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Z 0217 : 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格であるこれによって JIS Z 0217 : 1994 は改正され,この規格に置き換えられる

今回の改正では,対応する国際規格との整合を図った。

JIS Z 0217

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)  包装−袋−落下試験−第 1 部:紙袋

附属書 1A(参考)  落下試験装置の例

附属書 1B(規定)  試験用に充てんした袋の表面の記号表示

附属書 1C(参考)  落下試験報告書の例


日本工業規格

JIS

 Z

0217

 : 1998

クラフト紙袋−落下試験方法

Kraft paper sacks

−Method of drop test

序文  この規格は,1984 年に第 1 版として発行された ISO 7965-1, Packaging−Sacks−Drop test−Part 1 :

Paper sacks

を元に,本体には,従来日本工業規格で規定していた試験方法を規定し,附属書には,これと

対応する国際規格を翻訳し技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。

規格本体では,附属書に対して主に次の規定内容を追加している。

①試料採取数,②状態調節の条件,③落下試験操作

なお,この規格の附属書で下線(点線)を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,内容物を充てんしたクラフト紙袋(以下,紙袋という。)の落下試験方法につ

いて規定する。

落下試験方法は,規格本体に規定する方法又は附属書に規定する方法のいずれかによる。

備考1.  この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 7965-1 : 1984 Packaging

−Sacks−Drop test−Part 1 : Paper sacks

2.

平成 12 年 3 月 31 日まで,試験のための状態調節の条件は 20±2℃, (65±5) %R.H を適用し

てもよい。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS P 0001

  紙・板紙及びパルプ用語

JIS Z 0102

  クラフト紙袋用語

3.

定義  この規格の中で用いる主な用語の定義は,JIS P 0001 及び JIS Z 0102 によるほか次による。

a)

落下高さ  落下する前の紙袋の最低部の位置から衝撃面までの最短距離。

4.

供試品

4.1

供試品の記号表示  供試品の記号表示は,次による。

紙袋の胴ばり部を下にして台上に置き,①を紙袋の表面,②を右側,③を裏面,④を左側,⑤を下端部,

⑥を上端部(開口部)とし,数字の記号を付ける(

図 参照)。


2

Z 0217 : 1998

図 1  供試品の記号表示方法

4.2

供試品の個数  供試品の個数は,同一落下姿勢について 3 個以上とする。

4.3

供試品の内容物  供試品の内容物は,実際に充てんされる内容物とする。

ただし,実際の内容物を用いることができない場合は,内容物に類似のものを用いてもよい。

4.4

供試晶の内容物の質量許容差  供試品の内容物の質量許容差は,あらかじめ定められた質量に対し

±0.2%とする。

5.

状態調節  供試品の状態調節は,試験に先立ち温度 23±1℃,相対湿度 (50±2) %によって,少なくと

も 24 時間この条件で状態調節を行わなければならない。

なお,この温湿度条件による状態調節ができない場合には,試験を実施した条件を記録する。

6.

試験装置  落下試験装置は,次の条件を備えていなければならない。

a)

落下高さは,水平落下の場合 1.2m を標準とし,落下高さを正確に,かつ,容易に調節できること。

b)

落下に当たり,供試品は損傷しないように保持され,容易に解放できること。

c)

試験装置の衝撃面は,水平で,平らであり,不動のための十分な大きさと重さがあり,変形しないた

めの十分な硬さをもっこと。

通常の環境において衝撃面は,次のものが望ましい。

1)

一体構造から成り,その質量は試験する一番重い袋の少なくとも 50 倍のもの。

2)

表面は平らで,その 2 点の水平差は 2mm 以下。

3)

表面は硬く,

表面の任意の場所で 100mm

2

の面積に 10kg のおもりをかけたときに,

その変形が 0.1mm

以下のもの。

4)

表面は広く,袋が完全に落下できる広さをもつもの。

動かす間に袋を損傷させないため,袋の下の衝撃面上にプラスチックフィルムを用いてもよい。

参考  落下試験装置の例を,図 に示す。


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Z 0217 : 1998

図 2  落下試験装置の例

7.

落下姿勢  紙袋の落下姿勢は,水平落下,垂直落下及び側面落下の 3 姿勢とし,その紙袋の対衝撃面

表 による。

なお,標準落下姿勢は水平落下とし,試験の目的によってその一部又は全部を行う。

表 1  紙袋の落下姿勢と対衝撃面

落下姿勢

対衝撃面

①  表面の対面落下

水平落下

③  裏面の対面落下

垂直落下

⑤  下端部の対面落下

②  右側の対面落下

側面落下

④  左側の対面落下

8.

操作

8.1

試験時の温湿度条件  状態調節を行った供試品は,原則として状態調節と同一条件において試験を

行う。ただし,この条件で試験ができない場合には,この条件の場所から取り出して 3 分以内に試験を開

始する。

8.2

落下高さ  落下高さは,試験の目的によって定める。

なお,落下高さに対する許容差は±2%とする。

8.3

落下手順  供試品は,あらかじめ定められた落下姿勢で,原則として同一高さ,同姿勢で破袋する

まで繰り返し落下させ,このときの落下回数及び破袋状況を記録する。

なお,落下する前の供試品の水平度は,その衝撃面が水平面に対し 2°以内とし,各落下姿勢における

供試品の対衝撃面は,次による。

a)

水平落下  供試品は表面①を下にして破袋するまで落下させ,次の供試品は裏面③を下にして同じく

落下させる。この操作を繰り返して行う。

b)

垂直落下  供試品は下端部⑤を下にして破袋するまで落下させる。

c)

側面落下  供試品は右側②を下にして破袋するまで落下させ,次の供試品は左側④を下にして同じく

落下させる。この操作を繰り返して行う。

参考1.  JIS Z 1505の参考(紙袋の落下強さ)では,“高さ1.2m から水平落下させ破袋に至るまでの繰


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Z 0217 : 1998

返し落下回数の平均値は10回以上が望ましい”としている。

2.

国連勧告の試験方法では,

“危険物輸送用紙袋は,供試品を 3 個とし,容器等級 II について

は高さ 1.2m から,また容器等級 III については高さ 0.8m から,まず水平落下を 1 回行い,続

いて同一供試品で垂直落下を 1 回行う。この方式で 3 個試験し 3 個とも重大な損傷又は内容

物の漏れがあってはならない”としている。

9.

試験報告  試験報告には,次の事項を記載する。

a)

試験年月日,採用した落下試験方法(規格本体によるのか,又は附属書によるのか)

,状態調節の温湿

度条件及び試験時の温湿度条件

b)

紙袋の種類

c)

内容物の明細及び供試品の総質量

d)

落下高さ及び落下姿勢

e)

供試品の衝撃面の記号,破袋までの落下回数及び破袋の状況

f)

試験目的によって試験前供試品に加えた条件がある場合にはその詳細

g)

その他必要とする事項


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Z 0217 : 1998

附属書 1(規定)  包装−袋−落下試験−第 部:紙袋

1.

適用範囲  この附属書は,充てんした紙袋の落下による垂直衝撃の試験方法について規定する。

なお,この附属書は,試験の操作及び試験結果の表し方を規定したもので,ISO 2248 を元に作成した規

格であるが,特に紙袋に関するものを規定している。

備考  この試験は,垂直落下の影響を単に調査するための試験としてでもよいし,垂直落下の危険を

含む物流システムに耐えるための袋の性能を測定するために計画した一連の試験の一環として

行ってもよい。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。発行年を付記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

ISO 2248

  Packaging−Complete, filled transport packages vertical impact test by dropping

ISO 6599-1

  Packaging−Sacks−Conditioning for testing−Part 1 : Paper sacks

ISO 7023

  Packaging−Sacks−Method of sampling empty sacks for testing

3.

原理  充てんした袋を,堅い平らな表面の上方にあげ,自由落下でこの表面に衝突するよう解放する

環境条件,落下高さ及び容器の位置はあらかじめ定めておく。

4.

装置  落下試験の装置は次による附属書 1A(参考)に例を示す。

4.1

昇降装置  持上げ及び解放中に袋に損傷を与えないような持上げ装置。

4.2

袋の保持手段  予定した位置(

1

)

での解放に先立って袋を保持する手段。

(

1

)

垂直落下において,上からのつり下げ方式と下から支える方式との違いは意味があるため,袋

の保持方法は,落下前に試験報告書に記入する。

4.3

解放機構  衝撃面  (4.4)  に衝突する前に,器具のどの部分にも当たらないような方式で袋を放せる

解放機構。

4.4

衝撃面  試験条件の下で,水平で,平らで,不動のための十分な大きさ,重さ及び変形しないため

の十分な硬さをもつ面。

備考1.  通常の環境において衝撃面は,次のものが望ましい。

2.

一体構造から成り,その質量は試験する一番重い袋の少なくとも 50 倍のもの。

3.

表面は平らで,その 2 点の水平差は 2mm 以下。

4.

表面は硬く,表面の任意の場所で 100mm

2

の面積に 10kg のおもりをかけたときに,その変形

が 0.1mm 以下のもの。

5.

表面は広く,袋が完全に落下できる広さをもつもの。

動かす間に袋を損傷させないために,袋の下の衝撃面上にプラスチックフィルムを用いてもよい。

5.

試料採取  試料採取は,ISO 7023 の手順に従う。


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Z 0217 : 1998

6.

状態調節  空袋は,所定の状態調節環境の一つを用いて,ISO 6599-1 の手順に従い状態調節する。

7.

手順  試験は,6.状態調節と同じ環境条件で実施する。もしそれができなければ,試験は状態調節環

境から袋を取り出して 3 分以内に開始する。

7.1

充てん  紙袋には,用途に見合った内容物を充てんする。もしそれができなければ,充てん度を同

じにするために,形状や粒の大きさなどを考慮した類似の材料を充てんする。

充てんする材料の質量は,内容物の充てん量の公称質量の±0.2%以内とする。

落下の前に装置の開閉板の上に袋を置く。

7.2

落下  試験する袋をプラットホームの中央に置き,次いでこのプラットホームを落下高さまで上昇

させる。

落下高さは,解放時の袋の一番低い点と衝撃面の一番近い点との間の距離であり,試験の落下高さは,

あらかじめ定めた落下高さの±2%以内とする。

袋は,次の許容差内であらかじめ定めた位置から解放落下させる。

a)

面又は稜落下  袋の衝撃面と水平面の角度が 2 度以下。

b)

端部又は角落下  あらかじめ定めた袋の表面と水平面との傾斜角は 45±5°。

c)

衝突時の速さ  自由落下の理論速度の±1%以内。

7.2.1

落下手順  充てんした紙袋の各表面の呼称は,附属書 1B(規定)による。

7.2.1.1

水平(平面)落下  最初の袋は,表側①を,破れるまで落下させ,2 番目の袋は裏側③を,同じ

く破れるまで落下させる。以下同様にして,袋は連続して表側①と裏側③を交互に落下させる。

7.2.1.2

側面落下  最初の袋は,右側②を,破れるまで落下させ,2 番目の袋は左側④を,破れるまで落

下させる。以下同様にして,袋は連続して右側②と左側④を交互に落下させる。

7.2.1.3

垂直(底面)落下  袋は,底⑤だけ破れるまで落下させる。

7.2.1.4

端部及び角落下  この試験の必要がある場合,袋の端部又は角を,破れるまで落下させる。

7.3

試験方法

7.3.1

落下高さ漸増方式  この方法は,紙袋の水平,側面及び垂直落下試験のために用いてもよい。

7.3.1.1

水平及び側面落下試験  落下高さ は,次の式による。

h

=0.85+ [(n−1)  ×0.15]

ここで, 0.85:

最初の落下高さ  (h

0

)

の値 (m)

n

落下回数

0.15

増加値  (

h) (m)

落下試験は,0.85m の落下高さ  (h

0

)

で開始し,袋に明らかな何らかの破損がなければ落下高さを 0.15m

ずつ増加する。袋は,内容物の漏れが発生したときに破損と判定する。この落下回数と最終落下高さを記

録する。

試験結果は,平均破袋高さ  (h)  とそれに相当する落下回数  (n)  として記録する。

7.3.1.2

垂直落下試験  落下高さ は,次の式による

h

=0.30+ [(n−1)  ×0.05]

ここで, 0.30:

最初の落下高さ  (h

0

) (m)

n

落下回数

0.05

増加値  (

h) (m)

試験結果は,7.3.1.1 によって報告する。

備考  複合材料から成る袋,又はある種の補強をした袋の場合には,適切な最初の落下高さ  (h

0

)

は,

増加値  (

h)  が最初の高さの約 1/6 で,かつ,0.15mm 単位に丸めた値となるように選択しても


7

Z 0217 : 1998

よい。

7.3.2

落下高さ一定方式  この方式は,落下高さ漸増方式の代わりとして,通常の紙袋の試験のために用

いてもよい。

7.3.2.1

水平,側面又は垂直落下試験  この試験は,水平,側面又は垂直落下のいずれに用いてもよい。

試験は,破袋する前の落下回数が 10 回程度となるように選択した一定の高さから行う。袋は,内容物の漏

れが発生したときに破損とする。

報告は,落下高さ,破損までの落下回数及び落下の形式(例えば,水平,側面又は垂直落下)について

行う。

参考  この試験方法は,危険物輸送(最大容量 50kg)用紙袋を試験するときに特に適用される UN(

1

)

と IMDG Code(

2

)

の勧告によって,試験は 3 袋採取し試験する。UN の勧告では,中間の危険度

を表す内容物を運搬するための紙袋(容器等級 II)は落下高さ 1.2m から,これより低い危険度

を表すもの(容器等級 III)は,0.8m から落下する。

充てんした紙袋は,あらかじめ定められた高さから表面を 1 回落下し,次いで底を 1 回落下

させる。この試験で,いずれの袋についても明らかな破損や内容物の漏れがあってはならない。

(

1

)

危険物の輸送−国連危険物輸送専門家委員会及び国連経済社会理事会が作成した勧告。

(

2

)

国際海事機関(IMO,以前は IMCO)による国際海上危険物規程。

7.3.3

限界高さ方式  この試験方法は,通常の紙袋より強い強度をもつ紙袋の試験に用いる。

7.3.3.1

水平,側面又は垂直落下試験  試験は,水平,側面又は垂直落下として行ってもよい。この試験

では,最初の落下で袋の破れが起こる最低の落下高さの推定値を試験結果から求める。

袋は,平均の落下回数  ( )  が大体 3 回,8 回及び 13 回になるような三つの一定高さから落下させる。

限界高さ は,次式によって計算する。

n

=  (H/h)

a

ここで,

n

:  平均落下回数

H

:  限界高さ (m)

h

:  落下高さ (m)

a

:  袋の等級による定数

H

は,同じく,

附属書 図 に示したように対数−対数グラフ用紙に落下高さ に対して平均落下回数 n

をプロットしてグラフ化する方法で求めてもよい。

試験結果は,用いられた落下高さ,各高さにおける破れるまでの落下回数及び落下の姿勢(すなわち,

水平,側面又は垂直)について報告する。


8

Z 0217 : 1998

附属書 図 1  限界高さ のグラフによる算出方法

8.

試験報告  試験報告は,採用した落下試験方法(規格本体による方法か.又は附属書による方法か),

試験したすべての袋の詳細な寸法,構造及び種類,内容物の種類及び質量並びに封かんの形式についての

情報も併せ報告する。

すべての結果を報告し,その結果には破損の位置と形の詳細を含む。

この目的のために用いる報告書の様式の例を

附属書 1C(参考)に示す。


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Z 0217 : 1998

附属書 1A(参考)  落下試験装置の例

附属書 1A 図 1

水平及び側面落下に適した装置の例

附属書 1A 図 2  垂直落下に適した装置の例


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Z 0217 : 1998

附属書 1B(規定)  試験用に充てんした袋の表面の記号表示

附属書 1B 図 1  表面の記号表示 

袋は,

附属書 1B 図 のように,裏側③(すなわち,縦のはり合せを含む側)を下にし,そのトップ⑥

(すなわち,充てん側)を観察者から遠い位置にくるように置く。それぞれの異なる面は,次のように区

別する。

面 1:表側

面 2:右側

面 3:裏側(縦のはり合せ)

面 4:左側

面 5:底

面 6:上面(充てん端)


11

Z 0217 : 1998

附属書 1C(参考)  落下試験報告書の例


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Z 0217 : 1998

袋の詳細 

関連規格  JIS Z 0202  包装貨物−落下試験方法

JIS Z 1505

  クラフト紙袋−セメント用

JIS Z 1509

  クラフト紙袋−ばれいしょでんぷん用


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Z 0217 : 1998

JIS Z 0217

(クラフト紙袋−落下試験方法)改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

牧          廣

拓殖大学名誉教授

(委員)

生  田  章  一

通商産業省生活産業局

羽  場      雍

食糧庁管理部

宮  崎  正  浩

工業技術院標準部

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会

阿  部      要

社団法人日本包装技術協会

多田羅      豊

財団法人日本舶用品検定協会

寄  田  邦  明

全国農業協同組合連合会

西  下      充

ホクレン農業協同組合連合会

吉  田      豊

社団法人セメント協会

大  石  公  雄

日清製粉株式会社

清  都  崇  史

日本製粉株式会社

佐  藤  邦  弘

日本化学工業株式会社

上  床  恒  弘

王子製紙株式会社

久  保  正  典

中越パルプ工業株式会社

齊  藤  秋  雄

昭和パックス株式会社

東  島  三悦郎

王子製袋株式会社

有  田  孝  彦

サンミック千代田株式会社

中  村  和  成

佐藤産業株式会社

(事務局)

石  井  正  行

全国クラフト紙袋工業組合