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日本工業規格

JIS

 Z

0103

-1996

防せい防食用語

Glossary of terms used in rust and corrosion preventive technology

1.

適用範囲  この規格は,金属の防せい防食技術工業において用いられる主な用語と,その読み方及び

定義について規定する。

なお,参考のために対応英語を示す。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS H 0530

  復水器用銅合金管分極抵抗測定方法

JIS K 2246

  さび止め油

JIS Z 1902

  ペトロラタム系防食テープ

2.

分類  用語は,次のとおり分類する。

(1)

一般

(2)

清浄方法

(3)

材料

(4)

処理方法

(5)

試験

3.

用語  用語は,次のとおりとする。

(1)

一般

番号

用語

定義

対応英語(参考)

1001 

腐食

金属がそれをとり囲む環境物質によって,化
学的又は電気化学的に侵食されるか若しくは

材質的に劣化する現象。

corrosion

1002 

さび

普通には,鉄表面に生成する水酸化物又は酸

化物を主体とする化合物。広義には,金属表
面にできる腐食生成物をいう。腐食生成物の
項参照。

rust

1003 

耐食性

金属が腐食に耐える性質。 corrosion

resistance

1004 

防食

金属が腐食するのを防止すること。 corrosion

prevention,

corrosion protection

1005 

防せい(錆)

金属にさびが発生するのを防止すること。 rust

prevention

1006 

さび止め

防せいと同義語。 rust

prevention

1007 

一時防せい

作業工程,保管,輸送中などにおける短期間
の防せい。

temporary rust prevention

1008 

アノード

電流が電極から電解質に向かって流れ,酸化
反応が行われる電極。陽極ともいう。

anode


2

Z 0103-1996

番号

用語

定義

対応英語(参考)

1009 

カソード

電流が電解質から電極に向かって流れ,還元
反応が行われる電極。陰極ともいう。

cathode

1010 

標準電位列

金属の標準電極電位を,その大きさの順に並
べ,金属のイオン化傾向及び一部の非金属元
素の電気化学的酸化反応傾向の大きさの順を

示した列。電気化学列ともいう。

electromotive force series

1011 

腐食電位

腐食している金属の照合電極に対する電位。
自然状態における腐食電位を自然電位ともい

う。それを大きさの順に並べたものを腐食電
位列という。

corrosion potential

1012 

防食電位

電気防食において,腐食を停止させるために
必要な電位の値。

protective potential

1013 

防食電流密度

金属の電位を防食電位に維持するために要す

る単位面積当たりの電流。

protective current density

1014 

分極

金属と電解質溶液との間に出入りする電流に

よって金属の電位に変化が生じる現象。

polarization

1015 

分極抵抗

分極における電位の変化分を電流の変化分で
除した値。JIS H 0530 参照。

polarization resistance

1016 

照合電極

電極電位の一定した電極で,金属の電位はこ
の極の電位との電位差で表す。水素電極,カ

ロメル電極,塩化銀電極,硫酸銅電極などが
ある。 
  基準電極ともいう。

reference electrode

1017 

局部電池

金属側又は環境側の不均一性が原因となっ
て,金属表面に局部的に形成された腐食電池。

local cell

1018 

マクロ腐食電池

アノードとカソードがはっきりと区別できる
程度の大きさをもち,その位置が固定されて
いる腐食電池をいい,異種金属接触電池,通

気差電池などがこれに属する。

macro-galvanic cell

1019 

通気差腐食

溶存酸素濃度の差異によって生じた電池によ
る腐食。

differential aeration corrosion

1020 

活性態

金属が環境物質と自由に反応して溶解する状
態。

active state

1021 

不活性態

ある金属の電位を十分に卑にした場合,腐食
が起こらない状態。

immunity,

inactive state

1022 

不動態

標準電位列で卑な金属であるにもかかわら
ず,電気化学的に貴な金属であるような挙動
を示す状態。

passive state

1023 

湿食

液体状の水が存在するために起こる金属の腐
食。

wet corrosion

1024 

乾食

液体状の水の作用を受けることなく,腐食性
の気体と反応して生じる金属の腐食。

dry corrosion

1025 

腐食度

ある期間に生じた単位面積当たりの腐食量を

その期間で除して求められる値。

corrosion rate

1026 

腐食しろ

金属製品が,使用中の腐食によって失われる

ことをあらかじめ想定して,その分だけ増し
ておく厚さ。

corrosion margin

1027 

大気腐食

大気中で起きる金属の腐食。 atmospheric

corrosion

1028 

土壌腐食

土壌中で起きる金属の腐食。 soil

corrosion

1029 

均一腐食

金属表面にほぼ均一に生じる腐食。全面腐食

uniform corrosion


3

Z 0103-1996

番号

用語

定義

対応英語(参考)

ともいう。

1030 

局部腐食

金属表面の腐食が均一でなく,局部的に集中

して生じる腐食。

local corrosion

1031 

孔食

金属内部に向かって孔状に進行する局部腐
食。

pitting corrosion

1032 

脱成分腐食

特定の合金成分が選択的に溶解する腐食。黄
銅 か ら 亜 鉛 が 溶 解 す る 場 合 を 脱 亜 鉛 腐 食

(dezincification)

という。

dealloying

1033 

すき間腐食

金属間又は金属と他の材料との間にすき間が
存在する場合,すき間の内外においてイオン,

酸素などの濃淡電池が構成されて生じる腐
食。

crevice corrosion

1034 

濃淡電池腐食

金属表面に接触する水溶液中のイオンや溶存
酸素の濃度が局部的に異なるために生じた電
池による腐食。

concentration cell corrosion

1035 

異種金属接触腐食

異種金属が直接接続されて,両者間に電池が
構成されたときに生じる腐食。 
  ガルバニック腐食ともいう。

bimetallic corrosion,

galvanic corrosion

1036 

糸状腐食 
(いとじょうふしょく)

主に塗料又は油脂などで被覆した金属表面
に,糸状に進行する腐食。

filiform corrosion

1037 

微生物腐食

土中又は水中に生息する微生物によって促進
される腐食。

microbiologically induced

corrosion (MIC)

1038 

迷走電流腐食

正規の回路以外のところを流れる電流によっ
て生じる腐食。

stray current corrosion

1039 

フレッティング腐食

空気中で金属とそれに接触する金属又は他の

物質との接触面で微小滑りが繰り返し起こる
とき,金属表面に生じる腐食。さっ(擦)過
腐食ともいう。

fretting corrosion

1040 

粒界腐食

金属材料の結晶粒界に選択的に生じる腐食。

intergranular corrosion

1041 

電食

迷走電流腐食と同義語。

stray current corrosion

1042 

応力腐食割れ

腐食と引張応力との相乗作用によって金属材
料に割れを生じる現象。

stress corrosion cracking

1043 

腐食疲労

腐食と繰返し応力との相乗作用によって,金
属材料が疲労して劣化する現象。

corrosion fatigue

1044 

エロージョン・コロー
ジョン

流動する水,土砂などの環境物質の摩耗作用
と腐食作用の相乗作用によって金属に生じる
損耗。

erosion-corrosion

1045 

キャビテーション損傷

金属表面でこれに接触する液体の圧力の繰返
し変動によって気泡の発生,崩壊が起こるこ
とによって金属に生じる損傷。

cavitation damage

1046 

水素ぜい(脆)化

腐食,酸洗い,電解,溶接などによって生じ
た水素が金属中に吸蔵されて,材質がもろく

なる現象。 
  遅れ破壊ともいう。

hydrogen embrittlement

1047 

水素侵食

高温・高圧の水素に接する金属材料に水素が

侵入して機械的性質が劣化する現象。

hydrogen attack

1048 

アルカリぜい化

か性アルカリの存在下で生じる鉄鋼などの応

力腐食割れ。

caustic embrittlement


4

Z 0103-1996

番号

用語

定義

対応英語(参考)

1049 

腐食生成物

腐食によって生成した物質。通常は固体物質
を指し,金属表面に付着するか又は環境中に
分散して存在する。

corrosion product

1050 

さびこぶ

鉄鋼の表面に生じるこぶ状の腐食生成物。 tubercle

1051 

ミルスケール

鋼材の製造過程において高温に加熱されると

き,空気中の酸素と反応して生成し付着して
いる酸化物皮膜。

mill scale

1052 

緑青 
(ろくしょう)

銅又は銅合金上に生じる緑色の腐食生成物。

patina

1053 

油焼け

油を塗布した金属表面に,比較的広い面積で

しみ状の油じみ又はオイルステインと呼ばれ
る変色部分が発生する現象及び変色部分の状
態。

oil staining

1054 

白亜化 
(はくあか)

塗膜の劣化の一種。塗膜表面が粉末状になる
現象。

chalking

1055 

ふくれ

金属中又は皮膜下にガス,液体又は腐食生成
物が蓄積して,局部的にふくれる現象。

blister

1056 

ピンホール

皮膜を貫いて,素地や下地まで達している微
細孔。

pinhole

1057 

人工海水

海水とほぼ同じ化学組成に,人工的に調製し

た塩類水溶液。

artificial seawater

1058 

露点

水蒸気を含む空気やガスを冷却するとき,そ

の水蒸気圧が飽和水蒸気圧と等しくなる温
度。この温度以下になると水蒸気は液化する。

dewpoint

1059 

結露

露点以下の温度で水蒸気が凝縮すること。 dew

formation

(2)

清浄方法

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2001 

清浄

金属表面の汚れを,必要な程度にまで除去し
た状態,若しくはそのような状態にすること。

cleaning

2002 

洗浄

液体で洗って金属の表面から油脂その他の汚
れを除去すること。

cleaning

2003 

脱脂

金属表面に付着している油脂性の汚れを除去

して清浄にすること。

degreasing

2004 

化学的洗浄

金属表面に化学薬品を使用して清浄にするこ

と。

chemical cleaning

2005 

機械的清浄

金属表面に生じたさびなどを,ブラスト,バ
レル研磨,グラインダー研磨などの機械的方

法で除去すること。

mechanical cleaning

2006 

石油系溶剤洗浄

金属表面に石油系溶剤を用いて清浄にするこ

と。

petroleum solvent cleaning

2007 

布ぶき清浄

金属表面の汚れを,溶剤を含ませたきれいな
布でふいて清浄にすること。

solvent wiping cleaning

2008 

ブラシ掛け洗浄

金属表面を,溶剤又は脱脂剤液中に浸しなが
らブラシでこすって清浄にすること。

brush cleaning

2009 

二段階洗浄

金属表面に付着している油脂類の汚れを,溶
剤を用いて清浄にする場合に,第一洗浄槽で
下洗いし,次いで第二洗浄槽で仕上げ洗いを

すること。

two stage cleaning

2010 

汗・指紋除去清浄

金属製品を,指紋除去形さび止め油又はメタ

perspiration and finger print


5

Z 0103-1996

番号

用語

定義

対応英語(参考)

ノールなどの指紋除去剤中に浸せきするか,
それらをしみ込ませたきれいな布でふき取っ
て清浄にすること。

removal

2011 

乳剤洗浄

金属製品の汚れを,乳剤クリーナー中に浸す
か,又は乳剤クリーナーを吹き付けて清浄に

すること。

emulsion cleaning

2012 

スプレー洗浄

金属表面に清浄剤を吹き付けて清浄にするこ
と。

spray cleaning

2013 

アルカリ洗浄

金属製品を,アルカリ脱脂剤を加えた水溶液
中に浸すか,又は同水溶液を吹き付けて清浄

にすること。

alkali cleaning

2014 

りん酸洗浄

酸洗い又は酸浸せきの一種で,金属製品をり
ん酸水溶液で清浄にすること。

phosphoric acid cleaning

2015 

蒸気清浄

金属製品に,熱水蒸気又は清浄剤を加えた熱
水蒸気を吹き付けて清浄にすること。

steam cleaning

2016 

蒸気脱脂

安定剤を含むハロゲン化炭化水素系溶剤の蒸
気雰囲気中にさらし,凝縮させて,金属製品
の表面に付着している油脂類を除去して清浄

にすること。

vapor degreasing

2017 

電解洗浄

清浄液中で,金属製品を電極として電解し,

清浄力を高めて清浄にすること。製品をアノ
ードにした場合をアノード洗浄,カソードに
した場合をカソード洗浄といい,カソード洗

浄とアノード洗浄を交互に繰り返して行う方
法を PR 電解洗浄という。

electrolytic cleaning

2018 

超音波洗浄

金属製品を清浄にする場合に,液中で超音波

によって起こるキャビテーション現象を応用
し,清浄力を高めて清浄にすること。清浄液
としてはハロゲン化炭化水素系溶剤,石油系

溶剤,アルカリ脱脂水溶液,乳剤クリーナー
などを用いる。

ultrasonic cleaning

2019 

塩浴清浄

水酸化ナトリウムなどに酸化剤を添加した溶
融塩浴中に金属製品を浸し,強固なさび,ス
ケールを除去して清浄にすること。特に熱処

理を併用する目的に用いる。

salt bath cleaning

2020 

火炎清浄

金属製品の表面に高温の火炎を吹き付け,ミ
ルスケール,さびなどを浮き上がらせた後,

ワイヤーブラシでこすって表面を清浄にする
こと。

flame cleaning

2021 

デスケーリング

金属表面のスケールを,機械的又は化学的な
方法によって除去すること。

descaling

2022 

酸洗い

金属製品のミルスケール又は厚いさび層を除

去するため,比較的長い時間,酸水溶液中に
浸して清浄にすること。

acid pickling

2023 

酸浸せき

金属製品を,酸の水溶液に短時間浸して軽度
のさびを除去すること。

acid dipping

2024 

ブラスト処理

金属製品に防せい防食を目的として塗料など

を被覆する場合に,素地調整のために行われ
る。研削材に大きな運動エネルギーを与えて
金属表面に衝突させ,金属表面を細かく切削

blasting


6

Z 0103-1996

番号

用語

定義

対応英語(参考)

及び打撃することによってさび,スケールな
どの付着物を除去して金属表面を清浄化又は
粗面化させる方法。

2025 

液体ホーニング

微粒の研磨材を加えた水又はそれに腐食抑制
剤を加えたものを金属表面に吹き付けて清浄

にすると同時に,均一ななし地面仕上げをす
ること。

liquid honing

2026 

バレル研磨

鋳造品,鍛造品又は打抜品などの小形の製品

や半製品を,研磨助剤やけい砂などの研磨材
といっしょに容器に満たして回転又は振動
し,プレスや鋳造のばり,鍛造のスケールな

どを除去して清浄にすること。回転研磨又は
タンブリングともいう。

barrel polishing

(3)

材料

番号

用語

定義

対応英語(参考)

3001 

脱脂剤

脱脂に用いる薬品をいい,一般には有機溶剤,

アルカリ性脱脂剤,乳剤クリーナー又は酸性
脱脂剤を使用する。クリーナーともいう。

degreasing agent

3002 

乳剤クリーナー

石油系溶剤と水を,乳化剤で乳化して作った
脱脂剤。

emulsion cleaner

3003 

乳化性溶剤

石油系溶剤に乳化剤を加えたもの。金属の清

浄の際に,まずこの液に浸し,次いで,水に
浸してすすぐか,又は水を吹き付ける。

emulsifying solvent

3004 

腐食抑制剤

金属のさび又は腐食を抑制する性質をもった
薬剤の総称。インヒビター,防食剤ともいう。

corrosion inhibitor

3005 

酸洗い抑制剤

酸洗いをして金属面のさび層やスケールを除

去するとき,酸による素地の溶解を抑制する
ために酸洗い液中に添加する物質。

acid pickling inhibitor

3006 

さび止め油

腐食抑制剤を,主として石油系基剤に添加し
たもので,金属の大気腐食の一時的防止を主
目的として用いるもの。JIS K 2246 参照。

  防せい油ともいう。

rust preventive oil

3007 

溶剤希釈形さび止め油

腐食抑制剤を含む不揮発成分を有機溶剤に溶
解又は分散させた油。金属表面に塗り付けた

後,溶剤が揮発してさび止め皮膜を形成する。
硬質膜,軟質膜,水置換性軟質膜などの種類
がある。

solvent cutback type rust

preventive oil

3008 

ぺトロラタム形さび止
め油

常温で半固状のペトロラタムなどを基剤とす
るさび止め油。

petrolatum type rust preventive oil

3009 

ぺトロラタム系防食テ
ープ

鉄鋼の防食に用いるペトロラタムを含浸させ
た防食テープ。JIS Z 1902 参照。

petrolatum tapes for corrosion

protection

3010 

潤滑油形さび止め油

石油の潤滑油留分を基剤とする油状のさび止
め油。

lubricating oil type rust preventive

oil

3011 

指紋除去形さび止め油

金属表面に付着している指紋を除去する性能

をもつさび止め油。

finger print remover type rust

preventive oil

3012 

さび止めグリース

腐食抑制剤を添加した潤滑グリース。

rust preventive grease

3013 

気化性さび止め剤

常温で気化する性質をもつ金属の腐食抑制
剤。 
  気化性防せい剤ともいう。

volatile corrosion inhibitor (VCI)

3014 

気化性さび止め紙

気化性さび止め剤を塗布又は含浸した包装

VCI treated paper


7

Z 0103-1996

番号

用語

定義

対応英語(参考)

紙。

3015 

気化性さび止め油

気化性さび止め剤を含むさび止め油。 VCI

oil

3016 

可はく性プラスチック

さび止め又は機械的損傷防止のために,製品
の表面に皮膜を形成させ,必要に応じて簡単
にはぎ取ることができるプラスチック。

strippable plastics

3017 

防湿材

防湿包装に用いる透湿度の低い包装材料。 moisture-proof

material

3018 

防水材

防水包装に用いる包装材料で,一般には比較

的水蒸気の透過は大きいが,液状の水は透過
しにくいような材料。

water-proof material

3019 

耐油性バリヤー材

さび止め油を塗布した金属製品の上包みに用
いる柔軟で腐食性のない耐油性の包装材料。

grease-proof barrier material

3020 

乾燥剤

さび止めの目的で,包装内部の湿度を低下さ

せるために用いる薬剤。

desiccant

3021 

湿度指示剤

防湿包装内の湿度の多少を変色によって検知

する塩化コバルトなどの薬剤。

humidity indicator

3022 

プライマー

塗料を塗り重ねて塗膜層を作るとき,耐食性
と付着性とを増すため素地に直接塗る塗料。

primer

3023 

エッチングプライマー

成分の一部が素地の金属と反応して化学的生
成物を作り,素地に対する塗膜の付着性を増

すことを目的としたプライマー。

etching primer

3024 

さび止め顔料

金属にさびが発生するのを防止する機能をも
つ塗料用顔料。

rust preventive pigment,

rust inhibitive pigment

3025 

さび止めペイント

鉄鋼のさび止め塗装に用いる塗料。さび止め
顔料と塗膜形成要素との相互作用で,さび止

め効果を現すものと,塗膜形成要素自体のさ
び止め効果によるものとがある。

rust resisting paint,

anticorrosive paint

3026 

重防食塗装

海岸や海上のような腐食性の厳しい環境に建

設される鋼構造物の塗り替え周期を長くする
ため防食性,耐久性を有する防食塗装をいう。
一般にジンクリッチペイントをプライマーと

して,エポキシ樹脂,ポリウレタン樹脂,ふ
っ素樹脂塗料などを組み合わせて用いる。

heavy duty coating,

high performance coating

3027 

ショッププライマー

鋼材をブラスト処理し,本塗装に先立って,
ブラスト直後に塗装する塗料。

shop primer

3028 

ジンクリッチペイント

乾燥塗膜の大部分が金属亜鉛末から成り,わ

ずかの無機質と有機質のバインダーで結合さ
れた塗料で鋼材のさび止めに用いる塗料。

zinc rich paint

3029 

流電陽極

流電陽極方式の電気防食法で使用される陽極
で,犠牲陽極 (sacrificial anode) ともいう。

galvanic anode

3030 

絶縁継手

防食の対象となる地下埋設金属構造物と対象

外構造物とを電気的に絶縁するために境界部
に設けられる継手。

insulated joint

3031 

バックフィル

地下埋設金属構造物に電気防食法を適用する
場合,アノードの接地抵抗を下げ,流電陽極
の溶解を容易にするためにアノードの周囲に

充てんする物質。

backfill

(4)

処理方法

番号

用語

定義

対応英語(参考)

4001 

素地調整

塗料の付着性及び防せい効果を良くするため

surface preparation


8

Z 0103-1996

番号

用語

定義

対応英語(参考)

に,機械的又は化学的に被塗装物体表面を処
理し,塗装に適するような状態にすること。
ケレンともいう。

4002 

防せい包装

金属製品のさび発生を防止するための包装。

corrosion (rust) preventive

packaging

4003 

防湿包装

防湿包装材料で密閉して,外部から侵入する
水蒸気のために生じる弊害から防ぐ包装。乾
燥剤を併用して内部に残存する水蒸気,防湿

材を透過してくる水蒸気を吸収させたり,減
圧して内部の水蒸気を空気とともに除去した
りすることもある。

moisture-proof packaging

4004 

電気めっき

めっき液中で電気分解によって,表面に金属
を析出させる表面処理方法。

electroplating

4005 

化学めっき

金属塩水溶液にめっきしようとする物を浸し
て,外部電源を用いずに還元剤の作用によっ
てめっきする表面処理方法。無電解めっきと

もいう。

chemical plating,

electroless plating

4006 

溶融めっき

めっきしようとする物を溶融した金属の中に

浸して,表面に金属皮膜を作る表面処理方法。

hot dipping

4007 

拡散浸透法

高温で金属体表面から内部へ拡散現象によっ
て元素をしみこませ表面を改質する方法。

diffusion coating,

cementation

4008 

陽極酸化法

金属をアノードとし,電解質水溶液の電気分
解によって表面に酸化物皮膜を生成させる表

面処理方法。

anodic oxidation coating,

anodizing

4009 

化成処理

化学的処理によって金属表面に安定な化合物
を生成させる表面処理方法。りん酸塩処理・

黒染め処理・クロメート処理などがある。

chemical conversion coating

4010 

りん酸塩処理

りん酸及び可溶性りん酸塩を主体とする水溶

液で金属を処理し,その表面に不溶性のりん
酸塩皮膜を作る表面処理方法。

phosphating

4011 

クロメート処理

クロム酸又は二クロム酸塩を主成分とする溶

液で金属を処理して防せい皮膜を作る表面処
理方法。

chromating

4012 

金属溶射

ガス,アーク,プラズマなどによって金属を
加熱溶融させ,これを高速で金属の表面に吹
き付けて皮膜を作る表面処理方法。

metal spraying

4013 

クラッド

2

種類の金属をはり合わせること。 cladding

4014 

ライニング

金属の表面を防食するため,その表面に,他

の複合材料を比較的厚く被覆すること。金
属・無機物質などを溶射,焼き付け,はり合
わせなどで被覆する無機質ライニングと,有

機物質を流動浸せき,溶射,塗布,はり合わ
せなどで被覆する有機質ライニングとがあ
る。

lining

4015 

セラミックコーティン

酸化アルミニウム,酸化ジルコニウム,けい
酸ジルコニウム,酸化クロムなどを溶融噴射
などの方法によって,金属表面にセラミック

の被覆をする表面処理。

ceramic coating

4016 

電気防食

流電陽極又は外部電源を用いて金属体をカソ

ードとして通電し,腐食を防止すること。カ

cathodic protection


9

Z 0103-1996

番号

用語

定義

対応英語(参考)

ソード防食ともいう。特殊な場合として,防
食する金属体をアノードとするアノード防食

(anodic protection)

もある。

4017 

外部電源方式

外部電源によって陽極材料から防食電流を被
防食金属に供給するカソード防食法。

  陽極を地下数十 m 深く埋設して地下埋設構
造物に防食電流を供給する方法を深埋め陽極
工法  (deep groundbed system)  という。

impressed current system

4018 

流電陽極方式

被防食金属に,これより卑な金属を接続して
防食電流を供給するカソード防食法。

galvanic anode system

4019 

排流法

迷送電流が流入している金属構造物から迷送
電流を排流して腐食を防止する防食法。

electric drainage

4020 

石灰質析出物

海水や硬水から金属表面に析出した,主とし

て炭酸カルシウム及び水酸化マグネシウムか
らなる析出物。カソード防食法を適用するこ
とによるカソード表面上の析出沈積物。電解

被覆ともいう。

calcareous deposit

(5)

試験

番号

用語

定義

対応英語(参考)

5001 

塩水噴霧試験

試験槽内に試験片を置いて,塩化ナトリウム
溶液を霧状にして吹き込み,金属材料の耐食

性,被覆材料などの防食性を調べる試験。

salt spray test

5002 

促進耐候試験

人工光源から発する光と断続的な人工降雨を

与える装置を用い,試験片の腐食,さび,劣
化などの状態を調べる試験。

accelerated weathering test

5003 

屋外暴露試験

試験片を,一定期間屋外にさらして,自然環

境での腐食,さび,劣化などの状態を調べる
試験。大気暴露試験,耐候性試験ともいう。

outdoor exposure test

5004 

格納貯蔵試験

試験片を,水槽を備えた百葉箱中に放置して,
腐食,さび,劣化などの状態を調べる試験。

shed storage exposure test

5005 

湿潤試験

高湿度に調整した恒温装置内に試験片を入れ

て,湿潤状態に保ち,腐食,さび,劣化など
の状態を調べる試験。JIS K 22465.34(湿潤
試験方法)

]参照。

humidity cabinet test

5006 

浸せき試験

試験片を塩化ナトリウムなどの所定の溶液中
に浸せきし,金属の腐食や被覆物の劣化など

の状態を調べる試験。

immersion test

5007 

複合サイクル試験

腐食環境条件の組合せを変化させたものを 1
サイクルとしてこれを繰り返し行い,試験片

の腐食や被覆の劣化などの状態を調べる試
験。

combined cyclic corrosion test

5008 

キャス試験

塩水噴霧試験に用いる塩化ナトリウム溶液
に,少量の酢酸及び塩化銅 (II) を添加し,腐
食性を高めた試験。

CASS test

5009 

コロードコート試験

腐食溶液を含んだ人工の泥をめっき表面に塗
り付け,これを恒温恒湿の装置内に放置して,
主として電気めっきの耐食性を調べる促進試

験。

corrodkote test

5010 

気化性さび止め性試験

気化性さび止め剤,気化性さび止め紙,気化

性さび止め油の気相状態での鉄鋼のさび発生

vapor inhibitor ability (VIA) test


10

Z 0103-1996

番号

用語

定義

対応英語(参考)

防止効果を調べる試験。

5011 

接触さび止め性試験

気化性さび止め紙で金属を密着包装したと

き,そのさび発生防止効果を調べる試験。

corrosion preventive ability

contact in test

5012 

接触腐食性試験 VCI が鉄鋼に接触した状態で,その腐食性を

調べる試験。

contact corrosivity test

5013 

静水滴試験

規定の装置,条件のもとで,さび止め油に浸
した試験片のくぼみに水を 1 滴入れ,さびの

発生の有無を調べる試験。

static water drop test

5014 

水置換性試験

さび止め油が,金属表面に付着している水と
置き換わって,さびを防止する性質を調べる

試験。

water displacement test

5015 

有孔度試験

めっき層のピンホール,大きさ及び数を調べ

る試験。

porosity test

5016 

指紋除去性試験

指紋によるさびの発生を防止する目的で,指
紋除去形さび止め油を塗り付け又は浸して,

それが金属製品に付着した指紋を除去する性
質を調べる試験。

finger print removability test


11

Z 0103-1996

防せい防食用語工業標準改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

本委員会

小委員会

(委員長)

増  子      曻

東京大学

小  島      彰

通商産業省基礎産業局製鉄課

岡  林  哲  夫

工業技術院標準部繊維化学規格課

新  居  和  嘉

科学技術庁金属材料技術研究所

小  林  豊  治

社団法人日本防錆技術協会

高  橋  教  司

高橋技術士事務所

上  田  重  朋

早稲田大学

梅  園  昭  巳

社団法人日本防錆技術協会

大  野      茂

日本大学生産工学部

尾  形  幹  夫

工業技術院物質工学研究所

桐  村  勝  也

財団法人鉄道総合技術研究所

松  島      巖

日本鋼管株式会社

阿  部      要

社団法人日本包装技術協会

平  井  陽  一

石川島播磨重工株式会社

蔵  野  亘  弘

社団法人日本塗料工業会

福  沢  秀  刀

株式会社ナカボーテック

松  崎  幸  雄

日本石油株式会社

清  水  良  直

日本加工製紙株式会社

(事務局)

田  尻  勝  紀

社団法人日本防錆技術協会