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Z 8101-1 : 1999

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。これによって JIS Z 8101 : 1981 は廃止され,この規格に置き換えられる。

今回の制定では,1993 年に第 1 版として発行された ISO 3534-1 を基礎として用いた。

JIS Z 8101-1 : 1999

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)  JIS Z 8101-1 で用いられる記号

JIS Z 8101 : 1999

は,一般名称を“統計−用語と記号−”として,次の各部によって構成される。

第 部:確率及び一般統計用語  (Part 1 : Probability and general statistical terms)

第 部:統計的品質管理用語  (Part 2 : Statistical quality control terms)

第 部:実験計画法  (Part 3 : Design of experiments)


Z 8101-1 : 1999

(1) 

目次

ページ

序文

1

適用範囲

1

1.

  確率用語

1

2.

  一般統計用語

8

附属書 A(規定)  JIS Z 8101-1 で用いられる記号

18


日本工業規格

JIS

 Z

8101-1

: 1999

統計−用語と記号−

第 1 部:確率及び一般統計用語

Statistics

−Vocabulary and symbols−

Part 1 : Probability and general statistical terms

序文  この規格は,1993 年に第 1 版として発行された ISO 3534-1, Statistics−Vocabulary and symbols−Part

1 : Probability and general statistical terms

を基礎として作成した日本工業規格である。ただし現在進行中の

ISO/TC 69/SC1/WG 2

による ISO 3534-1の改訂作業方針で ISO 3534-1 : 1993 の Section3,4 の技術的内

容を第 2 部に移動することが決定されているため,この規格からは ISO 3534-1 : 1993 の Section3,4 を除

外した。

適用範囲  この規格は,日本工業規格を作成する際に用いられている確率及び一般統計用語を規定する。

一部の用語に関する記号も規定する。

用語は,

−  確率用語

−  一般統計用語

に分類されている。

1.

確率用語

1.1

確率  かくりつ

probability 

ある試行を同じ条件の下で長く続けたとき,一定の結果が生起する相対頻度の極限値。より一般的には

ランダムな事象に割り当てられている [0, 1] の範囲の実数値と定義される。一般に事象 の確率を Pr (A)

で表す。

参考  ある事象が生じるという信念の度合いを表す主観確率という概念も存在する。

1.2

確率変数,変量  かくりつへんすう,へんりょう

random variable, variate 

どのような値となるかが,ある確率法則によって決まる変数。確率法則は確率分布で記述される。とる

ことができる値が離散的であるか,連続的であるかによって,それぞれ離散(確率)変数,連続(確率)

変数という。離散確率変数で表されるデータを

計数値 (discrete variable),連続確率変数で表されるデータ

計量値 (continuous variable) という。

1.3

確率分布  かくりつぶんぷ

probability distribution (of a random variable) 


2

Z 8101-1 : 1999

確率変数がある値となる確率,又はある集合に属する確率を与える関数。その確率変数が定義されてい

る集合全体に対する確率は 1 である。特に,確率変数 が 以下の値となる確率を の関数とみたものを

分布関数 (distribution function) といい,F (x)  =Pr {Xx}  で表す。

離散変数のとる各値 x

i

に対し,その確率を

確率(質量)関数 (probability mass function)  といい,p

i

=Pr

{X

x

i

}

で表す。

連続変数の場合に,分布関数の微分を

確率密度関数  (probability density function)  といい,

( )

( )

dx

x

dF

x

f

=

表す。

f (xdx

は確率変数 が微小区間  (xxdx]  に属する確率に相当し,確率要素(又は確率素分)という。

備考  確率変数 の確率分布が与えられたとき,

が確率分布に従う’または‘確率分布に従う変数

X

’ということがある。

1.4

2

次元分布関数,変量分布関数  にじげんぶんぷかんすう,にへんりょうぶんぷかんすう

bivariate distribution function 

2

次元の確率変数  (XY)  について,が 以下で,かつ が 以下となる確率を与える関数。F (xy)  =

Pr {X

x,  Yy}  で表す。多次元の確率変数 (X, Y, …)  についても同様に

多次元分布関数 (multivariate 

distribution function) F (xy,

…)  =Pr {XxYy,  …}  が定義される。なお,二つ以上の変数の組の確率

分布のことを

同時(確率)分布  (joint probability distribution)  という。

参考  二次元分布関数,二変量分布関数と表記してもよい。

1.5

周辺(確率)分布  しゅうへん(かくりつ)ぶんぷ

marginal probability distribution 

k

次元確率変数の部分集合である k

1

変数の同時分布。

例えば,

3

次元の確率変数  (XYZ)  の場合,

  (XY)

(XZ)

,  (YZ)  に対する三つの 2 次元周辺分布と,XYに対する三つの 1 次元周辺分布が存在する。

1.6

条件付き(確率)分布  じょうけんつき(かくりつ)ぶんぷ

conditional probability distribution 

k

次元確率変数の部分集合である k

1

変数の,残り k-k

1

変数をある値に固定したときの確率分布。例えば,

2

次元確率変数  (X,  Y)  の場合に,Yに固定したときの の条件付き分布と,Xに固定したときの Y

の条件付き分布が存在する。

1.7

独立  どくりつ

independence 

確率変数 と が独立であるための必要十分条件は,その同時分布関数が,F (xy)  =F (x,  ∞)  ・F (∞, y)

G (x)  ・H (y)  と表されることである。ただし,G (x)  =F (x,  ∞)  及び H (y)  =F (∞, y)  は,それぞれ 

び の周辺分布関数である。

備考1.  独立な離散確率変数の場合,同時確率は周辺分布の積 Pr {Xx

i

Y

y

i

}

=Pr {Xx

i

}

・Pr {Y

y

i

}

で表される。独立な連続確率変数の場合,同時密度関数 f (xy)  は周辺密度関数 g (x),h (y)

の積 f (xy)  =g (x)  ・h (y)  で表される。

2.

二つの事象は,それらが共に生じる確率が,個々の事象が生じる確率の積に等しいとき独立

である。

1.8

母数,パラメータ  ぼすう,ぱらめーた

parameter 

(1)

母集団分布の族 f  (x

θ

1

θ

2

,…,

θ

p

)

を考えるとき,その値を指定すれば分布が確定するような定数


3

Z 8101-1 : 1999

θ

1

θ

2

,…,

θ

p

。例えば,正規分布は平均

µと標準偏差

σ

との二つの母数によって定まり,ポアソン分

布は平均

µという一つの母数によって定まる。

(2)

さらに広義には,確率分布によって定まる数値。この意味では,確率分布のモーメント,すなわち,

平均,分散,ゆがみ,とがりなどをすべて母数ということができる。母数はサンプルについて定義さ

れる同じ名の統計量と区別するための用語である。

1.9

相関  そうかん

correlation 

二つの確率変数の分布法則の関係。多くの場合,線形関係の程度を指す。

1.10

分位点  ぶんいてん 

quantile, fractile

p

分位点とは,分布関数が に一致するか,又は より小さな値から より大きな値に飛ぶときの確率

変数の値。確率 を 100p%で表すときは 100p

パーセント点  (100p percentile)  という。

備考1.  確率変数のある区間内で分布関数が一定値 となる場合は,その区間内の任意の値が 分位

点とされる。ただし,0≦p≦1である。

2.

p

2

1

に対応する確率変数の値を

メディアン,中央値  (median)  という。

3.

p

4

1

および p

4

3

に対応する確率変数の値を

四分位点  (quartile)  という。

1.11

モード,最頻値  もーど,さいひんち 

mode

離散分布の場合は確率変数が,連続分布の場合は密度関数が,最大となる確率変数の値。分布が多峰性

の場合は,それぞれの極大値を与える確率変数の値。

1.12

期待値  きたいち 

expectation

離散分布については,値 x

i

が出現する確率を p

i

=Pr {Xx

i

}

とするとき,

( )

i

i

p

x

X

E

å

=

の値。確率密度

関数 f (x)  をもつ連続分布については,

( )

( )

dx

x

f

x

X

E

ò

=

の値。多数回の測定を行い,測定値の平均を求め

ると,期待値に近い値になる。

関数

g

 (

X

)

の期待値

E

 [

g

 (

X

)]

( )

[

]

( )

i

i

p

x

g

X

g

E

å

=

,又は

( )

[

]

( ) ( )

dx

x

f

x

g

X

g

E

ò

=

で与えられる。

備考1.  条件付き分布の期待値を条件付き期待値 (conditional expectation)  という。

X

Y

の同時分布

に関し

Y

y

で与えられた

X

の条件付き期待値は,

y

の関数になる。

2.

確率変数 X の期待値を

X

の母平均ということもある。

1.13

分散  ぶんさん 

variance

確率変数

X

からその母平均を引いた変数の二乗の期待値。

σ

2

V

 (

X

)

E

 [

X

E

 (

X

)]

2

である。

備考1.  確率変数の従う確率分布の分散ということもある。

2.

確率変数

X

の分散を

X

母分散ということもある。

1.14

標準偏差  ひょうじゅんへんさ 

standard deviation

分散の正の平方根。

( )

X

V

=

σ

である。

備考  確率変数 の標準偏差を の母標準偏差ということもある。

1.15

変動係数  へんどうけいすう 

coefficient of variation


4

Z 8101-1 : 1999

標準偏差を平均値で割ったもの。変動係数はばらつきを相対的に表すもので,通常,変量をとる値が決

して負にならない場合に用いる。

( )

( )

µ

σ

=

X

E

X

V

である。

1.16

規準化(確率)変数,標準化(確率)変数  きじゅんか(かくりつ)へんすう,ひょうじゅんか(か

くりつ)へんすう 

standardized random variable

期待値が 0,標準偏差が 1 である確率変数。

備考1.  確率変数 の期待値が

µ,標準偏差が

σ

のとき,  (X

µ) /

σ

がそれに対応する規準化確率変数

である。

2.

確率変数の期待値を 0,標準偏差を 1 にする変換を,

規準化あるいは標準化 (standardization) 

という。

1.17

原点まわりの 次モーメント  げんてんまわりのきゅーじもーめんと 

moment of order q about origin

確率変数 の 乗の期待値 E (X

q

)

備考  平均は原点まわりの 1 次モーメントである。

1.18  q

次中心モーメント  きゅーじちゅうしんもーめんと 

central moment of order q

確率変数 の期待値が

µのとき,とµとの差の 乗の期待値 (X

µ

)

q

。平均値まわりの 次モーメント

ともいう。

備考  分散は 2 次中心モーメントである。

1.19

ゆがみ,ひずみ

skewness 

確率密度関数または確率関数 f  (x)  のグラフが左右対称でないこと。ゆがみの程度は平均値まわりの 3

次モーメント

µ

3

と標準偏差

σ

の 3 乗との比。すなわち,

3

3

σ

µ

である。

1.20

とがり

kurtosis 

平均値まわりの 4 次のモーメント

µ

4

と標準偏差

σ

の 4 乗の比,すなわち,

4

4

σ

µ

である。

1.21

共分散  きょうぶんさん 

covariance

2

次元の確率変数  (XY)  について,それぞれの平均からの偏差の積の期待値。Cov (XY)  =E [(X

µ

x) (Y

µ

Y)]

である。

1.22

相関係数  そうかんけいすう 

correlation coefficient

2

次 元 の 確 率 変 数   (X,  Y)  に つ い て , そ の 共 分 散 と そ れ ぞ れ の 標 準 偏 差 の 積 の 比 ,

(

)(

)

[

]

Y

X

Y

X

XY

Y

X

E

σ

σ

µ

µ

ρ

=

である。

備考1.  添字 Xは自明なときは省略されることがある。

2.

相関係数は,−1 以上,1 以下の値となる。


5

Z 8101-1 : 1999

3.

もし 2 変数が独立なら相関係数は 0 になる。

ただし相関係数 0 でも独立であるとは限らない。

1.23

回帰曲線  かいききょくせん 

regression curve

2

次元の確率変数  (XY)  について,Xを与えたときの の条件付き期待値を与える関数。の に対

する回帰曲線と表現する。

備考1.  の に対する回帰曲線が直線であるとき,回帰関係は線形であるといい,回帰直線 

(regression line) 

と呼ぶ。また,この場合を

単回帰  (simple linear regression)  と呼ぶことがあ

る。

2.

3

次元の確率変数  (X,  Y,  Z)  について,XxYを与えたときの Z の条件付き期待値を Z

の Xに対する

回帰曲面 (regression surface)  という。それが平面であるとき,回帰関係は

線形であるといい,

回帰平面  (regression plane surface)  と呼ぶ。この概念は 4 変数以上にも

そのまま拡張される。

1.24

一様分布  いちようぶんぷ 

uniform distribution, rectangular distribution

(1)

連続分布の場合,その確率密度関数が有限区間 [a, b] で一定の値,区間外で 0 となる分布。

(2)

離散分布の場合,点で等しい確率 Pr (Xx

i

)

n

1

i=1,2,…,となる分布。

1.25

正規分布,ガウス分布  せいきぶんぷ,がうすぶんぷ 

normal distribution, Laplace-Gauss distribution

確率密度関数が

( )

<

<

ú

ú

û

ù

ê

ê

ë

é

÷

ø

ö

ç

è

æ −

=

x

x

x

f

,

2

1

exp

2

1

2

σ

µ

π

σ

で与えられる連続変数の分布。

備考  正規分布は,平均

µ

と分散

σ

2

によって定まる。記号 (

µ

,

σ

2

)

で表すことが多い。

1.26

標準正規分布  ひょうじゅんせいきぶんぷ 

standardized normal distribution, standardized Laplace

Gaussdistribution

µ=0,

σ

2

=1 の正規分布。

1.27

カイ二乗分布,

χ

2

分布  かいにじょうぶんぷ 

chi-squared distribution, 

χ2 distribution

確率密度関数が

( ) ( )

( )

<

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

÷

ø

ö

ç

è

æ

Γ

=

2

2

2

1

2

/

2

2

0

,

2

exp

2

2

;

χ

χ

ν

χ

ν

χ

ν

ν

f

で与えられる連続変数の分布。パラメータ

ν

は整数値であり,自由度という。ガンマ関数

Γ

  (x)

は,

( )

ò

=

Γ

0

1

dy

y

e

x

x

x

で定義される。が自然数のとき,

Γ

 (x)

=  (x−1) !となる。

備考1.

ν

個の独立な標準正規分布の二乗和は自由度

ν

χ

2

変数となる。

2.

X

χ

2

/2

の分布はガンマ分布の特別な場合に当たる。

3.

独立な自由度

ν

1

χ

2

変数と自由度

ν

2

χ

2

変数との和は,自由度

ν

1

ν

2

χ

2

変数となる。この

性質を

χ

2

分布の加法性という。

1.28

  t

分布  てぃーぶんぷ 


6

Z 8101-1 : 1999

t-distribution

確率密度関数が

( )

( )

[

]

( )

(

)

( )

<

<

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

+

÷÷ø

ö

ççè

æ

Γ

+

Γ

=

+

t

t

t

f

,

/

1

1

2

/

2

/

1

1

,

2

/

1

2

ν

ν

ν

ν

πν

ν

で与えられる連続変数の分布。パラメータ

ν

は整数値であり,自由度という。

備考1.  標準正規分布に従う変数 と,それと独立な

χ

2

変数を自由度

ν

で除した変数の平方根との比

ν

χ

/

2

X

は自由度

ν

の 分布に従う。

2.

ガンマ関数

Γ

 (x)

の定義は,1.27 にある。

1.29

  F

分布  えふぶんぷ 

F-distribution

確率密度関数が

(

)

(

)

[

]

(

) (

)( ) ( )

(

)

(

)

(

)

<

+

Γ

Γ

+

Γ

=

+

F

F

F

F

f

0

,

2

/

2

/

2

/

,

;

2

/

2

1

1

2

/

2

/

2

2

/

1

2

1

2

1

2

1

2

1

1

2

1

ν

ν

ν

ν

ν

ν

ν

ν

ν

ν

ν

ν

ν

ν

ν

で与えられる連続変数の分布。パラメータ

ν

1

ν

2

は整数値であり,それぞれ分子の自由度,分母の自由

度という。

備考1.  独立な二つの

χ

2

変数

χ

1

2

χ

2

2

をそれぞれの自由度で除したものの比

2

2

2

1

2

1

/

/

ν

χ

ν

χ

は分子の自由度

ν

1

分母の自由度

ν

2

の 分布に従う。

2.

ガンマ関数

Γ

 (x)

の定義は,1.27 にある。

1.30

対数正規分布  たいすうせいきぶんぷ 

log-normal distribution

確率密度関数が

( )

ú

ú

û

ù

ê

ê

ë

é

÷

ø

ö

ç

è

æ

=

2

log

2

1

exp

2

1

σ

µ

π

σ

x

x

x

f

で与えられる連続変数の分布。パラメータ

µおよび

σ

は,それぞれ logの平均および標準偏差である。

ここで,log は自然対数(底 e)である。

備考 logは平均

µ,標準偏差

σ

の正規分布に従う。

1.31

指数分布  しすうぶんぷ 

exponential distribution

確率密度関数が

f

 (x)

λ

e

λx

x≧0,

λ

>0

で与えられる連続変数の分布。

備考  パラメータ

λ

の指数分布の期待値が

µ

=1/

λ

となることから,確率密度関数を

( )

µ

µ

/

1

x

e

x

f

=

と表現

することがある。

1.32

ガンマ分布  がんまぶんぷ 

gamma distribution

確率密度関数が


7

Z 8101-1 : 1999

( )

(

)

( )

0

,

0

,

0

,

/

exp

1

>

>

Γ

=

α

α

α

m

x

m

x

x

x

f

m

m

で与えられる連続変数の分布。

備考1.  は分布の形状を定める母数で形状母数と呼ばれる。m=1は指数分布,m

ν

/2

α

=2は自由

ν

χ

2

分布である。

2.

母数

λ

=1/

α

の独立な 個の指数分布の和は母数  (m,

α

)

のガンマ分布となる。

3.

ガンマ関数

Γ

 (x)

の定義は,1.27 にある。

1.33

ベータ分布  ベータぶんぷ 

beta distribution

確率密度関数が

( )

(

)

( ) ( )

( )

1

0

,

1

1

1

2

1

2

1

2

1

x

x

x

m

m

m

m

x

g

m

m

Γ

Γ

+

Γ

=

で与えられる連続変数の分布。ただし,パラメータ m

1

m

2

は正数。

備考1.

m

1

m

2

=1のとき区間 [0, 1] の一様分布となる。

2.

ガンマ関数

Γ (x)  の定義は,

1.27

にある。

1.34

グンベル分布,二重指数分布,タイプ 極値分布

ぐんべるぶんぷ,にじゅうしすうぶんぷ,たい

ぷいちきょくちぶんぷ 

Gumbel distribution, type I extreme value distribution

確率分布関数が

F (x)

=exp (−e

-y

), y

=  (xa) /b,  −∞<x<∞

で与えられる連続変数の分布。パラメータ aは−∞<a<+∞,b>0 の範囲にある。

1.35

フレシェ分布,タイプ II 極値分布  ふれしぇぶんぷ,たいぷにきょくちぶんぷ 

Fréchet distribution, type II extreme value distribution

確率分布関数が

F (x)

=exp (−y

-k

), x

α, y=  (xa) /b

で与えられる連続変数の分布。パラメータ abは−∞<a<+∞,b>0,k>0 の範囲にある。は分

布の形を定める形状母数である。

1.36

ワイブル分布,タイプ III 極値分布

わいぶるぶんぷ,たいぷさんきょくちぶんぷ 

Weibull distribution, type III extreme vaIue distribution

確率分布関数が

F (x)

=1−exp (−y

k

), x

a, y= (x−a) /b

で与えられる連続変数の分布。パラメータ abは−∞<a<+∞,b>0,k>0 の範囲にある。は分布

の形を定める形状母数である。

備考

JIS Z 8115 

: 1981

信頼性用語の定義が別にある。

1.37

2

項分布

にこうぶんぷ 

binomial distribution

確率が

[

]

(

)

n

x

p

p

x

n

x

X

x

n

x

,

,

2

,

1

,

0

,

1

Pr

Λ

=

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

=

で与えられる離散変数の分布。ただし,パラメータ

n

は自然数,

p

0

p

1

の範囲にある。


8

Z 8101-1 : 1999

参考

二項分布と表記してもよい。

1.38

負の 項分布

ふのにこうぶんぷ 

negative binomial distribution

確率が

[

]

(

)

n

x

p

p

x

x

c

x

X

x

c

,

,

2

,

1

,

0

,

1

1

Pr

Λ

=

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

=

=

で与えられる離散変数の分布。ただし,パラメータ

c

は自然数,

p

0

p

1

の範囲にある。

備考

パラメータ

c

1

のときは,特に

幾何分布 (geometric distribution) 

という。

参考

負の二項分布と表記してもよい。

1.39

ポアソン分布

ぽあそんぶんぷ 

Poisson distribution

確率が

[

]

Λ

,

2

,

1

,

0

,

!

Pr

=

=

=

x

e

x

m

x

X

m

x

で与えられる離散変数の分布。

備考1.

ポアソン分布の期待値と分散は等しく,パラメータ

m

に一致する。

2.

ポアソン分布はパラメータを

m

np

とすることによって,

n

が十分大きく

p

が小さい

2

項分

布の近似に用いることができる。

1.40

超幾何分布

ちょうきかぶんぷ 

hypergeometric distribution

確率が

[

]

,

Pr

÷÷ø

ö

ççè

æ

÷÷ø

ö

ççè

æ

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

=

n

N

x

n

M

N

x

M

x

X

x

max (0, M

N

n)

max (0, M

N

n)

1

,…,

min (Mn)

で与えられる離散変数の分布。ただし,パラメータ

N

は自然数,パラメータ

M

0

または

N

以下の自

然数,パラメータ

n

N

以下の自然数である。

2.

一般統計用語

2.1

母集団

ぼしゅうだん 

population

考察の対象となる特性をもつすべてのものの集団。

備考1.

確率変数が対象の場合には,母集団の定義のために確率分布を用いる。

2.

母集団の一部として定義される集団を

部分母集団 (subpopulation) 

という。

3.

通常サンプルに基づいて処置をとろうとする集団が,そのサンプルによって代表される母集

団となる。

2.2

観測値,測定値

かんそくち,そくていち 

observed value

単一観測の結果得られる特性の値。


9

Z 8101-1 : 1999

2.3

きゅう

class

計量特性の変動の全範囲を順次分割して作る一連の区間。計量特性の場合には,互いに背反なアイテム

群で,各群に属するアイテムは何らかの共通属性を持つ。

備考1.

級の上限,下限を

級の限界または級の境界  (class limits, class boundaries) 

と呼ぶ。二つの境

界のどちらかが級に属するように想定しておくことが望ましい。可能ならば,境界は観測値

と一致しないように定めることが望ましい。

2.

計量特性に対する級の上限と下限の算術平均を

級の中心  (mid-point of class) 

と呼ぶ。

3.

計量特性に対する級の上限と下限の差を

級幅 (class width) 

と呼ぶ。

2.4

度数分布

どすうぶんぷ 

frequency distribution

特性値と,その度数または相対度数との関係を観測したもの。

備考1.  度数 (frequency) 

とは,一定の事象が起きる回数,または特定の級に入る観測値の個数。

2.

相対度数 (relative frequency) 

とは,度数を全事象数または全観測回数で割ったもの。

3.

度数分布は,度数表,棒グラフ,ヒストグラムなどで表す。

2.5

累積度数,経験分布関数  るいせきどすう,けいけんぶんぷかんすう 

cumulative frequency

ある値以下の観測値の度数または相対度数。

備考

級に分割されたデータでは,累積度数は級の境界上でのみ定義される。

2.6

一変量度数分布

いちへんりょうどすうぶんぷ 

univariate frequency distribution

単一特性の度数分布。

2.7

ヒストグラム

ひすとぐらむ

histogram

計量特性の度数分布のグラフ表示の一つ。測定値の存在する範囲をいくつかの区間に分けた場合,各区

間を底辺とし,その区間に属する測定値の度数に比例する面積をもつ長方形を並べた図。

備考1.

ヒストグラムで用いられた区間の幅が一定ならば,長方形の高さは各区間に属する値の度数

に比例する。したがって,この場合には高さに対して度数の目盛を与えることができる。

2.

級の上限を横軸に,累積度数を縦軸にとって打点し,それらの点を結んで得られる折れ線を

累積折れ線  (cumulative frequency polygon) 

という。

2.8

二変量度数分布

にへんりょうどすうぶんぷ 

bivariate frequency distribution

二つの特性を同時に考え,特性値の対や特性値に関する級の対と,度数または相対度数の関係を観測し

たもの。

備考

一般に複数の特性を同時に考え,同時に特性の値または級の集合と,度数または相対度数の関

係を観測したものを

多変量度数分布  (multivariate frequency distribution)

という。特性の数が

k

の場合には

k

変量度数分布という。

参考  2

変量度数分布と表記してもよい。

2.9

散布図

さんぷず 

scatter diagram


10

Z 8101-1 : 1999

二つの特性を横軸と縦軸とし,観測値を打点して作るグラフ表示。

備考1.  n

アイテムに対する散布図は

n

個の点からなる。

2.

散布図は,二つ以上の特性の場合にも拡張できる。

2.10

分割表

ぶんかつひょう 

two-way table of frequencies, contingency table

度数を二つの特性によって分類し,分布を示す表。

備考1.

表の行,列は対応する特性の値または級に対応している。行と列の交わる場所の度数が,値

や級の組み合わせが生じる度数に対応する。

2.

分割表の度数によって特性間に関連があるか否かを検定することができる。

3.

二特性より多い特性に対して分割表を一般化することができる。

2.11

周辺度数分布

しゅうへんどすうぶんぷ 

marginal frequency distribution

k

変量度数分布に従う

k

個のうち対象外の

k-k

1

個の特性が任意の値となりえると想定されるときの,

k

1

個の特性が従う度数分布。

備考1.  k

2

の場合,例えば,相関表や分割表などにおいては,各行の度数の合計及び各列の度数の

合計が,それぞれ周辺度数分布に相当する。

2.

例えば,確率変数として

X

Y

Z

を想定する場合には,変数の対

  (XY), (XZ), (YZ)

の従う

三つの

2

変数周辺度数分布及び

X

Y

Z

の従う三つの(

1

変量)周辺度数分布が考えられる。

2.12

条件付き度数分布

じょうけんつきどすうぶんぷ 

conditional frequency distribution

k

変量度数分布に従う

k

個のうち対象外の

k-k

1

個の特性が特定の値となるとしたときの,

k

1

個の特性が

従う度数分布。

備考  k

2

の場合,例えば,相関表や分割表などにおいては,各行の度数及び各列の度数を直接読み

取ったもの。特に,相対度数分布は,各行の度数及び各列の度数をその周辺度数で割ったもの。

例えば,確率変数として

X

Y

を想定する場合には,

Y

y

のときの

X

の条件付き度数分布及び

X

x

のときの

Y

の条件付き度数分布を考えることができる。

2.13

(算術)平均,平均値

(さんじゅつ)へいきん,へいきんち 

arithmetic mean, average

観測値の総和を観測値の個数で割ったもの。

備考1.

平均値という用語は観測値について計算した結果を意味し,

x

~

で表す。母平均を表すときに

期待値という用語を用いることが多い。

2.

母集団から単純ランダムサンプリングされた標本の平均値は,母平均の不偏推定量である。

2.14

重み付き平均値  おもみつきへいきんち 

arithmetic weighted mean, weighted average

観測値に付随する負の値とならない重みと観測値の積を総和したものを,重みの総和で割ったもの。た

だし,重みの総和は正であるものとする。

備考

サンプル

  (x

1

,  x

2

,

…,

x

n

)

,対応する重み

  (

ω

1

,

ω

2

,

…,

ω

3

)

について,重み付き平均は,

n

n

n

x

x

ω

ω

ω

ω

+

+

+

+

Λ

Λ

1

1

1

として求められる。ただし,

n

は観測値の個数である。ここで,

ω

i

0

である。

2.15

(標本)メディアン,中央値  (ひょうほん)めでぃあん,ちゅうおうち 


11

Z 8101-1 : 1999

median

観測値を大きさの順に並べたとき,ちょうどその中央に当たる一つの値(観測値の値が奇数個の場合)

又は中央の二つの値の算術平均(測定値の個数が偶数個の場合)

x

~

で表すことがある。

2.16

ミッドレンジ,中点値

みっどれんじ,ちゅうてんち 

mid-range

計量的な観測値の最大値と最小値の算術平均。

2.17

範囲,レンジ

はんい,れんじ 

range

計量的な観測値の最大値と最小値の差。

R

で表す。

2.18

平均偏差

へいきんへんさ 

mean deviation

基準値と測定値の差の絶対値の平均値。通常は,基準値として算術平均を用いる。

備考

メディアンを基準値としたとき,平均偏差は最小となる。

2.19

標本分散,不偏分散

ひょうほんぶんさん,ふへんぶんさん 

variance

各観測値の平均値からの偏差の二乗の和を観測個数から

1

を引いた数で割ったばらつきの尺度。

備考1.

サンプル

  (x

1

x

2

,

…,

x

n

)

については,

(

)

å

=

=

n

i

i

x

x

n

s

1

2

2

1

1

として求める。ここで,

n

は観測値

の個数である。標本分散は

V

と表記してもよい。

2.

標本分散は,母分散の不偏推定量である。

3.

標本分散は,

2

次中心モーメントの

1

n

n

倍である。

4.

混乱が生じなければ,標本分散を分散と呼んでもよい。

2.20

標本標準偏差

ひょうほんひょうじゅんへんさ 

standard deviation

標本分散の正の平方根。

備考1.

標本標準偏差は,母標準偏差のかたよりのある推定量となる。

2.

混乱が生じなければ,標本標準偏差を標準偏差と呼んでもよい。

2.21

標本変動係数

ひょうほんへんどうけいすう 

coefficient of variation

標本標準偏差を平均で割ったもの。通常,変量の値が決して負の値にならない場合に用いる。

備考1.

標本変動係数は,ばらつきを相対的に表すもので,百分率で表示することもある。

2.

混乱が生じなければ標本変動係数を変動係数と呼んでもよい。また,標本変動係数を相対標

準偏差と呼ぶことは薦められない。

2.22

原点まわりの標本 次モーメント

げんてんまわりのひょうほんきゅーじもーめんと 

moment of order q about the origin

単一特性の分布からの観測値の

q

乗の算術平均。

備考1.

サンプル

  (x

1

x

2

,

…,

x

n

)

については,

å

=

n

i

q

i

x

n

1

1

として求める。ここで,

n

は観測値の個数であ

る。

2.

原点まわりの標本

1

次モーメントは,観測値の平均値である。


12

Z 8101-1 : 1999

3.

混乱が生じなければ原点まわりの標本

q

次モーメントを原点まわりの

q

次モーメントと呼ん

でもよい。

2.23

標本 次中心モーメント  ひょうほんきゅーじちゅうしんもーめんと 

central moment of order q

単一特性の分布からの観測値とそれらの平均値

x

との差の

q

乗の算術平均。平均値まわりの標本

q

次モ

ーメントともいう。

備考1.

サンプル

  (x

1

,  x

2

,

…,

x

n

)

については,

(

)

å

=

n

i

q

i

x

x

n

1

1

として求める。ここで,

n

は観測値の個

数である。

2.

標本

1

次中心モーメントは,常に

0

となる。

3.

混乱が生じなければ標本

q

次中心モーメントを

q

次中心モーメントと呼んでもよい。

2.24

標本共分散

ひょうほんきょうぶんさん 

covariance

観測値の対についてそれぞれの平均値からの偏差の積和を観測値の個数から

1

を引いた値で割ったもの。

備考1.

サンプル

  (x

1

,  y

1

)

  (x

2

,  y

2

)

,…,

  (x

n

,  y

n

)

については,

(

)(

)

y

y

x

x

n

s

i

n

i

i

xy

=

å

=1

1

1

として求

める。ここで,

n

は観測値の個数である。標本共分散は

V

xy

と表記してもよい。

2.

標本共分散は母共分散の不偏推定量であり,混乱が生じなければ共分散と呼んでもよい。

3.

一般に,

(

)(

)

y

y

x

x

i

n

i

i

å

=1

を積和

  (sum of products)

という。

2.25

標本相関係数

ひょうほんそうかんけいすう 

correlation cofficient

二つの特性の標本共分散をそれぞれの特性の標本標準偏差の積で割ったもの。

備考1.

サンプル

  (x

1

y

1

)

  (x

2

y

2

)

,…,

  (x

n

y

n

)

については,

(

)(

)

(

)

(

)

å

å

å

=

=

=

=

=

n

i

i

n

i

i

i

n

i

i

y

x

xy

xy

y

y

x

x

y

y

x

x

s

s

s

r

1

2

1

2

1

として求める。ここで,

s

xy

は,

X

Y

の標本共分散,

s

x

s

y

は,それぞれ

X

Y

の標本標準偏差,

n

は観測値対の個数である。

2.

相関係数は対で観測される特性

X

Y

の直線関係の強さの数値的尺度である。しかし,直線

性の検証には,可能な限り散布図にも注意を払うことが望ましい。

3.

γ

xy

は−

1

から

1

までの間にある。値が−

1

または

1

のときは

2

変数の観測値対は直線上に完

全に並んでいることを示す。

4.

混乱が生じなければ,相関係数と呼んでもよい。

2.26

順位相関係数

じゅんいそうかんけいすう 

rank correlation coefficient

n

個の測定値

  (x

1

y

1

)

(x

2

y

2

)

,…,

  (x

n

y

n

)

x

1

x

2

,…,

x

n

の中で小さい方から数えた順位

s

1

s

2

,…,

s

n

y

1

y

2

,…,

y

n

の中で小さい方から数えた順位

t

1

t

2

,…,

t

n

とに置き換えて作った相関係数をいい,


13

Z 8101-1 : 1999

(

)

(

)

(

)

(

)

å

å

å

=

=

=

n

i

i

n

i

i

i

n

i

i

t

t

s

s

t

t

s

s

1

2

1

2

1

として求めるもの。

2.27

統計量

とうけいりょう 

statistic

確率変数の標本の関数。

備考

確率変数の関数である統計量自体が確率変数であり,標本を取るたびに違った値となると想定

される。この関数に従って観測値から得られる統計量の数値は,統計的検定や母平均や母標準

偏差といった母集団パラメータの推定に用いられる。

2.28

順序統計量

じゅんじょとうけいりょう 

order statistic

標本のすべての観測値をその大きさの順に小さい方から並べたもの。また,より一般的にはこの並び替

えの関数として求められる統計量すべてを指すこともある。

備考1.

順序統計量を,

x

 [1]

x

 [2]

,…,

x

 [n]

で表すことがある。小さい方から

k

番目の観測値を

x

 [k]

表し,

第 順序統計量  (kth order statistic) 

という。

2.

x

 [1]

は最小値,

x

 [n]

は最大値,

x

 [n]

x

 [1]

は範囲である。

2.29

傾向,トレンド  けいこう,とれんど 

trend

観測値を順に打点したとき,点が順次上昇または下降すること。ただし,偶然誤差や周期変動成分によ

る変動は除く。

2.30

れん 

run 

質的特性の場合には,同じ属性を持つ観測値が引き続いて起きること。計量特性では一連の観測値が単

調増加または単調減少することを指し,それぞれ上昇連または下降連と呼ぶ。

備考

連の長さと数とによって系列の性質を検定することができる。

2.31

推定

すいてい 

estimation 

標本が取られた母集団に関する統計モデルとして用いられる確率分布のパラメータに対して,観測値に

基づいて値を与える操作。

備考

この操作の結果は点推定の場合には単一の数値で,区間推定の場合には区間を用いて表示され

る。

2.32

推定量

すいていりょう 

estimator 

母集団のパラメータを推定するのに用いる統計量。

2.33

推定値

すいていち 

estimate

推定の結果として得られる推定量の実現値。

2.34

サンプリング誤差,標本誤差

さんぷりんぐごさ,ひょうほんごさ 

sampling error 


14

Z 8101-1 : 1999

サンプリングに起因する推定量の誤差。

2.35

推定量のかたより

すいていりょうのかたより 

bias of estimator 

推定量の期待値と推定したいパラメータの差。

2.36

不偏推定量

ふへんすいていりょう 

unbiased estimator

推定量のかたよりが

0

となる推定量。

2.37

標準誤差

ひょうじゅんごさ 

standard error 

推定量の標準偏差。

2.38

両側信頼区間

りょうがわしんらいくかん 

two-sided confidence interval 

推定したい母数

θに対して二つの統計量

T

1

 (X

1

X

2

,

…,

X

n

)

T

2

 (X

1

X

2

,

…,

X

n

)

を定め,

Pr(T

1

θ≦

T

2

)

1

α以上となるように構成した

T

1

から

T

2

までの区間。

備考1.  1

αは,

1

より小さい正数である。

2.

両側信頼区間の両端

T

1

T

2

は確率変数であり,標本によって異なる値となる。

3.

標本を多数回サンプリングし,毎回両側信頼区間を求めれば,両側信頼区間が母数の真値

θ

を含む相対頻度は

1

α以上となることが予想される。

2.39

片側信頼区間

かたがわしんらいくかん 

one-sided confidence interval

推定したい母数

θに対して統計量

T (X

1

X

2

,

…,

X

n

)

を定め,

Pr (T

θ

)

[又は,

Pr (T

θ

)

]が

1

α以上と

なるように構成した

T

以上(又は

T

以下)の区間。

備考1.  1

αは,

1

より小さい正数である。

2.

片側信頼区間の限界

T

は確率変数であり,標本によって異なる値となる。

3.

標本を多数回サンプリングし,毎回片側信頼区間を求めれば,片側信頼区間が母数の真値

θ

を含む相対頻度は

1

α以上となることが予想される。

2.40

信頼率,信頼係数,信頼水準

しんらいりつ,りんらいけいすう,しんらいすいじゅん 

confidence coefficient, confidence level

両側または片側信頼区間,若しくは統計的許容区間に付随する確率の値

1

α。

2.41

信頼限界

しんらいげんかい 

confidence limit 

両側信頼区間の両端

T

1

T

2

,または片側信頼区間の端点

T

2.42

統計的許容区間

とうけいてききょようくかん 

statistical tolerance interval

与えられた信頼率で,母集団の定められた割合を含むと主張できる区間。

備考

区間の両端が統計量として定義されているとき,

両側統計的許容区間 (two-sided statistical 

tolerance interval) 

という。一方,片方の端点が無限大となっているか,又は確率変数の取り得

る限界値になっているとき,

片側統計的許容区間 (one-sided statistical tolerance interval) 

とい

う。

2.43

統計的許容限界

とうけいてききょようげんかい 


15

Z 8101-1 : 1999

statistical tolerance limits 

両側包含区間の上端と下端,または片側許容区間の端点。

備考  JIS Z 8101-2 の“1.12

  許容限界”と混同してはならない。

2.44

分布の適合度

ぶんぷのてきごうど 

goodness of fit of a distribution

経験分布(関数)と理論確率分布との合致の度合。このとき,理論分布のパラメータは観測値から推定

されることもある。

2.45

外れ値,異常値

はずれち,いじょうち 

outliers 

観測値の集合のうち,異なった母集団からのもの又は計測の過ちの結果である可能性を示す程度に,他

と著しくかけ離れた観測値。

2.46

(統計的)仮説

(とうけいてき)かせつ 

statistical hypothesis 

母数又は確率分布についての宣言。帰無仮説と対立仮説がある。

2.47

帰無仮説

きむかせつ 

null hypothesis 

“差がない”

“効果がない”というような形の仮説。ゼロ仮説ともいう。通常,

H

0

で表す。

2.48

対立仮説

たいりつかせつ 

alternative hypothesis

帰無仮説が成り立たないときの状態を記述する仮説。通常,

H

1

で表す。

備考

帰無仮説

H

0

は検定される宣言であり,対立仮説

H

1

は帰無仮説が棄却されたときに採択される

宣言である。

工程平均

µ

を現行の

µ0

より小さくすることを目的とした改善の効果を確認したいとき,仮説は

H

0

 :

µ=µ

0

H

1

 :

µ

µ

0

となる。このとき,対立仮説は積極的に検証したい仮説となる。

2.49

(統計的)検定

(とうけいてき)けんてい 

statistical test 

帰無仮説を棄却し対立仮説を支持するか,又は帰無仮説を棄却しないかを観測値に基づいて決めるため

の統計的手続き。その手続きは,帰無仮説が成立しているにもかかわらず棄却する確率が

α以下になるよ

うに決められる。この

αを有意水準という。

備考1.

帰無仮説を棄却するか否かの決定は,適切な検定統計量の値に基づいて行われる。

2.

有意水準

αで帰無仮説を棄却に導く統計的検定の結果を,有意水準αで

(統計的に)有意であ

 (significant) 

という。もし,帰無仮説が棄却されなければ,結果は有意ではない。統計的

に有意であることは,必ずしも物理的あるいは経済的な重要性があることを意味しない。

2.50

棄却域

ききゃくいき 

critical region 

帰無仮説が棄却される検定統計量の値の集合。

備考1.

棄却域は,帰無仮説が正しいとき,帰無仮説が棄却される確率が有意水準

α

より大きくなら

ないように決定される。

2.

棄却域の限界値を

棄却限界値 (critical value)

という。


16

Z 8101-1 : 1999

2.51

第 種の誤り

だいいっしゅのあやまり 

error of the first kind

帰無仮説が正しいとき,帰無仮説を棄却する誤り。

あわてものの誤り

ともいう。

備考1.

1

種の誤りの確率を

危険率

と呼んでもよい。

2.

有意水準

αの検定では,第

1

種の誤りの確率は,

α以下となる。

2.52

第 種の誤り

だいにしゅのあやまり 

error of the second kind

帰無仮説が正しくないとき,帰無仮説を棄却しない誤り。

ぼんやりものの誤り

ともいう。

備考

2

種の誤りの確率は,通常

βで表される。

2.53

有意水準

ゆういすいじゅん 

significance level (of a test) 

1

種の誤りの確率の上限値。

2.54

検出力

けんしゅつりょく 

power of a test 

帰無仮説が正しくないとき,帰無仮説を棄却する確率。すなわち,第

2

種の誤りをおかさない確率であ

り,通常

1

βで表される。

対立仮説の項

(2.48)

の例において,第

2

種の誤りは,

µ

µ

0

より小さいにもかかわらず,帰無仮説

を棄却しないことである。このような誤りの確率は

µ

の真の値に依存する。すなわち,

µ

µ

0

より

小さければ小さいほど検出力は

1

に近くなる。

2.55

検出力関数

けんしゅつりょくかんすう 

power function of a test

仮説があるパラメータで表現されているとき,パラメータの値によって検出力を与える関数。

備考

検出力関数をグラフ表現したものを

検出力曲線 (power curve)

という。

2.56

片側検定

かたがわけんてい 

one-sided test 

検定統計量が

1

次元であり,棄却域がある棄却限界値より小さい領域(又は大きい領域)となる検定。

2.57

両側検定

りょうがわけんてい 

two-sided test 

検定統計量が

1

次元であり,棄却域がある有限区間の両側となる検定。

2.58

分布によらない検定,ノンパラメトリック検定

ぶんぷによらないけんてい,のんぱらめとりっく

けんてい 

distribution-free test

検定統計量の帰無仮説の下での確率分布が観測値の従う確率分布に依存しない検定。

2.59

自由度

じゅうど 

degress of freedom

χ

2

分布,

F

分布,

t

分布などのパラメータ。

2.60

カイ二乗検定,

χ

2

検定

かいにじょうけんてい 

chi-squared test ; 

χ2test 

検定統計量が,帰無仮説の下で

χ

2

分布に従うことを仮定して行う統計的検定。

2.61

  t

検定,スチューデントの検定

てぃーけんてい,すちゅーでんとのけんてい 


17

Z 8101-1 : 1999

t-test ; Student’s test 

検定統計量が,帰無仮説の下で

t

分布に従うことを仮定して行う統計的検定。

2.62

  F

検定

えふけんてい 

F-test 

検定統計量が,帰無仮説の下で

F

分布に従うことを仮定して行う統計的検定。

2.63

繰返し

くりかえし 

repetition 

同一条件の下,同一母集団を対象とし,同一方法によって複数回の観測を行うこと。

2.64

反復

はんぷく 

replication

計画で取り上げた一揃いの実験又は調査を,複数回行うこと。

備考

反復は次の意味で繰返しと区別することが望ましい。すなわち,反復は,計画段階で決められ

た異なった場所または時間で値を求めることを意味する。

2.65

ランダム化,確率化

らんだむか,かくりつか 

randomization 

集会の要素をランダムな順序に並べる過程。母集団が

1

から

n

の自然数から成るとき,

n!

通りの順序が

等しい確率で選ばれるとき,その選ばれた順序はランダムな順序とよばれる。

備考

もし,これらの

n

個の数を

n

個の違った対象または

n

水準の処理に前もって対応させ,ランダ

ムに抽出した数の順序に並べれば,その順序はランダム化されたという。


18

Z 8101-1 : 1999

附属書 A(規定)  JIS Z 8101-1 で用いられる記号

適用範囲

この附属書は,この規格のこの部で用いられる記号について規定する。

E (X)

確率変数

X

の期待値。(場合によっては,

m

で期待値を表す。)

F

F

分布。確率変数と確率変数の特定の値や観測値の両方に用いる。

備考

必要ならば,以下の記号を用いる。

F

p

F

分布の

p

分位点。

F (

ν

1

,

ν

2

)

自由度

ν

1

ν

2

F

分布に従う確率変数。

F

p

 (

ν

1

,

ν

2

)

自由度

ν

1

ν

2

F

分布の

p

分位点。

k

級の数。

n

観測値の個数,サンプルサイズ,標本の大きさ。

P (A), Pr (A)

事象

A

の確率。

r

(標本)相関係数。

s

標本標準偏差。(

s

2

の備考を参照。)

s

2

 

標本分散。

備考

一般に,標本が採られた母集団の分散の推定量として,算術平均からの偏差の

2

乗和を

n

1

で割った量を表すために記号

s

2

が,また記号

s

はその量の平方根をあらわすために用いられる。

t

t

分布。確率変数と確率変数の特定の値や観測値の両方に用いる。

備考

必要ならば,以下の記号を用いる。

t

p

t

分布の

p

分位点。

t (

ν

)

自由度

νの

t

分布に従う確率変数。

t

p

 (

ν

)

自由度

νの

t

分布の

p

分位点。

wR

標本の範囲。

x

p

確率変数

X

p

分位点。

母平均。

標本平均。

α

検定の有意水準,第

1

種の誤りの確率。

β

2

種の誤りの確率。

θ

推定対象となるパラメータ。

µ

期待値。

ν

自由度。

σ

確率変数または確率分布の標準偏差。

σ

2

V (X)

確率変数または確率分布の分散。

χ

2

χ

2

分布。確率変数と確率変数の特定の値や観測値の両方に用いる。

備考

必要ならば,以下の記号を用いる。

χ

2p

χ

2

分布の

p

分位点。

χ

2

 (

ν

)

  自由度

νのχ

2

分布に従う確率変数。

χ

2p

 (

ν

)

自由度

νのχ

2

分布の

p

分位点。


19

Z 8101-1 : 1999

用語分科会  構成表

主査

石  田  保  士

東京芝浦電気株式会社

幹事

東      秀  彦

工業技術院標準部

委員

相  羽  弘  一

工業技術院標準部

石  川      馨

東京大学工学部

茅  野      健

電気通信省電気通信研究所

桑  原  善  一

電気通信省電気通信研究所

坂  元  平  八

神戸大学経済学部

園  部      進

日本電気株式会社玉川事業本部

田  口  玄  一

電気通信省電気通信研究所

中  岡  幸  男

早稲田大学工学部

松  島  康  夫

通商産業省機械局

事務局

白  崎  文  雄

日本規格協会

蒔  田  満  一

日本規格協会

上  山  忠  夫

日本規格協会

尾  上  清治郎

日本規格協会

品質管理用語専門委員会  構成表

委員長

石  田  保  士

東京芝浦電気株式会社

委員

石  川      馨

東京大学(サンプリング担当)

奥  津      晋

富士フイルム株式会社(実験計画担当)

金  岡  幸  二

東光電気株式会社(検査担当)

木  暮  正  夫

東京工業大学(一般担当)

小  柳  賢  一

日本科学技術連盟

園  部      進

日本電気株式会社

高  山  敏  夫

日本規格協会

田  口  玄  一

日本電信電話公社

田  中  輝  臣

工業技術院

古  川      光

早稲田大学

三  浦      新

三井化学工業株式会社(管理図担当)

三  浦  光  男

いすゞ自動車株式会社

森  口  繁  一

東京大学(数理担当)

山  内  二  郎

東京大学

事務局

東      秀  彦

工業技術院

松  川  安  一

工業技術院

加  島  良  一

工業技術院


20

Z 8101-1 : 1999

日本規格協会管理方式研究会 JIS Z 8101 改正原案作成委員会

委員長

三  浦      新

玉川大学工学部

委員

大  場  興  一

東京理科大学工学部

尾  関  和  夫

日本精工株式会社

岸      暁  男

武蔵工業大学

佐々木      脩

玉川大学工学部

廣  津  千  尋

東京大学工学部

藤  田      董

川崎製鉄株式会社

藤  森  利  美

東京理科大学工学部

宮  津      隆

日本鋼管株式会社

山  本  太  郎

日本電信電話公社

横  尾  恒  雄

東洋カーボン株式会社

鷲  尾  泰  俊

慶應義塾大学工学部

吉  枝  正  明

工業技術院標準部

事務局

川  村  正  信

日本規格協会

竹  下  正  生

日本規格協会

若  園  叔  邦

日本規格協会

日本工業標準調査会  基本部会  品質管理専門委員会

委員会長

朝  香  鐵  一

東京理科大学工学部

委員

石  川      馨

武蔵工業大学

奥  野  忠  一

東京大学工学部

尾  関  和  夫

日本精工株式会社

川  村  正  信

財団法人日本規格協会

木  暮  正  夫

玉川大学工学部

瀬  倉  久  男

防衛庁装備局

田  口  玄  一

青山学院大学理工学部

角  田  克  彦

日本電信電話公社検査部

中  村  晴  佳

日産自動車株式会社

林      俊  太

工業技術院標準部

東      秀  彦

財団法人日本規格協会

藤  田      董

川鐵コンティナー株式会社

藤  森  利  美

東京理科大学工学部

真  壁      肇

東京工業大学

升  山  義  久

日本国有鉄道資材局

三  浦      新

玉川大学工学部

宮  津      隆

日本鋼管株式会社

森      秀太郎

東京芝浦電気株式会社

森  口  繁  一

電気通信大学工学部

山  口  啓  一

新日本製鉄株式会社

山  本  太  郎

日本電気株式会社

横  尾  恒  雄

東洋カーボン株式会社

鷲  尾  泰  俊

慶應義塾大学理工学部

事務局

藤  田  富  男

工業技術院標準部材料規格課

津  金  秀  幸

工業技術院標準部材料規格課


21

Z 8101-1 : 1999

品質管理分野国際整合化分科会

(主査)

尾  島  善  一

東京理科大学理工学部

(委員)

青  木  茂  雄

財団法人日本科学技術連盟

今  井  秀  孝

工業技術院計量研究所

柿  田  和  俊

社団法人日本鉄鋼連盟

加  藤  洋  一

日本電信電話株式会社

門  山      允

東京国際大学

兼  子      毅

武蔵工業大学工学部

椿      広  計

筑波大学社会工学系

仁  科      健

名古屋工業大学工学部

野  澤  昌  弘

東京理科大学経営学部

三佐尾  武  雄

 QC

コンサルタント

宮  津      隆

帝京科学大学理工学部

山  田      秀

東京都立科学技術大学工学部

横  尾  恒  雄

 QC

コンサルタント

大  嶋  清  治

工業技術院標準部

(事務局)

竹  下  正  生

財団法人日本規格協会

安  田  順  子

財団法人日本規格協会

備考

  ○印は用語

JIS

原案作成

WG

の委員を兼ねる。

JIS Z 8101

“品質管理用語”改正原案委員会 WG 1

(主査)

廣  津  千  尋

東京大学工学部

(委員)

尾  島  善  一

東京理科大学理工学部

加  藤  洋  一

日本電信電話株式会社

椿      広  計

慶應義塾大学理工学部

仁  科      健

名古屋工業大学工学部

大  嶋  清  治

工業技術院標準部

(事務局)

竹  下  正  生

財団法人日本規格協会

小野寺      勉

財団法人日本規格協会

JIS Z 8101-3

原案作成委員会

(主査)

尾  島  善  一

東京理科大学理工学部

(委員)

飯  田  孝  久

慶應義塾大学理工学部

小  池  昌  義

工業技術院計量研究所

椿      広  計

筑波大学社会工学系

野  澤  昌  弘

東京理科大学経営学部

三  輪  哲  久

農業環境技術研究所

山  田      秀

東京理科大学工学部

浅  川  敏  郎

工業技術院標準部

(事務局)

橋  本      進

財団法人日本規格協会

安  田  順  子

財団法人日本規格協会