2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
W 0106-1995
航空用語(航空機一般)
Glossary of terms for aircraft general
1. 適用範囲 この規格は,航空機に関する主な用語について規定する。
2. 分類 用語は,次のように分類する。
(1) 航空機の種類に関する用語
(2) 航空機の寸法・面積に関する用語
(3) 航空機を構成する部分に関する用語
(4) 航空機の重量(物体に作用する重力の大きさ)比に関する用語
(5) 航空機の空気力学・性能に関する用語
(6) 航空機の運航・整備に関する用語
3. 用語・定義 用語及び定義は,次のとおりとする。
なお,参考のため対応英語及び一部の用語に対する記号を示す。
備考1. 用語欄で二つの用語を並べてある場合は,その順序に従って優先的に使用する。
2. 用語欄の( )内の太字体の語は省略してもよい。
3. 用語欄の( )内の細字体の語は参考として示したものである。
4. 用語の下に括弧で示したものは,読み方である。
(1) 航空機の種類に関する用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1010
航空機
人が乗って,航空の用に供することができる機器
の総称。
aircraft
1020
軽航空機
飛行中の揚力を,主として空気より軽い気体の静
的な浮力から得るすべての航空機。
lighter-than-air aircraft
1030
飛行船
推進装置及び操縦装置を備えた軽航空機。
airship
1040
重航空機
それ自体の重量が,その排除する空気の重量より
も重く,飛行中の揚力を主として空気力学的な力
から得るすべての航空機。
heavier-than-air aircraft
1050
固定翼航空機
固定した翼面をもち,その翼面に生じる揚力によ
って飛行する重航空機。
fixed wing aircraft
1060
飛行機
推進装置を備え,飛行中の揚力を,主として,そ
れぞれの飛行状態において固定翼面上に生じる空
気力学的な力から得る固定翼航空機。
aeroplane,
airplane(米)
1070
可変後退翼機
飛行中に翼の後退角を変更させることができる飛
行機。
variable-swept-wing airplane
1080
無尾翼機
水平尾翼をもたない飛行機。
tailless airplane
2
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1090
陸上機
陸上で発着する飛行機。
landplane
1100
水上機
水上で発着する飛行機。
seaplane
1110
フロート水上機
水上にあるとき,フロートによってその重量を支
持する水上機。
float seaplane,
float plane
1120
飛行艇
水上にあるとき,主に艇体によってその重量を支
持する水上機。
flying boat
1130
水陸両用機
陸上又は水上のいずれへも発着できる飛行機及び
へリコプタ。
amphibian
1140
グライダ
(滑空機)
推進装置を備えず,飛行中の揚力を主として固定
翼面上に生じる空気力学的な力から得る固定翼航
空機。
glider
1150
ソアラ
大気の動きを利用して,長時間又は長距離の飛行
を行うグライダ。
sailplane,
soarer
1160
モータグライダ
(動力滑空機)
50kW以下のエンジンを装備し,主として離陸上昇
時に動力を用い,所要の高度から滑空を行う固定
翼航空機。
motor glider
1170
回転翼航空機
飛行中の揚力を回転翼から得る重航空機。
回転翼の配置によって,単回転翼機,同軸回転翼
機,タンデム回転翼機などがある。
rotor craft,
rotary-wing aircraft
1180
ジャイロプレーン
起動の時だけエンジン駆動によるが,飛行中は空
気力の作用によって回転する1個以上の回転翼に
よって揚力を,またプロペラによって推進力を得
る回転翼航空機。
gyroplane
1190
ヘリコプタ
ほぼ垂直な軸周りに回転するエンジン駆動の回転
翼によって揚力及び推進力を得る回転翼航空機。
helicopter
1200
複合ヘリコプタ
回転翼のほかに推進装置と固定翼とをもち,水平
飛行中の推進力と揚力の大部分をこれらによって
得るヘリコプタ。
compound helicopter
1210
ジャイロダイン
1個以上のエンジン駆動の回転翼によって揚力を
得,推進力はプロペラによって得る回転翼航空機。
gyrodyne
1220
短距離離着陸(航空)
機
短い滑走距離で離着陸できる重航空機。
STOL aircraft (short takeoff
and landing aircraft)
1230
垂直離着陸(航空)機
離着陸の際,ほぼ垂直に上昇又は降下できる重航
空機。
VTOL aircraft (vertical
takeoff and landing
aircraft)
1240
亜音速機
空気の圧縮性の影響がほとんどない速度域で飛行
する航空機。
subsonic aircraft
1250
遷音速機
機体の表面の空気の流れが音速に達している部分
とそれ以下の部分が共存している速度域まで飛行
できる航空機。
transonic aircraft
1260
超音速機
音速を超える対気速度で飛行できる航空機。
supersonic aircraft
1270
極超音速機
音速の約5倍以上の対気速度で飛行できる航空
機。
hypersonic aircraft
1280
輸送機
人員及び物資を輸送するために使用される航空
機。
transport aircraft
1290
旅客機
乗客の輸送を主目的とする航空機。
airliner
1300
CCV
機体固有の不安定性及び剛性の不足を制御系によ
って補償し,機体の小型化・軽量化,操縦性の向
上等を図った航空機。
control configured vehicle
3
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(2) 航空機の寸法・面積に関する用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2010
上反角
翼が付け根から翼端に向かって上がっていると
き,機軸と翼幅方向の基準線を含む平面が水平面
となす角。
参考 量記号Γ又はνで表す。
dihedral angle
2020
下反角
翼が付け根から翼端に向かって下がっていると
き,機軸と翼幅方向の基準線を含む平面が水平面
となす角。
cathedral angle
2030
後退角
翼の平面形において,翼端が翼の付け根に対し後
退しているとき,翼幅方向の基準線が機軸に垂直
な平面となす鋭角。
参考 量記号Λで表す。
swept-back angle
2040
前進角
翼の平面形において,翼端が翼の付け根に対し前
進しているとき,翼幅方向の基準線が機軸に垂直
な平面となす鋭角。
swept-forward angle
2050
取付け角
翼弦と胴体基準線とがなす角度。通常,翼の付け
根の値を用いる。
参考 量記号iで表す。
angle of incidence
2060
ねじり上げ(角)
翼の取付け角が翼端に向かって次第に増すように
翼がねじってあるとき,翼付け根と翼端部との取
付け角の差。
wash-in (angle)
2070
ねじり下げ(角)
翼の取付け角が翼端に向かって次第に減じるよう
に翼がねじってあるとき,翼付け根と翼端部との
取付け角の差。
wash-out (angle)
2080
尾翼取付け角
尾翼の翼弦と胴体基準線とがなす角度。
参考 量記号itで表す。
tail-setting angle
2090
総翼面積
胴体部分を含めた主翼の投影面積。
参考 量記号SLで表す。
gross wing area
2100
正味翼面積
胴体部分を除いた主翼の投影面積。
net wing area
2110
ぬれ面積
航空機の全表面積。
wetted area
2120
円板面積
回転翼が回転することによって描かれる円形の面
積。
disc area
2130
縦横比
(たてよこひ)
総翼面積に対する翼幅の二乗の比。く(矩)形翼
の場合は翼弦長に対する翼幅の比になる。
参考 量記号λ,A又はΛで表す。
aspect ratio
2140
テーパ比
翼根弦長に対する翼端弦長の比。
参考 量記号λで表す。
taper ratio
2150
厚さ比
翼弦長に対する翼形の最大厚さの比。
thickness ratio
2160
翼形
翼の平面形における翼幅方向の基準線(通常は,
25%弦長点を連ねる線)に直角にとった翼の切り
口の形状。
aerofoil section,
wing section,
profile
2170
翼形中心線
翼形の上面及び下面までの距離がそれぞれ等しく
なる点を結んで得られる線。
center-line of an aerofoil,
mean line
2180
中心線の反り
翼形中心線と翼弦との隔たりを,翼弦長に対する
百分率で表したもの。
center-line camber
2190
反り
翼形中心線と翼弦との隔たりの最大値を,翼弦長
に対する百分率で表したもの。
maximum camber
2200
翼弦
翼形中心線の前端と後端とを結んだ直線。
chord
2210
翼弦長
翼弦の長さ。
参考 量記号cで表す。
chord length
4
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2240
25%弦長点
翼弦の前端から翼弦長の25%隔たった点。
quarter-chord point
2250
幾何平均翼弦
翼面積を翼幅で割った値。
mean geometric chord
2260
空力平均翼弦
縦揺れモーメントに関して翼の空気力学的性質を
代表する翼弦。
aerodynamic mean chord,
mean aerodynamic chord
(米)(MAC)
2270
前縁
翼形又は翼の前端。
備考 構造上は,前けたから前方の翼の部分
をいう。
leading edge
2280
後縁
翼形又は翼の後端。
備考 構造上は,後けたから後方の翼の部分
をいう。
trailing edge
2290
翼幅
左右の両翼端の間の水平距離。
参考 量記号bで表す。
span,
wing span
2300
全長
航空機の最前端と最後端との間の水平距離。
参考 量記号lRで表す。
overall length
2310
全高
航空機の最低端と最高端との間の垂直距離。
参考 量記号hRで表す。
height
2320
車輪左右間隔
てつ(轍)間距離
主着陸装置の左右の車輪中心間距離。車輪の代わ
りに,そり,スキーなどでも同じ。
wheel track,
wheel tread
2330
車輪前後間隔
軸間距離
前部着陸装置と後部着陸装置の車軸中心間の距
離。車輪の代わりに,そり,スキーなどでも同じ。
wheel base
(3) 航空機を構成する部分に関する用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3010
機体
主翼,胴体,尾翼,着陸装置など,航空機を構成
する構造部分。
airframe
3020
翼
重航空機が空気中でその重量を支持するのに必要
とする空気力学的な力(揚力)を発生するもの。
wing,
aerofoil,
airfoil(米)
3030
主翼
重航空機の重量を支持するための揚力の大部分を
発生する翼。
main wing,
main plane
3040
テーパ翼
翼の付け根から翼端に向かって,直線的に翼弦長
が小さくなっている翼。
taperd wing
3041
く(矩)形翼
翼弦長が付け根から翼端まで一定の翼。
constant chord wing
3050
後退翼
後退角をもつ翼。
swept-back wing
3051
前進翼
前進角をもつ翼。
swept-forward wing
3060
三角翼
平面形が三角形であり,比較的小さい縦横比の翼。 delta wing
3070
短翼
胴体の両側面に取り付けられた短い翼。主として,
着陸装置,エンジンなどを取り付けたり,物をつ
り上げるために用いる。
stub wing
3080
ウィングレット
主翼の翼端にほぼ垂直に取り付けられ,これによ
って得られる翼端渦の減殺と推力成分の効果を利
用して,誘導抗力の減少と有効揚力の増加を図る
ための小翼片。
winglet
3090
操縦だ(舵)面
航空機の姿勢及び飛行方向を制御するために用い
る可動翼面。だ(舵)面ともいう。
control surface
3100
補助翼
操だ(舵)によって航空機の前後軸周りに回転運
動(横揺れ)を起こさせるため,主翼の後縁に取
り付ける可動翼面。
aileron
5
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
3110
差動補助翼
補助翼を操だ(舵)したとき,上がる角度と下が
る角度とが異なるような機構をもった補助翼。
differential aileron
3120
フリーズ補助翼
上げ側の補助翼の前縁部が主翼の下面に突き出す
ようにしてある補助翼。
Frise aileron
3130
すきま補助翼
主翼後縁との間に,気流を円滑に流すために整形
されたすきまをもたせた補助翼。
slotted aileron
3140
釣合いだ(舵)面
昇降だ(舵),方向だ(舵),補助翼,タブなどの
操縦だ(舵)面に取り付けられ,操だ(舵)力を
軽くする仕掛けをもった操縦だ(舵)面。
balanced surface
3150
ホーン・バランス
だ(舵)面の平面形において,翼端部がヒンジ中
心線より前方に張り出している釣合いだ(舵)面
の形式。
horn balance
3170
エレボン
昇降だ(舵)と補助翼の二つの働きを併せもつよ
うに設計された操縦だ(舵)面。
elevon
3180
高揚力装置
離着陸速度を低減させ又は空中操作を容易にする
ため,最大揚力係数を大きくする装置。
high-lift device
3190
すきま翼
高揚力装置の一種で,翼の前縁に可動式又は固定
式のすきまをもった翼。
slotted aerofoil wing,
slotted wing
3200
スラット
翼の前縁に取り付けられ,迎え角が大きいときの
気流のはがれを遅らせて最大揚力係数を大きくす
る固定式又は可動式の小翼。
備考 高揚力装置の一種。
slat
3210
折り曲げ前縁
翼の前縁部を下方へ折り曲げて翼の反りを増すよ
うにしたもの。
drooped leading edge
3220
境界層制御装置
境界層に原因する好ましくない空気力学的効果
(失速,抗力増加など)を減少又は除去するため
の装置。
boundary-layer control
system
3230
フラップ
主翼の後縁又は前縁に取り付けられ,翼面積若し
くは翼の反り又は両方を増して,主として最大揚
力係数を大きくする働きをもつ装置。
備考 高揚力装置の一種。
flap
3240
フラッペロン
フラップと補助翼の機能を兼ね備えた可動翼面。
flaperon
3250
前縁フラップ
翼の前縁部に取り付けられたフラップ。
leading-edge flap
3260
クルーガフラップ
前縁フラップの一種で,翼の前縁下側にその前端
をヒンジ止めした小翼で,作動時に後端を翼の前
下方に開くようにしたフラップ。
Krüger flap
3270
後縁フラップ
翼の後縁部に取り付けられたフラップ。
trailing edge flap
3280
ファウラフラップ
翼の後縁部が後方に張り出して翼面積を増す効果
を併せもっている形式のフラップ。
fowler flap
3290
単純フラップ
翼の後縁部分をそのまま下方へ折り曲げる形式の
フラップ。
plain flap
3300
すきまフラップ
フラップを下げたとき,翼本体とフラップの前縁
との間にすきまができるようにした形式のフラッ
プ。
slotted flap
3310
開きフラップ
翼の後縁部の下方だけを開く形式のフラップ。
split flap
3320
吹出しフラップ
フラップを下げたとき,その上面に沿って高速の
空気を後方に吹き出して,フラップの効果を高め
る機能をもったフラップ。
blown flap
3330
ジェットフラップ
翼の後縁から後下方に高速の空気を吹き出し,そ
の噴流によってフラップの効果を得る装置。
jet flap
6
W 0106-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3340
スピードブレーキ
航空機の翼,胴体などの構造物に取り付けられ,
これを気流中に出すことによって抗力を増加させ
る装置。
speed brake
3350
スポイラ
主翼上面に取り付けられ,これを気流中に出すこ
とによって気流を乱し揚力を減殺すると同時に,
抗力を増加させる装置。
spoiler
3360
先尾翼
主翼の前方に取り付けられ,前後の釣合い及び操
縦を受け持つ小さい翼。
canard
3370
尾翼
航空機の釣合い,安定及び操縦を受け持つために
航空機の尾部に取り付けられた翼の総称。
tail unit,
empennage
3380
水平尾翼
縦の釣合い,安定及び操縦を受け持つ尾翼。
tail plane,
horizontal tail
3381
T型尾翼
垂直尾翼の上端に水平尾翼が取り付けられた尾
翼。
T-type tail
3390
水平安定板
航空機の縦の安定のための水平尾翼の前部の固定
した部分。トリムのために可動のものもある。
horizontal stabilizer
3400
昇降だ(舵)
操だ(舵)によって航空機の左右軸周りの回転運
動(縦揺れ)を起こさせるため,水平安定板の後
部に取り付けられた可動翼面。
elevator
3410
全可動尾翼
安定板を可動とし,これを動かすことによって縦
の操縦を行うことができる水平尾翼。昇降だ(舵)
をもち連動して作動するものもある。
flying tail
3420
スタビレータ
昇降だ(舵)をもたない全可動尾翼。
stabilator
3430
垂直尾翼
方向の安定と操縦とを受け持つ尾翼。
備考 通常,機体の対称面に又は対称面に平
行に取り付けられる。
vertical tail,
fin and rudder
3440
垂直安定板
航空機の方向の安定のための垂直尾翼の前部の固
定した部分。
vertical stabilizer,
fin
3450
方向だ(舵)
操だ(舵)によって航空機の上下軸周りの回転運
動(偏揺れ)を起こさせるため,垂直安定板の後
部に取り付けられた可動翼面。
rudder
3460
背びれ
胴体上面と垂直尾翼前縁とをつないで取り付けら
れたひれ状のもの。
dorsal fin
3470
腹びれ
胴体の後下方に気流と平行に取り付けられたひれ
状のもの。
ventral fin
3480
タブ
補助翼,方向だ(舵),昇降だ(舵)などの主操縦
だ(舵)面の後部に取り付けられた小さい翼面。
tab
3490
釣合いタブ
主操縦だ(舵)面に機械的に連動し,操だ(舵)
力の軽減に用いられるタブ。
balance tab
3500
サーボタブ
操縦かん又は方向だ(舵)ペダルと直接結ばれ,
これを操作することによって主操縦だ(舵)面を
動かすタブ。
servo tab
3510
スプリングタブ
操縦だ(舵)面とタブ操作機構との間にばねを入
れたサーボタブで,速度に応じて操だ(舵)力が
調整されるタブ。
spring tab
3520
トリムタブ
主操縦だ(舵)面とは別の系統で操作され,トリ
ムを調整するタブ。
trim tab,
trimming tab
3530
トリム板
主操縦だ(舵)面の後縁に取り付けられたトリム
修正用の固定式の小片。
trimming strip
7
W 0106-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3540
胴体
乗員,乗客,貨物その他の搭載物及びその航空機
の主要な装備を収容する航空機の部分。
fuselage
3550
艇体
水上で航空機を支持し,離着水に適した形状をも
った飛行艇の胴体。
hull
3560
スポンソン
胴体の側面に張り出した部分。
sponson
3570
機室
直接外気に接触しないように閉じられた操縦室及
び客室の総称。
cabin
3580
客室
乗客を乗せるように設備された機室。
passenger cabin
3590
操縦室
操縦者が航空機を操縦する所で,操縦装置,操作
装置,計器などが集中的に取り付けられている機
室。
control cabin,
cockpit
3600
与圧室
圧力が調整できるように作られた機室。
pressurized cabin
3610
風防
操縦者を風から遮へいし,前方の視野を確保する
ため,操縦室の前側に取り付ける透明な部分。
windshield,
windscreen
3620
キャノピ
操縦席の透明な覆い。
cockpit canopy
3630
フェアリング
空気抵抗を減らすため,形状を整える覆い。
fairing
3640
フィレット
気流の干渉による抵抗の増加を防ぐための,構造
の結合部の覆い。
fillet
3650
ドッグツース
薄翼の前縁はく離渦の発生を安定にするため,外
翼部前縁に犬歯形の段を設けた平面形。
dog tooth
3660
境界層板
境界層が翼端に向かって流れることを阻止するた
めに,翼の上面に気流方向に取り付けた板。
boundary-layer fence
3670
ボルテックスジェネレ
ータ
境界層のはがれを防止するため,機体表面に,気
流に対して適当な角度で並べて取り付けた小片。
voltex generator
3680
パイロン
動力装置,回転翼,機外搭載物などを支持するた
めに,航空機の胴体,翼などから突き出ている構
造物。
pylon
3690
レドーム
レーダのアンテナの覆い。
radome
3700
ナセル
胴体とは別に,航空機に付随するもの(エンジン,
乗員など)を収め,又は保護するための整形され
た覆い。
nacelle
3710
エンジンナセル
主としてエンジン及びそれに付随する補機などを
収めるためのナセル。
engine nacelle
3720
カウリング
エンジン,放熱器などを覆って抵抗を減らし,若
しくは保護し,又は内部の気流を整えるための覆
い。
cowling
3730
エンジンカウリング
エンジンの周りに取り付けられたカウリング。
engine cowling
3740
カウルフラップ
カウリング内の空気流量を調節するため,カウリ
ングの後端部に取り付けられた可動式の板。
cowl flap
3750
エンジンポッド
エンジンを収めるために翼又は胴体から張り出し
て取り付けられるナセル。
engine pod
3760
テールブーム
尾翼又は尾部を,主翼,胴などに結合するために
後方に突き出ている構造物。
tail boom
3770
テールコーン
胴体後端の円すい状に整形された部分。
tail cone
3780
操縦装置
航空機の運動方向,姿勢などを制御する装置の総
称。
flight control
3790
サーボ操縦装置
機械的又は空気力学的な手段で,人間の力を補う
機構をもった操縦装置。
servo-control
8
W 0106-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3800
不可逆操縦装置
操縦だ(舵)面に加えられる空気力が,操縦装置
の機構を逆に伝わることがないように作られた操
縦装置。
irreversible control
3810
補力操縦装置
操だ(舵)力を動力装置で補うようにした操縦装
置。
power-assisted control,
power-boosted control
3820
機力操縦装置
油圧,電気などの動力で操縦だ(舵)面を動かす
機構をもった操縦装置。
power-operated control
3821
自動操縦装置
飛行中における航空機の姿勢の変化や設定された
飛行条件に応じて,操だ(舵)面を自動的に作動
して,航空機の運動(方向,高度,速度など),姿
勢などを制御する装置。
他の装置(ILS,電波高度計など)との連動によっ
て,自動進入・着陸の機能をもつものもある。
automatic pilot system
3830
操縦かん
昇降だ(舵)及び補助翼を操だ(舵)するための
棒又は柱状のもの。
control column,
control stick
3840
操縦輪
昇降だ(舵)及び補助翼を操だ(舵)するための
ハンドル。
control wheel
3850
方向だ(舵)ペダル
方向だ(舵)を操だ(舵)するためのペダル。
rudder pedals
3860
降着装置
着陸装置
航空機を地上又は水上で支持し,離着陸又は離着
水のときに用いる装置の総称。
備考1. 車輪式,フロート式,そり式,スキー
式などの降着装置がある。
2. 水上ではないところで用いる降着装
置を,一般に着陸装置という。
landing gear,
alighting gear,
undercarriage
3870
前輪式着陸装置
機首にある一組の脚装置と,重心のやや後方にあ
る二組又はそれ以上の脚装置とで形成される着陸
装置。
nose-wheel landing gear,
tricycle landing gear
3880
尾輪式着陸装置
重心のやや前方にある二組の脚装置と,胴体後方
にある一組の脚装置とで形成される着陸装置。
tail-wheel landing gear
3890
引込脚
飛行中,翼,胴体などに引き込める形式の着陸装
置。
retractable landing gear
3900
スキー式着陸装置
雪上,氷上などに離着陸できるようにスキーが取
り付けてある着陸装置。
ski-landing gear
3910
フロート
航空機を水上で支持し,離着水時に使用する舟形
又は円筒状の降着装置。
float
3920
浮き装置
陸上に発着する航空機が水上へ緊急着水したとき
に浮力を与える装置。
floatation gear
3930
動力装置
エンジン本体及びその附属装置一切を含めたもの
の総称。
power plant
3940
航空エンジン
航空機の推進力又は揚力を発生させる動力を得る
ために使用するエンジン。
aircraft engine
3950
ピストンエンジン
ピストンの往復運動を,連接棒を経てクランク軸
の回転運動に換えて動力を得る形式のエンジン。
piston engine,
reciprocating engine
3960
ロケットエンジン
燃料とその酸化剤とを混合して燃焼させ,そのガ
スを噴出させてスラストを得る形式のエンジン。
rocket engine,
rocket motor
3970
タービンエンジン
圧縮機で圧縮した空気を燃料と混合して燃焼させ
たガスで,タービンを回す形式のエンジン。
turbine engine
3980
ターボジェットエンジ
ン
ガスを噴出させて,その反動でスラストを得る形
式のタービンエンジン。
turbojet engine
9
W 0106-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3990
ターボファンエンジン
空気圧縮機の前方又はタービンの後方にファンを
備える形式のタービンエンジン。
turbofan engine
4000
ターボプロップエンジ
ン
ガスのエネルギーをプロペラの回転に用いてスラ
ストを得る形式のタービンエンジン。
turboprop engine
4010
ターボシャフトエンジ
ン
ガスのエネルギーを回転軸の回転に用いて動力を
得る形式のタービンエンジン。
turboshaft engine
4011
ラムジェットエンジン
前進速度によるラム圧力を利用してダクトの中で
圧縮された気体の中で燃料を燃焼させ,ノズルで
膨張させることによって,スラストを得るエンジ
ン。
ramjet engine
4020
スラストリバーサ
ジェットエンジンの噴出するガスやファンの噴流
の向きを変えて逆方向のスラストを得る装置。
thrust reverser
4030
補助動力装置
種々の系統を駆動する動力を得るために機上に搭
載された補助エンジン及びその附属装置。
auxiliary power unit (APU)
4040
プロペラ
翼形断面をもつ羽根をエンジンによって回転させ
て推力を得る装置。
propeller
4050
固定ピッチプロペラ
ピッチを変えることができないプロペラ。
fixed-pitch propeller
4060
可変ピッチプロペラ
回転中にピッチを変えることができるプロペラ。
variable-pitch propeller
4070
定速プロペラ
回転速度を決めておくと,飛行姿勢,飛行速度な
どに関係なくその回転速度を維持する機構をもっ
たプロペラ。
constant-speed propeller
4080
フェザープロペラ
プロペラが風車回転しない位置まで,ピッチを変
えることができるプロペラ。
feathering propeller
4090
可逆ピッチプロペラ
ピッチの変更範囲が,負の角度にまで及ぶプロペ
ラ。
reversible-pitch propeller
4100
回転翼
翼形断面をもつ羽根を回転させて,揚力を得たり
方向の操縦などに用いる装置。
rotor
4110
主回転翼
単回転翼機において,主として揚力を得るために
用いられる回転翼。
main rotor
4120
尾部回転翼
単回転翼機において,尾部に取り付けられ,主回
転翼のトルクの平衡,方向の操縦などに用いられ
る回転翼。
tail rotor
4130
同軸回転翼
同一回転軸上に配置され,互いに逆方向に回転す
る回転翼。
coaxial rotor
4140
タンデム回転翼
機体の前後に配置され,互いに逆方向に回転する
回転翼。
tandem rotor
(4) 航空機の重量比に関する用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5010
馬力荷重
飛行機の重量をエンジンの馬力で割った値。
power loading
5020
翼幅荷重
飛行機の重量を翼幅で割った値。
span loading
5030
翼面荷重
飛行機の重量を総翼面積で割った値。
wing loading
5040
正味翼面荷重
飛行機の重量を正味翼面積で割った値。
net wing loading
5050
スラスト荷重
飛行機の重量をエンジンのスラストで割った値。
thrust loading
5060
スラスト重量比
エンジンのスラストを飛行機の重量で割った値。
thrust-to-weight ratio
5070
円板荷重
回転翼航空機の重量を回転翼円板面積で割った
値。
disc loading
(5) 航空機の空気力学・性能に関する用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6010
層流
流体部分が層状に秩序正しく流れている状態。
laminar flow
10
W 0106-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6020
乱流
流体部分が細かい渦を含み,不規則に混合しなが
ら流れている状態。
turbulent flow
6030
静圧
流れに平行な物体面に垂直に働く圧力。
参考 量記号ps又はpで表す。
static pressure
6040
動圧
流体がもっている単位体積当たりの運動エネルギ
ー。
参考 量記号qで表す。
dynamic pressure
6041
総圧
全圧
流れが等エントロピー的(断熱可逆的)によどん
だ場合の圧力。非圧縮流れの場合は,静圧と動圧
の和に等しい。
参考 量記号pi又はptで表す。
total pressure
6050
境界層
流体の粘性が小さく速度が大きいとき,粘性の影
響が顕著に現れる物体表面に近い薄い層。
boundary layer
6060
レイノルズ数
粘性力に対する流れの慣性力の比。
参考 量記号Reで表す。
Reynolds number
6070
揚力
流れの中に置かれた物体に働く全合力の,一様な
流れに直角な方向の成分。
参考 量記号Lで表す。
lift
6080
揚力係数
揚力をその物体に関係した特有な面積と流れの動
圧との積で割ったもの。
lift coefficient
6090
抗力
流れの中に置かれた物体に働く全合力の,一様な
流れの方向の成分。
参考 量記号Dで表す。
drag
6100
抗力係数
抗力をその物体に関係した特有な面積と流れの動
圧との積で割ったもの。
drag coefficient
6110
揚抗比
同じ迎え角における揚力(係数)の抗力(係数)
に対する比。
lift to drag ratio
6120
迎え角
翼の進行方向と,翼弦とのなす角。
参考 量記号αで表す。
angle of attack
6121
横滑り角
航空機の対称面と,進行方向とのなす角。
参考 量記号βで表す。
angle of sideslip
6130
空力中心
(くうりきちゅうしん)
翼形において,ある点周りの空気合力のモーメン
トが,迎え角にかかわらず一定である点。
aerodynamic center
6140
マッハ数
音速に対する航空機の対気速度又は流れの速度の
比。
参考 量記号Maで表す。
Mach number
6150
横揺れ
機体の前後軸周りの回転運動。
rolling
6160
縦揺れ
機体の左右軸周りの回転運動。
pitching
6170
偏揺れ
(かたゆれ)
機体の上下軸周りの回転運動。
yawing
6180
バンク角
水平姿勢を基準として測った左右の姿勢角。
参考 量記号φで表す。
bank angle
6190
横滑り
航空機がその対称面と平行でない運動をするとき
の状態。
side slip
6200
横転
機体の前後軸周りに回転する飛行。
roll
6210
宙返り
垂直面内に閉円形の経路を描く対称飛行。
loop
6220
水平飛行
一定高度を保つ飛行。
level flight
6230
上昇
高度を次第に増す飛行。
climb
6240
ズーム
水平飛行で加速し,その余力によって短時間に急
上昇をする飛行。
zoom
11
W 0106-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6250
急降下
機首を急角度に下げて行う急角度の降下経路をも
つ飛行。
dive
6260
旋回
飛行方向を変える運動。
turn
6270
滑空
グライダがえい(曳)航力から切り離されて行う
飛行,又は飛行機がエンジン停止状態で行う飛行。
glide
6280
失速
翼の揚力が迎え角の増大とともに増し,ある迎え
角に達すると翼上面の気流にはく離を生じ,揚力
が急減する現象。
stall
6290
きりもみ
飛行機が完全に失速した後に起こる運動で,機体
が旋回しながら急降下する状態。
spin
6300
曲技飛行
飛行姿勢,高度,速度などの急激な変化を伴う,
故意に行う操縦運動。
acrobatics,
acrobatic maneuver,
aerobatics
6310
横安定
横揺れ,偏揺れ,横滑り又はこれらのいずれかの
組合せを含む運動に関する安定。
lateral stability
6320
縦安定
対称面内の運動に関する安定。
longitudinal stability
6330
方向安定
偏揺れ,横滑り又はこれらの組合せを含む運動に
関する安定。
directional stability
6340
静安定
釣合い状態からじょう乱を受けたときに生じる力
やモーメントによって,機体が元の釣合い状態に
戻るかどうかの傾向。
static stability
6350
動安定
釣合い状態からじょう乱を受けたときに生じる力
やモーメントによって,機体が時間の経過によっ
てどのような挙動を示すかの性質。
dynamic stability
6360
トリム
航空機の対気姿勢角を希望する値に保持し,その
ときの操だ(舵)力を零とすること。この状態で
は釣合いがとれている。
なお,航空機の対気姿勢角を希望する値に保持す
ることだけをトリムということもある。
trim
6370
真対気速度
大気に相対的な真の速度。
参考 量記号VTで表す。
true airspeed
(TAS)
6380
指示対気速度
通常の動圧型速度計が指示する速度。
参考 量記号VIで表す。
indicated airspeed
(IAS)
6381
校正対気速度
指示対気速度に速度計系統の各種誤差(ピトー圧,
静圧管,指示計などに関するもの)の補正を施し
た速度。
参考 量記号VCで表す。
calibrated airspeed
(CAS)
6382
等価対気速度
校正対気速度に空気の圧縮性の影響を加えた速度
で,真対気速度と相対空気密度の平方根との積と
して得られる。
海面上標準大気状態では,校正対気速度と等しく
なる。
参考 量記号VEで表す。
equivalent airspeed
(EAS)
6390
対地速度
飛行中の航空機と地表面との相対的な水平飛行速
度。
ground speed
6400
最大速度
連続最大出力又は連続最大スラスト時の定常水平
飛行速度。
maximum speed
6410
巡航速度
巡航飛行時の速度。
cruising speed
6420
着陸速度
航空機が着陸進入を開始してから接地するまでの
間にとる速度の総称。
landing speed
12
W 0106-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6430
失速速度
失速状態に突入する寸前の速度。
stalling speed
6440
地面効果
固定翼機又は回転翼機が,地面付近を飛行すると
き,主翼・尾翼の揚力又は回転翼の推力が地面の
反作用を受けて増大する効果。
ground effect
6450
ホバリング
ヘリコプタや垂直離着陸機が空中で停止飛行する
状態。
hovering
6460
絶対上昇限度
標準大気内で航空機が連続最大出力状態で水平飛
行を維持できる最大高度。
absolute ceiling
6470
実用上昇限度
標準大気内で航空機の上昇率を0.5m/s (100 ft/min)
に維持できる最大高度。
service speed
6480
ホバリング上昇限度
ヘリコプタや垂直離着陸機がホバリングできる最
大高度。
hovering ceiling
6490
上昇率
航空機が上昇する場合の垂直方向の速度。
rate of climb
6491
降下率
航空機が降下する場合の垂直方向の速度。
rate of descent
6500
航続距離
航空機がその搭載燃料によって飛行を持続できる
距離。
参考 量記号Rで表す。
range
6510
航続時間
航空機がその搭載燃料によって飛行を持続できる
時間。
endurance
6520
離陸重量
航空機の離陸時の重量。
take-off weight
6530
着陸重量
航空機の着陸時の重量。
landing weight
6540
ペイロード
有効搭載量(乗員,燃料,乗客,貨物など)のう
ち,輸送の対象となる乗客,手荷物,貨物,郵便
物などの重量。
payload
6550
離陸距離
航空機が静止出発点から加速を行い所定の高度に
達するまでに要する水平距離。
take-off distance
6560
着陸距離
航空機が着陸に際し,所定高度の点から接地し完
全に停止するのに要する水平距離。
landing distance
6570
飛行性
安定性,操縦性のほかに,操縦士の特性,操縦系
統の特性,飛行状態,大気の乱れ,故障時の特性
なども考慮した場合の飛行特性。
flying qualities
6580
操縦性
操縦士が操縦によって定常飛行を維持し,また,
ある飛行状態から他の飛行状態に移る場合の操縦
操作の難易の性質。
controllability
6590
運動性
航空機の曲技飛行,旋回運動などの各種の運動が
円滑に行われるか否かの性質。
maneuverability
6600
安定性
航空機が定常運動中に突風などによって,じょう
乱を受け動揺を起こしたとき,操縦士が復元のた
めの操縦を行わなくても,自力で元の定常状態に
戻る特性。
stability
(6) 航空機の運航・整備に関する用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7010
運航規程
航空運送事業者が,運輸大臣の認可を受けなけれ
ばならない運航に関する規程。
operations manual
7020
飛行規程
航空機に搭載しなければならない書類で,航空機
の性能,操作などを示すもの。
flight manual
7030
運用限界
積載物の重量,速度,高度などの航空機の運用可
能範囲。
operating limitation
13
W 0106-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7040
航空日誌
航空機に搭載しなければならない航空機の飛行及
び整備の実施記録。
flight log book
7050
整備規程
航空運送事業者が,運輸大臣の認可を受けなけれ
ばならない整備に関する規程。
maintenance manual
7060
型式証明
(かたしきしょうめい)
航空機及び装備品の設計,製造について運輸大臣
が行う安全性の証明。
type certificate
7070
耐空証明
個々の航空機について運輸大臣が行う安全性の証
明。
airworthness certificate
7080
飛行計画
出発地,到着地,時刻,速度,高度,航路などの
飛行予定。
flight plan
7090
航法
計画された飛行位置,方向などを正しく航行する
方法。
navigation
7100
有視界飛行
気象状態が,定められた基準以上の場合,計器に
よらないで行う飛行。
visual flight
7110
計器飛行
航空機の姿勢,高度,位置及び針路の測定を計器
だけに依存して行う飛行。
instrument flight
7120
航空路
運輸大臣が指定する,航空機の運航に適する空中
の通路。
airway
7130
航空交通管制業務
航空交通が安全で秩序ある流れを維持する目的で
行われる業務。
air traffic control service
7140
運航整備
運航の間に駐機場で行う整備。
line maintenance
7150
整備性
整備の容易さを表す性質又は度合い。
maintainability
7160
飛行時間
離陸から着陸までの時間。
航空機が動き出してから停止までの時間は,ブロ
ック・タイムと呼び区別される。
flight time
7170
航空管制官
航空交通管制業務をつかさどる運輸省組織に定め
られた官職。
air traffic controller
7180
運航乗務員
操縦室で航空機の操縦又は操作に従事する者。
cockpit crew
7190
運航管理者
定期航空会社にだけ要求される資格者で,飛行情
報及び飛行計画の作成を行う者。
aircraft dispatcher
7200
航空整備士
航空機の整備作業について確認を行う資格をもつ
者。
aircraft mechanic
7210
飛行場
航空機が離着陸する施設。主として,航空運送の
用に供する公共飛行場を空港という。
aerodrome
7220
滑走路
航空機が離陸及び着陸の際滑走を行う区域。
runway
7230
誘導路
滑走路と駐機場との間の通路。
taxiway
7240
エプロン
旅客の乗降,貨物の積卸し,給油,整備などを行
うため,航空機が駐機する場所。
apron
7250
スポット
航空機の駐機場所で特に区画整理されたもの。
spot
7260
格納庫
航空機の整備及び格納を行うための施設。
hangar
7270
管制塔
飛行場管制を行うための施設。
control tower
7280
地上走行
航空機が自らの動力によって地上を移動するこ
と。
taxiing
7290
飛行場管制
飛行場及びその周辺における航空交通管制。
aerodrome control
7300
進入管制
計器飛行状態で出発,着陸する航空機に指示又は
誘導を行う航空交通管制。
approach control
14
W 0106-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
松 木 正 勝
日本工業大学
(副委員長)
葛 馬 孝
石川島播磨重工業株式会社
(委員)
平 井 敏 文
通商産業省機械情報産業局
山 村 修 蔵
工業技術院標準部
(笹 尾 照 夫) (工業技術院標準部)
平 沢 愛 祥
運輸省航空局
寺 川 義 彦
海上保安庁装備技術部
中 西 忠 雄
防衛庁装備局
山 根 晧三郎
科学技術庁航空宇宙技術研究所
守 田 正 公
社団法人日本航空技術協会
中 込 常 雄
日本工業標準調査会自動車航空部会
規格調整専門委員会
久木田 実 守
株式会社富士キメラ総研
白 浜 洋 海
日本航空株式会社
吉 井 正 洋
株式会社日本エアシステム
渡 辺 正
川崎重工業株式会社
香 坂 哲 哉
株式会社島津製作所
藤 井 洋 三
帝人製機株式会社
曽 我 章
日本航空電子工業株式会社
渡 辺 晃
日本飛行機株式会社
中 神 雄 三
富士重工業株式会社
清 田 紀 男
三菱電機株式会社
廣 田 和 弘
三菱重工業株式会社
宇田川 知 行
横河電機株式会社
播 磨 克 彦
アエロスペック研究会
(事務局)
礒 部 瑛 二
社団法人日本航空宇宙工業会