>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

K 7244-5 : 1999 (ISO 6721-5 : 1996)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

今回の制定では,国際規格に整合させるため,ISO 6721-5 : 1996 を基礎として用いた。

JIS K 7244

は,規格名称を“プラスチック−動的機械特性の試験方法”として,各部によって構成する。

第 1 部:通則

(Part1 : General principles)

第 2 部:ねじり振子法

(Part2 : Torsion-pendulum method)

第 3 部:曲げ振動−共振曲線法

(Part3 : Flexural vibration

−Resonance-curve method)

第 4 部:引張振動−非共振法

(Part4 : Tensile vibration

−Non-resonance method)

第 5 部:曲げ振動−非共振法

(Part5 : Flexural vibration

−Non-resonance method)

第 6 部:せん断振動−非共振法

(Part6 : Shear vibration

−Non- resonance method)

第 7 部:ねじり振動−非共振法

(作成予定)

(Part7 : Torsional vibration

−Non-resonance method)

第 8 部:縦せん断振動−波動伝ぱ法

(作成予定)

(Part8 : Longitudinal and shear vibration

−Wave-propagation method)

第 9 部:引張振動−音波パルス伝ぱ法

(作成予定)

(Part9 : Tensile vibration

−Sonic-pulse propagation method)

第 10 部:平行円板形レオメータによる複素せん断粘度

(作成予定)

(Part10 : Complex shear viscosity using a parallel-plate oscillatory rheometer)


2

K 7244-5 : 1999 (ISO 6721-5 : 1996)


日本工業規格

JIS

 K

7244-5

: 1999

 (I

6721-5

: 1996

)

プラスチック−動的機械特性の

試験方法

−第 5 部:曲げ振動−非共振法

Plastics- Determination of dynamic

mechanical properties-

Part 5 : Flexural vibration

−Non- resonance method

序文  この規格は,1996 年に第 1 版として発行された ISO 6721-5, Plastics−Determination of dynamic

mechanical properties

−Part 5 : Flexural vibration−Non-resonance method を翻訳し,技術的内容及び規格票の

様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲

この規格は,主に周波数範囲 0.01Hz∼100Hz の範囲でポリマーの曲げ複素弾性率 E

*

の各成分を測定する

曲げ振動−非共振法について規定する。この方法は,10MPa∼200GPa の範囲の動的貯蔵弾性率の測定に適

している。10MPa 以下の弾性率の材料については,せん断による変形モードによって,より高精度の測定

ができる(ISO 6721-6 : 1994 を参照)

この方法は,特に 0.1 より大きい損失係数の測定に適しており,ガラス−ゴム領域内の温度と周波数に

よる動的特性の変化を測定するのに使用できる[JIS K 7244-1 の 9.4(温度依存性の測定)を参照]

。周波

数と温度両方の広い範囲で測定されたデータを利用すると,異なった温度での更に広い周波数範囲の動的

特性を予測する周波数/温度換算の手法を用いて,マスタープロットを作成できる。

2.

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を

構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。

JIS K 7244-1 : 1998

  プラスチック−動的機械特性の試験方法−第 1 部:通則

備考  ISO 6721-1 : 1994, Plastics−Determination of dynamic mechanical properties- Part 1 : General

principles

が,この規格に一致している。

ISO 6721-6 : 1996

  Plastics−Determination of dynamic mechanical properties−Part6 : Shear vibration−

Non-resonance method


2

K 7244-5 : 1999 (ISO 6721-5 : 1996)

3.

定義

この規格で用いる用語の定義は,JIS K 7244-1 の 3.(定義)による。

4.

原理

試験片には,その共振周波数(10.2.1 参照)より十分低い周波数で正弦的に振動する荷重又は変位を負

荷する。荷重と変位それぞれの振幅と両者間の位相角を測定し,曲げ複素弾性率の貯蔵成分及び損失成分

並びに損失係数を 10.の式によって算出する。

5.

試験装置

5.1

負荷機構

装置に必要な条件は,正弦的な荷重又は変位を加えた試験片から力及び変位サイクルの振幅並びにそれ

らの間の位相角を測定できることである。装置にはいろいろな設計が可能であり,

図 及び図 に適切な

形式の概略図を示す。

図 1a)の装置は,加振器 V によって変位の正弦振動が引き起こされ,試験片の反対

側の両端に配置された可動クランプ C

1

によって試験片 S が振動する。振動板の変位の振幅と周波数の変化

は,変換器 D によって検出される。試験片は固定クランプ C

2

によってその中心部を保持され,正弦的曲

げ振動が与えられる。試験片を変形させている正弦的振動荷重は C

2

に接続された荷重変換器 F によって測

定する。クランプ C

1

と V,C

2

と F の間の機構は,それぞれ試験片より十分剛性があり,試験片を恒温槽

に入れる場合には,熱伝導も低くなければならない。

備考1.  負荷機構部の構成が,試料よりはるかに剛性があるものでも,留め金及びボルトで締め付け

ると,装置のコンプライアンスは大きくなる。この場合には,10.2.3で規定するコンプライア

ンスの補正を適用する必要があるかもしれない。

上記の構成とは異なる別の荷重負荷機構を使用してもよい。例えば,

図 1b)に示すような 3 点曲げの方

式によって試験片を支持し,変形させてもよい。さらに,試験片に付加される荷重は加振器に流れる電流

によって算出し決定することで,荷重変換器を取り除いてもよい。この方式(

図 2)では加振電流による

荷重は,試験片を振動させると同時に,ドライブシャフト及びその緩衝機構 (Su) も振動させていること

を考えていなければならない。したがって試験片の変形に要する荷重は,試験片を除いた装置自身の校正

操作によって決定しなければならない。

5.1.1

試験台

クランプは,曲げ変形を加えたとき試験片の滑りが起きない十分な力で押さえ,低温でもその力を維持

しなければならない。

図 1b)に示すような曲げ方式では,試験片を保持する両ローラは,十分平行に置かれ,試験片に大きな

へこみを生じさせないように十分な直径をもつことで,弾性率や損失係数に生じる誤差を最小にしなけれ

ばならない。

外側の両クランプ,

両保持具間の間隔を可変にすることで,

長さの異なる試験片も設置することができ,

試験片間の長さの補正を実施することができる(10.2.4 参照)

。試験片の熱膨張を吸収するために,

図 1a)

でのクランプ間の距離を可変にすることは,高温での試験片の座屈による見掛けの弾性率の誤差を避ける

のに必要である。

荷重変換器とクランプの軸心がずれると,

試験片に力を加えるときに荷重変換器に横成分の力が生じる。

変換器で検出される横成分の力が縦成分の力の 1%以下になるように,試験片と負荷機構部との軸心のず

れを調節しなければならない。


3

K 7244-5 : 1999 (ISO 6721-5 : 1996)

5.1.2

変換器

この規格で規定する変換器は,加えられた力,変位又はそれらの値の比を時間の関数として測定できる

装置をいう。力と長さを測定する変換器の校正では,国家標準につながるトレーサビリティが保証されて

いなければならない。校正の精度は,動的特性を測定するために試験片に働く最小の力及び変位のサイク

ル振幅の±2%とする。

5.2

データ処理装置

データ処理装置は,力と変位サイクルの正弦振幅を±1%の精度で,それらの間の位相角を±0.1°の精

度で,周波数を±10%の精度で記録できるもの。

5.3

温度の測定及び調節

JIS K 7244-1

の 5.3(恒温槽)及び 5.5(温度計)による。

5.4

試験片寸法の測定器

JIS K 7244-1

の 5.6(試験片寸法の測定器)による。

6.

試験片

JIS K 7244-1

の 6.(試験片)による。

6.1

形状及び寸法

荷重の伝達を容易にするために,長方形断面の試験片を推奨する。試験片の幅と厚さは,長さ方向に沿

って,その最大と最小の差が平均値に対し 2%以下でなければならない。

等方性材料の場合,各寸法比はそれほど厳密である必要はないが,せん断変形に対する補正を無視でき

るようにするために,固定支持の場合には L

a

/d

が 16 以上,単純支持の場合には L

a

/d

が 8 以上の寸法比を

推奨する(10.1 及び 10.2 参照)

。また,固定支持の場合には L

a

/b

が 6 以上,単純支持の場合には L

a

/b

が 3

以上であることも推奨する。これは試験片のごくわずかな横方向の自由な収縮を制限するクランプの影響

を無視するためである(10.1 参照)

。貯蔵弾性率が 50GPa 以上の高剛性な試験条件に対しては,変位測定

を正確に行うために,十分長くて薄い試験片でなければならない。また,貯蔵弾性率が 100MPa 未満の場

合には,荷重測定を正確に行うために比較的短くて厚い試験片が必要なことがある。

備考2.  射出成形によって作製された異なる厚さの試験片においては,それぞれの試験片でポリマー

の固体構造に差異が生じるので,動的特性に差が出るかもしれない。

6.2

作製

JIS K 7244-1

の 6.2(試験片の作製)による。

7.

試験片の数

JIS K 7244-1

の 7.(試験片の数)による。

8.

状態調節

JIS K 7244-1

の 8.(状態調節)による。

9.

手順

9.1

試験環境

JIS K 7244-1

の 9.1(試験環境)による。

9.2

試験片の断面積測定


4

K 7244-5 : 1999 (ISO 6721-5 : 1996)

JIS K 7244-1

の 9.2(試験片断面積の測定)による。

9.3

試験片の装着

すべての試験状態の下で滑りを防ぐために,クランプに締め付け圧を加え,正しく装着する。測定結果

が締付け圧に依存するような場合,特に試験片の長さ補正を行っている場合には,なるべくすべての測定

に一定の締付け圧を使うべきである(10.2.4 及び

備考 3.を参照)。

備考3.  測定結果が締め付け圧に依存する場合は,おそらく試験片の締め付け面積が小さすぎるから

である。クランプの締め付け面を大きくするか,又は幅広い試験片にすることによって,こ

の問題は解決するはずである。

9.4

温度依存性の測定

JIS K 7244-1

の 9.4(温度依存性の測定)による。

9.5

試験の実施

加振器によって,5.1.2 に規定するような精度で測定できる力と変位の振幅を生じる動的荷重を加える。

単純支持の場合には,動的荷重が減少しているときにも試験片に負荷される荷重が十分なように,静的荷

重を加える。

備考4.  もし,引張ひずみが線形挙動の限界を超える場合,得られる動的特性は,加えられたひずみ

の大きさに依存する。この限界はポリマーの構造及び温度によって変化し,概して,ガラス

状態のプラスチックでは,0.2%ひずみの領域にこの限界がある。

力と変位の信号の振幅,その間の位相差及びそれらの周波数,並びに試験温度を記録する。測定におい

て周波数及び温度を変更する場合には,次のことを推奨する。最初に最も低い温度で一定に保ち,周波数

を増加させながら測定する。それから次の高い温度に保ち,上記の周波数範囲の測定を繰り返す[JIS K 

7244-1

の 9.4(温度依存性の測定)参照]

ポリマーが中程度,又は高い損失を示すような(例えば,ガラス−ゴム転移領域)試験状態では,ポリ

マーから散逸したエネルギーがポリマーの温度を上昇させ,

動的性質に相当な変化を与える可能性がある。

ひずみの振幅と周波数の増加に伴い,温度は急激に上昇する。もし,データ処理装置が,最初の数周期以

内で,

変換器から出力される信号を解析する能力があれば,

温度の上昇の影響もできるだけ小さくできる。

試験片の温度が引続き上昇する場合,継続して行う同一条件の測定であっても,時間とともに測定結果が

変化する。したがって,そのような観測結果があれば,結果の表示及び説明において,注意を促すことが

必要である。

10.

結果の表示

10.1

記号

b

試験片の幅 (m)

d

試験片の厚さ (m)

E'

a

E'

見掛けの曲げ貯蔵弾性率,及び補正曲げ貯蔵弾性率 (Pa)

E''

曲げ損失弾性率 (Pa)

f

測定周波数 (Hz)

f

F

荷重変換器の共振周波数 (Hz)

f

S

試験片の共振周波数 (Hz)

G'

せん断貯蔵弾性率 (Pa)

κ

a

κ

試験片の複素剛性の測定値,及び補正値 (Nm

-1

)


5

K 7244-5 : 1999 (ISO 6721-5 : 1996)

κ

F

荷重変換器の剛性 (Nm

1

)

κ

クランプがつかみ得る最大の断面積をもつ金属試験片で測定した剛性(

備考 5.

による。) (Nm

1

)

 

この金属試験片は,試験されるポリマー試験片の少なくとも 100 倍以上の剛性

率をもつものとする。

l

長さの補正項 (m)

L

a

 

固定支持試験片における中心クランプから先端クランプの間の長さ (m)

 

単純支持試験片における中心の荷重負荷点から先端の支持端までの長さ (m)

m

F

 

荷重変換器と試験片間の負荷機構部の質量 (kg)

S

A

 

動的変位の振幅測定値 (m)

tan

δ

Ea

tan

δ

E

 

見掛けの曲げ損失係数,及び補正曲げ損失係数

δ

Ea

,tan

δ

E

 

力と変位サイクル間の測定位相差,及び補正位相差  (°)

F

A

 

動的力の振幅測定値 (N)

備考5.  k

の大きさによって,負荷機構部の剛性の概算値が求められる。この負荷機構部とは,試験

片と直列に接続したばねに相当する。この値から装置コンプライアンス補正量が推算できる

10.2.3参照)

10.2

曲げ貯蔵弾性率,E'の計算

貯蔵弾性率 E'

a

の近似値は次の式によって算出する。

固定支持試験片

Ea

2

a

2

3

3

a

a

cos

1

2

δ

ú

û

ù

ê

ë

é

×

+

×

×

=

G

E

L

d

bd

L

S

F

E

A

A

Ea

2

a

2

3

3

a

a

cos

1

2

δ

ú

û

ù

ê

ë

é

×

+

×

×

=

G

E

L

d

bd

L

k

(1)

単純支持試験片

Ea

2

a

2

3

3

a

a

cos

4

1

2

δ

ú

û

ù

ê

ë

é

×

+

×

×

=

G

E

L

d

bd

L

S

F

E

A

A

Ea

2

a

2

3

3

a

a

cos

4

1

2

δ

ú

û

ù

ê

ë

é

×

+

×

×

=

G

E

L

d

bd

L

k

(2)

(2)

における

  [

]

括弧の項は,曲げ変形に与えるせん断変形による概略の割合である。

E'/G'

の値は,

等方性ガラス及び結晶性ポリマーでの

2.7

程度からゴムでの

3.0

程度の範囲をとる。非等方性材料では,よ

り大きな

E'/G'

となり,これらは動的な曲げ弾性率及びせん断弾性率のデータから評価しなければならない。

L

a

/d

は,せん断による変形の補正量が

0.1

を超えない範囲で選ぶよう推奨する。

備考6.

(1)

及び式

(2)

におけるせん断補正項

  (d

2

/L

a

2

) (E'/G')

  (d

2

/4L

a

2

) (E'/G')

はそれぞれ近似値であ

る。なぜなら,それらは曲げにおける試験片の厚さ方向のせん断応力の分布を無視している

ためである。

10.2.1

試験片共振の回避


6

K 7244-5 : 1999 (ISO 6721-5 : 1996)

(1)

及び式

(2)

は駆動周波数が試験片の基本曲げ共振周波数

f

S

に近くなると無効となる。試験片の基本曲

げ共振周波数の概算値は,次の式によって求める。

固定支持試験片

2

/

1

a

2

a

03

.

1

÷÷ø

ö

ççè

æ ′

×

×

=

ρ

E

L

d

f

s

(3)

単純支持試験片

2

/

1

a

2

a

71

.

0

÷÷ø

ö

ççè

æ ′

×

×

=

ρ

E

L

d

f

s

(4)

ここに

ρ

はポリマー密度であり

kg

m

3

で与えられる。次に示す周波数では,式

(1)

及び式

(2)

での誤差が大

きくなる。

f

0.08f

S

(5)

したがって,動的特性の算出には,式

(5)

の周波数より低いものに限定すべきである。

10.2.2

変換器共振の補正

周波域が十分に高い場合は,与えた変形によって荷重変換器が励起され共振する。共振周波数

f

F

は,式

(6)

によって求められる。

2

/

1

2

1

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

F

F

F

m

k

f

π

(6)

変換器の出力は,次に示す周波数では誤差が大きくなる。

f

0.1f

F

(7)

荷重変換器と支持される質量

m

F

の共振周波数

f

F

は,試験片を装着せずにクランプだけをたたいたとき

の変換器出力の固有周波数を記録することによって直接求めることができる。

変換器共振を補正した試験片の剛性は,次の式によって,更によい概算値を求めることができる。

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

=

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

=

2

2

a

2

2

a

1

4

1

F

F

F

f

f

k

k

f

m

k

k

π

(8)

荷重変換器の選択に当たっては,式

(6)

及び式

(7)

を用いて,その共振周波数が力の測定に対して補正を必

要としない範囲のものを選ぶことを推奨する。

10.2.3

装置コンプライアンスの補正

κ

a

0.02

κ

より大きい場合,試験装置のコンプライアンスは無視できない大きさとなり,測定変位は試

験片の変位と大きく異なる。したがって,次の補正をしなければならない。

(

)

(

)

Ea

a

a

Ea

a

cos

/

2

1

/

cos

cos

δ

δ

δ

=

k

k

k

k

k

k

E

 (9)

ここに

δ

E

は,式(11)で求められる。式(9)で求められる

κ

cos

δ

E

は,式(1)又は式(2)の

κ

a

cos

δ

Ea

の代わりに用

い,より正確な E'

a

の概算値を求める。

備考7.  変位計が中央のクランプと両端のクランプ又は単純支持間の相対距離を測定するように配置

されている場合,コンプライアンスの補正は不要である。

10.2.4

長さ補正


7

K 7244-5 : 1999 (ISO 6721-5 : 1996)

式(1)の試験片の長さにクランプ間距離の測定値 L

a

を用いる場合は,クランプ内及びクランプ付近の試験

片のゆがみを無視している。有効長さが L

a

となるように L

a

に補正を行い,と L

a

とは独立のものであ

ると仮定すると,式(1)から次のようになる。

(

)

Ea

2

a

2

3

3

a

cos

1

2

δ

ú

û

ù

ê

ë

é

×

+

×

+

=

G

E

L

d

bd

l

L

k

E

(

)

3

a

3

a

a

L

l

L

E

+

×

=

 (10)

ここに E'

a

は,

必要に応じて,

見掛けの貯蔵弾性率に対し装置コンプライアンスを補正したものを使用し,

小さなせん断補正項の長さ補正は無視している。l

a

は一連の異なったクランプ間距離 L

a

での測定値 E'

a

から

決定される。式(10)を用いて L

a

対 L

a

/E'

a

1/3

を図式化すると,L

a

/E'

a

1/3

=0 の切片から を,傾きから E'を求め

ることができる。

備考8.  値は,試験片の断面積及び,もし温度が動的弾性率の大きな変化の要因となる場合は,温度

によって変化する。

10.3

曲げ損失係数 tan

δ

E

の計算

曲げ損失係数の概算値は,tan

δ

E

で表す。

κ

a

が 0.02

κ

以上の場合,負荷部のコンプライアンスは,位相角測定の精度に影響を与える。損失係数は,

次の式によって求める。

(

)

Ea

a

Ea

E

cos

/

1

tan

tan

δ

δ

δ

=

k

k

(11)

備考9.  負荷部のコンプライアンス要因がボルト接合部から発生しているようであれば,測定位相角

δ

Ea

に摩擦の影響がでることもある。結果的に起こる誤差は

κ

a

/

κ

の割合で大きくなる。この

誤差の要因は,中央のクランプと両端のクランプ又は単純支持間の相対距離の変化が測定で

きるように変位計を設置することによって回避できる。

10.4

曲げ損失弾性率の計算

損失弾性率 E''は,次の式によって算出する。

E''

E'tan

δ

E

 (12)

10.5

温度の関数としてのデータの提示

JIS K 7244-1

の 9.4(温度依存性の測定)による。

11.

精度

この試験方法の精度は,試験室間のデータがないので不明である。精度は,そのデータが得られた時点

で,次の改正で追加する。

12.

試験報告

試験報告には,次の事項を含めなければならない。

a)

この規格の番号

b)

m)  JIS K 7244-1 の 12.(報告)による。

n)

固定支持試験片の場合は 3dS

A

/L

a

2

,単純支持試験片の場合には 3dS

A

/2L

a

2

の各式によって計算される最

大動的ひずみの概算の振幅。


8

K 7244-5 : 1999 (ISO 6721-5 : 1996)

図 1  曲げ−非共振法による動的弾性率測定のための試験装置


9

K 7244-5 : 1999 (ISO 6721-5 : 1996)

図 2  加振器に供給する電流によって試験片に負荷する荷重を測定し,動的弾性率測定を行う

試験装置の別例


10

K 7244-5 : 1999 (ISO 6721-5 : 1996)

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

本委員会

分科会

(委員長)

中  山  和  郎

工業技術院物質工学工業技術研究所

宮  入  裕  夫

東京医科歯科大学医用器材研究所

宗  宮      詮

慶応義塾大学理工学部

増  田      優

通商産業省基礎産業局

大  嶋  清  治

工業技術院標準部

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会

栗  山      卓

山形大学工学部

小  牧  和  夫

通商産業省大阪工業技術研究所

阿  部      聡

東京都立工業技術センター有機化学部

馬  場  文  明

三菱電機株式会社材料デバイス研究所

我  妻      誠

日本電信電話株式会社

三  原  観  治

株式会社東洋精機製作所

  (石  田  勝  己)  株式会社東洋精機製作所

光  井  正  道

株式会社島津製作所

(内  池  光  正)  株式会社島津製作所

齋  藤  英  隆

株式会社エー・アンド・ディ

川  村  好  宏

三菱樹脂株式会社平塚研究所

横  山      昭

三井石油化学工業株式会社サン分析センタ

田  辺  久  光

三菱化学株式会社四日市総合研究所

塚  原      浩

旭化成工業株式会社樹脂技術センター

坂  井  英  男

三井東圧化学株式会社千葉工業所

高  野  忠  夫

財団法人高分子素材センター

野  村      亭

レオメトリックス・サイエンティフィク・エ

フ・イー株式会社

平  山  泰  生

株式会社リガク

濱  島  俊  行

日本プラスチック工業連盟

(事務局)

樋  口  秀  臣

財団法人高分子素材センター

三  宅  孝  治

日本プラスチック工業連盟

◎印:委員長

解説文責  内池  光正