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X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

3

3

  用語及び定義

4

4

  適合条件

8

5

  設置及び作動条件

8

5.1

  機器の設置

8

5.2

  入力電圧及び周波数

10

5.3

  機器の作動

10

6

  残響試験室における機器の音響パワーレベル算出方法

11

6.1

  一般事項

11

6.2

  測定の不確かさ

11

6.3

  試験環境

12

6.4

  測定器

12

6.5

  機器の設置及び作動−一般事項

13

6.6

  マイクロホンの位置及び音源の配置

13

6.7

  音圧レベルの測定

13

6.8

  基準音源の音圧レベルの測定

14

6.9

  空間・時間平均バンド音圧レベルの計算

14

6.10

  音響パワーレベルの算出

14

7

  反射面上の準自由音場における機器の音響パワーレベル算出方法

17

7.1

  一般事項

17

7.2

  測定の不確かさ

17

7.3

  試験環境

17

7.4

  測定器

18

7.5

  機器の設置及び作動−一般事項

19

7.6

  測定表面及びマイクロホンの位置

19

7.7

  音圧レベルの測定

20

7.8

  表面音圧レベルの計算

20

7.9

  音響パワーレベルの算出

21

8

  オペレータ位置及びバイスタンダ位置における放射音圧レベル算出方法

22

8.1

  一般事項

22

8.2

  測定の不確かさ

22

8.3

  試験環境

23

8.4

  測定器

23


X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)  目次

(2)

ページ

8.5

  機器の設置及び作動

23

8.6

  マイクロホンの位置

24

8.7

  音圧レベルの測定

26

8.8

  放射音圧レベルの算出

26

9

  記録事項及び報告事項

28

9.1

  記録事項

28

9.2

  試験報告書

31

附属書 A(規定)試験用アクセサリ

33

附属書 B(規定)測定表面

36

附属書 C(規定)特定カテゴリの機器のための設置条件及び作動条件

41

附属書 D(参考)顕著な離散周波数音の特定及び評価

42

附属書 E(参考)衝撃性の騒音の検出

60

参考文献

62


X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人ビジネス

機械・情報システム産業協会(JBMIA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して

日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した

日本工業規格である。

これによって,JIS X 7779:2001 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 X

7779

:2012

(ISO 7779

:2010

)

音響−情報技術装置から放射される

空気伝搬騒音の測定

Acoustics

−Measurement of airborne noise emitted by information

technology and telecommunications equipment

序文

この規格は,2010 年 8 月 15 日に第 3 版として発行された ISO 7779 を基に,技術的内容及び対応国際規

格の構成を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

この規格は,情報技術装置から放射される空気伝搬騒音を測定するための複数の方法を規定している。

従来,個々の製造業者又はユーザーによって,特定の機器又は利用形態での諸要求を満足するために,多

種多様の方法が適用されてきた。多くの場合,そのようなばらばらの方法では,機器から放射される騒音

の比較は困難なものであった。この規格によって,そのような比較が容易に行えるようになり,また,情

報技術装置の騒音放射レベルの表示(declaration)に関する基礎ができる。

精度を確保し,妥当性があり,かつ,広く一般に受け入れられるものとするため,この規格では,音響

パワーレベルの算出並びにオペレータ位置及びバイスタンダ位置(測定対象の機器を操作はしないが,そ

の騒音の影響を受ける人がいると想定される位置)における放射音圧レベルの算出に関し,複数の通則規

格に基づいている。さらに,通則規格に適合することによって,その目的を容易に達成できるようになる。

多くの場合,反射面上の自由音場条件は半無響室によって実現される。半無響室は,個々の騒音源の探

査・改善を行うなど,製品設計時点において特に有効であろう。残響試験室は,生産管理,騒音放射表示

目的で A 特性音響パワーレベルデータを収集する場合,より経済的であろう。

放射音圧レベルは,発生する騒音を表示するための情報としては,主たるものとは考えられていないた

め,

ISO 11201 に基づく)オペレータ位置又はバイスタンダ位置における放射音圧レベルの測定方法は,

(音響パワーレベルの算出方法とは別の)独立した箇条として規定されている。しかし,その測定は,反

射面上の自由音場における音響パワー算出と一緒に行うことができる。

同種の機器を比較するには,

設置条件及び作動モードを同じにすることが不可欠である。

附属書 では,

多くのカテゴリの機器に対し,ECMA-74 最新版の

附属書 を引用することにより,これらのパラメータ

を標準化している。

この規格の基になった ISO 7779 は,ECMA-74 に基づいている。

1

適用範囲

この規格は,情報技術装置から放射される騒音の測定及び報告に関する手順を規定する。

注記 1  この規格は,この種の機器専用の騒音試験規程(3.1.2 参照)であり,騒音放射通則規格(3.1.1

参照)である ISO 3741ISO 3744ISO 3745 及び ISO 11201 に基づいている。


2

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

発生する騒音を記述する最も重要なものは,A 特性音響パワーレベルである。A 特性音響パワーレベル

を用いると,異なる製造業者によって作られた同種の機器を比較したり,異なる機器間であっても比較が

可能となる。

この規格では,既存の試験設備及び過去の経験に対して無用な制限を加えないようにするため,音響パ

ワーレベルを算出するために三つの騒音放射通則規格(以下,通則という。

)を引用する。ISO 3741 によ

って残響試験室における比較測定を規定し,ISO 3744 及び ISO 3745 によって反射面上の準自由音場にお

ける測定を規定する。これらの三つの通則のいずれを選択してもよいが,ある 1 台の機械について音響パ

ワーレベルを算出する場合,選択したその通則だけをこの規格に従い用いる。

A 特性音響パワーレベルは,オペレータ位置又はバイスタンダ位置において算出した A 特性放射音圧レ

ベルによって補完される。この A 特性放射音圧レベルの測定方法は,ISO 11201 に基づいて規定されてい

る。この場合の音圧レベルとは,作業者の騒音アイミッション

1)

評価レベル(a worker's immission rating 

level)を表すものではないが,うるささ・やかましさ(annoyance),作業効率の低下,オペレータ及びバ

イスタンダの聴力障害の原因となり得る潜在的な問題を特定する一助となることがある。

1)

  “放射(emission)”が一台の機器から発生する騒音を表す物理量であるのに対し,“アイミッシ

ョン(immission

”は,騒音にさらされる人の耳の位置に到来する全ての騒音を記述するもので

あって,騒音源は一般に一つとは限らず,実際に発生する騒音だけでなく,その騒音にさらさ

れる時間にも依存する。さらに,その騒音にさらされる時間の長さなどに応じて,“暴露

exposure

”という概念もある[詳細は

参考文献 [28] を参照]。この規格では騒音放射だけを

扱っている。

騒音放射中の顕著な離散周波数音の有無及び騒音の衝撃性を判定する方法を,

附属書 及び附属書 

それぞれ示す。

この規格は,型式試験(type test)に適しており,製造業者及び試験所(すなわち,異なる場所)におい

て比較可能な結果が得られるように種々の方法を規定する。

この規格に規定する方法を用いることによって,個々に試験されるファンクショナルユニット(3.1.4 

照)の騒音放射レベル(noise emission level)が算出可能となる。

この規格の手順は,広帯域騒音,狭帯域騒音及び離散周波数成分を含む騒音,又は衝撃性の騒音を放射

する機器に適用することができる。

得られた音響パワーレベル及び放射音圧レベルは,騒音放射に関する表示及び比較に役立つ(JIS X 7778

参照)

注記 2  これらのレベルは,設置場所における騒音アイミッションレベルのことではないが,設置場

所の騒音レベルの予測に用いることができる[ECMA TR/27

 [4]

参照]

同じロット内の複数のファンクショナルユニットに対し音響パワーレベルを求めると,そのロットの統

計値を算出できる(JIS X 7778 参照)

注記 3  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 7779:2010

,Acoustics−Measurement of airborne noise emitted by information technology and

telecommunications equipment (IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”

ことを示す。


3

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 1509-1

  電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第 1 部:仕様

注記  対応国際規格:IEC 61672-1, Electroacoustics−Sound level meters−Part 1: Specifications (IDT)

JIS C 1514

  オクターブ及び 1/N オクターブバンドフィルタ

注記  対応国際規格:IEC 61260, Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filters (IDT)

JIS C 1515

  電気音響−音響校正器

注記  対応国際規格:IEC 60942, Electroacoustics−Sound calibrators (IDT)

JIS X 7778

  音響−情報技術装置の表示騒音放射値

注記  対応国際規格:ISO 9296, Acoustics−Declared noise emission values of computer and business

equipment (IDT)

JIS Z 8739

  音響−音響パワーレベル算出に使用される基準音源の性能及び校正に対する要求事項

注記  対応国際規格:ISO 6926, Acoustics−Requirements for the performance and calibration of reference

sound sources used for the determination of sound power levels (IDT)

ISO 266, Acoustics

−Preferred frequencies

ISO 3741, Acoustics

−Determination of sound power levels and sound energy levels of noise sources using

sound pressure−Precision methods for reverberation test rooms

注記  この規格(JIS X 7779)の発行時点において ISO 3741 の最新版は 2010 年 10 月発行の第 4 版

である。その旧版 ISO 3741:1999 の一致規格 JIS Z 8734:2000

 [26]

が存在するが,この規格で

引用する要件を規定しておらず,適用できない。

ISO 3744, Acoustics

−Determination of sound power levels and sound energy levels of noise sources using

sound pressure−Engineering methods for an essentially free field over a reflecting plane

注記  この規格(JIS X 7779)の発行時点において ISO 3744 の最新版は 2010 年 10 月発行の第 3 版

である。その旧版 ISO 3744:1994 の対応規格 JIS Z 8733:2000

 [25]

が存在するが,この規格で

引用する要件を規定しておらず,適用できない。

ISO 3745, Acoustics

−Determination of sound power levels of noise sources using sound pressure−Precision

methods for anechoic and hemi-anechoic rooms

注記  この規格(JIS X 7779)の発行時点において ISO 3745 の最新版は 2003 年 12 月発行の第 2 版

である。その旧版 ISO 3745:1977 の改正過程における ISO/DIS 3745:2000 の一致規格

JIS Z 8732:2000

 [24]

が存在するが,この規格で引用する要件を規定しておらず,適用できない。

ISO 9295, Acoustics

−Measurement of high-frequency noise emitted by computer and business equipment

ISO 11201, Acoustics

−Noise emitted by machinery and equipment−Determination of emission sound

pressure levels at a work station and at other specified positions in an essentially free field over a reflecting

plane with negligible environmental corrections

注記  この規格(JIS X 7779)の発行時点において ISO 11201 の最新版は 2010 年 5 月発行の第 2 版

である。その旧版 ISO 11201:1995 の一致規格 JIS Z 8737-1:2000

 [27]

が存在するが,この規格

で引用する要件を規定しておらず,適用できない。

ISO 11203, Acoustics

−Noise emitted by machinery and equipment−Determination of emission sound

pressure levels at a work station and at other specified positions from the sound power level


4

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

ECMA-74, Measurement of airborne noise emitted by information technology and telecommunications

equipment

2)

2)

  次の URL において,2012.1.30 時点において利用可能である。

 http://www.ecma-international.org/publications/files/ECMA-ST/ECMA-74.pdf

3

用語及び定義

この規格で用いる用語及び定義は,ISO 3744 及び ISO 11201 によるほか,次による。

3.1

一般定義

3.1.1

騒音放射通則規格(通則),B-タイプ規格(basic noise emission standard,B-type standard)

機器の騒音放射の算出手順を規定し,その手順に従って得られる結果の信頼性及び再現性に対し,一定

の精度のグレードをもつ規格

ISO 12001:1996

[2]

3.1

3.1.2

騒音試験規程(個別規格),C-タイプ規格(noise test code,C-type standard)

ある特定のクラス,種類(ファミリー)又は型番(タイプ)の機器に適用され,標準化された条件の下,

その騒音放射の諸特性の算出,表示及び検証を効率的に行うために必要なあらゆる事項を規定した規格

ISO 12001:1996

[2]

3.2

注記 1  この規格は,ISO 9295 及び JIS X 7778 とともに,情報技術装置に関する騒音試験規程を構成

する。

注記 2  騒音放射通則規格に基づいて,特定の種類の機器のための騒音試験規程(個別規格)を作成

するための要件が ISO 12001:1996

[2]

  に規定されている。

3.1.3

情報技術装置(information technology and telecommunications equipment,ITT equipment)

家庭,オフィス,サーバの設置場所,通信機器の設置場所又は同様の設置環境において,情報処理に使

われる機器及びそのコンポーネント

注記  邦訳の情報技術装置には,原文の telecommunications に相当するものがないが,この規格の旧

版 JIS X 7779:2001 制定時に検討済みであり,これを踏襲している。

3.1.4

ファンクショナルユニット(functional unit)

それ自身の最終製品としてのエンクロージャ[きょう(筐)体]をもつ,もたないを問わず,この規格

の手順に従って試験される,又は試験されることが想定される情報技術装置のユニット

注記 1  この規格の方法に従って,情報技術装置の複数のユニットを一緒に試験しなければならない

場合,一つのファンクショナルユニットが,複数のユニットから構成されることもあり得る。

また,試験対象の情報技術装置の通常の運転のために,それ以外のユニット(電源モジュー

ル,給水ポンプ,冷却ユニットなど)が必要な場合,一つのファンクショナルユニットが,

このような情報技術装置以外の一つ以上のユニットと一つ以上の情報技術装置とが組み合わ

さって構成されることもある。

注記 2  情報技術装置のファンクショナルユニットは,商業ベースで取引可能な最終製品,開発途中

の試作品,それらのサブアセンブリ,又は,コンポーネントのように,広範な形態があり得


5

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

る。

3.1.5

作業位置,オペレータ位置(work station,operator position)

測定対象機器の近傍においてオペレータのために想定された位置

注記 1  ISO 11201:2010,3.11 から翻案。

注記 2  この場合の“work station(英語の 2 単語からなる用語)”とは,単一ユーザー向けの高性能コ

ンピュータを意味する“workstation(英語の 1 単語)

”を指すわけではない。

3.1.6

作動モード(operating mode)

試験中の機器が,その目的とする機能を果たしている状態

3.1.7

アイドルモード(idle mode)

機器に通電しているが,作動していない定常な,一つ以上の状態

3.1.8

床置き機器(floor-standing equipment)

床の上に設置するように設計されたファンクショナルユニット

3.1.9

卓上機器(table-top equipment)

それ自身のエンクロージャによって,テーブル,机若しくは独立したスタンド上に設置されるか,又は

そこで使用するように設計されたファンクショナルユニット

3.1.10

壁付け機器(wall-mounted equipment)

通常,壁面を背にするか,又は壁の中に据え付けられるようになっており,それ自身のスタンドをもた

ないファンクショナルユニット

3.1.11

サブアセンブリ(sub-assembly)

一般には,それ自身の最終製品としてのエンクロージャをもっておらず,情報技術装置の他のユニット

内に設置されるか,又は最終製品のエンクロージャ内において,他のサブアセンブリ又は情報技術装置の

他のユニットとともに組み立てられるように設計されたファンクショナルユニット

3.1.12

ラック装着ユニット(rack-mountable unit)

ラック,フレーム,キャビネット,完全密閉又は部分密閉,又は開放型のフレームの形態の,最終製品

としてのエンクロージャ内に設置するように設計されたファンクショナルユニット

3.1.13

ラック組込みシステム(rack-enclosed system)

ラック,フレーム又はキャビネット内部に一つ以上のラック装着ユニットを含んでいるファンクショナ

ルユニット

注記  一口にラック組込みシステムといっても,その意味するものは,ラック又はエンクロージャの

中に入るラック装着ユニットの構成に応じて,情報技術装置の多岐にわたる。その中には,サ

ーバシステム,ストレージシステム,入出力システム,ネットワークシステム,又はこれら若


6

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

しくは別のタイプのラック装着ユニットを“統合した”システムもあり得る。

3.1.14

手持ち機器(hand-held equipment)

一般に物理的に小さく,軽量で,操作中は手で支えるように設計されたファンクショナルユニット

3.1.15

標準試験卓(standard test table)

少なくとも 0.5 m

2

の上面面積をもち,かつ,上面の長さが 700 mm 以上ある,剛性の高いテーブル

注記  標準試験卓の設計図を附属書 に示す。

3.2

音響定義

3.2.1

放射,騒音放射(emission,noise emission)

明確に定義された一つの音源(例えば,測定対象機器)によって放射された空気伝搬音

注記  製品表示及び/又は製品仕様書の一部として騒音放射に関する記述を含めることができる。騒

音放射の基礎的な記述パラメータには,その音源自身による音響パワーレベル,及び,音源近

傍のオペレータ位置(又は,オペレータ位置が定義されていない場合にはバイスタンダ位置)

における放射音圧レベルがある。

3.2.2

音圧 p(sound pressure,p

ある瞬間の気圧と静圧との差

注記 1  音圧は,単位,パスカル(Pa)で表す。

注記 2  記号 は,しばしば,添え字なしで音圧の実効値を表すために使われる。

ISO 80000-8:2007

[3]

8.9.2

3.2.3

音圧レベル L

p

(sound pressure level,L

p

音圧 の二乗の,基準音圧 p

0

の二乗に対する比の常用対数を 10 倍し,単位,デシベルで表したもの

2

0

2

10

log

10

p

p

L

p

=

 (dB)

ここに,基準値,

p

0

20 µPa

注記

この定義は,技術的には ISO 80000-8

:2007

[3]

8.22 に従う。

ISO/TR 25417

:2007

[22]

2.2

3.2.4

時間平均音圧レベル

 L

pT

time-averaged sound pressure level

L

pT

測定時間

T

の間で,時間とともに変動する対象音と同じ平均二乗音圧をもつ,連続で定常な音の音圧レ

ベル

3.2.5

放射音圧レベル

 L

p

emission sound pressure level

L

p

対象とする音源が所定の設置条件に従って反射面上に据え付けられ,所定の作動をしているときに,音

源近傍の指定位置において実測した音圧レベルから,暗騒音の影響を除外したもの

注記 1

放射音圧レベルは,単位,デシベル

(dB)

で表す。

注記 2

箇条 において,放射音圧レベルの算出方法を規定している。


7

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

3.2.6

時間平均放射音圧レベル

 L

peqT

time-averaged emission sound pressure level

L

peqT

測定時間

T

の間で,時間とともに変動する対象音と同じ平均二乗音圧をもつ,連続で定常な音の放射音

圧レベル

( )

=

2

0

0

2

10

eq

d

1

log

10

p

t

t

p

T

L

T

T

p

(dB)

注記 1  時間平均放射音圧レベルは,単位,デシベル(dB)で表す。

注記 2  放射音圧レベルは,騒音試験規程(すなわち,情報技術装置の特定のカテゴリに対してはこ

の規格)で要求する指定位置において算出される。

注記 3  時間平均放射音圧レベルは,必ずある測定時間の間に算出されるため,一般に,添え字の“eq”

及び“T”は省略される。

3.2.7

A

特性インパルス音圧レベル L

pAI

(A-weighted impulse sound pressure level,L

pAI

サウンドレベルメータを JIS C 1509-1 

附属書 に示す時間重み付け特性 I(インパルス)に設定した

ときの A 特性音圧レベルの指示値

注記  A 特性インパルス音圧レベルは,単位,デシベル(dB)で表す。

3.2.8

C

特性ピーク音圧レベル L

pCpeak

(C-weighted peak sound pressure level,L

pCpeak

一つの作動サイクルの中で発生する C 特性瞬時音圧の絶対値の最大値を 20

μPa を基準としてレベル化し

たもの

注記  C 特性ピーク音圧レベルは,単位,デシベル(dB)で表す。

3.2.9

音響パワー P(sound power,P

一つの音源から単位時間当たりに放射される空気伝搬音のエネルギー

注記 1  音響パワーは,単位,ワット(W)で表す。

注記 2  この規格では,測定時間中の音響パワーの時間平均値のことである。

3.2.10

基準音源(reference sound source)

安定な音源として利用することを目的とした装置であり,対象周波数範囲にわたり,既知の広帯域音響

パワースペクトル特性をもち,JIS Z 8739 に従って校正されたもの

3.2.11

対象周波数範囲(frequency range of interest)

ISO 266

で定義する 1/3 オクターブバンドの中心周波数のうち,100 Hz∼10 000 Hz の連続する帯域

注記 16

kHz のオクターブバンド内に離散周波数音を放射する機器に対しては,ISO 9295 の手順が使

われる(

表 参照)。


8

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

4

適合条件

ある測定が次の要件の全てを満足する場合,その測定はこの規格に適合する。

a)

測定手順,設置及び作動条件の全てが,この規格に従う。

b)

音響パワーレベルを算出する場合,箇条 又は箇条 に規定する方法のいずれか一つだけを用いる。

c)

オペレータ位置又はバイスタンダ位置における放射音圧レベルを算出する場合,箇条 の方法を用いる。

5

設置及び作動条件

5.1

機器の設置  

5.1.1

一般事項  

機器は,その目的とする利用形態に従い設置しなければならない。多くの異なるカテゴリの情報技術装

置に対する設置条件を

附属書 において,ECMA-74 の最新版の附属書 を引用することによって,規定

する。

騒音放射に関する表示を行うために必要な情報を得ようとする場合には,

必ずこれらの条件に従う。

通常の設置条件が未知の場合,又は複数の可能性のある場合,代表的な条件を選択し,これを報告する。

試験対象機器につながれた配管,ダクト,他の補助装置などのいずれからも,際立って大きな音を試験

室内に放射しないように配慮しなければならない。試験対象機器を操作させるために必要な全ての補助装

置は,可能な限り,試験室の外側に配置し,試験室内には,測定の妨害となる物体があってはならない。

注記  一つの反射面,又は複数の反射面近傍に機器が据え付けられると,その機器から放射される音

響パワーは,その位置と向きとに依存することがある。試験の目的として,ある特定の位置及

び向きにおいて機器から放射される音響パワーを算出することもあれば,複数の位置及び複数

の向きにおけるそれの平均を算出することもある。

5.1.2

床置き機器

5.1.2.1

残響試験室における要件  

床置き機器は,5.1.2.3 に該当する場合を除き,残響試験室の壁から少なくとも 1.5 m 離して配置し,試

験室の壁と機器の主たる側面とが平行になってはならない。

5.1.2.2

半無響室における要件

床置き機器は,5.1.2.3 に該当する場合を除き,又は,

附属書 に特に規定のない限り,壁から十分な距

離(可能な場合 2 m よりも遠くに)離して反射性の床(音響的に硬い床)の上に設置する。

反射面を除く全ての面からアクセスできるように機器を設置する。反射面は少なくとも測定距離分だけ

試験対象物から外側に達していなければならない。反射に関する要件は 7.3.1 

注記を参照。反射面は,

それ自身による振動によって音の放射に寄与してはならない。

5.1.2.3

共通の要件

複数のフレームからなる試験対象機器で,実装時にフレームが結合されている場合,又は,大きすぎて

試験を行えない場合,フレームごとに測定することができる。そのような状況においては,騒音測定中に

追加のカバーが必要になることがある。そのような追加のカバーは,機器上の他のカバーと音響的に同等

なものでなければならない。あるユニットと別のユニットとが機械的又は音響的に結合しているために,

発生する騒音が相互に大きく依存し合っている場合,一緒に結合されたユニット全てを,可能な限り,ま

とめて試験対象機器とする。

壁を背にして設置されるように設計された床置き機器は,硬い壁の前の硬い床の上に置く。7.3.1 

注記

を参照。壁からの距離は,製造業者の指定に従うか,又は

附属書 による。そのような情報のない場合,

距離は 0.1 m とする。


9

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

5.1.3

卓上機器

5.1.3.1

残響試験室における要件

例えば,床の上から給紙したり,床の上に排紙したりするプリンタのように,

附属書 に従い,作動さ

せるためにテーブル又はスタンドを必要とするものでない限り,卓上機器(3.1.9 参照)は,壁から少なく

とも 1.5 m 離し,残響試験室の床の上に置く。テーブル又はスタンドを必要とする機器の場合,標準試験

卓(

附属書 参照)の上面の中央に置く。

5.1.3.2

半無響室における要件

例えば,床の上から給紙したり,床の上に排紙したりするプリンタのように,

附属書 に従い,作動さ

せるためにテーブル又はスタンドを必要とするものでない限り,卓上機器(3.1.9 参照)は,半無響室の床

の上に置く。テーブル又はスタンドを必要とする機器の場合,標準試験卓(

附属書 参照)の上面の中央

に置く。いずれの場合でも,7.6 で定義する測定表面の境界は(標準試験卓の上面ではなく)床面上にある。

5.1.4

壁付け機器

壁付け機器(3.1.10 参照)は,特に規定のない限り,残響試験室の壁に据え付け,他の全ての反射面か

ら少なくとも 1.5 m 離す。又は,機器の操作が可能な場合,試験室の全ての壁から少なくとも 1.5 m(半無

響室の場合,可能なときは,2 m よりも遠くに)離し,床面上に機器を据え付けてもよい。

壁又は他の構造物に埋め込むことが通常の設置方法である機器の場合,代表的な構造物を使って測定し,

試験報告書に記載しなければならない。

5.1.5

ラック組込み機器

ラック組込み機器には,個々のラック装着ユニット(3.1.12 参照)及びラック組込みシステム(3.1.13

参照)の両方を含む。ラック装着ユニットは,ラックの外で試験するか,又は ECMA-74 の該当部分の要

件に従ってラックエンクロージャの中に設置して試験しなければならない。ラック組込みシステムは,そ

のシステムのタイプ及び大きさに従って,床置き機器(5.1.2 参照)又は卓上機器(5.1.3 参照)のいずれ

かとして試験しなければならない。ECMA-74 の該当部分の設置及び作動に関する要件に従わなければな

らない。

ラック装着ユニットの構成が複数種類あるラック組込みシステムの場合,どのような構成で測定を行う

かは,通常,その試験の目的に応じて決まり,したがって,この規格の中では規定していない(詳細につ

いては ECMA-74 参照)

5.1.6

手持ち機器

手持ち機器(3.1.14 参照)は,防振のスタンド若しくは固定具,又は適切な防振要素を介した上で反射

面の上方 0.25 m ± 0.03 m に支持する。半径 1 m 未満の半球測定表面(B.1 参照)を用いる場合,手持ち機

器を支持する高さは,0.125 m ± 0.015 m に減少させる。手持ち機器の支持方法によって,空気伝搬音の伝

搬の妨げとなってはならず,また,余分な音を放射してはならない。

5.1.7

サブアセンブリ

サブアセンブリ(3.1.11 参照)は,防振のスタンド若しくはジグ,又は適切な防振要素を介した上で反

射面の上方 0.25 m ± 0.03 m に支持する。半径 1 m 未満の半球測定表面(B.1 参照)を用いる場合,サブア

センブリを支持する高さは 0.125 m ± 0.015 m に減少させる。サブアセンブリの支持方法によって,空気伝

搬音の伝搬の妨げとなってはならず,また,余分な音を放射してはならない。もし,上記の高さが,サブ

アセンブリの吸気部分の高さとして製造業者が推奨する空気の流れを妨げる場合,適宜,高さを調整して

よいが,0.5 m を超えてはならない。その新しい高さを試験報告書に記載する。


10

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

5.2

入力電圧及び周波数

公称定格電圧及び定格電源周波数で機器を作動させる。

三相以上の場合,相間の電圧差は,5 %を超えてはならない。

5.3

機器の作動

騒音測定の間は,通常に使用している状態を代表するような方法で機器を作動させる。

この規格の

附属書 において,ECMA-74 の最新版の附属書 を引用することによって,多くのカテゴ

リの機器に関する条件を規定しており,それらに従う。しかし,規定された条件が,その製品の想定され

る使い方にできる限り一致するように条件を統一させようとする目的と明らかに反する場合,その想定さ

れる使い方に近づけて,少なくとも一つ,追加モードを定義し,試験を行い,文書化する。その後の表示

は,次のいずれかとする。

−  一方はこの規格の

附属書 に基づいた値であり,もう一方は,目的とする利用形態を代表する使い

方として製造業者が想定するものに基づく値と明示した上で,その両方の値を表示する。

−  この規格の

附属書 に基づいてはいないが,目的とする利用形態を代表する使い方として製造業者

が想定するものに基づく値と明示した上で,そちらだけを表示する。

注記 1  この規格において,“表示”とは,JIS X 7778 に規定する“declare”又は“declaration”に対

応する用語として統一して用いられ,機器の騒音に関する情報を文書でユーザーに提供する

ことを意味しており,一般的な表示よりは,限定的な使い方をしている。

附属書 において複数の作動モードがある場合,少なくとも,最も典型的な作動モードで試験をし,報

告しなければならない。

温度及び他の諸条件を安定させるため,騒音測定に先立ち,十分長い時間,機器を作動させておく。

アイドルモード及び作動モード両方において機器の騒音を測定する。試験対象機器が複数の機能(例え

ば,マニュアルタイピング,蓄積した情報の自動印字,又は印字品質の異なる印刷機能)をもつように設

計されており,かつ,

附属書 に特に規定がない場合,個々のモードにおける騒音を算出し,これを記録

する。文書の挿入,読取り,コード化(コード変換)

,印字及び文書の排出のように,通常の作動時に複数

の作動モードを実行する機器であり,かつ,

附属書 に代表的な作動サイクルが定義されていない場合,

騒音測定目的で代表的な作動サイクルを定義し,試験報告書にこれを記載する。

複数のファンクショナルユニットによる作動が可能なラック組込み機器に対しては,一緒に作動するよ

うに設計されたユニットは,試験中一緒に作動させ,それ以外のユニットは,全てアイドルモードとする。

作動に関する仕様が

附属書 に規定されておらず,かつ,製造業者からも提供されていない場合,最も典

型的な利用形態を表す作動モードを使用しなければならない。このモードを試験報告書に明確に記載しな

ければならない。

機械的な設計に起因するため,又は作動モードが制御プログラムの下にあるため,連続的に作動するこ

とができない機器もある。また,機器がアイドルモードにある時間の長いものもあり得る。作動モードの

測定には,このようなアイドル時間を含めてはならない。騒音測定中,機器を連続的に作動させることが

不可能な場合,測定対象としなければならない時間を,試験計画,機器の仕様書又は他の文書内に記載し

ておく。

機器によっては,作動サイクルが短すぎて,その騒音放射を決定することの信頼性が確保できないこと

がある。そのような場合,代表的な作動サイクルを複数回,繰り返す。

試験中の機器が,アラーム又はベルのような警告音を発する場合,そのような間けつ(歇)音を作動モ

ードに含めてはならない。

作動モードの騒音測定中は,

そのような警告音は作動しないようにしておくか,


11

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

それが不可能な場合,最小の設定にしておく。

注記 2  利用形態によっては,キーボードのフィードバック信号の最大応答のような,ある種の信号

が興味の対象となることがある。もし,そのような測定が行われるとしても,それはこの規

格に規定する方法の対象ではない。

6

残響試験室における機器の音響パワーレベル算出方法

6.1

一般事項

箇条 では,ISO 3741 の比較法に基づき,情報技術装置から発生する騒音の音響パワーレベルを残響試

験室において算出する方法を規定する。この方法は,広帯域騒音,狭帯域騒音,離散周波数成分を含む騒

音又は衝撃性の騒音を発する機器に対し適用する。

注記  スペクトル及びレベルの時間変動による騒音の分類については,ISO 12001:1996

 [2]

又は

JIS Z 8733:2000

 [25]

で定義されている。

ISO 3741

の該当する手順に従い離散周波数成分に対して試験室を検定しておくことを強く推奨する。そ

うすることによって,機器を測定する度にマイクロホンの位置の数及び機器の位置の数を決定する必要が

なくなる。

6.2

測定の不確かさ

この方法に従う測定の再現性の標準偏差は,この規格の対象周波数範囲に対し,

表 の値以下となる。

表 1−箇条 に従い,残響試験室において算出した音響パワーレベルの不確かさ

オクターブバンド

中心周波数

Hz

1/3 オクターブバンド

中心周波数

Hz

標準偏差

dB

125 100∼160 3.0 
250 200∼315 2.0

500∼4 000

400∼5 000

1.5

8 000

6 300∼10 000

3.0

注記 1  ほとんどの情報技術装置において,A 特性音響パワーレベルは,中心周波数が 250 Hz∼

4 000 Hz のオクターブバンドにおける音響パワーレベルによって決まる。その場合の A 特性

音響パワーレベルは,およそ 1.5 dB の再現性の標準偏差で算出される。他の帯域の音響パワ

ーレベルによって A 特性音響パワーレベルが決まる場合,より大きな標準偏差となることが

ある。

注記 2  表 の標準偏差は,測定の不確かさに影響する全ての要因の累積効果を反映したものであり,

測定機関(測定室)間の変動を含むが,

(測定の不確かさとは無関係な)試験対象機器間の音

響パワーレベルのばらつき,又は,

(例えば,機器の設置又は作動条件の変更による)試験間

のばらつきを含むものではない。同じ試験対象機器の,同じ測定条件における試験結果の再

現性の標準偏差及び繰返し性の標準偏差は,

表 の不確かさよりも,かなりよいもの(すな

わち,小さな標準偏差)となるであろう。

注記 3  全指向性で広帯域の騒音を発する同種の機器の音響パワーレベルを比較する目的で,同一の

環境において箇条 に規定する方法を使って測定した場合,その比較における不確かさは,

表 に与える標準偏差よりも小さな値となる。


12

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

6.3

試験環境

6.3.1

一般事項

残響試験室の設計に関しては,ISO 3741 の該当する指針を用いる。室吸収に関する規準(criteria)及び

試験室の検定手順は,ISO 3741 による。

次の点に関しては,ISO 3741 に従う。

a)

試験室の容積

b)

暗騒音のレベル

6.3.2

温湿度及び気圧

ISO 3741

の要件に従う。

次の条件を推奨する。

a)

気圧  86 kPa∼106 kPa

b)

温度  試験対象機器の製造業者によって定義されている場合,その範囲内とする。製造業者による範

囲の定義のない場合,推奨範囲は 15

°C∼30  °C とする。

c)

相対湿度  試験対象機器の製造業者によって定義されている場合,その範囲内とする。紙及びカード

媒体だけを処理する機器に対し,製造業者による範囲の定義がない場合,推奨範囲は 40 %∼70 %とす

る。

(例えば,冷却ファンの速度を変化させることのように)設置環境の温度によって発生する騒音が変化

するように設計されている機器の場合,測定中の室温は,23  ℃ ±2  ℃とする。

(例えば,冷却ファンの速度を変化させることのように)標高によって騒音放射が変化するように設計

されている機器の場合,試験室の標高は 500 m 以下とするか,500 m 以下の標高における作動を模擬する

条件の下で試験する。

注記  この場合の冷却ファンの速度の変化とは,試験対象機器の設計に基づく作動の変化であり,

6.10.1

注記で記載した,試験環境の気圧に対する補正において考慮する速度の変化のことで

はない。

6.4

測定器

6.4.1

一般事項  

ISO 3741

の測定器に関する要件に加え,この規格の 6.4 の要件に従う。

平均方法としては,デジタル積分が望ましい。

6.4.2

マイクロホン及びケーブル

マイクロホン及びケーブルを含む計測システムは ISO 3741 の要件を満足しなければならない。移動マイ

クロホンの場合,

[例えば,風,歯車,フレキシブルケーブル,しゅう(摺)動接点などによる]測定の妨

害になり得る,騒音又は電気雑音が発生しないよう十分な注意が必要である。

6.4.3

測定システムの周波数レスポンス  

ISO 3741

の要件に従う。

6.4.4

基準音源

基準音源は,対象周波数範囲において JIS Z 8739 の要件を満足しなければならない。

6.4.5

フィルタ特性

JIS C 1514

のクラス 1 の機器に対する要件に従う。

6.4.6

校正

一連の測定ごとに,その間に,対象周波数範囲上の少なくとも一つの周波数において,JIS C 1515 のク


13

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

ラス 1 の音響校正器をマイクロホンに用いて,測定システム全体の校正を検査する。音響校正器単体とし

ては,JIS C 1515 に適合していることを 1 年に 1 度検査し,測定システムとしては,JIS C 1509-1 の要件

への適合を少なくとも 2 年に 1 度,該当する規格に対し,トレーサビリティのある校正を行える試験機関

において検査する。

基準音源は,JIS Z 8739 に従い,2 年に 1 度校正する。

基準音源は,2 年ごとの校正周期に達する前に,再校正の必要がないかどうかを決定するため,JIS Z 8739

の手順に従い,毎年検査する。いずれかの 1/3 オクターブバンドにおける音圧レベルの変化が JIS Z 8739

に規定する再校正の値を超えた場合,以後の利用に先立ち,JIS Z 8739 の手順に従い,基準音源を再校正

する。

該当する規格への適合を最後に検証した年月日を記録する。

6.5

機器の設置及び作動−一般事項

箇条 を参照。

6.6

マイクロホンの位置及び音源の配置

6.6.1

一般事項

残響試験室における音響パワーレベル算出の不確かさの主な原因は,音場の空間的な不均一さである。

その不均一さは,広帯域音よりも離散周波数音に対するものの方が大きい。したがって,正確に時間平均

音圧レベルを算出するために要する努力も,

広帯域音のときよりも離散周波数音のときの方が大きくなる。

ISO 3741

の該当する手順に従い離散周波数成分に対して試験室を検定しておくのを強く推奨する。そうす

ることによって,機器を測定する度にマイクロホンの位置の数及び音源位置の数を計算する必要がなくな

る。

試験室が離散周波数成分の測定に対して ISO 3741 の該当する手順に従い検定されていない場合,

ISO 3741

の別の該当部分に規定する手順を使って,マイクロホンの位置の最小の数を決定し,追加の音源

位置の必要性を評価しなければならない。これらの手順による結果は,試験対象機器によって放射される

音の中の際立った離散周波数成分又は狭帯域騒音の有無に依存する。際立った離散周波数成分又は狭帯域

騒音が存在する場合,そのマイクロホンの位置の数及び音源位置の数は,大きなものとなることがある。

6.6.2

マイクロホンの位置の数,基準音源の位置の数及び試験対象機器の位置の数

ISO 3741

の要件に従う。

6.6.3

マイクロホンの配置  

ISO 3741

の要件に従う。

6.7

音圧レベルの測定

6.7.1

一般事項

ISO 3741

の該当する要件に従う。

6.7.2

測定時間

ISO 3741

の要件に加え,次の該当する要件に従う。

例えば,封かん(緘)機のように,同じ作動サイクルを繰り返す機器に対しては,測定時間には,少な

くとも三つの作動サイクルを含めなければならない。様々な作動サイクルを順番に実行する機器に対して

は,その全工程を測定時間に含めなければならない。多くのカテゴリの機器のための詳細な要件を,

附属

書 に規定する。

6.7.3

暗騒音の補正

ISO 3741

の該当する要件に従う。


14

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

注記  試験室内の暗騒音レベルが非常に低く,かつ,よく管理されている場合,ISO 3741 による暗騒

音に関する絶対規準(absolute criteria for background noise が 2010 年 10 月発行の第 4 版で初め

て導入された。

)及び/又は相対規準を満足することがある。

6.8

基準音源の音圧レベルの測定

ISO 3741

の要件に追加して,次の要件に従う。

残響試験室において機器の音響パワーレベルを算出するために,この規格では,ISO 3741 に規定する比

較法だけを利用している。この方法の利点は,試験室の残響時間を実測する必要のないことである。比較

法では,JIS Z 8739 に規定する特性をもち,あらかじめ校正された基準音源を必要としている。基準音源

の作動は,試験対象機器を試験室内に置き,機器の作動にオペレータが必要な場合は,そのオペレータも

在室した状態において,基準音源の校正票に従って行われなければならない。

6.9

空間・時間平均バンド音圧レベルの計算  

ISO 3741

の要件に従う。

注記  ISO 3741 の 2010 年 10 月の改正によって,従来,space/time-averaged band sound pressure level(こ

の規格の旧版での訳語は“空間/時間平均バンド音圧レベル”)と呼んでいた量は,mean

time-averaged band sound pressure level となった。直訳すると平均が二重になるため,意味から

考えて“空間・時間平均バンド音圧レベル”とした。

6.10

音響パワーレベルの算出

6.10.1

  バンド音響パワーレベルの計算  

ISO 3741

の比較法を使い,対象周波数範囲(3.2.11 参照)内の 1/3 オクターブバンドごとの機器の,標

準環境条件における音響パワーレベルが得られる。

注記  標準環境条件(気圧 1.013 25 × 10

5

 Pa,温度 23 °C,相対湿度 50 %)における A 特性音響パワー

レベルを算出するために ISO 3741 の手順が使われる(2010 年 10 月発行の第 4 版で標準環境条

件という概念が ISO 3741 に初めて導入された。

必要な場合,番目のオクターブバンドの音響パワーレベル L

Woct, k

は,1/3 オクターブバンドデータに基

づいて,次の式から計算する。

dB

10

log

10

3

2

3

1

.

0

10

oct,

,

3

/

1

=

=

k

k

j

L

k

W

j

W

L

 (1)

ここに,

: 対象周波数範囲内のオクターブバンドの識別番号(表 参照)

L

W1/3, j

 番目の 1/3 オクターブバンドにおける音響パワーレベル,単

位はデシベル(

表 参照)

: (3k−2)  と 3との間にあり,番目のオクターブバンドを構成

する 1/3 オクターブバンドの識別番号

6.10.2

  特性音響パワーレベルの計算

A 特性音響パワーレベル L

WA

(単位はデシベル)は,対象周波数範囲に基づき,次の式から計算する。

dB

10

log

10

21

1

=

)

0.1(

10

A

,

3

/

1

+

=

j

A

L

W

j

j

W

L

 (2)

ここに,

L

W1/3, j

 番目の 1/3 オクターブバンドにおける音響パワーレベル(単

位はデシベル)

A

 j

 番目の 1/3 オクターブバンドに対応する A 特性値(表 参照)

: 対象周波数範囲内の 1/3 オクターブバンドの識別番号(表 3

参照)

注記  式(1)及び式(2)は,表 2,表 とともに,箇条 だけでなく箇条 においても共通に利用するこ


15

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

とを目的としている。

表 2−オクターブバンドの識別番号 k

オクターブバンド

中心周波数

Hz

1

125

2

250

3

500

4

1

000

5

2

000

6

4

000

7

8

000

表 31/3 オクターブバンドに対する 特性の値 A

j

1/3 オクターブバンド

中心周波数

Hz

A 特性

A

j

dB

1

100

− 19.1

2

125

− 16.1

3

160

− 13.4

4

200

− 10.9

5

250

− 8.6

6

315

− 6.6

7

400

− 4.8

8

500

− 3.2

9

630

− 1.9

10

800

− 0.8

11

1

000

0.0

12

1

250

0.6

13

1

600

1.0

14

2

000

1.2

15

2

500

1.3

16

3

150

1.2

17

4

000

1.0

18

5

000

0.5

19

6

300

− 0.1

20

8

000

− 1.1

21

10

000

− 2.5

情報技術装置の中には,16 kHz のオクターブバンド内に高周波騒音を発するものがある。騒音放射の性

質に応じ,

表 では,それぞれの状況に対してどのように対応すべきかを示している。

バンドレベルから A 特性音響パワーレベルを算出する場合,この規格では 16 kHz のオクターブバンド

を対象周波数範囲に含めるような拡張を行っていない。

16 kHz のオクターブバンド内に離散周波数音を発する機器に対しては,最大となる離散周波数音のレベ

ルの 10 dB 以内にある離散周波数音ごとの周波数及びそのレベルを ISO 9295 の手順に従って算出する

表 参照)。得られるレベルに周波数重み付け特性は加わっていない。

注意  A 特性レベルの算出において,16 kHz のオクターブバンドの寄与は含まれない。


16

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

表 4−騒音の種類(タイプ)及び算出する音響パワーレベル

オクターブバンドの中心周波数及び騒音の種類(タイプ)

125 Hz∼8 kHz

16 kHz

算出する音響パワーレベル

際立った騒音なし

この規格に従って求めた A 特性レベル(125 Hz∼
8 kHz のオクターブバンドの寄与からなる)

広帯域騒音

この規格に従って求めた A 特性レベル(125 Hz∼
8 kHz のオクターブバンドの寄与からなる),及び
ISO 9295

の手順に従って求めた 16 kHz のオクター

ブバンド内の 1/3 オクターブバンドレベル

離散周波数音

この規格に従って求めた A 特性レベル(125 Hz∼
8 kHz のオクターブバンドの寄与からなる),並びに
ISO 9295

に従って求めた離散周波数音のレベル及

びその周波数

広帯域騒音又は狭帯域騒音

a)

複数の離散周波数音

この規格に従って求めた A 特性レベル(125 Hz∼
8 kHz のオクターブバンドの寄与からなる),並びに
16 kHz のオクターブバンド内の最大レベルから
10 dB 以 内に ある 全て の離散 周 波数 音に 対し,
ISO 9295

に従って求めた離散周波数音のレベル及

びその周波数

離散周波数音

ISO 9295

に従って求めた,16 kHz のオクターブバン

ド内の離散周波数音のレベル及びその周波数

際立った騒音なし

b)

複数の離散周波数音

16 kHz のオクターブバンド内の最大レベルから
10 dB 以 内に ある 全て の離散 周 波数 音に 対し,
ISO 9295

に従って求めた離散周波数音のレベル及

びその周波数

a)

 125

Hz∼8 kHz のオクターブバンド内の騒音に対しては,1/3 オクターブバンドの音響パワーレベル及びオク

ターブバンドの音響パワーレベルも報告してもよい。

b)

 125

Hz∼8 kHz のオクターブバンドから際立った寄与がない場合,この規格の対象外であり,ISO 9295 だけが

適用になる。


17

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

7

反射面上の準自由音場における機器の音響パワーレベル算出方法

7.1

一般事項

箇条 では,ISO 3744 又は ISO 3745 に規定する反射面上の準自由音場を使って,情報技術装置から発

生する騒音の音響パワーレベルを算出する方法を規定する。この方法は,広帯域騒音,狭帯域騒音,離散

周波数成分を含む騒音又は衝撃性の騒音を発する機器に対し適用する。

注記  スペクトル及びレベルの時間変動による騒音の分類については,ISO 12001:1996

 [2]

又は

JIS Z 8733:2000

 [25]

で定義されている。

測定は,ISO 3744 又は ISO 3745 に従い,あらかじめ検定された環境で行わなければならない。

7.2

測定の不確かさ

この方法に従う測定の再現性の標準偏差は,この規格の対象周波数範囲に対し,

表 の値以下となる。

表 5−箇条 に従い,反射面上の準自由音場において算出した音響パワーレベルの不確かさ

オクターブバンド

中心周波数

Hz

1/3 オクターブバンド

中心周波数

Hz

標準偏差

dB

125 100∼160 3.0

250∼500 200∼630 2.0

1 000∼4 000

800∼5 000

1.5

8 000

6 300∼10 000

2.5

注記 1  ほとんどの情報技術装置において,A 特性音響パワーレベルは,中心周波数が 250 Hz∼

4 000 Hz のオクターブバンドにおける音響パワーレベルによって決まる。その場合の A 特性

音響パワーレベルは,およそ 1.5 dB の再現性の標準偏差で算出される。他の帯域の音響パワ

ーレベルによって A 特性音響パワーレベルが決まる場合,より大きな標準偏差となることが

ある。

注記 2  表 の標準偏差は,測定の不確かさに影響する全ての要因の累積効果を反映したものであり,

測定機関(測定室)間の変動を含むが,

(測定の不確かさとは無関係な)試験対象機器間の音

響パワーレベルのばらつき,又は,

(例えば,機器の設置又は作動条件の変更による)試験間

のばらつきを含むものではない。同じ試験対象機器の,同じ測定条件における試験結果の再

現性の標準偏差及び繰返し性の標準偏差は,

表 の不確かさよりも,かなりよいもの(すな

わち,小さな標準偏差)となるであろう。

注記 3  全指向性で広帯域の騒音を発する同種の機器の音響パワーレベルを比較する目的で,同一の

環境において箇条 の方法を使って測定した場合,その比較における不確かさは,

表 に与

える標準偏差よりも小さい値となる。

7.3

試験環境

7.3.1

一般事項  

試験環境は,反射面上の準自由音場を実現するものでなければならない。適正な試験環境に関する規準

criteria)が,ISO 3744 及び ISO 3745 に定義されている。ただし,この規格では,ISO 3744 を適用する

場合,環境補正値 K

2

は 2 dB 以下でなければならない。

注記  対象周波数範囲にわたり,吸音率 α < 0.06[例えば,コンクリート床で α < 0.01,石こう(膏)

の壁で α ≈ 0.04,タイル貼りの壁で α ≈ 0.01]である場合,その面(床,壁)は反射性である(音

響的に硬い)と考えられる。


18

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

7.3.2

温湿度及び気圧

ISO 3744

の該当する要件に従う。

次の条件を推奨する。

a)

気圧  86 kPa∼106 kPa。

b)

温度  試験対象機器の製造業者によって定義されている場合,その範囲内とする。製造業者による範

囲の定義のない場合,推奨範囲は 15  ℃∼30  ℃とする。

c)

相対湿度  試験対象機器の製造業者によって定義されている場合,その範囲内とする。紙及びカード

媒体だけを処理する機器に対し,製造業者による範囲の定義のない場合,推奨範囲は 40 %∼70 %とす

る。

(例えば,冷却ファンの速度を変化させることのように)設置環境の温度によって発生する騒音が変化

するように設計されている機器の場合,測定中の室温は,23  ℃ ± 2  ℃とする。

(例えば,冷却ファンの速度を変化させることのように)標高によって騒音放射が変化するように設計

されている機器の場合,試験室の標高は 500 m 以下とするか,500 m 以下の標高における作動を模擬する

条件の下で試験する。

注記  この場合の冷却ファンの速度の変化とは,試験対象機器の設計に基づく作動の変化であり,7.9.1

又は 7.9.2 に規定する,試験環境の気圧に対する補正に関して考慮する速度の変化のことではな

い。

7.4

測定器

7.4.1

一般事項

ISO 3744

又は ISO 3745 の測定器に関する要件に加え,この規格の 7.4 の要件に従う。

平均方法としては,デジタル積分が望ましい。

7.4.2

マイクロホン及びケーブル

マイクロホン及びそのケーブルを含む測定システムは,ISO 3744 又は ISO 3745 の該当する要件を満足

しなければならない。移動マイクロホンの場合,

[例えば,風,歯車,フレキシブルケーブル,しゅう(摺)

動接点などによる]

測定の妨害になり得る,

騒音又は電気雑音が発生しないよう十分な注意が必要である。

7.4.3

測定システムの周波数レスポンス  

ISO 3744

又は ISO 3745 の該当する要件に従う。

7.4.4

基準音源

基準音源は,対象周波数範囲において JIS Z 8739 の要件を満足しなければならない。

7.4.5

フィルタ特性

JIS C 1514

のクラス 1 の機器に対する要件に従う。

7.4.6

校正

一連の測定ごとに,その間に,対象周波数範囲上の少なくとも一つの周波数において,JIS C 1515 のク

ラス 1 の音響校正器をマイクロホンに用いて,測定システム全体の校正を検査する。音響校正器単体とし

ては,JIS C 1515 に適合していることを 1 年に 1 度検査し,測定システムとしては,JIS C 1509-1 の要件

への適合を少なくとも 2 年に 1 度,該当する規格に対し,トレーサビリティのある校正を行える試験機関

において検査する。

環境補正値 K

2

を算出するために基準音源が使われる場合,JIS Z 8739 に従い,2 年に 1 度全般にわたっ

て校正する。

基準音源は,2 年ごとの校正周期に達する前に,再校正の必要がないかどうかを決定するため,JIS Z 8739


19

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

の手順に従い,毎年検査する。いずれかの 1/3 オクターブバンドにおける音圧レベルの変化が JIS Z 8739

に規定する再校正の値を超えた場合,以後の利用に先立ち,JIS Z 8739 の手順に従い,基準音源を再校正

する。

該当する規格への適合を最後に検証した年月日を記録する。

7.5

機器の設置及び作動−一般事項

箇条 を参照。

7.6

測定表面及びマイクロホンの位置

7.6.1

一般事項

附属書 に規定するものを除き,ISO 3744 又は ISO 3745 の該当する要件に従う。ほとんどの情報技術

装置に対する,標準の測定表面とは半球である。半球測定表面を用いる場合,次のいずれか一つを適用す

る。

a)  B.1

に規定するもの

b)  ISO 3745

の該当する附属書に規定するもの

c)

ISO 3744

の該当する附属書に規定するもの(ただし,最小でも 5 種類のマイクロホン高さをもつもの)

しかしながら,ラック,フレーム,キャビネットなどの高さ方向の比率の高い機器に対しては,B.2 

規定する円筒測定表面が望ましい。比較的設置面積の大きな音源に対しては,直方体形の測定表面がより

現実的であろう。ただし,上記箇条 の条件に従う。マイクロホンの位置の数及びその配置に関しては,

この規格の

附属書 の場合を除き,ISO 3744 又は ISO 3745 の該当する要件による。

例えば,物理的に小さな機器が非常に低いレベルの騒音を発するような場合には,より小さな半径の半

球測定表面を利用することが有効なことがある。そのような状況のために,B.1 では,半球半径が 1 m 未

満,ただし,0.5 m 以上となる測定条件を定義している。

マイクロホンの配置を決めるために,ある仮想的な基準表面が定義される。この基準表面,又は“基準

箱”とは,機器を包含し反射面上まで達する最小面積の直方体の箱(直角の平行六面体)とする。長さ l

1

幅 l

2

,高さ l

3

とする。試験対象機器から突き出た要素のうち,騒音放射に寄与しそうにないものは除外し

てもよい。マイクロホンの位置は,測定表面上に配置され,この測定表面とは,反射面と合わせることに

よって,基準箱同様に機器を包含することになる,面積 の仮想的な面とする。

注記 1  音源を包む面のうち,床面上の部分は測定表面ではないことに注意。例えば,直方体の測定

表面の場合,測定面積 とは上面及び四つの側面だけであり,反射面上の部分は含まれない。

試験対象機器の配置,測定表面及びマイクロホンの位置は,基準箱の長さ方向及び幅方向に平行な床面

上の水平軸を 及び とし,

基準箱の幾何中心を通過する垂直軸を とする座標系によって定義される。

は,試験対象機器の前方向と同じとする。マイクロホンの位置を表すための座標系の原点位置は,次のと

おりに規定される。

a)

床置き機器の場合

試験室の床面上であって,これと同一平面上にある基準箱の面の中心点

b)

卓上機器の場合

上記 a)  に同じ

c)

壁付け機器の場合

据え付け表面と同一平面にある基準箱の面の中心点

d)

ラック組込み機器の場合

上記 a)  に同じ

e)

手持ち機器の場合

上記 a)  に同じ

f)

サブアセンブリの場合

上記 a)  に同じ

注記 2  固定したマイクロホン配置の場合,1 本のマイクロホンをある位置から次の位置へ順次動か

してもよいし,複数の固定したマイクロホンを使い,その出力を順次サンプリングするか,


20

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

又は同時に取り込んでもよい。そうする代わりに,ISO 3744 に従いマイクロホンを連続移動

させてもよい。

排気口付近では,マイクロホンが排気流にさらされないように配置するか,又はウィンドスクリーンを

用いる。

マイクロホンが最も平たんな周波数レスポンスとなる角度として製造業者が指定した角度と音の入射角

度とが一致するようにマイクロホンを向ける。実際には,ほとんどの場合において,これは床面上の座標

原点に向かう方向であろう。

7.6.2

マイクロホンの位置及び測定表面

次の場合を除き,追加マイクロホンの位置に関する要件及びマイクロホンの位置の数の削減に関する要

件を含め,ISO 3744 又は ISO 3745 の該当する要件を満足しなければならない。

ISO 3745

に規定する反射面上の自由音場の条件を満たす試験室ではあるが,その大きさに比べて寸法の

大きな機器を測定しなければならない場合,試験対象機器を部屋の中心ではなく隅に配置し,マイクロホ

ンを部屋の自由音場内に配置する方が容易なことがある。機器の各側面からの騒音の放射量を算出できる

ように,機器の方を順次回転させるとよい。

7.7

音圧レベルの測定

7.7.1

一般事項

音圧レベルの測定は,ISO 3744 又は ISO 3745 に従うとともに,次の要件に従う。

音圧レベルの測定は,7.6 に規定する位置において A 特性及び/又は必要に応じて,対象周波数範囲内

の周波数バンドごとに行う。次のデータを得る。

−  機器の規定された作動モードに対する A 特性音圧レベル及び/又は 1/3 オクターブバンド音圧レ

ベル

−  (試験対象機器を支持するためのものからの騒音を含む)暗騒音の A 特性音圧レベル及び/又は

1/3 オクターブバンド音圧レベル

サウンドレベルメータ(マイクロホンから表示部までが一体となったもの)を用いる場合,その読取り

を行う人間がマイクロホンの周囲の音場を乱してはならない。

7.7.2

測定時間

ISO 3744

の要件に加え,次の要件の該当するものに従う。

例えば,封かん(緘)機のように,同じ作動サイクルを繰り返す機器に対しては,測定時間には,少な

くとも三つの作動サイクルを含む。様々な作動サイクルを順番に実行する機器に対しては,その順番の全

てを測定時間に含む。多くのカテゴリの機器のための詳細な要件を,

附属書 に規定している。

7.7.3

暗騒音の補正

ISO 3744

の該当する要件に従う。

注記  試験室内の暗騒音レベルが非常に低く,かつ,よく管理されている場合,ISO 3744 による暗騒

音に関する絶対規準(absolute criteria for background noise が 2010 年 10 月発行の第 3 版で初め

て導入された。

)及び/又は相対規準を満足することがある。

7.8

表面音圧レベルの計算

測定表面上の表面音圧レベルの計算は,ISO 3744 の該当する手順に従う。この計算には,暗騒音補正値

K

1

及び環境補正値 K

2

を含んでいる。ISO 3745 の検定要件を満足する半無響室の場合,環境補正値 K

2

は適

用されない。


21

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

7.9

音響パワーレベルの算出

7.9.1

バンド音響パワーレベルの計算

バンドデータが必要な場合,対象周波数範囲内の 1/3 オクターブバンドごとの,標準環境条件における

機器の音響パワーレベルは,表面音圧レベルに基づき,ISO 3744 の手順に従って算出する。

注記  標準環境条件(気圧 1.013  25 × 10

5

 Pa,温度 23  ℃,相対湿度 50 %)における A 特性音響パワ

ーレベルを算出するために ISO 3744 の手順が使われる(2010 年 10 月発行の第 3 版で標準環境

条件という概念が ISO 3744 に初めて導入された。

必要な場合,番目のオクターブバンドの音響パワーレベル L

Woct, k

(単位はデシベル)は,1/3 オクター

ブバンドデータに基づいて,6.10.1 の式(1)から計算する。

7.9.2

A

特性音響パワーレベルの計算

この規格では,ISO 3744 の手順に従って,A 特性音圧レベルから直接計算するか,又はバンドごとの A

特性値を使い 1/3 オクターブバンドデータから計算するか,そのいずれかによって,標準環境条件におけ

る A 特性音響パワーレベル L

WA

 (dB)を導出できる。

注記  標準環境条件(気圧 1.013 25 × 10

5

 Pa,温度 23 °C,相対湿度 50 %)における A 特性音響パワー

レベルを算出するために ISO 3744 の手順が使われる(2010 年 10 月発行の第 3 版で標準環境条

件という概念が ISO 3744 に初めて導入された。

後者の場合,A 特性音響パワーレベル L

WA

(単位はデシベル)は,適用される対象周波数範囲に基づき,

6.10.2

の式(2)によって計算される。

情報技術装置の中には,16 kHz のオクターブバンド内に高周波騒音を発するものがある。その騒音放射

の性質に応じ,

表 では,それぞれの状況にどのように対処するかを示している。

この規格では,16 kHz のオクターブバンドまで対象周波数範囲を拡張しておらず,バンドレベルから A

特性音響パワーレベルの算出に含めていない。

16 kHz のオクターブバンド内に離散周波数音を発する機器に対しては,そのバンド内の最大レベルの

10 dB 以内にある全ての周波数及びレベルを ISO 9295 に規定する手順に従って算出する(表 参照)。得

られるレベルに周波数重み付け特性は加わっていない。

注意  A 特性レベルの算出において,16 kHz のオクターブバンドの寄与は含まれない。


22

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

8

オペレータ位置及びバイスタンダ位置における放射音圧レベル算出方法

8.1

一般事項

箇条 では,ISO 11201 の精度グレード 2(実用法)に従い,反射面上の準自由音場内の作業位置(オペ

レータ位置)及びオペレータ位置がない場合にはバイスタンダ位置における情報技術装置の放射音圧レベ

ルの算出条件を規定する。この方法は,広帯域騒音,狭帯域騒音,離散周波数成分を含む騒音又は衝撃性

の騒音を発する機器に対し適用する。

注記 1  箇条 に規定する方法は,これまでの経緯上,実用測定方法に基づいている。

注記 2  スペクトル及びレベルの時間変動による騒音の分類については,ISO 12001:1996

 [2]

又は

JIS Z 8733:2000

 [25]

で定義されている。

この算出方法はサブアセンブリには適用しない。しかし,サブアセンブリに対し放射音圧レベルが必要

な場合,あらかじめ得られた音響パワーレベルの値から,ISO 11203 に規定する方法に従い,Q = Q

1

 = 8 dB

の関係を使って放射音圧レベルを算出する。この の値は,半球面状に音を放射する,物理的に小さなサ

ブアセンブリから半径 1 m の距離の状況に対応している。全てのサブアセンブリに対し,一律にこの 

値を適用する。この算出によるものとは別に,この後に規定するように,オペレータ位置又はバイスタン

ダ位置において,放射音圧レベルを実測に基づいて任意に算出してもよい。

オペレータ位置又はバイスタンダ位置における騒音が,顕著な離散周波数音を含んでいるかどうか,及

び/又は,

衝撃性の騒音であるかどうかを決定するための方法を,

附属書 及び附属書 にそれぞれ示す。

これらの方法は,機器にもサブアセンブリにも適用可能である。

8.2

測定の不確かさ

この方法に従う測定の再現性の標準偏差は,この規格の対象周波数範囲に対し,

表 の値以下となる。

表 6−箇条 に従い,反射面上の準自由音場内のオペレータ位置及びバイスタンダ位置において

算出した放射音圧レベルの不確かさ

オクターブバンド

中心周波数

Hz

1/3 オクターブバンド

中心周波数

Hz

標準偏差

dB

125 100∼160 3.0

250∼500 200∼630 2.0

1 000∼4 000

800∼5 000

1.5

8 000

6 300∼10 000

2.5

注記 1  ほとんどの情報技術装置において,A 特性放射音圧レベルは,中心周波数が 250 Hz∼4 000 Hz

のオクターブバンドにおける放射音圧レベルによって決まる。その場合の A 特性放射音圧レ

ベルは,

およそ 1.5 dB の再現性の標準偏差で算出される。

他の帯域の音圧レベルによって A 特

性放射音圧レベルが決まる場合,より大きな標準偏差となることがある。

注記 2  表 の標準偏差は,反射面上の準自由音場における測定の不確かさに影響する全ての要因の

累積効果を反映したものであり,測定機関(測定室)間の変動を含むが,

(測定の不確かさと

は無関係な)試験対象機器間の放射音圧レベルのばらつき,又は,

(例えば,機器の設置又は

作動条件の変更による)試験間のばらつきを含むものではない。同じ試験対象機器の,同じ

測定条件における試験結果の再現性の標準偏差及び繰返し性の標準偏差は,

表 の不確かさ

よりも,かなりよいもの(すなわち,小さな標準偏差)となるであろう。

注記 3  全指向性で広帯域の騒音を発する同種の機器の放射音圧レベルを比較する目的で,同一の環


23

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

境において箇条 に規定する方法を使って測定した場合,その比較における不確かさは,

表 6

に与える標準偏差よりも小さな値となる。

8.3

試験環境

8.3.1

一般事項

ISO 11201

の精度グレード 2(実用法)に従い検定した環境において測定を行う。便宜上,箇条 に従い

行う測定と一緒にこの測定が行われることがある。

注意  箇条 7(反射面上の準自由音場における機器の音響パワーレベル算出方法)と箇条 8(オペレー

タ位置及びバイスタンダ位置における放射音圧レベル算出方法)とで,設置条件が同一である

とは限らない。

8.3.2

温湿度及び気圧

ISO 11201

の精度グレード 2(実用法)の要件に従う。

次の条件を推奨する。

a)

気圧  86 kPa∼106 kPa。

b)

温度  試験対象機器の製造業者によって定義されている場合,その範囲内とする。製造業者による範

囲の定義のない場合,推奨範囲は 15  ℃∼30  ℃とする。

c)

相対湿度  試験対象機器の製造業者によって定義されている場合,その範囲内とする。紙及びカード

媒体だけを処理する機器に対し,製造業者による範囲の定義のない場合,推奨範囲は 40 %∼70 %とす

る。

(例えば,冷却ファンの速度を変化させることのように)設置環境の温度によって発生騒音が変化する

ように設計されている機器の場合,測定中の室温は,23  ℃ ± 2  ℃とする。

(例えば,冷却ファンの速度を変化させることのように)標高によって騒音放射が変化するように設計

されている機器の場合,試験室の標高は 500 m 以下とするか,500 m 以下の標高における作動を模擬する

条件の下で試験する。

注記  この場合の冷却ファンの速度の変化とは,試験対象機器の設計に基づく作動の変化であり,8.8.1

注記で記載した,試験環境の気圧に対する補正において考慮する速度の変化のことではない。

8.4

測定器

測定器は,ISO 11201 の精度グレード 2(実用法)の要件のほか,7.4 の要件を満足しなければならない。

8.5

機器の設置及び作動

手持ち機器及び卓上機器を標準試験卓の中央に設置することを除き,機器の設置及び作動に関しては,

箇条 に従う。

手持ち機器は,標準試験卓の前面と機器の前面とが一致するようにして,標準試験卓の上に平らに置か

なければならない。ただし,手持ち機器は,高さ約 12 mm の弾性のある足を数本使い,標準試験卓の上面

から浮かせてもよい。

卓上機器は,

附属書 に特に規定がない場合,標準試験卓の中央に設置する。機器構成の中にキーボー

ドを含む卓上機器の場合,キーボード及びそれ以外の装置を含む最小面積の直方体を想定し,それを標準

試験卓の上面の中央に配置するか,

附属書 に規定するとおりとする。キーボードが着脱可能であり,そ

れなしに試験される卓上機器は,

キーボードがそこにあるものとみなし,

附属書 に特に規定がない場合,

前述のとおりに標準試験卓の中央に配置する。

卓上機器内部で使われるサブアセンブリに対し,任意の測定を行う場合,高さ約 12 mm の弾性のある足

を数本使い,測定対象のサブアセンブリを標準試験卓の上面から浮かし,試験卓の中央に設置する。他の


24

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

エンクロージャ又はラック内部で使われるように設計されたサブアセンブリに対し,任意の測定を行う場

合,5.1.7 に従い設置する。

8.6

マイクロホンの位置

注記  ここに規定する要件は,ISO 11201 の精度グレード 2(実用法)の要件に従うものであるが,更

に詳細なものである。

8.6.1

オペレータ位置

作動モード中にオペレータの介在を要する機器に対しては,オペレータ位置を 1 か所以上規定する。

起立した位置から操作される機器に対しては,

床の上方 1.50 m ± 0.03 m にマイクロホンを配置する

図 1

の a),位置 P1 参照]

着席位置から操作される機器に対しては,床の上方 1.20 m ± 0.03 m にマイクロホンを配置する[

図 

b)

又は c),位置 P2 又は P3 参照]

基準箱からの水平距離は,

その距離が,その機器のオペレータ位置として代表的とならない場合を除き,

0.25 m ± 0.03 m とする。これ以外の距離の場合,代表的なオペレータ位置を報告書に記載し,これを試験

に用いる。

(例えば,卓上で使われるパーソナルコンピュータ又は視覚表示装置のように)着脱可能なキーボード

をもち,キーボードなしで試験される卓上機器に対するオペレータ位置を決定する場合,基準箱からの距

離は,0.50 m ± 0.03 m とする[

図 の d),位置 P4 参照]。

オペレータ位置が定義された機器の内部で使われるように設計されたサブアセンブリに対し,任意の測

定を行う場合,そのサブアセンブリに対しても,そのオペレータ位置を用いる(すなわち,卓上機器で脱

着式のキーボードをもたない場合には 0.25 m ± 0.03 m で,

それ以外は基準箱の正面から 0.50 m ± 0.03 m で,

反射床の上方 1.2 m ± 0.03 m)

この測定中,可能な場合は無人とするのが望ましいが,それができない場合,機器の操作はできるが,

マイクロホン付近の音場を乱すことのないよう,オペレータは脇に避けているのが望ましい。

手持ち 機器に対しては , マ イ ク ロ ホ ンは 床 の 上 方 1.0  m ± 0.03  m で , 基準箱 か ら の水 平距離 は

0.125 m ± 0.01 m[図 の e),位置 P5 参照]とする。

注記  オペレータの介在を要する機器に対して,オペレータ位置における放射音圧レベルが測定され

る場合は,バイスタンダ位置における放射音圧レベルの測定は必須ではない。

8.6.2

バイスタンダ位置

作動モード中にオペレータの介在を要しない機器に対しては,オペレータ位置を規定する必要はない。

この場合,少なくとも 4 か所のバイスタンダ位置を選択し,規定する。

バイスタンダ位置は,基準箱の側面から水平距離で 1.00  m ± 0.03  m 離れ,床面からの垂直距離で

1.50 m ± 0.03  m 上方とする。基準箱の前側,後ろ側,右側及び左側の各中央の 4 か所をバイスタンダ位置

とするのが望ましい。ただし,基準箱の側面の長さが 2.0 m を超える場合,追加のバイスタンダ位置を 1 m

間隔で用いるのが望ましい。壁面に据え付けられる機器,又は壁を背にして設置される機器に対しては,

基準箱の前側,右側及び左側の各中央の 3 か所をバイスタンダ位置とするのが望ましい。

作動モード中にオペレータの介在を要しない機器の内部で使われるように設計されたサブアセンブリに

対し,任意の測定を行う場合,5.1.7 に従ってサブアセンブリを設置し,基準箱を定義し,上記 2 段落の規

定を適用してバイスタンダ位置を定義する。

8.6.3

マイクロホンの向き

マイクロホンが最も平たんな周波数レスポンスとなる角度として製造業者が指定した角度と音の入射角


25

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

とが一致するようにマイクロホンを向ける。実際には,ほとんどの場合において,主要な音源とは,水平

方向に対して 30°又は 45°下方にあると想定される(

図 参照)。

e)  手持ち機器に対するオペレータ

図 1−着席したオペレータ及び起立したオペレータの例

0.25 m

1.

50 m

P1

30°

a) 起立したオペレータ

b)

床置き機器に対する

着席したオペレータ位置

c) 
    (

1:

)

卓上機器に対する着席したオペレータ

ケース

キーボード有り

d)

    (

2:

)

卓上機器に対する着席したオペレータ

ケース

キーボード無し

0.25 m

1.

20

 m

P2

30°

0.25 m

0.

75 m

0.

45 m

P3

30°

0.50 m

0.

75 m

0.

45 m

P4

30°

0.125 m

0.75 m

0.25 m


26

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

8.7

音圧レベルの測定

8.7.1

一般事項

箇条 で要求する音圧レベルの測定は,8.6 に規定するマイクロホンの位置において,A 特性及び/又は

対象周波数範囲内の周波数バンドごとに行う。次のものを記録する。

a)

機器の規定された作動モードに対する A 特性音圧レベル及び/又は 1/3 オクターブバンド音圧レベル

b)

(試験対象機器を支持するための装置からの騒音を含む)暗騒音の A 特性音圧レベル及び/又は 1/3

オクターブバンド音圧レベル

サウンドレベルメータ(マイクロホンから表示部までが一体となったもの)を用いる場合,その読取り

を行う人間がマイクロホンの周囲の音場を乱してはならない。

干渉又は定在波によって,音圧分布の空間的変動が生じた場合,公称の測定位置付近の垂直面内におい

て,約 0.1 m マイクロホンを動かし,その時間平均音圧レベルを記録することが望ましい。指定位置にお

ける放射音圧レベルを得るには,ISO 11201 の精度グレード 2(実用法)の手順(8.7.3 参照)に従い,実

測した音圧レベルに暗騒音補正値 K

1

(A 特性音圧レベルに対しては K

1A

)を適用しなければならないが,

環境補正値 K

2

(A 特性音圧レベルに対しては K

2A

)を適用してはならない。

注記 1  オペレータ位置又はバイスタンダ位置における騒音放射に顕著な離散周波数音が含まれるか

どうか,及び衝撃性の騒音かどうかを判定する方法を,

附属書 及び附属書 にそれぞれ示

す。

8.6

に規定するマイクロホンの位置のいずれかにおいて,C 特性ピーク放射音圧レベル L

pCpeak

が 120 dB

を超える場合,C 特性ピーク放射音圧レベルの測定を行う。

注記 2  ある種の法律において,C 特性ピーク放射音圧レベルが 130 dB を超えた場合,その報告を義

務付けている。

現在の情報技術装置においては,C 特性ピーク放射音圧レベル L

pCpeak

が 120 dB

を超えることはないものと考えられており,この 120 dB のしきい(閾)値は,測定及び報告

が必要となる境界としては,余裕をもったものとして設定されている。

8.7.2

測定時間  

測定時間は,7.7.2 による。

8.7.3

暗騒音の補正

ISO 11201

の精度のグレード 2(実用法)の要件に従う。

注記  試験室内の暗騒音レベルが非常に低く,かつ,よく管理されている場合,ISO 11201 による暗

騒音に関する絶対規準(absolute criteria for background noise が 2010 年 5 月発行の第 2 版で初め

て導入された。

)及び/又は相対規準を満足することがある。

8.8

放射音圧レベルの算出

8.8.1

バンド放射音圧レベルの計算

対象周波数範囲(3.2.11 参照)内の 1/3 オクターブバンドごとの機器の,標準環境条件における放射音圧

レベルは,ISO 11201 の精度グレード 2(実用法)の手順に従って得られる。

注記  標準環境条件(気圧 1.013 25 × 10

5

 Pa,温度 23  ℃,相対湿度 50 %)における放射音圧レベルを

算出するために ISO 11201 の手順が使われる(2010 年 5 月発行の第 2 版で標準環境条件という

概念が ISO 11201 に初めて導入された。

必要な場合,番目のオクターブバンドの放射音圧レベル L

poct, k

(単位はデシベル)は,1/3 オクターブ

バンドに基づいて,次の式から計算する。


27

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

dB

10

log

10

3

2

3

1

.

0

10

oct,

,

3

/

1

=

=

k

k

j

L

k

p

j

p

L

 (3)

ここに,

k : 対象周波数範囲内のオクターブバンドの識別番号(表 参照)

L

p1/3, j

 : 番目の 1/3 オクターブバンドにおける放射音圧レベル(単位

はデシベル)

j  : (3k

− 2)と 3との間にあり,番目のオクターブバンドを構成

する 1/3 オクターブバンドの識別番号(

表 参照)

8.8.2

バンドレベルからの 特性放射音圧レベルの計算

この規格では,A 特性音圧レベルから直接か,又は ISO 11201 の精度グレード 2(実用法)の手順に従

ってバンドごとの A 特性値を使い 1/3 オクターブバンドデータから計算によって,A 特性放射音圧レベル

L

pA

を,デシベルを単位として求めることができる。

注記  標準環境条件(気圧 1.013 25 × 10

5

 Pa,温度 23  ℃,相対湿度 50 %)における放射音圧レベルを

算出するために ISO 11201 の手順が使われる(2010 年 5 月発行の第 2 版で標準環境条件という

概念が ISO 11201 に初めて導入された。

後者の場合,A 特性放射音圧レベル L

pA

は,対象周波数範囲に基づき,次の式から計算する。

+

=

21

1

=

)

0.1(

10

A

,

3

/

1

10

log

10

j

A

L

p

j

j

p

L

 (dB)  (4)

ここに, L

p1/3, j

番目の 1/3 オクターブバンドにおける放射音圧レベル(dB)

A

j

番目の 1/3 オクターブバンドに対応する A 特性値(表 
照)

j: 対象周波数範囲内の 1/3 オクターブバンドの識別番号

情報技術装置の中には,16 kHz のオクターブバンド内に高周波騒音を発するものがある。その騒音放射

の性質に応じ,

表 では,それぞれの状況にどのように対処するかを示している。箇条 においては,表 4

の“音響パワーレベル”又は“レベル”を“放射音圧レベル”と読み替える。得られるレベルに周波数重

み付け特性は加わっていない。

バンドレベルから A 特性放射音圧レベルを算出する場合,この規格では対象周波数範囲の拡張を行って

いない。

16 kHz のオクターブバンド内に離散周波数音を発する機器に対しては,ISO 9295 の手順に従って最大の

レベルの 10 dB 以内にある離散周波数音ごとに,その周波数及びレベルを算出する(

表 参照)。

注意  A 特性レベルの算出において,16 kHz のオクターブバンドの寄与は含まれない。

8.8.3

バイスタンダ位置における平均放射音圧レベルの計算

バイスタンダ位置が定義された場合,8.6.2 で定義するバイスタンダ位置における平均 A 特性放射音圧レ

ベル L

pA

,及び必要に応じて,平均バンド放射音圧レベル L

p

を式(5)に従い計算する。

=

=

N

i

L

p

pi

N

L

1

1

.

0

10

10

1

log

10

 (dB)  (5)

ここに,

L

pi

i

番目のバイスタンダ位置における測定から得られたバ

ンド放射音圧レベル

(dB)

(基準値

20

μPa

N

バイスタンダ位置の数

A

特性放射音圧レベルに対しては,量記号

L

p

及び

L

pi

を,

L

pA

及び

L

pAi

によってそれぞれ置き換える。

注記

8.8.3

においては“

mean emission sound pressure level

”の訳語をこの規格の旧版と同様に“平均

放射音圧レベル”とした。

mean

”の訳語に関しては,6.9 

注記でも言及されている。


28

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

9

記録事項及び報告事項

9.1

記録事項

9.1.1

一般事項

該当する場合,9.1.29.1.5 に規定する事項を記録しなければならない。さらに,この騒音試験規程の要

件からの逸脱事項,及びその基礎となっている騒音放射通則規格の要件からの逸脱事項のある場合,その

各々に対し,技術的な見地から理由付けを行い,これを記録しなければならない。

騒音放射通則規格に規定する記録及び報告に関する全ての要件は,この規格の要件でもある。したがっ

て,次の要件は必要条件ではあるが,十分条件ではない。

9.1.2

試験対象機器

次の事項を記録しなければならない。

a

)

試験対象機器の詳細(各ユニットの主要寸法,名称,型番及び製造番号。試験対象機器内部で騒音を

放射しているコンポーネント及びサブアセンブリの名称,型番及び製造番号を含む。

b

)

アイドルモード及び作動モードの詳細な記述(作動速度,使われたデータ媒体及びその試験対象機器

専用の試験用プログラム名を含む。

c

)

設置及び据え付け条件の詳細

d

)

試験環境内における機器の配置

e

)

オペレータがいる場合,その配置及び役割

f

)

供給電源の公称周波数(例えば,

50 Hz

)及び実測した電源電圧[単位はそれぞれ,ヘルツ

(Hz)

及びボ

ルト

(V)

g

)

試験されている製品の代表的なハードコピー出力のサンプル(該当する場合には,記録データの一部

としてファイルするのがよい。

h

)

騒音の放射状態が試験室の温度に依存することの有無が分かっている場合,そのことへの言及

次の事項を磁気テープによるか,デジタルで記録することが望ましい。

各々の作動モードに対し,オペレータ位置が定義されている場合には,そのオペレータ位置において,

オペレータ位置が定義されていない場合には,最も高い

A

特性音圧レベルのバイスタンダ位置において,

少なくとも

1

分間,高品質の磁気テープレコーダで録音するのが望ましい。録音した場合,予備のトラッ

クに,音声によって,試験対象機器の名称,試験モード,マイクロホンの位置及び信号の

A

特性音圧レベ

ルの値を吹き込んでおくのが望ましい。原信号に対して

Dolby

  3)

又は他の雑音低減を目的とした信号処理

を行ってはならない。この規格では,校正信号そのものの録音を義務付けてはいないが,録音時のバイア

スをテープの容器に書き留めておかなければならない。

3)

 Dolby

は,単に,商業ベースで利用可能な製品の一例である。この情報はこの規格の利用者へ

の便宜上のものであって,この製品を推奨するものではない。

9.1.3

試験環境

次の事項を記録しなければならない。

a

)

箇条 に従い音響パワーレベルを算出する場合(ISO 3741

1

)

試験室の詳細(壁,天井及び床の寸法,形状,表面処理,並びに,音源及び室内にあるものの配置

を示すスケッチを含む。

2

)

固定拡散板又は回転拡散装置のある場合,その詳細

3

)

ISO 3741

に従い行った残響試験室の検定結果


29

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

4

)

気温

 (

)

,相対湿度

 (%)

及び気圧

 (kPa)

b

)

箇条 に従い音響パワーレベルを算出する場合(ISO 3744 又は ISO 3745

1

)

試験環境の音響的な詳細(屋内の場合,試験室の大きさ,壁,天井及び床の吸音特性を含む音響特

性,並びに,試験対象機器の配置を示したスケッチ)

2

)

試験環境が ISO 3745 に従って検定されていない場合,ISO 3744 の該当する手順に従い求めた試験

環境の音響的な検定結果である環境補正値

K

2

ISO 3745 の要件に適合している場合,その事実に言

及するのがよい。

3

)

気温

 (

)

,相対湿度

 (%)

及び気圧

 (kPa)

c

)

箇条 に従いオ ペ レータ 位置 及 び バ イス タ ンダ位 置に おける 放射 音圧レベルを 算出 する場 合

ISO

11201

の精度グレード

2

(実用法)

注記 1

次の事項は,前述の音響パワーレベル算出に関して記録したものと同じ項目ではあるが,数

値的に異なることがある。上記の b

)

で音響パワーレベル算出のために記録した事項と同じ

ものが,ここでも適用可能な場合,試験ファイルにそのように明記するだけでもよい。

1

)

試験環境の音響的な詳細(屋内の場合,試験室の大きさ,壁,天井及び床の吸音特性を含む音響特

性,並びに試験対象機器の配置を示したスケッチ)

2

)

試験環境が ISO 3745 に従って検定されていない場合,ISO 3744 の該当する手順に従い求めた試験

環境の音響的な検定結果である環境補正値

K

2

ISO 3745 の要件に適合している場合,その事実に言

及するのがよい。

注記 2

環境補正値

K

2

は,実測値に対する補正目的で使ってはならないが,測定の品質を表す指標と

して,試験記録の一部に含まれる。

3

)

気温

 (

)

,相対湿度

 (%)

及び気圧

 (kPa)

9.1.4

測定器

次の事項を記録しなければならない。

a

)

測定に使われた機器(名称,型番,製造番号及び製造業者を含む。

b

)

周波数分析器のバンド幅(

附属書 において使用した場合,ディジタル

FFT

分析器を含む。

c

)

測定システムの周波数レスポンス

d

)

マイクロホン及び他のシステム要素の校正を日常的に点検するために使っている方法

e

)

必須定期校正の年月日及び場所

f

)

次の値の算出方法

1

)

ISO 3741

に従う空間・時間平均音圧レベル又は ISO 3744 に従う表面時間平均音圧レベル

2

)

ISO 11201

に従うオペレータ位置又はバイスタンダ位置における放射音圧レベルの平均値

g

)

附属書 に従い測定した場合,騒音の衝撃性に関する指標,

ΔL

I

 (dB)

9.1.5

測定データ

次の事項を記録しなければならない。

a

)

箇条 に従い音響パワーレベルを算出する場合(ISO 3741

1

)

マイクロホンの移動経路又はマイクロホン配列の配置及び向き(必要に応じて,スケッチを入れる

ことが望ましい。

2

)

マイクロホンの周波数レスポンス,バンドパスフィルタの周波数レスポンス,暗騒音などに対して,

適用した場合,それらの補正値

(dB)

3

)

基準音源の音響パワーレベルとそれによって発生する音圧レベルとのレベル差(

L

Wr

− L

pr

)の値を周


30

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

波数の関数として表したもの

(dB)

4

)

ISO 3741

に従い計算するためのバンド音圧レベルの読み値(

0.1 dB

単位が望ましいが,少なくとも

0.5 dB

単位に丸める。

(基準値

1 pW

5

)

オクターブバンド及び/又は

1/3

オクターブバンドごとの音響パワーレベル(

0.1 dB

単位が望まし

いが,少なくとも

0.5 dB

単位に丸めて,一覧表にするか又はプロットする。

(基準値

1 pW

6

)

オクターブバンド及び/又は

1/3

オクターブバンドごとの,標準環境条件における音響パワーレベ

ル(

0.1 dB

単位が望ましいが,少なくとも

0.5 dB

単位に丸める。

(基準値

1 pW

7

) A

特性音響パワーレベル(

0.1 dB

単位が望ましいが,少なくとも

0.5 dB

単位に丸める。

(基準値

1 pW

8

)

標準環境条件における

A

特性音響パワーレベル(

0.1 dB

単位が望ましいが,少なくとも

0.5 dB

単位

に丸める。

(基準値

1 pW

9

)

測定の年月日及び場所,並びに測定者の氏名

b

)

箇条 に従い音響パワーレベルを算出する場合(ISO 3744

1

)

測定表面の形状,測定距離,使用したマイクロホン(主要マイクロホンと,必要な場合,追加のマ

イクロホンとの両方を含む。

)の位置及び向き,又はその経路の配置及び向き(さらに,移動マイク

ロホンが使われた場合には,経路に沿った最大移動速度及びマイクロホンの向きを報告する。

2

)

測定表面の面積

S (m

2

)

3

)

マイクロホンの周波数レスポンス及びバンドパスフィルタの周波数レスポンスに対し,適用した場

合,それらの補正値

(dB)

4

)

A

特性又は周波数バンドごとの)表面時間平均音圧レベルに対する暗騒音補正値

K

1

 (dB)

5

)

測定点ごとの実測した暗騒音レベル及び平均暗騒音レベル

6

)

A

特性又は周波数バンドごとの)環境補正値

K

2

及びそれを算出するために ISO 3744 のどの方法

を使ったかに関する言及

7

) A

特性表面時間平均音圧レベル及び対象周波数範囲内のバンド表面時間平均音圧レベル

0.1 dB

単位が望ましいが,少なくとも

0.5 dB

単位に丸める。

(基準値

20 µPa

8

)

A

特性又は周波数バンドごとの)測定位置

i

における音圧レベル

L

pi

 (dB)

(基準値

20 µPa

9

) A

特性音響パワーレベル

L

WA

及び対象周波数範囲内のバンド音響パワーレベル

L

W

0.1 dB

単位が望

ましいが,少なくとも

0.5 dB

単位に丸める。

(基準値

1 pW

10

)

標準環境条件における,

A

特性音響パワーレベル

L

WA

及び対象周波数範囲内のバンド音響パワーレ

ベル

L

W

0.1 dB

単位が望ましいが,少なくとも

0.5 dB

単位に丸める。

(基準値

1 pW

11

)

測定の年月日,場所,及び測定者の氏名

c

)

箇条 に従いオ ペ レータ 位置 及 び バ イス タ ンダ位 置に おける 放射 音圧レベルを 算出 する場 合

ISO

11201

のグレード

2

(実用法)

1

)

測定位置及びマイクロホンの向き(スケッチを含むのが望ましい。

2

)

8.6.1

に従ってオペレータ位置が定義されている場合,アイドルモード及び作動モードのそれぞれに

対し,そのオペレータ位置で実測した,

A

特性放射音圧レベル

L

pA

,必要に応じてバンド放射音圧レ

ベル,さらに,

C

特性ピーク放射音圧レベル

L

pCpeak

120 dB

を超える場合には,その値(

0.1 dB

位が望ましいが,少なくとも

0.5 dB

単位に丸める。

(基準値

20 µPa

注記

8.6.1

注記のとおり,オペレータ位置が定義されている機器の場合,この規格ではバイス

タンダ位置における測定を義務付けておらず,したがって,オペレータ位置の有無に応じ

f

p

L


31

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

て,この 2

)

及び後続の 3

)

の事項のどちらか一方だけが記録される。

3

)

8.6.2

に従ってバイスタンダ位置が定義されている場合,アイドルモード及び作動モードのそれぞれ

に対し,バイスタンダ位置で実測した

A

特性放射音圧レベル

L

pA

,必要に応じて 8.8.3 に従って計算

した平均

A

特性放射音圧レベル

L

pA

,及び必要に応じて平均バンド放射音圧レベルを記録する。さ

らに,最も高い

A

特性放射音圧レベルとなるバイスタンダ位置における

C

特性ピーク放射音圧レベ

ルが

120 dB

を超える場合(8.7.1 

注記 参照)にはその値

L

pCpeak

を記録する(

0.1 dB

単位が望ま

しいが,少なくとも

0.5 dB

単位に丸める。

(基準値

20 µPa

4

)

標準環境条件における,全ての放射音圧レベル

 (dB)

5

)

任意の測定として,

附属書 に示す手順によって顕著な離散周波数音があることが判明した場合,

周波数

f (Hz)

と,それに対する

tone-to-noise ratio

ΔL

T

 (dB)

及び/又は

prominence ratio

ΔL

P

 (dB)

6

)

任意の測定として,

附属書 に示す手順によって求めた騒音の衝撃性に関する指標

ΔL

I

が,

ΔL

I

 ≥ 3 dB

の条件を満たす場合,その値

7

)

指定位置ごとの

A

特性暗騒音レベル及び

A

特性暗騒音補正値

K

1A

,及び必要に応じて周波数バンド

ごとの暗騒音レベル及び暗騒音補正値

K

1

 (dB)

8

)

測定の年月日,場所及び測定者の氏名

9.2

試験報告書

試験報告書には,少なくとも次の事項を含めなければならない。

a

)

音響パワーレベル,及びオペレータ位置又はバイスタンダ位置における放射音圧レベルが,この規格

の手順,ISO 3741ISO 3744 又は ISO 3745 の中のいずれか該当する手順,及び ISO 11201 に規定す

る手順に完全適合して得られたものかどうかに関する言及(これらの規格の要件に対し何らかの逸脱

事項のある場合,その各々に対し,技術的見地から理由付けを行い,これを報告しなければならない。

b

)

音響パワーレベルが,

1 pW

を基準値とする単位,デシベルで,放射音圧レベルが

20

μPa

を基準値と

する単位,デシベルで表現されており,いずれの場合においても,各値は

0.1 dB

単位が望ましいが,

少なくとも

0.5 dB

単位に丸められていることに関する言及

c

)

“この報告書内の実測値は,プランニングにおける利用に対するもの又は表示値の算出に利用するた

めのものではあるが,表示値そのものと混同してはならない”ことに関する言及

d

)

試験対象機器の名称及び型番

e

)

アイドルモード及び作動モードの,標準環境条件における

A

特性音響パワーレベル

L

WA

 (dB)

(基準値

1 pW

f

)

必要に応じて,アイドルモード及び作動モードのオクターブバンド又は

1/3

オクターブバンドごとの,

標準環境条件における音響パワーレベル

L

W

 (dB)

(基準値

1 pW

(使用したバンド幅を明示しなければ

ならない。

g

)

8.6.1

に従いオペレータ位置が定義されている場合,アイドルモード及び作動モードごとのオペレータ

位置の,標準環境条件における

A

特性放射音圧レベル

L

pA

,及び必要に応じて標準環境条件における

バンド放射音圧レベル

(dB)

(基準値

20 µPa

h

)

8.6.2

に従いバイスタンダ位置が定義されている場合,8.6.2 で定義する機器の周囲の位置で測定した,

アイドルモード及び作動モードごとの,標準環境条件における空間平均

A

特性放射音圧レベル

L

pA

及び必要に応じて,標準環境条件における空間平均バンド放射音圧レベル

(dB)

(基準値

20 µPa

i

)

ECMA-74

に該当部分のある場合,該当部分の具体的な箇条番号(発行日及び版を含む。

)を引用した

上で,試験対象機器の作動及び設置条件の詳細な記述


32

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

注記 1

単位,デシベルで表した放射音圧レベル(基準値

20 μPa

)と,同じく単位,デシベルで表し

た音響パワーレベル(基準値

1 pW

)との混同を回避するため,

1 bel = 10 decibels

の関係を使

い,音響パワーレベルを単位,ベルで表現してもよい。

注記 2

JIS X 7778

に従い,情報技術装置の表示騒音放射値を算出する場合,ランダム測定誤差と生

産のばらつきとの両方を統計的見地から考慮し,音響パワーレベルのデシベル

(dB)

での実測

値の平均値に,ある正の値が加算される。その和を

10

で除し,ベル

(B)

で表している。

上記の諸事項を,次の文言のいずれか一つによって補足してもよい。これらは,

附属書 及び附属書 E

に従い決定した騒音の特性を表している。

1

)

顕著な離散周波数音も含まれず,衝撃性の騒音でもない。

2

)

衝撃性の騒音ではあるが,顕著な離散周波数音は含まない。

3

)

顕著な離散周波数音を含むが,衝撃性の騒音ではない。

4

)

顕著な離散周波数音を含み,かつ,衝撃性の騒音である。

項目 1

)

4

)

は,顕著な離散周波数音を特定するために使った方法(

附属書 

TNR

法及び/又は

PR

法)についての記述によって補わなければならない。

注記 3

ある種の法律では,

130 dB

を超える場合,

C

特性ピーク放射音圧レベルの報告を義務付けて

いる。


33

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

附属書 A

規定)

試験用アクセサリ

A.1

  標準試験卓

標準試験卓の設計図を

図 A.1 として示す。卓の上面は,厚さ

0.04 m

0.10 m

の積層接着木材とし,最小

面積

0.5 m

2

,幅

0.70 m

0.75 m

とする。卓の高さは,

0.75 m ± 0.03 m

とする。プリンタが底面から給紙で

きるようにするために,卓の上面に切り欠き孔を設けてもよい。ほとんどのプリンタにおいて,切り欠き

孔の寸法は,

0.015 m × 0.400 m

が実用的であることが分かっている。

単位 m

 
1  脚と添え木とを接着し,ボルト締めする。 
2  防振パッド

図 A.1−標準試験卓

A.2

  タイピングロボット

注記

ECMA-74

に規定する機器カテゴリ(例えば,タイプライタ)では,キーボード入力を模擬す

るタイピングロボットの利用を推奨しており,その技術仕様はこの後に規定するものと同じで

ある。

タイピングロボットは,この規格に規定するとおりにキーボードを操作させることができるように設計

0.75

0.7

5

0.1

0

0.0

4

1

2


34

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

されていなければならない。ここに示すロボットは,

8

本のソレノイドをもち,その各々がキーボードの

選択したキーを操作できるように微調整可能となっている。

タイピングロボットの要件は,次のとおりとする。

a

)

ロボットによる騒音は,この規格の暗騒音の要件を満たさなければならない。

b

)

ソレノイドプランジャのストロークは,その上端位置においてキーの上面から離れていなければなら

ず,かつ,キーを停止位置まで押し下げることができなければならない。タイプライタを含む多くの

種類(タイプ)のキーボードにおいて,全ストロークは,

6 mm

7 mm

がよい。

c

)

電気入力信号は,作用時間

50 ms

のく(矩)形パルスとし,振幅を調整できる。

d

)

ソレノイドの特性は,

図 A.2 に示すようにキーを押し下げる間はその力が増加する。これに適した設

計図を

図 A.3 に示す。

e

)

プランジャの質量は

20 g ± 1 g

とし,端面は柔らかなものでなければならない(例えば,密封セルフ

ォーム,

40 Shore A

1

回のキー操作は,

図 A.4 に示すとおり,次の

3

ステップからなる。

a

)

ホームポジション

プランジャは,キーの上に柔らかい端面で接し,自重をあずけている。

b

)

キー入力

ソレノイドによって駆動されると,プランジャは停止位置(

h

e

)に達するまでキーを押し下げる。

ソレノイドを微調整してプランジャとキーとの隙間が

1 mm

になるようにするとよい。プランジャの

上側に適切な目印を付けておけば,この微調整に便利であろう。

c

)

キーの戻り

プランジャはキーのばねの力だけによって押し戻される。プランジャが押し戻されてとまる側の終

端は柔軟性のあるものとし,オーバーシュートは最大

0.5 mm

でなければならない。その後,ホーム

ポジションに戻り,キーに接した状態となる。

注記

この仕様は,

参考文献

 [7]

に記載されたロボットの設計に基づいている。

F  磁気力 
h

ストローク高さ

h

a

  ホーム位置

h

e

  停止位置

図 A.2−ストローク 4 mm のプランジャに対するソレノイドの特性

単位 mm

単位 N

h

e

h

a


35

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

図 A.3−ソレノイドの断面

a)

  ステップ 1−ホームポジション

b)

  ステップ 2−キー入力

c)

  ステップ 3−キーの戻り

図 A.4−ソレノイドの動きの各ステップ

0.5

6

4


36

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

附属書 B

規定)

測定表面

B.1

  半球測定表面

マイクロホンの配置,半球測定表面の形状及びマイクロホンの配列に関する要件は,ISO 3744 によるが,

次の追加条件によって補う。

a

)

固定のマイクロホンを用いる場合,全ての音源に対し,離散周波数音を発する音源のためのマイクロ

ホンの位置として ISO 3744 に規定するものを用いる。その配列の座標を

表 B.1 として再掲する。

b

)

ISO 3744

に規定する同心円状の移動経路による配置を用いる場合,最低でも

10

種類の高さを用いる

のが望ましい。

これら以外に認められるものとしては,ISO 3745 の該当する附属書に記載するものがある。

表 B.1−離散周波数音を発する機器に対するマイクロホンの位置の座標

位置

x

/

r

y

/

r

z

/

r

1

  0.16

− 0.96

0.22

2

  0.78

− 0.60

0.20

3

  0.78

  0.55

0.31

4

  0.16

  0.90

0.41

5

− 0.83

  0.32

0.45

6

− 0.83

− 0.40

0.38

7

− 0.26

− 0.65

0.71

8

  0.74

− 0.07

0.67

9

− 0.26

  0.50

0.83

10

  0.10

− 0.10

0.99

この規格では,非常に低いレベルの騒音を発する機器に対しては,

ISO 3744 に規定する)特性音源寸

法の

2

倍以上とすることを条件に,

半径が

0.5 m

以上

1 m

未満の半球測定表面を用いることを認めている。

半径が

1 m

未満になると,対象周波数範囲の下限は上昇する。近接音場の影響を最小にするためには(対

象下限周波数の音の一波長の

4

分の

1

が必要であるため)

,半径

0.5 m

では,下限周波数がおよそ

172 Hz

になる。追加の情報については,

参考文献

 [8]

[9]

及び

 [10]

に示す。

B.2

  円筒測定表面

B.2.1

  一般事項

円筒の側面及び上面に沿ってマイクロホンを配置した,円筒測定表面を

図 B.1 に示す。基準箱の底面の

中心と円筒の底面の中心とが一致するように,基準箱を中心にして円筒を配置する。基準箱の寸法

l

1

l

2

及び

l

3

と円筒に対する基準距離

d

1

d

2

及び

d

3

とが示されている。この規格では,寸法のラベルは,

l

1

 ≥ l

2

となるように割り振る。

B.2.2

  円筒測定表面の大きさの選択

マイクロホンの位置は,音源を包む仮想的な円筒面上にあり,この測定表面の総面積

S

は,式

(B.1)

で与

えられる上部の円形面の面積

S

top

と,式

(B.2)

で与えられる垂直な側面の面積

S

side

との和に等しい。


37

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

S

top

 = πR

2

(B.1)

S

side

 = 2

πRh(B.2)

ここに,

  R

は,円筒の半径であり,次のとおりに与えられる。

2

2

1

1

2

2

d

l

d

l

R

+

=

+

=

(

B

.

3

)

h

は,円筒の高さであり,次のとおりに与えられる。

h = l

3

d

3

(B.4)

マイクロホンの配置は,面積の異なる部分面積に関連づけられているため,

d

3

及び

d

1

は共に,試験対象

機械の大きさ,その他の点を考慮に入れて任意に選択することができる。できれば,両者(

d

3

及び

d

1

)を

同じ値,

1 m

に設定するのが望ましいが,

0.5 m

未満であってはならない。さらに,

d

1

d

2

又は

d

3

のいずれ

かが,他のものの

1.5

倍を超えてはならない(例えば,

d

1

及び

d

2

に対し,

d

1

 ≥ l

1

− l

2

場合,この条件を満足

できるであろう。

d

3

及び

d

1

が選択されると,

h

及び

R

が定義され,

d

2

は,次のとおりになる。

2

2

2

l

R

d

=

(B.5)

l

1

及び

l

2

が同じで,物理的に大きな機械のような場合,たとえ,前述の拘束条件を満足していたとして

も,移動中,側面のマイクロホンが機械に近すぎるところを通過することがあり得る。このような状況に

おいては,基準箱のどの角からも側面のマイクロホンが

0.25 m

よりも大きく離れるように半径

R

を十分大

きくしなければならない。

B.2.3

  円筒測定表面上のマイクロホンの位置の選択

円筒測定表面上のマイクロホンは,後述のとおり,面積が等しくない部分面積に関連づけられている。

マイクロホンを,連続した軌道(円形の移動経路)に沿って用いることを強く推奨する。しかし,円形の

経路上で標本化を行うために固定のマイクロホンの位置を用いる場合,少なくとも

12

等分した角度位置

(すなわち,

30

度かそれよりも狭い間隔)を用いる。このような経路を実現するには,音源を静止させた

ままマイクロホンを回転させても,

マイクロホンを静止させたまま音源を回転させても,

いずれでもよい。

次の要件を満足することによって,側面のマイクロホンの数

N

side

,上面のマイクロホンの位置の数

N

top

及び対応する部分面積が決まる。

a

)  N

side

 ≥ h

/

h

0

(ここに,

h

0

は間隔を

0.5 m

以下に制限し,垂直方向の標本化を均等にするため

0.5 m

に設

定されている。

b

)

少なくとも,

N

side

 ≥ 4

c

)  N

top

 ≥ R

/

R

0

(ここに,

R

0

は間隔を

0.5 m

以下に制限し,円周方向の標本化を均等にするため

0.5 m

に設

定されている。

d

)

少なくとも,

N

top

 ≥ 2

側面のマイクロホンは,等しい部分面積,

S

i

に関連づけられており,ここに

S

i

 = S

side

/

N

side

とし,

i

番目の

マイクロホンは,床から次の式で与えられる

h

i

の高さにある。

side

)

1/2

(

N

h

i

h

i

=

(B.6)

側面上の空間・時間平均音圧レベル      は,次のとおりとする。



=

=

side

side,

,

1

0.1

side

10

side

,

10

1

log

10

N

i

L

p

i

p

N

L

dB(B.7)

side

,

p

L


38

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

ここに,

L

p,side,i

側面上の 番目のマイクロホンの経路又はマイクロホン
の位置で測定した周波数バンドの時間平均音圧レベル
(単位はデシベル)

上面のマイクロホンは,面積の等しくない部分面積 S

j

に関連づけられており,上面の半径方向に沿って

等間隔に配置されている。番目の部分面積の外径は R

j

 = jR

/

N

top

とし,上部のマイクロホンについては次

のとおりとする。

j >1 に対して,

2

1

1

+

=

j

j

j

j

R

R

R

r

(B.8A)

= 1 に対して,

2

1

1

R

r

=

 (B.8B)

上面上の空間・時間平均音圧レベル,      は,次のとおりとする。



=

=

j

p

L

N

j

j

p

S

S

L

top,

,

top

1

.

0

1

top

10

top

,

10

1

log

10

dB (B.9)

ここに,

L

p,top,i

側面上の 番目のマイクロホン経路又は 番目のマイク
ロホンの位置で測定した周波数バンドの時間平均音圧
レベル(dB)

j >1 に対して,

(

)

2

1

2

=

j

j

j

R

R

S

π

(B.10A)

j = 1 に対して,

2

1

1

R

S

π

=

 (B.10B)

図 B.2

に,垂直な側面に対して

5

本,上面に

4

本のマイクロホンを配した円筒マイクロホン配列の例を

示す。

B.2.4

  円筒測定表面上での空間・時間平均音圧レベルの計算

試験対象機器の選択された作動モードに対する,円筒測定表面上での空間・時間平均音圧レベルは,次

のように与えられる。

+

=

side

,

top

,

10

10

1

log

10

side

top

10

p

p

L

L

p

S

S

S

L

dB (B.11)

ここに S

 =

S

top

+

S

side

とし,さらに,      及び      は,式

(B.9)

及び式

(B.7)

でそれぞれ与えられる。

注記 1

は,

ISO 3744

における量      と同等である。すなわち,この量とは,表面時間平均

音圧レベルの計算に先立ち,暗騒音及び試験環境に対して,後続の過程において補正される

ものである。

注記 2

円筒測定表面に関する詳細については,

参考文献 [11]

[12]

及び

 [13]

に示す。

top

,

p

L

top

,

p

L

side

,

p

L

p

L

(ST)

,

p

L


39

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

1∼6

側面のマイクロホン経路

7∼9

上面のマイクロホン経路

10

基準箱

11

反射面

d

1

d

2

d

3

  円筒に対する基準距離

h

円筒の高さ

l

1

l

2

l

3

基準箱の寸法

R

円筒の半径

図 B.1

例 1  側面のマイクロホン 本及び上面のマイクロホン 本によって構成される

円筒状の移動マイクロホン経路をもつ円筒測定表面及び円筒マイクロホン配列

1

2

3

4

5

6

9

8

11

10

7


40

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

 
1  マイクロホン移動装置の回転軸 
2  円筒の対応面積の寸法 
3  マイクロホン移動経路の位置 
h  円筒の高さ 
R  円筒の半径 

図 B.2

例 2  側面のマイクロホン 本及び上面のマイクロホン 本によって構成される

円筒状の移動マイクロホン経路をもつ円筒測定表面及びマイクロホン配列

4.5

h/5

3.5

h/5

2.5

h/5

0.5

h/5

1.5

h/5

h/5

h

h/5

h/5

h/5

h/5

3.5

R

/4

2.5

R

/4

1.5

R

/4

0.5

R

/4

R

/4

R

R

/4

R

/4

R

/4

R

/4

R

/4

3

1

2


41

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

附属書 C 

規定)

特定カテゴリの機器のための設置条件及び作動条件

この附属書は,その詳細を規定した

ECMA-74

を引用することによって,多くの種類の特定カテゴリの

機器に対する設置及び作動条件を規定する。

この規格に適合するためには,試験中の機器は,その諸条件を満足しなければならない。適用可能な場

合,

ECMA-74

に規定する条件は,その機器の平均的な使用条件を代表するものと考えることができる。

これらの条件は,試験対象機器の操作を容易にすると同時に,騒音測定の信頼性を向上させることを視野

に入れて規定されている。

ECMA-74

に規定する全ての要件(同文書中の他の部分及び他の文書への引用を含む。

)も,この規格に

適合するための必須要件とする。ただし,

ECMA-74

での

ECMA-108

 [5]

及び

ECMA-109

 [6]

の引用は,それ

ぞれ

ISO 9295

及び

JIS X 7778

に置き換える。

ECMA-74

に規定されていないカテゴリの機器に対しては,試験報告書に実際に使われた試験条件を記

載するとともに,なぜ,そのような条件としたかの理由付けをしなければならない。試験モード及び製品

の作動が

ECMA-74

によるものである場合,

ECMA-74

の日付及び版の両方を試験報告書に含めなければ

ならない。


42

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

附属書 D 

参考)

顕著な離散周波数音の特定及び評価

D.1

  適用範囲

この附属書では,騒音放射中に顕著な離散周波数音を含むかどうかを決定するための二つの方法として

Tone-to-Noise Ratio method

及び

Prominence Ratio method

(以下,

TNR

法及び

PR

法という。

)を示す。

中心周波数

100 Hz

10 000 Hz

1/3

オクターブバンドの範囲内の任意の周波数(すなわち,

89.1 Hz

上,

11 220 Hz

以下)の離散周波数音を,この附属書の手順によって評価できる。

試験環境に関する要件(

8.3

)を全て満足しなければならない。ただし,この附属書においては,暗騒音

補正値 K

1

及び環境補正値 K

2

は適用しない。

注記 1

ある種の情報技術装置は

16 kHz

のオクターブバンド内に離散周波数音を発することがあり,

試みとして,その相対的なレベルを定量化するためにこの附属書の手順に従って

tone-to-noise

ratio

及び

prominence ratio

(以下,

TNR

及び

PR

という。

)を計算することは可能ではある。

しかし,そのような高周波の離散周波数音に関し,頼るべき心理音響学的データがないため,

D.9.5

又は

D.10.6

による顕著な離散周波数音の規準(criteria)を適用することはできない。

製品からの騒音放射に関する情報を

JIS X 7778

に従い表示する場合,同規格では,製品の騒音放射中の

顕著な離散周波数音の有無に言及することを任意選択項目としているが,言及するときには,この附属書

に従って決定することとしている。他の規格,又は情報技術装置以外の製品のための試験規程が,顕著な

離散周波数音の有無に関する表示を目的として,この附属書を引用することも考えられる。そのような表

示の場合,その規格又は試験規程内に特に規定がない限り,

TNR

法又は

PR

法のどちらを使ってもよい。

注記 2 TNR

法は,例えば,強い高調波成分を含むときのように,隣接する臨界帯域内に複数の離散

周波数音が存在するような場合,より正確なものとなる。

PR

法は,同じ臨界帯域内に含まれ

る複数の離散周波数音に対し,より効果的であり,また,そのような状況を扱うのに容易に

自動化することができる。

D.2

  附属書の位置づけ

この附属書は参考ではあるが,この手順が他の規格又は試験規定によって規定要素として引用された場

合に満足しなければならない要件を含んでいる。そのような要件は,一般に,

“∼しなければならない(原

文においては

shall

”のような命令調の言葉を用いることで識別される。

D.3

  心理音響学的な背景

広帯域騒音(broad-band noise)の中に含まれる離散周波数音(discrete tone)は,その離散周波数音の周

波数を中心とする,臨界帯域(critical band)と呼ばれる比較的狭い周波数帯域の内側に含まれている,そ

の離散周波数音以外の成分によって部分的にマスクされる。臨界帯域の外側の周波数のノイズ成分は,こ

のマスキング効果にほとんど寄与しない。臨界帯域の幅は,周波数の関数として数式で表現することがで

きる(

D.8

参照)

。一般に,離散周波数音は,その周波数を中心とする臨界帯域内に含まれるマスキングノ

イズの音圧レベルに比べて,約

4 dB

[周波数に依存して

2 dB

6 dB

参考文献 [14]

参照]低い時点で,

ちょうど聴こえるようになる(just audible

。これを検出のしきい(閾)値(threshold of detectability)と呼


43

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

ぶ。この附属書では,

TNR

法を使った場合,

1 000 Hz

以上の周波数の離散周波数音に対しては,その音圧

レベルが,臨界帯域内のマスキングノイズの音圧レベルに比べて

8 dB

よりも大きくなったときに,また,

1 000 Hz

未満の離散周波数音に対しては,その差が

8 dB

よりも更に大きなある値を上回ったときに,その

離散周波数音を“顕著(prominent

”と分類する。一般に,このことは,検出のしきい(閾)値に比べて

10 dB

14 dB

上回った離散周波数音が顕著なものとなる。

PR

法を使った場合,その離散周波数音を中心

とする臨界帯域内の音圧レベルと,その臨界帯域に隣接する臨界帯域の平均レベルとの差が,

1 000 Hz

上の音に対しては

9 dB

以上になったときに,

また,

1 000 Hz

未満の離散周波数音に対しては,

その差が

9 dB

よりも更に大きなある値を上回ったときに,その離散周波数音を“顕著”と分類する。

参考文献 [15]

は,これらの規準値の根拠が示されている。

D.4

  マイクロホンの位置

オペレータ位置の定義された機器の場合,

8.6.1

で定義するオペレータ位置において測定を行う。オペレ

ータ位置が複数あるときには,最も高い

A

特性音圧レベルとなるオペレータ位置において後述の測定を行

う。

オペレータ位置の定義されていない機器の場合,

TNR

又は

PR

を算出するため,

8.6.2

で定義するバイス

タンダ位置のうち,最も高い

A

特性音圧レベルとなる位置及びそのレベルの

0.5 dB

以内にある全てのバイ

スタンダ位置において測定を行う。

この附属書の方法をサブアセンブリに適用しなければならない場合には,次の

2

段落の条件を用いる。

オペレータ位置の定義された機器の中で使用されるサブアセンブリの場合,測定は定義されたオペレー

タ位置(

8.6.1

)において行う。

作動モード中にオペレータの介在を必要としない機器の中で使用されるサブアセンブリの場合,測定は

定義されたバイスタンダ位置(

8.6.2

)のうち,最も高い

A

特性音圧レベルとなる位置及びそのレベルの

0.5 dB

以内にある全ての位置において行う。物理的に小さく,かつ,低騒音のため,半径

1 m

以下の半球

測定表面(

5.1.7

及び

B.1

参照)の必要なサブアセンブリの場合,バイスタンダ位置では

S/N

比が不十分と

なることがある。そのような場合には,

(たとえ,音響パワーレベルの算出に固定されたマイクロホンの位

置を使わないとしても)

表 B.1

の半球測定表面上のマイクロホンの位置の中から選択した複数の位置にお

いて測定を実施してもよい。そのような場合,半球の半径,

表 B.1

の座標及びマイクロホンの位置と機器

の向きとの関係を特定することのできる十分な情報を報告しなければならない。

この附属書に規定する測定のために複数のマイクロホンの位置が使われる場合,

TNR

D.9.4

)及び

PR

D.10.5

)それぞれに対して,計算された値の最大値及びそれに対応するマイクロホンの位置を報告しな

ければならない。

D.5

  測定器

この附属書に記載する測定に対しては,マイクロホンの信号のパワースペクトル密度を測定できるデジ

タル高速フーリエ変換(

FFT

)分析器を用いる。

分析器は,実効値平均機能(指数平均ではなく,線形平均)

,ハニング時間窓関数,分析対象の離散周波

数音に対してここで要求する諸量を計算するのに十分高い上限周波数をもち,かつ,その離散周波数音の

周波数の

1 %

よりも細かい

FFT

分解能がなければならない。

注記 TNR

法(

D.9

参照)に対しては,経験の示すところでは,

FFT

分解能が,分析対象離散周波数

音の周波数の

1 %

では,離散周波数音を適切に分析するには不十分となることがある。したが


44

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

って,

TNR

手順を適用するためには,

0.25 %

以下の細かい

FFT

分解能が推奨される[

参考文献

[16]

参照]

FFT

分析器に送られるマイクロホンの出力信号は,

JIS C 1509-1

に規定するクラス

1

のサウンドレベル

メータに対する要件を満足しなければならない。なぜならば,この附属書の手順では,

(パワースペクトル

密度の代わりに)直接,音圧レベルとして扱うことをオプションとして認めており,

FFT

分析器(又は,

FFT

データを後処理するために使われるソフトウェア)において,単位がデシベルの音圧レベル(基準値

20 µPa

)として直接,校正できるようにするのが望ましいからである。

ただし,分析器の入力信号に対し,周波数重み付け特性(例えば,

A

特性)を適用してはならない。

FFT

分析時には,分析時間が

8.7.2

の要件を満足するように十分な回数の平均を行う。

D.6

  初期スクリーニング試験

D.6.1

  一般事項

TNR

法(

D.9

参照)又は

PR

法(

D.10

参照)を実施するのに先立ち,

D.6.2

及び

D.6.3

に規定する初期ス

クリーニング試験の,いずれか該当する一方を実施しなければならない。

D.6.2

  通常の騒音中において聴覚しきい

値を十分上回る離散周波数音の可聴に関するスクリーニン

グ試験

離散周波数音は,試験対象機器の騒音放射中に,実際に聴こえる場合にだけ,

“顕著”と分類するのが本

来の姿である。スクリーニング試験においては,測定されている騒音のレベルは聴覚しきい(閾)値を十

分に上回っているものと想定される。発生騒音内に存在する離散周波数音又は純音性成分が,その騒音自

身によるマスキング,又は他の理由(例えば,純音がより低い基本周波数の高調波からなっていて,個別

には聴こえないなど)によって,聴こえないこともある。したがって,試験対象機器から発生する騒音の

初期の視聴試験として,指定されたマイクロホンの位置において,次の中の当てはまるものを実施しなけ

ればならない。

a)

少なくとも一つの離散周波数音が聴こえる場合,それぞれの可聴離散周波数音に対して,この附属書

TNR

若しくは

PR

,又はその両方の測定手順を適用しなければならない。

b)

騒音放射中に離散周波数音が聴こえず,かつ,この結論に信頼のおける場合には,この附属書の手順

を実施する必要はなく,

“可聴離散周波数音なし”

“顕著な離散周波数音なし”

のような文言を試験報

告書に含めてもよい。

c)

(例えば,試験技術者が,難聴の場合,訓練を受けていない場合,又は経験を積んだ試聴者ではない

場合のように)騒音放射中に可聴離散周波数音が存在するのかどうかはっきりしない場合には,より

客観的な,他の証拠を探すのが望ましい。その目的のためには,指定されたマイクロホンの位置にお

ける騒音に対し,予備的な

FFT

分析をすることが望ましい。そのスペクトルによって,可聴離散周波

数音の存在が示唆された場合(例えば,鋭い周波数スパイクがスペクトル上にあるときには)

,可聴離

散周波数音になる可能性のある周波数ごとに,この附属書の

TNR

若しくは

PR

,又はその両方の測定

手順を適用しなければならない。

注記

上記の

a)

及び

b)

の試聴試験は省略可能であり,可聴音に関するスクリーニング試験として

c)

による予備の

FFT

分析を直接用いることもできる。

TNR

法又は

PR

法のいずれかに従って,ある離散周波数音を顕著な離散周波数音と決定するには,

D.9.8

又は

D.10.8

の可聴音に関する要件をそれぞれ満足しなければならない。


45

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

D.6.3

  聴覚しきい

値付近にある騒音中の離散周波数音の可聴に関するスクリーニング試験

顕著な離散周波数音の有無を分析すべき騒音放射において,騒音そのもの又は騒音中に発生している離

散周波数音が聴覚しきい(閾)値付近か,それ未満の極めて低いレベルである場合,次のスクリーニング

試験を実施しなければならない。規定されたマイクロホンの位置における騒音の

FFT

スペクトルは,

D.9.1

又は

D.10.1

のいずれか該当するものに従って得なければならない。

FFT

スペクトルは,使用する

FFT

分析

器の製造業者の取扱説明書に従い,単位がデシベルの音圧レベル(基準値

20 μPa

)として校正しなければ

ならない。次の場合を適用する。

a)

顕著かどうかを評価すべき離散周波数音又は純音性成分の音圧レベル L

t

D.9.2

及び該当する場合には

D.9.6

参照)が

D.7.1

で定義され,式

(D.1)

によって,その離散周波数音の周波数に対して計算された下

限聴覚しきい(閾)値(Lower Threshold of Hearing,以下,

LTH

という。

P

1

(

f

 )

よりも低い場合,そ

の離散周波数音は“聴こえない(inaudible

”と考えられ,この附属書の手順を実施する必要がない。

“可聴離散周波数音なし”

“顕著な離散周波数音なし”のような文言を試験報告書に含めてもよい。

b)

顕著かどうかを評価すべき離散周波数音又は純音性成分の音圧レベル L

t

D.9.2

及び該当する場合には

D.9.6

参照)が,式

(D.1)

によって,その離散周波数音の周波数に対して計算された P

1

(

f

 )

+

 10 dB

以下

の場合,その離散周波数音は顕著ではないと考えられ,この附属書の手順を実施する必要がない。

“可

聴離散周波数音なし”

“顕著な離散周波数音なし”のような文言を試験報告書に含めてもよい。

図 D.1

に P

1

(

f

 )

及び P

1

(

f

 )

+

 10 dB

の曲線を示す。

注記

冷却ファンを内蔵するほとんどの情報技術装置においては,たとえ,それが物理的に小さく,

比較的静寂であっても,その騒音のレベルは聴覚しきい(閾)値を十分上回るであろう。しか

し,小型ディスクドライブのように,それを組み込む最終製品から切り離して評価されるある

種のコンポーネントの場合,その騒音のレベルは,事実,聴覚しきい(閾)値未満になること

があり,上記のスクリーニング手順が適用できる。

D.7

  聴覚しきい

値付近の離散周波数音及びノイズ

D.7.1

  下限聴覚しきい

正常聴覚しきい(閾)値(normal hearing threshold)に関する研究によって,実測されるしきい(閾)値

は,ほぼ正規分布に従って,平均レベル付近に分布することが明らかになっている。その

50 %

分布の値が,

ISO 389-7

 [1]

において,周波数の関数として既に標準化されており,

“基準聴覚しきい(閾)値(reference 

threshold of hearing)”と呼ばれる。

この附属書の目的に対しては,

1 %

分布[まさに,聴覚しきい(閾)値の下限]に対応する聴覚しきい

(閾)値の方がより適切である。これは“下限聴覚しきい(閾)値”と呼ばれ,

LTH

と表される。周波数

において,この

LTH

に対応する音圧レベルが式

(D.1)

から計算される。

5

1

4

2

3

3

2

4

1

1

'

'

'

'

)

(

a

f

a

f

a

f

a

f

a

f

P

+

+

+

+

=

 (dB) (D.1)

ここに,

std

mean

'

f

f

f

f

=

表 D.1

の値から計算した無次元パラメータ

a

1

a

5

表 D.1

による多項係数


46

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

表 D.1

P

1

f )

の計算のためのパラメータ

f

mean

(Hz)

f

std

(Hz)

a

1

(dB)

a

2

(dB)

a

3

(dB)

a

4

(dB)

a

5

(dB)

20 ≤

f

< 305

167.5

87.321 2

1.415 532

− 2.451 068

1.498 869

− 6.983 224

8.621 226

305 ≤

f < 2 230

1 157.5

488.582

0.397 994

− 0.891 839  − 0.815 138  − 1.221 319   − 7.600 754

2 230 ≤

f

< 14 000

7 250.0  3 033.25

1.584 978

− 2.766 599  − 6.906 192

10.138 553

− 3.149 339

14 000 ≤

f

< 22 050

16 990.0  4 049.0

− 5.775 593  − 9.200 034 26.591 15

52.167 12

15.615 520 48

注記

  式(D.1)で定義される音圧レベル P

1

(  f  )とは,健康な聴覚をもつ人間のほんの 1 %だけによって

聴こえると考えられる聴覚しきい(閾)値を表している。式(D.1)は,この附属書の目的に合わ

せて,LTH を周波数の関数として推定するために,

参考文献

 [17] 及び [18] において収集され,

表形式で表されたデータを 4 次多項式として表したものである。広範な周波数範囲にわたって

ぜん(漸)近させるため,20 Hz から 22 kHz[

参考文献

 [19] 参照]の間の周波数範囲に対して

4 組の異なる多項式を使っている。

 
1 FFT スペクトル 
2 LTH,P

1

f )

3 LTH,P

1

f )

+ 10 dB

f

周波数

L

p

  音圧レベル(基準値 20 µPa)

図 D.1

低レベルの離散周波数音分析のために描いた下限聴覚しきい

LTH

P

1

f )

及び

P

1

f )

+ 10 dB

の曲線

D.7.2

  聴覚しきい

値付近の騒音の正規化

低レベルの音の場合,その音圧レベルの FFT スペクトルのデータポイントの中には,式(D.1)で定義され

る下限聴覚しきい(閾)値(LTH)に満たないものもあり得る。実測したままの音圧レベルを使って計算

単位 dB

L

p

 

f

単位  Hz


47

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

した場合,TNR 又は PR の値が大きくなり,その音に対する主観的な印象と必ずしも対応しないことがあ

る。しかし,各データポイントにおける音圧レベルを LTH と等しくなるように調整すると,臨界帯域内の

全音圧レベルが誇張されてしまい,TNR 及び PR の値が非現実的に小さくなってしまう。したがって,そ

のような低レベルの音に対しては,

(TNR に対する)マスキングノイズレベル又は(PR に対する)下側,

中央及び上側臨界帯域内の全レベルと,心理音響的な値とが正しく対応するように FFT スペクトルに対し

て何らかの正規化を行うのが望ましい。この正規化に対しては,上記で定義した純音に基づく下限聴覚し

きい(閾)値よりも,ホワイトノイズ又はピンクノイズによる 1/3 オクターブバンドごとの聴覚しきい(閾)

値の方が適切かもしれない。しかし,そのような正規化の手順は,この附属書の目的に合わせて定義する

のがよいのであろうが,まだ定義されていない。

D.8

  臨界帯域幅

任意の周波数 f

0

 (Hz)を中心とする臨界帯域の幅

Δf

c

 (Hz)は,次の式から計算することができる。

(

)

[

]

69

.

0

2

0

c

000

1

4

.

1

0

.

1

0

.

75

0

.

25

f

f

×

+

×

+

=

Δ

 (Hz)(D.2)

例  f

0

 = 1 000 Hz

に対し

Δf

c

 = 162.2 Hz

f

0

 = 500 Hz

に対し

Δ f

c

 = 117.3 Hz

参考文献 [20]

参照]

この附属書では,臨界帯域とは,中心周波数

f

0

,下端周波数

f

1

及び上端周波数

f

2

をもつ理想的なく(矩)

形フィルタとしてモデル化でき,次のとおりとする。

c

1

2

f

f

f

Δ

=

 (Hz)(D.3)

f

0

 ≤ 500  Hz

に対し,臨界帯域は定帯域幅フィルタとして近似でき,その両端周波数は次のように計算さ

れる。

2

c

0

1

f

f

f

Δ

=

 (Hz) (D.4)

及び

2

c

0

2

f

f

f

Δ

+

=

 (Hz) (D.5)

f

0

 > 500 Hz

に対し,臨界帯域は定比帯域幅フィルタとして近似でき,ここに

2

1

0

f

f

f

×

=

 (Hz) (D.6)

となり,その両端周波数は,式

(D.3)

及び式

(D.6)

から,次のように計算される。

2

4

2

2

0

2

c

c

1

f

f

f

f

+

Δ

+

Δ

=

 (Hz) (D.7)

及び

c

1

2

f

f

f

Δ

+

=

 (Hz)(D.8)

注記 1

(D.2)

は臨界帯域の幅に対するものとしてよく知られ,広く使われているものであるが,対

応する両端周波数のための式を導出する方法は決まっていない。しかし,

500 Hz

の上側及び

下側における臨界帯域の性質から,式

(D.7)

及び式

(D.8)

によって両端周波数を割り当てること

は理にかなったことである。すなわち,定比帯域幅フィルタに対しては,両端周波数が幾何

平均として関係づけられているのに対し,定帯域幅フィルタに対するそれは,算術平均とし


48

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

て関係づけられる。

注記 2

(D.8)

ISO 7779:2010

に誤りがあり,これを訂正したものである。

D.9

  TNR

tone-to-noise ratio

D.9.1

  FFT 分析器を使った測定

8.7

の測定のために使用するものと同じ作動モード及び同じ測定条件に対し,

ハニング時間窓関数及び実

効値平均(線形平均)を使い,測定位置(

D.4

参照)における信号のパワースペクトル密度(又は音圧レ

ベル)が得られるように

FFT

分析器の操作手順に従う。

FFT

分析器の入力信号には,

A

特性のような,周

波数重み付け特性を適用してはならない。

FFT

分析では,実効値平均(線形平均)及びハニング窓関数を

使い,

8.7.2

の分析時間の要件を満足するため,十分な回数の平均を行わなければならない。ズーム帯域の

中心周波数を離散周波数音の周波数にほぼ対応させ,その帯域幅は臨界帯域幅と同じか,できれば僅かに

広くしてズーム分析するのが望ましい。

注記

信号のパワースペクトル密度は,通常,ある量の,

1

サイクル当たりの平均二乗値[例えば,

周波数に対して,

1

サイクル当たりの平均二乗電圧の場合,単位をボルト二乗毎ヘルツ(

V

2

/Hz

とするか,

又は

1

サイクル当たりの平均二乗音圧の場合,

単位をパスカル二乗毎ヘルツ

Pa

2

/Hz

として計算される。

TNR

ΔL

T

)を算出する目的の場合,実測されるパワースペクトル密度の

単位は重要ではなく,基準値(

1 V

又は

20  μPa

)に対する絶対校正は必要ではない。しかし,

測定器(

FFT

分析器)をパスカル二乗毎ヘルツの単位で校正しておけば,そのまま音圧レベル

が得られるようになる。この附属書の手順では,

このように校正してあることを想定しており,

この附属書中では“平均二乗音圧”として記述してあるが,任意の量を使用できるように,そ

の記号は“X”としている。

D.9.2

  離散周波数音のレベルの算出

離散周波数音の平均二乗音圧 X

t

(又は離散周波数音の音圧レベル L

t

)は,

D.9.1

のとおりに測定した

FFT

スペクトルから,離散周波数音を“定義する”狭い帯域内部の平均二乗音圧(又は音圧レベル)を計算す

ることによって算出される。この周波数の幅

f

t

(Hz)

は,その帯域内に含まれる離散的なデータポイント数

“ライン数”

)と,分解能幅(

“ライン間隔”

)との積に等しくなる。X

t

(又は L

t

)を計算するために選択

した周波数帯域幅が,その離散周波数音の周波数を中心とする臨界帯域幅の

15 %

よりも広くなった場合,

分解能幅をより細かくして

FFT

分析を繰り返すのがよい。分解能幅を細かくして

FFT

分析を繰り返した後

でも,離散周波数音の帯域幅が臨界帯域の

15 %

よりも広い場合,その離散周波数音は,周波数が一定でな

いか,又は何か別の現象が起こっていることを示すものかもしれない。この場合,臨界帯域の

15 %

より広

い帯域幅のまま,その離散周波数音に対し,後続の手順を続行してもよい。

単一の臨界帯域内に含まれる複数の離散周波数音に対して,離散周波数音の平均二乗音圧(又は,離散

周波数音の音圧レベル)を算出するには,

D.9.6

を参照。

注意

離散周波数音の輪郭を縁取る帯域幅

f

t

を選択するために,自動化した手順を採用している場合

には,特に注意を要する。もしも帯域が狭すぎると,離散周波数音の平均二乗音圧(又は離散

周波数音の音圧レベル)は過小評価され,ノイズの平均二乗音圧(

D.9.3

参照)は過大評価され

るであろう。また,もしもその帯域が広すぎると,マスキングノイズ又は副離散周波数音が過

って離散周波数音の成分の計算に含まれ,ノイズの計算から除外されてしまうであろう。

D.9.3

  マスキングノイズのレベルの算出

この附属書では,マスキングノイズの平均二乗音圧 X

n

(又は,マスキングノイズの音圧レベル L

n

)は,


49

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

次の

2

段階の手順によって算出される。

1

段階では,臨界帯域の全平均二乗音圧(又は臨界帯域の全音圧レベル)を計算する。臨界帯域の幅

は,

(D.2)

において分析対象離散周波数音の周波数 f

t

を f

0

に等しいものと設定することによって算出され,

帯域の下端周波数 f

1

及び上端周波数 f

2

は,式

(D.4)

及び式

(D.5)

[又は式

(D.7)

及び式

(D.8)

]でそれぞれ規定

される。

FFT

スペクトルから,臨界帯域の全平均二乗音圧 X

tot

(又は臨界帯域の全音圧レベル L

tot

)が計算される。

この作業は,使用する測定機器に応じて,

FFT

分析器上のバンドカーソルを使って行ってもよいし,しか

るべきソフトウェアを使って外部コンピュータで行っても,他の手段によって行ってもよい。いずれにし

ても,この値を計算するために使われる周波数帯域の幅

f

tot

 (Hz)

とは,その帯域内に含まれる

FFT

スペク

トルのデータポイント数(

“ライン数”

)と分解能幅(

“ライン間隔”

)との積に等しくなる。

2

段階では,次の式からマスキングノイズの平均二乗音圧 X

n

(又は,マスキングノイズの音圧レベル

L

n

)を計算する。

(

)

t

tot

c

t

tot

n

)

(

f

f

f

X

X

X

Δ

Δ

Δ

=

 (Pa

2

) (D.9A)

又は,音圧レベルによって記述すると,式

(D.9A)

は次のようになる。

(

)

⎟⎟

⎜⎜

Δ

Δ

Δ

+

=

t

tot

c

10

1

.

0

1

.

0

10

n

log

10

10

10

log

10

t

tot

f

f

L

L

L

 (dB) (D.9B)

単一の臨界帯域内に含まれる複数の離散周波数音に対して,マスキングノイズの平均二乗音圧(又は,

マスキングノイズの音圧レベル)を算出するには,

D.9.6

を参照。

注記

  式(D.9A)[又は式(D.9B)]では,X

tot

(又は L

tot

)を計算するために使われる FFT 分析器の帯域

Δf

tot

が臨界帯域の幅

Δf

c

に必ずしも一致しないという事実と,さらに,計算される平均二乗音

圧  (X

tot

− X

t

)[又は,計算される音圧レベル

(

)

t

tot

1

.

0

1

.

0

10

10

10

log

10

L

L

 (dB)]には,狭い帯域∆f

t

含まれるノイズを含んでいないという事実とを考慮してある。

D.9.4

  TNR

tone-to-noise ratio

の算出

TNR(

ΔL

T

)は,次の諸式のいずれか一方から計算される。

n

t

10

T

log

10

X

X

L

=

Δ

 (dB) (D.10A)

又は,音圧レベルで記述すると,式(D.10A)は次のようになる。

n

t

T

L

L

L

=

Δ

 (dB) (D.10B)

単一の臨界帯域内に複数の離散周波数音が含まれる場合の TNR を算出するには,

D.9.6

を参照。

D.9.5

  TNR 法による顕著な離散周波数音の規準

TNR が次の条件を満たし,かつ,

D.9.8

の可聴音に関する要件を満足する場合,その離散周波数音は“顕

著”と分類される。

89.1 Hz ≤ f

t

 < 1 000 Hz に対し,

ΔL

T

 ≥   8.0 dB

+ 8.33 × log

10

⎟⎟

⎜⎜

t

000

1

f

 (dB)(D.11A)

f

t

 ≥ 1 000 Hz に対し,

ΔL

T

 ≥ 8.0 (dB) (D.11B)

式(D.11A)及び式(D.11B)の規準を

図 D.5

に示す。

D.9.6

  一つの臨界帯域内に含まれる複数の離散周波数音

機械から発する騒音に複数の離散周波数音が含まれ,さらに,それらの幾つかが一つの臨界帯域内に含


50

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

まれることがある。少なくとも一つの離散周波数音が聴こえる場合,それぞれの離散周波数音に対して,

前述の手順を踏まなければならないが,次の点で異なっている。臨界帯域内で最も振幅の高いものを主離

散周波数音とし,その周波数を f

p

とする。この主離散周波数音を中心とする臨界帯域に対し,2 番目に高

い振幅のものを副離散周波数音,その周波数を f

s

とする。

副離散周波数音が主離散周波数音の周波数に十分近い場合には,これら二つの離散周波数音は単一の離

散周波数音として知覚され,その顕著の度合いは,それらの平均二乗音圧(又は音圧レベル)を合算する

ことによって算出される。二つの離散周波数音の間隔

p

s

p

s,

f

f

f

=

Δ

が式(D.12)に定義される近接間隔より

も狭いとき,それらの離散周波数音は十分に近い,又は“近接している”ものと考えられる。

89.1 Hz ≤ f

p

 <  1 000 Hz に対し,

8

.

1

]

|)

212

/

p

(

log

|

[

2

.

1

prox

10

10

21

f

f

×

×

=

Δ

 (Hz)(D.12)

  f

p

 = 150 Hz に対し

Δf

prox

 = 23.0 Hz,f

p

 = 850 Hz に対し

Δf

prox

 = 63.8 Hz

この近接規準

Δf

s,p

 <

Δf

prox

を満足した場合には,TNR(

ΔL

T

)の計算に先立ち,離散周波数音の平均二乗音

圧 X

t

の計算においては,

主離散周波数音の平均二乗音圧 X

t,p

に副離散周波数音の平均二乗音圧 X

t,s

を加え,

全平均二乗音圧 X

tot

の計算からはこれを差し引く(この状況を音圧レベルによって記述すると,副離散周

波数音の音圧レベル L

t,s

は,主離散周波数音の音圧レベル L

t,p

にエネルギーベースで加算され,ノイズの全

音圧レベルからは同じくエネルギーベースでこれを差し引く。

。1 000 Hz 以上の周波数に対しては,近接

間隔

Δf

prox

が,臨界帯域の幅の半分よりも広くなるため,常にこの規準を満足することになる[

参考文献

 [21]

参照]

。したがって,次のような式となる。

s

t,

p

t,

t

X

X

X

+

=

 (Pa

2

) (D.13A)

又は,音圧レベルによって記述すると,式(D.13A)は次のようになる。

(

)

s

t,

p

t,

1

.

0

1

.

0

10

t

10

10

log

10

L

L

L

+

=

 (dB)(D.13B)

さらに,

(

)

[

]

(

)



Δ

+

Δ

Δ

Δ

×

+

=

s

t,

p

t,

tot

c

s

t,

p

t,

tot

n

f

f

f

f

X

X

X

X

 (Pa

2

) (D.14A)

又は,音圧レベルによって記述すると,式(D.14A)は次のようになる。

(

)

[

]

(

)

s

t,

p

t,

tot

c

10

1

.

0

1

.

0

1

.

0

10

n

log

10

10

10

10

log

10

s

t,

p

t,

tot

f

f

f

f

L

L

L

L

Δ

+

Δ

Δ

Δ

+

+

=

 (dB)(D.14B)

X

n

及び

X

t

(若しくは

L

n

及び

L

t

)に対する上記の値によって,式(D.10A)を使って TNR が計算される。

近接規準を満足しなかった場合,それらは別々の離散周波数音として知覚されると考えられ,個別に扱

われる。この場合,主離散周波数音に対する TNR の計算に先立ち,マスキングノイズの平均二乗音圧から

副離散周波数音の平均二乗音圧が差し引かれる(他の点に関しては無視される。すなわち,主離散周波数

音の平均二乗音圧の値には加算されない。

。この場合,

X

n

に対し,式(D.14A)を再び用いるが,式(D.13A)

は結果的に

X

t

 =

X

t,p

となる。

X

n

及び

X

t

に対するこれらの値を式(D.10A)に代入し主離散周波数音に対する

TNR が計算される。

この状況を音圧レベルによって記述する場合,主離散周波数音の TNR の計算に先立ち,副離散周波数音

の音圧レベルはマスキングノイズの音圧レベルから,エネルギーベースで差し引かれるが,主離散周波数

音の音圧レベルには加算されない。この場合,

L

n

に対し,式(D.14B)を再び用いるが,式(D.13B)は結果的

(

)

p

t,

1

.

0

10

t

10

log

10

L

L

=

となる。

L

n

及び

L

t

に対するこれらの値を式(D.10B)に代入することで主離散周波数音


51

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

に対する TNR が計算される。

近接規準を満足しなかった場合,

副離散周波数音に対し別個に TNR を計算するのが望ましく,

その場合,

副離散周波数音を主離散周波数音として上記の手順を繰り返してもよい。その場合,臨界帯域はその離散

周波数音を中心とし,全ての量が再計算される。

D.9.7

  高調波成分を含む離散周波数音

TNR

もし研究設備を使って発生させる離散周波数音であれば,純粋に正弦的なものであろうが,実際の機器

からの騒音放射の中で発生する離散周波数音は,ほとんどの場合,そのようなものではない。したがって,

FFT スペクトル上には,一般に,ある基本周波数の整数倍に当たる,(高調波又は部分音と呼ばれる)一連

の純音性の成分として現れる。通常,基本周波数は最も優勢な成分であるが,必ずしも常にそうなるわけ

ではない。この附属書においては,一連の高調波の中の個々の純音性成分は,

D.6

の可聴離散周波数音に

関するスクリーニング試験を行い,その結果に応じて,個別にこの附属書の手順に従って評価されなけれ

ばならない。又は,騒音放射の FFT スペクトルを調べることで高調波が存在することが明らかな場合,こ

の初期スクリーニング試験なしに,純音性成分ごとにこの附属書の手順を適用してもよい。この場合,

D.9.5

の顕著な離散周波数音の規準を満足した純音性成分であっても,それを“顕著”と分類するのに先立ち,

D.9.8

の可聴音に関する要件も満足しなければならない。

D.9.8

  可聴音に関する要件

離散周波数音は,実際に聴こえる(

audible

)場合にだけ,

“顕著”と分類するのが本来の姿である。した

がって,

D.9.5

において“顕著”と検出された個々の離散周波数音に対して,分析を行ったマイクロホンの

位置又は分析のために使った位置において,測定対象機器から発する騒音の試聴試験を行わなければなら

ない。もしも,騒音放射中に離散周波数音が聴こえる場合,結果が確定し,

“顕著”と報告しなければなら

ない。もしも,騒音放射中に離散周波数音が全く聴こえず(

clearly not audible

,かつ,この結論に信頼の

おける場合には,

“顕著”と報告する必要はない。

(例えば,試験技術者が,難聴の場合,訓練を受けてい

ない場合,又は経験を積んだ試聴者ではない場合のように)騒音放射中に離散周波数音が聴こえるかどう

かははっきりしない場合には,聴こえるかどうかを決定する手助けとして,次の試聴試験を実施しなけれ

ばならない。分析対象の離散周波数音の周波数に対応する正弦波信号を発生させ,試聴者が製品からの騒

音放射と比較し,製品から発生する騒音中に同じ周波数の離散周波数音が聴こえるかどうかを記録する。

もしも,騒音放射中に離散周波数音が聴こえる場合,結果が確定し,

“顕著”と報告しなければならない。

もしも,比較用の音と同じものが騒音放射中に聴こえない場合には,

“顕著”と報告する必要はない。

D.9.9

  TNR 法の例

図 D.2

では,臨界帯域内にある単一の離散周波数音が TNR 法を使ってどのように分析されるかを示す。

図 D.3

では,一つの臨界帯域内に複数の離散周波数音が存在する場合,TNR 法がどのように使われるか

を示す。


52

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

平均二乗音圧

音圧レベル(基準値 20 µPa)

周波数(FFT 分解能 1.0 Hz)

f

1

下端周波数

1 485 Hz

f

2

上端周波数

1 724 Hz

f

t

分析対象離散周波数音の周波数

1 600 Hz

L

n

マスキングノイズの音圧レベル 51. dB

L

t

分析対象離散周波数音の音圧レベル 62. dB

L

tot

臨界帯域の全音圧レベル 62. dB

X

n

マスキングノイズの平均二乗音圧

5.76 × 10

5

 Pa

2

X

t

分析対象離散周波数音の平均二乗音圧

6.77 × 10

4

 Pa

2

X

tot

臨界帯域の全平均二乗音圧

7.31 × 10

4

 Pa

2

Δf

c

臨界帯域幅

239.45 Hz

Δf

t

分析対象離散周波数音の幅 20

Hz

Δf

tot

 FFT スペクトル上の臨界帯域の全帯域幅 240 Hz

顕著な離散周波数音

ΔL

T

 TNR(tone-to-noise ratio) 10. dB

図 D.2

臨界帯域内の単一の離散周波数音に TNR 法を適用した例

X   

単位 Pa

2

単位 Hz

単位 dB 

f

1

f

t

f

2


53

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

平均二乗音圧

音圧レベル(基準値 20 µPa)

周波数(FFT 分解能 0.5 Hz)

主離散周波数音

f

1

下端周波数 732

Hz

f

2

上端周波数 874 Hz

f

p

主離散周波数音の周波数 800 Hz

X

t,p

主離散周波数音の平均二乗音圧

6.17 × 10

4

 Pa

2

副離散周波数音

f

s

副離散周波数音の周波数 854 Hz

X

t,s

副離散周波数音の平均二乗音圧

4.19 × 10

4

 Pa

2

Δf

t,s

副離散周波数音の周波数帯域幅 10

Hz

近接した離散周波数音

Δf

c

臨界帯域幅 141.62 Hz

Δf

prox

近接間隔

59 Hz

Δf

s,p

主離散周波数音と副離散周波数音との間隔 54

Hz

Δf

t,p

主離散周波数音の周波数帯域幅 10

Hz

顕著な離散周波数音

X

n

マスキングノイズの平均二乗音圧

6.92 × 10

5

 Pa

2

X

t

離散周波数音の平均二乗音圧

1.04  10

3

 Pa

2

X

tot

臨界帯域の全平均二乗音圧

1.10 × 10

3

 Pa

2

L

n

マスキングノイズの音圧レベル 52. dB

L

t

離散周波数音の音圧レベル(基準値 20 µPa) 64. dB

L

tot

臨界帯域の全音圧レベル 64. dB

L

t,p

主離散周波数音の音圧レベル 61. dB

L

t,s

副離散周波数音の音圧レベル 60. dB

ΔL

T

 TNR(tone-to-noise ratio) 11.8 dB

図 D.3

一つの臨界帯域内に複数の離散周波数音が存在する場合に TNR 法を適用した例

単位 dB

f  単位 Hz

単位 Pa

2

f

1

f

p

  f

s

f

2


54

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

D.10

  PR

prominence ratio

D.10.1

  FFT 分析器を使った測定

8.7

の測定のために使用するものと同じ作動モード及び同じ測定条件に対し,

ハニング時間窓関数及び実

効値平均(線形平均)を使い,測定位置(

D.4

参照)における信号のパワースペクトル密度が得られるよ

うに FFT 分析器の操作手順に従う。FFT 分析器の入力信号には,A 特性のような,周波数重み付け特性を

適用してはならない。FFT 分析では,実効値平均(線形平均)

,ハニング窓関数を使い,

8.7.2

の分析時間

の要件を満足するため,十分な数の平均を行わなければならない。ズーム帯域の中心周波数を離散周波数

音の周波数にほぼ対応させ,ズーム帯域幅は臨界帯域幅のほぼ 4 倍にするのが望ましい。

注記

  信号のパワースペクトル密度は,通常,ある量の,1 サイクル当たりの平均二乗値[例えば,

周波数に対して,1 サイクル当たりの平均二乗電圧の場合,単位をボルト二乗毎ヘルツ(V

2

/Hz)

とするか,

又は 1 サイクル当たりの平均二乗音圧の場合,

単位をパスカル二乗毎ヘルツ

(Pa

2

/Hz)]

として計算される。PR(

ΔL

P

)を算出する目的の場合,実測されるパワースペクトル密度の単

位は重要ではなく,基準値(1 V 又は 20

μ

Pa)に対する絶対校正は必要ではない。しかし,測

定器(FFT 分析器)をパスカル二乗毎ヘルツの単位で校正しておけば,そのまま音圧レベルが

得られるようになる。この附属書の手順では,このように校正してあることを想定しており,

この附属書の中では“平均二乗音圧”として記述してあるが,任意の量を使用できるように,

その記号は“

X

”としている。

D.10.2

  中央臨界帯域のレベルの算出

中央臨界帯域の平均二乗音圧

X

M

は,分析対象離散周波数音を中心とする臨界帯域内に含まれる全平均

二乗音圧と定義される

(音圧レベルによって記述すると,

この量は中央臨界帯域の音圧レベル

L

M

になる。

中央臨界帯域の幅

Δf

M

は,下端周波数

f

1,M

及び上端周波数

f

2,M

同様に,

D.8

の関係から,分析対象離散周波

数音の周波数

f

t

f

0

に等しいものとして算出する。その場合,中央臨界帯域の両端周波数は次のようにな

る。

f

t

 ≤ 500 Hz に対し

2

M

t

M

,

1

f

f

f

Δ

=

 (Hz) (D.15)

及び

2

M

t

M

,

2

f

f

f

Δ

+

=

 (Hz) (D.16)

f

t

 > 500 Hz に対し

( )

2

4

2

2

t

2

M

M

M

,

1

f

f

f

f

+

Δ

+

Δ

=

 (Hz)(D.17)

及び

M

M

,

1

M

,

2

f

f

f

Δ

+

=

 (Hz) (D.18)

例  f

t

 = 1 000 Hz

に対し,

f

1,M

 = 922.2 Hz

及び

f

2,M

 = 1 084.4 Hz

X

M

の値(又は

L

M

の値)は,

FFT

スペクトルから,

f

1,M

f

2,M

との間のデータポイントを挟み込み,中央

臨界帯域の平均二乗音圧(又は中央臨界帯域の音圧レベル)を計算することによって算出される。この作

業は,使用する測定機器に応じて,

FFT

分析器上のバンドカーソルを使って行ってもよいし,しかるべき

ソフトウェアを使って外部コンピュータで行っても,又は他の手段によって行ってもよい。


55

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

D.10.3

  下側臨界帯域のレベルの算出

下側臨界帯域の平均二乗音圧

X

L

は,

D.10.2

で定義される中央臨界帯域のすぐ下側にあって,これに接す

る臨界帯域内に含まれる全平均二乗音圧と定義される(音圧レベルとして記述すると,この量は下側臨界

帯域の音圧レベル

L

L

になる。

D.8

の関係によって,下側臨界帯域において,その中心周波数

f

0,L

,帯域

f

L

,下端周波数

f

1,L

及び上端周波数

f

2,L

がそれぞれ決まる。この下側臨界帯域は中央臨界帯域に接してい

なければならないので,

f

2,L

 = f

1,M

となる。しかし,

f

0,L

はあらかじめ分かるものではなく,

D.8

の式

(D.2)

(D.8)

はそのまま用いることはできず,本来,下端周波数

f

1,L

は反復計算によって求めなければならない。

そこで,この附属書では,

f

1,L

の値は式

(D.19)

から計算することとしており,この式は,カーブフィッティ

ングを利用することによって反復計算から導出されたものである。

2

t

2

L,

t

1

L,

0

L,

L

,

1

f

C

f

C

C

f

+

+

=

 (Hz) (D.19)

ここに,

f

t

分析対象離散周波数音の周波数

C

L,0

C

L,1

C

L,2

表 D.2

で与える定数

表 D.2

f

1,L

を計算するためのパラメータ

周波数範囲

C

L,0

Hz

C

L,1

C

L,2

Hz

− 1

 89.1

Hz

≤  f

t

 ≤ 171.4 Hz

20.0

0.0

0.0

  171.4 Hz <  f

t

 ≤ 1 600 Hz

− 149.5

1.001

− 6.90 × 10

− 5

  1 600 Hz <  f

t

 6.8

0.806

− 8.20 × 10

− 6

171.4 Hz

以下の周波数の離散周波数音に対しては,下側臨界帯域のための下端周波数は人間の聴覚の下

限周波数とされる

20 Hz

未満となってしまう。そのような場合,下端周波数は

20 Hz

と設定する(したが

って,

X

L

を算出するために使われる帯域は

20 Hz

から

f

2,L

までとする。

。この下側臨界帯域の幅

f

L

は,真

の臨界帯域の幅よりも狭く,

PR

の計算では,このことが考慮される(

D.10.5

参照)

X

L

の値(又は

L

L

の値)とは,

FFT

スペクトルから

f

1,L

f

2,L

との間のデータポイントを挟み込み,下側

臨界帯域の平均二乗音圧(又は下側臨界帯域の音圧レベル)を計算することによって算出される。この作

業は,使用する測定機器に応じて,

FFT

分析器上のバンドカーソルを使って行ってもよいし,しかるべき

ソフトウェアを使って外部コンピュータで行っても,又は他の手段によって行ってもよい。下側臨界帯域

と中央臨界帯域とが計算処理上,重複しないように注意しなければならない。すなわち,共通の終端周波

数に最も近い

FFT

データポイントは,どちらか一方にだけ割り当てられ,両方に割り当ててはならない。

D.10.4

  上側臨界帯域のレベルの算出

上側臨界帯域の平均二乗音圧

X

U

は,

D.10.2

で定義される中央臨界帯域のすぐ上側にあって,これに接す

る臨界帯域内に含まれる全平均二乗音圧と定義される(音圧レベルによって記述すると,この量は上側臨

界帯域の音圧レベル

L

U

になる。

D.8

の関係によって,上側臨界帯域において,その中心周波数

f

0,U

,帯

域幅

f

U

,下端周波数

f

1,U

及び上端周波数

f

2,U

がそれぞれ決まる。この上側臨界帯域は中央臨界帯域に接し

ていなければならないので,

f

1,U

 = f

2,M

となる。しかしながら,

f

0,U

はあらかじめ分かるものではなく,

D.8

の式

(D.2)

∼式

(D.8)

はそのまま用いることはできず,一般的には,上端周波数

f

2,U

は反復計算によって求め

なければならない。そこで,この附属書では,

f

2,U

の値は式

(D.20)

から計算することとしており,この式は,

カーブフィッティングによって反復計算から求めたものである。


56

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

2

t

2

U,

t

1

U,

0

U,

U

,

2

f

C

f

C

C

f

+

+

=

 (Hz) (D.20)

ここに,

f

t

分析対象離散周波数音の周波数

C

U,0

C

U,1

C

U,2

表 D.3

で与える定数

表 D.3

f

2,U

を計算するためのパラメータ

周波数範囲

C

U,0

Hz

C

U,1

C

U,2

Hz

− 1

89.1 Hz ≤ f

t

 ≤ 1 600 Hz

149.5

1.035

7.70 × 10

− 5

1 600 Hz < f

t

3.3

1.215

2.16 × 10

5

X

U

の値(又は

L

U

の値)とは,

FFT

スペクトルから

f

1,U

f

2,U

との間のデータポイントを挟み込み,上側

臨界帯域の平均二乗音圧(又は音圧レベル)を計算して求められる。この作業は,使用する測定機器に応

じて,

FFT

分析器上のバンドカーソルを使って行ってもよいし,しかるべきソフトウェアを使って外部コ

ンピュータで行っても,又は他の手段によって行ってもよい。上側臨界帯域と中央臨界帯域とが計算処理

上,重複しないように注意しなければならない。すなわち,共通の終端周波数に最も近い

FFT

データポイ

ントは,どちらか一方にだけ割り当てられ,両方に割り当ててはならない。

D.10.5

  PR

prominence ratio

の算出

171.4 Hz

よりも高い周波数の離散周波数音に対し,

PR

ΔL

P

)は次のように計算される。

f

t

 > 171.4 Hz

に対し,

×

+

=

Δ

5

.

0

)

(

log

10

U

L

M

10

P

X

X

X

L

 (dB)(D.21A)

音圧レベルによって記述すると,式

(D.21A)

は次のようになる。

f

t

 > 171.4 Hz

に対し,

(

)

(

)

[

]

5

.

0

10

10

log

10

10

log

10

U

L

M

1

.

0

1

.

0

10

1

.

0

10

P

×

+

=

Δ

L

L

L

L

 (dB)(D.21B)

171.4 Hz

以下の周波数をもつ離散周波数音に対しては,式

(D.2)

から計算されるものよりも帯域幅が狭く

なり,下側臨界帯域の一部が切り取られることになる(

D.10.3

参照)

。したがって,

171.4 Hz

よりも周波数

の低い離散周波数音に対する

PR

を計算するには,下側臨界帯域のレベルは,

(これらの周波数における全

帯域幅である)

100 Hz

に正規化され,次のようになる。

f

t

 ≤ 171.4 Hz

に対し,

×

+

Δ

×

=

Δ

5

.

0

]

)

(100/

[

log

10

U

L

L

M

10

P

X

f

X

X

L

 (dB)(D.22A)

又は,音圧レベルによって記述すると,式

(D.22A)

は次のようになる。

f

t

 ≤ 171.4 Hz

に対し,

(

)

×

⎟⎟

⎜⎜

+

×

Δ

=

Δ

5

.

0

10

10

100

log

10

10

log

10

U

L

M

1

.

0

1

.

0

L

10

1

.

0

10

P

L

L

L

f

L

 (dB) ····(D.22B)

D.10.6

  PR 法による顕著な離散周波数音の規準

PR

が次の条件を満たし,かつ,

D.10.8

の可聴に関する要件を満足する場合,その離散周波数音は“顕著”

と分類される。

注記  ISO 7779:2010

に誤りがあったため

D.10.8

への参照に訂正した。

89.1 Hz ≤ f

t

 < 1 000 Hz

に対し,

(

)

t

10

P

/

000

1

log

10

0

.

9

f

L

+

Δ

dB(D.23A)

f

t

 ≥ 1 000 Hz

に対し,

0

.

9

P

ΔL

dB (D.23B)


57

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

(D.23A)

及び式

(D.23B)

の規準を

図 D.5

に示す。

D.10.7

  高調波成分を含む複合音

PR

もし研究設備を使って発生させる離散周波数音であれば,純粋に正弦的なものであろうが,実際の機器

からの騒音放射中で発生する離散周波数音は,ほとんどの場合,そのようなものではない。したがって,

FFT

スペクトル上には,一般に,ある基本周波数の整数倍に当たる,

(高調波又は部分音と呼ばれる)一連

の純音性の成分として現れる。通常,基本周波数は最も優勢な成分であるが,これは常にそうなるわけで

はない。この附属書においては,一連の高調波の中の個々の純音性成分は,

D.6

の可聴離散周波数音に関

するスクリーニング試験を行い,その結果に応じて,この附属書の手順に従って個別に評価されなければ

ならない。又は,騒音放射の

FFT

スペクトルを調べることで高調波が存在することが明らかな場合,この

初期スクリーニング試験なしに,純音性成分ごとにこの附属書の手順を適用してもよい。この場合,

D.10.6

の顕著な離散周波数音の規準を満足した純音性成分であっても,それを“顕著”と分類するのに先立ち,

D.10.8

の可聴音に関する要件も満足しなければならない。

D.10.8

  可聴音に関する要件

離散周波数音は,実際に聴こえる(

audible

)場合にだけ,

“顕著”と分類されるのが本来の姿である。し

たがって,

D.10.6

において“顕著”と検出された個々の離散周波数音に対して,分析を行ったマイクロホ

ンの位置(

D.4

参照)又は分析のために使った位置において,測定対象機器から発する騒音の試聴試験を

行わなければならない。もしも,騒音放射中に離散周波数音が聴こえる場合,結果が確定し,

“顕著”と報

告しなければならない。もしも,騒音放射中に離散周波数音が全く聴こえず(

clearly not audible

,かつ,

この結論に信頼のおける場合には,

“顕著”と報告する必要はない。もしも,騒音放射中に離散周波数音が

聴こえるかどうか疑わしい場合(例えば,試験技術者が難聴の場合,訓練を受けていない場合,又は経験

を積んだ試聴者ではない場合のように)

,聴こえるかどうかを決定する手助けとして,次の試聴試験を実施

しなければならない。

分析対象の離散周波数音の周波数に対応する正弦波信号を発生させ,試聴者が製品からの騒音放射と比

較し,製品から発生する騒音中に同じ周波数の離散周波数音が聴こえるかどうかを記録する。もしも,騒

音放射中に離散周波数音が聴こえる場合,結果が確定し,

“顕著”と報告しなければならない。もしも,比

較用の音と同じものが騒音放射中に聴こえない場合には,

“顕著”と報告する必要はない。

D.10.9

  PR 法の例

PR

法による計算例を

図 D.4

に示す。

D.10.5

に従って

PR

が計算され,

1 600 Hz

の離散周波数音に対して

ΔL

P

 = 12.1 dB

であることが分かった。その結果,

1 600 Hz

における

PR

の規準値である

9.0 dB

よりも大き

いので,その離散周波数音は“顕著”と分類される。


58

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

平均二乗音圧

音圧レベル(基準値 20 µPa)

周波数(FFT 分解能 1.0 Hz)

中央臨界帯域

f

t

分析対象離散周波数音の周波数

1 600 Hz

f

1,M

中央臨界帯域の下端周波数

1 485 Hz

f

2,M

中央臨界帯域の上端周波数

1 724 Hz

L

M

中央臨界帯域の音圧レベル 62. dB

X

M

中央臨界帯域の平均二乗音圧

7.31 × 10

− 4

 Pa

2

上側臨界帯域

f

1,U

上側臨界帯域の下端周波数

1 724 Hz

f

2,U

上側臨界帯域の上端周波数

2 002 Hz

L

U

上側臨界帯域の音圧レベル 50. dB

X

U

上側臨界帯域の平均二乗音圧

4.03 × 10

− 5

 Pa

2

下側臨界帯域

f

1,L

下側臨界帯域の下端周波数

1 276 Hz

f

2,L

下側臨界帯域の上端周波数

1 485 Hz

L

L

下側臨界帯域の音圧レベル 51. dB

X

L

下側臨界帯域の平均二乗音圧

5.07 × 10

− 5

 Pa

2

顕著な離散周波数音

ΔL

P

 PR(prominence ratio) 12. dB

図 D.4

顕著な離散周波数音を特定するための PR 法の図

f  単位 Hz 


単位 dB

単位 Pa

2

f

1,L

f

2,L

             f

1,U

f

1,M

    f

t

f

2,M

  f

2,U


59

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

D.11

  顕著な離散周波数音に関する記録事項

この附属書に従って顕著と特定されたそれぞれの離散周波数音に対し,次の事項を記録する。

a)

離散周波数音の周波数

f

t

(Hz)

b)

この規格への引用を付けた上で,離散周波数音を評価するために使用した方法の詳細(

D.9

TNR

又は

D.10

PR

法を参照)

c) TNR

法が使われた場合,

TNR(

ΔL

T

) (dB)

又は

PR

法が使われた場合,

PR(

ΔL

P

) (dB)

d)

分析対象の放射騒音中に顕著な離散周波数音が複数含まれていることが分かった場合,個々の離散周

波数音の周波数と,その

ΔL

T

又は

ΔL

P

注記

低騒音の機器の場合には特に,顕著な離散周波数音の

A

特性音圧レベルを記録しておくと役に

立つことがある。

1 PR(prominence ratio)の規準曲線 
2 TNR(tone-to-noise ratio)の規準曲線 
f

周波数

ΔL

P

 PR(prominence ratio)

ΔL

T

 TNR(tone-to-noise ratio)

離散周波数音の

ΔL

T

又は

ΔL

P

の値が該当する規準曲線を超えたとき,顕著な離散周波数音となる。

図 D.5

周波数の関数として表した,TNR

D.9.5

及び PR

D.10.6

に対する規準曲線

ΔL

P

ΔL

T

単位 dB

− 2.5 dB/octave

− 3.0 dB/octave

1

2

89.1    150    250       500      1 000        2 500      5 000      11 220 

f

単位 Hz


60

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

附属書 E

参考)

衝撃性の騒音の検出

E.1

  一般事項

この附属書では,発生する騒音が衝撃性かどうか,すなわち,作用時間が短く,かつ,振幅が比較的高

いものかどうかを見極めるための客観試験方法を提供する。

この方法は主として,オペレータの介在を必要とする機器から放射される非定常な騒音に適用される。

注記

この方法は

ISO 11201:1995

 [23]

附属書 A

の第

1

段落に基づいているが,この規格の他の部分と

の関係から変更を加えてある。

E.2

  附属書の位置づけ

この附属書は参考ではあるが,この手順が他の規格又は試験規定によって規定要素として引用された場

合に満足しなければならない要件を含んでいる。そのような要件は,一般に,

“∼しなければならない(原

文においては

shall

”のような命令調の言葉を用いることで識別される。

E.3

  測定器

測定器は

8.4

の要件を満たさなければならない。サウンドレベルメータには,

JIS C 1509-1:2005

附属

書 C

に規定する時間重み付け特性

I

が備わっていなければならない。

歴史的な理由から,時間重み付け特性

I

が,この附属書内で使われている。時間重み付け特性

I

の適用

に関しては,

JIS C 1509-1:2005

C.1.1

において次のように記述している。

“多くの研究は,時間重み付け特性

I

は,衝撃性騒音のラウドネスの評価に適さないとの結論を出してい

る。また,聴力障害を起こす危険性の評価及び音の“衝撃性(

impulsiveness

”の判定にも適さない。誤っ

た結果を得る可能性があるので,これらの目的に時間重み付け特性

I

を用いることは勧められない”

E.4

  マイクロホンの位置

オペレータ位置のある機器の場合,そのオペレータ位置において測定しなければならない。オペレータ

位置が複数ある場合,最も高い

A

特性音圧レベルとなるオペレータ位置において,次の測定を行う。

オペレータ位置が定義されていない機器の場合,最も高い

A

特性音圧レベルとなるバイスタンダ位置及

びその位置における

A

特性音圧レベルの

0.5 dB

以内となるバイスタンダ位置において測定を行い,次に定

義する騒音の衝撃性に関する指標

ΔL

I

を算出しなければならない。

卓上機器内部に設置されるように設計されたサブアセンブリは,高さ約

12 mm

の数本の弾性のある足を

介して標準試験卓の上面の中央に設置する。他のエンクロージャ又はラック内部に設置されるサブアセン

ブリは,

5.1.7

に従い設置しなければならない。オペレータ位置の定義された機器の内部に設置されるサブ

アセンブリに対しては,そのオペレータ位置を用いるものとし,それ以外の場合は,最も高い

A

特性音圧

レベルとなるバイスタンダ位置を用いる。

E.5

  測定手順

前述のマイクロホンの位置において,試験対象機器から放射される騒音を難聴ではない者が試聴しなけ


61

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

ればならない。その発生している騒音に衝撃性の音を含むような場合,次の試験を実行しなければならな

い。

8.7

の測定で使われるものと同じ作動モード,測定条件,測定時間及び時間平均方法を用いて,

A

特性時

間平均インパルス音圧レベル(

L

pAI

)及び

A

特性時間平均音圧レベル(

L

pA

)を測定しなければならない。

A

特性時間平均インパルス音圧レベル(

L

pAI

)と

A

特性時間平均音圧レベル(

L

pA

)とのデシベル差を求め

る。その差(

L

pAI

− L

pA

)を騒音の衝撃性に関する指標(

ΔL

I

)とする。

ΔL

I

 ≥ 3 dB

の場合,その騒音は,衝

撃性と考えられる。

A

特性時間平均インパルス音圧レベル(

L

pAI

)は,その騒音が衝撃性かどうかを決定するためだけに使

用される。騒音の衝撃性に関する指標(

ΔL

I

)は,定常で,非衝撃性の騒音ではゼロであり,騒音の衝撃性

が増すにつれて数値が増加する。

レベルレコーダを用いてインパルス音圧レベルを記録する場合,インパルスサウンドレベルメータの直

流レベル出力を用いる。レベルレコーダの動特性は,作用時間

0.2

秒のく(矩)形パルスに対し,フルス

ケールの少なくとも

90 %

に応答できるものでなければならない。

E.6

  衝撃性の騒音に関する試験記録

衝撃性の騒音が特定されなかった場合,その事実を記録しなければならない。衝撃性の騒音が特定され

た場合,試験記録として,その事実とともに,騒音の衝撃性に関する指数(

ΔL

I

)の値を記録しなければな

らない。


62

X 7779

:2012 (ISO 7779:2010)

参考文献

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Reference zero for the calibration of audiometric equipment

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Noise emitted by machinery and equipment

Rules for the drafting

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[3]  ISO 80000-8:2007, Quantities and units

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[5]  ECMA-108, Measurement of high-frequency noise emitted by information technology and

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[22]  ISO/TR 25417, Acoustics

Definitions of basic quantities and terms

[23]  ISO 11201:1995, Acoustics

Noise emitted by machinery and equipment

Measurement of

emission sound pressure levels at a work station and at other specified positions

Engineering

method in an essentially free field over a reflecting plane

[24]  JIS Z 8732:2000

,音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−無響室及び

半無響室における精密測定方法

[25]  JIS Z 8733:2000

,音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−反射面上の

準自由音場における実用測定方法

[26]  JIS Z 8734:2000

,音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−残響室にお

ける精密測定方法

[27]  JIS Z 8737-1:2000

,音響−作業位置及び他の指定位置における機械騒音の放射音圧レベル

の測定方法−第

1

部:反射面上の準自由音場における実用測定方法

[28]  ISO 11690-1:1996, Acoustics

Recommended practice for the design of low-noise workplaces

containing machinery

Part 1: Noise control strategies