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K 7373

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本プラスチック工業連盟 (JPIF)/財団法人

日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS K 7373

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)  精度


K 7373

:2006

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  試験の一般条件

2

4.1

  試験用試料及び試験片の作製

2

4.2

  試験場所の標準状態

2

5.

  測定方法及び測定条件

2

5.1

  一般

2

5.2

  測定方法

2

5.3

  測定条件

3

6.

  計算方法

4

6.1

  黄色度  (YI)  の計算方法

4

6.2

  黄変度  (

YI) 

の計算方法

4

7.

  報告

4

附属書(参考)精度

6

 


日本工業規格

JIS

 K

7373

:2006

プラスチック−黄色度及び黄変度の求め方

Plastics

Determination of yellowness index and change of yellowness index

序文  この規格は,JIS K 7105 から黄色度及び黄変度に関する試験方法を分離・独立して制定した日本工業

規格である。

1.

適用範囲  この規格は,無色(

1

)

,半透明白色(

2

)

及び不透明白色(

3

)

のプラスチックの黄色度及び黄変度

の試験方法について規定する。ここにいうプラスチックとは,フィルム状,板状,粉状及びペレット状の

ものをいい,表面がマット(つや消し)状及び表面形状が付与されたもの(以下,パターンという。

)を含

む。ただし,蛍光を発するものは含まない。

注(

1

)

無色とは,実質的に無色透明なものをいう。

(

2

)

半透明白色とは,光の透過性をもつ白色で,全光線透過率 B 法(

4

)

による全光線透過率が約 30 %

以上のものである。

(

3

)

不透明白色とは,実質的に光が透過しないものをいう。

(

4

)

光線透過率及び光線反射率の試験方法は,2007 年に日本工業規格として新たに制定の予定であ

る。この試験方法が,他の試験方法とともに規定されている JIS K 7105 は,その後廃止される

予定である。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。

JIS K 6899-1

  プラスチック−記号及び略語−第 1 部:基本重合体(ポリマー)及びその特性

JIS K 7100

  プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気

JIS K 7105

  プラスチックの光学的特性試験方法

JIS Z 8105

  色に関する用語

JIS Z 8402-2

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 2 部:標準測定方法の併行精度及

び再現精度を求めるための基本的方法

JIS Z 8720

  測色用標準イルミナント(標準の光)及び標準光源

JIS Z 8722

  色の測定方法−反射及び透過物体色

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8105 及び JIS Z 8722 によるほか,次による。

a)

黄色度  (YI)    無色又は白色から色相が黄方向に離れる度合い。

備考  黄色度は通常はプラス値であり,マイナスの値は,色相が青であることを示す。

b)

黄変度  (

YI)

  初期の黄色度と暴露後の黄色度との差。


2

K 7373

:2006

備考  光,熱などの環境に暴露されたプラスチックの劣化の評価に用いられる。

4.

試験の一般条件

4.1

試験用試料及び試験片の作製  試料は,品質が同一とみなすことができるロットごとに合理的な方

法によって採取する。フィルム状及び板状の場合は,受渡当事者間の協定によって採取した試料から試験

片を作製し,粉体,ペレットなどその他の形状の場合は,そのまま試験用試料とする。

4.2

試験場所の標準状態  試験場所の標準状態は,JIS K 7100 に示す 23/50 条件の 1 級又は 2 級とする。

5.

測定方法及び測定条件

5.1

一般  色の測定は,JIS Z 8722 の 5.(分光測色方法)又は JIS Z 8722 の 6.(刺激値直読方法)によ

って三刺激値を求める。光の拡散性のある試料(ヘーズ 30 %以上の拡散性試料)の場合には,積分球を備

える等の拡散光を十分に捕そく(捉)可能な光学系を選択する。積分球を使用する場合,JIS Z 8722 の 5.3.1

及び 5.4.1 に規定する幾何光学条件 c 及び g によるときは,積分球に入射する照明光の一部が直接試験片に

照射することがあってはならない。また,JIS Z 8722 の 5.3.1 及び 5.4.1 に規定する幾何光学条件 d 及び f

によるときは,試験片から反射・透過した光の一部を直接検出器へ導入しない。

これらは JIS Z 8722 の 5.3.1 及び 5.4.1 に規定する幾何光学条件 c 及び g の場合は,積分球の光線入射開

口から入射する光が直接試験片取付け開口に入ることがないように積分球内表面と同等な材質の遮光板を

配置する。同様に JIS Z 8722 の 5.3.1 及び 5.4.1 に規定する幾何光学条件 d 及び f の場合は,積分球の試験

片取付け開口から入射する光が直接検出器開口に入ることがないように積分球内表面と同等な材質の遮光

板を配置する。

備考1.  拡散性試料を試験片とする場合,特に,5.1 の条件が満たされることが重要である。

2.

半透明白色のフィルム,板を JIS Z 8722 の 5.3.1 及び 5.4.1 に規定する幾何光学条件 d 及び f

による方法で透過測定を行う場合,試験片端部からの散逸光が試験結果に影響を及ぼすため,

試験片への入射光束径は開口部の径に対してより小さい方が望ましい。

三刺激値は,JIS Z 8720 に規定する標準イルミナント D

65

又は補助イルミナント C を使用し,XYZ 表色

系(2 度視野)又は X

10

Y

10

Z

10

表色系(10 度視野)で表示する。

5.2

測定方法  測定方法は,次のいずれかによる。

a)

フィルム及び板の透過測定方法  試験片の中心部と測定用開口部の中心部とを合わせ,試験片をセッ

トして三刺激値を測定する(

図 1)。

試験片

光線

  1  フィルム及び板の透過測定

b)

フィルム及び板の反射測定方法  試験片の中心部と測定用開口部の中心部とを合わせ,試験片の裏面

にあて板を置かない状態で,透光性がなく内面反射のない光トラップをかぶせて三刺激値を測定する

図 2)。


3

K 7373

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やむをえず裏面にあて板を置く場合は,使用したあて板の種類又は三刺激値を付記しなければなら

ない。

試験片

光トラップ

測定面

  2  フィルム及び板の反射測定

c)

粉体及びペレットの測定方法  円筒形状などの透明な白板ガラス製又は石英ガラス製の試料容器に試

験用試料を充てんし,反射測定法によって三刺激値を測定する。試料容器は光トラップで覆い,試料

容器の開放面にあて板を使用してはならない(一例として

図 に測定方法例を示す。)。

試験用試料を容器に充てんするときは,十分に容器を振って内部に詰めた試験用試料の密度を平均

させてから,へらのような平滑な面の板で余剰の試験用試料を取り除くようにする。このとき上部か

ら圧力を加えてはならない。

測定装置の校正は,試料容器に入れた常用標準白色面を用いて行うか,又は測定装置の測定用開口

部に試料容器の測定面と同じ厚さ及び材質のガラス上に置いた常用標準白色面を用いて行う。

試験用試料

φ60mm

50

m

m

2mm

測定面

光トラップ

試料容器

  3  粉体及びペレットの測定例

5.3

測定条件

5.3.1

フィルム及び板  フィルム及び板は,次のいずれかによって測定する。

a)

無色の試料  JIS Z 8722 の 5.4.1 に規定する幾何光学条件 e,f 又は g のいずれかで,5.2 a)  の透過測定

方法によって測定する。ただし,無色であってもパターン及びマット(つや消し)試料の場合は,幾

何光学条件 f 又は g によって,5.2 a)  の透過測定方法で測定する。

b)

半透明白色の試料  JIS Z 8722 の 5.3.1 に規定する幾何光学条件 a∼d のいずれかで,5.2 b)  の反射測

定方法及び/又は JIS Z 8722 の 5.4.1 に規定する幾何光学条件 f 又は g のいずれかで 5.2 a)  の透過測

光線

φ

60 mm

5

0

 mm

2 mm

光線


4

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定方法によって測定する。

備考  半透明白色の測定では,再現精度が低くなるため注意が必要である。

積分球を使用する測色方法の場合には,試験片を積分球に密着させる。

備考  試験片が積分球から離れると三刺激値が小さくなり,黄色度が変わる。

c)

不透明白色の試料  JIS Z 8722 の 5.3.1 に規定する幾何光学条件 a∼d のいずれかで,5.2 b)  の反射測

定方法によって測定する。

5.3.2

粉体及びペレット  JIS Z 8722 の 5.3.1 に規定する幾何光学条件 a∼d のいずれかで 5.2 b)  の反射測

定方法によって測定する。

6.

計算方法

6.1

黄色度  (YI)  の計算方法  黄色度は,測定に使用したイルミナントに応じて,それぞれ次の式によっ

て算出する。

標準イルミナント D

65

を使用し,XYZ 表色系を用いる場合

YI

=100 (1.298 5 X−1.133 5 Z)/Y

標準イルミナント D

65

を使用し,X

10

Y

10

Z

10

表色系を用いる場合

YI

=100 (1.301 3 X

10

−1.149 8 Z

10

)/Y

10

補助イルミナント C を使用し,XYZ 表色系を用いる場合

YI

=100 (1.276 9 X−1.059 2 Z)/Y

補助イルミナント C を使用し,X

10

Y

10

Z

10

表色系を用いる場合

YI

=100 (1.287 1 X

10

−1.078 1 Z

10

)/Y

10

ここに,

YI

黄色度

X

YZ

標準イルミナント D

65

又は補助イルミナント

C

を使用した場合の XYZ 表色系における試験

用試料又は試験片の三刺激値

X

10

Y

10

Z

10

: 標準イルミナント D

65

又は補助イルミナント

C

を使用した場合の X

10

Y

10

Z

10

表色系における

試験用試料又は試験片の三刺激値

参考  前記 YI の計算式は,ASTM E 313-00 (Calculating Yellowness Indices from Instrumentally Measured

Color Coordinates)

と同一の計算式である。

6.2

黄変度  (

YI) 

の計算方法  黄変度は,次の式によって算出する。

YI

YIYI

0

ここに,

YI

黄変度

YI

暴露後の黄色度

YI

0

試験用試料又は試験片の初期の黄色度

備考  この計算によって求められた

YI

がプラスの値の場合は,黄色度が増加したことを示す。

7.

報告  報告書には,次の事項を記載する。

a)

この規格の番号

b)

試料の名称,種類及び形状の詳細(粉状の場合はその粒度,ペレット状の場合は,形状,大きさ,外

観など)

c)

使用したイルミナント及び表色系

d)

透過測定方法か反射測定方法かの別


5

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e)

測定に使用した JIS Z 8722 に規定する幾何光学条件

f)

両面の表面状態が異なる試験片を測定した場合は,試験片の向き

g)

黄色度又は黄変度

h)

透過又は反射測定における三刺激値

i)

黄変度を表示する場合には初期黄色度

j)

試験装置の形式及び名称

k)

試験片の裏面にあて板を使用した場合は,あて板の種類又は三刺激値

l)

粉体及びペレットの場合は,試料容器の形状及び寸法

m)

試験年月日


6

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附属書(参考)精度

1.

精度

1.1

フィルム状及び板状試料の精度  JIS Z 8402-2 に基づいて行った 2003 年の共同実験による黄色度

(YI)

の併行精度 s

r

及び再現精度 s

R

の結果を

表 及び表 に示す。精度の算出に当たっては,JIS Z 8402-2

に基づきコクランの方法及びグラッブズの方法による検定を併用し,外れ値を除外して精度を算出した。

透過測定は,試験室数 4 で 11 種の材質である。反射測定は,試験室数 5 で 5 種の材質である。

  1  透過測定方法による YI の精度

試料

材質(

1

)

色調

光拡散剤

形状・表面

厚さ

mm

光入射面

試験

室数

YI

全平均

併行

精度

s

r

再現

精度

s

R

精度比(

2

)

s

R

/s

r

1 PMMA

無色透明

なし

平板・平面

3

− 4

0.45

0.02

0.09

6

2 PVC

無色透明

なし

平板・平面

2

4

−3.03

0.05 0.16

3

3 PC

無色透明

なし

平板・平面

5

4

−0.29

0.02 0.22  10

4 PMMA

半透明白色

添加

平板・平面

3

4 4.58

0.03 2.07  64

5 PMMA

半透明白色

添加

平板・平面

2

4 7.22

0.06 1.58  26

6 PMMA

半透明白色

添加

平板・平面

3

4 7.91

0.05 1.69  37

7 PMMA

半透明白色

添加

平板・平面

5

4 11.06

0.20  1.89  10

8 PMMA

無色透明

なし

平板・片面

マット片面平面

3

マット面

4 0.33

0.02 0.21  11

9 PMMA

無色透明

なし

平板・両面

マット

3

− 4

0.03

0.02

0.26 17

10 PS

無色透明

なし

平板・片面マット

片面パターン

3

パターン

4 0.39

0.26 0.79

3

11 PMMA

半透明白色

添加

平板・片面

マット片面平面

3

マット面

4 3.70

0.05 1.94  37

注(

1

)

材質の記号は,JIS K 6899-1 による。

(

2

)

表中の精度比 s

R

/s

r

は,一般に 3 以下であるが,この共同実験では大きい。

備考1.  表 から,表面がパターンの PS 以外では,併行精度 s

r

は 0.2 以下であり,この規格による黄色度の求め方

の精度は高い。YI はマイナスの値からプラスの値をもつ連続量である。したがって YI の絶対値が小さい場
合(試料 9 など)は無色又は無彩色に近いことを示している。また,このことから全平均 を併行精度 s

r

及び再現精度 s

R

と直接比較することはできない。表面がパターンのものは,検出器(又は積分球など)に

導入される光量が試験片の取付け状況によって変化するため精度が低下するので注意が必要である。

2.

再現精度 s

R

は,全平均 の絶対値によらず約 0.1∼2.1 の範囲でかなり大きく,高い再現精度を要求される

測定に一般的に用いることが困難であることを示している。これは,測定機間の機差などの測定機器による

幾何光学条件の差異に起因すると推測される。再現精度が必要な場合は,あらかじめ試験室間で再現精度が
得られることを確認したうえで試験を行う必要がある。


7

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  2  反射測定方法による YI の精度

試料

材質

色調

光拡散剤

形状・表面

厚さ

mm

光入射

試験
室数

YI

全平均

m

併行 
精度

s

r

再現 
精度

s

R

精度比(

3

)

s

R

/s

r

4 PMMA

半透明白色

添加

平板・平面

3

− 17

−14.99

0.05 6.53  129

5 PMMA

半透明白色

添加

平板・平面

2

− 17

−3.79

0.02 1.61

66

6 PMMA

半透明白色

添加

平板・平面

3

− 17

−2.89

0.03 1.39

46

7 PMMA

半透明白色

添加

平板・平面 5

17

1.25

0.03

0.72

23

11 PMMA

半透明白色

添加

平板・片面マット

片面平面

3

マット面

17

−12.32

0.08 5.38

67

注(

3

)

表中の精度比 s

R

/s

r

は,一般に 3 以下であるが,この共同実験では大きい。

備考1.  表 から,併行精度 s

r

は 0.2 以下であり,この規格による黄色度の求め方の精度は高い。YI はマイナスの値

からプラスの値をもつ連続量である。したがって,YI の絶対値が小さい場合は無色又は無彩色に近いことを
示している。またこのことから全平均 を併行精度 s

r

及び再現精度 s

R

と直接比較することはできない。

2.

再現精度 s

R

は,全平均 の絶対値に比例して増大する傾向があり,再現精度を要求される測定に一般的に

用いることが困難であることを示している。これは,透過測定方法の場合と同じく,測定機間の機差などの
幾何光学条件の差異に起因すると推測される。再現精度が必要な場合は,あらかじめ試験室間で再現精度が

得られることを確認したうえで試験を行う必要がある。

1.2

粉体及びペレット状の試料の精度  ペレット状の試料の精度について予備的な試験を行ったが,JIS 

Z 8722

に規定する測色方法及び幾何光学条件では採用できる精度は得られなかった。これは,試料容器面

に対して,ペレットの形状及び寸法の関係で,これを均一とみるのが困難であるためと推測される。した

がって,測定値の相互比較は難しく,相対的な値として扱う必要がある。粉体については,共同試験の実

施後,記載する。