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X 7778 : 2001 (ISO 9296 : 1988)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人  日本事

務機械工業会  (JBMA)  から工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日本工業規格

を基礎にした国際規格案の提出を容易にするために,ISO 9296 : 1988, Acoustics−Declared noise emission

values of computer and business equipment

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質を持つ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS X 7778

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)  騒音放射表示の例

附属書 B(参考)  騒音の性質

附属書 C(参考)  機械のロットに関する表示値算出のための追加情報


日本工業規格

JIS

 X

7778

 : 2001

(ISO

9296

 : 1988

)

音響−情報技術装置の表示騒音放射値

Acoustics

−Declared noise emission values of computer

and business equipment

序文  この規格は,1988 年に第 1 版として発行された ISO 9296, Acoustics−Declared noise emission values of

computer and business equipment

を翻訳し,技術的内容及び規格票の書式を変更することなく作成した日本

工業規格である。

ただし,

附属書 C  機械のロットに関する表示値算出のための追加情報を参考として示す。

なお,この規格で点線の下線を付してある箇所又は“参考”は,原国際規格にはない事項である。

情報技術装置の騒音放射に関する情報が,ユーザ,プランナ,製造業者,行政当局などによって求められ

ている。

このような情報は,

異なる製品間の騒音放射を比較したり,

建物内部の音響設計を行うのに不可欠であり,

また,場合によっては,作業場所における騒音暴露の要求に関連して使われることもある。情報技術装置

の騒音放射値を有益なものとするには,次の目的に対する方法を統一する必要がある。

騒音放射の測定

JIS X 7779

は,実際の用途を代表しうるように作動条件を統一し,情報技術装置がそのような条件

で作動している際の騒音放射の測定方法を規定している。

表示すべき騒音放射値の算出

ISO 4871

及びその

附属書 では,騒音放射値の表示方法を統一するための規格作成に関する指針を

与えており,ISO 7574

シリーズでは,その算出を行うための統計手法を与えている。

表示騒音放射値の提示 

表示騒音放射値を提示する場合,A 特性音響パワーレベル L

WA

を表示することが最も重要である。

しかしながら,ユーザが A 特性放射音圧レベル L

PA

の情報を希望していることも認識されている。し

たがって,この規格では,両方の量を表示しなければならないと規定している。1pW を基準値として

デシベル単位で表現した音響パワーレベルと,20

μPa を基準値として同じくデシベル単位で表現した

放射音圧レベルとの混同を避けるため,この規格では,音響パワーレベルの値を単位ベル (B) で,放

射音圧レベルの値を単位デシベル (dB) で表現している。

発生騒音の主観的特性を求め,任意に提示するための方法を

附属書 に示す。

表示騒音放射値の検証

ISO 7574

では,表示騒音放射値の検証方法を規定している。この規格,JIS X 7778 では,その手順

は表示 A 特性音響パワーレベルの検証のためだけに限定している。

1.

適用範囲  この規格は,情報技術装置に適用する。


2

X 7778 : 2001 (ISO 9296 : 1988)

この規格は,次の事項を規定する。

−  表示騒音放射値を算出するための方法

−  製造業者によってユーザ向けに提供される技術文書内で与えられるべき騒音に関する情報及び製品

情報

−  製造業者によって提供された表示騒音放射値を検証するための方法

これらの方法では,JIS X 7779 に従って得られた騒音データ,並びに ISO 4871 及び ISO 7574

シリーズ

で規定する手順を使う。

基本的な表示騒音放射値とは,表示 A 特性音響パワーレベル L

WAd

ISO 7574

シリーズの L

c

に一致する

統計的な最大値)とオペレータ位置又はバイスタンダ位置における表示 A 特性放射音圧レベル L

pAm

(算術

平均値)である。

表示 A 特性音響パワーレベル L

WAd

によって,異なる製品間の騒音放射の比較が可能となり,設置場所

又は作業位置における騒音暴露の程度の予測

1)

が可能となる。

一つ又は複数の音源による騒音暴露の程度を計算する上で最も便利な量は,通常,個々の音源の表示 A

特性音響パワーレベル L

WAd

であるが,1 台だけ独立している機械の近傍における騒音暴露の程度を推定す

る場合,表示 A 特性放射音圧レベル L

pAm

が使われることがある。

音響パワーレベルと放射音圧レベルとの混同を避けるため,A 特性音響パワーレベルは単位ベル (B) で,

A

特性放射音圧レベルは単位デシベル (dB) で表示する。

備考  この規格の対応国際規格を次に示す。

なお,対応の程度を示す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 9296 : 1988,

  Acoustics−Declared noise emission values of computer and business equipment

(JDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS X 7779

  音響−情報技術装置から放射される空気伝搬騒音の測定

備考 ISO 

7779 : 1999

  Acoustics−Measurement of airborne noise emitted by information technology

and telecommunications equipment

と,この規格が一致している。

ISO 4871

  Acoustics−Declaration and verification of noise emission values of machinery and equipment

参考  原国際規格,ISO 9296 が発行した当時,ISO 4871 : 1984, 1st edition の名称は,Acoustics−Noise

labelling of machinery and equipment

であったが,1996 年に改正され,上記となった。

ISO 7574-1

  Acoustics−Statistical methods for determining and verifying stated noise emission values of

machinery and equipment

−Part 1 : General considerations and definitions

ISO 7574-2

  Acoustics−Statistical methods for determining and verifying stated noise emission values of

machinery and equipment

−Part 2 : Methods for stated values for individual machines

ISO 7574-4

  Acoustics−Statistical methods for determining and verifying stated noise emission values of

machinery and equipment

−Part 4 : Methods for stated values for batches of machines

                                                        

1)

  ベル単位の表示 A 特性音響パワーレベル,L

WAd

を,設置場所の騒音レベルを算出する目的で使う場合,

又は情報技術装置以外の機械の,デシベル単位の表示 A 特性音響パワーレベルと比較する場合,デシベル
単位の値を求めるには,1B=10 dB の関係を使い,ベル単位の L

WAd

に 10 が掛け算される。


3

X 7778 : 2001 (ISO 9296 : 1988)

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。定義は,一般,音響及び統計の三つに分類す

る。

3.1

一般定義

3.1.1

情報技術装置  (computer and business equipment)    家庭,オフィス,コンピュータ室,通信機器の

設置場所又は同様の設置環境において,情報処理に使われる機器及びその構成要素。

参考 1988 年発行の原国際規格  (ISO 9296)  の原文は,“computer and business equipment”であるが,

測定方法を規定した ISO 7779 が 1999 年に改正された際,これに対応する用語が“information

technology and telecommunications equipment

”となった。ISO 7779 の一致規格,JIS X 7779 と整

合性を保つため,

“情報枝術装置”として同じ名称をここに定義する。

3.1.2

機械のロット  [batch (lot) of machine (s)]    同じ機能を果たすよう,同じ技術仕様で量産され,同じ

表示騒音放射値で特性付けられる情報技術装置の一群。

備考  ロットとは,連続して生産された製品すべてであっても,その一部分であってもよい。

3.1.3

アイドルモード (idling mode)    必要なウォームアップの後,機器に通電はしているが作動してい

ない状態として,JIS X 7779 に規定する条件。

参考 1988 年発行の原国際規格においては,“idling mode”であるが.1999 年発行の ISO 7779 に対応

する JIS X 7779 との整合性を保っため,

“アイドルモード”と訳す。

3.1.4

作動モド  (operating mode)    機器が目的とする機能を果たしている状態として,JIS X 7779 に規定

する条件。複数の作動条件が適用可能な場合は,その機器の利用形態の多くを代表するような条件を用い

なければならない。

3.2

音響定義

3.2.1

デシベル単位の 特性音響パワーレベル  (A-weighted sound power level in decibels), L

WA

  JIS X 

7779

に従い,周波数重み A を使って算出した機器の音響パワーレベル。基準音響パワーは 1pW。

3.2.2

デシベル単位の 特性放射音圧レベル  (A-weighted emission sound pressure level in decibels), L

pA

JIS X 7779

に従い,オペレータ位置において,又はオペレータ位置が定義されていない場合,バイスタン

ダ位置において,周波数重み A を使って算出した機器の放射音圧レベル

(a)

。基準音圧は 20

μPa。

参考

(a)

 1988

年発行の原国際規格においては,

“sound pressure level”であるが,対応する用語が,引

用規格の ISO 4871の改正によって放射音圧レベル  (emission sound pressure level)  になり,ま

た,測定方法を規定した1999年発行の ISO 7779においても同様に変化した。ISO 7779の一致

規格 JIS X 7779との整合性を保っため,この規格全般を通じ,原国際規格の主旨に応じて,

特に断ることなく,

“放射”を追加して訳す。

3.2.3

実測値  (measured value)    JIS X 7779 に従い,個々の機械における測定から算出した A 特性音響パ

ワーレベル L

WA

の値及び A 特性放射音圧レベル L

pA

の値。実測値を丸めてはならない。

3.2.4

表示騒音放射値  (declared noise emission values)    表示 A 特性音響パワーレベル L

WAd

の値又は表示

A

特性放射音圧レベル L

pAm

の値,若しくは両方。


4

X 7778 : 2001 (ISO 9296 : 1988)

3.2.5

ベル単位の表示 特性音響パワーレベル  (declared A-weighted sound power level in bels), L

WAd

  デシ

ベル単位の A 特性音響パワーレベル L

WA

の 10 分の 1 であって,個々の機械又はあるロット内のすべての

機械に対して表示した値。この表示した値とは,機械が新品であるとき,個々の機械の A 特性音響パワー

レベル L

WA

の 10 分の 1 の値,及び/又はロット内のある規定されたかなりの比率の部分の A 特性音響パ

ワーレベル L

WA

の 10 分の 1 の値が,それ未満であることを示す限度のことである。6.の検証方法は,表示

騒音放射値 L

WAd

よりも大きな A 特性音響パワーレル L

WA

をもつ機器がロット内の 6.5%を超えない確率が

95%

になるように設定されている。L

WAd

の値は,最も近い 0.1 ベル (B) に丸める。

備考  L

WAd

は,ISO 7574

シリーズの L

c

に一致する。

3.2.6

デシベル単位の表示 特性放射音圧レベル (declared A-weighted emission sound pressure level in

decibels), L

pAm

  機械が新品のとき,個々の機械に対して表示される A 特性放射音圧レベル L

pA

の値,又は

機械のロットに対して表示される A 特性放射音圧レベル L

pA

の算術平均の値

(b)

L

pA

の測定位置とは,JIS X 

7779

で定義するオペレータ位置,又はオペーレタ位置が定義されていない場合,バイスタンダ位置である

(c)

参考1.

(b)

原国際規格のままに定義を訳した。原国際規格には明確な記載がないが,測定方法を規定し

た JIS X 7779に従うため,オペレータ位置の定義されていない機器の場合,測定対象となる

機器の1台ごとに,バイスタンダ位置(通常,前後左右の4か所)において放射音圧レベルが

測定され,1台ごとにすべてのバイスタンダ位置での放射音圧レベルをエネルギー平均するこ

とになる,さらに,機械のロットに対する表示 A 特性放射音圧レベル,L

pAm

の算出に当たっ

ては,これらの値(エネルギー平均値)を算術平均することになる。

2.

(c)

  3.2.5

に対する 4.4.1 及び 4.4.2 の関係,同じく,3.2.6 に対する 4.4.3 及び 4.4.4 の関係を対比し

た場合,本来は,この定義の最後に“L

pAm

の値は,最も近い 1 デシベル (dB) に丸める”主

旨の内容を規定し,表示される値の表現形式を宗義すべきである。

3.3

統計定義

3.3.1

繰返し性の標準偏差  (standard deviation of repeatability),

σ

r

  繰返し性条件,すなわち,同じ条件(同

じ実験室,同じ測定者,同じ測定器)の下で,比較的短い時間間隔で,同じ機械に,同じ騒音放射測定方

法  (JIS X 7779)  を繰返し適用して得られた実測値の標準偏差。

備考  この規格では,量記号

σ

は真の標準偏差に,量記号 は推定された標準偏差に用いる。

3.3.2

再現性の標準偏差  (standard deviation of reproducibility),

σ

R

  再現性条件,すなわち,異なる時間に,

異なる条件(異なる実験室,異なる測定者,異なる測定器)の下で,同じ機械に,同じ騒音放射測定方法  (JIS 

X 7779)

を繰返し適用して得られた実測値の標準偏差。したがって,再現性の標準偏差には,繰返し性の

標準偏差を含む。

3.3.3

生産の標準偏差  (standard deviation of production),

σ

P

  同じファミリーに属する機器のロットの異

なる個体に対し,繰返し性条件(同じ実験室,同じ測定者,同じ測定器)の下で,同じ騒音放射測定方法  (JIS 

X 7779)

を適用して得られた実測値の標準偏差。

3.3.4

全標準偏差 (total standard deviation),

σ

t

  再現性の標準偏差と生産の標準偏差の二乗和の平方根と

して,次の式で与えられるもの。

2

2

P

R

t

σ

σ

σ

+

=

 (1)

3.3.5

基準標準偏差  (reference standard deviation),

σ

M

  情報技術装置専用に規定された全標準偏差であっ

て,この種の機器のロットに対して代表的と考えられる値。


5

X 7778 : 2001 (ISO 9296 : 1988)

L

WA

の基準標準偏差は,

σ

M

=2.0dB とする。

備考

σ

M

を固定の値にすることによって,小さな標本数による統計手法を適用できるようになる。全

標準偏差

σ

t

と基準標準偏差

σ

M

とが異なる場合,

製造業者は

σ

t

σ

M

の両方の標準偏差に基づき,

自身の危険率を推定するのが望ましい(4.4.1 参照)

4.

表示騒音放射値の算出

4.1

一般事項  表示騒音放射値 L

WAd

及び L

pAm

は,アイドルモード及び作動モードについて算出する。作

動モード又はアイドルモードを複数もつ場合,その機器の利用形態の多くを代表するようなモードを用い

なければならない。

4.2

A

特性音響パワーレベル L

WA

の算出  A 特性音響パワーレベル,L

WA

は,JIS X 7779 に従って算出す

る。

4.3

オペレータ(バイスタンダ)位置における 特性放射音圧レベル L

pA

の算出  オペレータ位置にお

ける A 特性放射音圧レベル L

pA

は,JIS X 7779 に従って算出する。オペレータ位置が定義されていない場

合,JIS X 7779 で定義するバイスタンダ位置における実測値をエネルギー平均することによって L

pA

を算

出する。

4.4

表示騒音放射値の算出 

備考  表示騒音放射値の算出は,製造業者固有の責任である。

4.4.1

機械のロットに関する表示 特性音響パワーレベル,L

WAd

の算出  機械のロットに関する表示 A

特性音響パワーレベル L

WAd

を得るため,製造業者は次の事項を考慮しなければならない。

a)

再現性を考慮したうえで,測定方法  (JIS X 7779)  の精度に関する測定の不確かさ。L

WA

の再現性の標

準偏差

σ

R

は,1.5 dB であると推定される。

b)

一つの実験室内で,可能な限り同一の条件(繰返し性条件)の下,ロット内の複数の機械に対し,JIS 

X 7779

に従い実施する測定から導出される生産のばらつき。各々の機械について,2 回ずつ測定した

うえでその算術平均を算出する。

これらの平均値を用いて,そのロットの生産の標準偏差を推定する。

c)

再現性の標準偏差,

σ

R

及び生産の標準偏差,

σ

P

を合成して得られる L

WA

の値に対する全標準偏差

σ

t

の値。

d)  6.

で規定する表示騒音放射値の検証手順。これは,ISO 7574-4 の一回抜取検査手順において標本数 n

=3,基準標準偏差

σ

M

=2.0 dB のときの手順と一致する。

標本として十分に大きな数が得られる場合,次の手順を用いるものとする。

JIS X 7779

に従い,個々の機械から A 特性音響パワーレベルの値 L

WAi

を算出する。次の式を用いて,L

WAi

の算術平均 L

WAm

を計算する。

=

=

n

i

WAi

n

WAm

L

L

1

1

 (2)

ここに,

n

標本内の機械の台数

標本内の実測値

L

WAi

から生産の標準偏差

s

P

を計算する。

=

=

n

i

WAm

WAi

p

L

L

n

s

1

2

)

(

1

1

 (3)

次の式を用いて,生産の標準偏差

s

P

と再現性の標準偏差

s

R

1.5dB

と推定される。

)から全標準偏差

s

t


6

X 7778 : 2001 (ISO 9296 : 1988)

を計算する。

2

2

P

R

t

s

s

s

+

=

 (4)

2

2

5

.

1

P

s

+

=

備考1.  L

WAm

と s

t

の値とは,そのロットの真の平均値

μ

と真の全標準偏差

σ

t

の推定値である。

2.

標本として十分大きな数が得られない場合,s

t

の値は,過去の経験から推定してもよい。

次の式を用いて,L

WAm

及び s

t

の値から最も近い 0.1 ベル単位に丸めた表示音響パワーレベルーL

WAd

を算

出する。

)]

0

.

2

(

564

.

0

5

.

1

[

10

1

t

t

WAm

WAd

s

s

L

L

+

+

=

 (5)

備考

この式は ISO 7574-4 に基づいており,

(標本数

n

3

の検証に対して)

5%

の危険率となる。

参考

ここに規定する標本数が

n

3

の場合を含め.種々の標本数における表示に関する追加情報が

属書 C(参考)に示されている。

4.4.2

個々の機械に関する表示 特性音響パワーレベル,L

WAd

の算出  次の関係を用いて,実測した

A

特性音響パワーレベル

L

WA

から個々の機械の表示音響パワーレベル

L

WAd

を算出する。

)

(

10

1

K

L

L

WA

WAd

+

 (6)

上記の関係における

K

の値は,再現性条件の下で発生する偶然測定誤差を考慮している。

s

R

1.5dB, 5%

の危険率に対し,

K

の値として,

2.5dB

が妥当である。

個々の機械に関する

L

WAd

の値は,最も近い

0.1

ベルに丸める。

4.4.3

機械のロットに関する表示 特性放射音圧レベル,L

pAm

の算出  4.3 に従い,オペレータ位置又は

バイスタンダ位置において測定した,標本内の個々の機械の

A

特性放射音圧レベル

L

pA

を算術平均するこ

とによって,そのロットに関する表示

A

特性放射音圧レベル

L

pAm

を算出する。

L

pAm

は,最も近い

1

デシベル

 (dB)

に丸める。

4.4.4

個々の機械に関する表示 特性放射音圧レベル,L

pAm

の算出  個々の機械に関する表示

A

特性放

射音圧レベル

L

pAm

は,オペレータ位置又はバイスタンダ位置において,4.3 に従い算出した

A

特性放射音

圧レベル

L

pA

の値に等しい。

L

pAm

は,最も近い

1

デシベル

 (dB)

に丸める。

5.

表示騒音放射値の提示  製品の騒音放射値をこの規格に従い算出,提示する場合,次の事項を含んで

いなければならない。

a)

JIS X 7778 による表示騒音放射”という文言に続き,ロット又は個々の機械の該当する作動モード

及びアイドルモード両方に対し,4.に従い算出した

L

WAd

及び

L

pAm

の値,並びに恒等式

1B

10dB

とい

う関係の明示。

b)

  L

pAm

の値が,JIS X 7779 で定義するオペレータ位置又はバイスタンダ位置のいずれであるのかの明示。

c)

複数の作動モードがある場合,

どのモードが表示目的で用いられたかを確実に特定できる十分な情報。

d)

その表示騒音放射値の適用範囲を明確にできる,その製品の詳細な識別情報。そのような情報がない

場合,挙げられた製品のすべてのバリエーションに対し,その表示騒音放射値が適用される。

表示騒音放射値は,ユーザ向けに提供される技術文書又は他の印刷物のかたちで提供されなければなら


7

X 7778 : 2001 (ISO 9296 : 1988)

ない(

附属書 参照)。

6.

表示騒音放射値の検証

6.1

一般事項  表示騒音放射値の検証手順は,表示

A

特性音響パワーレベル

L

WAd

にだけ適用し,表示

A

特性放射音圧レベル

L

pAm

には適用しない。

機械のロットに関する

L

WAd

の値の検証手順は,ISO 7574-4 のそれと一致しており,標本数

n

3

,基準

標準偏差

σ

M

2.0dB

における一回抜取検査手順を採用している。

個々の機械に関する

L

WAd

の値の検証手順は,ISO 7574-2 のそれと一致する。

検証は,JIS X 7779 に従い,機器を作動させ,その騒音の実測に基づいて行わなければならない。さら

に,その検証のための設置及び作動条件は,製造業者が,4.に従い規定したとおりで,かつ,5.に従い提示

した条件と同じでなければならない。

6.2

機械のロットに関する表示 特性音響パワーレベル,L

WAd

の値の検証  次の手順は,再現性条件

3.3.2 参照)における抜取検査に関する規定である。該当する試験室において際立った系統誤差がないこ

とが確かであれば,繰返し性条件(3.3.1 参照)における抜取検査に対し適用してもよい。

対象機器の新品ロットから無作為に

3

台の標本を抽出する。

実測値(単位デシベル)を

L

WA1

L

WA2

及び

L

WA3

とし,それらの算術平均値 (同じく,単位デシベル)

を次の式によって求める。

)

(

3

1

3

2

1

WA

WA

WA

L

L

L

L

+

+

=

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(7)

次の規則に従い,表示

A

特性音響パワーレベル

L

WAd

が容認されるかどうかを決定する。

a)

L

/10

≤   (L

WAd

0.11)

の場合,そのロットに関して,

L

WAd

の値は,検証されたことになる。

b)

L

/10

  (L

WAd

0.11)

の場合,そのロットに関して,

L

WAd

の値は,検証されたことにはならない。

6.3

個々の機械に関する表示 特性音響パワーレベル,L

WAd

の値の検証  実測値(単位デシベル)を

L

WA

とする。

次の規則に従い,個々の機械に関する表示

A

特性音響パワーレベル

L

WAd

が容認されるかどうかを決定

する。

a)

L

WA

/10

≤ L

WAd

の場合,その機械単体に関して,

L

WAd

の値は,検証されたことになる。

b)

  L

WA

/10

L

WAd

の場合,その機械単体に関して,

L

WAd

の値は,検証されたことにはならない。


8

X 7778 : 2001 (ISO 9296 : 1988)

附属書 A(参考)  騒音放射表示の例

この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1.

オペレータ位置が定義されていない製品で,その製品のすべてのバリエーションに対し,同じ

表示騒音放射値を適用する場合

製品名:コンピュータ

ABC

JIS X 7778

による表示騒音放射

作動時

アイドル時

L

WAd

 (1B

10dB)

7.1B

7.0B

L

pAm

(バイスタンダ位置)

 57dB  56dB

2.

オペレータ位置が定義されており,かつ,製造年の異なる製品のバリエーションに対し,異な

る表示騒音放射値を適用する場合

製品名:ディスクドライブ,

DEF

JIS X 7778

による表示騒音放射

作動時

アイドル時

L

WAd

 (1B

10dB)

5.2B

4.8B

L

pAm

(オペレータ位置)

 41dB

37dB

製造年:

1981

1983

L

WAd

 (1B

10dB)

5.5B

5.1B

L

pAm

(オペレータ位置)

 44dB

40dB

製造年:

1981

以前

 

3.

オペレータ位置が定義されておらず,複数の印字速度で利用可能な印字ユニットに対し,最も

頻繁に使われる

100cps

の印字速度における表示騒音放射値を適用する場合

製品名:

XYZ

型プリンタ,製造番号

123456

JIS X 7778

による表示騒音放射

作動時

アイドル時

L

WAd

 (1B

10dB)

7.4B

5.2B

L

pAm

(バイスタンダ位置)

 62dB  40dB


9

X 7778 : 2001 (ISO 9296 : 1988)

附属書 B(参考)  騒音の性質

この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

B.1

一般事項  この附属書では,表示騒音放射値に追加して任意に提供できる情報を示す。騒音の性質と

して,衝撃性であるかどうか,顕著な離散周波数音を含むかどうかについての情報が情報技術装置のユー

ザの関心事となることがある。

国家機関及び国際機関において,騒音の主観的特性を評価する客観的方法が研究されているが,どのよ

うな方法を適用すべきかについて最終的に合意するまでには至っていない。当面,B.2 の手順が使われる

であろう。

B.2

騒音の性質の決定

B.2.1

一般事項  定義されたオペレータ位置又はバイスタンダ位置において,情報技術装置の騒音の衝撃

性及び/又は顕著な離散周波数音の有無が決定される。

B.2.2

騒音の衝撃性に関する指数  騒音の衝撃性に関する指数△

L

I

を算出するために,JIS X 7779 が使わ

れる。

B.2.3

顕著な離散周波数音  顕著な離散周波数音の有無を決定するために,JIS X 7779 が使われる。

B.3

騒音の衝撃性及び顕著な離散周波数音に関する情報  B.2 に従って決定した騒音の性質に基づき,次

の文言のいずれかによって,表示騒音放射値を補完することができる。

a)

衝撃性の騒音でもなく,顕著な離散周波数音も含まない。

b)

衝撃性の騒音ではあるが,顕著な離散周波数音は含まない。

c)

顕著な離散周波数音は含むが,衝撃性の騒音ではない。

d)

衝撃性の騒音であり,かつ,顕著な離散周波数音を含む。


10

X 7778 : 2001 (ISO 9296 : 1988)

附属書 C(参考)  機械のロットに関する表示値算出のための追加情報

この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

C.1

一般事項  機器からの騒音に関する情報を表示しようとした場合,この規格本体においては,標本数

n

3

を前提にしている。一方,実際には,各種の情報技術装置において,主として時間的な制約によって,

必ずしも,十分な数の標本が確保できない場合がある。また,より多くの標本を用意することによって,

より正確な表示情報を収集し,これに基づいて,機器のユーザあてに騒音に関する情報を提供したいと思

う製造業者もある。

この附属書では,4.4.1 で規定する標本数が

n

3

以外の場合を含めた種々の場合における表示に関する

追加情報を示す。

表示騒音放射値の算出は,製造業者固有の責任である。

備考

この附属書の算出方法は,規格本体で引用する ISO 7574-4 に基づいており,また,原国際規格,

ISO 9296

の技術的基礎となった ECMA-109

参考文献

(1)

]の最新版,及び現在行われている原

国際規格 ISO 9296 の改訂作業の最新案

  (CD : Committee Draft)

相当の内容を含んでいる。

C.2

ランダムサンプリング  測定対象機器(標本)は,表示を行おうとするロットの中から無作為に抽出

されたものか,又は同等とみなせるものと想定される。

C.3

機械のロットに関する表示 特性音響パワーレベル,L

WAd

の算出  ロットに関する表示

A

特性音響

パワーレベル,

L

WAd

を得るためには,4.4.1 の a)d)を考慮するとよい。

ロットから無作為に標本を取り出し,その

1

1

台に対して

A

特性音響パワーレベル

L

WAi

を JIS X 7779

に従い算出する。これから算術平均

L

WAm

を式(C.1)に従い算出する。

)

(

1

1

dB

L

n

L

n

i

WAi

WAm

=

=

(C.1)

ここに,

n

標本数

標本内の個々の機械で実測した

A

特性音響パワーレベル,

L

WAi

から,生産の標準偏差

s

P

を式(C.2)に従い

算出する。

)

(

)

(

1

1

1

2

dB

L

L

n

s

n

i

WAm

WAi

p

=

=

(C.2)

生産の標準偏差

s

P

と再現性の標準偏差

s

R

JIS X 7779 の下では,

1.5dB

と想定される。

)に基づき,全標

準偏差

s

t

を計算する。

)

(

2

2

dB

s

s

s

P

R

t

+

=

(C.3)

備考1.

L

WAm

及び

s

t

は,それぞれ,ロットの真の平均

μ

及び真の全標準偏差

σ

t

の推定値である。

L

WAm

s

t

及び

κ

(標本数

n

に対する値,

表 C.1 参照)に基づき,式(C.4)から,

0.1

ベル単位に丸めた表示

A

特性音響パワーレベル

L

WAd

を計算する。


11

X 7778 : 2001 (ISO 9296 : 1988)

)

(

)]

5

.

1

0

.

2

(

5

.

1

5

.

1

[

10

1

2

2

2

2

B

s

s

L

L

P

P

WAm

WAd

+

+

+

+

=

κ

(C.4)

表 C.1  種々の標本数 に対する

κ

の値

n

κ

n

κ

n

κ

n

k

n

κ

1

− 11 1.018

21 1.155

31 1.219

41 1.257

2

− 12 1.039

22 1.163

32 1.223

42 1.260

3 0.564

13 1.058

23 1.171

33 1.228

43 1.263

4 0.692

14 1.074

24 1.178

34 1.232

44 1.266

5 0.778

15 1.089

25 1.185

35 1.236

45 1.269

6 0.842

16 1.103

26 1.191

36 1.240

46 1.271

7 0.892

17 1.115

27 1.197

37 1.244

47 1.274

8 0.932

18 1.126

28 1.203

38 1.247

48 1.277

9 0.966

19 1.137

29 1.209

39 1.251

49 1.279

10 0.994

20 1.146

30 1.214

40 1.254

50 1.281

備考2.

表 C.1において,

n

3

に対する

κ

の値を代入すると式(C.4)は,4.4.1の式(5)と等しくなる。

ロットから得られる標本数が

3

台未満であり,

かつ,

生産の標準偏差

s

p

に関する情報が得られない場合,

(C.4)において

s

t

2.0 dB

を代入して表示

A

特性音響パワーレベル

L

WAd

を算出してもよい。その結果,式

(

C.5)

が得られる。

)

(

)

0

.

3

(

10

1

B

L

L

WAm

WAd

+

=

(C.5)

(C.5)

3.0 dB

の値は,全標準偏差,

s

t

2.0 dB

を上回らないと想定されるほとんどの情報技術装置に

対して妥当なものと考えられる。しかしながら,ある状況においては,

s

t

の値が

2.0 dB

を上回ることが考

えられる。具体的には,少なくとも,次のような場合である。

顕著な離散周波数音を含む場合

強い固体伝搬騒音を発する場合

温度に応じてファンの回転速度が制御されている場合


12

X 7778 : 2001 (ISO 9296 : 1988)

参考文献 

(1)

ECMA- 109 Declared noise emission values of information technology and telecommunications equipment

4

th

 edition,

1996 December, ECMA-114 Rue du Rhône

CH-1204 GenevaSwitzerland

JIS X 7778

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

子  安      勝

千葉工業大学工学部情報工学科

(幹事)

君  塚  郁  夫

日本アイ・ビー・エム株式会社評価技術・

RAS

デザイン

(委員)

日  塔  公一郎

通信機械工業会サービス部

東  條  喜  義

社団法人日本電子工業振興協会技術部

近  藤  秀  行

株式会社沖データ技術企画部

今  泉  八  郎

株式会社小野測器

MTG

高  梨  彰  男

キヤノン株式会社品質技術センター

山  中      稔

京セラ株式会社玉城ブロック品質保証部

梅  津  昌  彦

コニカ株式会社オフィスドキュメントカンパニー

CS

統括部製品

評価センター

尾  川  武  史

シャープ株式会社ドキュメントシステム事業本部信頼性管理セン
ター

橋  本      進

財団法人日本規格協会

木  村  和  紀

日本電気株式会社第二パーソナル

C

C

事業本部

高  橋  多  助

財団法人日本品質保証機構計量計測センター

松  崎  克  巳

富士ゼロックス株式会社環境商品安全部

山  口      敦

富士通株式会社第二テクノロジ統括部システム実装技術部

井  上  邦  彦

松下電送システム株式会社品質統括センター

佐  藤  利  和

松下インターテクノ株式会社メカニカル

CAE

木  下  敬  知

ミノルタ株式会社情報機器開発本部情報機器第一設計部

瀧  波  弘  章

リオン株式会社音響技術部

間  藤  直  哉

株式会社リコー社会環境室環境安全グループ

(事務局)

小  林  繁  雄

社団法人日本事務機械工業会

備考

○印は、分科会(小委員会)を兼ねる。