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K 7244-2 : 1998 (ISO 6721

−2 : 1994)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。これによって JIS K 7213-1995 は廃止され,この規格に置き換えられる。

JIS K 7244-2

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)  長手方向の力−重力 の影響について

附属書 B(参考)  減衰補正係数 F

d

附属書 C(参考)  寸法補正係数 F

c

附属書 D(参考)  文献

JIS K 7244

は,規格名称を“プラスチック−動的機械特性の試験方法”とし,次の各部によって構成さ

れる。

第 1 部:通則

(Part1

:

General principles)

第 2 部:ねじり振子法

(Part2

:

Torsion-pendulum method)

第 3 部:曲げ振動−共振曲線法

(Part3

:

Flexural vibration

−Resonance-curve method)

第 4 部:引張振動−非共振法

(Part4

:

Tensile vibration

−Non-resonance method)

第 5 部:曲げ振動−非共振法

(Part5

:

Flexural vibration

−Non-resonance method)

第 6 部:せん断振動一非共振法

(Part6 : Shear vibration

−Non-resonance method)

第 7 部:ねじり振動一非共振法

(Part7 : Torsional vibration

−Non-resonance method)


日本工業規格

JIS

 K

7244-2

 : 1998

 (ISO

6721

−2

 : 1994

)

プラスチック−動的機械特性の

試験方法−第 2 部:ねじり振子法

Plastics

−Determination of dynamic mechanical properties−

Part2 : Torsion-pendulum method

序文 

こ の 規 格 は , ISO 6721-2 : 1994, Plastics − Determination of dynamic mechanical properties − Part 2 :

Torsion-pendulum method

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規

格である。

なお,この規格で下線(点線)を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲

この規格は,周波数範囲 0.1Hz∼10Hz における小変形に対するプラスチックの線形動的機械特性,すな

わち,ねじり弾性率の貯蔵及び損失成分を温度の関数として測定する二つの方法(A 法及び B 法という。

について規定する。

十分広い温度範囲(例えば,多くの市販プラスチックでは−50℃∼+150℃)で測定したこれらの特性の

温度依存性データから,ポリマーの転移領域(例えば,ガラス転移及び融解転移)についての情報が得ら

れる。

また,同様に塑性流動の開始温度に関する情報も得られる。

これらの二つの方法は,非対称のラミネート(ISO 6721-3 : 1994, Plastics−Determination of dynamic

mechanical properties

−Part 3 : Flexural vibration−Resonance-curve method 参照)には適用できない。

また,ISO 4663 : 1986, Rubber−Determination of dynamic behaviour of vulcanizates at low frequencies−

Torsion pendulum method

を適用するゴムには適さない。

2.

引用規格

次の規格は,この規格に引用することによって,この規格の一部を構成する。この規格の発行の時点で

はここに示した発行年の引用規格が有効であるが,すべての規格は改正されることがあるので,この規格

の使用者は,引用規格の最新版を適用できるかどうか検討することが望ましい。

ISO 6721-1 : 1994

  Plastics−Determination of dynamic mechanical properties−Part 1 : General principles

参考  JIS K 7244-1(プラスチック−動的機械特性の試験方法−第 1 部:通則)が,この国際規格に

一致する。

3.

定義


2

K 7244-2 : 1998 (ISO 6721

−2 : 1994)

JIS K 7244-1 (ISO 672-1)

の 3.による。

4.

原理

断面積一定の試験片の両端をそれぞれクランプで装着する。クランプの一方は固定され,もう一方はロ

ッドを介して慣性体として運動する円板と接続される。円板に接続された試験片末端と円板が励振され,

自由ねじり減衰振動が実行される。振動モードは JIS K 7244-1  (ISO 6721-1)

表 2 IV に該当し,弾性率は

JIS K 7244-1 (ISO 6721-1)

表 に定義されている G

to

に該当する。

測定方式には,慣性円板を試験片に直接つるした A 法(

図 参照)とつり線につるした B 法(図 参照)

がある。B 法では,つり線も弾性振動系の一部を構成している。

昇温中,温度上昇によって周波数の減少が当然生じるが,同一の慣性円板を使用することができる。ま

た,ほぼ一定の周波数を維持するために,異なる慣性モーメントをもった円板に随時交換することもでき

る。

試験は,振動波形から周波数と減衰振幅を測定し,それらから,ねじり複素弾性率 G

to

*

の貯蔵成分 G

to

'

損失成分 G

to

"

が算出される。

5.

試験装置

5.1

ねじり振子装置

この規格には,A 法(

図 1)及び B 法(図 2)の二つの方法を規定する。

(A 法)  試験片の上端を上部クランプに止め,下端は慣性円板に下部クランプを介して取り付け励振

する。

(B 法)  つり線につるされた慣性円板を試験片の上端に取り付け,つり合い分銅でバランスし励振す

る。

いずれの方法も慣性円板,試験片をつかむ二つのクランプ(一方はロッドを介して慣性体に接続)

,両ク

ランプに装着された試験片全体を均一な温度に保つ恒温槽から構成する。

B

法では,つり合い分銅とつり線も必要である。

5.2

慣性円板

慣性円板(例えば,アルミ合金製)の慣性モーメント は,試験片のねじり剛性によって選択する。そ

のため,温度に依存した系の固有振動数は約 0.1Hz∼10Hz の範囲となる。

6.1

に規定する標準試験片では,試験中に同一慣性円板を使用するとき,慣性モーメント として 3×10

5

kg

・m

2

を推奨する。

備考1.  充てん材を添加したポリマーでは,慣性円板の慣性モーメント は約5×10

5

kg

・m

2

が必要で

ある。

広い温度範囲にて一定周波数が必要な場合は,慣性モーメント の異なった交換可能な慣性円板を使用

することができる。この場合,20%未満で慣性モーメントを段階的に変更でき,その結果 10%未満で周波

数を一定にすることができる。

6.1

の標準試験片を 1Hz で試験する場合,慣性モーメント の最大は,3×10

3

kg

・m

2

を推奨する。

5.2.1

A

法(図 参照)

慣性円板(下部クランプ及び下部ロッド)の全質量による重力 は,試験片に対して小さくなければな

らない[

附属書 A(規定),式(A.2)による。]。

5.2.2

B

法(図 参照)


3

K 7244-2 : 1998 (ISO 6721

−2 : 1994)

慣性円板(上部クランプ及び上部ロッド)の全質量は適当なつりあい分銅にてバランスされており,試

験片へ作用する長手方向の重力 の影響は最小となる[

附属書 A(規定),式(A.2)による]。

つり線は弾性振動系の一部になる。

図 1  試験装置(法)

図 2  試験装置(法)

5.3

クランプ

上下クランプは,それぞれ試験片を把持している箇所が動かないような構造になっており,試験片の縦

軸と振動系の回転軸が一致するよう自動的に調整される。その結果,測定温度範囲内で試験片はねじれが

生じないよう保存され,試験片の自由長さを正確に決定することができる。

クランプは,低質量であること。クランプ,慣性円板及び接続ロッドから成るシステムすべての慣性モ

ーメントは実験的に決定する。恒温槽外部との熱の出入りを防ぐため,クランプと慣性円板を接続するロ


4

K 7244-2 : 1998 (ISO 6721

−2 : 1994)

ッドは,断熱材でなければならない。

5.4

振動発生装置

振動発生装置は,通常の試験片では,振子の初期ねじり角が±1.5°未満で,

(エラストマーのような)

低弾性率の試験片では,±3°未満で振子が振動するようなねじりを加える能力が必要である。

5.5

振動記録装置

振動系に多大な影響を与えなければ,記録装置は,光学,電気的いずれの方式のものでもかまわない。

装置は周波数,振幅をそれぞれ,±1%まで正確に測定しなければならない(ただし,転移領域では±5%

以内)

5.6

恒温槽

JIS K 7244-1 (ISO 6721-1)

の 5.3 による。

5.7

雰囲気ガス

空気又は不活性ガスをパージガスとして使用する。

5.8

温度測定装置

JIS K 7244-1 (ISO 6721-1)

の 5.5 による。

5.9

試験片の寸法測定装置

JIS K 7244-1 (ISO 6721-1)

の 5.6 による。

6.

試験片

JIS K 7244-1 (ISO 6721-1)

の 6.による。

6.1

形状及び寸法

短冊状の標準試験片の寸法推奨値は,次のとおりとする。

クランプ間長さ

L : 40mm

∼120mm,推奨値 50mm

b : 5mm

∼11mm,推奨値 10mm

厚さ

h : 0.15mm

∼2mm,推奨値 1mm

なお,断面が長方形の試験片の厚さと幅は,長さ方向に沿って,最大と最小との差が平均厚さの 3%以

下でなければならない。異なる材料を比較しようとする場合,試験片の寸法は同一でなければならない。

推奨値 (50mm×10mm×1mm)  と異なった寸法の試験片の場合は,推奨値と幾何学的相似になるように

寸法を選ぶとよい。他の形状の試験片(例えば,円筒やチューブ)を使用してもよい。その場合,寸法と

公差は受渡当事者間の合意による。

6.2

準備

JIS K 7244-1 (ISO 6721-1)

の 6.2(試験片の作製)による。

7.

試験片の数

JIS K 7244-1 (ISO 6721-1)

の 7.による。

8.

状態調節

JIS K 7244-1 (ISO 6721-1)

の 8.による。

試験片の機械的調整が必要な場合は,試験片をねじり試験軸に対し,両方向に 5°∼90°間でねじり,

元に戻すこと。


5

K 7244-2 : 1998 (ISO 6721

−2 : 1994)

9.

手順

9.1

試験雰囲気

JIS K 7244-1 (ISO 6721-1)

の 9.1 による。

9.2

試験片断面積の測定

JIS K 7244-1 (ISO 6721-1)

の 9.2 による。

9.3

試験片の取付け

試験片を上下のクランプの間に取り付け,試験片の縦軸が振動系の回転軸に一致するようにする。軸の

不一致は,試験片の横振動の原因となり,正常な振動を妨げるので,特に注意すること。

試験片取付け,クランプ間の長さ (L) を±0.5%以内の精度まで正確に測定する。恒温槽内に振動系を取

り付けるときに,試験片に応力がかかっていないことを確認する。

試験片を含めた振動系を完全に組み立ててから,その直線性を確認し,昇温又は降温を開始する(9.4

参照)

9.4

温度依存性の測定

JIS K 7244-1 (ISO 6721-1)

の 9.4 による。

9.5

試験の実施

振動発生装置を使用して,振子をねじることによって,自由振動を開始する(5.4)。

振動周波数及び振幅の減衰を記録する。その際,振動の減衰が装置の可動部と固定部の間の摩擦や試験

する材料の非線形性に起因するものでないことを確認する[JIS K 7244-1 (ISO 6721-1)  の

附属書 B(参考)

を参照]

温度依存性の測定中に,周波数を一定に維持するには,必要に応じて,慣性円板を交換しなければなら

ない。

10.

結果の表示

10.1

記号及び補正係数

b

:  試験片の幅 (m)

h

:  試験片の厚さ (m)

L

:  クランプ間の試験片の長さ (m)

I

:  慣性円板の慣性モーメント(必要に応じて,クランプと接続ロッドも含む。

) (kg−m

2

)

f

d

:  減衰振動の周波数 (Hz)

f

0

:  B 法での振子の振動周波数(試験片なし) (Hz)

Λ

:  振子の対数減衰率(試験片あり)

Λ

0

:  B 法での振子の対数減衰率(試験片なし)

F

g

:  試験片の形状係数 (m

3

)

断面が長方形の試験片については

F

g

=3L/bh

3

F

c

 (1)

ここで,F

c

は形状補正係数で,次の式で与えられる。

h/0.6

のとき

F

c

=1−0.63h/ (2)

0.6 h/b 1

のとき

F

c

=0.843/ (1+h

2

/b

2

 (3)


6

K 7244-2 : 1998 (ISO 6721

−2 : 1994)

断面が直径 d (m)  の円形の試験片の場合は,

F

c

=32L/

π

d

4

 (4)

F

d

:  減衰補正係数(次の式にて求められる)

F

d

=1−  (

Λ

/2

π

)

2

 (5)

G'

to

:  試験片のねじり貯蔵弾性率 (Pa)

G''

to

:  試験片のねじり損失弾性率 (Pa)

備考2.  附属書 B(参考)に記載の理由で,減衰補正係数 F

d

の添字については,この国際規格の前の

版,ISO 537 : 1989 (9)  とは異なっている。

3.

(2)及び(3)は近似式であるが,その最大誤差は 0.9%となっている[

附属書 C(参考)参照]。

4.

形状係数には,締付けによって生じる試験片の長さの補正は含まれていない。

したがって,同じ厚さで,しかも幅と長さの比が同じ試験片同士で測定した場合だけ

に,その結果を比較できる[JIS K 7244-1 (ISO 6721-1)  の

表 及び備考 7.を参照]。

10.2

対数減衰率の計算

対数減衰率

Λは,次の式にて算出される。

Λ=ln (X

q

/X

q

1

)  (6)

ここで,X

q

X

q

1

は,同一方向の連続する振動の振幅とする[JIS K 7244-1 (ISO 6721-1) , 3.10 参照]

。任

意の同一方向の振動 と の振幅から

Λ

を算出するときには,次の式が適用される。

(

)

p

q

X

X

q

p

/

ln

1

=

Λ

 (7)

ここで,X

p

は 番目の振幅,X

q

は 番目の振幅である。

図 に示すように,正弦減衰曲線のベースを正確に規定できない場合には,次の式を適用する。

(

)

(

)

*

*

*

1

*

/

ln

1

/

ln

p

q

q

q

X

X

q

p

X

X

=

=

Λ

+

 (8)

ここで,X

p

*

,

……, X

q

*

X

q

1

*

は,連続する正の振幅と負の振幅の差である。すなわち,

X

q

*

X

q

*

X

q

備考5.  式(8)の補正は,測定中のベースラインシフトが一定であるような結果に適用でき,測定中ベ

ースが変化するものでは適用できない。このようなベースラインドリフトは,振動の開始を

単一パルス(シングルパルススタート)にて行うような応用でみられる,試験片の緩和過程

での非振動部分に起因することもある。そのような場合には,異なる方向にそれぞれ単一の

パルスを与える(ダブルパルススタート)を適用するとドリフトを減少させることができる。


7

K 7244-2 : 1998 (ISO 6721

−2 : 1994)

図 3  ベースライン変化のある減衰振動での振幅

χ−時間  線図

10.3

ねじり貯蔵弾性率 G'

to

の算出

断面が長方形の試験片のねじり貯蔵弾性率[JIS K 7244-1 (ISO 6721-1) , 3.2 参照]は,次の式にて算出

される。

G'

to

=4

π

2

I (f

d

2

F

d

f

0

2

F

g

 (9)

ここで,h/が小さな値となる断面積の試験片については,式(1)及び(2)を適用して,式(5)を代入すると,

式(10)が得られる。

G'

to

=12

π

2

If

d

2

 [1

−  (

Λ/2

π

)

2

−  (f

0

/f

d

)

2

]

×L/bh

3

F

c

 (10)

ここで,A 法の場合は,f

0

が 0 となる。

ゴムのような材料に対しては,試験片に対する重力方向の力は無視することができる[

附属書 A(規定)

を参照]

10.4

ねじり損失弾性率 G''

to

の算出

ねじり損失弾性率<G''

to

JIS K 7244-1 (ISO 6721-1) , 3.3 参照]は,式(11)によって算出する。

(

)

g

d

to

F

If

G

0

2

4

Λ

Λ

=

π

 (11)

A

法では,

Λ

0

0

となる。

B

法については,

Λ

0

Λ

で,

h/b

が小さな長方形断面積の試験片の場合,式(1)及び(2)を式(5)を代入して,

次の式(12)が得られる。

c

d

to

F

bh

L

If

G

3

2

/

12

Λ

=

π

 (12)

11.

精度

この測定技術の精度は,ラウンドロビンテストに参加した 15 の研究所による測定結果から,次のように

決定された。

各試験室間精度は,G'

to

については,ガラス領域の温度では±7%,ガラス転移温度では±30%。G'

to

では,

ガラス転移温度以下で±10%であった。

G'

to

又は G'

to

からガラス転移温度を決定した場合,その温度誤差は,±3℃以内であった。試験室内精度

は,各実験室間精度のおよそ半分の値になった。


8

K 7244-2 : 1998 (ISO 6721

−2 : 1994)

備考6.  ガラス転移温度は,logG'

to

対温度曲線の変曲点から,又は G'

to

対温度曲線の極大値から決定

した。

12.

報告

報告には,次の事項を記入する。

a)

この規格の A,B いずれの試験法を使用したか。

例  JIS K 7244-2A, 2B (ISO 6721-2)  

b)

m)    JIS K 7244-1 (ISO 6721-1)  の 12.(報告)による。

n)

一定周波数の場合,使用周波数と慣性円板交換による周波数の変動範囲

o)

同一の慣性円板を使用の場合,全温度範囲における周波数の範囲

p)

  A

法の場合は,慣性円板の質量


9

K 7244-2 : 1998 (ISO 6721

−2 : 1994)

附属書 A(規定)  長手方向の力−重力 の影響について

この国際規格の前版の一部である ISO 537 によれば,試験片に付加される重力 による余分なねじり強

さが生じ,見掛けの弾性率増加⊿G

W

が生じる(ISO 537 では S

E

と表現されている)

。この重力 は,試験

片につながる各部品の総質量であり,円板,接続ロッド,下部クランプを試験片につり下げる方式 A では,

それらに対する補正が必要となる。一方,方式 B では,この は,つり合い分銅によってバランスしてい

るので補正は不必要である(

図 及び図 参照)。

弾性率の補正値⊿G

W

は,次の式で求められる。

G

W

Wb/4h

3

F

c

(A.1)

実際の補正は,式(9)によって算出された貯蔵弾性率から,補正値⊿G

W

を差し引く。

しかし,この補正に対して,次に述べる点について注意が必要である。

−  補正は,ゴム状弾性領域での測定にだけ必要である。

−  ゴムは,

“第 1 法線応力差”と呼ばれる特性を示すが,これは,せん断ひずみの 2 乗に比例して増加す

る。そのため不整合な振動が生じ,非線形性を示す結果となる。これを防ぐためには,微少振動によ

る測定を実施するとよい。

−  損失弾性率 G″については,重力による影響の取扱いは,その基本式に粘弾性を考慮していないため,

まだ不明確である。

上記のような問題点を解消するために,補正項⊿G

W

を G'

to

の 1%以下になるよう を決定する。すなわ

ち,は,

0.04G'

to

h

3

F

c

/b (A.2)

で,厚さ一定で直径 d,質量 の円板の慣性モーメント は,

I

md

2

/8 (A.3)

となり,Iはそれぞれ別々に調整可能である。


10

K 7244-2 : 1998 (ISO 6721

−2 : 1994)

附属書 B(参考)  減衰補正係数 F

d

附属書 の参考文献(1)(6)によると,幾つかの異なった数学的取扱いが,この規格のねじり振子試験

に適用できる。

損失弾性率 G"

to

に関しては,文献はすべて式(11)と同じ結果になっている。

しかしながら,貯蔵弾性率に関して文献(2)(3)は,その補正項  (

Λ/2

π

)

2

は ISO 537 に掲載された値と同

じ正値であるが,この規格では,式(5)に見られるように負の値となっている。

Struik

(4)

と Schaefer

(6)

によると,これはボルツマンの重ね合わせの原理を考慮せずに,単純に運動方程

式を適用したためであることが分かる。

Nielsen

(1)

によると,正の補正項は,貯蔵成分には関連はないが,複素弾性率には次の式によって適用さ

れる。

|G

to

|

=4

π

2

If

d

2

 [1

+  (

Λ

/2

π

)-] F

g

(B.1)

一方,負の補正項をもったこの規格の式(10)(12)から,複素弾性率の絶対値は,次の式のように表される。

(

) (

)

4

2

2

2

2

/

2

/

2

1

4

π

π

π

Λ

+

Λ

+

=

g

d

to

F

If

G

(B.2)

ここで,

Λ ≤

2.4

と仮定すると(この近似による誤差は 1%以下である。

) (B.3)

これは,Nielsen による結果式(B.1)と一致している。

Schaefer

(6)

は,式(10)が正の緩和スペクトルに対し,正確な近似であることを示している。


11

K 7244-2 : 1998 (ISO 6721

−2 : 1994)

附属書 C(参考)  寸法補正係数 F

c

  

補正項 F

c

に対する式(2)(3)は,近似式であり,式(2)は h/値が小さな場合の 1 次近似であり,式(3)

h/b

がほぼ 1 の場合である。

図 C.1 は,Nederveen と Van Der Wa

 (8)

による正確な式(C.1)と比較して,式(2)(3)の近似による誤差を示

したものである。

( )

(

)

[

]

(

)

å

=

+

+

×

=

0

5

5

1

2

2

/

1

2

tan

/

192

1

n

c

n

h

b

n

h

b

h

F

π

π

(C.1)

図によると,h/の範囲を式(2)で最大値 0.6 及び式(3)で最小値 0.6 に限定すると誤差の最大値は 0.9%に

なる。

前規格の ISO 537 では,式(2)(3)に対して,次の式の 2 次近似を使用した。

F

c

=1−0.63 (h/b) (1−h

4

/12b

4

) (C.2)

この近似に対する誤差も,

図 C.1 に示したが,h/の値が 0.5

≤ h/≤ 0.75 の範囲ではより正確な近似であ

ることが分かる。

したがって,推奨されているような h/のいわゆる薄い試験片に対しては,式(2)は,(C.2)よりも適切で

ある[式(3)は,更に修正を加えたものである。

図 C.1  正確な式(C.1)に対する近似式(2)(3)(C.2)の補正係数 F

c

の相対誤差

F

c

/F

c


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K 7244-2 : 1998 (ISO 6721

−2 : 1994)

附属書 D(参考)  文献

(1)

  NIELSEN. L. E. Rev. Scientific Instrum. , 22.690 (1951).

(2)

  STAVERMANN, A. J. , and SCHWARZL, F. In H. A. Stuart (ed. ), Die Physik der Hochpolymeren, Vol.4,

Springer Verlag, 1956.

(3)

  ILLERS, K. H. , and BREUER, H, Kolloid-Z. , 176 (2). 110 (1961).

(4)

  STRUIK. L. C. E. Rheol. Acta, 6, 119 (1967).

(5)

  RULAND, W. Colloid Polym. Sci. , 252 (5). 387 (1984).

(6)

  SCHAEFER, St. Thesis, Duisburg, 1988.

(7)

  ASTM Research Reports, File No. RR43 : D20.

(8)

  NEDERVEEN, C. J. , and VANDER WAL, C. W. Rhecl. Acta, 6 (4), 316 (1967).


13

K 7244-2 : 1998 (ISO 6721

−2 : 1994)

JIS

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

本委員会

分科会

(委員長)  中  山  和  郎

物質工学工業技術研究所

宮  入  裕  夫

東京医科歯科大学医用器材研究所

宗  宮      詮

慶応義塾大学理工学部

増  田      優

通商産業省基礎産業局

岡  林  哲  夫

工業技術院標準部

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会

小  林  政治郎

小林技術事務所

松  島  哲  也

松島塑材研究所

小  牧  和  夫

大阪工業技術研究所材料物理部

阿  部      聰

東京都立工業技術センター有機化学部

馬  場  文  明

三菱電機株式会社材料デバイス研究所

我  妻      誠

日本電信電話株式会社 NTT グループ事業推進本部

三  原  観  治

株式会社東洋精機製作所第一技術部

増  瀬  英  雄

株式会社島津製作所試験計測事業部

斉  藤  英  隆

株式会社エ−・アンド・ディ開発技術センタ−

川  村  好  宏

三菱樹脂株式会社平塚研究所

横  山      昭

三井石油化学工業株式会社サン分析センター材料物性研究所

田  辺  久  光

三菱化学株式会社四日市総合研究所物性分析研究所

塚  原      浩

旭化成工業株式会社樹脂技術センター

田  中  耕  三

三井東圧化学株式会社総合研究所技術研究所

金  沢  宏  之

住友化学工業株式会社メタアクリル・光学製品事業部

高  野  忠  夫

財団法人高分子素材センター試験・検査事業部

石  田  勝  己

株式会社東洋精機製作所第一技術部

市  村      裕

セイコー電子工業株式会社科学機器事業部

野  村      亨

レオメトリックス・サイエンティフィク・エフ・イー株式会社

平  山  泰  生

株式会社リガク新事業開発室

桑  田  広  治

株式会社島津製作所試験計測事業部

(事務局)  濱  島  俊  行

日本プラスチック工業連盟

樋  口  秀  臣

財団法人高分子素材センター

解説文責  桑田  広治