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日本工業規格

JIS

 Z

0208

-1976

防湿包装材料の透湿度試験方法

(カップ法)

Testing Methods for Determination of the Water Vapour Transmission

Rate of Moisture

−Proof Packaging Materials (Dish Method)

1.

適用範囲  この規格は,プラスチックフィルム,加工紙など,防湿を目的とする包装材料の透湿度を

試験するため透湿カップを使用する方法について規定する。

引用規格: 

JIS K 8123

  塩化カルシウム(無水)

(試薬)

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8801

  標準ふるい

2.

定義  透湿度とは,一定時間に単位面積の膜状物質を通過する水蒸気の量をいい,この規格では,温

度 25℃又は 40℃において防湿包装材料を境界面とし,一方の側の空気を相対湿度 90%,他の側の空気を

吸湿剤によって乾燥状態に保ったとき,24 時間にこの境界面を通過する水蒸気の質量 (g) を,その材料

1m

2

当たりに換算した値をその材料の透湿度と定める。

なお,透湿度に対する温度及び湿度の影響は単純ではないので,この規格で規定した試験条件と異なる

温湿度条件下における測定値から推定したものは,この規格でいう透湿度と見なすことはできない。

3.

装  置

3.1

透湿カップ  透湿カップ(以下カップという。)は,次の条件を満たすものでなければならない。

なお,カップ及び附属品の一例を

付図にする。

(1)

透湿面積は 25cm

2

以上とし,その透湿面積を明確に規定できるようなものであること。透湿面積はリ

ングの内径から計算する。

(2)

材質は水蒸気が不透過性のものであって,かつ試験条件において腐食などを生じないものであること。

(3)

操作中に変形しないような十分な剛性を持つものであること。

(4)

試験片の周縁の密封は完全にできるものであること。


2

Z 0208-1976

付図  透湿カップと附属品の一例 

番  号

名  称

備      考

1

リ  ン  グ

アルミニウム材,陽極酸化蒸気処理を施したものなど。

2

さ      ら

ガラス製などで軽量なもの。

3

カ  ッ  プ

アルミニウム材,陽極酸化蒸気処理を施したものなど。

4

ガ  イ  ド

黄銅鋳物製など。

5

カップ台

黄銅鋳物製など。

6

お  も  り

黄銅鋳物製など質量約 500g。

3.2

    ー  カバーの使用を必要とする場合〔6.(10)参照〕は,組み立てたカツプの試験片面を完全

におおうことのできるもので,その材質はカップと同一のものであることが望ましい。

3.3

恒温恒湿装置  規定の温湿度に保たれた空気が試験片上を 0.5∼2.5m/s の速度で循環できる装置であ

ること。

試験を行う温湿度条件は次のとおりとする。

条件 A  温度 25±0.5℃

相対湿度 90±2%

条件 B  温度 40±0.5℃

相対湿度 90±2%


3

Z 0208-1976

3.4

化学はかり  カップの質量を 0.1mg までひょう量できるものであること。

4.

用  剤

4.1

  湿  剤  JIS K 8123〔塩化カルシウム(無水)〕で,粒度は JIS Z 8801(標準ふるい)の呼び寸法

2380

µm を通過し,590µm にとどまるものを用いること。

4.2

封ろう剤  封ろう剤は,次の条件を満たすものを用いること。

なお,充てん剤及び不溶性固形分を含まないことが望ましい。

(1)

試験片及びカップの内縁から容易にはく離せず,封かん操作が容易であること。

(2)

室温で,もろくなく,吸水,吸湿性がなく,酸化の恐れのないもの。

(3)

封ろう剤は温湿度条件 B のもとに露出して,軟化変形がなく,その露出表面積が 50cm

2

の場合,24 時

間で 1mg 以上質量変化のないことが必要である。

  考  封ろう剤の配合(質量比)の一例を示すと次のようなものがある。

(a)

微結晶ワックス 60%と精製結晶パラフィンワックス 40%

(b)

融点 50∼52℃パラフィンワックス 80%と粘性ポリイソブチレン(重合度の低いもの)20%

(c)

融点 60∼75℃で油分 1.5∼3%のワックス類の混合物

5.

    片  試験片はその試料を代表するよう十分注意をはらって採り,使用するカップの内径より約

10mm

大きい直径をもつ円形のもので,同一試料からは 3 枚以上の試験片を切り取って試験に供する。

供試材の表裏の区別が明りょうである場合には,試験片をカップに取りつける際,その材料の用途に応

じて試験片の面の向きを一定にすることができる。両面について測定を行うときは,それぞれの面につい

て 3 枚以上の試験片を準備する。

6.

操  作  付図に示したカップを使用する場合には,次のような操作で試験片をカップに取り付けて試

験を行う。

なお,他のカップを使用する場合はこの要領に準じて試験操作を行う。

(1)

カップを清浄にし乾燥したのち約 30∼40℃まで温める。

(2)

吸湿剤を入れたさらをカップに入れて水平に保ったカップ台にのせる。このとき吸湿剤の表面はでき

るだけ平らにして,試験片の下面との距離が約 3mm となるようにする。

(3)

試験片をカップと同心円になるような位置にのせる。

(4)

ガイドをカップ台のみぞに合わせてかぶせる。

(5)

ガイドに合わせて試験片がカップの上縁に密着するまでリングを付図のように押し込み,その上にお

もりをのせる。

(6)

リングが移動しないように注意してガイドを垂直に引き上げて取り除く。

(7)

カップを水平に回転しながら,溶融した封ろう剤(

1

)

をカップの周縁のみぞに流し込み試験片の縁を封

かんする。この際,き裂,あわなどの発生がないように注意する。

(8)

封ろう剤が固化してからおもり及びカップ台を取り除き,封かん部分以外に付着した封ろう剤(カッ

プの側面及び底面など)は適当な溶剤をしみ込ませた布により清浄して取り除き試験体とする。

(9)

試験体を所定の試験条件に保った恒温恒湿装置中に入れる。

(10) 16

時間以上試験体を恒温恒湿装置中に置いたのち取り出して室温と平衡させ,化学はかりでその質量

を測定する。


4

Z 0208-1976

試験片の外側に向いた面が吸湿性の大きい材料である場合には,試験体を恒温恒湿装置から取り出

したのち,直ちにカバーをして水分の変動をできるだけ少なくすること(

2

)

(11)

試験体を再び恒温恒湿装置中に入れ,適当な時間間隔でカップを取り出してひょう量する操作を繰り

返してカップの質量増加を測定する。このとき二つの連続するひょう量でそれぞれ単位時間当たりの

質量増加を求め,それが 5%以内で一定になるまで試験を続ける。

ひょう量の間隔は,24 時間,48 時間又は 96 時間とし,その質量増加は少なくとも 5mg 以上である

こと。

またカップに入れた吸湿剤が,その質量に対して 10%の吸湿をする以前に試験を終了する必要があ

る。

(12)

試料の透湿度が小さい場合,又は試料に吸湿性がある場合には,二つ以上のブランクカップを,吸湿

剤を入れないで同じ操作で作製し,これを試験体に加えて同様に試験を行い,各時間間隔の試験体の

質量増加を,ブランクカップの質量の変化の平均値で補正することが望ましい。

(

1

)

溶融した封ろう剤の温度は試験片の透湿面積に相当する部分が溶融したり,収縮したりするよ

うな測定に支障をきたさない温度であることが必要である。

(

2

)

紙,板紙,セロハンなどの材料を含む試験片で,これらの材料がほかに向けられた場合にはカ

バーの使用が必要である。

7.

算  出  透湿度は次の式によって各試験体について算出し,JIS Z 8401(数値の丸め方)によって有

効数字 2 けたに丸める。

s

t

m

h

m

g

透明度

×

240

)

24

/

(

2

ここに

s

:  透湿面積 (cm

2

)

t

:  試験を行った最後の二つのひょう量間隔の時間の合計 (h)

m

:  試験を行った最後の二つのひょう量間隔の増加質量の合計

(mg)

8.

報  告

  試験結果は,

JIS Z 0208

による透湿度 (g/m

2

・24h)  として,その平均値,最小値及び最大値と

測定個数,並びに使用したふん囲気の温湿度条件(A・B の区分)を報告し,特に次の事項があればその詳

細を付記する。

(1)

カップに取りつけた際の試験片の向きの区別。

(2)

試験片をあらかじめ前処理又は前処置して試験した場合。