
備考 ISO 31-8, Quantities and units−Part8 : Physical chemistry and molecular pbysics が,この規格と一
致している。
JIS Z 8202-10
量及び単位−第 10 部:核反応及び電離性放射線
備考 1SO31-10, Quantities and units−Part 10 : Nuclear reactions and ionizing radiations が,この規格と
一致している。
3
Z 8202-13 : 2000 (ISO 31-13 : 1992)
3.
名称及び記号 固体物理学に関する量並びに単位の名称及び記号を,次に示す。
固体物理学
量
番号
量
記号
定義
備考
13-1.1
格子ベクトル
R
,R
0
,T
結晶格子を自己合同させる変位
ベクトル。
13-1.2
基本格子ベクト
ル
a
1
,a
2
,a
3
a
,b,c
結晶格子空間における基本変位
ベクトル。
R
=n
1
a
1
+n
2
a
2
+n
3
a
3
n
1
, n
2
, n
3
は整数。
13-2.1
角逆格子ベクト
ル
G
すべての基本格子ベクトルとの
内積が 2
πの整数倍数になるベク
トル。
結晶学では,量 G/ (2
π) が通常使わ
れている。
13-2.2
基本逆格子ベク
トル
b
1
,b
2
,b
3
a*
,b*,c*
逆格子の基本変換ベクトル。
a
i
・b
k
=2
πδ
ik
結晶学では,量 b
k
/ (2
π) もしばしば
使われている。
13-3
格子面間隔
d
隣接する結晶面間の距離
13-4
ブラッグ角
θ
13-5
反射の次数
n
2dsin
θ
=n
λ
λ
は放射の波長,n は整数。
13-6.1
近距離秩序パラ
メータ
σ
イジング強磁性体中の隣り合う
原子組のうち,平行な磁気モー
メントをもつものの分率と逆平
行な磁気モーメントをもつもの
の分率との差。
13-6.2
遠距離秩序パラ
メータ
s
イジング強磁性体中の原子のう
ち,ある方向の磁気モーメント
をもつものの分率と反対方向の
磁気モーメントをもつものの分
率との差。
同様な定義が他の秩序無秩序現象に
も適用される。
13-7
バーガースベク
トル
b
転移線を一周するバーガース回
路の閉じたベクトルであって,
転移の特性を示すベクトル。
13-8.1
粒子の位置ベク
トル
r
,R
13-8.2
イオン又は原子
の平衡位置ベク
トル
R
0
13-8.3
イオン又は原子
の変位ベクトル
u
u
=R−R
0
電子とイオン又は原子の位置ベクト
ルを区別するために,英小文字及び
英大文字を使う。
13-9
デバイ・ワラ−因
子
D
格子振動のために,回折線強度
が減少する割合を表す因子。
D は exp (−2W) で表すことがある。
メスバウワー分光学では,f-因子と
も呼び,f で表すこともある。
4
Z 8202-13 : 2000 (ISO 31-13 : 1992)
単位
固体物理学
番号
単位の名称
単位記号
定義
換算率及び備考
13-1. a
メートル m
オングストローム (Å),
1Å=10
-10
m
13-2. a
毎メートル
m
-1
13-3. a
メートル m
オングストローム (Å),
1Å=10
-10
m
14-4. a
ラジアン rad
13-4. b
度
°
1°= (
π/180) rad=0.017 453 29rad
13-5. a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
序文の 0.3.2 を参照。
13.6.a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
序文の 0.3.2 を参照。
13-7. a
メートル m
オングストローム (Å),
1Å=10
-10
m
13-8. a
メートル m
13-9. a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
序文の 0.3.2 を参照。
5
Z 8202-13 : 2000 (ISO 31-13 : 1992)
固体物理学(続き)
量
番号
量
記号
定義
備考
13-10.1
角反復度,角波数 k,q
k=2
π/
λ
λ
は波長。
対応するベクトル量 k 及び q は,伝
ぱ(播)ベクトルという。ボルツマ
ン定数と併用する際は,後者を k
B
と
記載する。k と q とを区別したいと
きは,q はフォノン及びマグノンに,
k は電子,中性子などの粒子に用い
る。
13-10.2
フェルミ角反復
度,フェルミ角波
数
k
F
フェル ミ球面 上の 電子の 角 波
数。
13-10.3
デバイ角反復度,
デバイ角波数
q
D
固体の振動スペクトルのデバイ
模型におけるカットオフ角反復
度。
カットオフの方法を指定する。
13-11
デバイ角周波数
ω
D
固体の振動スペクトルのデバイ
模型におけるカットオフ角周波
数。
カットオフの方法を指定する。
13-12
デバイ温度
Θ
D
k
Θ
D
=ћ
ω
D
k はボルツマン定数,ћ はプラン
ク定数を 2
πで除したもの。
k= (1.380 658±0.000 012) ×10
-23
J/K(
1
)
ћ= (1.054 572 66±0.000 000 63) ×
10
-34
J・s(
1
)
注(1)
CODATA Bulletin 63
(1986)
13-13
(角周波数で表
した)振動モード
のスペクトル密
度
g,N
ω
角周波数の無限小間隔での振動
モードの数を,その間隔の範囲
及び体積で除したもの。
ω
ω
ω
ω
ω
d
dN
N
g
)
(
)
(
)
(
=
=
ここに,N(
ω
)は,
ω
より小さい角
周波数の振動モードの全個数を,体
積で除した量。
13-14
グリューナイゼ
ン係数
γ
,
Γ
γ
=
α
V
/(x
T
c
V
ρ
)
α
v は体膨張係数,x
T
は等温圧縮
率,cv は定積比熱容量,
ρ
は密
度。
13-15
マーデルング定
数
α
特定構造の 1-1 価イオン結晶に
おいて,イオン対当たりの静電
エネルギーは,
a
e
E
0
2
4
πε
α
⋅
=
である。e は電気素量,
ε
0
は真空
の誘電率,
α
は特定された格子定
数。
13-16.1
フォノンの平均
自由行程
l
ph
,
Λ
13-16.2
電子の平均自由
行程
l,le
6
Z 8202-13 : 2000 (ISO 31-13 : 1992)
単位
固体物理学(続き)
番号
単位の名称
単位記号
定義
換算率及び備考
13-10. a
ラジアン毎
メートル
rad/m
13-10. b
毎メートル
m
-1
13-11. a
ラジアン毎秒 rad/s
13-11. b
毎秒
s
-1
13-12. a
ケルビン K
K に代わって℃を用いてはならない。
13-13. a
秒毎ラジアン
毎立方メートル
s/ (rad・m
3
)
13-13. b
秒毎立方メー
トル
s/m
3
13-14. a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
序文の 0.3.2 を参照。
13-15. a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
序文の 0.3.2 を参照。
13-16. a
メートル m
7
Z 8202-13 : 2000 (ISO 31-13 : 1992)
固体物理学(続き)
量
番号
量
記号
定義
備考
13-17
状態密度
N
E
,
ρ
dE
E
dN
E
N
E
E
)
(
)
(
)
(
=
=
ρ
N (E) は,E よりも小さいエネル
ギーの一電子状態の全個数を体
積で除したもの。
13-18
残留抵抗率
ρ
R
金属については,0 K での補外
抵抗率。
13-19
ローレンツ係数
L
L=
λ/σT
λ:熱伝導率,σは:導伝率,T
は:熱力学温度。
13-20
ホール係数
A
H
,R
H
等方的電気伝導体では,電界の
強さ E と電流密度 J の関係は
E
=
ρJ+R
H
(B×J)
ρは抵抗率,B は磁束密度。
13-21
物質 a,b 間の熱
起電力
E
ab
E
ab
は,冷接点で物質 a から物質 b へ
の方向を正とする。
13-22
物質 a,b 間のゼ
ーベック係数
S
ab
,
ε
ab
dT
dE
S
ab
ab
=
T は温接点の温度。
S
ab
=S
a
−S
b
Sa は,物質 a のゼーベック係数。
13-23
物質 a,b 間のペ
ルチェ係数
Π
ab
接点で発生したペルチェ熱を,
物質 a から物質 b に流れる電流
で除したもの。
Π
ab
=
Π
a
−
Π
b
Π
a は物質 a のペルチェ係数。
13-24
トムソン係数
µ
,
τ
発生したトムソン熱を電流及び
温度差で除したもの。
電流の方向に温度降下があるときに
熱が発生すれば,
µは正である。
13-25
仕事関数
Φ
無限遠にある静止電子と物質内
部のフェルミ準位の電子とのエ
ネルギー差。
物質 a,b 間の接触電位差は,
V
a
−V
b
= (
Φ
b
−
Φ
a
) /e
である。e は電気素量。
13-26
(−)
電子親和力
x
絶縁体又は半導体内で無限遠に
静止する電子と伝導帯の最低準
位にあ る電子 との エネル ギ ー
差。
13-27
(13-26)
リチャードソン
定数
A
金属からの熱電子放出の電流密
度 J は,
J=AT
2
exp (−
Φ
/kT)
T は熱力学的温度,k はボルツマ
ン定数,
φは仕事関数。
8
Z 8202-13 : 2000 (ISO 31-13 : 1992)
単位
固体物理学(続き)
番号
単位の名称
単位記号
定義
換算率及び備考
13-17. a
毎ジュール毎
立方メ−トル
J
-1
/m
3
13-17. b
毎電子ボルト毎
立方メートル
eV
-1
/m3
1
eV
-1
/m
3
= (6.241 506 4±
0.000 001 9) ×10
18
J
-1
/m
3
(
1
)
13-18. a
オームメートル
Ω・m
13-19. a
ボルト二乗毎
ケルビン二乗
V
2
/K
2
K に代わって℃を用いてはならな
い。
13-20. a
立方メートル
毎クーロン
m
3
/C
13-21. a
ボルト V
13-22. a
ボルト毎ケル
ビン
V/K
13-23. a
ボルト V
13-24. a
ボルト毎ケル
ビン
V/K
13-25. a
ジュール J
13-25. b
電子ボルト eV
1eV= (1.602 177 33±
0.000 000 49) ×10
-19
J(
1
)
13-26. a
ジュール J
13-26. b
電子ボルト eV
1eV= (1.602 177 33
±0.000 000 49) ×10
-19
J(
1
)
13-27. a
アンペア毎平
方メートル毎
ケルビン 2 乗
A/ (m
2
・K
2
)
K に代わって℃を用いてはならな
い。
9
Z 8202-13 : 2000 (ISO 31-13 : 1992)
固体物理学(続き)
量
番号
量
記号
定義
備考
13-28.1
(13-27.1)
フ ェ ル ミ エ ネ ル
ギー
E
F
,
ε
F
金属においては,0 K において占
められた状態での最高エネルギ
ー値。
T=0 K においては,E
F
は電子当たり
の化学ポテンシャルに等しい。
13-28.2
(13-27.2)
ギ ャ ッ プ ェ ネ ル
ギー
E
g
伝導帯の最低準位と充満帯の最
高準位とのエネルギー差。
13-28.3
(13-27.3)
ド ナ ー イ オ ン 化
エネルギー
E
d
13-28.4
(13-27.4)
ア ク セ プ タ ー イ
オ ン 化 エ ネ ル ギ
ー
E
a
13-29
(13-38)
フェルミ温度
T
F
T
F
=E
F
/k
k は,ボルツマン定数。
13-30.1
(13-29.1)
電子数密度,体積
電子数
n
伝導帯中の電子の数密度。
一般に,添字の n,p 又は−,+は,
それぞれ電子及び正孔を表す。また,
p-n 接合の n 領域及び p 領域では,n
n
及び n
p
が電子数密度を,p
n
及び p
p
が
正孔数密度をそれぞれ示す。
13-30.2
(13-29.2)
正孔数密度,体積
正孔数
p
価電子帯中の正孔の数密度。
13-30.3
(13-29.3)
固有数密度,体積
固有数
n
i
2
1
n
np
=
13-30.4
(13-29.4)
ドナー数密度,体
積ドナー数
n
d
,N
d
ドナー準位の数密度。
13-30.5
(13-29.5)
ア ク セ プ タ ー 数
密度,体積アクセ
プター数
n
a
,N
a
アクセプター準位の数密度。
13-31
(13-30)
有効質量
m
*
半導体における電子及び正孔には,
m
n
*
及び m
p
*
を使用する。
13-32
(13-31)
易動度比
b b=
µ
n
/
µ
p
µ
n
,
µ
p
は,それぞれ電子及び正孔
の易動度。
易動度については,JIS Z 8202-10 の
10-26 を参照。
13-33.1
(13-32.1)
緩和時間
τ
平衡状態まで指数関数的に減衰
するときの時定数。
金属中の電子については,
τ=l/v
F
l は平均自由行程,v
F
はフェルミ球面
上の電子の速度。
13-33.2
(13-32.2)
担体の寿命
τ
,
τ
n
,
τ
p
半導体中の少数荷電担体の再結
合又はトラップの時定数。
13-30 の備考を参照。
13-34
(13-33)
拡散距離
L,L
n
,L
p
τ
D
L
=
D は拡散係数,
τは寿命。
13-30 の備考を参照。
D については,JIS Z 8202-8 の 8-39
を参照。
10
Z 8202-13 : 2000 (ISO 31-13 : 1992)
単位
固体物理学(続き)
番号
単位の名称
単位記号
定義
換算率及び備考
13-28. a
ジュール J
13-28. b
電子ボルト eV
1eV= (1.602 177 33
±0.000 000 49) ×10
-19
J(
1
)
13-29. a
ケルビン K
13-30. a
毎立方メート
ル
m
-3
13-31. a
キログラム kg
13-32. a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示
序文の 0.3.2 を参照。
13-33. a
秒 s
13-34. a
メートル m
11
Z 8202-13 : 2000 (ISO 31-13 : 1992)
固体物理学(終わり)
量
番号
量
記号
定義
備考
13-35
(13-34)
交換積分
J
電子交換に由来する相互作用エ
ネルギー。
13-36.1
(13-35.1)
キュリー温度
T
c
強磁性体又はフェリ磁性体の臨
界温度。
臨界温度には,一般に T
cr
が用いられ
る。
13-36.2
(13-35.2)
ネール温度
T
n
反強磁性体の臨界温度。
13-36.3
(13-35.3)
超伝導体転移温
度
T
c
超伝導体の臨界温度。
13-37.1
(−)
熱力学的臨界磁
密度
B
c
0
2
2
1
µ
V
B
G
G
c
s
n
⋅
=
−
Gn 及び Gs は,それぞれ通常の
伝導体と超伝導体の磁束密度零
におけるギブスの自由エネルギ
ー,
µ
0
は真空の透磁率,V は体
積。
タイプ I の超伝導体では,B
c
は超伝
導性が消滅する臨界磁束密度であ
る。記号 B
c3
は,表面超伝導性が消
滅する臨界磁束密度である。
対応するガウス量については,JIS Z
8202-5 : 2000
附属書 A 参照。
13-37.2
(−)
下限臨界磁束密
度
B
c1
タイプ II 超伝導体の場合に,こ
の超伝導体に入る磁束の臨界磁
束密度。
13-37.3
(−)
上限臨界磁束密
度
B
c2
タイプ II 超伝導体の場合に,体
積超伝導性が消滅する臨界磁束
密度。
13-38
(13-37)
超伝導体エネル
ギーギヤツプ
⊿
13-39.1
(13-38.1)
ロンドン侵入深
さ
λ
L
作用磁界が半無限超伝導体の平
面表面に平行に存在する場合,
磁界は次の式によって超伝導体
に透過する。
B (x) =B (0) exp (−
x/
λ
L
)
x は表面からの距離。
13-39.2
(13-38.2)
コヒーレンス長
さ
ξ
超伝導体内部において,摂動の
影響が及ぶ距離
13-40
(13-39)
ランダウ−ギン
ズブルグパラメ
ータ
x
T=0K において X=
λ
L
/ (
ξ√2)
13-41
(13-40)
磁束量子
Φ
0
Φ
0
=h/2e
Φ
0
= (2.067 834 61±0.000 000 61)
×10
-15
Wb(
1
)
12
Z 8202-13 : 2000 (ISO 31-13 : 1992)
単位
固体物理学(終わり)
番号
単位の名称
単位記号
定義
換算率及び備考
13-35. a
ジュール J
13-35. b
電子ボルト eV
1eV= (1.602 177 33±
0.000 000 49) ×10
-19
J(
1
)
13-36. a
ケルビン K
13-37. a
テスラ T
1
T=1 Wb/m
2
=1 V・s/m
2
磁束密度のガウス CGS 単位,ガウス
は JIS Z 8202-5 : 2000
附属書 A 参照。
13-38. a
ジュール J
13-38. b
電子ボルト eV
1eV= (1.602 177 33±
0.000 000 49) ×10
-19
J(
1
)
13-39. a
メートル m
13-40. a
無名数の 1
量の値は,数値だけで表示。
序文の 0.3.2 参照。
13-41. a
ウエーバ Wb
1
Wb=1 V・s
磁束密度のガウス CGS 単位,マクス
ウエルについては,JIS Z 8202-5 : 2
000 附属書 A 参照。
13
Z 8202-13 : 2000 (ISO 31-13 : 1992)
附属書 A(規定)
結晶の面及び方向に関する記号
ミラー指数
h
1
,
h
2
,
h
3
又は
h
,
k
,
l
格子内の単一面又は平行面集合
(
h
1
,
h
2
,
h
3
) 又は (
h
,
k
,
l
)
格子内の対称等価平面全集合
{
h
1
,
h
2
,
h
3
} 又は {
h
,
k
,
l
}
格子内の方向
[
u
,
v
,
w
]
格子内の対称等価方向全集合
<
u
,
v
,
w
>
備考1. 括弧内の文字記号を数値に置き換える場合には,通常,コンマは省略する。
2.
h
,
k
,
l
の数値に負の値がある場合には,通常,例えば,(l10)のようにその負の数値の上に線を
引いて示す。
JIS Z 8202 原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○
今 井 秀 隆
通商産業省工業技術院計量研究所計測システム部
(主査)
○
今 村 徹
通商産業省工業技術院計量研究所力学部
大 嶋 清 治
通商産業省工業技術院標準部
小 川 実 吉
横河電機株式会社センサー事業部フィールド機器 MK 部
宇賀神 守
日本電信電話株式会社技術部
桑 田 浩 志
トヨタ自動車株式会社設計管理部
○
小 泉 袈裟勝
日本計量機器工業連合会顧問
佐 藤 義 雄
文部省初等中等教育局
畠 山 昭士郎
清水建設株式会社技術研究所建設技術部
馬 場 秀 俊
通商産業省機械情報産業局
増 井 敏 郎
財団法人日本計量協会参与
村 井 喜 一
株式会社大林組土木技術部本部
森 下 昇
日本鋼管株式会社鉄鋼技術センター鉄鋼技術総括部
○
山 本 弘
愛知時計電機株式会社東京支店
○
渡 辺 英 雄
通商産業省工業技術院計量研究所計測システム部
吉 田 邦 夫
社団法人日本ガス協会技術部
千 坂 文 武
通商産業省工業技術院機械技術研究所
村 田 重 夫
通商産業省工業技術院物質工学工業技術研究所
遠 藤 忠
通商産業省工業技術院電子技術総合研究所基礎計測部
吹 上 浩 朗
電気事業連合会工務部
(事務局)
山 村 修 造
財団法人日本規格協会技術部
木 村 茂
財団法人日本規格協会技術部
備考 ○印は,分科会を兼ねる。