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Z 8103 : 2000

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人  日本規

格協会  (JSA)  から工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと申出があり,日本工業標準調査会の

審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって JIS Z 8103 : 1990 は改正され,

この規格に置き換えられる。

なお,JIS Z 8103 には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)  計測用語の体系図


日本工業規格

JIS

 Z

8103

 : 2000

計測用語

Glossary of terms used in measurement

1.  適用範囲  この規格は,鉱工業における計測に関する主な用語について規定する。

2.  分類  用語は,次のとおり分類する。 
a)  一般 
b)  測定

1)  測定の基本 
2)  測定の対象 
3)  測定の条件 
4)  測定の種類 
5)  測定系の構成 
6)  誤差及び精度

c)  信号処理

1)  機能及び器具 
2)  信号及び雑音

d)  計測器

1)  種類 
2)  要素 
3)  性能及び特性

e)  データ処理

1)  測定値 
2)  統計的処理 

3.  定義  この規格で規定する用語の定義は,次のとおりとする。

なお,参考のために対応英語を示す。

備考1.  一つの用語欄に二つ以上の用語が併記してある場合には,記載してある順位に従って優先的

に使用する。

2.  用語の一部に丸括弧“(  )”を付けてある場合は,丸括弧の中の文字を含めた用語と,丸括

弧の中の文字を省略した用語の二通りあることを示す。

3.  用語の読みが紛らわしいものについては,用語の下に括弧書きで読みを示す。

4.  ゴシック体の対応英語は,International vocabulary of basic and general terms in metrology (VIM) :

1993 又は Guide to the expression of uncertainty in measurement (GUM) : 1993 に収録されている



Z 8103 : 2000

用語であることを示す。

5.  計測用語の体系図を,附属書(参考)に示す。

a)  一般

番号

用語

定義

対応英語(参考)

1001 

計測

特定の目的をもって,事物を量的にとらえるための方法・
手段を考究し,実施し,その結果を用い所期の目的を達成
させること。

measurement, 
instrumentation(英国式)

1002 

計量

公的に取り決めた測定標準を基礎とする計測。

metrology

1003 

工業計測

工業の生産過程において,又は生産に関係して行う計測。

industrial instrumentation 
(英国式)

1004 

計測化

調査又は管理しようとする対象を分析し計測ができるよ

うにすること。

instrumentation

1005 

計測管理

計測活動の体系を管理すること。

1006 

計装

測定装置,制御装置などを装備すること。 instrumentation

1007 

観測

ある事象を調べるために観察し,事実を認める行為。

備考  自然現象については,測定を意味することがあ

る。

observation

1008 

同定 
(どうてい)

事物 A と事物 B とが同一であることを確認すること。 identification

b)  測定

1)  測定の基本

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2101 

測定

ある量を,基準として用いる量と比較し数値又は符号を用

いて表すこと。

measurement

2102 

測定学

測定の基本的方法及び手段を取り扱う科学。

metrology, 
measurement science

2103 

測定系

特定の測定を行うための計器と他の装置との組合せ系。

measuring system

2104 

測定の尺度

量を数値で表すために定めた,量と数値との間の 1 対 1 の
対応の規則。

scale of measurement

2105 

現象,物体又は物質のもつ属性で,定性的に区別でき,か
つ,定量的に決定できるもの。

quantitiy

2106 

量体系

一般的な意味で,定まった関係が存在する量の集合。

system of quantities

2107 

物理量

物理学における一定の理論体系の下で次元が確定し,定め
られた単位の倍数として表すことができる量。

physical quantity

2108 

基本量

ある量体系の中で,取決めによって互いに機能的に独立で
あると認められている諸量のうちの一つ。

base quantity

2109 

組立量

ある量体系の中で,その体系の基本量の関数として定義さ
れる量。

derived quantity

2110 

工業量

複数の物理的性質に関係する量で,測定方法によって定義

される工業的に有用な量。硬さ,表面粗さなど。

industrial quantity

2111 

心理物理量

特定の条件の下で,感覚と 1 対 1 に対応して心理的に意味

があり,かつ,物理的に定義・測定できる量。色の三刺激
値,音の大きさなど。

psychophysical quantity

2112 

量の次元

ある量体系に含まれるある一つの量を,その体系の基本量

を表す因数のべき乗の積として示す表現。

dimension of a quantity

2113 

無次元量

次元の表現で,すべての基本量の次元の指数が零となる

量。

dimensionless quantity, 
quantity of dimension one

2114 

単位

取決めによって定義され,採用された特定の量であって,
同種の他の量の大きさを表すために比較されるもの。

unit


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Z 8103 : 2000

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2115 

単位系

ある量体系について,与えられた規則に従って定義された
基本単位と組立単位の集合。

system of units

2116 

基本単位

採用する単位系における基本量の単位。

base unit

2117 

組立単位

採用する単位系における組立量の単位。

derived unit

2118 

一貫性のある単位

すべての組立単位が一貫性のある単位系。

coherent system of units

2119 

国際単位系

国際度量衡総会によって採択され推奨された一貫性のあ

る単位系。基本単位,それから組み立てられる組立単位及
び 10 の整数乗倍の接頭語からなる。

備考  略称を SI という。

International System of 

Units, SI, 

Système International 

d'Unités(仏) 

2120 

測度

測定量の大きさの目安に使う量又は数。一般には普遍性が
ない。

measure

2121 

(量の)値

一般に,単位に数を乗じて表される特定の量の大きさ。

value (of a quantity)

2122 

(量の)数値

量の値とその表現に用いられる単位の商。

numerical value (of a 

quantity)

2123 

(測定)標準, 
エタロン

基準として用いるために,ある単位又はある量の値を定
義,実現,保存又は再現することを意図した計器,実量器,

標準物質又は測定系。

(measurement) standard, 
etalon

2124 

一次標準

最高の特性をもち,同一の量の他の標準への参照なしにそ

の値が認められた標準。

備考  一次標準の概念は,基本単位についても,組立

単位についても等しく有効である。

primary standard

2125 

二次標準

同一の量の一次標準と比較して値が決定された標準。

secondary standard

2126 

国際標準

国際的な合意によって認められた標準であって,当該量の

他の標準に値付けするための基礎として国際的に用いら
れるもの。

international standard

2127 

国家標準

国家による公式な決定によって認められた標準であって,

当該量の他の標準に値付けするための基礎として国内で
用いられるもの。

national standard

2128 

参照標準

一般に,ある場所又はある組織内で利用できる最高の計量
性能をもち,そこで行われる測定の基になる標準。

reference standard

2129 

実用標準

計器,実量器又は標準物質を,日常的に校正又は検査する

ために用いられる標準。

working standard

2130 

仲介標準

標準群を比較するために仲介として用いられる標準。

transfer standard

2131 

移動用標準

異なった地域間を輸送するための標準。

travelling standard

2132 

トレーサビリティ

不確かさがすべて表記された切れ目のない比較の連鎖に

よって,決められた基準に結びつけられ得る測定結果又は
標準の値の性質。基準は通常,国家標準又は国際標準であ
る。

traceability

2133 

原器

基本単位の大きさそのものを具体的に表すもの。 prototype

2134 

標準器

ある単位で表された量の大きさを具体的に表すもので,測

定の基準として用いるもの。(測定)標準のうち,計器及
び実量器を指す。

備考  公的な検定又は製造業者における検査で計量の

基準として用いるものを

基準器という。

(measurement) standard, 
etalon

2135 

端度器

両端の面間距離によって規定の寸法を表す長さの標準器。

end standard

2136 

線度器

平面上に刻まれた目盛線間の距離によって規定の寸法を
表す長さの標準器。

line standard



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番号

用語

定義

対応英語(参考)

2137 

標準物質

測定装置の校正,測定方法の評価,又は材料に値を付与す
ることに用いるために一つ以上の特性値が十分に均一で,
適切に確定されている材料又は物質。

備考  標準試料 (standard sample) という場合もある。

reference material (RM)

2138 

認証標準物質

一つ以上の特性値が認証された,認証書付の標準物質。特

性値を表す単位について,その正確な現示のためのトレー
サビリティが確立され,かつ,表記された信頼水準での不
確かさが認証書に付されるという手続きによって,特性値

は認証される。

certified reference 

material 

(CRM)

2139 

温度定点 
(おんどていてん)

温度目盛の基準として用いられる温度。

fixed point of temperature

2)  測定の対象

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2201 

測定対象

測定される物又は現象。 measurin object

2202 

測定変量

測定対象を特徴づける,幾つかの種類の測定量。

variables to be measured

2203 

測定量

測定の対象となる量。

備考  測定量は,場合によって測定した量 (measured

quantity)  又 は 測 定 す る 量  (quantity to be 
measured)  のこともある。

measurand

2204 

測定点

測定対象が空間的又は時間的に広がりをもっている場合

に,実際に測定を行う位置又は時刻。

point of measurement

2205 

影響量

測定を目的とする量以外で,測定結果に影響を与える量。

influence quantity

3)  測定の条件

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2301 

試験環境

試験中にその対象が置かれる環境。 test

atmosphere

2302 

ならし環境

試験前にその対象を保っておく試験環境に等しい環境。 conditioning

atmosphere

2303 

標準環境

異なる環境の下での試験結果を,同一の環境の下での結果

として比較できるようにするために取り決めた,基準とし
て用いる環境。

reference atmosphere

2304 

標準状態

a)  異なる条件の下での測定結果を同一の条件の下での結

果として比較できるようにするために取り決めた,基
準として用いる測定条件。

b)  計測器の固有誤差を決めるために規定した,各影響量

に関する条件。 
備考  標 準 状 態 は , 一 般 に 一 つ の 影 響 量 の 基 準 値 

(reference values)  若しくは基準範囲 (reference 
ranges)
  ,又は二つ以上の影響量の基準値若しく
は基準範囲の組合せで示す。

reference conditions

4)  測定の種類

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2401 

直接測定

測定量と関数関係にある他の量の測定にはよらず,測定量

の値を直接求める測定。

備考  測定値に対して補正を行うために,影響量の値

を決定する補正的測定を行う必要があったとし

ても,その方法が直接測定であることに変わり
はない。

direct measurement

2402 

間接測定

測定量と一定の関係にある幾つかの量について測定を行
って,それから測定値を導き出すこと。

indirect measurement


5

Z 8103 : 2000

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2403 

基本測定法

ある量を,それに関連するすべての基本量の測定によって
決定する測定方法。

参考  この用語は,従来我が国においては慣用されて

いない。定義測定法の意味と併せて

絶対測定法

と呼んでいた。

fundamental method of

measurement

2404 

定義測定法

ある量をその量の単位の定義に従って,測定する測定方
法。

参考  この用語は,従来我が国においては慣用されて

いない。基本測定法の意味と併せて

絶対測定法

と呼んでいた。

definitive method of

measurement

2405 

比較測定

同種類の量と比較して行う測定。 comparison

measurement

2406 

静的測定

測定中一定な値をもつとみなすことができる量の測定。

備考  静的という修飾語は,測定法ではなく測定量に

適用される。

static measurement

2407 

動的測定

変動する量の瞬時値の測定及び場合によってはその時間
的変動の測定。

備考  動的という修飾語は,測定法ではなく測定量に

適用される。

dynamic measurement

5)  測定系の構成

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2501 

遠隔測定

測定量を検出して,伝送器によってそれを信号として離れ

ている受信器に伝えて行う測定。

telemetering

2502 

零位法 
(れいいほう)

測定量と独立に,大きさを調整できる同種類の既知量を別

に用意し,既知量を測定量に平衡させて,そのときの既知
量の大きさから測定量を知る方法。ただし,互いに平衡さ
せる量は,測定量,既知量からそれぞれ導かれた量である

場合もある。

null method, 
zero method

2503 

偏位法

測定量を原因とし,その直接の結果として生じる指示から
測定量を知る方法。

deflection method

2504 

置換法 
(ちかんほう)

測定量と既知量とを置き換えて 2 回の測定結果から測定量
を知る方法。

substitution method

2505 

合致法 
(がっちほう)

目盛線などの合致を観測して,測定量と基準として用いる
量との間に一定の関係が成り立ったことを知り,測定する
方法。

coincidence method

2506 

補償法

測定量からそれにほぼ等しい既知量を引き去りその差を
測って測定量を知る方法。

compensation method

2507 

差動法

同種類の 2 量の作用の差を利用して測定する方法。

differential method

6)  誤差及び精度

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2601 

真の値

ある特定の量の定義と合致する値(

付図 参照)。

備考  特別な場合を除き,観念的な値で,実際には求

められない。

true value

2602 

(取決めによる) 
真の値

取決めによって,ある目的に対して妥当な不確かさをもつ

ものとして受け入れられた値。

備考  標準器については,それが現実にもつ値。

conventional true value

2603 

測定値

測定によって求めた値(

付図 参照)。 measured

value



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番号

用語

定義

対応英語(参考)

2604 

誤差

測定値から真の値を引いた値(

付図 参照)。

備考  誤差の真の値に対する比を相対誤差という。た

だし,間違えるおそれがない場合には,単に誤

差といってもよい。

error

2605 

かたより

測定値の母平均から真の値を引いた値(

付図 参照)。

bias

2606 

ばらつき

測定値の大きさがそろっていないこと。また,ふぞろいの
程度。

備考  ばらつきの大きさを表すには,例えば,標準偏

差を用いる。

dispersion

2607 

まちがい

測定者が気付かずにおかした誤り,又はその結果求められ

た測定値。

mistake

2608 

系統誤差

測定結果にかたよりを与える原因によって生じる誤差。

systematic error

2609 

偶然誤差

突き止められない原因によって起こり,測定値のばらつき
となって現れる誤差。

random crror

2610 

部分誤差

幾つかの量の値から間接に導き出される量の値の誤差の

うちで,それを構成する個々の量の値の誤差によって生じ
る部分。

partial error

2611 

合成誤差

幾つかの量の値から間接に導き出される量の値の誤差と
して,部分誤差を合成したもの。

resultant error

2612 

総合誤差

種々の要因によって生じる誤差のすべてを含めた総合的

な誤差。

overall error

2613 

誤差限界

推定した総合誤差の限界の値。

limit of error

2614 

不確かさ 
(ふたしかさ)

合理的に測定量に結びつけられ得る値のばらつきを特徴
づけるパラメータ。これは測定結果に付記される。

備考1.  パラメータは,例えば,標準偏差(又はその

倍数)であっても,又は信頼水準を明示した
区分の半分の値であってもよい。

2.  測定の不確かさは,通常,多くの成分からな

る。それらの成分の一部は,一連の測定結果
の統計的分布に基づいて推定可能で,試料標
準偏差で示すことができる。その他の成分は,

経験又は他の情報に基づいてだけ推定が可能
である。

3.  測定の結果は,測定量の値の最良推定値であ

ると理解されている。また,補正や参照標準
に付随する成分のような系統効果によって生
じる成分も含めた,すべての不確かさの成分

はばらつきに寄与すると理解されている。

uncertainty

2615 

標準不確かさ

標準偏差で表される,測定の結果の不確かさ。

standard uncertainly

2616 

(不確かさの)A
タイプの評価

一連の測定値の統計的解析による不確かさの評価の方法。

Type A evaluation (of 

uncertainty)

2617 

(不確かさの)B
タイプの評価

一連の測定値の統計的解析以外の手段による不確かさの
評価の方法。

Type B evaluation (of 

uncertainty)

2618 

合成標準不確かさ

幾つかの他の量の値から求められる測定の結果の標準不

確かさ。各量の変化に応じて測定結果がどれだけ変わるか
によって重み付けした,分散又は他の量との共分散の和の
平方根に等しい。

combined standard 

uncertainty

2619 

拡張不確かさ

合理的に測定量に結び付けられ得る値の分布の大部分を
含むと期待される区間を定める量。

expanded uncertainty


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Z 8103 : 2000

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2620 

包含係数

拡張不確かさを求めるために合成標準不確かさに乗じる
数として用いられる数値係数。

coverage factor

2621 

正確さ

かたよりの小さい程度。

備考  推定したかたよりの限界の値で表した値を正確

度,その真の値に対する比を正確率という。

参考  JIS Z 8101-2(統計−用語と記号−第 2 部:統計

的品質管理用語)では真度,正確さという。

trueness

2622 

精密さ,精密度

ばらつきの小さい程度。

参考  JIS Z 8101-2 では精度,精密度,精密さという。

precision

2623 

精度

測定結果の正確さと精密さを含めた,測定量の真の値との

一致の度合い。

参考  JIS Z 8101-2 では精確さ,総合精度という。

accuracy

2624 

繰返し性

同一の測定条件下で行われた,同一の測定量の繰返し測定

結果の間の一致の度合い。

備考1.  これらの条件は,繰返し性条件  (repeatability 

conditions)  と呼ばれる。繰返し性条件には,
同一の測定手順,同一の測定者,同一の条件
下で用いられる同一の測定器,同一の測定場
所,短い時間内での繰返しが含まれる。

2.  繰返し性は,測定結果のばらつきで定量的に

表してよい。

3.  測定量,測定器,測定条件などを一度変更し

た後に,最初の状態に設定して,改めて別の
時期に測定を繰り返した場合は,

反復性とい

う。

repeatability

2625 

再現性

測定条件を変更して行われた,同一の測定量の測定結果の
間の一致の度合い。

備考1.  再現性を記述するときは,変更した条件など

の明記をしなければ有効ではない。変更する
条件には,測定原理,測定法,測定者,測定

器,参照標準,測定場所,使用条件,測定時
期が含まれる。

2.  再現性は,測定結果のばらつきで定量的に表

してよい。ここでの測定結果は,通常補正後
の結果であると理解される。

reproducibility

2626 

補正

系統誤差を補償するために,補正前の結果に代数的に加え

られる値又はその値を加えること(

付図 参照)。

備考1.  補正は系統誤差の推定値の逆符号の値に等し

い。

2.  補正と読み取った値又は計算値との比を補正

率といい,補正率を百分率で表した値を補正
百分率という。

3.  考えられる系統誤差を補償するために,補償

前 の 測 定 結 果 に 乗 じ る 係 数 を

補 正 係 数 

(correction factor)  という。

correction

2627 

個人誤差

測定者固有のくせによって,測定上又は調整上生じる誤
差。

personal error

2628 

視差

読取りに当たって視線の方向によって生じる誤差。 parallax



Z 8103 : 2000

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2629 

許容差

a)  基準にとった値と,それに対して許容される限界の値

との差。

b)  ばらつきが許容される限界の値。

備考  基準にとった値に対する比又は百分率で表して

もよい。

limit deviation tolerance

2630 

公差

規定された最大値と最小値との差。

備考  計 量 法 で は , 許 容 差 の a) の 意 味 で 公 差 

(maximum permissible error)  が用いられる。

tolerance

c)  信号処理

1)  機能及び器具

番号

用語

定義

対応英語(参考)

3101 

検出

測定量を信号として取り出すこと。 detection

3102 

検出器

ある現象の存在を検出する器具又は物質。必ずしも関連す
る量の値を与えるものではない。

detector

3103 

センサ

測定量によって直接に影響を受ける,計器又は測定装置の
連鎖の素子。

備考  検出器と同じ意味に用いることがある。

sensor

3104 

変換

信号又は量を,それに対応する他の種類の信号若しくは量
又は同じ種類の信号若しくは量に変えること。

signal conversion

3105 

変換器

変換をするための器具又は物質。 signal

converter,

transducer

3106 

トランスデューサ

入力量に対して一定の関係がある信号を出力する変換器。

備考  変換器と同じ意味に用いることがある。

transducer

3107 

フィードバック

制御系の出力側の信号を入力側に戻し,制御系の出力に影

響を及ぼすこと。

feedback

3108 

伝送

検出器,伝送器などからの信号を,受信器に送り伝えるこ
と。

備考  伝送を行うためには,信号に変換し,又は信号

の大きさを変える機能が必要である。

transmission

3109 

伝送器, 
発信器

検出器からの信号を伝送するため別の信号に変換する機
能,又は信号の大きさを変える機能をもつ器具。

transmitter

3110 

増幅

入力信号よりも高いレベルの出力信号を与えること。

備考  増幅を行うためには,エネルギー供給源をもつ

ことが必要である。

amplification

3111 

増幅器

増幅するための器具。 amplifier

3112 

演算器

入力信号に一定の演算を施した出力信号を得る機器。 computing

unit

3113 

受信器

伝送された信号を受け,指示,記録,警報などを行う器具。 receiver

3114 

比較器

二量の大小を比較し,その差に対応する信号を与える器
具。

comparator

3115 

ゼロ検出器

零位法における不平衡信号が零であるかどうかを検知す
る器具。

null detector, 
zero detector

3116 

補償

測定量以外の量に基づく望ましくない影響を相殺するた
めの対策。

compensation

3117 

補償器

補償をするための器具。 compensator

3118 

表示

測定量の値,物理的状態などを観測者に表し示すこと。

display, 
indication

3119 

表示計器

検出器,伝送器などからの信号を受けて,測定量の値,物
理的状態などを表示する計器。

displaying instrument, 
display


9

Z 8103 : 2000

番号

用語

定義

対応英語(参考)

3120 

指示

目盛若しくは指針,又は数字を用いて測定量の値を表示す
ること。

indication

3121 

指示計器

測定量の値を指示する計器。検出器,伝送器などがあると
きは,それらも含めた器具全体を指すこともある。

indicating instrument, 
indicator

3122 

記録

測定量の値,物理的状態を後から読み取れるように残し示

すこと。

recording

3123 

記録計器

測定量の値を,自動的に記録する計器。検出器,伝送器な

どがあるときは,それらも含めた器具全体を指すこともあ
る。

備考  記録計又は記録器ともいう。

recording instrument

3124 

直読計器

測定量の値を目盛から直接読み取ることができる計器。

備考  直接測定器ともいう。

direct reading instrument

3125 

アナログ計器

出力又は表示が測定量又は入力信号の連続関数である計
器。

analog instrument

3126 

ディジタル計器

ディジタル出力又はディジタル表示を与える計器。

digital instrument

3127 

積算計器

測定量の時間についての積分値を表す計器。検出器,伝送
器などがあるときは,それらも含めた器具全体を指すこと

もある。

備考  積算計又は積算器ともいう。

integrating instrument

3128 

加算計器

測られた部分的な値を加算することによって,測定量全体

の値を決定する計器。

totalizing instrument

3129 

(自動)調節計

量を自動的に調節する機能をもつ計器。

備考  調節器ともいう。

(automatic) controller

3130 

印字

測定量の値,物理的状態などを,数字,文字又は記号を用
いて記すこと。

printing

3131 

印字装置, 
プリンタ

測定結果を自動的に印字するための器具又は装置。 printer

3132 

作図装置, 
プロッタ

測定結果の数値を自動的に図として印刷するための器具
又は装置。

plotter

3133 

警報

あらかじめ定めた状態になったとき,それについて注意を
促すために信号を発すること又はその信号。

alarm

2)  信号及び雑音

番号

用語

定義

対応英語(参考)

3201 

信号

測定量を表し,測定量と関数関係にある量。

signal

3202 

入力信号

信号を処理する装置に入る信号。 input

signal

3203 

出力信号

信号を処理する装置から出る信号。 output

signal

3204 

アナログ信号

連続的な量の大きさで表した信号。 analog

signal

3205 

ディジタル信号

数値に対応した離散的な状態で表した信号。 digital

signal

3206 

AD 変換

アナログ信号をディジタル信号に変換すること。 analog-to-digital

conversion

3207 

DA 変換

ディジタル信号をアナログ信号に変換すること。 digital-to-analog

conversion

3208 

量子化

連続的な量の大きさを幾つかの区間に区分し,各区間内を
同一の値とみなすこと。

quantization

3209 

量子化誤差

量子化を行うときに生じる誤差。 quantization

error

3210 

雑音

測定系に混入又は測定系内で発生して信号の伝達若しく
は受信の妨害となるもの。

noise

3211 

雑音レベル

雑音が継続して存在するとき,その平均的な水準。 noise

level


10 
Z 8103 : 2000

番号

用語

定義

対応英語(参考)

3212 

SN 比, 
(えすえぬひ) 
S/N 
(えすえぬ)

信号パワーの雑音パワーに対する比。普通はデシベルで表
す。

備考  インパルス雑音に対しては信号と雑音とのピー

ク値の比をとることがある。

signal-to-noise ratio

3213 

雑音指数

計測器への入力の SN 比の,出力の SN 比に対する比。普通

はデシベルで表す。

noise figure

d)  計測器

1)  種類

番号

用語

定義

対応英語(参考)

4101 

計測器

計器,測定器,標準器などの総称。

備考  計器,測定器など個々のものを計測器という場

合は,それが計測器に含まれるという意味で用
いる。

4102 

測定器

測定を行うための器具装置など。

measuring instrument, 
measuring equipment, 
measuring apparatus, 
measuring device

4103 

測定機

測定を行うための機械。

備考  電力などのエネルギーの供給を受けて相対運動

などの仕事をする測定装置。通常,複数の機能

要素の組合せから成る。

measuring machine

4104 

計器

a)  測定量の値,物理的状態などを表示,指示又は記録す

る器具。 
備考  検出器,伝送器などを含めた器具全体を指す場

合もあれば,表示,指示又は記録を担当する器
具だけを指す場合もある。

b)  a)で規定する器具で,調節,積算,警報などの機能を

併せもつもの。

measuring instrument, 
measuring meter, 
measuring gauge

4105 

実量器

使用中に,ある量の既知の値を恒常的に再現する器具。

material measure

4106 

測定装置の連鎖

計器又は測定系の要素の連なりであり,入力から出力への
測定信号の経路を構成するもの。

measuring chain

4107 

工業計器

工業計測を行うために用いる計測器。 industrial

instrument

4108 

試験機

材料の物理的性質,又は製品の品質・性能を調べる装置。

testing machine

4109 

分析機器

物質の性質,構造,組成などを定性的,定量的に測定する
ための機械,器具又は装置。

analytical instrument

2)  要素

番号

用語

定義

対応英語(参考)

4201 

指標

目盛に対する位置によって指示値を決定することができ

る表示装置の固定又は可動部分。

index

4202 

指針

針又は矢状の実体のある指標。 pointer

4203 

目盛

付記されたすべての数字と組み合わせて,計器の表示装置
の一部分を成す順序よく並んだ標識の集合。

scale

4204 

線形目盛

各々の目幅が,目盛全体を通して一定な比例係数によって
対応する目量に関係付けられた目盛。

linear scale

4205 

非線形目盛

各々の目幅が,目盛全体を通して一定でない比例係数によ
って対応する目量に関係付けられた目盛。

nonlinear scale

4206 

零なし目盛

目盛範囲が零値を含まない目盛。

suppressed-zero scale

4207 

拡大目盛

目盛範囲の一部分が他の部分より不均等に大きな目盛の
長さを占めている目盛。

expanded scale


11

Z 8103 : 2000

番号

用語

定義

対応英語(参考)

4208 

数字目盛

測定量の値を離散的に指示するように,一列に並んだ数字
で構成されている目盛。

numerical scale

4209 

目盛定め

基準によって,測定器の目盛を定めること。

備考  新しく目盛を入れるときは目盛定めといい,既

にある目盛の補正を求めるときは,

校正という。

gauging

4210 

目盛板

一つ又は複数の目盛を備えている表示装置の固定又は可
動部分。

dial

4211 

目盛線

目盛を構成する線。 gradua

line,

scale mark

4212 

親目盛線

主要な目盛箇所に用いる目盛線で,長さ,太さなどを変え

て他の目盛線と区別したもの(

付図 参照)。

main scale mark

4213 

子目盛線

測定量の最小分割を示す目盛線(

付図 参照)。 subscale

mark

4214 

目 
(め)

相隣る目盛線で区切られた部分(

付図 参照)。

scale division

4215 

目幅 
(めはば)

相隣る目盛線の間隔(

付図 参照)。

scale spacing

4216 

目量 
(めりょう)

目幅に対応する測定量の大きさ(

付図 参照)。

備考  目量のことを一目の読みということもある。

scale interval

3)  性能及び特性

番号

用語

定義

対応英語(参考)

4301 

感度

ある計測器が測定量の変化に感じる度合い。すなわち,あ
る測定量において,指示量の変化の測定量の変化に対する

比。

備考  感度の値を表すのに感度係数,振れ係数の用語

が使われることもある。

sensitivity

4302 

識別能

測定量の極めて近接した二つの値を有意なものとして区
別する測定器の能力。

備考  上記の二つの値のうちの一方が,零の場合も含

む。

discrimination

4303 

識別限界

測定器において,出力に識別可能な変化を生じさせること

ができる入力の最小値。

備考  不感帯,雑音に関する量。

discrimination threshold

4304 

分解能

a)  測定器については,識別限界と同じ意味。 
b)  指示計器については,識別可能な指示間の最小の差異。

備考  ディジタル指示計器では,最小の有効数字が 1

だけ変わるときの指示変化をいう。

resolution

4305 

等価雑音パワー, 
NEP 
(えぬいーぴー)

出力雑音パワーの入力換算値に等しい入力パワー。

備考  雑音による識別限界の表現である。

noise equivalent power

4306 

細かさ

測定器の指示をどれだけ細かく読み取れるかの程度。 fineness

4307 

測定範囲

指定された限界内に計器の誤差が収まるべき測定量の範
囲。

measuring range, 
working range

4308 

指示範囲

指示可能な測定量の範囲。

range of indication

4309 

最大目盛値

目盛が示す測定量の最大値(

付図 参照)。

maximum scale value

4310 

最小目盛値

目盛が示す測定量の最小値(

付図 参照)。 minimum

scale

value


12 
Z 8103 : 2000

番号

用語

定義

対応英語(参考)

4311 

目盛の長さ

a)  両端の目盛線の間を目盛に沿って測った長さ(付図 2

参照)

備考  弧状目盛では,一番短い目盛線の中央を通る弧

の長さ。

b)  記録紙の場合は,両端の目盛線の間の最短距離。

scale length

4312 

目盛スパン

最大目盛値と最小目盛値との差の絶対値(

付図 参照)。

span

4313 

目盛の倍率

測定量を得るため,目盛値にかける倍数。 (scale)

magnification,

instrument constant

4314 

目盛係数

測定量を得るため,無単位目盛にかける,単位のついた係
数。

scale factor

4315 

信頼性

計測器又はその要素が,規定の条件の範囲内で規定の機能
と性能を保持する時間的安定性を表す性質又は度合い。

reliability

4316 

静特性

時間的に変化しない測定量に対する,計測器の応答の特
性。

static characteristics

4317 

直線性

入力信号と出力信号との間の直線関係からのずれの小さ

い程度。

linearity

4318 

静誤差

時間的に変化しない測定量に対する計測器の誤差。 static

error

4319 

影響変動値

一つの影響量だけが変化して,二つの規定する値をとった
場合,それぞれに対する測定値の差。

variation

4320 

(計器の)基値誤

計器を点検するために選んだ,指定した目盛値又は測定量
の指定した値におけるその計器の誤差。

datum error (of a 

measuring instrument)

4321 

(計器の)零点誤

測定量の零値に対する基値誤差。

zero error (of a measuring 

instrument)

4322 

ドリフト

一定の環境条件の下で,測定量以外の影響によって生じる

計測器の特性の緩やかで継続的なずれ。

drift

4323 

安定性

計測器又はその要素の特性が,時間の経過又は影響量の変
化に対して一定で変わらない程度若しくは度合い。

備考  数値で定量的に表すときは安定度といってもよ

い。

stability

4324 

無影響性, 
透明性

測定量の値に影響を与えない計測器の性能。

transparency

4325 

経年変化

長期の時間経過に伴って生じる計測器又はその要素の特

性の変化。

secular change

4326 

動特性

時間的に変化する測定量に対する計測器の応答の特性。 dynamic

characteristics

4327 

動誤差

時間的に変化する測定量に対する計測器の誤差。 dynamic

error

4328 

応答

計測器への入力信号に対して出力信号が対応するありさ

ま。

response

4329 

過渡応答

入力信号がある定常状態から,他の定常状態に変化したと
き,出力信号が定常状態に達するまでの応答。

transient response

4330 

インパルス応答

入力信号が衝撃的に変化して元に戻ったときの応答。 impulse

response

4331 

ステップ応答

入力信号がある一定の値から,他の一定の値に突然変化し

たときの応答。

step response

4332 

周波数応答

入力信号が正弦的に変化する定常な状態であるとき,出力

信号の入力信号に対する振幅比及び位相ずれが周波数に
よって変化するありさま。

frequency response, 
harmonic response


13

Z 8103 : 2000

番号

用語

定義

対応英語(参考)

4333 

時定数

(じていすう)

応答の速さを特徴づける定数で,時間の次元をもつもの。
応答が次の式で表されるときには,係数 をいう。

x

y

dt

dy

T

ここに,y:出力信号

x:入力信号

time constant

4334 

不感帯

計器の出力を変化させずに,入力信号を両方向に変化させ
得る最大の間隔。

備考1.  不感帯は変化の速さに依存する。

2.  入力信号の小さな変化に対する出力の変化を

防ぐために,不感帯は故意に大きくされるこ

ともある。

dead band

4335 

遅れ

入力信号の変化に対して,出力信号の変化が直ちに伴わな
いこと,又はそれを特徴づける時間。

dead time, 
delay

4336 

行過ぎ量

ステップ応答において,出力信号が過渡的に最終安定値を
超えるとき,

最終安定値からの振れの最大値

付図 参照)。

overshoot

4337 

応答時間

ステップ応答において,入力信号を突然に変化させた時点
から出力信号が最終安定値の近傍の指定された範囲内に
到達してとどまる時点までの時間(

付図 参照)。

response time

4338 

減衰

振動の振幅が時間的に減少すること。 damping,

attenuation

4339 

制動

振動の振幅を抑制すること。 damping

4340 

制動比

制動のありさまを表す無次元の定数で,応答が次の式で表

されるときの係数

ζ。

x

y

dt

dy

dt

y

d

n

n

n

2

2

2

2

2

ω

ω

ζω

ここに,y:出力信号

x:入力信号 
ω

n

:自由振動の角周波数

備考  制動比が 1 であるときの制動を臨界制動,1 より

大であるときを

過制動,1 より小であるときを不

足制動という。

damping ratio

4341 

立上がり時間

ステップ応答において,出力信号が規定する値から別の値
まで変化するのに要する時間(

付図 参照)。

備考  規定する値は,それぞれ最終変化量の 10%と

90%とすることが多い。

rise time

4342 

校正

計器又は測定系の示す値,若しくは実量器又は標準物質の
表す値と,標準によって実現される値との間の関係を確定

する一連の作業。

備考  校正には,計器を調整して誤差を修正すること

は含まない。

calibration

4343 

調整

計器をその状態に適した動作状態にする作業。

備考  調整は,自動,半自動又は手動であり得る。

adjustment

4344 

校正曲線

標準の値と計測器が指示する値との間の対応を表す曲線。

備考  化学分析では,検量線という。

calibration curve

4345 

器差

a)  測定器が示す値から示すべき真の値を引いた値。 
b)  標準器の公称値から真の値を引いた値。

instrumental error

4346 

固有誤差

標準状態において求めた計測器の誤差。 intrinsic

error

4347 

付加誤差

影響量の値が標準状態の値と異なるために生じる計測器
の誤差。

complementary error


14 
Z 8103 : 2000

番号

用語

定義

対応英語(参考)

4348 

相対基底誤差

計測器の誤差の基底値に対する比。

備考  百分率で表す場合は,百分率誤差という。

fiducial error

4349 

基底値

相対基底誤差を規定するために決めた基準の値。

備考  この値は,個々の規格で決められる。

fiducial value

4350 

極差 
(きょくさ)

測定器の全範囲指示について器差を求めた場合の,器差の

最大値と最小値との差。

span of instrumental error

4351 

ヒステリシス差

測定の前歴によって生じる同一測定量に対する指示値の

差。

hysteresis error

4352 

確度

指定された条件における誤差限界で表した計測器の精度。

limit of error

4353 

公称値

標準器又は測定器に与えられた名目上の値。

nominal value

4354 

定格動作条件

計器の特性が,与えられた限界内に収まるような使用条
件。

rated operating conditions

4355 

限界条件

計器が損傷せず,またその後,定格動作条件の下で使用し
たときにも,特性が劣化しない極限の条件。

limiting conditions

4356 

精度等級

指定された範囲内に誤差が収まることを示す計器の等級。

accuracy class

e)

  データ処理

1)

  測定値

番号

用語

定義

対応英語(参考)

5101 

測定値の母集団

同一条件の下で求められるべき,すべての測定値(無限個)
の集まり。

population of measured

values

5102 

測定値の試料

同一条件の下でランダムに求められる有限個数の測定値
の一組。

備考  測定値の母集団から各々の測定値を,同一の確

率でランダムに抜き取ったとき,その測定値の
一組が,測定値の試料である。

sample of measured values

5103 

読み

測定量について,計測器から得たままの値。 reading

5104 

有効数字

測定結果などを表す数字のうちで,位取りを示すだけの 0
を除いた,意味がある数字。

備考  データ処理上,意味がある数字と測定上意味が

ある数字とは必ずしも一致しない。

significant figures

2)

  統計的処理

番号

用語

定義

対応英語(参考)

5201 

平均値, 
平均

a)  測定値の試料については,測定値を全部加えて,その

個数で割った値。すなわち,測定値の算術平均。

b)  測定値の母集団では,確率密度関数を f (x)  とすれば

ò

dx

x

xf

)

(

µ

として求められる

µの値。

備考  測 定 値 の 母 集 団 に つ い て の 平 均 値 を 母 平 均

(population mean) といい,測定値の試料につい
ての平均値を

試料平均 (sample mean) という

付図 参照)。

mean (value)


15

Z 8103 : 2000

番号

用語

定義

対応英語(参考)

5202 

重み付き平均

重み

ω

1

ω

2

,……,

ω

n

もつ測定値 x

1

x

2

,……,x

n

につい

て,次の式で表される値。

å

å

=

=

n

i

i

n

i

i

i

x

1

1

ω

ω

ここに,重み

ω

1

ω

2

,……,

ω

n

:負でない実数。

weighted mean

5203 

メジアン, 
中央値

a)  測定値の試料については,測定値を大きさの順に並べ

たとき,ちょうどその中央の値(奇数個の場合)又は
中央を挟む二つの値の算術平均(偶数個の場合)

b)  測定値の母集団では,確率密度関数を f (x)  とすれば

ò

ò

+∞

µ

µ

2

1

)

(

)

(

dx

x

f

dx

x

f

となるような

µ

の値。

median

5204 

偏差

測定値から母平均を引いた値(

付図 参照)。

deviation

5205 

残差

測定値から試料平均を引いた値(

付図 参照)。 residual

5206 

平均誤差

誤差の絶対値の平均値。 mean error

5207 

平均偏差

偏差の絶対値の平均値。 mean

deviation

5208 

平均残差

残差の絶対値の平均値。 mean

residual

5209 

分散

a)  測定値の試料  (x

1

x

2

,……,x

n

)  については,次の式

で表される値。

1

)

(

1

2

å

=

n

x

x

n

i

i

ここに,x:試料平均

b)  測定値の母集団では,確率密度関数を f  (x)  とすると

き,次の式で表される

σ

2

の値。

ò

dx

x

f

x

)

(

)

(

2

2

µ

σ

ここに,

µ

:母平均。

備考  測定値の試料についての分散を不偏分散 (mean

square)  ともいい,測定値の母集団についての分
散を

母分散 (population-variance) ともいう。

variance

5210 

標準偏差

分散の正の平方根。

備考  不偏分散の正の平方根を試料標準偏差又は実験

標準偏差  (experimental standard deviation)  と
もいう。

standard dcviation


16 
Z 8103 : 2000

番号

用語

定義

対応英語(参考)

5211 

回帰線

変数 を固定したとき,確率変数 の期待値が の一次関
数で表される場合の直線式。

備考  に対する の回帰線と に対する の回帰線と

は一般に一致しない。一般的には,変数 x

1

x

2

……,x

p

を固定したとき,変数 の母平均

µ

がこ

れら x

1

x

2

,……,x

p

の関数で表されるとき,こ

れを x

1

x

2

,……,x

p

に対する 

回帰関数

(regression function)  という。

特に,

µ

が x

1

x

2

,……,x

p

の一次式で表され

る場合,これを

p

p

x

x

x

β

β

β

µ

+

+

+

=

Λ

Λ

2

2

1

1

とすると,

β

1

を x

1

に対する 

回帰係数

(regression coefficient)  という。

regression line

5212 

信頼限界

母数

θ

に対して,測定値から定められる下と上の限界 T

L

 (x

1

,

x

2

,……,x

n

)  ,T

U

 (x

1

x

2

,……,x

n

)  であって,これらが真の

θ

を挟む確率が,例えば,95%(又はそれ以上)であること

が保証されるような限界。

備考  上記の確率を信頼率 (confidence coefficient) と

いう。

confidence limits

5213 

信頼区間

信頼限界に挟まれる区間。 confidence

interval

5214 

変動係数

標準偏差を平均値で割った値。

備考  普通,百分率で表す。変動係数は,ばらつきを

相対的に表すもので,通常,変数がとる値が決
して負にならない場合に用いられる。

coefficient of variation

5215 

異常値, 
外れ値

同一条件下で得られた一組の測定値のうち,なんらかの原
よって他と著しく飛び離れた値。

備考  厳密には一組の他の測定値と母集団が異なるも

のと統計的に判断された値をいう。統計的に検
定される以前の値は,疑わしい値である。

outlying observation, 
outlier

5216 

共分散 
(きょうぶんさん)

2 変数の偏差の積の期待値。 covariance


17

Z 8103 : 2000

番号

用語

定義

対応英語(参考)

5217 

相関係数

xの共分散を の標準偏差と の標準偏差との積で割っ
た値。 
a)  測定値の試料については,2 変数 xに関する 組の

測定値  (x

1

y

1

)  ,  (x

2

y

2

)  ,……,  (x

n

y

n

)  から,次の

式によって計算される統計量

γを試料相関係数という。

å

å

å

=

=

=

=

n

i

i

n

i

i

n

i

i

i

y

y

x

x

y

y

x

x

1

2

1

2

1

)

(

)

(

)

)(

(

γ

b)  測定値の母集団では,の確率密度関数を f  (x)  ,

確率密度関数を g (y)  及び x

の確率密度関数を h (xy)

とするとき,次の式で求められる統計量

ρ

母相関係数

という。

ò

ò

ò ò

=

dy

y

g

y

dx

x

f

x

dxdy

y

x

h

y

x

)

(

)

(

)

(

)

(

)

,

(

)

)(

(

2

2

ν

µ

ν

µ

ρ

ここに,

µ

の母平均

ν

の母平均

coefficient of correlation

5218 

相関関数

時間的又は空間的に変動する量 f (t)  ,g (t)  を相互に

γだけ

ずらせたものの積 f (tg (t

γ)  の平均をずれγの関数として

表した値。

備考  量 f (t)  ,g (t)  が同一の場合には,自己相関関数,

異なる場合は

相互相関関数という。

correlation function

5219 

パワースペクトル

時間的又は空間的に変動する量の二乗平均を周波数成分
の分布として表した値。

power spectrum


18 
Z 8103 : 2000

付図 3


19

Z 8103 : 2000

附属書(参考)  計測用語の体系図

この附属書(参考)は,本体に関する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。


20 
Z 8103 : 2000

JIS Z 8103(計測用語)改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

永  井      聰

通商産業省工業技術院計量研究所

(委員)

堀  内  道  治

中部大学

大  嶋  清  治

通商産業省工業技術院標準部

中  村  泰  三

日本光学測定機工業会(株式会社ミツトヨ)

山  本      弘

社団法人日本計量機器工業連合会(愛知時計電機株式会社)

寺  田  夏  樹

財団法人鉄道総合技術研究所

田  中  俊  一

応用物理学会(東京理科大学理学部)

久  本  泰  秀

社団法人日本分析機器工業会(株式会社日立製作所)

石  濱  正  男

社団法人日本機械学会(神奈川工科大学)

成  田      洋

社団法人電気学会

荻  田  英  治

社団法人計測自動制御学会(横河電機株式会社)

渡  部  庄  吾

社団法人日本電気計測器工業会

新  畑  隆  司

(平成 10 年 7 月 1 日付けで渡部委員から新畑委員に交代)

前  川  次  郎

日本試験機工業会(株式会社前川試験機製作所)

荒  川  正  敏

日本精密測定機器工業会(株式会社東京精密)

宮  崎  誠  一

宮崎技術研究所

天神林  孝  二

通商産業省工業技術院機械技術研究所

中  村      進

通商産業省工業技術院物質工学工業技術研究所

吉  廣  和  夫

通商産業省工業技術院電子技術総合研究所

鴨  下  隆  志

通商産業省工業技術院計量研究所

(事務局)

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会技術部

橋  本      進

財団法人日本規格協会技術部

木  村      茂

財団法人日本規格協会技術部

文責  JIS Z 8103  改正原案作成委員会