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Z 8105 : 2000  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS Z 8105 : 1982は改正され,この規格に置き換えられる。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 8105 : 2000 

色に関する用語 

Glossary of colour terms 

序文 この規格は,1987年に第1版として発行されたIEC 60050-845, International Electrotechnical Vocabulary, 

Chapter845:Lightingを基に作成されたJIS Z 8113の対応する部分を引用し,JIS Z 8113に規定されていな

い規定項目を追加し,作成した日本工業規格である。 

なお,この規格でJIS Z 8113及びIEC 60050-845から引用した用語には,対応する用語番号を参考に示し

た。 

1. 適用範囲 この規格は,色に関する主な用語(以下,用語という。)及び,その定義について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS Z 8113 照明用語 

3. 分類 この規格において用語を次のように分類する。 

a) 主に測光及び材料の光学特性に関する用語 

b) 主に測色に関する用語 

c) 主に視覚に関する用語 

4. 用語及び定義 用語及び定義は,次による。 

備考1. 二つ以上の用語を並べた場合は,その順位によって優先使用する。 

2. 用語につけた括弧の用い方は,次による。 

なお,定義欄に出てくる用語に付けた括弧の用い方も,これを準用する。 

a) ( )内の部分は,省いてもよい。 

b) ( )内の漢字は,常用漢字にないため仮名書きにした用字について,意味が分かりにく

いときに元の漢字を示す。 

c) [ ]内の部分は,説明又は注記若しくは単位を示す。 

3. 読みにくい用語は,その読み方を( )内に示す。 

4. 参考のためにIEC 60050-845用語番号及びJIS Z 8113用語番号を示す。ここで,括弧の用い

方は,次による。 

a) ( )内の番号は,JIS Z 8113用語番号を示す。 

b) ( )内のIEC 60050-845用語番号は,定義中の注に示された用語の引用であることを示

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Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

す。 

5. 参考のために対応外国語を示す。英語と米語に区別がある場合はそれを示すが,英語colour

と米語colorについては,colo (u) rと略記する。ここで,括弧の用い方は,次による。 

a) ( )内の部分は,省いてもよい。 

b) [ ]内の部分は,説明又は注記を示す。 

なお,該当する外国語のないものは,空欄とする。 

a) 主に測光及び材料の光学特性に関する用語 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 60050 
-845番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

1001 光(ひかり) 

1. 知覚(的)光 

視覚系に特有な知覚及び感覚の普遍的で本質的

な属性。 

2. 可視放射 

人の目に入って,直接に,視感覚を起こすこと

ができる光学放射。 
備考 日本語の用語では,光という語を修飾語とし

て用いる場合には,可視放射以外に紫外放
射,赤外放射を含む広い波長範囲の光学放射
を表すことがある。 

01-06 

(01007) 

[02-17] 
[01-03] 

(01004) 

light ; 
(perceived) light 
 
visible radiation 

1002 分光密度 

波長λを中心とする微小波長幅内に含まれる放射量Xe

の,単位波長幅当たりの割合。 

量記号:

λ

λ

d

dX

X

e

e=

単位:毎メートル [m-1] (量Xeの単位) 

備考 波長の代わりに周波数νを用いることがあ

る。 

この場合,量記号:

ν

ν

d

dX

X

e

e=

単位:毎ヘルツ [Hz-1] (量Xeの単位) 

参考1. 1002及び1003に対する外国語は,IECでは

同義語として扱い,その備考1.にspectral 
distributionは単一の波長ではなく,広い被
波長範囲の関数を扱うとき,好んで用いら
れると記している。 

2. 1002,1003及び1004は,IECでは放射量

に限らず,測光量又は光子量についても適
用できるように定義している。 

01-17 

(01018) 

spectral 

concentration [of 
a radiant, 
luminous or 
photon quantity X 
(λ)] 

1003 分光分布 

分光密度Xe,λの波長λに対する分布。 

量記号:Xe,λ (λ) [=dXe (λ) /dλ] 
単位:分光密度Xe,λの単位 

備考 波長の代わりに周波数νを用いることがあ

る。 
この場合, 

量記号:Xe,ν (ν) 
単位:分光密度Xe,νの単位 

参考 1002の参考1.及び2.参照。 

01-17 

(01019) 

spectral distribution  

[of a radiant, 
luminous or 
photon quantity X 
(λ)] 

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番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 60050 
-845番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

1004 相対分光分布 

ある値を基準にとって,分光分布を相対的に表したも
の。基準値としては,分光分布の最大値,特定の波長
における値,分光分布から求めた測光量の値などを用
いる。 

量記号:S (λ) 

単位:1(無次元量)(最大値などで基準化した
 

とき),ワット毎メートル毎ルーメン [W・

m-1・lm-1] (測光量の値で基準化したとき) 

参考 1002の参考2.参照。 

01-18 

(01020) 

relative spectral 

distribution [of a 
radiant, luminous 
or photon 
quantity X (λ)] 

1005 分光視感効率, 

比視感度 

特定の測光条件の下で,波長λの放射と波長λmの放射

とが同じ強さの光感覚(明るさ感覚)を生じる場合に
おける,波長λmの放射束の,波長λの放射束に対する
比。通常,λを変化させたときの最大値が1になるよう

に基準化する。 

備考 特に断らない限り,1006に規定した値をい

う。 

量記号:V (λ) (明所視の場合) 

V' (λ) (暗所視の場合) 

01-22 

(01024) 

spectral luminous 

efficiency [of a 
monochromatic 
radiation of 
wavelength (λ)] 

1006 (CIE) 標準分光視感

効率, 
(CIE) 標準比視感度 

標準的な分光視感効率又は比視感度として,CIEにお
いて合意された値。明所視における標準分光視感効率
又は標準比視感度と暗所視における標準分光視感効率
又は標準比視感度との2種類がある。 

量記号:V (λ) (明所視の場合) 

V' (λ) (暗所視の場合) 

備考1. CIEでは,波長360nmから830nmまでの範

囲の1nmおきの波長における明所視の標
準分光視感効率を,1970年に定めた。これ
は1924年に定めた標準分光視感効率V (λ) 

が滑らかな関数になるように補間と補外
を行った結果として得られたものであり,
CIPM(国際法定度量衡委員会)も1972年
にこれを承認した。 

標準分光視感効率としては,この新しい

値を用いることが望ましいが,計量単位令
に従っても測光値の値には実用上の差を
生じない。 

(01025) 

spectral luminous 

efficiency [for 
the CIE standard 
photometric 
observer] 

2. 明所視に対するCIE標準分光視感効率V 

(λ) 又は暗所視に対するCIE標準分光視
感効率V' (λ) に合致する相対分光応答度

をもち,光束の定義の前提になっている加
法則に従う理想の観測者を (CIE) 測光標
準観測者と呼ぶ。 

01-23 

(01026) 

CIE standard 

photometric 
obserber 

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Z 8105 : 2000  

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番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 60050 
-845番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

1007 輝度 

発光面上,受光面上又は放射の伝ぱん路の断面上にお
いて,次式によって定義される量。 

L=dΦV/dA・cosθ・dΩ 

ここで,dΦV:与えられた方向を含む立体角dΩ

内を伝ぱんする要素ビームによ
って伝達される光束 

dA:与えられた点を含むそのビームの

断面の面積 

θ:その断面の法線とそのビームとがな

す角 

量記号:LV,L 
単位:カンデラ毎平方メートル [cd・m-2] ルー 
 

メン毎平方メートル毎ステラジアン [lm・

m-2・sr-1] 

01-35 

[01047] 

luminance (in a 

given direction, 
at a given point 
of a real or 
imaginary 
surface) 

1008 反射 

放射が,その単色放射成分の周波数を変えることなく,
ある表面又はある媒質によって戻される過程。 

備考1. ある媒質に当たる放射の一部は,媒質表面

から反射(表面反射)し,他の一部は,媒
質内部で散乱して戻される(内部反射)。 

2. 放射の周波数は,放射を戻す材料の運動に

よるドップラー効果さえなければ,変化す
ることはない。 

04-42 

(04042) 

reflection 

1009 透過 

放射が,その単色放射成分の周波数を変えることなく,
ある媒質を通過する過程。 

04-43 

(04043) 

transmission 

1010 拡散, 

散乱 

放射ビームが,その単色放射成分の周波数を変えるこ
となく,ある表面又はある媒質によって多くの方向に
散らされて,その方向分布を変える過程。 

備考 入射する放射の波長によって拡散特性が変

わるか変わらないかによって,選択拡散及び
非選択拡散に区別される。 

04-44 

(04044) 

diffusion ; 
scattering 

1011 正反射, 

鏡面反射 

光学的鏡像の法則に従う,拡散がない反射。 

04-45 

(04045) 

regular reflection ; 
specular reflection 

1012 正透過 

光学的屈折の法則に従う,拡散がない透過。 

04-46 

(04046) 

regular 

transmission ; 

direct transmission 

1013 拡散反射 

肉眼で見えるような正反射がない反射。 

04-47 

(04047) 

diffuse reflection 

1014 拡散透過 

肉眼で見えるような正透過がない透過。 

04-48 

(04048) 

diffuse transmission 

1015 混合反射 

同時に正反射性と拡散反射性とがある反射。 

04-49 

(04049) 

mixed reflection 

1016 混合透過 

同時に正透過性と拡散透過性とがある透過。 

04-50 

(04050) 

mixed transmission 

1017 均等拡散反射 

反射された放射が広がっていく半球面のすべての方向
について放射輝度又は輝度が一定な拡散反射。 

04-51 

(04051) 

isotropic diffuse 

reflection 

1018 均等拡散透過 

透過して出てきた放射が広がっていく半球面のすべて
の方向について放射輝度又は輝度が一定な拡散透過。 

04-52 

(04052) 

isotropic diffuse 

transmission 

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Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 60050 
-845番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

1019 ランベルトの(余弦)

法則 

ある面要素について,その面の上側の半球内のすべて
の方向に対する放射輝度又は輝度が等しいときに成り
立つ,次の式で表される関係。 

I (θ) =Incosθ 

ここに,I (θ) 及びInは,それぞれ要素面の法線

から角度θの方向及び法線の方向
の放射強度又は光度である。 

04-56 

(04053) 

Lambert's (cosine) 

law 

1020 均等拡散面 

(ランベルト面) 

その面から発する放射が,ランベルトの法則に従う角
度分布をもつ理想面。 

備考 ランベルト面では,放射発散度又は光束発散

度Mと,放射輝度又は輝度との関係は, 

M=πL 

である。 

04-57 

(04054) 

Lambertian surface 

1021 拡散反射体 

反射する放射について,拡散面であるような反射体。 

(04056) 

reflecting diffuser 

1022 拡散透過体 

透過する放射について,拡散面であるような透過体。 

(04057) 

transmitting diffuser 

1023 均等拡散反射体 

反射する放射について,均等拡散面であるような拡散
反射体。 

(04058) 

isotropic (uniform) 

reflecting diffuser 

1024 均等拡散透過体 

透過する放射について,均等拡散面であるような拡散
透過体。 

(04059) 

isotropic (uniform) 

transmitting 
diffuser 

1025 完全拡散反射体 

反射率が1である理想的な均等拡散反射体。 

04-54 

(04060) 

perfect reflecting 

diffuser 

1026 完全拡散透過体 

透過率が1である理想的な均等拡散透過体。 

04-55 

(04061) 

perfect transmitting 

diffuser 

1027 反射率 

物体に入射した放射束又は光束に対する,反射した放
射束又は光束の比。 

量記号:ρ 

単位:1 

04-58 

(04062) 

reflectance 

1028 視感反射率 

物体に入射した光束に対する,反射した光束の比。 

量記号:ρv 

単位:1 

(04063) 

luminous 

reflectance 

1029 分光反射率 

波長λの単色放射に関する反射率。 

量記号:ρ (λ) 

単位:1 

(04064) 

spectral reflectance 

1030 透過率 

物体に入射した放射束又は光束に対する,透過した放
射束又は光束の比。 

量記号:τ 

単位:1 

04-59 

(04065) 

transmittance 

1031 視感透過率 

物体に入射した光束に対する,透過した光束の比。 

量記号:τv 

単位:1 

(04066) 

luminous 

transmittance 

1032 分光透過率 

波長λの単色放射に関する透過率。 

量記号:τ (λ)  

単位:1 

(04067) 

spectral 

transmittance 

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Z 8105 : 2000  

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番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 60050 
-845番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

1033 正反射率, 

鏡面反射率 

反射放射束又は光束のうちの正反射成分の,入射放射
束又は光束に対する比。 

量記号:ρr 

単位:1 

04-60 

(04068) 

regular reflectance 

1034 正透過率 

透過放射束又は光束のうちの正透過成分の,入射透過
束又は光束に対する比。 

量記号:τr 

単位:1 

04-61 

(04069) 

regular 

transmittance 

1035 拡散反射率 

反射放射束又は光束のうちの拡散反射成分の,入射放
射束又は光束に対する比。 

量記号:ρd 

単位:1 

備考1. ρ=ρr+ρd 

2. ρr及びρdの測定結果は,用いる測定装置及

び測定手法に依存する。 

04-62 

(04070) 

diffuse reflectance 

1036 拡散透過率 

透過放射束又は光束のうちの拡散透過成分の,入射放
射束又は光束に対する比。 

量記号:τd 

単位:1 

備考1. τ=τr+τd 

2. τr及びτdの測定結果は,用いる測定装置及

び測定手法に依存する。 

04-63 

(04071) 

diffuse 

transmittance 

1037 反射率係数, 

立体角反射率 

試料の表面要素を頂点とする与えられたすい体で範囲
を定められた立体角内への反射放射束又は光束の,全
く同様に照明された完全拡散反射体から同じ立体角内
への反射放射束又は光束に対する比。 

量記号:R 
単位:1 

備考1. 正反射性の面の場合でそれを照射する立

体角が小さいとき,もし観測する立体角内
に放射源の像が入っていれば,立体角反射
率は1よりはるかに大きくなることがあ
る。 

2. 観測する立体角が2πsrに近づけば,立体

角反射率は同一照明条件における反射率
に近づく。 

3. 観測する立体角が0に近づけば,立体角反

射率は,同一照明条件における放射輝度率
又は輝度率に近づく。 

04-64 

(04072) 

reflectance factor 

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Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 60050 
-845番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

1038 透過率係数, 

立体角透過率 

試料の表面要素を頂点とする与えられた錐体で範囲を
定められた立体角内への透過放射束又は光束の,全く
同様に照明された完全拡散透過体から同じ立体角内へ
の透過放射束又は光束に対する比。 

量記号:T 
単位:1 

備考1. 正透過性の面の場合でそれを照射する立

体角が小さいとき,もし観測する立体角内
に放射源の像が入っていれば,立体角透過
率は1よりはるかに大きくなることがあ
る。 

2. 観測する立体角が2πsrに近づけば,立体

角透過率は同一照明条件における透過率
に近づく。 

3. その錐体の立体角が,0に近づけば,立体

角透過率は,同一照明条件における放射輝
度率又は輝度率に近づく。 

(04073) 

transmittance factor 

1039 分光反射率係数, 

分光立体角反射率 

波長λの単色放射に関する反射率係数。 

量記号:R (λ) 

単位:1 

spectral reflectance 

factor 

1040 分光透過率係数, 

分光立体角透過率 

波長λの単色放射に関する透過率係数。 

量記号:T (λ) 

単位:1 

spectral 

transmittance 
factor 

1041 放射輝度率 

表面要素の与えられた方向への放射輝度の,同じ条件
で照射された完全拡散反射体又は完全拡散透過体の放
射輝度に対する比。 

量記号:βe ; β 

単位:1 

備考 フォトルミネセンス材料に関しては放射輝

度率は,反射放射輝度率βSと蛍光放射輝度
率βLとの和である。 

βe=βS+βL 

参考 以前は,ラジアンスファクタと呼んだ。 

04-68 

(04078) 

radiance factor 

1042 輝度率, 

ルミナンスファクタ 

表面要素の与えられた方向への輝度の,同じ条件で照
明された完全拡散反射体又は完全拡散透過体の輝度に
対する比。 

量記号:βV ; β 

単位:1 

備考 フォトルミネセンス材料に関しては,輝度率

は反射輝度率βSと蛍光輝度率βLとの和。 

βV=βS+βL 

参考 以前は,ルミナンスファクタと呼んだ。 

04-69 

(04079) 

luminance factor 

1043 分光放射輝度率 

波長λの単色放射に関する放射輝度率。 

量記号:β (λ) 

単位:1 

spectral radiance 

factor 

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Z 8105 : 2000  

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番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 60050 
-845番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

1044 放射輝度係数 

表面要素の,与えられた方向への放射輝度を,その放
射照度で割った量。 

量記号:qe ; q 
単位:sr-1 

備考 米国では,2方向反射率分布関数 [BRDF 

(bidirectional reflectance distribution function)] 
が使われている。その概念は放射輝度係数と
類似であるが,放射照度を作り出す入射放射
が方向性をもっている点が異なる。 

04-68 

(04080) 

radiance 

coeffi-cient 

1045 輝度係数 

表面要素の,与えられた方向への輝度を,その照度で
割った量。 

量記号:qV ; q 
単位:sr-1 

04-71 

(04081) 

luminance 

coefficient 

1046 反射計値 

個別の反射計を用いて測定した値。 

量記号:R' 

備考 使用した反射計は,明示することが望まし

い。得られた反射計値は,反射計の幾何的特
性,照明光,検知器の分光感度及び用いた参
照標準に依存する。 

04-72 

(04082) 

reflectometer value 

1047 光沢 

表面の方向選択特性のために,諸物体の反射ハイライ
トが,その表面に写り込んで見えるような見えのモー
ド。 

04-73 

(04083) 

gloss 

1048 光沢度 

正反射光の割合や,拡散反射光の方向分布などに注目
して,物体表面の光沢の程度を一次元的に表す指標。 

(04084) 

glossiness 

1049 拡散率 

対象とする面を垂直方向から照明して,その面を法線
から5°の方向で測定した輝度に対する,20°及び70°の

方向で測定した輝度の平均値の比。 

σ= [L (20°) +L (70°)] / [2L (5°)] 

量記号:σ 

単位:1 

備考1. 拡散率は,拡散光の空間分布を表す一つの

示度として使われる。すべての均等拡散体
について,拡散反射率又は拡散透過率の値
にかかわらず,この値は1となる。 

2. 拡散率を定義するこの方法は,拡散インデ

ィカトリクスが通常のオパールガラスと
あまり異ならない材料に対してだけ適用
できる。 

3. 1051の備考参照。 

04-89 

(04100) 

diffusion factor 

1050 半値角 

拡散面について,光が垂直に入射したとき,0°方向の

拡散光による輝度の2分の1の輝度が観測される角度。 

量記号:γ 

備考 拡散インディカトリクスの形を示すために,

拡散性が強い材料に対しては拡散率σを用
い,拡散性が弱い材料に対しては半値角γを

用いることを推奨する。 

04-90 

(04101) 

half-value angle 

background image

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 60050 
-845番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

1051 拡散インディカトリ

クス 

反射又は透過によって拡散する媒質表面の要素の(相
対的な)放射強度若しくは光度,又は(相対的な)放
射輝度若しくは輝度の角度分布の,極座標による面の
形での空間的な表示。 

備考1. 入射放射が細いビームの場合には,拡散イ

ンディカトリクスをデカルト座標で表す
のが便利である。もし角度分布が回転対称
であれば,その子午線を含む断面だけで十
分である。 

2. 用語“インディカトリクス”は,しばしば,

面でなく,対象とする表面要素に垂直な平
面内で同様に求めた曲線を表すのに用い
られる。 

04-91 

(04102) 

indicatrix of 

diffusion 
(scattering 
indicatrix) 

1052 再帰反射 

放射が入射した方向の反対に近い方向に選択的に戻さ
れる性質が,広い範囲の入射角にわたって保たれる反
射。 

04-92 

(04103) 

retroreflection 

1053 再帰性反射体, 

再帰反射器 

反射する放射の大部分が,再帰反射による反射面又は
器具。 

04-93 

(04104) 

retroreflector 

1054 (再帰性反射体の)観

測角 

再帰性反射体を観測する方向と,入射光の方向とがな
す角。 

量記号:α 

04-94 

(04105) 

observation angle 

(of a 
retroreflector) 

1055 (再帰性反射体の)照

射角 

入射光の方向を基準として,再帰性反射体の角度位置
を表す角。 

量記号:β 

備考 平面状の再帰性反射体に対しては,一般に入

射角に相当する。 

04-95 

(04106) 

entrance angle (of a 

retroreflector) 

1056 (再帰反射)光度係数 再帰性反射体の観測方向への光度Iを,再帰性反射体

の位置における入射光の方向に垂直な面上の照度Eで
除した量。 

量記号:R 
単位:cd・lx-1 

04-96 

(04107) 

coefficient of 

luminous 
intensity (of a 
retroreflector) 

1057 再帰反射係数 

平面状の再帰性反射体の再帰反射光度係数Rを,その
面積Aで除した量。 

量記号:R' 
単位:cd・lx-1・m-2 

04-97 

(04108) 

coefficient of 

retroreflection (of 
a plane 
retroreflecting 
surface) 

1058 再帰反射輝度係数 

再帰性反射体の観測方向への輝度Lを,再帰性反射体
の位置における入射光の方向に垂直な面上の照度Eで
除した量。 

量記号:RL 
単位:cd・m-2・lx-1 

04-98 

(04109) 

coefficient of 

retroreflected 
luminance (of a 
plane 
retroreflective 
surface) 

background image

10 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 60050 
-845番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

1059 (光学)フィルタ 

それを通過する放射の放射束若しくは光束,相対分光
分布,又はその両方を修正するために用いる正透過性
の(光学)素子。 

備考 放射の相対分光分布を変えるか,又は変えな

いかに従って,選択性フィルタと,非選択性
フィルタ,中性フィルタ又は中性灰色フィル
タとを区別する。放射の色度を顕著に変える
選択性フィルタは色フィルタと呼ばれる。分
光分布は変えてもメタメリズムのために入
射する放射の色度をほとんど変えないもの
は,灰色フィルタと呼んでもよい。 

04-105 

(04116) 

 (optical) filter 

1060 透明媒質(透明体) 透過は主として正透過で,通常,注目するスペクトル

領域で高い正透過率をもつ媒質。 

備考 この媒質はその形が適当であれば,可視域で

透明であって,それを通して物体がはっきり
見える。 

04-108 

(04119) 

transparent medium 

1061 拡散透光媒質(半透明

体) 

可視放射をほとんど拡散透過によって透過するため,
それを通して物体がはっきりとは見えない媒質。 

04-109 

(04120) 

translucent medium 

1062 不透光媒質(不透明

体) 

注目するスペクトル領域で放射を透過しない媒質。 

04-110 

(04121) 

opaque medium 

background image

11 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 主に測色に関する用語 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

2001 色,色彩 

1. 知覚色, 

(ちかくしょく) 
色感覚, 
(いろかんかく) 
色 

有彩色成分と無彩色成分との組合せからなる視知覚の
属性。この属性は,黄,オレンジ,赤,ピンク,緑,
青,紫などの有彩色名,若しくは白,灰,黒などの無
彩色名を,明るい,暗いなどで修飾したもの,又はこ
れらの色名の組合せで記述される。 

備考1. 知覚色は,色刺激の分光分布,刺激面の寸

法,形,構成,及び周囲条件,観測者の視
覚系の順応状態,並びに観測者がなじんで
いる類似の状況での経験に依存する。 

2. 知覚色は,幾つかの色の見えのモードで見

える。種々の色の見えのモードの名称は,
色知覚の質的及び形状,観察条件などの幾
何的な差を区別するためにある。幾つかの
比較的重要な色の見えのモードの用語は,
3001〜3007に示す。 

03-01 

[02-18] 

(03002, 

03025) 

colour 
1.  (perceived) 

colour 

2. 心理物理色, 

(しんりぶつり
しょく) 
色刺激値, 
(いろしげきち) 
色 

三刺激値のように,算出手法が規定された3個の数値
による色刺激の表示。 

備考3. 知覚色,心理物理色とも,文脈から意味が

明確な場合に限って,用語“色”又は“色
彩”だけを用いてよい。 

2.  

(psychophysical) 
colour 

2002 色の表示, 

表色 

色を,その心理的特性又は心理物理的特性によって主
として定量的に,場合によっては定性的に表示するこ
と。 

備考 一般に,心理物理的特性は三色表色系の色刺

激値によって,心理的特性はカラーオーダシ
ステムによって表す。 

specification of 

colour 

2003 色刺激 

目に入って,有彩又は無彩の色感覚を生じさせる可視
放射。 

03-02 

(03026) 

colour stimulus 

2004 色刺激関数 

放射輝度,放射パワーなどの放射量の分光密度による
波長関数としての色刺激の表記。 

量記号:φλ (λ) 

03-03 

(03027) 

colour stimulus 

function 

2005 相対色刺激関数 

色刺激関数の相対分光分布。 

量記号:φ (λ) 

03-04 

(03028) 

relative colour 

stimulus function 

2006 条件等色刺激, 

条件等色対, 
メタマー 

等しい三刺激値をもっていて,分光分布は異なる色刺
激。 

備考 このような性質を条件等色(性)metamerism

という。 

03-05 

(03029) 

metameric stimuli ; 

metamers 

background image

12 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

2007 無彩色刺激 

(むさいしょくしげ
き) 

一般的な条件の下で,無彩(知覚)色を生じさせる色
刺激。 

備考 反射・透過物体の測色においては,完全拡散

反射・透過面(体)の色は,それを照明する
光源が高い彩度に見える場合を除いて,すべ
てのイルミナントに対して通常,無彩色刺激
とみなされる。 

03-06 

(03030) 

achromatic stimulus 

2008 有彩色刺激 

最も普通な条件の下で,有彩(知覚)色を生じさせる
(色)刺激。 

03-07 

(03031) 

chromatic stimulus 

2009 単色光刺激, 

スペクトル刺激 

一つの単色放射からなる(色)刺激。 

03-08 

(03032) 

monochromatic 

stimulus ;  

spectral stimulus 

2010 (加法混色の)補色,

補色刺激 

適当な比率で加法混色して,特定の無彩色刺激の三刺
激値と同じ三刺激値を生じさせることができる1対の
色刺激。 

03-09 

(03033) 

complementary 

colour stimuli 

2011 イルミナント, 

測色用の光 

それで照明された物体の色知覚に影響を及ぼす波長域
全体の相対分光分布が規定されている放射。 

参考1. この用語は,以前は“標準”,“基準”等の

語と組み合わせて“…の光”と呼び,単独
の場合には“測色用の光”としたが,場合
によっては紫外波長域も含む分光分布を
表すので,IEC 60050-845の01-06[light
(光)]の定義1.及び2.と矛盾しないよう
に,イルミナントと呼ぶ。 

2. この用語の対応英語illiuminantは日常英

語では,このような意味に限らず,物又は
場面を照明するどんな光に対しても用い
る。 

03-10 

(03034) 

illuminant 

2012 昼光イルミナント,

CIE昼光(イルミナン
ト) 

昼光のある様相とほぼ等しい相対分光分布をもつよう
に定めたイルミナント。 

参考 昼光イルミナントは,主として北空について

の多くの分光測定値から統計的手法によっ
て各々の相関色温度における昼光の代表と
してCIEが定めた分光分布をいい,それを
明確にするためには,CIE昼光,又はCIE
昼光イルミナントと呼ぶ。 

03-11 

(03035) 

daylight illuminant 

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13 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

2013  (CIE) 標準イルミナ

ント, 
(CIE) 標準の光 

ISO/CIE 10526によって相対分光分布が規定されたイ
ルミナントA,及びD65。 

備考 これらのイルミナントは,次のことを意図し

ている。 

A,温度が

K

856

 2

435

.1

438

.1

848

 2

×

である黒

体の放射; 

D65,相関色温度

K

504

 6

438

.1

438

.1

500

 6

×

の昼

光イルミナントで,紫外部を含む平均昼光
に相当する(JIS Z 8720参照)。 

参考1. JIS Z 8720では,前版 (Z 8720 : 1983) まで

は,次項の補助標準イルミナントCも標
準イルミナントに加えていた。 

2. IEC 60050-845では,上記に加えてイルミ

ナントB(廃止)も記している。 

03-12 

(03036) 

CIE standard 

illuminant 

2014 補助標準イルミナン

ト, 
補助標準の光 

CIE15.2によって相対分光分布が規定された,その相
関色温度がケルビン (K) 単位で,それぞれ, 

0

438

.1

8

438

.1

500

5

0

438

.1

8

438

.1

000

5

×

×

及び

0

438

.1

8

438

.1

500

7

×

であ

る3種類の昼光イルミナントD50,D55及びD75,並び
に従来のCIE標準イルミナントC。 

参考1. この用語は,IEC 60050-845にはないが,

JISで定めたものである。Publ. CIE15.2で
は,A,C,D65及びその他の昼光イルミナ
ントD50,D55及びD75を測色用のイルミナ
ントとしてほぼ同格に扱っている。 

2. 補助標準イルミナントCは,主に過去の

データとの関連を必要とする場合に用い
る。 

− 

(03037) 

supplementary 

standard 
illuminant 

2015  (CIE) 標準光源 

仕様がCIEによって規定され,その相対分光分布が標
準イルミナントに近似する人工光源。 

備考1. 標準光源Aの仕様は次による。 

分布温度が約2 856Kの透明バルブ−ガス
入りタングステンコイル電球。 

2. 標準イルミナントD65を実現する人工光

源は,未だ確定されていない(2016参照)。 

参考 補助標準イルミナントCに対しては,以前

は標準光源Aに規定の溶液フィルタをかけ
て実現できる標準光源Cが定められていた。 

03-13 

(03038) 

CIE standard 

sources 

background image

14 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

2016 常用光源(色比較用

の) 

物体色の色比較を行う場合に,実用的に標準イルミナ
ントD65並びに補助標準イルミナントD50,D55及びD75
の代用として用いられる相対分光分布をもつ人工光
源。 

備考 その特性評価方法及びそれによる等級A〜

Dの区分は,JIS Z 8720附属書に定められて
いる。 

daylight simulator 

2017 北空昼光 

物体色の色比較を行う場合に,実用的に標準イルミナ
ントD65及びその他の昼光イルミナントDTの代用とし
て用いられる,北半球における北空からの自然昼光。
通常,日の出3時間後から日の入り3時間前までの太
陽光の直射を避けた天空光をいう。 

north sky light 

2018 等エネルギー白色光, 

等エネルギースペク
トル 

波長の関数として表した放射量の分光密度が,可視波
長全域にわたって一定である放射のスペクトル。 

備考 等エネルギー白色光は,ときにはイルミナン

トとして用いられて,その場合は記号Eで
表す。 

03-14 

(03039) 

equi-energy 

spectrum ; 

equal energy 

spectrum (USA) 

2019 加法混色 

複数の色刺激を,網膜の同じ箇所に同時に若しくはフ
リッカを生じない程度の高い周波数で交互に入射させ
るか,又は分解して見えない程度の細かいモザイク状
などの配置で結像させて行う色刺激の混合方法。 

03-15 

(03040) 

additive mixture of 

colour stimuli 

2020 加法混色の原色 

一般の加法混色に用いる基本の色刺激。任意の色を再
現するには互いに独立な三つの色刺激が必要であっ
て,加法混色の色域(2092参照)を広げるために,通
常,適当な赤,緑及び青紫の3色を用いる。 

備考 三色表色系を定義するために正確に規定し

た加法混色の3原色は,実在しない仮想の色
刺激も含んで,特に原刺激(2028参照)と
いう。 

additive colour 

primaries 

2021 減法混色 

色フィルタ等の選択性がある吸収媒質の重ね合わせに
よって,個々の吸収媒質とは異なった色を作る混合方
法。 

subtractive colour 

mixture 

2022 減法混色の原色 

減法混色に用いる基本の吸収媒質(の色)。任意の色を
再現するには互いに独立な3種の吸収媒質が必要であ
って,減法混色の色域(2092参照)を広げるために,
通常,シアン(スペクトルの赤部を吸収する),マゼン
タ(スペクトルの緑部を吸収する)及び黄(スペクト
ルの青紫部を吸収する)の3媒質を用いる。 

参考 減法混色の原色では,その色刺激値ではなく

て,分光吸収率曲線の形が問題である。その
意味では,色に“媒質の性質”の意味を含ま
ない用語の体系の中では,原色の語は厳密さ
を欠く。 

subtractive 

primaries 

background image

15 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

2023 等色(とうしょく),

色合わせ(いろあわ
せ) 

与えられた色刺激と,色が等しく見える別の色刺激を
作る行為。 

備考 この用語は,視感色彩計で二つの視野の色が

等しくなるように調整すること,及びあるイ
ルミナントの下で基準の物体と等しい知覚
色をもつ別の物体を調合又は選出すること
に同じように用いられる。日本語では,前者
の意味には主に等色を,後者の意味には主に
色合わせを用いる。IEC 60050 (845) では,
このように二つの定義があることは英語及
び独語共に同様で,どちらも1種類の語を二
つの意味に用いるが,仏語及び露語では前者
の意味だけに用いると記している。 

03-16 

(03041) 

colour matching 

2024 グラスマンの法則 

加法混色における等色の性質を表す,次の三つの経験
法則。 
1. ある等色状態を詳述するには,互いに独立な3個

の変数が必要で,かつ,十分である。 

2. 加法混色では,混合する成分の分光組成ではなく,

その三刺激値だけが関係する。 

3. 加法混色において混色する一つ以上の成分が連続

的に変化するならば,結果の色の三刺激値も連続
的に変化する。 
備考 グラスマンの法則は,標準的な観測条件でだ

け成り立つもので,例えば,視野の明るさレ
ベルが低く明所視条件から外れる,グレアを
感じるほど高い,又は等色するそれぞれの視
野の大きさが一定でないような観測条件で
は成り立たない。 

03-17 

(03042) 

Grassmannʼs laws 

2025 (フォン・クリース

の)等色不変則 

一つの順応条件の下で互いに等色している色刺激は,
別の順応条件でも等色し続けるという経験法則。 

備考 フォン・クリースの等色不変則は,グラスマ

ンの法則の場合と同様に,すべての観測条件
には適用できない。 

03-18 

(03043) 

(von Kriesʼ) 

persistence law 

2026 アブニーの法則 

二つの色刺激AとBとが等しい明るさに知覚され,ま
た別の二つの色刺激CとDとが等しい明るさに知覚さ
れるならば,混合刺激A+CとB+Dともまた等しい
明るさに知覚されるという経験法則。 

備考 アブニーの法則の妥当性は,観測条件に強く

依存する(2018備考及び3015参照)。 

03-19 

(03044) 

Abneyʼs law 

2027 三色表色系 

(さんしょくひょう
しょくけい) 

適切に選ばれた3個の原刺激の加法混色による等色に
基づいて,色刺激を三刺激値によって記述する体系。 

参考 特定の (R), (G), (B) の原刺激を用いた

三色表色系を変換して,CIEのXYZ表色系
及びX10Y10Z10表色系が定められている。 

03-20 

(03045) 

trichromatic system 

background image

16 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

2028 原刺激 

三色表色系が基礎とする3個の色刺激のセット。 

備考1. 原刺激は,実在する色刺激か,又はその線

形結合で定義される理論的刺激である。こ
の原刺激の単位は,測光量若しくは放射量
の単位で表すか,又はより一般的にそれら
の量の比だけを記述するか,若しくは特定
の無彩色刺激に等色することによって定
められる単位で表す。 

2. 2種類のCIE表色系の原刺激は記号 [X], 

[Y], [Z] 及び [X10], [Y10], [Z10] で表
す。 

03-21 

(03046) 

reference colour 

stimuli 

2029 三刺激値 

与えられた三色表色系において,試料の色刺激と等色
するための3個の原刺激の量。 

備考 2種類のCIE表色系では,三刺激値は記号X,

Y,Z及びX10,Y10,Z10で表す。 

03-22 

(03047) 

tristimulus values 

(of a colour 
stimulus) 

2030 等色関数(三色表色系

の) 
[とうしょくかんす
う(さんしょくひょう
しょくけいの)] 

可視波長の全域にわたって,それぞれ等しい放射パワ
ーをもつ単色光刺激の三刺激値。 

備考1. 与えられた波長における等色関数の一組3

個の値を,等色係数colour matching 
coefficients(以前はスペクトル三刺激値
spectral tristimulus values)という。 

2. 等色関数は,ある色刺激の色刺激関数φλ 

(λ) から三刺激値を計算するために用い

る。 

3. CIE表色系では,等色関数は記号x (λ), 

y (λ),z (λ) 及び10

x (λ),10

y (λ),10

(λ) で表す。 

03-23 

(03048) 

colour-matching 

function (of a 
trichromatic 
system) 

2031 等色式 

(とうしょくしき) 

二つの色刺激の等色の代数的又はベクトル的な表示。
例えば,次のような3個の原刺激による加法混色の表
示。 

C [C] =X [X] +Y [Y] +Z [Z] 

備考 記号=は等色を表し,“等色”又は“マッチ”

と読む。括弧を付けない文字記号は,括弧を
付けた文字記号で示す色刺激の量を表す。例
えば,C [C] は,色刺激 [C] のC単位を表
す。記号+は,色刺激の加法混色を表す。 

03-24 

(03049) 

colour equation 

2032 色空間 

色の幾何学的表示に用いる,通常3次元の空間。 

03-25 

(03050) 

colour space 

2033 色立体 

ある表色の体系において,表面色が占有する色空間の
領域。 

03-26 

(03051) 

colour solid 

2034 色票集 

一定の規則に従って配列し,それぞれ記号を付けた色
票(2035参照)の系統的集合。 

03-27 

(03052) 

colour atlas 

background image

17 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

2035 色票 

色の表示などを目的とする色紙又は類似の材料による
表面色の標準試料。特定の基準,例えば,JIS Z 8721
に基づいて作成した色票を標準色票という。 

備考 特定の色の属性が一定である色票を平面上

に配列したものをカラーチャートcolour 
chartといい,色票集は,カラーチャートを
編集して作られる。 

colour chip 

2036 XYZ表色系, 

CIE 1931(標準)表色
系 
(ひょうしょくけい) 

CIEが1931年に採択した原刺激 [X], [Y], [Z] 及び
CIE等色関数x (λ),y (λ),z (λ) を用いて,任意の

分光分布の三刺激値を決定する表色の体系。 

備考1. y (λ) は,標準分光視感効率V (λ) と等

しいので,三刺激値のYの値は輝度に比例
する。 

2. この表色系は,視覚が約1°〜約4° (0.017

〜0.07rad) の中心視の視野に適用される。 

03-28 

(03053) 

CIE 1931 standard 

colorimetric 
system (XYZ) 

2037 X10,Y10,Z10表色系,

CIE 1964(補助標準)
表色系 

CIEが1964年に採択した一組の原刺激 [X10], [Y10], 
[Z10] 及びCIE等色関数10

x (λ),10

y (λ),10

z (λ) を

用いて,分光分布が任意の色刺激の三刺激値を決定す
る色表示の体系(CIE出版物No.15.2参照)。 

備考1. この表色系は,視角が4° (0.07rad) を超え

る中心視の視野に適用される。 

2. この表色系を用いる場合は,色刺激値を表

す量記号のすべてに添字10を付けて
(CIE1931表色系の量記号と)区別する。 

3. 三刺激値Y10は,輝度に比例しない。 

03-29 

(03054) 

CIE1964 

supplementary 
standard 
colorimetric 
system 
(X10Y10Z10) 

2038 CIE等色関数 

CIE1931表色系における関数x (λ),y (λ),z (λ) 又

はCIE1964表色系における関数10

x (λ),10

y (λ),10

(λ) (ISO/CIE 10527及びCIE出版物No.15.2参照)。 

03-30 

(03055) 

CIE 

colour-matc-hing 
functions 

2039 CIE 1931測色標準観

測者 

等色の特性が,CIEが1931年に採択した等色関数x 
(λ),y (λ),z (λ) に一致する仮想の観測者。 

03-31 

(03056) 

CIE 1931 standard 

colorimetric 
observer 

2040 CIE 1964測色補助標

準観測者 

等色の特性が,CIEが1964年に採択した等色関数10

(λ),10

y (λ),10

z (λ) に一致する仮想の観測者。 

03-32 

(03057) 

CIE 1964 

supplementary 
standard 
colorimetric 
observer 

2041 色度座標 

(しきどざひょう) 

三刺激値の各々の,それらの和に対する比。 

備考1. 三つの色度座標の和は1になるので,それ

らの内の二つだけで色度が定められる。 

2. CIE標準表色系では,色度座標は記号x,

y,z及び記号x10,y10,z10で表される。 

03-33 

(03058) 

chromaticity 

coordinates 

background image

18 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

2042 色度 

色度座標によって,又は主波長若しくは補色主波長と
純度との組合せによって定められる色刺激の性質。 

参考 色度は,三次元で表される心理物理的色から

測光量の次元を除いた色の二次元的性質と
しても定義される。 

03-34 

(03059) 

chromaticity 

2043 色度図 

色度座標で定められる図上の点が色刺激の色度を表す
平面図。 

備考 CIE標準表色系では,通常,yを縦座標とし,

xを横座標とするxy色度図を用いる。 

03-35 

(03060) 

chromaticity 

diagram 

2044 xy色度図, 

CIE 1931色度図 

CIE標準表色系において,通常,yを縦座標とし,xを
横座標とする色度図。 

(03-35) 

(03061) 

x, ychromaticity 

diagram 

2045 x10y10色度図, 

CIE 1964色度図 

CIE 1964補助標準表色系において,通常,y10を縦座標,

x10を横座票とする色度図。 

− 

(03062) 

x10, y10 chromaticity 

diagram 

2046 スペクトル色度座標, 

単色光色度座標 

単色光刺激の色度座標。 

量記号:x (λ),y (λ),z (λ) 

03-36 

(03063) 

spectral 

chromaticity 
coordinates 

2047 スペクトル軌跡, 

単色光軌跡(たんしょ
くこうきせき) 

色度図上又は三刺激値空間(三刺激値の各々を直交す
る3座標とする色空間)において,単色光刺激を表す
点の軌跡。 

03-37 

(03064) 

spectrum locus 

2048 紫刺激 

色度図上で,特定の無彩色刺激を表す点,並びに380nm
及び780nmにほぼ相当するスペクトル軌跡の両端によ
って定められる三角形内にある点によって表される色
刺激。 

03-38 

(03065) 

purple stimulus 

2049 純紫軌跡, 

(じゅんむらさきき
せき) 
純紫限界 

波長がほぼ380nmと780nmとの単色光刺激の加法混色
を表す色度図上の線又は三刺激値空間内の平面。 

03-39 

(03066) 

purple boundary 

2050 最明色(刺激) 

[さいめいしょく(し
げき)] 

分光放射輝度率は,どの波長でも1を超えないで,そ
の物体としての輝度率が,各々の色度に対して理論上
可能な最大値をもつ物体に相当する物体色刺激。 

備考1. これらの刺激は,一般に,その可視波長域

内の分光放射輝度率が1か0であって,その
値の変換点は,2個以内である。 

2. これらの刺激の輝度率及び色度座標は,非

蛍光性物体による色立体の限界を定める。 

3. 与えられた輝度率に対してこれらの刺激

は,非蛍光性物体で可能な最高純度を定め
る。 

03-40 

(03067) 

optimal colour 

stimuli 

2051 無輝面, 

無輝線, 
アリクネ 

三刺激値空間の中で,輝度が0である色刺激の軌跡を
表す面。 

備考 この面は,三刺激値空間の原点を通り,また

任意の色度図と直線で交わって,その直線も
アリクネ(無輝線)と呼ぶ。無輝線は,スペ
クトル軌跡と純紫軌跡とで囲まれる色度範
囲の完全に外側に存在する。 

03-43 

(03068) 

alychne 

background image

19 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

2052 主波長(色刺激の) 特定の無彩色刺激と適当な比率で加法混色することに

よって,試料色刺激に等色するような単色光刺激の波
長。 

量記号:λd 

備考 紫刺激の場合は,主波長の代わりに補色主波

長を用いる。 

03-44 

(03069) 

dominant 

wavelength (of a 
colour stimulus) 

2053 補色主波長(色刺激

の) 

試料の紫刺激と適当な比率で加法混色することによっ
て,特定の無彩色刺激に等色するような単色光刺激の
波長。 

量記号:λc 

03-45 

(03070) 

complementary 

wavelength (of a 
colour stimulus) 

2054 純度(色刺激の) 

単色光刺激と特定の無彩色刺激とを加法混色して試料
色刺激に等色するとき,その単色光刺激と特定の無彩
色刺激との量の比率を示す数値。 

備考1. 紫刺激の場合は,単色光刺激の代わりに純

紫軌跡上の色刺激を用いる。 

2. 加法混色の比率は,種々の方法で測ること

ができて,その方法によって2056刺激純
度及び2055輝度純度が区別して定義され
る。 

03-46 

(03071) 

purity (of a colour 

stimulus) 

2055 輝度純度 

単色光刺激と特定の無彩色刺激とを加法混色して,試
料色刺激に等色するとき,次の関係式によって定義す
る量。 

量記号:pc 

)

(

d

a

d

c

L

L

L

p

+

=

………………………………(1) 

ここに,Ld及びLaは,それぞれ単色光刺激及び

無彩色刺激の輝度である。 

備考1. 紫刺激の場合は,2054の備考1.を参照。 

2. XYZ表色系では,輝度純度pcと刺激純度

peとは次の関係にある。 

y

y

p

p

d

e

c=

……………………………………(2) 

ここに,yd及びyは,単色光刺激及び試料色刺激

の色度座標yである。 

3. X10Y10Z10表色系では,輝度純度pc,10は式(2)

のpe,yd,yを,それぞれpe,10,yd,10,y10
に置き換えたもので定義される。 

03-47 

(03072) 

colorimetric purity 

background image

20 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

2056 刺激純度 

xy色度図又はx10y10色度図において,同一直線上にあ

る二つの距離の比

ND

/

NC

で定義される量。この分子

NCは,試料色刺激を表す点Cと特定の無彩色刺激を

表す点Nとの距離であり,分母NDは,点Nと試料色
刺激の主波長に相当するスペクトル軌跡上の点Dとの
距離である。 
この量peは次で表される。 

a

d

a

e

y

y

y

y

p

=

又は

a

d

a

e

x

x

x

x

p

=

ここに, (x, y), (xa, ya) 及び (xd, yd) は,それぞ

れ点C,N及びDの色度座標x,

yである。 

備考1. 紫刺激の場合は,2054の備考1.を参照。 

2. x及びyの式は等価であるが,分子の数値

が大きい式を用いると計算の精度がより
高い。 

3. 刺激純度peは,輝度純度pcと式pe=pcy/yd

の関係にある。 

03-48 

(03073) 

excitation purity 

2057 色差 

二つの色の間に知覚される色の隔たり,又はそれを数
量化した値。 

(perceived) colour 

difference 

2058 色の許容差 

指定された色と試料の色との色差の許容範囲。 

colour tolerance 

2059 均等色空間(きんとう

いろくうかん) 

その中の等しい距離が,いずれも弁別いきか,又はそ
れ以上の等しい色差を表すことを意図した色空間。 

03-51 

(03074) 

uniform colour 

space 

2060 UCS色度図 

図全体にわたって,等しい距離が等輝度の色の等しい
色差をできるだけ良い近似で表すことを意図して,そ
の座標が定義されている2次元の色度図。 

03-52 

(03075) 

uniform-chromaticit

y-scale diagram ; 

UCS diagram 

2061 CIE 1976UCS色度図, 

u' v' 色度図 

式(1)によって定義される量u',v'を直交座標にプロッ
トして得られるUCS色度図。 

3

12

2

4

3

154

'

+

+

=

+

+

=

y

x

x

Z

Y

X

X

u

…(1) 

3

12

2

9

3

159

'

+

+

=

+

+

=

y

x

y

Z

Y

X

Y

v

ここに,X,Y,Zは,対象とする色刺激のCIE 1931

又は1964標準表色系における三
刺激値で,x,yは,対応する色度
座標である。 

備考 この図は,直交座標で,uに対してvをプロ

ットしたCIE 1960色度図を修正して置き換
えたものである。それら2組の座標の関係は
次である。 

u'=u ; v'=1.5v 

参考 X10,Y10,Z10表色系については,同様の式に

よって得られるu'10,v'10の直交座標を用い
る。 

03-53 

(03076) 

CIE 1976 uniform 

-chromaticity-sca
le diagram ; 

CIE 1976UC 

diagram 

background image

21 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

2062 CIE 1960 UCS色度図,

uv色度図 

CIEが1960年に定めたuvの直交座標を用いるUCS色
度図(2061備考参照)。 

参考 この色度図は,その後改正されてCIE 1976 

UCS色度図が定められたので公式には廃止
されたが,相関色温度の決定には実質的に実
用されるので,日本工業規格では暫定的に制
限付きで継続使用する。 

− 

(03077) 

CIE 1960 uniform 

chromaticity-scal
e diagram ; 

CIE 1960 UCS 

diagram 

2063 CIE (1976) L*u*v*色

空間, 
CIELUV色空間 

次の式によって定義される量L*u*v*を直交座標にプロ
ットして得られる3次元の近似的な均等色空間。 

L*=116 (Y/Ya) 1/3−16 

  Y/Ya>0.008 856 

u*=13L* (u'−ua') 
v*=13L* (v'−va') 

ここに,Yu'v'は,対象とする色刺激,Yaua'va'は特

定の無彩色刺激を記述するもの
である。 

備考 明度,飽和度,クロマ及び色相に近似的に相

関する量を,2064,2065,2066及び2067に
示す。 

03-54 

(03078) 

CIE 1976 L*u*v* 

colour space ; 

CIELUV colour 

space 

2064 CIE (1976) 明度 

CIE (1976) L*u*v*色空間及びCIE (1976) L*a*b*色空間に
共通して用いられる,次の式によって計算される明度
の相関量。記号は2063参照。 

L*=116 (Y/Ya) 1/3−16 

  Y/Ya>0.008 856 

備考 上記の関数は,マンセルバリュー関数(2012

参照)の逆関数が輝度率の立方根を用いるこ
とによって簡単な式で,高い正確さで表され
ることが分かって作られたものである。 

[03-54] 

(03079) 

CIE 1976 lightness 

2065 CIE (1976) uv飽和度 CIE (1976) L*u*v*色空間において,次の式によって計算

される飽和度の相関量。 

量記号:suv 

suv=13 [(u'−ua') 2+ (v'−va') 2] 1/2 

記号の意味は2063参照。 

[03-54] 

(03080) 

CIE 1976 u, v 

saturation 

2066 CIE (1976) uvクロマ CIE (1976) L*u*v*色空間において,次の式によって計算

されるクロマの相関量。 

量記号:C* 

*

2

/1

2

*

2

*

*

)

(

Suv

uv

L

v

u

C

=

+

=

記号の意味は2063参照。 

(03081) 

CIE 1976 u, v 

chroma 

2067 CIE (1976) uv色相角 CIE (1976) L*u*v*色空間において,次の式によって計算

される色相の相関量。 

量記号:huv 

*

*

arctan

)

(

)

(

arctan

v

u

u

u

v

v

h

a

a

uv

=

−′

−′

=

記号の意味は2063参照。 

[03-54] 

(03082) 

CIE 1976u, v 

hue-angle 

background image

22 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

2068 CIE (1976) L*u*v*色

差, 
CIELUV色差 

CIE (1976) L*u*v*色空間における座標点間のユークリ
ッド距離として定義されて,次の式によって計算され
る二つの色刺激間の色差。 

量記号:uv∆E* 

2

/1

2

*

2

*

2

*

*

]

)

(

)

(

)

[(

v

u

L

Euv

+

+

=

03-55 

(03083) 

CIE 1976 L*u*v* 

colour 
difference ; 

CIELUV colour 

difference 

2069 CIE (1976) uv色相差 CIE (1976) L*u*v*色差について,次の式によって計算さ

れる色相成分。 

量記号:∆H* 

2

/1

2

*

2

*

2

*

*

]

)

(

)

(

)

[(

uv

uv

uv

C

L

E

H

=

[03-55] 

(03084) 

CIE 1976 u, v 

hue-difference 

2070 CIE (1976) L*a*b*色

空間, 
CIELAB色空間 

次の式によって定義される量L*a*b*を直交座標にプロ
ットして得られる3次元の近似的な均等色空間。 

L*=116 (Y/Ya) 1/3−16 

  Y/Ya>0.008 856 

a*=500 [(X/Xa) 1/3− (Y/Ya) 1/3] 

  X/Xa>0.008 856 

b*=200 [(Y/Ya) 1/3− (Z/Za) 1/3] 

  Z/Za>0.008 856 

ここに,X,Y,Zは,対象とする色刺激,Xa,

Ya,Zaは特定の無彩色刺激であ

る。 

備考 明度,クロマ及び色相に近似的に相関する量

を2064,2071及び2072に示す。 

03-56 

(03085) 

CIE 1976L*a*b* 

colour space ; 

CIELAB colour 

space 

2071 CIE (1976) abクロマ CIE (1976) L*a*b*色空間において,次の式によって計算

されるクロマの相関量。 

量記号:

*ab

2

/1

2

*

2

*

*

)

(

b

a

Cab

+

=

[03-56] 

(03086) 

CIE 1976 a, b 

chroma 

2072 CIE (1976) ab色相角 CIE (1976) L*a*b*色空間において,次の式によって計算

される色相の相関量。 

量記号:hab 

hab=arctan (a*/b*) 

[03-56] 

(03087) 

CIE 1976 a, b 

hue-angle 

2073 CIE (1976) L*a*b*色

差, 
CIELAB色差 

CIE (1976) L*a*b*色空間における座標点間のユークリ
ッド距離として定義されて,次の式で計算される二つ
の色刺激間の色差。 

量記号:

*ab

E

2

/1

2

*

2

*

2

*

*

]

)

(

)

(

)

[(

b

a

L

Eab

+

+

=

03-57 

(03088) 

CIE 1976 L*a*b* 

colour 
difference ; 

CIELAB colour 

difference 

2074 CIE (1976) ab色相差 CIE (1976) L*a*b*色差について,次の式によって計算さ

れる色相成分。 

量記号:

*ab

H

2

/1

2

*

2

*

2

*

*

]

)

(

)

(

)

[(

ab

ab

ab

C

L

E

H

=

[03-57] 

(03089) 

CIE 1976 a, b 

hue-difference 

2075 黒体軌跡 

色度図上における,種々の温度の黒体の色度を表す点
の軌跡。 

参考 黒体放射軌跡,プランクの軌跡ともいう。以

前は完全放射体軌跡ともいった。 

03-41 

(03090) 

Planckian locus 

2076  (CIE) 昼光軌跡 

色度図上における,種々の相関色温度におけるCIE昼
光の色度を表す点の軌跡。 

03-42 

(03091) 

daylight locus 

background image

23 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

2077 分布温度 

注目する波長範囲において,与えられた刺激と相対分
光分布が同じか又はほぼ同じである放射を発する黒体
の温度。 

量記号:TD 
単位:K 

04-014 

(04016) 

distribution 

temperature 

2078 色温度 

(いろおんど) 

与えられた刺激と色度が等しい放射を発する黒体の温
度。 

量記号:Tc 
単位:K 

備考 単位をK-1とする逆数色温度も使われる

(2079参照)。 

03-49 

(03092) 

colour temperature 

2079 逆数色温度 

色温度の逆数。 

量記号:Tc-1 
単位:K-1,MK-1 

備考 単位記号MK-1は毎メガケルビンと読み,

10-6K-1に等しい。この単位は,従来ミレッド
と呼び,mrdの単位記号で表したものに等し
い。 

[03-49] 

(03093) 

reciprocal colour 

temperature 

2080 相関色温度 

(そうかんいろおん
ど) 

特定の観測条件の下で,明るさを等しくして比較した
ときに,与えられた刺激に対して知覚色が最も近似す
る黒体の温度。 

量記号:Tcp 
単位:K 

備考1. 刺激の相関色温度を計算するために勧告

されている方法は,その刺激を表す点を通
る公認された等色温度線と交差する黒体
軌跡上の点に相当する温度を,色度図上で
求める方法である。 

2. 色温度よりも相関色温度のほうが適当な

場合はいつでも,逆数色温度よりも逆数相
関色温度を用いる(2081参照)。 

03-50 

(03094) 

correlated colour 

temperature 

2081 逆数相関色温度 

相関色温度の逆数。 

量記号:

1

−cp

単位:K-1,MK-1(2079備考参照) 

[03-50] 

(03095) 

reciprocal 

correlated colour 
temperature 

2082 等色温度線 

色度図上における相関色温度が等しい点の軌跡。
CIE1960UCS色度図における黒体軌跡に対する垂直線
又はそれを任意の色度図に変換したものに相当する。 

− 

(03096) 

iso-temperature line 

2083 測色 

一連の規約に基づいた色の測定。 

05-10 

(05023) 

colorimetry 

2084 視感測色 

色刺激相互の間の定量的比較を目によって行う測色。 

05-12 

(05025) 

visual colorimetry 

2085 物理測色 

物理的(放射)検出器を用いて測定を行う測色。 

05-14 

(05027) 

physical 

colorimetry 

background image

24 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

2086 分光測色方法 

分光測定及び三刺激値積分計算によって行う測色の方
法。 

(05030) 

spectrophotometric 

colorimetry ; 

spectroradiometric 

colorimetry 

2087 刺激値直読方法 

等色関数に近似した分光応答度をもつ受光器・フィル
タの複数の組合せを用いて,三刺激値又はその一次結
合の値を直読する測色の方法。 

(05031) 

photoelectric 

tristimulus 
colorimetry 

2088 色彩計, 

測色計 

三刺激値のような測色に関する量(色刺激値)を測定
する計測器。 

05-18 

(05039) 

colorimeter 

2089 光電色彩計 

光電変換素子で構成される受光器を用いて,総合分光
特性(1)を適正に調整した色彩計。 

注(1) 物体色用の光電色彩計の場合は,受光器系の

分光応答度と照明系の相対分光分布との積,
発光色用の光電色彩計の場合は,受光器系全
体の分光応答度。 

(05040) 

photo-electric 

colorimeter 

2090 ルータの条件 

色彩計(主として光電色彩計)において,その総合分
光特性(1)をCIEが定めた関数,又はその一次変換によ
って得られる三つの関数に比例させるという条件。 

− 

2091 色再現 

(いろさいげん) 

カラー印刷,カラー写真,カラーテレビジョンなどに
よる,元の色の再現。 

colour reproduction 

2092 色域 

(しきいき) 

特定の条件によって,発色されるすべての色を含む色
度図又は色空間内の領域。 

colour gamut 

2093 演色 

イルミナント(照明光)が,それで照明した種々の物
体の色の見えに及ぼす効果。その効果は意識的又は無
意識的にある基準のイルミナントと比較される。 

参考 特に,光源又はイルミナントの特性と考えた

ときには演色性という。 

02-59 

(03097) 

colour rendering 

2094 基準イルミナント,基

準光 

他のイルミナント(照明光)との比較に用いるイルミ
ナント。演色評価用の基準イルミナントは,一般に,
CIEなどによって,必要な波長範囲の相対分光分布が
定められているものに限る。 

備考 色再現用のイルミナントの評価には,さらに

特別な意味が必要になることがある。 

02-60 

(03098) 

reference illuminant 

2095 演色評価数 

試料光源で照明したある物体の色刺激値(心理物理色)
が,その色順応状態を適切に考慮した上で,基準イル
ミナントで照明した同じ物体の心理物理色と一致する
度合いを示す数値。 

02-61 

(03099) 

colour rendering 

index 

2096 (CIE 1974) 特殊演色

評価数 

試料光源で照明したあるCIE試験色試料の色刺激値
が,その色順応状態を適切に考慮した上で,基準イル
ミナントで照明した同じ試料の色刺激値と一致する度
合いを示す数値。 

量記号:Ri(iは試験色番号) 

02-62 

(03100) 

CIE 1974 special 

colour rendering 
index 

2097 (CIE 1974) 平均演色

評価数 

規定された8種類の試験色に対するCIE1974特殊演色
評価数の平均値。 

量記号:Ra 

02-63 

(03101) 

CIE 1974 general 

colour rendering 
index 

background image

25 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

2098 イルミナントによる

色刺激値のずれ 

イルミナントを交換したときに,それで照明されてい
るある物体色刺激に生じる色度及び輝度率の変化。 

02-64 

(03102) 

illuminant 

colorimetric shift 

2099 順応による色刺激値

のずれ 

色順応の変化を補正するための数学的な調整。 

参考 演色において,試料光源と基準イルミナント

との色度が一致していない場合には,順応に
よる色刺激値のずれはイルミナントによる
色刺激値のずれと同時に生じる。その場合,
それぞれのイルミナントの下で同じ色知覚
を生じさせる2個の色刺激について,通常の
方法で測定した色刺激値の差が色順応のた
めに試料光源と基準イルミナントとの下で
異なる程度の予測値を意味する。 

02-65 

(03103) 

adaptive 

colorimetric shift 

2100 演色による色刺激値

のずれ 

イルミナントによる色刺激値のずれと,順応による色
刺激値のずれとの(ベクトル)合成。演色による知覚
色のずれの色刺激値による予測値を意味する。 

02-66 

(03104) 

resultant 

colorimetric shift 
(of colour 
rendering) 

2101 イルミナントによる

知覚色のずれ 

イルミナント(照明光)を交換した直後の,観測者の
色順応状態に変化が生じないうちに,照明された物体
に対する知覚色に生じる変化。 

02-67 

(03105) 

illuminant 

(perceived) 
colour shift 

2102 順応による知覚色の

ずれ 

一定のイルミナントで照明された物体の知覚色に,目
の色順応状態の変化だけによって生じる変化。 

02-68 

(03106) 

adaptive (perceived) 

colour shift 

2103 演色による知覚色の

ずれ 

イルミナントによる知覚色のずれと順応による知覚色
のずれとの合成。ある物体の照明を基準イルミナント
から試料光源に変えて,それぞれの照明に十分順応し
た状態で観察した場合の物体の色知覚の変化を表す。 

02-69 

(03107) 

resultant 

(perceived) 
colour shift (of 
colour rendering) 

2104 条件等色度 

基準光の下で等色である条件等色対が,試験光の下で
等色から外れる程度。 

degree of 

metamerism 

2105 条件等色指数 

条件等色対の条件等色度を表す指数で,次の2種類が
ある。 
1. 色比較用常用光源の標準イルミナントへの近似性

を表す,可視条件等色指数及び蛍光条件等色指数
(JIS Z 8720附属書参照)。 

2. 物体色対の条件等色度を評価するための,照明光

条件等色指数(JIS Z 8719参照)及び観測者条件等
色指数(JIS Z 8718参照)。 

metamerism index 

2106 白色度 

表面色の知覚される白さの程度。CIEが1986に推奨し
た方法による数値を白色度指数という。 

whiteness 

background image

26 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 主に視覚に関する用語 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

3001 物体色, 

物体知覚色 

対象物体に属しているように知覚される色。 

参考 従来のJIS Z 8105の2007は光を反射又は透

過する物体の(心理物理)色を表してIEC 
60050-845用語と整合する上記とは同語異義
であった。 

混合のおそれがあるときには,この概念は

物体知覚色と記し,従来の概念は反射(透過)
物体色と記すのがよい。 

02-19 

(03003) 

object-colour 

3002 表面色 

(対象物の)表面から拡散的に反射又は放射している
ように知覚される色。 

参考 従来のJIS Z 8105の2008(表面色)とは,

発光知覚色も含む点で概念が異なる。 

02-20 

(03004) 

surface colour 

3003 開口色 

遮光板に開けた孔の中に見える一様な色。奥行き方向
の空間的定位が特定できないように知覚される色。 

02-21 

(03005) 

sperture colour 

3004 発光(知覚)色 

一次光源として光を発している面に属しているか,又
はその光を鏡面反射しているように知覚される色。 

備考 自然の環境で見る一次光源は,普通この意味

において発光色の見えを呈する。 

参考 従来のJIS Z 8105の2006(光源色)は,光

源から出る光の心理物理色で,発光知覚色と
異なる概念で,IEC 60050-845には定められ
ていない。混同を避けるために,光源の(心
理物理)色と記すのがよい。 

02-22 

(03006) 

luminous 

(perceived) 
colour 

3005 非発光(知覚)色, 

非発光物体色 

二次光源として光を透過又は反射している面に属して
いるように知覚される色。 

備考 自然の環境で見る二次光源は,普通,この意

味での非発光物体色の見えを呈する。 

02-23 

(03007) 

non-luminous 

(perceived) 
colour 

3006 関連(知覚)色 

他の色と相互に関連して見えている面に属するように
知覚される色。例えば,通常の背景又は周囲視野とと
もに相互に関連して知覚される色。 

02-24 

(03008) 

related (perceived) 

colour 

3007 無関連(知覚)色 

他の色から独立している面に属するように知覚される
色。例えば,暗黒の周囲の中に一つだけ照明された1
色の色紙,又は暗い夜に一つだけ点灯した信号灯のよ
うに他に比較するものがない色。 

02-25 

(03009) 

unrelated 

(perceived) 
colour 

3008 無彩色 

1. 知覚的意味では,色相をもたない知覚色。白,灰,

及び黒の色名が普通に用いられ,透過物体には,
無色及び中性が用いられる。 

2. 心理的意味では,2007無彩色刺激を参照。 

02-26 

(03010) 

achromatic 

(perceived) 
colour 

3009 有彩色 

1. 知覚的意味では,色相をもつ知覚色。日常会話で

は,多くの場合“色”はこの意味で,白,灰又は
黒と対比して用いられる。修飾語“着色coloured”
は,普通,有彩色を意味する。 

2. 心理物理的意味では,2008有彩色刺激参照。 

02-27 

(03011) 

chromatic 

(perceived) 
colour 

background image

27 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

3010 明るさ 

ある面から発している光の強弱の見え方の基になる視
感覚の属性。 

参考1. 明るさは,発光面についても非発光面につ

いても用いる。 

2. 主として関連する測光量は輝度である。 

02-28 

(03012) 

brightness 

3011 明度(関連知覚色の) 同様に照明されている白又は透過率が高い面の明るさ

と比較して,相対的に判断される対象面の明るさ。 

備考 関連色だけが明度をもつ。 
参考1. 明度は,上記の明るさ知覚だけでなく,そ

れを数量化した値も表す。数量化した値で
あることを明確にする場合は,明度関数の
語を用いる。 

2. 主として関連する測光量は輝度率である。 

02-31 

(03013) 

lightness (of a 

related colour) 

3012 明度関数 

明度と輝度率(又は相対輝度率)の関係を示す式。 
その例としてマンセルバリュー関数がある。マンセル
バリュー関数は,マンセル表色系のマンセルバリューV
とMgO煙着面に対する相対輝度率100Y/YMgOとの関係
を表す式。 

100Y/YMgO=1.221 9V−0.231 1V2+0.239 5V3−

0.021 009V4+0.000 8404V5 

備考 マンセルバリュー関数が作られた当時は,三

刺激値の一つYは,新鮮な酸化マグネシュ
ーム面の値が100となるような数値で与え
られていた。Y/YMgOを相対輝度率と呼ぶ。 

lightness function 

3013 明るい 

1. 明るさが高いことを表すために用いる形容詞。 
2. 明度が高いことを表すために用いる形容詞。 

参考1. IEC 60050-845用語の英,仏,露語では1.

及び2.の概念を別の用語で区別するが,独
語では日本語と同様に,同意一用語を用い
る。 

2. 2.の意味で“明るい”は,1.の意味との混

同のおそれがない場合にだけ用いてよい。
混同のおそれがある場合には,“高明度
の”を用いる。 

02-29, 

02-32 

(03014) 

1. bright 
2. light 

3014 暗い 

1. 明るさが低いことを表すために用いる形容詞。 
2. 明度が低いことを表すために用いる形容詞。 

参考1. 0313参考1.参照。 

2.の意味で“暗い”は,1.の意味との混同のお

それがない場合にだけ用いてよい。混同の
おそれがある場合には,“低明度の”を用
いる。 

02-30, 

02-33 

(03015) 

1. dim 
2. dark 

3015 ヘルムホルツ・コール

ラウシュ現象 

明所視の範囲内で輝度を一定に保ちながら,色刺激の
純度を増加させたときに知覚色の明るさが変化する現
象。 

02-34 

(03016) 

Helmholtz-Kohlrau

sch phenomenon 

background image

28 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

3016 色相 

ある面が,純粋な赤,黄,緑,青,若しくはそれらの
隣り合った二つの間の知覚色と同類に見えるという視
感覚の属性又はそれを尺度化した値。 

02-35 

(03017) 

hue 

3017 ユニーク色相, 

(心理的)基本色相 

それ自体の色相名だけによって記述できて,他の色相
成分は含んでいないように知覚される色相。例えば,
赤みも緑みも感じない黄色相。 

備考 ユニーク色相には,赤,黄,緑及び青の4

色相がある。 

02-36 

(03018) 

unitary hue ; unique 

hue 

3018 バイナリー色相, 

(心理的)中間色相 

隣り合った二つのユニーク色相の組み合わせとして記
述される色相。例えば,黄緑色相,また,オレンジは
黄みの赤又は赤みの黄,紫は赤みの青などとされて,
ともにバイナリー色相である。 

02-37 

(03019) 

binary hue 

3019 アブニー現象 

色刺激の主波長及び輝度を一定に保ちながら,純度を
減少させたときに色相が変化する現象。 

02-38 

(03020) 

Abney 

phenom-enon 

3020 ベゾルド・ブリュッケ

現象 

刺激の色度を一定に保ちながら,明所視の範囲内で輝
度を変化させたときに生じる色相の変化。 

備考 ある種の単色光刺激では,(与えられた順応

状態で)広い輝度範囲にわたって色相が一定
に保たれる。これらの刺激の波長は不変波長
invariant wavelengthと呼ばれることがある。 

02-39 

(03021) 

Bezold-Brücke 

phenomenon 

3021 色み 

ある面の知覚色について,有彩色の度合が強いか弱い
かの基になる視感覚の属性。 

備考1. 関連色の場合,ある与えられた色度及び与

えられた輝度率に対して,輝度が非常に高
い場合を除いては,この属性は,通常,輝
度の上昇とともに上昇する。 

2. 以前は,クロマチックネスchromaticness

で色相と飽和度との組合せ,すなわち,色
度に対する知覚の相関量を表した。 

02-40 

(03022) 

chromaticness ; 

colourfulness 

3022 飽和度 

ある面について,その明るさと比較して相対的に判断
される色み。 

備考 与えられた観察条件において,明所視の範囲

内の輝度レベルで与えられた一定の色度の
色刺激は,非常に明るい場合を除いて,あら
ゆる輝度ではほぼ一定の飽和度を示す。 

参考 飽和度は,主に発光色の色みの表示に用いら

れる。 

02-41 

(03023) 

saturation 

background image

29 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

3023 彩度, 

クロマ 

ある面について,それと同様に照明された,完全な白
又は高い透過率に見える面の明るさと比較して表した
色み。 

備考 与えられた観測条件及び明所視の範囲内の

輝度レベルに対して,与えられた色度で,与
えられた輝度率の(反射物体の)色刺激は,
非常に明るい場合を除いて,あらゆる照度レ
ベルに対してほぼ一定の彩度を示す。同じ環
境で,一定の照度レベルでは,(物体の)輝
度率を増加すれば,通常,彩度は増加する。 

2-42 

(03024) 

chroma 

3024 カラーオーダシステ

ム 

系統的に知覚色を配列した標準色見本がある色の体
系。 

color order system 

3025 マンセル表色系 

マンセル (A. H. Munsell) の考案による色票集に基づ
き,1943年に米国光学会 (Optical Society of America) の
測色委員会で尺度を修正した表色系。マンセルヒュー,
マンセルバリュー,マンセルクロマによって表面色を
表す。 
マンセルヒューは色相を,マンセルバリューは明度を,
マンセルクロマは彩度を表す。 

Munsell color 

system 

3026 オストワルト表色系 オストワルト (W. Ostwald) が考案した表色系。色相,

白色量 (W),黒色量 (S) によって表面色を表す。白色
量,黒色量,純色量 (V) は次の関係にある。 

W+S+V=100 

白色量,黒色量が0の色をオストワルト純色と呼ぶ。 

Ostwald system 

3027 ナチュラルカラーシ

ステム (NCS) 

ヘリング (E. Hering) の反対色説を基に,スウェーデン
で体系化された表色系。色相,黒色量,クロマチック
ネスで表面色を表す。 

Natural Color 

System 

3028 (視覚系の)順応 

種々の輝度,分光分布及び視覚の大きさをもつ刺激に,
事前及びそのときにさらされることによって,視覚系
の状態が変化する過程。 

備考 特定の周波数,方位,大きさ等に対する順応

もこの定義に含まれるものとして知られて
いる。 

02-07 

(02007) 

adaptation (of the 

visual system) 

3029 輝度順応 

視覚系が視野の輝度に順応する過程,又は順応した状
態。 

luminance 

adaptation 

3030 明順応 

少なくとも数カンデラ毎平方メートル以上の輝度の刺
激に対する輝度順応。明順応状態ではほとんど,すい
体だけが働くと考えられる。 

light adaptation 

3031 暗順応 

100分の数カンデラ毎平方メートル未満の輝度の刺激
に対する輝度順応。暗順応状態では,ほとんどかん体
だけが働くと考えられる。 

dark adaptation 

3032 色順応 

主な効果が相対分光分布の相違による色度の変化であ
るような色刺激の変化による順応。 

02-08 

(02008) 

chromatic 

adaptation 

background image

30 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

3033 明所視 

少なくとも数カンデラ毎平方メートルの輝度レベルに
順応したときの,正常眼による視覚。 

備考 明所視ではすい体が主として活動している

光受容器である。 

02-09 

(02009) 

photopic vision 

3034 暗所視 

100分の数カンデラ毎平方メートル未満の輝度レベル
に順応したときの,正常眼による視覚。 

備考 暗所視ではかん体が主として活動している

光受容器である。 

02-10 

(02010) 

scotopic vision 

3035 薄明視 

暗所視と明所視との中間(状態)の視覚。 

備考 薄明視覚ではすい体とかん体との両方が活

動している。 

02-11 

(02011) 

mesopic vision 

3036 プルキンエ現象 

(色が異なる2種類の色刺激を)それぞれの相対分光
分布は変えないで,同じ比率で明所視から薄明視又は
暗所視の明るさへと輝度を変化させたとき,短波長成
分が優勢な色刺激に比べて長波長成分が優勢な色刺激
の明るさが相対的に減少する(現象)。 

備考 明所視から薄明視又は暗所視へと経過して

いくときに分光視感効率は変化して,最大視
感効率の波長が短波長に移動する。 

02-14 

(02015) 

Purkinije 

phenomenon 

3037 補助視野 

視感色彩計などの観測視野の周りの視野。普通は無彩
色の光で,特定の輝度をもつように作られる。 

備考 表面色の比較における補助視野として用い

る穴あき型紙は,マスクともいう。 

surround of a 

comparison field 

3038 フリッカ 

輝度又は分光分布が時間的に揺らぐ光刺激によって誘
導される,視感覚の不安定な印象。 

02-49 

(02027) 

flicker 

3039 臨界フリッカ周波数,

融合周波数 

互いに異なった2種類の光刺激が,交互に同一視野に
提示されてフリッカが生じているとき,2刺激のある交
替周波数を超えるとフリッカが知覚できなくなる。こ
のフリッカが感じられない最小の周波数。 

02-50 

(02028) 

critical flicker 

frequency ; 

fusion frequency 

3040 色融合周波数 

色度の異なった2種類の光刺激が,交互に同一の視野
に提示されたフリッカが生じているとき,2刺激のある
交替周波数を超えると色度のフリッカが知覚できなく
なる。この色度のフリッカが感じられない最小の周波
数。 
一般に,臨界融合周波数より低い周波数である。 

critical color fusion 

frequency 

3041 網膜照度 

網膜上における照度を等価的に表すものとして定めた
量。 
輝度1cd/m2の光源を面積1mm2のひとみを通して見る
ときの網膜照度を単位とし,これを1トロランド(単
位記号Td)という。 

retinal illuminance 

3042 グレア 

視野内の輝度分布,若しくはその値の不適切,又は極
端な対比があることによって,不快を生じるか,又は
細かいもの若しくは対象物を見る能力の低下を生じる
視覚の状態。 

02-52 

(02030) 

glare 

3043 (目の)残像 

光の刺激(色刺激)を除いた後に生じる視知(感)覚。 

after image 

background image

31 

Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

IEC 
60050-845
番号 

(JIS Z 8113
番号) 

対応外国語 

3044 色対比 

二つの色が相互に影響し,その相違が強調されて見え
る現象。色相対比,明度対比,彩度対比などがある。 

color contrast 

3045 同時対比 

空間的に近接して置いた二つの色を同時に見るときに
生じる色対比。 

simultaneous 

contrast 

3046 継時対比 

時間的に近接して現れる二つの色を順次に見るときに
生じる色対比。 

successive contrast 

3047 同化効果 

一つの色が他の色に囲まれているとき,囲まれた色と
周囲との色の差が少なく見える現象。この現象は,囲
まれた色の面積が小さいとき,又は囲まれた色が周囲
の色と類似しているときなどに起こる。 

assimilation effect 

3048 いき(閾)値 

刺激いきと識別いきとの総称。刺激の存在又は二つの
刺激の差異が,知覚できるかできないかの境界となる
ような刺激尺度上の値,又はその差。 

(02039) 

threshold 

3049 輝度刺激いき(閾) 知覚を可能にする最低の輝度。 

備考 この値は,視野の大きさ,周囲の状況,順応

状態及びその他の観察条件に依存する。 

02-45 

(02022) 

luminance threshold 

3050 輝度識別いき(閾) 知覚できる最小の輝度差。 

備考 この値は,輝度,及び順応状態を含む観察条

件に依存する。 

02-46 

(02023) 

luminance 

difference 
threshold 

3051 視認性 

対象物の存在又は形状の見やすさの程度。 

(02040) 

visibility 

3052 可読性 

文字,記号又は図形の読みやすさの程度。 

(02041) 

legibility 

3053 受容器 

光その他の刺激を受け入れる生体の器官。 

receptor 

3054 刺激 

受容器に与えられる,物理的なエネルギー。 

stimulus 

3055 興奮 

受容器に刺激が作用したときに生じる効果。 

excitation 

3056 応答 

生体に刺激を与えることによって起こる外界情報の認
識,又はそれに伴う行動。 

response 

3057 中心視 

対象物の像を網膜の中心部の黄はんで結像して見るこ
と。 

(02037) 

central vision 

3058 黄はん(斑) 

網膜中心部の黄はん色素を含む視角縦半径6°,横半径
8°のだ(楕)円形の部分をいい,すい体視からかん体

視に移行する部位である。 

macula lutea 

3059 中心か(窩) 

黄はんの中心の薄く,かつ,くぼみをもった視角半径
1.5°から2.0°の部分で,すい体だけを含み,色の識別及

び視力が最もよい部分。 

02-05 

(02005) 

fovea centralis 

3060 周辺視 

網膜中心以外の周辺網膜で見ること。 

(02038) 

peripheral vision 

3061 すい(錐)体 

網膜の中にあって,明所視過程を引き起こす感光色素
を含む光受容器。 

02-02 

(02002) 

cones 

3062 かん(杆)体 

網膜の中にあって,暗所視過程を引き起こす感光色素
を含む光受容器。 

02-03 

(02003) 

rods 

3063 仮性同色 

異常色覚にとって識別しにくい色の組合せ。 

(02014) 

pseudotisochro-mati

3064 正常色覚 

色の識別能力が正常である色覚。 

normal color vision 

3065 色覚異常 

正常色覚に比べ,色の識別能の低い色覚。 

(02013) 

anomalous color 

vision 

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Z 8105 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。